1 調査日時・箇所・内容
- 7月13日(月)
- ○北海道庁(北海道)
- 入札制度改革(予定価格の事後公表等)及び移住定住促進事業について
- 7月14日(火)
- ○北海道立水産孵化場(北海道)
- 河川・湖沼の環境研究について
- ○洞爺湖町(洞爺湖ビジターセンター・火山科学館)(北海道)
- 洞爺湖有珠山ジオパークにかかる取組について
- 7月15日(水)
- ○千歳科学技術大学(北海道)
- 公設民営大学の運営について
- ○国土交通省(東京都)
- 要望活動
- 7月16日(木)
- ○食のみやこ鳥取プラザ(東京都)
- アンテナショップの現状について
2 調査委員
- 石村委員長、銀杏副委員長、前田(宏)委員、村田委員、小谷委員、米井委員、初田委員、安田委員、尾崎委員
3 随行者
- 鳥取県議会事務局議事調査課 中西主幹、田中副主幹
4 調査報告
今回は、北海道で企画県土常任委員会所管の事項である入札制度改革、移住定住促進事業、河川・湖沼の環境研究、洞爺湖有珠山ジオパークにかかる取組及び公設民営大学の運営について調査を行うとともに、活発な意見交換を行った。
まず、北海道における入札制度改革及び移住定住促進事業について、北海道庁の担当部局を調査した。
入札制度については、平成19年より一定額以上の工事に関して予定額の事後公表を行っている。現在は、すべてを事後公表しているが、入札率に大きな変化はないということであった。ただ、同時期に一般競争入札の適用拡大を行ったため、どちらの影響が強かったのかは不明とのことであった。
また、公共工事の品質を確保する観点に加えて、継続的に経営できる環境を整備する観点から、当面の措置として最低制限価格を予定価格の9割程度に引上げを行い、その結果、低金額の工事ほど入札等の改善が図られているとの説明を受けた。
これら2つの点について、引き続き調査・研究が必要であると感じた。
移住定住の促進については、平成16年に首都圏等に住む約1万人を対象にアンケートを実施した結果、7割が北海道への移住に何らかの興味があるという結果が出たものの、定住までは難しいのが現状である。そのため、体験型の「ちょっと暮らし」に施策を転換しているところであるとの説明を受けた。
鳥取県においても、移住定住に向けた支援策を検討する上で大いに参考となった。
次に、河川・湖沼の環境研究として、ブラックバスやブルーギルといった外来魚の対策について、「水産孵化場」を調査した。
平成13年7月に北海道においてブラックバスの生息が確認された。生息調査の効率化や生態系への配慮、違法放流の抑止手段として、平成16年に電気ショッカーボートを導入した。捕獲に努力した結果、平成19年に一掃を宣言されたとの説明を受けた。
電気ショッカーボートは、使用域に限定されるものの、刺し網のようにフナなどの在来種まで捕獲することがないため、外来魚の駆除等に有効であることを認識した。
次に、洞爺湖有珠山ジオパークにかかる取組について、「洞爺湖町」を調査した。
洞爺湖・有珠山は、世界ジオパーク候補地域のひとつであり、現在、洞爺湖周辺4市町や北海道、国等が一体となって加盟に向けての取組を行っているところである。
噴火時を体験できる設備を備えた施設をはじめ、火砕流に飲み込まれた公営住宅等がそのままの状態として保存されている遺構など、活火山のダイナミックな活動を実感できるようになっており、山陰海岸の世界ジオパーク加盟に向けて大いに参考になった。
次に、公設民営大学の運営について、「千歳科学大学」を調査した。
千歳科学技術大学は、平成10年度に開学した公設民営の大学で、現在、定員240名の約8割が在学している。
就職率は99%超と非常に高いが、このことが大学入学希望者の増加にはつながっていないことなど、同じような悩みを抱えている現場の生の声を聞くことができた。
今後、鳥取環境大学に対する支援策を検討する上で非常に興味深い内容だった。
また、国土交通省の竹歳国土交通審議官(本県出身者)などに面会して、本常任委員会の所管する事項として、鳥取県内の道路、空港、港湾、鉄道、バス及び河川等に係る要望活動を行った。
あわせて、本県のアンテナショップ「食のみやこ鳥取プラザ」では、現在の状況について店長から説明を受けた。
県外調査を通じて、各委員から様々な発言、提言、提案がなされるなど充実したものとなり、大変有意義であった。今回調査したこれらの施策、取組については、今後の委員会活動の参考としていきたい。