平成21年度会議録・活動報告

平成22年3月16日会議録

出席者(13名) 委員長
副委員長
委員
安田 優子
澤 紀男
森岡 俊夫
浜田 妙子
錦織 陽子
内田 博長
斉木 正一
鍵谷 純三
松田 一三
廣江 弌
藤井 省三
上村 忠史
稲田 寿久
 
欠席者(なし)
 

説明のために出席した者
  八幡生活環境部次長、桑田県土整備部次長外関係総室長、課長

職務のため出席した者
 議事調査課  藤木課長補佐兼主幹、岡田主幹、伊藤主事

1 開会  午前11時14分
2 閉会  午後0時32分
3 司会  安田委員長
4 会議録署名委員  上村委員、松田委員
5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり
 


午前11時14分

◎安田委員長
 ただいまから中海圏域調査特別委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 委員の皆様は、発言をされる際は必ずマイクのスイッチを入れていただきたいと思います。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、上村委員と松田委員にお願いします。
 それでは、これより議題に入ります。
 なお、質疑は説明終了後に行っていただきたいと思います。
 議題の1、第5期中海に係る湖沼水質保全計画について、田倉水・大気環境課長の説明を求めます。お願いいたします。

●田倉水・大気環境課長
 おはようございます。失礼します。
 そうしますと資料の1ページ目をお開きください。第5期中海に係る湖沼水質保全計画につきまして御報告申し上げます。
 中海の湖沼保全計画でございますが、湖沼法に基づきまして全国で11カ所、指定湖沼というのがございます。その中の1つで、中海につきましては平成元年から1期5年の計画を4期、平成20年まで続けてまりました。しかしながら若干の水質の浄化傾向は認められるものの、環境基準の水準まで達していないという状況から、5期計画に入らせていただくものでございまして、今年度制作をさせていただきました。
 まず、見ていただきますと、全体のスケジュールということで下に書いてございますけれども、3月24日に県の環境審議会のほうに諮問をさせていただきまして、5月、6月の住民からの意見募集、それから10月14日から11月9日のパブリックコメントを経まして、ことしの2月15日に県の環境審議会のほうに答申をいただいたところでございます。現在、3月3日に環境大臣の同意を申請をしているところでございまして、3月の19日ごろには同意がいただけるのではないかという形で進めさせていただいているところでございます。
 諮問しました内容につきまして、次のページ、2ページのほうに概要を示させていただいております。先ほども申しましたけれども、中海につきましては20年間にわたりまして水質保全計画を策定して浄化に取り組んできているところでございますけれども、いまだ水質環境基準に達成とは至っていないという状況の中で、平成21年の12月には鳥取、島根両県知事が美しい中海の自然環境を次代に引き継ぐために共同して中海を貴重な財産として未来に向かって活用、継承していくことで合意したところでございます。一層の水質保全対策を推進するということでございまして、新たなる計画の中に盛り込んでおりますのが、そこにございます長期ビジョンというもので、これはおよそ25年後の平成45年度において将来像をどのように望むかということでございまして、キャッチフレーズとして「みんなで守り、はぐくむ、豊かな中海」というキャッチフレーズで、下にございますけれども、人々に恵みや潤いをもたらす豊かな汽水域生態系の維持とか、人々の暮らしに安らぎを与える美しい水辺空間の創生とか、人々の間で語り、受け継いでいく湖として長期ビジョンを考えていこうということでございます。
 一番下のほうに第5期計画に達成すべき水質目標という形で、この5年間で、それならどこまで達成していこうかというものの目標値でございます。現状という部分を見ていただきますと、平成20年度でCODで6.0、全窒素0.47、全燐が0.060という実測値がございます。それらのことを踏まえまして、5年間でいろいろ施策をしていくわけですが、その5年後の目標値といたしまして、CODで5.1、全窒素0.46、全燐0.046を目標値として設定をしております。この設定につきましては過去5年間の気象条件をもとにいろいろな施策の効果を踏まえてシミュレーションをして出した数値でございます。これにつきましては島根県のほうといろいろ協議を重ねまして設定させていただいたものでございます。
 3ページのほうに主な対策として掲げさせていただいております。まず、第1番目、生活排水対策でございます。これにつきましては、流入負荷の削減のために下水道の整備、農集の整備、浄化槽の整備といったようなもので、今現在、普及率79%を87%まで上げようとするものでございます。これは島根県と鳥取県の両方の合わせた数字でございます。
 個別につきましては別冊にございますけれども、中海に係る湖沼水質保全計画(案)という形でつけさせていただいております。その中のほうに鳥取県、島根県の両方の別々の目標値が書いてございますので、後でごらんいただければというふうに思います。
 湖沼の浄化対策、浅場、藻場の造成等ですね、今もやっていますけれども、行っていく。安来港の覆砂等を行って底質改善を図るとか、浮遊ごみ、漂着ごみの回収などというものをしていくこととしております。
 工場・事業場の排水対策といたしましては、立入検査と監視の強化とか、規制基準の改正をいたしまして、若干の上乗せを適用することとしております。
 農業地域対策におきましては、エコファーマーとか肥料の減肥料とか、そういったようものを取り組んでいただいて、負荷量を減らしていただくと。
 市街地対策につきましては、道路路面の清掃であるとか道路側溝の清掃といったようなものを行っていく。
 自然地域対策におきましては、森林の適正管理ということで下刈りでありますとか、間伐とかというものを行っていくということでございます。
 流入河川の直接浄化対策といたしまして、河川のしゅんせつ、あるいは堤防の除草、それから河川内の藻刈りといったようなものを計画をしております。
 そして8番目でございますけれども、流出水対策地区の指定ということで、これ、新たに地区指定をしておりますが、農地・市街地からの流出負荷削減に取り組む地区を指定して、重点的に対策を実施することとしておりまして、流出水対策地区といたしまして、米子湾流域という指定をしております。これにつきましては別冊のほうの計画の一番最後のほうに地図をつけております。米子市の一部、それから安来市の一部を流出水対策地域として指定をして、この中でいろいろな施策をまたさせていただこうというふうに思っております。
 元に戻っていただきまして、その他でございます。中海の複雑な汚濁機構につきましては解明がまだでございますので、今後とも引き続き、国、大学、県が連携しながら行っていくということや、アダプトプログラムという形でいろいろとNPOの皆様方が活動をなされております。それらの皆様に積極的に支援をしていくと。
 わかりやすい湖沼環境指標として五感による湖沼環境調査というのを行っておりまして、これらは任意の団体でありますとか小学校とかいろいろなところの協力を得て行っているところでございます。
 また、環境教育につきましても意識向上に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 4ページ、5ページにつきましては10から11月に行いましたパブリックコメントの実施結果を記載させていただいております。総数が31件ございました。生活排水処理施設整備の促進でございますとか、それから親水護岸、浅場造成の促進でありますとか、それから海藻対策といったような御意見をいただいております。
 5ページの最後のほうになりますと堤防開削でありますとか地形改変といったような御要望もございましたけれども、5年間で行うというものにつきまして計画のほうに取り込まさせていただいておりまして、なかなか難しいものについてはまた考えていくと、検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 6ページのほうに、鳥取県の環境審議会の会長のほうから、この計画につきまして答申をいただきました。基本的には案のとおり策定することが適当であるという答申をいただきましたが、附帯意見といたしまして、そこの1、2に書いてございますけれども、データをわかりやすい形で公開をしなさいとか、環境ソフトの対策を評価して効果があるものについては充実に努めて推進しなさいといったような附帯意見をいただいております。これにつきましても真摯に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
 別冊のほうの水質保全計画でございますが、最後の16、17ページのほうに米子湾流域におけます流出水対策推進計画というのを策定しておりまして、これで米子市、安来市の皆様にお願いをたくさんして、清掃であるとかいろいろなものをしていくわけなのですけれども、そこにざっと農業地域対策、市街地対策、河川浄化対策といったようなもので、具体的にはそこに書いてあるようなことを進めていきたいというふうに考えております。
 17ページの大きい3番でございますけれども、普及啓発に関しましては、これからパンフレットを作成をして配布したり、米子市と共同して地域の説明会等を行っていきたいというふうに考えております。
 一番最後の4番目の下ですけれども、対策の促進と地域住民の負担軽減のために地域住民の活動に対して支援をするということでして、この支援につきましてはみんなで守る中海自然環境保全推進事業補助金というものを創生いたしまして、自治会とか環境保全団体の活動に対して、補助率は2分の1から3分の2ぐらいで、事業によって10万から50万ぐらいの支援を考えているところでございます。

◎安田委員長
 続いて議題2、第6回斐伊川河川整備懇談会について、桑田県土整備部次長兼河川課長の説明を求めます。お願いいたします。

●桑田県土整備部次長兼河川課長
 河川課でございます。それでは、資料7ページをお願いいたします。
 第6回斐伊川河川整備懇談会について御報告させていただきます。
 去る3月1日でございますけれども、国土交通省中国地方整備局が設置しております第6回斐伊川河川整備懇談会、このメンバーといたしましては学識経験者14名と沿線の市町の首長さん10名で構成されております、それが開催されまして、事務局のほうから今後おおむね20年間におきます工程及び工事の内容等を盛り込んだ河川整備計画原案が提出されたところでございます。
 その説明の要旨といたしまして、中段に書かさせていただいておりますけれども、そのほか流域全体の治水安全度を向上させるという観点から、ダム・放水路、斐伊川本川、宍道湖、大橋川及び中海・境水道における整備順序を模式的に表示もしております。その中で環境対策といたしましては、一応宍道湖、中海の中におきまして、浅場造成及び覆砂を水深4メーターより浅いところで湖内の水質及び底質が悪い箇所を対象に実施するということで、鳥取県側の施行箇所といたしましては、現在実施中の大崎周辺並びに米子湾周辺で行うということが記載されております。
 それにつきまして各委員からの意見が出ております。そこに主な意見を入れさせていただいておりますけれども、やはり内水対策、これに対しての関心が非常に強うございます。そういう中で国としても地元市町村と連携して取り組むようにというふうな意見が出ております。さらには意見募集期間として1カ月程度ということで説明したわけでございますけれども、もう少し期間をとるべきではないかという意見も出たところでございます。
 今後の予定でございますけれども、実は3月の12日にホームページ等で原案を作成しまして、これの縦覧を開始しております。それから、各市町村で縦覧を行っております。そういうふうな中で市民からの意見を4月の26日まで募集するようになっております。あわせまして、この原案に対します市民説明会を出雲、松江、米子の3カ所で行うようになっておりまして、米子につきましては3月の20日、土曜日、午後1時半から国際ファミリープラザで開催するというふうになっております。市民からの意見とか市民説明会等を踏まえまして、斐伊川水系の河川整備計画(案)の提示を行い、河川整備計画の作成を行っていくというスケジュールになっておりまして、そのあたりにつきましては8ページのほうで御確認いただけたらというふうに思っておるところでございます。

◎安田委員長
 ただいままでの説明につきまして、質疑あるいは御意見等ございましたらお願いいたします。

○上村委員
 田倉課長にお尋ねしますけれども、第4期の目標値と、その5年前の数字、2ページのCODとかありますでしょう、その数値ちょっと教えてください。
 もう一つ、3ページの(2)です。湖沼の浄化対策ということで安来港内の覆砂、これはどういうことでしたか、ちょっと教えてください。

●田倉水・大気環境課長
 水質目標値でございまして、第4期の水質目標値はCODで4.6でございます。全窒素が0.5、全隣が0.048という20年度目標値で4期計画は進めてまいっております。この水質目標値につきましては、先ほども申し上げましたけれども、最終年度の現況水の実測値をもとにして大体シミュレーションでしているものですから、実際言われますとおり、4期の目標はCODで4.6ですので、今期、5期が5.1という形で前期の目標値よりは上昇しているところでございますけれども、あくまでも最終年度の実測値をもとにして目標値を定めているものですから、こういう状況であるということでございます。
 安来の覆砂につきましては詳しくはちょっとわからないのですけれども、国交省だと思うのですが、覆砂をやっていかれているということだと思います。

●桑田県土整備部次長兼河川課長
 今の河川整備計画の原案を見ますれば、安来から揖屋にかけて覆砂、浅場造成等を行われるようになっておりますけれども。

○松田委員
 今やっているところはないの。

●桑田県土整備部次長兼河川課長
 今やっているところを広げていく。

○松田委員
 田倉課長、聞き漏らしたけれども、さっきの全国11湖沼は、それは何でしたか。

●田倉水・大気環境課長
 湖沼法という法律で水質保全計画を定めなければならない湖の指定というのが環境省のほうからなされておりまして、それが11カ所の湖沼が全国にあります。霞ヶ浦とか、鳥取県内では島根県とあわせますと宍道湖とか中海とか、手賀沼とかいろいろございます。今回は長野県にございますけれども野尻湖、それと宍道湖と中海がちょうど保全計画を改定する時期で、3つあわせて現在環境大臣のほうに同意を求められているという状況にあります。

○松田委員
 それはそれぞれが保全計画を出すという。

●田倉水・大気環境課長
 そういうことでございます。

○松田委員
 11湖沼にかかわる県が共同して水質浄化に対する提案とか国に対する取り組みを、それぞれ事情は違うからあれは違うのでしょうけれども、総合的に言えることは言える部分があると思うので、そういうやり方はやっていないのですか、一緒になって。

●八幡生活環境部次長
 先ほどの御質問ですけれども、11湖沼の関係都道府県が湖沼の協議会組織をつくっておりまして、毎年というわけではないのですが、例えば湖沼法の見直し時期の情報が入れば、そういう指定湖沼を抱える県同士で、いわゆる制度改正も含めて要望を今までもやってきておるということでございます。

◎安田委員長
 よろしいですか、ほかに。

○稲田委員
 3ページですが、ちょっと今の松田先生の質問にも関連するのですが、全体をこう見てみますと、1から8までが一応特定された対策になっているわけですね。その他で、さらに複雑な汚濁機構の解明に向けという文節があるわけですが、確かに汚濁というと非常に複合的なもので、一概にこれがいいのだ、これが悪いのだということは言いづらい部分があろうかと思うのです。ですけれども、この1から8まで見てみまして、今回新規に流出水の対策について、私はこれは本当にもっともだなと思うわけですが、これ以外に例えば複雑な汚濁の解明に向けて現在調査、研究をしているのだというわけですけれども、非常にこうこれでもまだ不十分なのかということの疑問が1点あるわけですね。それで、先ほどの松田先生の話につながるわけですが、例えば他の地域で、湖沼法の指定になっている11地域の部分で、やはり同じような、まだまだ汚濁の解明に足らない部分、これでもまだ不十分な部分があるのかどうか、ちょっとそれを教えてください。
 今度はこの別冊の16ページですが、きょう朝から私は何か言葉に大変こだわるのですけれども、先ほどの全協のときもそうだったのですが、汚濁、例えばですよ、16ページの表の真ん中なのですが、降雨に伴って流出する汚濁負荷対策の推進ということになると、これは言葉の使い方としておかしいのではないかなと思うのですよ。汚濁負荷を例えば低減させるとか、減少させるとか、減殺させるとかという、それを推進していくわけではないかと思うのですね。だから、最初こっちを見たときにも変だなと思って、こっちを見て全体を見たら、ああなるほどなと私は思ったのですが、それは直したほうがいいのではないでしょうか。その2点。

●八幡生活環境部次長
 最初の汚濁機構解明の実態といいますか、そういう御質問でございます。これは先ほどから11湖沼、同じような法律のもとで指定湖沼があります。それぞれに特徴のある湖沼でして、例えば琵琶湖は御承知のように淡水湖ですし、それから中海、宍道湖は汽水湖である。それから、湖沼の形態も全然違います。したがいまして、それぞれの湖沼にそれぞれの未解明なところがたくさんまだあるというのが実態でございます。汚濁機構解明というのは何につながるかというところがやはり一番大事なことだろうと。それで、我々としては2点、どこにつながるかといったときに、一つは直接湖の中で汚濁機構を解明することによって湖の中で浄化のための対策がとれないかと、そういう対策につながるような知見を湖の調査研究から得ていくというのが一つあろうかと思います。それと、もう一つはこの計画というのが実質は浄化施策計画なのですけれども、やはり旗印がないといけないということで、5年先の水質目標をこのように立てるわけです。これはまさにシミュレーション技術の世界でございまして、その予測技術の精度も上げないといけないということで、汚濁機構を解明する大きな目的の一つが、このシミュレーションの予測の精度を高めると、そういう目的、大きな目的としては2つあるというぐあいに我々としては考えているところでございます。
 先ほど、2つ目におっしゃいました汚濁負荷対策という言葉ですが、稲田委員のおっしゃるとおりでございます。目的はあくまでも削減対策、除去とか削減とかそういう意味でございます。これは1期計画の時代から国もかかわって、最終的には、当時、最初のころは総理大臣同意だったのですが、今は環境大臣同意です。前半は湖沼を管理している県レベルがこういう原案をつくると。それで、後半はその原案を環境省が窓口になって、国の各省庁と協議をしてまいります。それでそういうようなこともあったりして、国の一つの言葉のひな形といいますか、そういうことがあってずっとこの言葉で使っているということでございます。

○稲田委員
 わかりました。私はこの中海についてボランティアの方もさまざまな活動をしておられて、敬意を表するわけですが、そうすると1からとりあえず8まで特定したものが上がっているわけですけれども、この中で本当にこれこそが決定的なもので、これこそが汚濁の主たる原因なのだというようなものは、やはり複合的になっているわけですからわからない。だから、これをやはり総合的に対策を進めていかなければやはりいけないのだなということなのでしょうか。その主原因というもの、主なこれが決定的なのだよ。例えば湖山池の場合には、あれは鳥取市の浄化槽が完備していなくて汚濁の水が流れてくるというのも一つの大きな原因だったのですよね。この中海の場合にも本当に主たる原因とは何なのだろうなということをいつも思うわけです。それは皆さんが一生懸命活動しておられる中で非常に我々協力しながら見ておって、もどかしい気持ちもするわけですよね。そういうようなものがこの1から8の中に主たる原因というのはあるのですか、これは。

●八幡生活環境部次長
 この湖沼計画、先ほどおっしゃったとおりでして、総合計画、いろいろな効果の大小を問わず実施可能な浄化につながる事業はもうとにかくかき集めてでもやっていこうと。ただそのときに、おっしゃいますように何が一番効果が期待できるのかと、逆を言いますと何が一番汚濁の原因のウエートが高いのかと、そういう分析も当然我々としてやってきております。その結果、やはり中海、宍道湖、特に中海の場合に見ますと、汚濁負荷、いわゆる陸上から発生する汚れ、それの割合を、土地フレームといいますけれども例えば人間の生活をしているような市街地のところ、それから田畑のある農地あるいは山間と、そういうようなフレーム別に分けて汚れを試算しますと、やはり中海の流域の場合には生活系の汚れというのも、これも結構な割合であると。それに対してさらに、鳥取は割と少ないのですが、流域全体を見ますと島根が圧倒的に多いのですけれども、田畑、山林の面積というのが非常に大きいわけです。そうしますと、そういう面的な汚れのウエートも非常に大きく占めていますので、総合計画を立てるときの施策のウエートの置き方につきましては、そういう生活排水のところも当たり前で力を入れないといけないと。具体的には下水道等を初め、そういう対策も力を入れないといけない。それとあわせて面源対策というのも、力を入れないといけないのはわかっているのですが、効果的な削減技術というのがなかなか見つかっていないといいますか。例えば先ほど説明した中に、面的な汚れの中で対策として今やっておりますのが、例えば農地でしたら施肥とかそのたぐいをいかに効率的に少なくして、農作物に影響が出ない範囲で少なくしよう、そのための技術はどうかという話になりますし、それから面源で市街地の路面から汚れが流入河川を通じて中海に入りますので、そうすると路面にたまった汚れをいかに取り除くかと、そういう意味で清掃事業というものも重要なものだと。そういった、おっしゃっていただいたような負荷の推計をして、どこに今の技術で効果的にそれを対策がとれるかと、そういうあたりを考えて総合計画を立てておるということでございます。

○稲田委員
 最後に1点。私は生まれたところは加茂川のほとりです。米子湾にまさに面しているところなのですね。結局、あの周辺の人とよく話をすると、言われることが加茂川から流れてくる水、加茂川の水が汚いからやはり米子湾というのは汚いのだよということをおっしゃる方もあるわけですね。今回、新規にこうやって米子湾流域のいわゆる流出水の対策をやられるということはまことに結構なことなのですけれども、そこらあたりも一つ考えてみないと、加茂川対策ということもあるのではないかなという気が私はするのですが、どうなのでしょうか。

●八幡生活環境部次長
 これもおっしゃるとおりでございます。計画をつくった当初はもちろんメニューになかったのですが、この5期計画で新たに加茂川の川の中の藻がたくさん成長したり、枯れてそのまままた腐って汚れとして水に溶け出るといったような現象が起こっていますので、川の中の対策として藻刈りというのをこの5期計画でやろうという事業の中に盛り込んでおります。それ以外にも、河川清掃というのは従来からやっていただいていますけれども、そういう地域の皆さんの協力をもっといただけるような仕組みとして、ソフト的な面の支援も盛り込んでおるということでございます。

◎安田委員長
 よろしいですね。

○錦織委員
 昨日も常任委員会でいろいろ皆さんも論議されたのですけれども、きょうは2ページですね、私も言葉にこだわるようなのですけれども、上の囲いの中では国、関係市町とかいうふうに国が出ています。それで、長期ビジョンの中でもやはり国の関係なしでは語れないというふうに思うのです。ここの次の四角い中では、この環境を鳥取、島根両県の関係機関・住民で守り次世代を担う子供たちへと続いているのですけれども、ここはあえて国というのは外してあるので、私はやはり長期ビジョンの中で国の関与というのは非常に重要なので、何か入れるべきではないかなというふうに一つは思います。
 次、守りというふうになっているのは、今の状況を守るのではなくて、きれいにしないといけないということがあるので、ただこの中ではそういう表現で仕方がないのかなというふうにも思いますが、そこら辺でこの名称がちょっとどうなのかなというふうに思うこともあります。それで先ほど、八幡次長のお話を聞いていましたら、次の保全計画で実施可能なことをここに上げているというふうにおっしゃっていますので、結局今やっていないということは、これをやったらきれいになるということを、次の住民の皆さんのほうからも意見が出ているように、やはり堤防開削というのは一つの決め手だというふうに思うのですが、これは実施が不可能だから載せないのかなというふうに思うのですが、その点はどうなのでしょうか。どういうふうに受けとめておられるのでしょうか。

●八幡生活環境部次長
 最初のほうの、国という言葉が入っていない表現だという御指摘でございますけれども、これは言いわけをするわけでは決してございませんが、この事業の中で錦織議員がおっしゃったように、総合計画ですから国が行う事業というのも大きな事業がこの5年間事業の中に入り込んでおります。そういった意味では、当然国とも一緒に連携をしていくということでございます。
 あと、この文面も含めまして、内容も含めまして湖沼法のルール、法律の規定によりまして河川管理者に法律上協議をすることになっています。その協議は当然スケジュール的に見ますともう終わっておるのですけれども、そういう意味で国の了解もいただいた表現であるということでございます。思いはよくわかりますが、一応、策定主体が県でございますので、このような表現にさせていただいておるということでございます。
 2つ目の御質問の、今やっていない施策、実現可能性を考えて5年間でというものをメニューで入れておって、今はやっていないものも当然あると。その中に堤防開削というのも大きな対策ではないかというお話でした。
 これもまさにおっしゃるとおりだと思っています。ただ、御承知のように今までもいろいろ議論がございましたけれども、今は昨年の5月ですか、最終的な決着のもとで森山が開削されました。それで、そういう地形改変というのを、今後も、例えば具体的に出ているのが大海崎の部分の開削についても考えなければいけないのではないかと。そういう考え方は、我々こういう県の立場も当然持っております。ただこの5年間で、はっきり言いますとそれが実現する可能性は事実上ないだろうと。ただ、そういう施策を将来本当にこの計画の中にも位置づけるかどうかといった判断は、やはりしばらく現状の様子を見て、現実に森山の開削をやった効果が水質面でどうあらわれてくるのかと。それもしかも局所的なことだけでなくて、中海全体の水質について本当にトータルでいい方向に結果があらわれるかどうかと、そういったことをちゃんと見きわめて、それでその上で本当にさらに開削が必要であるというような議論が起こるとすれば、そういう状況を踏まえた話だろうと。したがって向こう5年間では具体的にこの計画に入れるという話ではないという理解でございます。

○錦織委員
 ただ、去年からのずっと論議の中で、今、堤防開削を60メートルしたと。それがどういう影響を及ぼすかは5年だとか10年か50年か、それはわからないというふうにおっしゃったので、そういうことになるとなかなか、では6期のときはどうなのだ、回を重ねても同じことが私は返ってくると思うのです。やはりそこら辺はちゃんと位置づけないと、どこかのところできちんと、どの場面で位置づけるかというとやはりこういった計画の中に位置づけないといけないと思うのですけれども、どうなのでしょうか。

●八幡生活環境部次長
 先ほどと同じような話でしかお答えできないのですけれども、そういういつまで待てばとかいう話の前に、現実に中海という広い湖が今回60メーター開削したことによってどのように変わってくるかということは、先ほどから言っているモニタリングをやっていくわけです。そしてそれをやりっ放しではなくて、毎年毎年その結果を関係者が集まって評価をすると。これは当たり前でそういうことをやっていくわけです。その評価の過程で、これはどうもいい方向が見られるからというような話になるのか、それとも局所的には改善されても、逆に悪いところも出てきておらないかといったような、そういう議論になる可能性もございます。したがって、そういう評価、モニタリングとあわせた評価をやりながら判断をしていくと、そういうやり方でしかもうないのではないかというぐあいに思っております。

○松田委員
 先ほどの話を繰り返しますけれども、国の予算でそれぞれの湖沼に対する予算と、この水質保全に関する、それから、それはトータルすればいいわけですけれども、その辺の資料をまたわかりますか。そうしたら後でもいいですから出しておいてください。
 というのは、とにかく国としての湖沼を生かす、これは環境ばかりではなしにあらゆる面において湖沼というのは物すごい力を持っているわけで、そういった意味でのどれだけ国が湖沼に対しての予算をあれしているかというのをちょっと知りたいものですから、お願いします。
 ちょっととっぴな質問ですけれども、この汚濁によって発生する炭酸ガスというのはわかりますか。また、あるいは汚濁を直すための酸素の消費量とかそういうことはデータ的に出るのでしょうか。まことにとっぴな質問かもしれません。

●八幡生活環境部次長
 最初の事業費のことでございますけれども、当然ながら正式決定を受けましたらそれのある意味の積算バックの資料でございます。我々も事業の事業量の中では事業費もあわせて整理をいたしておりますので、そういうものはお示しできると思っております。

○松田委員
 全国のですか。

●八幡生活環境部次長
 全国ということになりますと、これは……。

○松田委員
 それぞれの。

●八幡生活環境部次長
 それはそれぞれに照会をする話になりますので。

○松田委員
 ではトータルはわかりますか。

●八幡生活環境部次長
 11湖沼のですか。それもちょっと課長が申しましたけれども、計画のスタートがずれておりまして、例えば今回国の同意をもらおうとしているのが中海と宍道湖と野尻湖という3つです。それ以外に8湖沼あります。それが、それぞれがまたずれながら5年計画をリニューアルしながらやっていっているというようなことでして、同時スタートでの情報というのはもちろん入手できないということになります。
 だから例えばこの後、次の改定計画をつくるのが一番しょっぱなにこの指定を受けて計画をつくった先発の5湖沼がございます。琵琶湖とか霞ヶ浦とかそういったところですけれどもそういったところがあと2年先ぐらいに計画をつくりますので、その段階では聞かせていただける範囲で照会すれば新しい湖沼にかけるそれぞれの主体の事業費というのもわかると思いますけれども。

○稲田委員
 ちょっといいですか、ちょっと関連です。
 要するに汽水湖の部分だけは見てみたいと思われませんか。

○松田委員
 それも一つの方法です。

○稲田委員
 淡水ではなくて。

◎安田委員長
 というかですね、ちょっと私のほうからあれすると、平成21年度、あるいは平成22年度の11の湖沼に対する予算あるいは決算額を出してもらえればいいのではないですか。いかがですか。総事業費ではなくて。

○松田委員
 とにかくどれぐらいの予算が国として湖沼に対して投入されているかというとこが知りたいわけで、その辺がわかれば年次的に多少ずれてもいいので。

●八幡生活環境部次長
 わかる範囲であろうかとは思いますが、調べてみたいと思います。

◎安田委員長
 ではよろしくお願いします。

○錦織委員
 やはり私は堤防開削にこだわるわけなのですけれども、一言やはりこれは言っておきたいのです。鳥取県も境港、米子市民も、議会も、それから市も、2つの堤防開削をずっと主張してきたわけですから、そこのところはそういう意見を何か思いつきで言ってたわけではないのですね。それなりの実証とかシミュレーションとか何かをやって出してきたわけで、主張してきたわけですので、私はそういう面では今すぐにはできないかもしれないですけれども、県にはこれが必要だという姿勢はやはり持っていただきたいなというふうに思います。後退させないでほしいと思います。

◎安田委員長
 答弁はどうですか。

○錦織委員
 いいです。

◎安田委員長
 要望ですね。

○森岡委員
 このたびの第5回の湖沼水質保全計画の中で、新たに米子市の加茂川の流域、流出対策というのですか、こういったものが限定的に盛り込まれたわけですけれども、仮に米子市さんのほうが下水道を整備をしたいのだと、もっとさらに手を加えたいのだといったときに、県がこの地域を流出対策の指定をしているわけですから、それに対して県はどういうふうな対応をされるのでしょうか。もう県が実際にこれを指定しているということは、米子市もやる気になったときには県も何かお手伝いいただけるのでしょうねというふうに思われるところはあるのではないですか。どうか。

●八幡生活環境部次長
 今の御質問はこの流出水対策地区に計画をした、その計画の内容にも関係する話なのですが、この対策というのは今、森岡議員さんがおっしゃった下水道など、いわゆる我々点源の汚濁源といいます、点から汚れが出てくる、例えば工場排水なども一つの単位から出てくるという。それに対して市街地とか農地とか山林というのはいわゆる面的に広い面から雨が降って汚れが流れて流入河川を通じて池に入るという、そういう面的な部分です。この流出水対策地区で立てる計画との対象は、面的な世界で施策を充実してやると、そういう性格を持った計画でございます。ですから、この中の下水道対策というのは当然ながら従来にも増して努力をしていきながら、それにあわせて面的な汚れのところをこういう流出水対策地区計画の中でいかに充実してやっていくかと、そういうものでございます。

●田倉水・大気環境課長
 下水道地域について流入区域を優先してやってくださいとかというようなお話は特別にはやっておりませんけれども、この計画につきましては、米子市さんのほうにもこういう計画で流出水対策地域と指定をするというお話につきましては、十分させていただいておりますし、これからも地域の皆さんにも御説明申し上げるのですけれども、特別にならそこの下水道とかそういったものに県として別の補助を出すといったようなことまでは全く考えていないという状況で、あくまでも下水道という整備につきましては各地区地区の市町村さんの事業でございますので、それは市町村さんのほうで対策をしていただくということでお願いをしたいということでございます。

○森岡委員
 この推進計画の目標値がCODと窒素と燐、これを主体的に、5年後にこういう数値に持っていきましょうかと。確かに自然の、わかりますけれども、ただ自然の流入負荷が、ではここにどれだけ影響しているかというとほとんどないのですよね。基本的には今、下水整備がされていないところからの汚水が流れて、こういう燐であったり窒素であったりCODに対する負荷がかかるということから、要は対策を講じるわけですから、それの第一はやはり米子の加茂川周辺の下水道整備がきちんとなされていないから、ここに流入負荷がかかって汚染源が堆積するのだよと、だからここに指定地域を加えますよと。その一つの手法として、対策として下水道整備を米子市が考えたときに、考えるのはこれは当然だと思いますよ。ただ、県は指定するだけで後はどうぞ御自由にというのは何の意味があるのですか、これは。さっき八幡さんが言われたように山の流入を考えるならば、こんな指定をする必要はないです、全く。と思いますけれども、いかがなるものなのでしょうか。

○斉木委員
 関連で。きのうしっかり話しましたので、きょうは黙っておこうかなと思いましたけれども、流出水地域、米子市の湾の流域の対策というのは確かに今まで余り、全体として進めてきたから、特にここを重点的に今度やっていきましょうということで、これは一つのやり方だと思うのですけれども、これを見るとやはり地域住民に住んでいる人が出さないようにという精神訓話的な、やるのはみんな個々がそれぞれやる、これは当然のことですけれども、自分たちが出して自分たちが汚すわけですので、それはやりますけれども、行政も今言われるように、枠ほど決めて、そしたら地域でやってくださいということではなくして、やはり県なり国がもう少し下水道をするなら今非常に財源が乏しい中で一つ一つ進めていく。米子湾ばかりでなくして、米子市が特におくれているのが面的整備がおくれているから、なかなか幹線のほうにもどんどん先に進めないという事情があるわけでして、そういうことに対して、やはり湖沼法でも国の補助事業、かさ上げもありませんし、そうするとやはりこの地域で抱えている島根、鳥取がこの計画を練った段階で、やはり予算措置も考えて、米子市は米子市、境港でやりなさい、安来でやりなさいではなくして、県としてそういう事業はされるのなら応援しましょうということなら、この計画も5年ごと今までやってきた20年間、もうちょっと私はこの数値が進んでくるのではなかろうかなと思うのです。県としては精神訓話でやりなさいと、これだけは地域でやってくださいよということだけなものですから、そういう面で実際やる自治体は非常に財政的にやりたいのだけれどもできないというとがありますので、やはりそのことは本当に進めていく、計画どおりやるということになると、予算措置も私は本当は必要だろうと思うのです、前から。非常にこれは難しい問題だとわかっていますけれども。本当はこれを国と一緒になってやっていかなければ、いい目標というのは達成ができないと思うのですよね。そのあたりはやはり今までどおり5年ぐらいのこういう間隔でいかれるという話でしょうかね。

○稲田委員
 いやいやそうじゃなくて、森岡委員が言っているのは、要するに指定をしたのだから、簡単にいうと県と米子市との関係はどうなるのだということを言っているわけです、彼は。だからそこのところが知りたい部分なのですよね。

●八幡生活環境部次長
 前段で斉木委員がおっしゃいました、我々も計画策定の作業をする立場として財源のところはこれは当然大切な話です。例えば、湖沼法というのは特別措置法でございまして、本来ですと特別にそういう力を入れると国が定めたルールであれば、何らかの金銭的な支援措置というのが法令の中に位置づけてあるのがしかるべきだと。これは湖沼法が成立されて中海に指定を受ける際にもそういう議論を我々も起こしましたし、それから今までお答えした中に全国の指定湖沼で集まって国に要望するという場面がございました。その中で一番大きな話題は、財政的な支援措置を法律の中で位置づけてくれと。これは毎回のごとく国に要望を上げてきたのですが、結論としては実現していないというのが実態でございます。それは、これでやめたというのではなくて、特別措置といえども続きますので、そういう県のレベルで計画策定の立場から引き続きそういう法改正の要求はしていくべきだというぐあいに今でも思っております。それでやっていこうと思っております。
 現実になったときに、国の、ある意味でそういう金銭的な支援がない状態で、一つの大きな浄化施策の柱になるのが、やはり生活排水対策というのが大きな柱です。これは制度上今さらの話になりますが、事業主体が市町村ということになりますので、その事業の拡大がスムーズにいくような、そういう応援を県としてやっていくと。そこにさらに県から金銭的な支援という話になりますと、私の口からははっきり言って言えない世界になってまいりまして、大変難しい現実なのではないかなという気はします。
 後段の流出水対策計画あるいは地域の、米子市と県との関係というお話でございました。これもやはり策定主体である県としては、こういう中海という両県にまたがる湖で両県が努力してやると、しかも今までの中海の水質を議論するときに、どこの場所が一番悪いのかということが、この計画を立てる際にも一番焦点になります。そうすると現実は米子湾が、毎年とは言いませんが、ほとんど毎年最悪地点です。そうなりますと、地元の米子市さんもそういう当然認識をもっていただいていますけれども、より一層県とともに同じ立場で米子市さんにも努力をしていただくべきだと。そういうことで計画の策定の作業の前から、米子市ともこの地区の指定、あるいは計画の中身について協議をさせていただいて、今日こういうような形でまとめておるということでございます。ですから、米子市と県と力を合わせてやっていくということでございます。

○藤井委員
 私の口から言えませんと言われましたけれども、あなた自身がどう考えているかということです。あなた自身が本当に加茂川の浄化が米子湾の浄化につながるというふうに信念を持っていて、そしてこういう計画を立てたのなら、やはりそれを知事、上に上げていくべきではないでしょうか。そこだと思いますけれども。私の口からは言えませんという話で終わるべきことではないと。

●八幡生活環境部次長
 中途半端なお答えをして申しわけございませんでした。
 今の時点で私、作業の一員としまして正直に思っておりますのは、やはり県は県で、今回だけに限らず今までもですけれども、金銭的な投資も県の立場でしながらやってきております。具体的には例えば県道の清掃事業など、あるいは先ほど言いました新規で今回入れました加茂川の中のそういうもの、藻刈りの事業であるとか、かなりこれは事業量としての大きなものでございます。そういったものを県がストレートに、県の責任としてやるべきところというのは充実をしてやっていくべきであろうと。米子市を初め市町村さんは、従来から制度の中で生活排水対策で下水道を初め、そういう整備を一つの市町村の事業としてやっていただいていますので、そこはやはり間接的な協力という形で事業がスムーズにいくようなお手伝いをしていくということだろうと思っております。

○藤井委員
 僕が見ていて生活排水というのは一番大きいと思いますよ、何だかんだ言ってもね。言われた3指標が生活排水に関連した3指標ですからね。これを目標を達成しようと思えばそこに既決するわけで、そこはやはり県として努力をすることが、また国に努力を促すことにつながるわけですから、それはそう考えるべきだと思います。
 それとこれは最終目標は100%ですか。

●八幡生活環境部次長
 これはもちろん100%を目指してやってきています。

○藤井委員
 それはもう5年後には達成できる、10年後には。この間に89%いくわけでしょう。その次の5年には100%いきますかということを聞いている。
 そういう目標が出ているなら県としての関与というものは中心的な部分ですから、最初の話に返って申しわけないけれども、私の口から言えませんではなしに、計画を立てた人間の責任として、実現のためにこうあるべきだということをどんどん数字として、形としてあらわしていく責任があると、こういうことを言いたかったわけです。大体言いたいことを言ったと思いますが。

◎安田委員長
 ということです。ほかにございますでしょうか。

○斉木委員
 加茂川周辺というのがやはり一番今の流入負荷では多いと思うのですよね。それで、あそこの今回新たに藻刈りをされるということで結構な、今までもしておられますけれども、重点的にされるということですけれども、藻が入るのもやはり窒素、燐の、特に生活雑排水の中の窒素、燐が多いから、最近も川を見るのに確かに藻の生え方、アシとかそういうものの生え方が早いような気がいたします。そうするとあそこの集落排水が今、2カ所あるのですけれども、これは高度処理はしてあるのですか。
 それと実は加茂川は一番源流は島根なのですよね、伯太町。ここにも集落排水ができております。伯太町の一番源流が、加茂川のね。ですから、ここにもやはり、これから上である中海の水質汚濁防止協議会で、島根で鳥取と協議されるわけですけれども、ぜひ島根のほうの上のもできたら高度処理がしてもらえるのなら、余計いい水が加茂川源流から流れるということですので、島根のことですのでやいやいこちらは言えませんけれども、協議会の中でいろいろな問題点を出していただいて、検討していただくということが必要ではないかなと思います。特に鳥取県の場合は鳥取、島根でほとんど9割が島根の流入範囲面積が多いわけですので、鳥取県も一生懸命頑張っているのだけれども、あと9割はお隣の県ということになるので、ぜひ協議会の中で足並みをそろえてしっかりとやっていくということが必要だろうと思うのですけれども、どんなような状況ですか。

●八幡生活環境部次長
 最初に農業集落排水の高度処理のお話がありました。鳥取側はよく御承知のように尚徳と成美地区にございます。処理場でいうと3カ所になります。その中の成美の一つが高度処理タイプになってございます。あと昨日もちょっとお話が出たのですが、そのそばに流域から外れますけれども、青木団地の処理排水が内浜処理場までつなげてございます。その幹線ルートが成美地区を通っております。成美地区のまだ農集の整備がされていない、当時計画があった第3番目の計画のところ、そこについてやっと昨年の10月に下水道の処理計画の認可がおりました。それで地元の事業主体の米子市も向こう5年間で下水道整備を進めますと、そういう段階まで来ております。したがってこれから近いうちに、そういう下水の処理が現実にあの地区もほぼカバーできるという流れになってございます。
 源流のお話が出ました。島根側は確かに流域面積も広いし、それから生活排水の処理の形態を見ても、下水よりも農業集落排水が整備手法上有利だということで、いわゆる山間地が多いということで、そういう整備に力を入れております。ただ、そこは両県それぞれが頑張ろうということでこの計画をつくっておりますので、お互いに頑張ろうという中で、ある意味でお互いが意識して努力をしているというのが実態でございます。

○斉木委員
 お互いに頑張って今まで20年間やってきておりますので、これからもやってもらわないといけないのですけれども、やはり加茂川の源流という特別の事情ほどはよく向こうにも話していただいて、こちらは高度処理を次々進めていく上で、ぜひもしもなってなければ、そのほうもお互いそこに力を入れてもらいたいなということは、ぜひこちらのほうからも意見として言っておいてくださいませ。

●八幡生活環境部次長
 常日ごろ情報交換していますので、ぜひ出したいと思います。

○森岡委員
 この保全計画そのものは鳥取、島根が合意して行っていくわけですから、島根も含めて加茂川地域は重点地域ですよということは認めてもらっているわけですよね。
 それと、これは島根、鳥取の議会の中の水質汚濁防止協議会の中でも同じ資料が出されるのですけれども、もう既に島根県などは90%ぐらいの、要は排水対策がもう行われているわけですよ。今後5年を含めると恐らく92~93%になるのではないかと思うのですよね、農業集落排水、それから宍道湖と中海に対する。あと残った鳥取県側が大体80%ぐらいだったかな。残りがどうしてもそこの加茂川集中のところになってしまっているのですよね。だからこれをきちんとやはり鳥取、島根と共同歩調するならば、下水整備はこれだけ地図まで載せてここが重点ですよとなっているのですから、ある程度予算措置は考えてやる必要があるのではないですか。米子市ばかりやれやれと言ったって、これはなかなかできないでしょう。と思いますので、何かこの委員会でそういう……。

●田倉水・大気環境課長
 今言われました流域の下水道を含めます生活排水処理施設のパーセントなのですけれども、平成20年度末でございます。島根県は83.6%でございます。

○森岡委員
 それは、計画が5年たつと90何ぼまで上がるの。

●田倉水・大気環境課長
 上がる予定にはなっております。
 鳥取県は20年度末で77%です。平均しますと20年度で大体80%が生活排水処理施設ということになりまして、5年後は先ほど申し上げましたけれども、87%になる予定でございます。

◎安田委員長
 皆さんの御意見。

○森岡委員
 これはやはり国にある程度予算措置をきちっと要望していく必要があると思うので、この委員会発議で意見書を出したらどうでしょうか。

◎安田委員長
 そういう御意見が出ましたが、委員の皆さん方の御意見を。いかがでしょうか。(「賛成です」と呼ぶ者あり)
 賛成ですか、反対なしですね。
 そうしましたら、そういう方向で、意見書を出すという方向でやりたいと思います。
 ほかにはございませんか。

○松田委員
 今の森岡君の意見と同時に、さっきの湖沼法の財政支援の問題がありましたね。あれもつけ加えて、意見書になりますか。

◎安田委員長
 出すところの出どころが問題。国交省に向かわざるを得ないのではないかなという気がするのですけれども。環境省というわけにはならないでしょう。

○稲田委員
 私が何か講釈を垂れるのも変なのですが、湖沼法というのはもともとのスタートはごくごく理念的で実体的な法律ではなかったのですよね。それにいわゆる予算をつけた法律案にするのか、予算をつけない法律案にするのかということは、やはり国会でこの湖沼法が成立するときに議論されているわけですよ。結局、最終的には理念的なものになりましたから、それに予算づきの法律にしてどんどんいわゆる保全をやっていくという、そういう方向には向かわなかったという歴史があるわけですよ。

●八幡生活環境部次長
 若干補足させていただきます。事務局のほうからの補足ということで。
 稲田委員がおっしゃったお話ですが、私も米子出身でこの中海計画に1期からかかわっておりまして、それで湖沼法制定当時のいきさつ、国のやりとり、それもおっしゃったとおりの情報を聞いております。それで、とにかく法案を上げた当時の環境庁の考え方は、やはり特別措置法だから、実質そういう充実した財政支援も含めた、しかも湖沼水質保全特別措置法という名前でなくて、湖沼環境保全特別措置法という形で法案を上げたと。最終行き詰まったところが大蔵との折衝で、やはり実質的なお金の面では骨抜きにされたと、そういう経過は我々の立場でも聞いております。

◎安田委員長
 そうすると、先ほどの11湖沼の予算がどのぐらい出ているものなのかということもいただいて、それの向かい方というのですか、湖沼法に対する財政措置をつけなさいという行き方がいいのか、あるいは国交省に向けてこういう生活排水対策の予算措置をという形がいいのか、また改めて皆さんにも御相談をさせていただきたいと思いますので、資料をお願いいたします。
 ほかにございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 そうしましたら4番のその他に行きたいと思いますが、その他でございましたら、どうぞお願いいたします。

○廣江委員
 境の船もああいうふうになってDBSもなかなか進展しない、人間は少し乗ったけれども、荷物はなかなかふえない、船の値段のこともあるし、この間も東海に行ってみたり、いろいろ向こうへ行って向こうの皆さんの意見も聞く。それからこっちで利用されている方の意見も聞いたりすると、双方から。境から荷物を積み出した人たちに聞くと、特に私が知っている人だから、米子や境の人だと港湾に持っていく運賃のとこは余り言われません、近くていいと言われます、神戸に行ってたりよそに行ってたことを思うと。だけれども、着いてから向こうが非常に高くでだめだと言われます。韓国側の東海でもDBSの常務ともいろいろな話をしたけれども、日本の境港に着いてから後の値段が高くていけないと言われます。両方ともがそういう言い合いをしているみたいなところで、そういうことなどをどう解決していくかということになると、まず、よその港に行ったらみんなもう今、トラック運送から貨物列車で運ぶように変わってきて、みんなそれで安くしてやっているわけで、そういうことなどが全然進んでないように私は感じるし、いっぱいやらないといけないことがあるのに、常任委員会はこういうのを今までちゃんとしてたら、そんなこと何もやっていないので、それで私はこの委員会をつくってそういうことをやらなければいけないと言った。
 米子空港も2,500メートルがようやくなって、私は前から3,000メートルを唱えてきたのですけれども、2,500メートルになって、きょうの新聞などでも出雲空港がJALのほうがああいう事情ですから、今、飛行機の大きさをちょっと下げるとかいろいろな問題が出てきています。今、港湾もそうですけれども、空港も日本じゅうつくり過ぎて、100キロ以内の飛行場など要らないものだということで、ちゃんとそういうことを見越している人は、もう15年も20年も前からそういっておられましたけれども、いよいよその時期が来たということになると、2,500メートルでいいのか、3,000メートル必要なのかというとこもありますけれども、これを利用してちゃんとこれからの10年後なのかどうか知りませんけれど、その方向性に向かっていく体制づくりというのはしっかり今やらなければいけないのに、JALさんとANAさんとの関係を見ても、米子空港もここでひとつ頑張って、東京空港にしても、今、滑走路ができる。そのときにもう1便だけでも何とかしのいでいける方向ができれば、全然違ってくるし、本当に将来の計画に向けての路線が早くなる、そういうふうになると米子のほうももう少しお客さんがふえてくれば、今度はほかのコースが大分できるし、ソウル便などのあれも違ってくるし、本当にもう一息米子空港の利用者が東京便などにしてもふえると、ほかのほうのあれが全然変わってくるので、その辺を非常にやるには今非常にチャンスだと思うので、何とかそういうことができないのかなと思っていて、その辺のあれだし、それからリサイクルの港湾の問題も、10年前に片山知事が3年ないし5年でできますと約束したことが、この間の境であった、これからいよいよ本格的なリサイクルの港湾のあれに入るわけですけれども、それをするかどうかみたいな審議会があって、審議会にも私、傍聴に行きましたけれども、10年前に県の職員からやれやれやれやれ言って激励されてあの話が持ち上がったのですけれども、あの当時の域よりもっと後退しているような形で、こんなことしていたらとても境港の発展なんて全然だめで、国のほうは予算も1万トンや2万トンの岸壁ならその予算はつけてあげるからと待っているのに、この前も境の会議に来て、いつになったら書類が出てくるのですかと、国のほうが怒っている。そのことを何とか挽回してやっていかないといけないので、そちらのことをもう少しこの委員会で私はやってほしい。そういうことをもっと調査したり、行動を起こさないと、せっかくのチャンスがもうつぶれてしまうような気がして、年寄りですから気がせれるものですから、思っていますので、今後その方向性を出していただくように、この委員会のほうにお願いしておきたいと思います。

◎安田委員長
 ほかにございませんでしょうか。
 ないようでしたら、意見も尽きたようですので、このまま執行部の皆さんには御退席をいただきたいと思います。委員の皆様にはしばらくお残りをいただきたいと思います。御苦労さんでした。
(執行部退席)

○松田委員
 あれがなかったな、炭酸ガス……。

◎安田委員長
 ああ、本当だ。

●八幡生活環境部次長
 炭酸ガスの試算というのは現実にもちろんやってございます。自然界の現象で世界の話になってしまいますので、やろうと思っても大変かなとは思います。

◎安田委員長
 そうしますと、皆さんに御相談なのですが、本会議におきまして各委員会の1年間の活動状況について報告することになっております。本委員会の平成21年度の活動状況については、お手元に案を配付しておりますが、いかがでしょうか。皆様の御意見を伺いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 よろしいでしょうか。そうしますと最終文面は委員長一任ということで御了解をいただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 ありがとうございます。それでは、以上をもちまして中海圏域調査特別委員会を閉会といたします。


午後0時32分 閉会

 

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