午後1時02分 開会
◎横山委員長
ただいまからエネルギー・雇用促進調査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、本日の議題については、委員長、副委員長で事前に協議し、未来づくり推進本部の該当プロジェクトチームから、それぞれの検討状況を報告していただくこととさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、藤縄委員と伊藤保委員です。お願いします。
それでは、議題に入ります。
質疑については、議題ごとに説明終了後に行っていただきます。
議題1、雇用創造1万人プロジェクトについて、河原統轄監に総括説明を求めます。
●河原統轄監
雇用創造1万人プロジェクトの県庁内のチーム長をさせていただいております。
御案内のとおり、この4月に平井県政の2期目がスタートいたしました。パートナー県政あるいは産業未来、雇用創造、こういった5つのアジェンダ、そして40の政策項目をひっ提げて第2期目に入ったわけでございます。私ども県庁では、この4年間にそういった政策目標を実現すべく、これから一生懸命努力をしていく所存でございます。
そのエンジン役として、知事をトップに未来づくり推進本部というのを4月25日に立ち上げをいたしました。その中で40の項目がいろいろありますが、部局横断的に取り組むべき重要課題というのを11選びまして、11のプロジェクトチームを立ち上げようということで決定をいたしました。本日の雇用1万人プロジェクトもその中の重要な一つでございます。
この雇用1万人のプロジェクトでございますけれども、鳥取県は若年層の県外流出が続いております。統計によりますと5年間で7,000人から8,000人程度が流出しているということで、今後この若年層が安心して鳥取県に定着していただけるよう、雇用の場をつくるということを目標にいたしております。さらに最近では、三洋、パナの再編とかで非常に雇用問題が大きな課題となっております。
このプロジェクトを進める上で、我々は3つの視点を持って取り組んでございます。
一つは、従来は製造業と産業を中心に雇用を考えてまいりましたけれども、今回は、農林水産業、観光、福祉、医療、それから教育、こういった県庁の各分野の施策を総動員して、この4年間に1万人雇用を達成しよう、実現しようということにしております。
2つ目は、雇用と一口に言ってもいろいろな形態があるわけでございます。今、産業が非常に効率化を求められているのですけれども、なかなか困難なことでありますけれども、これから施策を進める上で、できれば正規雇用等、質の高い雇用というのを少しでもふやそうという思いでやっていきたいというふうに思っています。
3番目には、やはり雇用でございますので民間との協働というのが一番大事だというふうに思っております。ですから現状認識、それから施策の立案、それから施策の実施、こういう一連の流れの中で常に民間に寄り添って、あるいは協働してやっていこうと、この3つの視点を持って今取り組みを進めているところでございます。
これまでの経緯でございますけれども、5月30日に、まず私ども庁内でPTの準備会を立ち上げまして、先ほど言ったような視点で私のほうから各部局に指示をいたしております。8月1日に、これは先ほど言った産業から観光から農林水産業、全部の分野のトップと言われる人に集まっていただきまして、まずは現状認識、課題、御意見、こういったものをお伺いを、雇用創造1万人推進会議というのを開いて多様な意見を聞かせていただいたところです。中身は後でまた詳細で説明させていただきたいと思います。
それを踏まえた上で、今度はそのときの意見を庁内の第1回の正式な会議に付しまして、そういった会議を各分野にフィードバックをしまして、現在は、各分野でそれぞれ民間の方も入っていただいたワーキングチーム、これはパートナーシップ会議といいますけれども、10の会議を立ち上げておりますけれども、こういったもので今施策の立案などを作業をしているところでございます。
今後の予定でございますけれども、この後11月15日、今検討しているいろんな施策などが一応まとまってきますので、まず第2回目の庁内のPTを開いて創造計画という計画骨子案について意見交換をする。そこで少したたいて、11月21日に、民間も入った1万人推進会議で計画骨子案について御助言をいただくということにしております。今の目標でありますけれども、最終的には、今年末に雇用創造1万人計画案を決定したいというふうにもくろんでおるところでございます。予算要求の流れが随時入ってきますので、来年度に特にやらなくてはいけないものは政策戦略会議のほうに随時のせて予算化の準備をしていくと、そういうことにしております。
詳細につきましては、事務局であります商工労働部のほうから御説明をいたします。よろしくお願いいたします。
◎横山委員長
続いて、網濱商工政策室長に詳細説明を求めます。
●網濱商工政策室長
そういたしますと、資料の1ページをお願いいたします。まず、下の推進体制をごらんいただけますでしょうか。ただいま統轄監の方から官民連携で協働して進めていくというお話がございましたが、それを絵にしたものでございます。
計画案の策定につきましては、この3段階の真ん中の、県庁内におきますこの1万人プロジェクトチームで練っていくということになります。ただ、官民連携ということでございますので、計画への助言ですとかという意味で、上のほうの民間の方のトップレベルによります助言機関、そして計画ができました暁には推進母体として想定しておりますが、この1万人推進会議、そして下のほうにございます、パートナーシップ会議と申しまして実務レベルで政策案を練っていただくという、この3部構成で現在検討を進めております。
この絵の中で申しますと、一番下の3に分野別PS会議、施策検討中とございますが、現在この3の位置にございまして、今後年末に向けて検討を進めていくということでございます。
上の欄に少し絵をかかせていただいております。統轄監の説明の中にもございましたが、あらゆる分野で雇用を創造するということなのですけれども、直近の平成23年8月現在の有効求人倍率を見ましても、福祉全体で見ますと1.54倍ということで職種によりましてはどうしても過不足があるということでございまして、従来から産業分野で雇用機会の拡大を図りながら、あわせて、そういう人材不足等の分野におきましてはマッチングの促進等による就業率のアップなどを交えまして、総体として雇用創造を進めていきたいというふうに考えております。
そうしましたら、めくっていただきまして2ページをお願いいたします。2ページには、8月1日に、官民のトップレベルでの助言機関である推進会議を開催させていただきました。ごらんいただきますと中ほどに書いておりますように、県内37機関のさまざまな分野から代表の方に御参加いただいたということでございます。
下に主な意見を書かせていただいております。今回、推進会議の立ち上げということもございまして、推進会議の機能、役割でございます計画検討に当たっての助言ですとか、あるいは若者が定着できる雇用環境の実現に向けた施策協力等の機運醸成などを申し合わせた上で、現下の経済情勢のもとでの求人、求職ニーズの状況ですとか、あるいは雇用創造に向けた課題等についてを中心に意見交換をいただいたということでございます。
主なものを書かせていただいておりますが、製造業については、海外との競争の中で国内存続がなかなか難しいということもございまして、研究開発や高度人材の重要性というものをかなり共通した御意見としてちょうだいしたところでございます。それから3番目に書いてございますのは、県内で事業を営むといいますか、県内を市場にされている皆さんの中からは、やはり零細企業にとっては倒産を防止するための事業継続と雇用維持で精いっぱいというようなお話が一方でございました。それから農業団体でございますけれども、今いろんな現場で新規就農の支援をしているということで、新規就農の重要性の指摘をちょうだいしたところでございます。それから社会福祉団体につきましては、やはり人材不足ということもありますが、女性の占める割合が高いのだけれども、なかなか定着できにくいというお話もございまして、やはり女性の就業環境の整備というのが重要であるというような御指摘をちょうだいしております。それから求職側についての御指摘として、学校関係者の方から、雇用のミスマッチの要因には、やはり生徒のコミュニケーション力不足という点も否めないというほか、親御さんのほうが、子供の適性無視、こういう会社がいいとか、どうしてもそういうことをおっしゃる側面もあるというような御指摘もございました。
このほかにも御意見は種々ちょうだいしたところでございますけれども、これらの意見も踏まえまして、現在、分野別の実務者会で政策案を検討中ということでございますので、年末に向けてこれを形にしていきたいというふうに考えております。
◎横山委員長
ただいまの説明について、質疑等はありませんか。
○福間委員
このプロジェクトをつくられて、1万人雇用創造、これから大変な御苦労をされると思う。ここに幾つかの課題も抽出をしておられて、ほぼこれに尽きるのかなと思う。
一つには、行政がどこまで踏み出すのか。例えばある時点になってから、いや、これは民間の役割ですみたいな格好でいくのか。本当に1万人雇用達成ということを、しかもこの雇用達成の中身が若者、それから女性ということに特に力点を置くとするならね、極端な言い方をすると、県行政の財政のうちのかなりな部分までそこに支援策を講じていくと。それは、例えば国営企業になるのですかみたいなイメージが出るかもしれませんが、あるところまで行きながら、いや、ここの部分は民間ですから民間に頑張ってもらわないといけませんというような身のかわし方ではなしに、そこら辺の腹決めというのが必要じゃないのかな。
もう一つは、若者支援のための特化ということが必要じゃないのかと。例えばここにありますように、若い人などを今見てみますと、幾つかの分野で人材育成をしていくということになると、技術力がアップしていくと、勤めていく雇用主がないわけでしょう。そうすると、かえって若い人は自分で事業をやるというような人が出てくるかもしれない。そういう人には、失敗のリスクを持ちながらでもいいからかなり大胆にいくというぐらいのスタンスなのか。
そういうようなことが必要ではないかということと、もう一つは、一方で、今まで頑張ってきている中小零細事業主への支援策というのがちょっと薄いかなという気がするのです。例えば非正規の正規化には何ぼかの支援をしますよね。しかし、中小零細企業で今日まで20年30年こつこつ頑張ってきて、もうぎりぎりになっておる事業主に、若い人を雇うための労働条件、賃金を上げてやらないと若い人は地元に定着しないわけでしょう、そうすると、アップしろといっても、もう上げれっこないのですよね。それを何か支援する方法というのはないのかなと。
だから、この雇用創造1万人プロジェクトというのは、総がかりで寄ってみたけれども結局突き詰めたところで何もなかったよという格好では僕はいけないと思うので、もう一つは、事業主でできない部分をサポートできる環境整備ですね、例えば子育ての環境整備でもっと安い保育園を、あるいは幼保一体型何とかがありますけれども、鳥取県独自政策みたいな格好で若いお母さんが働ける環境を行政がもっと、雇用創造1万人を目指すとするなら、よその県の横並びはどうでもいいじゃないかな。そういうようなこと、あるいは事業主にかわってサポートできる施策として、マイカーをとるために、極端な言い方をすると事業主が駐車場の料金まで払えないわけでしょう、本人が駐車料金を払うような格好になるわけだ。それをできれば割安になるような駐車場をつくっていくとかという、幾つかの駐車場整備や、マイカーローンを独自なものを金融機関と相談をして作っていくとかというような、今までと二歩も三歩も突っ込んだぐらいの本当の意味での行政の役割というのが私は必要ではないのかなと。そうしないと、地元の中小零細の事業主は頑張ってみるけれども結局ミスマッチで、体力はありません、どうするのですかと、結局は頑張ってみたけれども、みんなが何もならなかったということにはしてはいけない気がするのですよ。だから私はそういう意味では、今までにない発想でもう三歩ぐらい相当突っ込んだ、県立施設ですかと言われることになるかもしれないが、ある期間、4年間なら4年間、5年間なら5年間限定してやってみるということが必要じゃないのかなと思いますがね。
●河原統轄監
総括的に少し感想なり意見を述べさせていただきたいと思います。
この雇用創造を行政がどこまでやるのかという大きな問題でございます。これについては、行政がみずから雇用をつくるということで1万人賄えるというわけではございません。ですから、やはり行政としては、幾つかの視点を持って環境を整えていくのだろうなというふうに思っています。それは、企業とかそれぞれの産業分野が、これだったら少し新たな採用をしてみようかと思うような施策、あるいは、仕事を選ばなかったらないのだけれども、現にミスマッチというのが存在しております。だからそういったミスマッチを解消していく施策。それからもう一つは、今ないような新しい産業を創造して、そこで雇用をつくっていく。大きく言えば3つのような施策を打っていくのかなと。県としては、あくまで施策を打って、雇用をしたくなる、雇用ができる環境をやはり創造していくということで、行政がみずから全部雇用を直営でつくっていくというのは無理なのかなというふうに思っております。
中小企業とその事業主の方に対する支援という話、これは先ほどの意見の中にもございました。中小企業中央会の理事長さんだったか商工会のほうだったかもしれません。中西会長さんのほうだったかもしれませんけれども、中小企業にとっては、今、事業継続するのがもう精いっぱいで雇用を考えられないぞというようなお話がございました。そういった厳しい中なものですから、従来からやっている資金面の支援に加えてそういった事業主の方の意見も、多分今パートナーシップ会議の中でいろんな意見が出ていると思いますけれども、これからそういったものも加えながら、少しでも雇用の糸口がつかめるようなことをしていく必要があるのかなと思います。
チャレンジ、勤めるよりも自分で起業しようかという人も出てくるのではないかということでありますが、これは商工労働部のほうでもし補足があればと思いますけれども、こういったチャレンジについてもそれなりの施策がありますので、今後それをもっと拡充していくのかどうかも検討していくべきかなというふうに思いました。
あとは、子育てをしながらの就業ということになると、その環境整備が非常に大事だというお話でございます。これも1万人プロジェクトの中で、あれは福祉の関係の方だったと思いますけれども、福祉の場合は女性が多いと。勤められるのだけれども、やはり子育てがあってとても勤められない。先ほど1.4とか1.3とか言っていましたけれども、ここは結構求人のほうは多いのですね。この辺は、安心して子供を置いておいて勤めに出られるような対策をこれからも少し考えていかなくてはいけないのかなというふうに思っています。
委員に言われたことのほんの一部しかお答えができなかったですけれども、私の感想はそういうことでございます。
●山根商工労働部長
貴重な御意見をありがとうございました。
ベンチャー立ち上げのチャレンジという、おっしゃるとおりでございまして、本年度当初予算に新制度として、立ち上げのときからの初期、例えば事務所の借り上げとか光熱水費とか、そういったものも支援しようという補助制度をつくらせていただきました。あわせまして産業振興機構に新しい事業の立ち上げ専門チームを立ち上げまして、3人体制だったと思いますけれども、常設化しまして、それをワンストップでずっと支援していこうと、こういう体制もいたしたところでございます。
中小零細企業の支援が薄いと委員がおっしゃいました。そういう認識は持っておりまして、成長分野でありますとかは、経済成長戦略を皮切りに制度をかなり充実しましたけれども、その辺がちょっとあるものですから、本年度から既存産業のレベルアップということで、素形材産業でありますとか食品産業、新しい補助事業もつくらせていただきました。来年の当初に向けてはもう少し底辺を、すそ野を広げて、いろんな中小零細企業の皆さんが本当に元気を出して、ちょっとこの辺の商品開発に取り組んでみようかとか、販路開拓に取り組んでみようかというところをもう少し底辺全体を底上げするように、そういう支援制度も検討したいなというふうに今思っているところでございます。
◎横山委員長
ほかにありますか。
○山口委員
福間委員と若干重複しますけれども、県が果たす役割が何であるかと。あくまで政策的な誘導である。これは補助金制度であり、あるいは国の政策。だけれども、ミスマッチもわかりますけれども、最終的には本当に経済情勢がどういう形になるかということも含めてこれは対応しなくてはならないと思います。
きょうも決算審査特別委員会で話が出ましたけれども、3年間で緊急雇用対策という形で、あるいはほかの事業、3年間で何百億円、百何億円か。だけれども、また新しい政権がどう動くか知りませんけれども、来年はこれがなくなるわけですね。ああいう形で繰り返しておっても本当に雇用につながらないと、こう思っております。一時的な緊急避難的な対応では。誘導型の事業をするとか、もう補助金に依存しないような形にまで誘導するであるとか、これはなかなか難しいと思いますが。だから、もう本当に企業が意欲的に自分でやれるような能力をつけるために対する政策的なとか経済的な支援であるとか、国の政策も含めて、こういうものはきちんとセパレートしてやる必要があるのじゃなかろうかと私は思っております。
1万人雇用対策というのは、いつからスタートになるの。(「今からスタート」と呼ぶ者あり)今からこれやるの。
●河原統轄監
先ほど言われましたように、世界の経済が動けばそっちでいろんな雇用の情勢も変わってくるわけでございますけれども、私たちとしては、一応施策の効果、こういう施策を打ってこのぐらい創造したいというのを積み上げていきたいなというふうに思っております。まさに今、その施策をパートナーシップ会議で詰めて、12月に1万人雇用計画というのでまとめたいと思っています。だから正式に言ったら年度中途からと、一応計画があってからということになりますので、年末までに一応計画を定めて施策を打ちながらということになろうと思います。期間は一応4年後をイメージしているということです。
○山口委員
過去、国策でやった基金事業はかなり臨時で、これがいつまでも続くのかわからないし、そういう体系は決していいとは私は思っておりませんので、繰り返しますけれども、やはりそういう企業が創造できるように補助金を含めて誘導型の政策を、これが必要だということと、それから、やはりモーティブづくりだと、モーティブをそういう企業に与えるのが使命じゃなかろうかと、私はこう思っておりますので、そういうところに力点を置かないと。だから、今までの基金事業というのは一時的な雇用につながったと思いますけれども、それはそれとして、今度は新しい形の雇用を創造すると、こういう形の対応をすべきだと私は思っております。それで、官が主導することもいいかもしれないけれども、やはり民が意欲的に行動を起こすような形をつくらなくてはどうしてもならんと。
◎横山委員長
環境支援のことについて明確にしておきたい。
●河原統轄監
まず、私どもは、この何年間か続いた緊急雇用を国からの交付金による基金でやったのは、どちらかというと緊急避難的に行政が主になって一時的な雇用を生み出して、何とか離職者対策をやってきた。それなりの効果はあったのだろうと思いますが、今回の1万人雇用は、それも少し控え、柱として当然あったほうがいいとは思いますけれども、今、山口委員がおっしゃるように、やはり新しい産業への誘導、あるいは企業さんの動機づくり、こういったものを施策で打っていければいいかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○砂場委員
先ほど、政策的に誘導をするのであって県が企業をつくるところは考えていないという話だったのですけれども、今の県下の情勢を考えて、本当にそれでいいのかなと思うのですよ。多分、日本の歴史上で明治維新が一番失業者が多かった。廃藩置県で大量の失業者の侍が出たときに、明治政府は当時の最先端の技術である製鉄所、鉄道、銀行、さまざまなものを官営工場、官営企業としてつくって、それが定着すると民間に売り渡していった。もちろんそれが日清、日露の戦費になったということは問題ではありますけれども、そういう動きをした。やはり今、鳥取県内の経済はそこまで追い詰められているのじゃないだろうかと。政策的に補助金を出す、さまざまなサポートをするだけでいいのだろうかと。
山口委員がおっしゃった中にもありましたけれども、環境だとか幾つの最先端分野、これからの成長分野については県が先進的に企業を最初に立ち上げて何年間かは県が面倒を見て、後はそれを上場していく。上場益が出たら、それでそのときの投資を回収するようなものがあってもいいのではないかと、頭から政策的に決めつけることだけでしかやらないということはないのじゃないかと、分野によってはやるべきことはあるのじゃないかと思うので、もう一回考えていただけたらなと思います。
それともう一つは、起業ということが出ていましたけれども、去年のアメリカの大学生の一番の人気就職先は、Teach For AmericaというNPO法人でした。アメリカの雇用では物すごい部分をNPOが担っているのですね。鳥取県でも今事業系NPOが育とうとしていますので、やはりその中でNPOを一つの雇用先としてしっかりと位置づけて、県が安い労働力と思うのではなくて、県政というならばNPOも雇用先ときちっと位置づけることが、これから大きな雇用が伸びるときには大切だと思うのですけれども、残念ながら参加機関を見ると、これはNPOの名前は出てこないのですよね。
だから、こうやって見てくると、みんなが集まっているけれども、何か今までの施策を集めてきていいとこどりだけしようみたいな感じがあるのですけれども、もう一回我に返って、パラダイムシフトという意味で、雇用をどうやったらつくっていけるのかということを根本に立ち戻って考えるときじゃないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
●河原統轄監
砂場委員さんのほうから非常に斬新な御意見をいただきました。
まず、少し明治初頭の官営企業的な取り組みも、もはや鳥取県などにおいては厳しい状況の中では必要ではないかというお話だったと思います。これについては、きょう御意見いただいたので吟味はしたいと思いますが、私個人の考えで申し上げますと、恐らく明治の初頭と今では、民間の力といいますか、企業さんの力が相当違うのではないかなと。ですから、仮に私どもが第三セクター的に企業さんを誘導して立ち上げるということが、うまくいくのかいかないのか。明治時代は企業というものがそんなにまだ商店の域を脱していない時代に、どうやって列強に伍していくかということで恐らく国の力が大きかったのだろうと思いますが、今はやはり民力というのが相当に大きいのであって、この点については、そう簡単にできるものかなという疑問を私自身はちょっと呈するところであります。
NPOにつきましては、正直言って、そういうこともあるのかと私もきょう初めてお聞きしたようなことなので、これについてはプロジェクトの中で少し吟味なり検討、どういう取り扱いがあるのかしてみたいなというふうに思います。
○市谷委員
ちょっと確認をさせていただきたいのですけれども、さっきから環境というのも出ているのですけれども、この分野の中に環境がなくて、この環境分野と、それから雇用創出というのは非常に今回大きなテーマですし大事なことだと私は思っているのですけれども、その環境分野というのはこの成長戦略の中に入っているのでしょうか。
それと、実際に環境対策で雇用をということになりますと、例えば農林水産業の関係で小水力発電だとか、この分野の横の連携というのも必要になってくるかなと思いますけれども、ちょっとその辺の整理をどういうふうにしておられるのか。もしなければぜひ連携も図っていただきたいと思っているのですけれども、どうでしょうか。
●河原統轄監
まず、環境の分野が入っていないがというお話でございますけれども、環境というのは別の切り口でありまして、その中に企業とか産業が入っています。きょう後ほど環境イニシアティブというプロジェクトもありますけれども、やはりそちらに企業さんが関係してきますので、当然産業の中に入っているという理解をしていただければありがたいなと。しかも、経済成長戦略の中でも環境というのも既に取り上げて新しい産業分野という位置づけをしておりますので、当然かかわってきていると。
農林水産業ももちろん入っておりまして、2通りあります。農業法人等への就業、就職、それと自分で起業するという就農、この中で両方一緒に今パートナーシップ会議のほうで検討をしているところでありますので、含まれているということでお答えをさせていただきたいと思います。
○市谷委員
要は、例えば環境分野での雇用と考えたときに、環境には太陽光、風力、水力とありまして、そうしますと農林水産業との連携というのが出てくると思うのです。あとはバイオマスだとかありますね、ふん尿の関係とか。その辺の環境分野での成長戦略と農林水産業とセットにして雇用に結びつけていくというような、分野別にばらばらじゃなくてセットで議論していくということになるのかなと、していただきたいなということなのですけれども。
●河原統轄監
何となくわかるのですが、このPT、いろいろありますけれども、本当に今、部局横断でその辺の連携をしながら取り組むようにしておりますので、きょうさらにそういうことを言っていただきましたので、心にとめてやっていきたいと思います。
○長谷川委員
雇用創出という場合、新しくつくるということももちろん大事なのですけれども、今働いておられる方がやはり働き続けていける、つなぐということも物すごく求められてくると思います。そういう点で国のほうも今回、雇用助成、給付金のあり方を、これまで全3カ月平均の赤字額に対してどうというやつを、1カ月分で比較をして支給がしやすくなる対応をしておりますし、県においても、さっき出ておりました子育て支援の場合、育児休業をとった場合、これまで退職金にその期間がカットされてしまうのが8割ぐらい見るとか、新しい制度が考えられているようですし、そういうことで、つなぐということ、本当に雇用の継続ということにも企業も含めてやりやすくなる内容をお願いしたいと思います。
あわせて、さき方から出ております、この2~3年は国の緊急雇用の基金を県に持って、あとNPOなどに仕事の内容をお願いを、見つけていただいてついていただく、やはりこの内容が、本当に充実していたといいましょうか、決して正規ではなくても、あるいは若者でなくても、そこに本当に働きがい、むしろ生きがいを感じていて、これがもう来年3月でなくなってしまったら自分はもう、何か生きる精といいましょうか、そういうものも本当になくなってしまうというような相談を受けております。このあたりで、国の制度はなくなっても今度は鳥取県版のそういう緊急雇用の制度を、ちょっとミニ型になってもいいと思いますが、枠も小さくなってもいいと思いますが、続けたい意思の方がいっぱいおられます。単年度であっても最小限やむを得ないと思いますが、そういうことはぜひ今から予算編成に向けて検討いただければ、1万人創出という中でのわずかであっても、これは本当に年齢幅も広く求められますし期待がされるところだと私は思いますが、このあたりについては、私はぜひ本当にきょうは強く要望させていただきたいので、ちょっと御意思といいましょうか、受けとめ方のお答えをいただければと思います。
●河原統轄監
2点あったかと思います。やはり雇用継続、これは育児面の手当なども含めてでありますけれども、こっちにも力を入れるべきではないかということでございます。今回の雇用創造1万人プロジェクトで扱うかどうかは別として、これはあくまで創造ということを考えていますので、従来から雇用がなるべく続くようにハローワークのお力もかりながらやっているわけでございまして、そっちは引き続きやっていくと。
これは倉吉、中部の話だったと思いますけれども、緊急雇用を活用したNPO雇用というのは非常によかったということで、小さくてもいいから県版の緊急雇用などをつくってはというお話だったと思います。これについては、国の緊急雇用はすごい多額のものでございました。これは、国がやめたからといって県がそのまま引き取って続けるというのは現実的には相当難しい、困難だろうというふうに思います。ですから、NPOの雇用の支援をどうしていくかというジャンルにもなろうかと思います。だから緊急雇用ということではなくて、NPOの支援としてどういうことをやっていけばいいのかというあたりで考えていくのかなというふうに思った次第でございます。
◎横山委員長
ほかにありますか。
○銀杏委員
雇用の特別委員会ということで、雇用1万人のプロジェクトの話が出てきているわけですけれども、やはりもう少し短期間の対策が今は本当に必要ではないかなというふうに思っていまして、特に東部においては三洋電機の問題があって、三洋を離職される方の話が中心でありますけれども、現に、下請といいますか、そうした企業さんでは発注がなくなって、とりあえず融資を受けて何カ月もつかみたいな話にもなっているところもあると思うのですね。多分、今の三洋電機の離職者に倍する方がこれから離職を余儀なくされてくると。それで、今のこの対策で間に合うのかという問題です。
先ほど官製の企業、官立企業といいますか、砂場委員さんのほうから話がありましたけれども、そこまでいかなくても最終製品をつくる企業がなくなるわけですから、分野がなくなるわけですから、だから製品をつくっても納めるところがないということになると、県内に完成製品をつくる必要がどうしても出てくるのだろうなと。そうしない限りは、やはり部品製造メーカーなどはみんな外に出ていかざるを得ないというふうにだんだんなってくると思うのですよね。そういうふうなところで、いかに民間の力をかりてそうした物づくりを一つ進めるかという観点で考えていく必要があるのじゃないかなと思うのですけれども。
●山根商工労働部長
銀杏委員の御指摘はごもっともでございます。完成製品をつくるという観点も本当に大事だと思っていまして、そういう意味では、方法としてはやはり企業誘致、今も頑張っておりますが、一層頑張らなくてはいけないというのが1点と、あとは次世代の産業ということで、例えば米子の電気自動車工場が今誘致を先行して、これからなのですけれども、こういう完成形の製品をつくるところと、それから県内の部品製造のメーカーさんをマッチングしてつなげていく、こういう取り組みが大事だろうということで力を入れております。あとはバイオフロンティアなどで新しい健康食品をつくって製品の魅力アップをするとか、こういった取り組みも大事だろうと思っております。
三洋CEの下請、孫請の絡みでいいますと、やはり新しいところから取引を開始しなくてはいけない。新しい製品の部品をつくるとなると、またそこには生産ラインの変更とかいろいろ出てきます。そういう場合に本年度当初でまた新しい支援制度をつくりまして、これも今かなり御利用いただいておりますけれども、そういうところでサポートをしてきておりますし、またそういったことも強化しなくてはいけないというふうに思っております。御指摘はごもっともだと思っておりますので、その視点からも頑張りたいと思っています。
○銀杏委員
この推進会議のメンバーなのですけれども、県内企業が6社入っておるということで、主な意見、2時間の会合ですので意見交換の時間はたくさんとれなかったかもわかりませんが、最初の2つが高度人材が必要というふうなことで、これは2つとも製造企業から出たということでありますけれども、県内で調達できないような高度人材というのは一体どういう高度人材なのかなということを考えると、この6社はどういうところかなというのが想像がついてくるわけです。となると、この6社の方々は県内の中小企業かなと。では、実際ほとんどの就業者が勤めておる中小企業の代表というのは、例えば商工団体から零細企業云々の意見が出たというのは商工会連合会の方かもしれないというふうなことで、ぱっと見ると確かにそういう人ぐらいしかいないのかなというふうな気もするのですけれども、何となくほとんどが団体でありましてね、実際その団体から出てきておられる代表者が現実の経営者でない場合もあると。例えば元行政マンが定年退職をして、そちらのほうの役職についてこういう場に出てこられている場合も結構あるのではないかなと思いましてね、実際に顔ぶれを見てみないとわかりませんけれども、何となく現場の感覚がじかに入ってきているのかなという心配があるのですね。その点をちょっと一つ教えていただきたいなと思いますし、また、そういう現場の感覚をしっかりと反映できるようにしてほしいなと思います。
先ほどの商工労働部長のお話ですけれども、中小企業でも、やはり下請の中でみんな顔も知っていて、役割分担もしながら一つの製品をつくってきたようなところもあるわけでしてね、ぜひともそういうふうなものを一くくりにして、新たな動きを起こすようなことなども考えたらどうかなと思ったりもするのですけれども、そういうふうな動きなどは無理なのでしょうか、ちょっと教えてください。
●山根商工労働部長
助成制度もありますし、制度金融もありますし、それから産業振興機構、産業技術センター、技術ソフト、それぞれの支援体制も整っておりますので、新たな動きがあれば、それはもう本当に大いに最大限御支援申し上げたいと思いますが、ただ、商工労働部が、こういうことをしたらもうかりますよとか、やはりそこはなかなか行政の限界があるだろうなと思っていまして、そこはビジネスチャンスで、こんなことをしていったらというところはやはり、いわゆる起業家の皆さん、民間の方々にそこは発案していただきたいなというふうに思っております。そういうチャンス、芽をつくる土俵づくり、環境づくりということは努力しておりまして、いろんな研究会を立ち上げまして、いろんな異業種の方々のマッチング接点、あるいは大学の技術との接点、こういう機会はたくさんつくらせていただいているところでございます。
●網濱商工政策室長
1つ目の、会議の参加者のお話をちょっと補足させていただきます。
先ほど37機関の参加を得てということを申し上げましたが、このうち県のOBに相当する方は、たまたま当日代理出席ということもございまして、経済団体関係ではお一人という状況でございました。したがいまして、商工団体または製造業の方についても、すべて県内の中小企業の経営者の方ということでございまして、かなり厳しい現状認識を私どももお聞きしたという状況でございます。
○藤縄委員
今、推進会議のことが出ましたけれども、今年度は3回程度予定ということで、あと2回という解釈でいいですかね。
それで、助言を行うということと、雇用環境の実現に向けた機運醸成を図るということですが、機運醸成になるような会議にしていただかないといけないわけで、それで、この団体をいろいろ見ますとね、県政に対する要望を平素しておられる団体もあるようですし、この機運醸成のためのインセンティブをつくるためには、この皆さんの意見が、今の政策に対する要望というか、充実というか、さらなることを言ってこられることもあり得ると思うのですよね。そうしたときに、それらを受け入れられてやっていこうかというような思いがあるのか、そこら辺もちょっと伺っておきたいなと思います。
●河原統轄監
冒頭にも申し上げましたとおり、これは民間と協働でなければ進まないだろうという認識がございます。ですから8月の第1回目は、とりあえず現状認識なり課題、要望、こういったものをもうざっくばらんにお聞きをしました。その御意見なりを、庁内あるいはその下に民間も含めたパートナーシップ会議、ワーキングですね、この中にフィードバックをいたしました。今それも参考にしながら、取り入れられるものについてはそれを取り入れた施策ができないかということで、それぞれつくっております。今度、次の会議のときにそれをもとにした計画案を御説明をいたしまして、また御意見をちょうだいしたいと思っています。その中でまた意見が出て、取り入れられるものがあればまた修正をして成案に持っていきたいということで、一たん一たんやりとり、キャッチボールをしながら、みんなでとにかくこれでやっていこうという計画にしたいという思いでやっております。
◎横山委員長
そのほかありますか。
○砂場委員
今回、1万人計画を策定するので少しお願いをしておきたいことが何点かありますので検討してください。
一つは、シングルマザーの問題なのです。シングルマザーのお母さんたちは、四大を出て銀行に勤めておりながら離婚を伴ってこちらに来られた方の話ですけれども、15カ所回ってやっと遊技関係の会社に決まったということで、本当にどこに行かれても、あなたはお子さんがいるから熱が出たら休むのでしょうと言われて採用されなかったというのですね。本当にシングルマザーの皆さんたちと会うときに出てくるのが、これだったらもういっそ生活保護をもらいたいという声が必ず出てくるのです。その中でもしっかり歯を食いしばって働こうとしているお母さんたちが本当に働ける環境づくり、もちろん病児・病後保育から始まって就職支援まで、そこをしっかり考えてあげてください。悲しいかな、県内ではシングルマザーに対する差別的な意識を持った方もまだたくさんおられるのが現状ですので、フランスがシングルマザーについての差別をなくして、むしろ優遇策をとったことから出生率も上がり、女性がしっかり働けるようになりましたので、そこはしっかり配慮をしていただきたいというのが1点です。
もう1点は、中小企業の皆さんと若者の接点をしっかりつくってほしいということです。特にインターンシップみたいな制度もあればいいなと思っていましてね、実は、僕は選挙でやったのは学生のスタッフが多かったのですけれども、留学経験がある子が来年の春、県内の企業に就職します。それはやはり、中小企業のお父さんたちは魅力的なのですよ。肌に合っている、本当にこの人の下で働きたい、この会社を大きくしたいという夢を持ってくれる若者がいるのです。ところが、残念ながらそこのマッチングがなかなかうまくいかない。ですから、そういう働きかけをしていただけたらありがたいなというふうに思います。本当に魅力的な社長さんがいます。それをわかってくれる若者もいます。そこには、単なる給料だけではない、生きがいを求める今の若者たちとマッチングするものがあると思いますので、そこのところも十分配慮をしていただきたいと。
それと、今、銀杏委員が言われたのですけれども、三洋がこうなっときに県も相談窓口をつくって、市も相談窓口をつくって、ハローワークも相談窓口をつくるのですね。心配なのは窓口の看板を掲げただけじゃないのかという声をお聞きしたのですね。ですから、もちろん皆さん一緒にやられているのですけれども、本当にそれぞれがばらばらに掲げたほうがいいのか、みんなで協力して一つのものにして大きなものでやったのがいいのか、そこら辺の検討というのはなされているのでしょうか。もちろんケース・バイ・ケースだと思いますので、それぞれに合った対応を考えて、それぞれがばらばらにやるというのはやはりよくないと思うのですね。窓口が3つあってもいいけれども、しっかり連携をとって同じテーマでやられたほうがいいと思いますけれども、最後、そこのところだけちょっと教えてもらえればと思います。
●河原統轄監
3点あったかと思います。1点はシングルマザー対策ということで、雇用だけではなくて、もうちょっと福祉も含めて対策をとってほしいというお話だったと思います。この雇用1万人でこれを中心にやるというわけにはならないかもしれませんけれども、福祉のほうもやっているかもしれませんが、きょうお聞きしましたので、そういったことも少し意識をしながら進めたいと思います。
中小企業と若者のマッチングですね、これは一部やっている動きもありますけれども、今回の1万人雇用の中でもこのマッチングが大きなテーマでございますので、努力をして計画の中にも盛り込んでいくようにしたいと思います。
3番目の相談窓口は、ちょっと商工労働部長のほうからお答えをいたします。
●山根商工労働部長
相談窓口は、国、県、市にそれぞれあるがというお尋ねでございます。
御承知かと思いますけれども、雇用、就職相談、あっせんというのは、本当は職業安定法でハローワークが法律上位置づけられております。県、市は、県あるいは市町村の行政目的に沿って、必要であれば厚労大臣の許可をとって就業あっせんができると、こういう法律でございます。
したがいまして、ハローワークは国レベルでやるのですけれども、私どもは、県の場合は県域レベル、市の場合は市のレベルでのマッチングをやると、企業の求人、それから就業申し込みをやるということでございまして、相談窓口が一つというのもないことはないのでしょうけれども、するとしたらハローワークに、雇用保険の関係の手続は、これは国の専権事項でございますので、もうどうしても必ずそれがセットでいきますのでハローワークにということになるのですけれども、そこに県の機関、あるいは市の機関が入る、物理的な問題もありますし、そこの役割分担というのは本当は顔を合わせたほうがうまくいくのでいいと思いますけれども、今は物理的なこともあって、そこが一緒には入っていません。
ということがありまして、御指摘のとおりでございますけれども、情報は共有して連携しましょうということで、三者でもう何度も会議を開いております。例えば求人情報が出たらそれを共有して、ハローワークに求人届があったら、県や市は、また県、市それぞれの立場でその会社に自分のところにも求人を出してくださいというふうにやらないといけないものですから、また足を運んで会社の了解をとってやっていくという、そういう手続でございます。そういうことで、ハローワークに足しげく通ってもなかなか見つからない方が、県の相談窓口に来られたら、また県独自あるいは市独自で開拓している求人もありますので、可能性が広がる場合も案外あります。そういうことで、1つよりは2つ3つあったほうが求職される方にはいいのかなということで思っております。その辺で連携して、国、県、市のそれぞれの支援制度を当然全員が共有したり、それから、さっき言いました求人、起業、求職者の状況も共有して、どちらへ来られてもきめ細かい対応ができるようにやっていきたいなというふうに思っております。
○砂場委員
だから、ハローワークに行ったときになかったけれども県に行ったらありましたよ、県に行ったらなくて市に行ってありましたよということになると、やはり働いていないと非常に不安なわけですね。できるだけ早く仕事が見つかったらいい。だったら、そういう情報はもう、先ほどおっしゃいましたけれども、できるだけ共有をして、すぐお互いに照会をして、何かあったら連絡をとり合ってすぐ照会ができると。毎日3カ所を回らなくてはいけないという形にはならないように、できる限りの配慮をしてあげていただけたらありがたいなと。そうすると、家の近くのところに1カ所行けば両方の情報もとれますよということになればそれがベストなわけで、回るという形ではなくて、どこか一つで完結できるようにお互いの情報共有を密にしていただければいいかなと思いますので、よろしくお願いをします。
◎横山委員長
私もちょっと一つだけ。高等学校はキャリアアドバイザーというのもあった。キャリアアドバイザーが頑張って就職あっせんをしているわけだな。そこもやはりちゃんと連絡を密にしておかないと、てんでばらばらはよくない。
ほかにありませんか。(「進行」と呼ぶ者あり)
では、続いて、議題2、とっとり環境イニシアティブ推進プロジェクトについて、河原統轄監に説明を求めます。
●河原統轄監
とっとり環境イニシアティブ推進PTでございます。私はこちらのチーム長をやらせていただいておりますので、総括の説明をさせていただきます。
鳥取県は、どこにも負けないといいますか、自然環境を持っております。そういったものを背景に、NPOあるいは民間の方と連携、協働して全国をリードするような環境実践に取り組む必要があるということで、とっとり環境イニシアティブ推進プランというのをつくることを目標にいたしてPTを立ち上げております。
その中では、3つの重要項目というのを定めております。今度、福島原発で問題になりましたけれども、一つはエネルギーシフト、これをどうやって先取りをしていくかということ。それから省エネ環境実践、こういったことを地に足のついたような活動にしていく。それからリサイクル、これは頑張ってもなかなか進まないわけですけれども、このリサイクルの推進と、この3つを大きな柱にしてプランを立てたいということで検討を進めております。
8月31日に第1回のPTを立ち上げました。このときには各界、各分野から民間の委員の方も参加をいただきまして、いろんな意見をお聞きしたところでございます。9月5日から12日にかけまして、各分野でそこから出た意見をフィードバックして、問題点あるいは施策の構築、こんなことをまさに今それぞれのワーキングチームでやっているところでございます。
今後でございますけれども、12月に第2回のプロジェクトチームを開催をして、その意見を踏まえて、最終的に12月にプランの概要版を策定をしたいというふうに考えております。年が明けてから第3回目のPTで最終的な練り込みをいたしまして、年度末の3月にはプランの完成版を策定したいということで進めております。
詳細につきましては、事務局である生活環境部のほうから御説明申し上げます。よろしくお願いいたします。
◎横山委員長
続いて、白石環境立県推進課長に詳細な説明を求めます。
●白石環境立県推進課長
そうしましたら、資料の3ページをお願いいたします。概要は、統轄監がほぼ説明したとおりでございますけれども、上の検討状況の欄を見ていただきますと、第1回のPT全体会議の開催というのを書いてございます。先ほどの雇用創造1万人と比べていただきますとわかりますけれども、雇用創造は3段階ありました。この環境につきましては構造が2段階ございまして、このPT、プロジェクトチームの全体会議とワーキンググループ、この2つでございます。
8月31日に28団体の方に集まっていただきましたけれども、ざっと見ていただきますと、さっきの1万人雇用とちょっと似たような感じもございますけれども、大きく異なりますのは、エネルギー供給事業者、中国電力、鳥取ガス、山陰酸素、このあたりが入っているところと、あと交通機関、これはモーダルシフトの関係なのですけれども、西日本旅客鉄道、バス協会と、このあたりに入っていただいているところでございます。あとは関係団体で産業廃棄物協会とか環境ネットワークとか温暖化防止センターとか、環境にちなんだ関係団体に入っていただいているところでございます。
とりあえずこの第1回目が、キックオフといいますか、取っかかりでございまして、実はこの後4ページ以降にずっと資料をつけておりますけれども、これはプロジェクトチームの会議で出させていただいた資料でありますし、ワーキンググループのほうでも同じ資料を、これはもうちょっと詳しいものもありますけれども、ただ、共通の資料を使いまして県の状況等を説明させていただきましたので詳細は省きますけれども、そこで出ました主な意見ということですけれども、(3)のところでございます。
エネルギーシフトにつきましては、事務局のほうで一応当面の目標値ということで、平成32年度に自給率35%を再生可能エネルギーで賄うというふうに事務局案でつくっておりましたけれども、これについてはもっと大きな目標にすべきであるというような意見もございましたし、エネルギーシフトの大半の中で、自然エネルギーはなかなか不安定な部分もあるので、蓄電池と組み合わせるとか、いろいろな検討が必要であるといったような御意見もたくさんいただいたところでございます。
2番目に、省エネ実践というふうに書いておりますけれども、これは節電を含めたところの省エネでございますけれども、これは省エネだけでなくてエネルギーをつくるほうもあるのですけれども、それを合わせまして、平成22年度と対比して10年後には二酸化炭素を17%削減するというふうに目標を定めておりましたけれども、目標はエネルギーによる指標のほうがわかりやすいのではないかというような指摘も後ほどのワーキンググループのほうでございましたので、今後の検討課題として残ったところでございます。
この省エネ実践のほうで、特に御意見が集中しましたといいますか、大きな意見がありましたのは、やはり見える化ということで、どれだけ自分たちが省エネをやったかということがわかるようにして、それについてインセンティブ、やっていこうよというようなことをどうやって高めていくかといったようなことが重要であるという意見をいただきました。
2番目に、ワーキンググループですけれども、これは最初のプロジェクトチームの後に9月に実施したのですけれども、この中ではさらに具体的な話も出てきました。これはなぜかといいますと、ワーキングのほうは代表者ではなくて実務者の方が出てこられているからでございまして、これは、それぞれに出てきた詳しい意見もまた後ろのほうに載せておりますけれども、ちょっと簡単に紹介いたしますと、例えば小水力、マイクロ水力の話で、蓄電池などと組み合わせてマイクロ水力の効率を上げて鳥獣被害用の電気さくの電源として活用してはどうかとか、あるいは、これは太陽光などですけれども、自然エネルギーを使ったいろいろな支援策の例として、送電線への引き込みのコストであるとか、あるいは当初の経費じゃなくて故障したときとか修理したときのランニング面をどうするか、これを考えていただけないかとか、あと、洋上風力などにつきまして公有水面使用料についての特例措置ができないかとか、あるいは、太陽光を個人住宅などに置くときに、導入するときの相談窓口ができないかとかいうふうな具体的な意見もいただきました。あと、省エネ実践のほうにつきましては県がLEDを進めておりますものですから、もっと地産地消とかブランド化を進めるべきではないかといったような御意見をいただいたところでございます。
先ほどもお話がございましたけれども、環境ですけれども、やはりLEDとかエコカーとか太陽光発電とか、成長産業の分野を担っている部分がございますので、連携を十分進めまして検討を進めてまいりたいと思います。
◎横山委員長
ただいまの説明について、質疑等はございませんか。
○砂場委員
一つは、プロジェクトチームで目標だけはきっちりやってくださいね。それも、僕はきょう見て思ったのですけれども、せっかくイニシアティブというのだから、やはり将来を見据えて、22世紀にはエネルギーシフトを100%自然エネルギーでやるとか、夢のある目標を掲げていただきたいなと、そういうふうに思います。
それと、繰り返しになるが、どうですかね、統轄監、先ほど政策的にやるのはないと言ったのですけれども、今、孫さんとかの話が来ているけれども、あれがうまくいかなかったときは、孫さんのかわりに県が太陽光発電所、エネルギー公社をつくってさまざまなものを主体的にやるというのも一つの方法ではないだろうかと思うので、この場合には全量買い取り制度ですから県が損をすることはないわけですから、企業局としての今までの実績もありますし、それも一つ、県営企業として雇用を生むという意味でも検討をしていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
●河原統轄監
今、エネルギーシフトに絡んで、太陽光発電等を県みずからでもやるようなことも考えたらどうだというお話でございます。
もちろん県も企業局というものを持っておりまして、分野によっては、今、砂場委員さんがおっしゃったように、場合によっては企業局でそういったものに取り組むことも今検討をしております。法律のいかんによりますけれども、検討しております。
ただ、全般にわたってということになると、それは今度は公営企業の経営ということもございますので、全般的には、なかなかはいはいというわけにはいかないわけですけれども、今申し上げた分野によっては、そういったことも積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。
◎横山委員長
頑張ってください。
ほかにありませんか。いいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
委員、執行部の皆様でそのほか何かありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
御意見が尽きたようですので、執行部の皆さんは退席いただいて結構でございます。
委員の皆さんは暫時この場にお残りください。御苦労さまでした。
(執行部退席)
本委員会の付託事件はお手元に配付の資料のとおりですが、重点調査事項として、本委員会において取り組む課題を明確にしてはと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、本委員会の重点調査事項について、皆さんの御意見をいただきたいと思います。
御意見のある方は発言をお願いします。
○山口委員
委員長は持っているの。
◎横山委員長
はい、持っております。何もなければ福田委員長から提案していただきます。
○福田副委員長
よろしいですか。
それでは、提案をさせていただきたいと思います。
重点調査項目の案ですが、新産業分野におきましては、新産業をどうとらえるかということで県内の新たな産業ということで、例えばライフサイエンス、バイオテクノロジー。環境関連におきましてはエネルギー、そしてリサイクル、環境対策、情報通信、そしてナノテクノロジー等を考えております。
そして雇用振興策の調査については、雇用1万人のプロジェクトの中で分野別の例でいいますと、福祉分野、医療、介護、障害者。教育分野におきましては、子育て、少人数学級。それから産業分野においては、中小企業底力アップ、経済成長戦略、そして農林水産、そして観光でございます。それから、三洋コンシューマエレクトロニクスの事業再編について考えています。
エネルギーの分野でありますが、エネルギーのシフトについては、太陽光、そして風力、小水力、水力、バイオマス、地熱など、そして省エネルギーにつきましては産業、そして民政業務、民政家庭、運輸など、そういった分野を考えております。
◎横山委員長
何かございますか。
○市谷委員
分野についてはいいのですけれども、環境分野と雇用ということをセットでぜひ今後検討するということでよろしいでしょうかね。別個じゃなくてセットで。
◎横山委員長
はい、セットで。
○山口委員
幅広い課題を副委員長のほうが今提案しましたけれども、その中ですべて緊急性のあるものが多いと思いますけれども、それはタイミングを見計らって、今やらなくては、手をつけなければならないものとか緊急の中の緊急というもので課題をちょっと順序立ててもらって対応してもらったほうが私はありがたいと思います。
◎横山委員長
また相談させていただきます。
そのほかありますか。
○砂場委員
今、山口委員からもおっしゃったのですけれども、雇用1万人のが大体12月に計画策定、それからイニシアティブのほうもやはり12月に計画策定ですので、やはり我々はそのことをしっかり議論していかなくてはならないので、優先順位としてはこれに絡む分野を先にやったらいかがかと思いますが。
◎横山委員長
わかりました。そのようにさせていただきます。
では、重点調査事項として、とりあえず新産業に関する件、雇用振興に関する件、エネルギーに関する件を提起したいと思いますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、そのようにさせていただきたいと思います。
閉会中の調査事項についてお諮りします。本委員会所管に係る本県のエネルギー対策及び雇用に関する諸問題、その他の主要事業について、閉会中もこれを調査することとし、その旨議長に申し出ることに御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、その旨議長に申し出ておきます。
次に、本特別委員会での県内外調査についてお諮りします。
実施時期につきましては、委員の皆様の御意見を伺いたいと思います。
ないようですので、任せてください。
○山口委員
結構ですけれども、砂場委員が言った、私が求めている緊急性のあるものから調査、対応してもらいたいと、これだけでいい。委員長、副委員長に任せる。それだけ言っておいてもらえば。
◎横山委員長
続いて、委員長、副委員長で別添資料の案を検討しましたが、委員の皆さんの御意見をちょっと伺いたいと思います。案を副委員長から説明します。
○福田副委員長
先ほど山口委員からも言われたように、重点的なものからさせていただきたいと思いますが、今のところ案として考えさせていただいておりますのが、堺にございますシャープのソーラーの工場、これが最先端ということのようでございます。それから近県でいいますと、岡山県の三菱自工水島のi-MiEVという電気自動車の工場などを今のところ考えておりますが、また皆さんと協議の上、またこれも最優先的に、ここから視察をしたいと思っております。
◎横山委員長
これについて何かありますか。
○市谷委員
別の箇所で提案なのですけれども、高知県の梼原町というところで、エネルギーの地産地消ということでかなり積極的に自然エネルギーの導入をやっておられて、施策なども充実していまして、そういうところもぜひ調査ができたらいいなと。高知県梼原町、ちょっと提案ですけれども。
◎横山委員長
今この場というわけにならない、後でまた相談させてください。
○市谷委員
はい、一応提案で、御検討ください。
○福間委員
ここにみんないるわけだから日にちは決めておかれませんか。
それはみんなどうするの。一人一人の日程を聞いて、みんながいいというと決まるのではないか。行くならいつ行くかというのを、日程だけの調整をしておいたらいいのではないか。
○福田副委員長
ちょっといいですか、委員長。では、まずは11月議会までにやるかやらないかというところから、きょうは協議させていただきましょうか。
○福間委員
いや、何で決められないのか。ここにみんないるのだからみんなの都合で日程ほど決めて、今話があったようにこれ2つと、市谷委員が提案された高知も含めて、どうせ行くなら県内は1泊2日ぐらいしかないのだから。調整ができるかどうかだ。
○市谷委員
ただ、ちょっといいですか。さっきの優先順位の議論をする、それと調査とか時間の関係がどんなことになるかなと。
○山口委員
それともう一つ、これはうちの委員会で高知に行くことになっているのです、福祉生活の常任委員会で、高知と岡山。
◎横山委員長
また相談させてください。
○山口委員
だから、できたら福間委員が言われるように、ちょっと緊急性のあるもので日程を決めれれば決めて。ちゃんと目的を持って、ただ見るだけではいけないと思う。提言ができるような視察でないといけない。
○浜田主幹
済みません、お手元にお配りしております県内外調査の紙の2枚目に、議会としての公式なスケジュールを今わかっているもので入れております。11月の9日、10日、11日の福祉生活が来年に延びたということでバツになっておりまして、右側の調査候補日ということで丸をつけさせていただいておりまして、これが議会としての公式な行事が入っていない日で、可能であるとすればこの日ぐらいかなということですので、県外調査に行くとすると、8日、9日、10日のあたりで皆さんがよろしいということであれば、このあたりで少し設定させていただくようなことも可能かなと思います。
◎横山委員長
事務局が今提示したけれども。
○伊藤(保)委員
なら、とりあえず日程は8、9、10日ですね。
○山口委員
うん、そのあたりですね。
◎横山委員長
はい、よろしく。
○長谷川委員
それと、小水力の場所ですけれども、関金町のほうが可能性も高いのじゃないかと思うのですけれども。
○伊藤(保)委員
それと、もうちょっと詳しく書いといてくれないと。
○山口委員
だから鳥取牧場に行って何を見るのか、小水力発電で何を見るのか、三菱自動車へ行って何を見るのか。
◎横山委員長
きちんと書いて、皆さんに提起します。
○砂場委員
ただ、今回の雇用のやつで、県がやっている米子で電気自動車の会社があるじゃないですか。あっち側を見ておいてこっち側を見て比べるとかいうのだったらいいけれども、ただ見るだけだったら山口委員のように僕も反対。米子のやつは1万人プロジェクトに多分上がっているので。
○山口委員
だから例えば竹内のソーラーとか、それから電気自動車とかな。
○砂場委員
ちゃんと絡めていくならいいけれども、単独では意味がない。
◎横山委員長
またそれも含めて検討させていただくということで。
以上で終わりたいと思います。御苦労さまでした。
午後2時23分 閉会
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