1 調査日時・箇所・内容
- 8月31日(火)
- ○函館市役所(北海道)
- 西部地区のまちづくり構想について
- 9月1日(水)
- ○日本原燃株式会社(青森県)
- 原子燃料サイクル施設について
- 原子力災害対策について
- 9月2日(木)
- ○八戸市立市民病院(青森県)
- 八戸圏域ドクターカーについて
2 調査委員
- 野田委員長、森岡副委員長、山田委員、浜田委員、錦織委員、内田委員、廣江委員、斉木委員、横山委員
3 随行者
- 鳥取県議会事務局議事調査課 田中主幹、溝内副主幹
4 調査報告
今回は、函館市役所、日本原燃株式会社及び八戸市立市民病院を対象に、当委員会が所管する主要な行政課題について調査活動を行った。
- ○函館市における西部地区の歴史的景観の保存については、昭和50年代の北海道庁の支庁庁舎の移築の反対運動を契機に、歴史的町並みの保全・活用の機運が高まり、こうした背景のなか、歴史的景観を保全する条例等が制定され、行政、住民一体となって歴史的景観の保存が行われていた経緯がある。
「住みやすいまち、住みたくなるまちへの再生」をまちづくり構想の目標に掲げ、空き家、空き地の利活用の促進と併せて、公共交通機関の運行実験及び定住支援施策など、ソフト面・ハード面の両面での施策が行われていた。
現地調査では西部地区の歴史的建造物を実際に調査を行った。改修された建物には防火材と「木」を組み合わせてあるなど、景観に配慮しつつ、防災対策も考慮したまちづくりが行われていた。
○日本原燃株式会社では、原子燃料サイクル施設の調査を行った。はじめに、六カ所PRセンターにて担当者から概要説明及び同センター展示の各模型を用いて各施設の処理工程等の説明を受けた。
その後、低レベル放射性廃棄物埋設センター等の実際の施設の調査を行った。
各施設とも、安全面において最新の注意が払われるなか、緻密でかつ非常に高度な技術が用いられているのが印象的であった。同時に、技術の確立に向けて、度重なる試験が実施される等、関係者の熱意を感じた。
エネルギー資源の少ない我が国においては、化石燃料に代わる、将来的に安定したエネルギーへの転換が必要であるといわれている。
原子燃料の加工から再利用、廃棄物の管理まで一貫した原子燃料サイクルの確立は、その課題を解決する有効な方策であり、今後の技術の確立に期待するものである。
○八戸市立市民病院では、ドクターカーについての調査を行った。平成22年3月にドクターカーを導入した同市では、前年度にドクターヘリをすでに導入しており、空と地上の双方での救急医療体制の充実が図られていた。
ドクターカーの運行経費は車両の購入・整備に約400万円、運転手の人件費や燃料費等の年間運行経費が約640万円であり比較的安価な印象を受けた。また、ドクターカーに乗車する医師については、既存の救急救命センターの医師が乗車するということで医師の増員も行われていなかった。
出動回数をみると、114日の運行可能日で150件の出動があり、多くの需要があるとの印象を受けた。
当県においてもドクターヘリを兵庫県、京都府の3府県共同で運行しているが、ドクターヘリ・ドクターカーとも自治体の境界にとらわれることなく、隣接する自治体と共同運行が効果的であると感じた。
以上が調査を終えての所感であるが、調査全般にわたり、各委員から積極的な発言、質問があり、今回の調査は大変充実・有意義な内容と実感している。
今回調査を実施したこれらの施策や取組については、今後の委員会活動の参考としていきたい。