午後1時31分 開会
◎斉木委員長
ただいまから防災・危機管理調査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。本日の会議録署名委員は、小谷委員と谷村委員にお願いいたします。
それでは、議題に入ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いいたします。
なお、質疑等については、説明終了後に一括して行うことといたします。
それでは、議題1、「鳥取県と徳島県との危機事象発生時相互応援協定」の締結について、議題2、「大規模広域的災害発生時の中国5県の広域支援体制に関する基本合意」及び「大規模広域災害に備えた中国・四国ブロックの相互応援に係る基本合意」について、議題3、津波対策検討委員会で検討中の波源モデルの海岸線における津波高について、議題4、第2回鳥取県版業務継続計画(BCP)策定推進会議の開催結果について及び議題5、台風12号に関する米子市との検証会議の開催結果について、桐林副局長の説明を求めます。
●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
まず、1ページをお開きいただきたいと思います。「鳥取県と徳島県との危機事象発生時相互応援協定」の締結についてでございます。
去る11月18日に、徳島県の飯泉知事に夢みなとタワーまでおいでいただきまして締結したところでございますけれども、その協定の概要でございます。2ページをごらんいただきたいと思います。ポイントとして4項目上げております。1つが、中国・四国地区でのカウンターパート制の導入を踏まえた相互応援体制の構築でございます。これはこの後説明させていただきたいと思います。それから、東日本大震災の記憶を踏まえた応援内容を盛り込んでございます。また、市町村、企業、医療・福祉分野など、県を挙げた早期復旧支援及び事業継続体制構築の推進することを盛り込んでおります。また、危機事象発生後の時間の経過に応じた応援・受援体制を定めた相互応援活動要領を策定することにしております。
特徴的な項目について幾つか御説明申し上げますと、まず1つ目の丸でございますけれども、カウンターパート制の導入を踏まえた相互応援体制等の構築ということで、この11月21日に中国知事会、あと中四国ブロックの知事会で、広域的な大規模な災害が起きたときにどのような支援をしていくかにつきまして、基本的な合意ができたカウンターパート制を踏まえて、それを一歩リードしている鳥取県、徳島県の協定という位置づけで体制を構築するという趣旨の協定でございます。
具体的な応援内容ということで3ページ以降に具体的な条文をつけておりますけれども、応急対策等に係る人的支援なり、東日本大震災の状況を踏まえて風評被害対策もやっていこうということ、また、従来からの災害ボランティア活動に対する支援などを取りまとめて、具体的に9項目、その他が1項目で、10項目を掲げております。
下から3つ目の丸でございますけれども、受援体制の整備を掲げております。東日本で宮城県を支援したわけでございますけれども、やはりあらかじめ大規模な災害を想定して、応援を受け入れる体制を整えておくかどうかによって、応援・受援の流れがスムーズにいくかどうかが大分違ってくるだろうということで、このようなことについても改めて1項目を設けて協定しておりますが、その具体的な内容につきましては、今後、1年余りかけて具体的な内容を詰めていくことを想定しております。
この協定のもとになりましたベースの考え方でございますけれども、5ページをごらんいただきたいと思います。本県と徳島県の協定を少し先行して締結したのですが、翌週の11月21日に大規模広域的災害発生時の中国5県の広域支援体制に関する基本合意及び大規模広域災害に備えた中国・四国ブロックの相互応援に係る基本合意について締結しております。
まず、記の1の1つ目の括弧でございますけれども、中国5県の広域支援体制についてでございます。内容につきましては、被災県に応じまして、どこの県がどのような支援を優先的に行っていくかを具体的に定めたものが一つでございます。それともう一つは、中国5県の広域支援本部を中国知事会の会長県に設置して調整に当たりましょうという、大まかな事項について合意したものでございます。
もう一つ、中国・四国ブロック9県でのカウンターパート制を締結したところでございます。10ページをごらんください。グループ1ということで鳥取県と徳島県、グループ2ということで岡山県と香川県、グループ3が広島と愛媛、グループ4が残りの3県という形のカウンターパートをあらかじめ申し合わせたという内容でございまして、中国知事会の基本合意と同様に、常任世話人県に広域支援本部を置いて広域の調整を行いましょうということを内容とするものでございます。もちろん、このような大まかな項目だけで具体的な支援体制が整うわけではございませんので、これにつきましても鋭意内容を詰めていくことを考えているところでございます。
引き続きまして、12ページをお開きいただきたいと思います。津波対策検討委員会で検討中の波源モデルの海岸線における津波高についてでございます。
津波対策検討委員会は、これまで7月29日と10月5日の2回開催しておりますけれども、その2回目で、四角の中の2でございますけれども、波源ごとの浸水予測図をもとに次回会議で市町村ごとの被害想定の設定等について検討することにしているわけですが、こちらのほうはまだ具体的な資料が出そろっておりません。
これを検討していく上で、まずは検討に値すると思われる4つの断層について、海岸部ではどのような波の高さになるかを前回は示していたわけでございますけれども、前回の委員会で鉄永委員から「具体的にどのような位置になるのか」とお尋ねいただいていたところでございます。白黒では見にくいものですから、別刷りでカラーのものをお手元にお渡ししていると思うのですけれども、一番最初のところに折れ線グラフがございます。これは、鳥取県の海岸線を左側が中海の安来の県境から順次、弓ケ浜半島、中海をたどっていって最後は岩美町までシミュレーションしました海岸線の波の高さをあらわしたものでございます。それぞれどの波源が一番高い津波高をもたらすことになるのかで、その場所をということでございました。例えば上は近いところで起きた場合の波源についてでございますけれども、湯梨浜町であれば、緑色で示している隠岐東方断層で起きたと仮定した場合が一番高い線を示しておりますし、下の遠いところで起きた場合では、佐渡島の北方で大きな波源が動いたという場合の想定ではどうだろうかということで、こちらですとオレンジ色の波の高さで、大山町の東の端が一番高い波が出るよという予測になったものでございます。
具体的に1~2を見ていただこうと思いますけれども、例えば鳥取市でございますが、めくっていただきまして図の1の4、海岸の津波の高さ(鳥取市)というものがございます。これでいきますと鳥取沖東部の断層が一番高いということで、その場所は青谷町青谷の海岸あたりになるわけでございますけれども、そのときの津波の高さは5.96メートルでございます。ただ、場所の特徴は鉄永委員もよく御存じだと思いますけれども、国道9号線に海岸堤防がありまして、これはあくまでもそこにぶつかったときの波の高さでございますので、この波が一律に押し寄せるというものではございません。
また、トータルで一番高かった波源でございますけれども、めくっていただきまして図4の8でいきますと、琴浦町との町境に近い大山町になりますけれども、これは大字でいきますと御崎になるのでしょうか。そこの海岸線はがけが切り立ったところで、中部の方はよく御存じかと思いますけれども、そこに当たったところが一番高くなると予測されているところでございます。
ただ、例えば次のページの米子市でございますけれども、先ほどの2つの例は今、海岸でかなり岩が切り立ったり人工的な構造物があったりということではね上がるところがありますが、米子市では皆生海岸のあたりが4.83メートルと一番高いところになるというシミュレーション結果になっております。ここら辺になりますと平らなところでございますので、かなり奥まで波が押し寄せるおそれもあるということで、これらの詳細な検討はいずれにしても浸水予測図や県土整備部が検討しております河川の津波遡上予測図を見ないと、次の詳細な検討ができないということでございます。今、委託先に鋭意作業させておりますので、またわかりましたらお伝えしたいと思います。
資料に戻っていただきまして、23ページをお開きいただきたいと思います。先ほど徳島県と協定を締結したと申しましたけれども、その翌日にBCPの考え方を深めようという目的で、第2回の鳥取県版業務継続計画策定推進会議を開催し、徳島県知事から講演をいただいたところでございます。
19日の午前から米子コンベンションセンターで開催いたしました。主な内容としましては、議事のとおりでございますけれども、徳島県の飯泉嘉門知事に、「徳島の新たな挑戦!=助かる命を助ける!「防災・減災対策」の推進=」というテーマでまず御講演いただきました。その後に、鳥取県版業務継続計画策定推進に関する基本指針、暫定版ということでまだ協議中という位置づけでございますけれども、それにつきまして意見交換しました。あと、各ワーキンググループからの進捗状況等の報告を受けて情報共有を図ったところでございます。
出席者はそちらに記載しているとおりでございますが、会議の概要ということで、徳島県知事からいただきました講演ですけれども、今回の私どものねらいとしていたところは、東日本大震災で非常に大きな災害が発生しまして、従来考えておりましたような一市町村、あるいは一県で完結するようなBCP、業務継続計画の策定だけでは不十分であろうということで、広域連携を前提とした対策も視野に入れたBCPをつくっていく必要があるのではないかという発想で、応援・受援を含めた体制の整備を図ろうということで、共通認識する上で必要な話をしていただいたと考えております。
議事の概要でございますけれども、意見交換ということで、策定推進に係る基本指針でございます。非常に枚数が多いものですから、27ページに概要を少し書いておりますけれども、実は今回、主に意見交換のテーマになったのが業務資源といいますが、例えば事務所なり、従業員や職員なり、あとライフラインの関係がどういう被害を受けるかを想定して進めていくべきかということで、いろんな意見が出たところでございます。事務局としましては、例えば事業所が壊滅的な被害を受けてしばらくは使えないなり、東日本の例でありますと、一番厳しい水道施設では発災から5カ月給水が受けられなかったなどの相当大きな被害について、そういうところまで一応想定して対策を考えておくために示したところでございましたけれども、その結果、それだけ着目すると条件として少し厳し過ぎるのではないかと。そのあたりの考え方をもう少し整理していく必要があるのではないかという意見が出たところでございますので、まだ説明も舌足らずなところがあったと思っています。この業務資源、リソースの考え方につきまして、少し手を加えてまた具体的に進めていく指標にしていくことになりました。
紅谷アドバイザーからいただいた意見ですけれども、「実際はもっと早く回復しているのだけれども、BCPをつくる作業をしていく上では厳し過ぎる想定が書いてあっても、このリソースをどうしていくかという観点から対策をとっていく発想であれば作業はできますよね」や、「並行して作業も進めていきましょう」という意見をいただいたところでございました。
あと、各ワーキンググループからの進捗状況等の報告がございました。簡単に説明させていただきますと、まず28ページでございます。県庁のワーキンググループでございますけれども、県庁自体につきましては、これまで10月の下旬まで、いわゆる事務作業に当たる職員の勉強会、研修会をしてきたところでございます。それを踏まえまして、どのような業務が非常時に優先すべきものであろうかという洗い出しを10月24日からしているところでございます。3番でございますけれども、今後は県庁のBCPの素案を年内にも一度つくりまして、これはPDCAサイクルで見直すという大前提でございますけれども、3月ぐらいには成果を上げようという方向で進めたいと考えております。
30ページでございます。市町村のワーキンググループでございますけれども、10月17日に全市町村集めた関係職員の会議をいたしまして、意見交換したところでございます。また、先般開催されました市町村行懇では、この件につきましても資料提供等したところでございます。今後の事務作業といたしましては、年明けにも一度、作成方法などを検討した上で、県庁と同じような流れになるかと思いますけれども、災害時優先業務等の項目の洗い出し等を行って、来年度の完成に向けて進めていく方向で検討が進んでおります。
31ページの企業BCPでございますけれども、企業BCPにつきましては、平成21年度から順次普及員等を配置して促進に努めてきたところですが、現在、15社が策定済みという状況でございました。やはり、行政のBCPと企業のBCPは考え方がそもそも違うであろうと。要するに、営利の追求を第一に考える企業と、どんな状況であっても最低限の行政需要は満たしていかなければいけないという行政では内容が違うことを前提にして進めていくということで、11月24日にシンポジウムを開催して、県内の皆様に御理解をいただいたところでございます。今後引き続いてワークショップを開催して、具体的な内容について検討していく。特に業態・業種で内容がかなり違うため、さらに小さいワークショップのようなものが必要ではないかということで進めていくこととしております。
めくっていただきまして、医療関係のBCPでございますけれども、10月25日の地域医療対策協議会で、今後の方針について意見交換がなされております。医療関係は、地域医療をどうするかという観点と個別の医療機関を継続させるためにどうするかという、大きく分けて2つの方向性で見なければいけないということで、この辺が課題になってくることもあろうかと思いますけれども、まだ具体的にこういうものをつくりましょうというところまで進んでないようですが、かなり御熱心に御討議いただいていると伺っております。
最後に34ページの福祉施設のBCPでございますけれども、10月31日に部内の関係課で連絡会議を開催しております。策定の手法としては、モデル的なBCP策定に取り組んでいただく候補として、養護老人ホームの皆生の尚寿苑と協議すると報告いただいております。ここで一通りのものをつくっていただきまして、それを踏まえて全県的に普及させていく方向性が、ワーキンググループの中の方針として確認されたと報告ございました。
引き続きまして、台風12号に関する米子市との検証会議の結果でございます。去る11月10日に西部総合事務所で開催いたしました。出席いただいたのは米子市、鳥取地方気象台、消防局、それから米子警察署、あとは県の関係機関として西部総合事務所と県土整備局、私ども危機管理局が集まっております。
まず結論から申しますと、それぞれの主体ごとに検討課題が幾つかあるだろうなということで、それぞれ検討して対策をとっていきましょうということになりました。県としましては、ハード対策も少し検討する必要があるだろうと。今回少し堤防が破損したりしたところがございました。それから、今回、避難場所等をお互いに正確に認識するため、河川の距離標なり水位計が必要ではないかということでございました。危機管理局としましては、県から市町村へ連絡要員を派遣することとしておりますけれども、その具体的な役割なり業務の手法がいま一つわかりにくいということがございますので、活動要領をまとめて関係者の皆様にお示ししようということになりました。あと、情報ツールとして衛星携帯電話やパソコンも確保する必要があるのではないかということで、対策を進めてまいりたいと考えております。
市のほうでございますけれども、避難勧告や避難指示の発出の基準がいま一つ明確でなかったところがありまして、それを具体化しようということ。また、警察あるいは消防の方が現地確認をいち早くされましたが、そういう情報を得た段階で、それを市として具体的に避難指示へ結びつけていくことが少し不十分であったという反省がありましたので、情報を活用しようという話が出てまいりました。あと、県と気象台は降雨の状況を踏まえたかなり細かい土砂災害警戒情報を市町村に提供することとしておりますけれども、この意味が十分理解されていなかったということもありましたので、このような情報も活用しましょうということを私どもから要望として出したところでございます。
相互の検討すべき課題として、初動態勢の不備が幾つかあったのではないかということで、関係機関相互での情報連絡をきちんと確認していきましょうということと、これは役所の悪弊と言われたらそれまでですけれども、県と市の間でも土木関係機関相互なり防災担当機関相互では割合情報連絡がうまくいっているけれども、これらをクロスした情報連絡体制がいま一つ十分ではなかったのではないかということで、このようなコミュニケーションの深化を検討していくこととなりました。
今回、台風12号あるいは15号も含めまして、東部や西部でも課題が聞かれております。また改めてそのような場を設けまして、東部や西部でも検証して対策をとってまいりたいと考えております。
◎斉木委員長
続きまして、議題6、第4回・5回島根原子力発電所に係る鳥取県原子力防災体制協議会の開催結果について、議題7、「島根原子力発電所に異常が発生した場合の連絡遅延に係る申入れ」に対する中国電力株式会社からの回答について、議題8、鳥取県原子力防災専門家会議の開催結果について及び議題9、第2回島根原子力発電所住民避難計画策定ワーキンググループ会議等の開催結果について、服部危機対策・情報課長の説明を求めます。
●服部危機対策・情報課長
資料36ページからでございます。この島根原子力発電所に係る防災体制協議会の開催結果につきましては、第4回及び第5回とも午前中の全員協議会で報告させていただきましたので、この場での説明は割愛させていただきたいと思います。
続きまして、40ページをお願いいたします。「島根原子力発電所に異常が発生した場合の連絡遅延に係る申入れ」に対する中国電力株式会社からの回答について。
去る9月16日に、中国電力株式会社島根原子力本部長へ「島根原子力発電所に異常が発生した場合の連絡遅延に係る申入れ」を危機管理局長から行ったことに対して、中国電力から次のとおり回答を受けました。
回答の日時は10月31日、午前10時から10時20分まで。場所は県庁第二庁舎危機管理局長室です。出席者は、中国電力株式会社側からは鳥取支社長の森前氏、それから島根原子力本部副本部長の小原氏でございます。県側は危機管理局長でございます。
主な意見交換を説明する前に、41ページの経過をまず説明させていただきます。
平成23年9月13日18時30分ごろ、中国電力社員が定期点検中の島根原子力発電所1号機の放射線管理区域に敷設している原子炉補機海水系のベント配管から海水が漏えいしていることを確認しました。9月15日15時6分ごろ、島根原子力本部から県へ、13日から14日にかけて海水系のベント配管から海水が漏えいしていた旨の連絡がありました。これに対しまして9月16日に城平危機管理局長から島根原子力本部長に対して、今後連絡遅延が再発しないよう、連絡遅延のてんまつや再発防止策を10月末日までに回答するよう文書で申し入れたところでございまして、申し入れ内容は、異常時等の迅速な連絡、これは周辺環境に影響のおそれのある事象が発生した場合等には、休日、夜間等の業務時間外においても速やかに第一報することと、異常時等の情報公開として、住民にわかりやすい情報提供に努めることという内容の2点を申し入れたところでございます。
これに対しまして中国電力からの回答要旨は、40ページの4のところでございますけれども、異常時等における連絡の範囲について、鳥取県と中国電力側との認識が相違していたことに起因するものであったことから、今後より一層コミュニケーションをとりながら共通認識が持てるように取り組み、異常時等の迅速な連絡、周辺環境に影響のおそれがある事象が発生または確認した場合等には、夜間、休日を問わず速やかに連絡しますと。異常時等の情報公開につきましては、島根原子力発電所において異常時等における連絡に該当する事象が発生または確認した場合は、迅速な連絡を行うとともに、報道機関等を通じて住民の皆様の立場に立ったわかりやすい広報に努めますという趣旨の回答をいただきました。
続きまして、42ページでございます。鳥取県原子力防災専門家会議の開催結果について、御報告いたします。
鳥取県の実施する原子力防災対策に関する指導、助言、原子力事業所周辺の環境放射線の測定監視、それから測定結果の評価を目的とした専門家会議を下記のとおり開催いたしました。
日時は平成23年10月25日の14時から17時まで。西部総合事務所の福祉保健局で実施いたしました。議題につきましては、まず1番目に報告事項ということで、福島原発事故の課題や教訓と鳥取県の対応について報告させていただきました。議題1と2については、人形峠や島根原子力発電所周辺の環境放射線測定結果の評価を報告して、承認いただいたところでございます。議題3につきましてはモニタリングポストの設置候補地について、第2次補正予算で5台のモニタリングポストの設置について検討しているところでありますが、専門家の御意見をお聞きして決定しようということでございますけれども、設置場所案としては、境港市、米子市、県庁、大山町、日野町を事務局として上げておりましたけれども、これを承認いただきました。また、別の監視交付金等を現在検討されているところでございますけれども、30キロ圏内に新たなモニタリングステーションの設置が検討されているところで、まだ幾つ来るかはわかりませんが、もし1カ所でも2カ所でも来た場合に今の5カ所と重ならないように、避難先や風の流れ、島根県のモニタリングポストの配置等を考慮して、琴浦町、南部町、日南町等の優先順位を県で検討されたいと。最終的には地域の意見なども聞きながら、県で判断されたいという御指導、御意見でございました。
主な質疑応答をそこに書いておりますけれども、43ページの上から2つ目の丸、本会議として事務局提案の5カ所で決定してよろしいでしょうかという専門家会議の会長提案に対しまして、委員全員が異議なしということで回答を得ました。
続きまして、44ページをお願いいたします。島根原子力発電所住民避難計画策定ワーキンググループ会議等の開催結果についてであります。
平成23年11月11日の10時半から12時に第2回目の避難計画策定のワーキンググループ会議、それから、同日の午後13時半から15時に市町村関係課長及び防災関係機関との意見交換会を開催しました。内容は、ワーキンググループは避難計画の草案を作成、提示し、各部局、米子市や境港市に所管部分について、修正、加筆、追加、充実をお願いしているところでございます。また、市町村関係課長や防災関係機関の担当の皆様には、避難者受け入れの協力依頼をしております。避難実施時におけるマイクロバス等の支援や避難計画草案に対する意見、避難元と避難先となる市町村に対して、マッチング計画の策定を依頼をしたところでございます。また、災害時要援護者のマッチングについてもお願いしたところであります。
この避難計画策定の全体のスケジュールにつきましては、12月9日に照会した分を提出いただいて取りまとめる予定であります。また、同時期にシミュレーション訓練を行いたいと思っています。1月に第3回のワーキンググループ、防災関係機関の実務者会議等を開催。2月に第2回のプロジェクトチームを経まして、3月に住民避難計画の暫定版をまとめたいというスケジュールで臨んでおります。
避難計画の概要について、中国電力の島根原発におきまして、福島原発と同様の30キロ圏内、これは国が検討しておりますワーキンググループが提案しているUPZの範囲ですけれども、
30キロ圏内の住民が県外に避難しなければならないことを想定した避難計画を策定するものでございます。また、津波検討委員会で新たな被害想定が検討されていますけれども、そこの津波被害想定との整合を図ることで進めております。
避難の対象者は、30キロ圏内の住民、同圏内の事業所に勤務する県外からの勤務者、学校の通学者、病院の入院者、圏内を通過している旅行者、それから観光客等を含むところで考えております。
実施方針としましては、県内避難を基本としておりますが、移動手段は伯備線なり米子道などを勘案して、岡山や広島への県外避難を含めた検討をしているところでございます。また、避難先は基本的に島根原子力発電所から50キロ以遠にお願いする計画としております。
45ページは避難の全体イメージということで、基本的には県内の東部、中部地区に避難していただくように計画しているところでございます。また、災害時の要援護者等につきましては、県外への避難ということで今、要請しているところでございます。
避難元と避難先の案として、境港は鳥取市に、米子市は中部地区にという計画で現在進めているところでございます。
◎斉木委員長
次に、議題10、第2回・3回鳥取方式の地域消防防災体制検討委員会の開催結果について、杉本消防防災課長の説明を求めます。
●杉本消防防災課長
46ページをごらんいただきたいと思います。本年度、鳥取方式の地域消防防災体制検討事業を実施いたしております。これは、最近の過疎なり高齢化などの社会経済情勢の変化を踏まえて、従来から消防団、自主防災組織の充実強化を求めてきたところでございますけれども、なかなかなり手の確保が難しいという観点から、鳥取方式の自主防災組織、消防団等の体制やあり方を検討していきましょうということで、その事業を進めるに当たって、事業そのものは調査を外部委託しておりますが、その委託内容等について、いろいろ御意見をいただくために調査検討委員会を設けております。その検討委員会を開催いたしましたので、その概要を報告させていただきます。
まず第1回は8月12日に開催して、今後のスケジュール等を決めましたが、10月17日と11月
24日の2回は現状評価ということで実施させていただいております。現状評価の中身でございますけれども、5番目のところに第2回、第3回委員会の概要を書いておりますが、現状分析といたしましては、モデル市町村の何丁目といいますか、なるべく詳細な活動単位ごとに、地域防災活動なり消防防災体制の課題について調べていきましょうと、各委員から意見をいただいているところでございます。それから、地域の実態との相違もございますので、いろいろなデータをまとめているわけでございますけれども、それについてさらに整理するために、モデル市町村に対して業者が取りまとめましたデータを再度分析、調査、確認していただいているところでございます。本日は、その現状評価という成果品を皆さんにごらんいただければと思っていましたが、方向性を定めるに当たってデータだけでは実態をなかなかはかり知れない部分があって、各委員からも地域での各自主防災組織なり消防団などに求めている役割がそれぞれ地域によって違っていると、そういうことも踏まえながら再度点検したほうがいいよと指導いただいております。そういうことも踏まえながら検討することにしております。
現状評価の視点なり、それから評価の要素ということで書いておりますけれども、現状評価の視点といたしましては、消火、水防、救助、遭難者捜索、それから避難支援という5区分で、それぞれ人、物、組織、それから想定被害規模を加味しながら、地域特性をそれぞれ評価していくことにしております。これにつきまして、年内にはある一定の現状評価ができるよう、計画的に進めているところでございまして、12月末には第4回目の検討委員会を開きたいと思っています。
その後、将来予測が出てまいります。そういう現状評価に基づきまして、10年後の社会構造、人口動態や組織の継続性、それから市町村が立てている総合計画などを踏まえながら、将来予測を実施することといたしております。地域内の企業なり関係機関についても考慮しながら予測してまいりたいと思っております。そのことを踏まえながら、今後、12月末でそういう予測の結果をまとめ、2月、3月で対策案、それから県内への展開方法を検討してまいる予定で進めているところでございます。
◎斉木委員長
以上で、説明が終わりました。ただいまの説明について、質疑等があれば挙手をお願いします。
○前田委員
午前の全員協議会のときに発言しなかったのですけれども、40ページのことについて確認したいのですが、周辺環境に影響のおそれがある事象は非常にあいまいなのです。中国電力側にとっての意味と我々にとっての意味と違うのですけれども、その辺はどうですか。
●服部危機対策・情報課長
放射能漏れについて、中国電力が異常時に該当するものを数字で規定しているところですけれども、それ以下であれば異常事態とみなさないため、その数字に基づいて判断しているところでございます。
●城平危機管理局長
40ページの下に書いておりますけれども、前田委員がおっしゃるように、周辺環境に非常に影響を及ぼすおそれのある事象が発生した場合などについては、報告をもらう申し合わせにしておりました。この申し合わせに基づいて、今回それに当たると解釈して中国電力に申し入れたわけですが、実は中国電力のほうの周辺環境に影響を及ぼすおそれのある事象が発生した場合の対応としては、島根県との協定に基づいた対応をするものと、そこには至らないけれども独自の基準でするものがあって、その両方が含まれると。鳥取県との今までの申し合わせでは、それを両方含めた状態のものを報告してもらって、それが時宜を失したりしたことが今までなかったものですから、申し合わせどおりずっとやってもらっていると、申し合わせも同じ認識だと思っていたけれども、今回改めて確認しましたら、中国電力が独自で公表されるものについては、公表の時期がすぐするものと少しおくれていいものと種類が分かれていたようです。今回の放射線管理区域での海水の漏えいについて、私どもは管理区域内であることをもって申し入れしましたけれども、中国電力のほうでは独自の公表基準、かつある一定の時期に報告すればいいものと整理しておられたと。この違いがはっきりしましたので、そういうことも含めて、協定できちんとそこを整理して、どう取り扱うか整理していかないといけないという必要性を感じたところです。
○前田委員
それは今回の協定の中で明文化するということですか。
●城平危機管理局長
協定の中でできるだけ明文化したいと思いますし、それから、島根県と中国電力の場合は協定とそれに基づく要綱があって、要綱はその都度状況が変わったり、新たな基準を設けたりするものは要綱に規定されている部分があります。そういうところも含めて話し合いをしていく必要があると思いますが、まずは基本となるものを表にする必要性も今回のこの事例で感じたところです。
○前田委員
福島の原発事故を見て、私は環境に重大な影響というよりは、かなり手おくれの時期だと思っています。我々があのときに見聞きしたのは、炉内の温度がどうなったかなり、それから冷却プールの水温がどうだったなどを逐一原子力保安院は発表しましたね。ああいうことだと思うのです。環境に重大な影響が出てしまってからでは遅いのではないですか。
●服部危機対策・情報課長
確かに出てしまった後では多分遅いと思うのですけれども、ここではおそれのある場合も含めて、そういった異常時に連絡をいただけることと理解しています。
○前田委員
おそれのあるというのは、それは中国電力側が判断して、我々には判断する手だてがないのですよね。それはどうされますか、城平局長。
●城平危機管理局長
今回の事例の場合、島根県側には情報提供を早くされて、島根県は現地に行って確認もされておられたそうです。それによって、協定に基づく異常時には当たらないという判断を島根県はされたということでした。やはり、そういうおそれがある場合についての対応がある程度できる取り組みにしていかないといけないと思いますが、その中のどこかで島根県と一緒になって、より一層の情報公開などを求めていかないといけないと思いますが、それについては、まだまだ国のほうで福島原子力発電所の原因究明なり、実際にはどう対応すべきかなり、あるいは、特に地震についてはどうだったとかというところがはっきり出てきておりませんので、そのようなところも見ながら、どこかの時点では島根県と一緒になって中国電力に求めていくことになっていくのかなと、そういうふうに見直しが進んでいく、深化させていくことを考えながら進めていきたいと思います。
○前田委員
おっしゃったところにまた一つ問題があるのですよ。立地県と周辺県との情報の伝え方というか受け取り方は、時間差があるのですか。
●服部危機対策・情報課長
努めて同時に情報をいただけるということは伺っていますけれども、何せ物理的に距離が離れていることなどがありまして、必ずしも同時ではないと認識しております。
●城平危機管理局長
今、申し合わせしているもの、かつ、島根県と中国電力が結んでおられる協定の事項については、基本的には同じタイミングでこちらに情報が来ることになっております。これが今回中国電力から島根県に早く情報が行ったのは、それに当たるかどうか確認するために情報が行ったということですけれども、それはやはり協定により、そういう運用をしようという約束があるようです。今はそのあたりのことまではできておりませんので、いろいろな部分についてどういうふうにしていくかは、細かくやりとりをしていかないといけないと思います。
○前田委員
ぜひとも、同時にしていただきたいと思うのです。この協定で島根県と同時に通報するということにしてもらわないと、県民の不安というのはぬぐえないと思います。
最後に。今、情報伝達の方法は何でされていますか。
●服部危機対策・情報課長
今、基本的にはメールなりファクスでやっております。異常時の事態が発生した場合は、まず一報を電話でいただきます。次いでファクス等でいただくようになっております。
○前田委員
福島の経験を見ても、まず電話は無理ですよね。それから携帯も無理ですよ。何かホットラインが要るのではないですか。
●服部危機対策・情報課長
東日本大震災の教訓を受けまして、いわゆる通信インフラが全部だめになって通じない場合の最終的な通信手段の確保として、衛星携帯電話を整備しているところですので、今後、中国電力ともそういった通信体制や連絡体制を整備したい、確立したいと思っております。
○前田委員
さっきの全協の資料の6ページに、鳥取県独自の項目ということで住民への説明と書いてあり、中国電力のコメント等に「広報の一つのツールとして」と書いてあるのですけれども、広報の一つのツールという位置づけは、非常に私は不服です。なぜかというと、県民が主役ですよ。まず第一に県民に教えることだと思いますが、どうでしょうか。
●城平危機管理局長
やはり住民の皆さんに情報提供することが基本だと思います。それは前田委員のおっしゃるとおりだと思います。ここで私どもが求めましたのは、米子市が中国電力に最低でも住民説明会を開催するようにと前から求めておりましたので、私ども県からもそれを後押しするために一緒に協議してきたわけですけれども、今回の協定締結に当たって、島根県との協定の中には住民説明会の開催が明記されておりませんでしたが、ぜひそれを入れてもらいたいと話しました。そのような中で、住民説明会を情報公開なり広報なりの一つのやり方として整理しましょうということでした。ここに明記するかどうかについては、まだ協定の案文調整には入っておりませんけれども、基本的には中国電力のほうからは、協定締結後にはそういうことを状況に応じてしますということでしたので、自治体のほうでも説明の場を設定したり、住民の方に集まっていただくなどして、協力しながらやりましょうということでここにコメントを書かせていただいております。
○前田委員
だから、私は広報の一つのツールという位置づけでは困ると言っているのですが。
●城平危機管理局長
私どもは、できるだけどういう手段で住民の方々に情報を伝達するかというのは協定の中に盛り込みたいと提案しながらしておりますので、基本的な考え方を押さえながら、具体的な協定案文の調整段階になりましたら、そこについても引き続き協議していきたいと思います。
○前田委員
知事は先ほどの全協で、回答をなるべく早い時期にとおっしゃいました。そうすると、城平局長の今の種々の答弁はどの時点で盛り込まれるのですか、明らかになるのですか。
●城平危機管理局長
協定締結の中にはもちろん協定書ができていないといけませんが、それより前の段階で協定の案文はつくっていかないといけませんが、今現時点は全体についての合意ができておりませんので、そういう意味では、そこのところがまだ具体的にできておりません。ただ、これについては、私どもの申し入れとしては、住民への説明あるいは情報公開についての具体的な手段を書き入れてもらいたいと要請しているところでございます。
○小谷委員
説明資料の38ページをお願いします。まずここで、鳥取県、米子市、境港市の提案事項等と書いてありまして、3行目の運転の開始、あるいは再開計画については了解をとるということになっていますけれども、中国電力の回答は報告となっています。それは誠意を持って報告するということだと後のほうで書いてありますけれども、次の右側の中国電力の回答の一番下から3段目に、運転の開始・再開には島根県との協定にもない事項のため、協定盛り込みは御容赦願いたいと書いてあります。ということは、文章を理解すれば、島根県も協定は結んでいないということですね。
●服部危機対策・情報課長
はい、そのとおりです。この条項は島根県の安全協定にもありません。
○小谷委員
これは、島根県のことを私がどうこう言う立場にはないですけれども、福島原発の状況を勘案すれば、島根県は容認したかもしれません。今後は地域住民の理解が得られるかどうかも勘案しながら、お互いに協調していただいて、鳥取県にも了解をとっていただくように厳しく言わないといけません。鳥取県を含めて米子市も境港市も言っているのです。米子市と境港市のはどうなるかわかりませんけれども、鳥取県も言ったということになれば、この事項はきちんと守ってもらわないといけないと。安全神話が崩れておるのですから、誠意を持って報告するという話ではだめです。これは譲れないところですよ。どんな態度でやられますか。あなたを責めることは気の毒だと本心では思うけれども、自民党が行ったときに広報部長の態度で心から不信感を持っていますから、誠意がないと。この常任委員会でも危機管理局長にはよく言いましたけれども、腰を据えて性根を入れてかからないといけませんと言ったのは間違いないと思います。きょうの全員協議会では言いませんでしたけれども。
もう1点、話は話として聞いていただかないといけないけれども、きょうの全員協議会の説明資料と3ページは同じようなことが書いてあるのですが、3ページには例えば運転の開始と再開計画のことが一部載っていないですね。これは簡単にしてあるから書かなかったと言われればそうかもしれませんけれども、重要な案件ですのできちんと記載していただくと。先ほど言いましたように了解をとることは譲れない。
◎斉木委員長
答えはいいですか。
○小谷委員
答弁を。
●城平危機管理局長
運転の開始再開について、きちんと事前了解なり同意をということで、米子市、境港市と一緒になって申し入れはいたしました。その回答についてはここに書いているとおりで、島根県との協定にはない事項ということで、実際には島根県との協定にない部分について、島根県と中国電力の間では運用でなされていると思います。私どものほうは、申し合わせができていないものについてはすべて運用となっているものですから、そこの運用としてのやり方については、引き続き申し入れなり協議していく必要があると思っておりますので、現時点では島根県と中国電力が協定について見直しされる動きが全くありませんので、そのような中でここの部分について鳥取県との協定に盛り込むことは御容赦いただきたいというのが中国電力からの回答でございました。
きょうの全員協議会の資料の関係ですけれども、私どもは立地県と同じ安全協定をという思いが一番にありまして、それをベースにして整理させていただきましたので、そのような資料になっていたことについて御理解いただきたいと思います。
○小谷委員
もう1点。松江市や島根県は、交付税措置で大変なインフラ整備等もやっておられますけれども、もしかしたら鳥取が一番被害をこうむるかもしれません。特に冬場になれば風向きが北西の風になり、50キロや60キロ範囲で被害をこうむるかもしれません。大山に当たったのが蓄積してスチームが稲にまで入るなり、あるいは水に流れてきたのが用水路に入ったことが原因ではないかということもありますから、それぐらいのことはきちんと言わないといけません。
それで、今、協定したほうがいいかのかしないほうがいいのかは、はっきり言って悩ましい事案です。本当は完璧な協定ができたほうがいいけれども、それが一方通行で、こちらが言っても向こうが受け入れなければどうしようもないし、言うべきことはきちんと言わざるを得ない。きょうの全員協議会でもあったように、早まって12月末までに協定書を出したほうがいいのか出さないほうがいいのか私自身も判断に苦しむところですけれども、申し入れることはきちんと申し入れないと。仮にそれが協定書に盛り込まれないにしても、言うべきことは言って、きちんと筋は通すべきだと。交付税をもらっていないのですから。
●城平危機管理局長
小谷委員からは、自民党でも視察に行かれた際に、非常に中国電力の対応について不満に思われたと、しっかりと腰を据えて協議するようにというお話を常任委員会でいただいておりました。私のほうもそういう思いを持って一生懸命話してきたつもりですけれども、そういう中で、ここの部分についてやはり島根県との協定にないために、現時点の中国電力の回答では御容赦願いたいとなっているところは、やはり残念に思っております。ただ、これについてはやはり引き続いて協議を……(「島根県と協議しないといけない」と呼ぶ者あり)島根県のほうに今の状況を伺いますと、やはり国全体の体制が見直される状況を見ないといけないのではないかというのが、現状でございます。
きょうも本当は法律の中に盛り込まれたほうがいいという答弁を知事のほうからさせていただいたかと思いますけれども、国のほうで防災指針の見直しなりがなされて、その上で法律の中でいろいろな権限が位置づけられたら、個別に協議しなくてもそういうものが位置づけられていくようになるかと思うのですが、今現在はそれがかなり先になりそうだということ。それから、現在の法律ではそこまで規定されておらず、島根県と中国電力の間でもそうですが、いろんな協定を結んで、法律を補うことが必要だという認識で協定を定められている現状にあることを認識しながら、私どもも引き続いて協議を進めたいと思います。
○鉄永委員
関連で整理したいのですが、今の発言の中で新設というのがまず一つありましたが、これは島根の場合は4号機ですか。
●服部危機対策・情報課長
例えば4号機をつくることがあるとすれば、それは増設に当たります、新設ではございません。新設というのは、中国電力の認識で説明を受けたのですが、これは上関のように新たにつくるところという意味で、島根原発に関しては新設ではないと伺っています。
○鉄永委員
全協で知事が、市谷議員の質問に対して「3号機について島根は事前に了解している」と、それから、「今とまっている1号機の再開についても合意している」という発言をされたようですけれども……(「プルサーマル」と呼ぶ者あり)プルサーマルか。2号機は1月でとまるのですよね。ですから、そういう開始再開については、本当に協定に協約はなかったのですか。一方、佐賀などはやらせがあったないは別にして、地元自治体の市町村でも合意を得るために努力しているではないですか。そもそも協定は全国で一律ではないのですか。
●服部危機対策・情報課長
まず、この運転再開という文言が協定に入っているかどうかは全国の事業所一律ではございませんが、入っているところもあります。例えば福井県と関電の協定の中には、一部そういう文言が入っております。ただし、島根県と中電の協定の中には入っておりません。先ほど局長の説明がありましたように、運用で再開などを求めているところでございまして、玄海原発が九電と協定に入っているかどうかはまだ確認しておりませんので、確認したいと思います。
○鉄永委員
もう1点。たしかプルサーマルと3号機についての知事の発言は、もう了解しているということですよね。そうすると、ないのだったら何に基づいて了解したのですか。
●城平危機管理局長
3号機の増設の関係でございますが、国の法律上、増設するときには計画などについて地元自治体の了解を得た上で国に申請し、国がそれについて安全かどうかを審査する手続になっております。そういう中で事前の了解が行われているところでございます。
計画段階の事前了解がなされて、国において安全が確認されると、基本的には特段の手続がなく発電開始に入れるという法律上の手続になっているところです。現在の状況を踏まえて、運転開始することについて地元の了解を求めるかどうか、運用できるかどうかという判断になってくると思います。
全国を見ておりますと、現在の福島原子力発電所の後では、かなりの部分で地元の同意を求められる流れになっているのかと思いますが、先ほど服部課長から説明しましたように、そこでは協定の中に特別な場合だけ要りますと書いてあるところもありますが、書いていない、島根県等の協定のようになっているところもかなりあるのが現状です。
プルサーマルの関係ですけれども、これはプルサーマルという燃料を使って2号機の発電をすることについて、法律上、安全性が担保できるかどうかを国が審査することとなっています。その前に審査していいかどうか、申請していいかどうかについての事前了解を求めるということで、島根県の場合にはこの協定の中の事前了解、原子炉の重要変更について既に了解され、国に申請がなされたという状態に入っていることが今の現状でございます。
実際に、プルサーマルで運転開始することになったときにどうするかは、またそのときの運用方針によるのかと思いますけれども、協定の中では明記されていない状態になっております。
○鉄永委員
要するに、プルサーマルについては重要事項だから事前に島根県の了解があったということですよね。国がこれは安全ですとお墨つきを与えて、それで島根県も鳥取県も反対が言えるのですか。事前調査したり、専門家に依頼したりしないと我々みたいな素人が安全かどうかなんてわからないのが普通でしょうから、やっていいですよということがないと、実質的には動かないわけですし、事業事項の変更はできないということですよね。その辺はどうなのですか。島根県はそうやって、運転再開の前の申請するかどうかの時点でオーケーを出すか出さないかの事前了解をしているわけですよね。それも重要だと言っておられるのは、二重にしろということですか。
●城平危機管理局長
島根県のプルサーマルに関しては、国の安全審査がなされる前の申請自体を認めるかどうかというところが事前了解ということでした。現時点では、国はプルサーマルを使うことについて安全上問題がないと判断されています。ただ、これは福島第一原子力発電所が起こる前のことでしたし、それから、今話題に出ておりますストレステストの審査をしておりませんので、そのような中でストレステストの位置づけをどうするかなどが国の段階でもまだはっきりしていない状況だと思います。また、国から示されるもの、あるいはストレステストの結果などを含めて、中国電力が島根県に何らかの判断を求めるかどうかは、プルサーマルを使った発電を開始するときにはあるかもしれませんが、今のところは25年度を目標に手続を進めている状態にあります。
○鉄永委員
重要事項の変更について申請してもいいですかというのは、島根県に行うのですよね。それがオーケーということになって国に申請され、国が安全かどうかを技術的に判断すると。ただし、今のはわかりますよ。福島第一原子力発電所の事故が起きて安全神話がこけたわけですから、今まで以上の厳しい安全基準をつくっていかなければならないわけです。よって、それは新たな安全基準の変更でしょうから、それはそれで、もう一度安全を見直すという国の姿勢は当たり前の話だと思うのです。それを安全だと言っときに、島根県がもう一度安全審査するのですか、オーケーが要るのですか。その辺は技術的に本当に出せないと思うのだけれども。
●城平危機管理局長
私の説明が不足していたと思います。国に申請されるときに、こういう考え方でこういうふうにプルサーマルを使うというものが示されますので、そこの段階で島根県では、ある程度安全性が確保できるのではないかという判断を第一次的にはされないといけないことになります。それを受けて国は最終的な判断をされていますけれども、その前の段階での判断ですので、鉄永委員がおっしゃるように非常に難しい判断をしないといけないと思います。
○錦織委員
先ほどの40、41ページの通信インフラの整備について、今、鳥取県と中国電力が連絡するときにはメールかファクスで行っていたのを、今後は衛星携帯電話でする方向だとおっしゃったと思うのですけれども、島根県と中国電力は何かホットラインが別にあるのですか。
●服部危機対策・情報課長
島根県は県庁のそばに原子力監視センターを設けまして、専用回線を用いて原子力施設内のデータや放射線のデータ等を直接そこに届けられる体制をとっております。先ほどメールなり衛星携帯電話というお話がありましたが、今現在、鳥取県は直接島根原子力本部から情報をいただく体制になっておりませんので、今後島根県と同じような体制がとれたら、同様に情報提供しますという回答は受けております。
●城平危機管理局長
少し補足させていただきます。異常があったときの鳥取県への緊急連絡方法は、基本的に電話、メールやファクスですることとされていまして、島根県にも基本的には同じ対応をされています。先ほど前田委員からもございましたけれども、基本的にはそういうやり方ですので、この協議の中で島根原子力本部から同時に連絡してもらうことになったときに、そういう体制を構築するということで、鳥取県の窓口になる人を決めていただき、同時に連絡が来ていると思っております。
ただ今、服部課長が説明しましたのは、施設内の放射線を監視する仕組みでデータをとれる状況でして、これは例えば人形峠では、鳥取県の施設内の監視モニターと岡山県にありますモニタリングポストデータ、それから鳥取県の木地山のモニタリングポストデータを同時にとれるようになっています。その中で異常があれば、電話連絡がなくてもモニタリング数値の異常がわかって、動き始めることができる体制をとっています。島根原子力発電所の関係でも今後は、こちらのほうでもそういう体制を整備しないといけませんが、これは非常にお金がかかります。現在は、国の監視交付金の中でそういうところを認めていただいて、整備していきたいと考えております。今、国にそういう要望をしているところでございます。
○錦織委員
島根県の原子力監視センターは、EPZの範囲内だから国の費用で全部つくっているということですか。わかりました。
○鉄永委員
徳島や岡山などの連携協定ですけれども、私は東北大震災を5月に見に行きまして感じましたことは、応援に行きましても、信頼関係がなかったらどうにもならないということです。それから、あの当時議場でも言いましたけれども、鳥取県の職員が石巻市の職員に「こうされたらどうですか」と提案しても、回答がナシのつぶて。客観的に見れば余り信用されていないのか、口うるさかったのか知りませんが、やはり信頼関係が職員間にあって初めて、応援しに来られた方に安心してお任せすることができるのではないかと思うのです。ですから、避難訓練などは地元でできますけれども、応援訓練する前に1年程度職員を相互に交換しながらやるなり、市町村でもできるのでしたら行い、もう少し連携とれる、密にする方法にしたらどうかと思うのですが、それは考えておられるか。
●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
鉄永委員の御指摘のとおりでございまして、ふだんから相手方の状況を知ることは非常に重要なことだと思っております。締結式後に両県知事に対して報道との共同取材があったのですけれども、その場でも、やはり必要があれば1年なり職員を行かせまして状況を知ることも考えたいという発言がございました。
また、仮に1年行くことにはならないにしても、私どものほうでも行き来しながら、応援・受援の体制を整えるための協議をしなければいけないと思っておりますので、そういう場を通じまして相手の状況を知ることをやっていかなければ、実りある体制にはならないと認識しております。まだ細かいところは詰められていないのですけれども、予算が必要であれば、また来年度の当初予算にでも要求させていただけたらと考えているところでございます。
あと、私もお盆前に石巻へ行かせていただいたのですけれども、やはりコミュニケーションがないところでございました。非常に厳しい状態でしたので、本当に細かく物を検討する状況になかったという面もあるのではないかと見ているところでございます。ですから、例えば鳥取県でも鳥取市と徳島市が相互の応援協定をしておりますし、米子市は吉野川市と協定しており、倉吉も協定しています。市町村レベルといいますか、市町村の業務を応援するのはやはり市町村が得手だと思いますので、そういう組み合わせをふやしていくことについても、私どものほうからも積極的に呼びかけてまいりたいと考えております。
○鉄永委員
最近、私は判断できないようになりましてもう1点聞くのですけれども、三朝町にキュリー祭というのがありますけれども、私は議長時代に2回行きましてあいさつしたのですけれども、どちらかのときに中学生が、「三朝温泉はラジウム温泉で、私の集落にはがん患者はいません」という作文を読んでおられました。それで、吉田町長に「これはどうなのですか」と、まだ福島第一原子力発電所が関係ないときですけれども、「そうであればもっと大々的にやられたらいかがですか」と話したことがあります。吉田町長も「確かにそうだ」と言われたように思っております。
岡山大学は、ラジウムの効能であるラドンを一生懸命研究しておられるのですよね。それから、東京の足立区だったかどこか忘れましたけれども、90何歳にもなるおばあちゃんの家の縁の下にラジウムが入っていたと。それを何十年も浴びながら暮らして、しかもお嬢さんは2~3人おられたようですけれども、その方々も全然影響がないと。ということは、放射線にしても放射能にしても内部被曝や外部被曝とありますけれども、三朝温泉などは実際に飲んでおられるのですよね。量がどれぐらいか知りませんが、これは内部被曝ですよ。日本中や世界中が「放射能はだめだ、怖いものだ」という状態になっているのですけれども、そろそろ冷静に考えてもいいころではないかと思うのですが、危機管理上、例えばSPEEDIなどによって風向きなどをシミュレーションしますよね。そうすると、放射能がここら辺は何ミリ落ちるなどが分かるわけですが、そのときにどこまでどうやってするかという基準は、考えておられるのですか。
●服部危機対策・情報課長
私も専門ではないので、なかなかこれだというのは言いにくいですが、放射能を浴びていい一般的な許容限界は、年間20ミリシーベルトまでと言われております。ただ、子供については年間1ミリシーベルトという話がございます。先ほどのラジウムの話がどのぐらいの放射線量を浴びているのかがわかりませんけれども、放射能イコール体に有害なもの、恐怖を与えるものという意識過敏になっているところが確かにあるかもしれません。その辺の放射線や放射能に関する知識を全体で高めていく必要があると感じておりますので、被曝医療なり放射線について、来年度講習してみようかということで準備しているところですけれども、具体的にここまで大丈夫ということは申し上げられないのかなと思っております。
●城平危機管理局長
少し補足させていただきます。まだ具体的になっておりませんが、今、国の専門委員会においてUPZの30キロの中で放射線量がどれぐらいになったらどう対応するのかを決めるための検討をされております。ここについては、やはり専門家の方々で長期間の対策も含めて、長期にわたる人への影響も考えていただいた上で、きちんと決めていただかないと現場は混乱すると思いますので、ぜひそういうところはしていただきたいと思います。
SPEEDIの活用ということがございますけれども、実は今、避難計画なりモニタリングを設置するときに、国に島根県のSPEEDI情報をもらいたいと言うのですが、現時点も国からもらえていないのが現状でして、それはUPZがEPZのままだという現状だからかと思います。
いずれにしても、原子力防災対策という観点で、どれぐらいの数値までは安全でどれぐらいであれば対策をとらないといけないというのは、国の責任で専門家の方々にきちんと決めていただきたいと思います。
○鉄永委員
SPEEDIのことで、今は法改正なり計画変更などはされておらず、今は検討中でしょうから、以前と同等な回答が返ってくるだろうと私も思います。結局、今の状況ではEPZは10キロに、UPZは30キロで検討していると。こんな福島の状態を見ていれば、恐らくせざるを得ないですよね。まして、SPEEDIが予測した飯舘を越えて50キロ圏の伊達市あたりまで行っているわけですから。あれを公表しなかったことが今は批判の的ですから、当然そうなりますよ。ですから、今はできなくても恐らくそうせざるを得ない今、国の防災対策であり計画だろうと思いますので、頑張ってやっていただきたいと思います。
ただ、私も混乱しているのは、学者によって放射線と放射能は違うのですね。もう少し認識を高めるために勉強するといっても、どちらの学者を呼ぶかで全然違ってきますよ。もう少し時間をかけないと、その結果は立証されてこないだろうと思いますけれども、今はなかなか厳しいですね。
○興治委員
SPEEDI情報に関連してですけれども、全協のときに森議員が、文科省がSPEEDI情報について、すべての風向き、風速に対応しているものを出すと言われていたので森議員に聞いたところ、11月25日に記者会見して、今後すべての原発についてそういうふうにすることを既に公表したように僕は理解していたのですけれども、そうではないのでしょうか。ホームページなどを見るとそうなっていますが。
●服部危機対策・情報課長
今後、各原子力事業所の訓練で使用したSPEEDIの結果については、閲覧できるようにするということで多分ホームページに掲載されているのだと思います。私は今そういう認識をしておりましたが。
○興治委員
それの島根原発の影響については、鳥取県としては把握していらっしゃるのですか。
●服部危機対策・情報課長
例えば、今までの訓練のときに使ったSPEEDIの情報については、範囲がEPZ10キロ圏内でありまして、直接鳥取側に出てくるようなデータ等につきましては、全部把握しているわけではないですけれども、一部提供を受けて、参考にさせていただいたことはあります。
●城平危機管理局長
少し補足させていただきます。文部科学省から公表されたのは、私どもの聞いているところでは、過去に訓練上で使ったものについてはすべて公開しますということでした。島根原子力発電所については、今まで島根県内に影響のあるものしかSPEEDIではされていませんので、鳥取県に影響が及ぶようなことはされていないのが今までの状況ですので、鳥取県に及ぶものは含まれておりません。
もう1点は、今、服部課長が申しましたように、今までは基本的には10キロ圏内にしか及ばなかったので、SPEEDIで公表されていたのも同様に10キロ圏内です。私どもは今回、大山周辺に放射能がたまるのではないかとシミュレーションされた鳥取大学医学部の先生がいらっしゃいましたので、文部科学省に改めてSPEEDIの予測範囲を確認しましたら、半径40キロぐらいまでしか予測できないということでしたので、これでは鳥取県内の中部、あるいは東部に影響がある場合には情報が把握できないため、SPEEDIの能力の向上、予測範囲の拡大についても国に要望しているところでございます。
○錦織委員
きょう午前中に市谷議員が聞いたことですけれども、2号機のプルサーマルのことと、それから3号機のことですけれども、それは結局、島根県が事前了解してしまったので、もう鳥取県は何も言うことができないという判断なのかどうかということをもう一回確認したいのですけれども。
それで、2号機のプルサーマルの事前了解は、先ほどの鉄永委員への説明からすると、「プルサーマルの安全審査を受けてもいいですか」と中国電力が島根県に事前了解を求め、島根県はオーケーを出したと。それをもって国に安全審査を受けたら、国は安全ですよと言ったので、一応プルサーマルは準備ができ次第というか、できることになっている状況ですね。
3号機は今90何%できあがり、建設はほぼ終わりかけているのですけれども、これを増設したいときに島根県へ「増設したいのですが」と事前了解を言って、島根県はいいですよとなっているので、安全協定でいう事前了解は済ませていると。とすると、今回の事前報告は全く対象にならないのか、さっきの運転開始なり再開というのは島根県の事前了解の部分なので、3月11日以降のことがあっても一応この件に関しては鳥取県は意見を言うこともできないのですか。
●城平危機管理局長
2号機でのプルサーマルの使用と、それから3号機の増設の関係については、今の条例なり法律の関係からいくと、基本的には手続が終わっている状況だと認識しております。ただ、先ほどからお話がありましたように、例えば3号機を運転開始するときには本当に地元の了解をとる必要があるのかないのかなり、プルサーマルを使って運転開始するときにはそういう地元の了解をとる必要があるのかどうかについては、実際にされるときに改めて運用面で判断がなされると思いますが、3月11日以降の全国的な流れから見ると、かなりそういう了解を得てから運転開始する動きのほうが強いと思います。そのときに、島根県のほうは協定があって、協定に基づいた手続ないし了解はしたけれども、その後の事情の変更などのストレステストも踏まえたときに、協定に基づくものが全部済んでいると考えるかどうかは、多分また議論があるところだと思います。この辺については、中国電力と個別の事案について協議しているわけではありませんので、ここで必ずこうなりますとは申し上げにくいですけれども、いずれにしても、鳥取県が今現在の中国電力からの回答を受けた協定を結んでおけば、何らかを言える立場にあるのかなと。これがどれまでかということが運用の中での協議であり、先ほど小谷委員が強く申し入れろというお話でして、私どももこれについては一生懸命協議していきたいと思いますが、これについては島根県と中国電力がどうされるのかも踏まえながらやっていく必要があるのかなと思います。
○錦織委員
この事前了解が鳥取県では事前報告として締結すると、了解のほうが強いわけだから、島根県がいいですよといって言ってしまった場合に、鳥取県がそれを覆すことはなかなか難しいわけですよね。誠意を持ってやりますと言っても、島根県がもういいですよと言った場合には。だから、さっき小谷委員が言われるように、同じように大変ですけれども、事前了解ということをあくまでもやはり追求していかないといけないのではないでしょうか。
●城平危機管理局長
ここについては、いろいろと御議論があることを全員協議会でも多くの御意見をいただきました。今の状況では報告いただくことや意見を言うこと、それに対応する約束がなされておりませんので、そういう状況を踏まえて、どう考えていくべき検討したいと思います。
○興治委員
立入調査の件について、鳥取県が要望しているのは立入調査で中電は現地確認ということですけれども、いずれにしても現地を見て専門的に判断できる人が必要だと思うのですが、それをどのように確保されるのか。この協定書の内容を見ると、指名する者を全所に立入調査させることができるものとすることで、その指名する者は一般職の職員と特別職の職員であるとなっているわけですよね。そのどちらをどのように確保するのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
●服部危機対策・情報課長
立入調査、あるいは現地確認にしても、やはり知識を持った者が入らないと必要な意見も言えないということで、原子力の専門家職員をどのように体制整備していくかについては現在検討中ですけれども、とりあえず専門知識を持った職員を1名雇用しようと進めているところでございます。例えば立地と同じような体制をとれれば一番いいのですけれども、それには相当な経費がかかると思いますし、予算の面でも厳しいと思いますけれども、その辺の体制について今後検討していかなければいけないと考えております。
●伊澤行財政改革局長
職員の採用、配置等を私どものほうでやっておりまして、若干補足させていただきます。
これは知事からも議会等で御答弁申し上げたところでありますが、現在、原子力防災体制の充実ということで、県の職員の中から原子力の専門等を勉強したことがある者をこの7月異動で1名配置済みであります。ただ、これだけでは十分ではございませんので、既に来年4月の採用を想定した職員の採用試験を実施した結果、2名採用したいと考えております。うち1名についてはできるだけ早くということで、民間企業にお勤めの方ですが、年度内にでも調整がつけば前倒しで採用することも含めて、現在準備を進めているところでございます。正職員の採用体制としてはそういった体制でございますし、それから、危機管理局の所管にはなりますが、さらなる専門的な知識につきましては、きょうの会議資料にもございますが、原子力防災の専門家会議といったものもありまして、大学の先生方の御協力を得て、専門的な部分についての御助言等をいただいているところでございます。こういった方々の御協力をいただいて、必要な部分について充実していくことも一つの方策だろうと考えており、両面から体制を充実していくことを考えているのが現状でございます。
○興治委員
立地と同じ体制を組むのは財政的な問題もあって非常に難しいというお話ですけれども、立地というのは島根県のことだと思うのですけれども、島根県で確保している専門的な職員のレベルと今鳥取県が採用しようとしている職員のレベルとはどう違うのでしょうか。
●伊澤行財政改革局長
職員の配置数等につきましては、今、服部課長から申し上げました立地県の財政措置が大きく違いますので現状では限界があるとは思っておりますが、採用充実に当たりましては、島根県の体制も一応確認しております。島根県も現状お話しした範囲内でいけば、いわゆる化学の専門家などを採用しておられますけれども、基本的には極めて高度な専門知識を持った方を抱えておられる状況ではないと聞いております。一定の大学程度等での履修、あるいは県職員としてのキャリアの積み重ねという中で化学職等で採用した職員を配置されていると聞いているところでございまして、私どももそういったことも踏まえながら、大学での専門分野の勉強状況、あるいは民間企業における放射能での監視測定等の業務経験を要件にして、先ほども申し上げましたとおり採用試験を実施したところでありまして、その中ですぐれた方を2名出している状況でございます。
○興治委員
今そこでいろいろ話があったのですけれども、いわゆるしっかりとした専門家を、例えば鳥取県の見解では、ここに特別職の職員も対象に入れることになっているのですが、ただ、中国電力と出雲市が結んでいる協定では、文言を読んでみるとどうも一般職の職員になっているかと思うのです。要するに、専門家を特別職の職員を指名する者として、立入調査なり現場確認に行ってもらうことはできるのでしょうか。
●城平危機管理局長
特別職の職員ということで任命すれば、それはできるようになると思います。今、中国電力との約束は、鳥取県、米子市、境港市が現場確認できるということですので、特別職の職員になれば県職員の身分を持ちますので、それは今の約束の中で十分読めると思います。
今現在の島根県と鳥取県との専門性といいますか、違いというのは、島根原子力発電所に立入調査などをされていますので、それらを40年間積み重ねているため、島根原子力発電所がどういうふうになっているかをよく知っておられるところが違いだと思います。よって、今、伊澤局長から説明させていただきましたように、職員を採用しましたら島根原発がどうなっているかを早く勉強してもらうこと、身につけてもらうことだと思っております。
○興治委員
今言いました特別職の職員を専門家として採用し、派遣することができるということですけれども、鳥取県としてはそういった方向をとろうという考えはあるのでしょうか。
●城平危機管理局長
私どものほうで把握している中では、そういうことをできる方が鳥取県内にはなかなかいらっしゃらないのが現状だと思います。見ていただいたとおり専門家会議の先生方も、原子炉なり放射線の方は県外の方です。お医者さんで鳥取大学の先生に入っていただいておりますが、それ以外は皆さん県外の方ですので、いざというときに早く対応するためには鳥取県内にそういう方がいらっしゃればと思っておりますので、皆様方からもそういう適任者がおられたら教えていただけると、またいろいろと相談させていただければと思っております。
○国岡委員
原発の話ばかりになりますけれども、鉄永委員が言われました徳島との危機事象の発生時相互応援協定を見ましたら、すごいですよね。震度6以上で連絡がとれなくなったら、自動的に編成していく連絡員も出すということになります。それと、これを見たらいろいろあるのですけれども、県を挙げた協力体制の中に、「支援を行うため、この協定の趣旨を広く県民に周知するものとする」とうたってあります。これはこれから中身を詰めていかなければならない事案でしょうけれども、これは鉄永委員が言われたように、ふだんから職員の相互交流だけでなくて、やはり民間レベルまで落として周知していく必要があります。これをどれぐらいのスパンで考えて、今、計画されていくのかを教えていただけますか。
●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
この応援体制、受援体制の構築にかかわる職員の行き来につきましては、平成20年にこの前身となる協定を結んでおりますけれども、例えば災害ボランティアに対する支援なり、平常時における協力体制としての職員の相互交流、共同研究に努めましょうということは既にございました。ただ、どういう人をどれだけ必要になると思うからあらかじめ何名を交換しておきましょうかという詳細なところまで、現実にはできておりませんでした。ですので、今回応援・受援協定をつくっていく中で、具体的にこういう人が必要ではないかということを確認しながら体制をとっていくことになろうかと思っております。
○国岡委員
職員もそうでしょうけれども、気になったのは、災害発生時に対して広く県民に周知するというところでして、ここまできちんとうたってあることは、そこまで本当に計画されなければならないと思いますけれども、どういった形で周知されるのですか。
●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
これにつきましてはいろんな形があると思いますけれども、通常使えます私どもの広報ツールは、県政だよりなりホームページなどが活用できると思いますし、そのほかのことしの例でありましたら琴浦町で防災フェスタをやっており、そういうところで参加していただいた方にパネル展示等もできると思います。それ以外に、具体的に実際に行っていただく可能性がある団体の方になりますと、個別の業務の進め方についてこれから意見交換することになろうかと思いますので、そういう機会も通じてお知らせしたいと思います。
○国岡委員
今、地域防災計画の見直し、津波や原発の問題、そして今回の報告の一番最後にある鳥取方式の地域防災など、本当にやることはたくさんあってお忙しいと思いますけれども、私は協定の中で、原発とあわせて地域防災計画含めていただくことについて私が質問したとき、平井知事は答弁の中で鳥取方式のことを頻繁に言われました。それで地域防災計画を見て、またいろいろ勉強させていただきたいと思いますけれども、このモデル地域を米子に設定しておられます。ただ、これがまた原発の問題に係ってきてUPZ拡大などになりますと、今度は自主防災組織なりいろいろな各機関の避難経路、そういった原発の問題があり、さらに先ほどの津波の浸水予測図も見ましたけれども、米子市内や近場の皆生の辺に最大の津波が来たら被害が大きくなると。あらゆることを想定してここは頑張ってつくっていかないといけないところですけれども、今年度中につくり上げるのですか。
●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
応援・受援体制の整備につきましては、今年度中というわけにはいかないと思っております。ですので、約1年間程度になろうと思いますけれども、24年度の余り遅くならないうちにはある程度の形に仕上げられたらと考えているところでございます。
○国岡委員
受援体制はそれで見ていきたいと思いますし、鳥取方式のほうはいかがですか。
●杉本消防防災課長
目標といたしまして、年度内に一応各5つのモデル市町村の実態を把握して、それを将来的にどういう姿が望めるかという部分までは出したいと思います。翌年度以降は県内への展開も工夫しながらやっていかなければならないと思います。
○国岡委員
今年度でつくり上げるということですが、今のペースでできますか。私は知事の答弁を聞いてどんなのができ上がるのかとすごい期待していたのですけれども、西部のみでした。本当は東部・中部でも同時に作成してもいいぐらいではないかなと思ったのが、やはり地域性が違い過ぎたと。西部をモデルとして、鳥取方式という名前をつけたぐらいですよね。やはりこれは1年でできて次年度からハードのほうに移行して、いろんなのをつくり上げていくといっても、その間よそはどんどん疲弊していきますし、人口58万人の鳥取県の中で守ろうと思いましたら、同時でやってもいいぐらいだと思うのです。モデル方式云々ではなくて、もうどんどんやっていけばいいと思うのです。ただ、そうなるときに、今のペースのこの指標が出て、結果についての内容を見ていましても、本当にいいものができなければ意味がないと思うのです。作ったら終わりではだめだと思うので、今年度につくり上げて来年度に向けてと言いましたけれども、よりいいものにするために計画自体をもう一回考えられたほうがよいと思います。その辺の考えを教えてください。
●杉本消防防災課長
おっしゃられるとおりで、ことしは着手自体が遅くなっております。ですから、今の時点では何とか年度内に努力したいという気持ちでいっぱいでございます。ただ、状況といたしましては、すべての実情を網羅したものとして、県としてこうあるべきだ、これが一つのパターンだという確定版をつくろうとは思っておりません。ただ、一つのいろんな地域によっても課題が出て、その課題に対する対処法はたくさんのパターンがあると思っております。それに対して、県としてもこういう対処方法があるのだよと、自主防災組織、消防団、両方とも充実することが一番望ましい姿なのかもわかりませんけれども、地域の実情に応じて消防団を充実するなど自主防災組織に力を入れるなり、他地域との連携なり、いろんな方法があると思います。そういうものを工夫しながら出し合って、それを次の段階として市町村独自で再度詳細に、地域住民の方の合意を得ながら計画を練っていただくことが本来の姿であろうと思っております。県がこのパターンをつくったから押しつけがましくこれを使ってくださいなり、これに従ってくださいということは今のところ考えておりませんので、この県が示した一つのパターン、いろんなパターンを地域の実情に応じて、地域地域、町丁目といいますか、学校単位、消防団の地域単位、自治会単位でそれぞれ求めるものも違っております、役割も違っております。そういうものの中でいろいろ工夫しながら、町村単位で将来こういうふうにあるべきだなという一つの目安として使っていただければ、一番役に立つのかなと思っております。
○国岡委員
当然市町村単位、各地域単位でやっていかないといけませんし、鳥取県はそのモデルを今つくろうとしているのはわかるのですけれども、私は、鳥取県としまして避難誘導に力を入れてもらいたいのですよ。なぜかといいますと、大きな災害があったら必ず消防団の方や自主防災組織の方が亡くなられたり、被害に遭われますよね。やはりそこは避けていかないといけないと思います。そのためには、広域消防などの組織の拡大などを検討しないといけないと思いますが、やはり基本に持っていくのは避難ですね。最近私が痛切に思うのは、そこだと思うのです。私も途中まで災害に対応した組織をつくったほうがいいという思いだったのですけれども、今は、大きい災害になればなるほどそういった人が被害に遭い過ぎる。ましてや原発事故があった場合に、一番最後までおられて結局被曝したなどとなったら最悪ですし、そこら辺の基本的な部分を県としてもう一回考えていただいて、そこを重要視しながら地域の意見を聞いてつくり上げていくほうにしたほうがいいのではないかと思います。これは私の個人的な考えですので、その思いをちょっとわかっていただいて、いいものを早くつくって東部、中部にも広めていただきたいというお願いを含めて終わります。
○錦織委員
今、国岡委員の発言で、私はこの前、テレビの報道番組だったと思うのですけれども、誘導したために消防団員が逃げ遅れてたくさん亡くなられたということで、ある自治体は消防団員もとにかくまず逃げろと。事が終わってから復旧にかかれという方針に大転換したと報道されていたのですけれども、そこら辺は鳥取県としてはどうなのでしょうか。
●杉本消防防災課長
なかなか答えにくいところでございまして、現在、津波なり原子力の関係など、いろいろ検討されています。やはり鳥取県でも、消防団ばかりではないのですけれども、樋門の管理などの部分を担っておられる方もいらっしゃると思っています。ただ、今回の震災のいろんな状況を見ても、消防団員の方はそれなりの責任感を持ってやっておられます。その中で、やはり津波の到達時間を兼ね合わせながら、やはり自分が避難できる時間がどれだけかということをきちんと現場にいる消防団員に連絡が行くように、工夫していかなければならないだろうと思っております。
具体的な消防団の活動につきましては、今いろいろ検討されている結果を踏まえながら、消防協会などの団体も通じながら、消防団の方に協議なり検討をいろいろ提案してみたいと思っておりますけれども、もう少しこの成果を待ちたいと思っているところでございます。
○伊藤(美)委員
ここに海岸の津波の高さがありますね。僕は、ここまでつくられるなら、この津波に対して影響を受けると想定される地域が絵の中で描いてもらえると、一番早く逃げると今、鉄永委員が言われておりますけれども。
●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
これにつきましては、まず津波全体の大きさを見るために第一段階でここまでつくったわけでございます。現在、津波の浸水予測図を各波源ごとにつくっております。さらに、県土整備部では河川の津波遡上予測図をつくられます。これとあわせまして、実際にどれぐらいまで水につかるのかを改めてお示ししようと考えているところでございます。いま少しお時間をいただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。(「よろしくお願いします。ありがとうございます」と呼ぶ者あり)
○前田委員
46ページですが、何ゆえをもって鳥取方式と言っておられるのですか、教えてください。
●杉本消防防災課長
基本的には消防団のあり方というのは、国が示している消防力の整備指針という目安がございます。その中で、国民保護法等の関連もあって、避難誘導について、かなりの消防団員数が目安として積算されております。そういうことに基づきながら、我々としましても自主防災組織は全国的に見て低い状況にありますし、消防団員もまだもう少し足らない、避難誘導の人員が不足しているという状況がございました。そういうことを踏まえながら、充実充実という声をかけてきたわけでございます。ところが、市町村長さん等の意見をいろいろお聞きしますと、高齢化等がだんだん進展してきて、なり手がいないと。なおかつ、消防団と自主防災組織を兼ねている方もたくさんいらっしゃると。そういう状況で、充実充実と言っても無理なところもあると。であるならば、そういうことを踏まえた上で今の10年後等を見据えながら、現在の消防団員をさらに充実させるのか、自主防災組織を充実していくのか、なおかつ地域との連携をどうやって補っていくのかを、必ずしも消防団をふやすことばかりを念頭にせずに全体を見ながら進めていこうというところで、鳥取方式と説明させていただいております。
先般も委員会の中で、消防団員の委員がいらっしゃったのですけれども、常備消防も充実できたと。そういう中で消防団、消防団と目標にせずに、地域の防災は自衛消防隊みたいなものが有効な部分があると。だから、そちらをもっと充実すればいいのではないかということをおっしゃられる委員もいらっしゃいました。そういうことも含めながら、地域地域で後継者がいるのかいないのか、将来的にどうなのか、立地的にどうなのか等も含めながら、この地域についてのあり方を個別に検討していきたいということで鳥取方式という言葉を使わせていただいております。
○前田委員
意見を言っておきます。やはり今、地域消防の一番のウイークポイントは、団員が少ないということです。やはりここは避けて通れないと思いますよ。いろんな手だてで団員の確保をしていかなければいけないわけです。特に中山間地などは、自主防災組織は使えはしませんよ。やはり地域消防が乗り出さないといけないと思うので、この中に消防団員の確保のこともやはり研究してほしいと思います。
◎斉木委員長
長時間、御苦労さまでございました。私も一言。本当に福島原発事故が起きまして、終息するのが30年以上という本当に気の遠くなるような年月がかかるわけですので、やはり起きないようにする、想定外をなるべくなくすという取り組みでやっていかなければいけません。費用対効果のことがありますけれども、そういう面では、鳥取県の場合は想定外はなくすようにぜひ取り組んでいただきたいなと要望しておきますので、よろしくお願いします。
ほかにございませんね。
それでは、意見が尽きたようでございますので、執行部の皆さんは御退席いただいて結構です。委員の皆さんはその場にお残りくださいませ。御苦労さまでございました。
午後3時46分 閉会
|