午前10時54分 開会
◎伊藤美議長
ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に鉄永幸紀議員と福間裕隆議員を指名いたします。
それでは、中国地方における広域連合設立に向けた検討についての説明を知事に求めます。
●平井知事
皆様、おはようございます。
また、本日から9月定例会が始まりました。各種の案件がございますので、ぜひ活発な御議論を賜りたいと思います。
その冒頭に当たりまして、県議会でも特別委員会が設置され、そして熱心な御討議をいただいております中国地方の広域連合構想につきまして御説明の機会を頂戴いたしました。
この問題につきましては、さきの6月議会におきまして熱心な御討議をいただきました。6月1日に私ども5県の知事が集まりまして、広域連合を設立しようという方向での合意をとりまして、それぞれの議会に御説明申し上げるということになりました。
各県議会で同様の説明がなされておりますが、全てにわたりましておおむね異論ないということで結論を得ております。それを7月に持ち寄り、それぞれの知事同士で意見交換をさせていただきまして、8月7日に国のほうに特定広域連合ないし広域連合の設置に向けていくのだと、その旨の意思表示を岡山の知事会長からされました。そういうような経過をたどってまいりました。きょうは、そうした状況につきまして皆様に御説明を申し上げたく存じます。
この問題は、まだまだこれから議論が続きます。現実に山口県は山本知事に世代交代をされました。さらに岡山県においても近々知事選挙があるということになります。新しいメンバーで仕切り直しをする必要があろうかと思いますが、私としては、これまでの5県の話し合いを尊重して、その方向でまとめていくべきだというふうに考えております。先般も広島県知事とそうした方向性について合意を得たところでございます。
残念ながら9月8日に国会が閉じてしまいましたけれども、その中で特定広域連合の設立を含む新たな地方分権の法案につきましては提出を見ないまま終わってしまいました。ただ、その後、私自身、全国知事会で公約担当の特別委員長をやっております。その立場で民主党の代表選挙の候補者、自民党の総裁選挙の候補者全てにわたりまして要請活動をしております。その中の重点項目として、特定広域連合への権限移譲の課題をぜひ法制化してくれということを訴えて歩いております。その状況から申しますと、各候補にはこの点異論がないように受けとめました。微に入り細に入りこれから協議すべき事項だとか調整すべき事項があるのかもしれませんけれども、基本的な方向性というのは、実は与野党の中でも一通りの方向性は出得るものだろうと思います。ただ、いずれにいたしましても、全国知事会を挙げましてこの課題については法制化に向けた取り組みを今後やっていこうということで申し合わせをいたしております。
そういうような状況ではございますけれども、広域的な連携はこれから医療関係、また防災関係で効果を発揮すると思いますし、さらに観光、産業等の他の分野にも広げていってもいいのではないかというふうに考えます。当然ながら国の出先機関の受け皿としての機能も発揮し得るものになろうかと思います。その意味で、これからも強い決意を持ちまして中国広域連合の設立に向けて鳥取県としても取り組んでまいりたいと考えております。
詳細につきましては、企画部長から御説明申し上げます。
◎伊藤美議長
続きまして、企画部長に詳細説明を求めます。
●中山企画部長
お手元に「中国地方における広域連合設立に向けた検討」という資料をお配りしております。
まず、1番のこれまでの経緯でございますが、(1)で6月1日の中国知事会におきまして広域連合の設立に向けた準備を進めるということで合意されました。これにつきましては、6ページをごらんいただきたいと思います。
これにつきましては、6月議会の全員協議会で説明させていただきましたが、ポイントとしましては、設立のねらいのところで、国の出先機関の事務・権限の受け皿の役割を担う。もう一つは、広域行政の実施主体の役割を担うというものでございます。
移譲を受ける出先機関でございますが、これにつきましては、当面経済産業局を対象として移譲を受ける。地方整備局、地方環境事務所については今後の検討対象とするということでございます。
持ち寄り事務におきましては、広域防災、広域医療を中心に検討を行うということでございます。
今後の進め方におきましては、各県において議会に説明した上で、国に対して意思表明を行うということでございます。
3ページをお願いしたいと思います。各県議会への説明状況ということでございます。これは、各県で6月議会の特別委員会ですとか常任委員会で説明されたものでございます。
主な意見ということで説明状況欄に記載しておりますが、例えば島根県におきましては、三位一体改革の二の舞にならないようにというふうな指摘もございました。これは権限が移譲されたが財源が来ないということにならないようにという趣旨でございます。
それ以外では、情報提供をしっかりすることとか、市町村の意見をよく聞くというふうな意見があったところでございますが、説明に対しては御理解いただき、おおむね異論はなかったというふうにお聞きしているところでございます。
続きまして、4ページをお願いいたします。市町村への説明状況でございますが、これにつきましては、6月から8月にかけまして説明及び意見交換を行いました。そちらに記載しているとおりでございますが、その際の主な意見としましては、市町村の意見はやはり十分聞いてほしい。あとは県または市町村に移譲するほうがよい事務もあるのではないか。あるいは意思決定ルール、財源の保障、こういったことについて意見が出されております。一番最後のところに多くの市町村の意見として、地方整備局の地方移管につきましては、やはり災害等の観点から全国的に慎重な意見が多いので、慎重に対応してほしいという意見が多数出されております。経済産業局、地方環境事務所については、おおむね異論はございませんでした。
今回、当面経済産業局を移譲の対象としますことから、商工団体につきましても7月から8月にかけまして意見交換を行っております。主な意見でございますが、県庁と広域連合の両方に説明しないといけないという事態が一番困るので、そういうことがないようにしていただきたいという意見のほかには、例えば移譲により業務スピードが上がりコスト削減にもつながることを期待しますとか、会員同士の連携、あるいは人材育成、こういったものに期待したいというふうな積極的な意見もございました。
農政局につきましても、移譲対象に農政局をぜひつけ加えていただきたいという意見もございました。
もう一度1ページにお戻りいただきたいと思います。こういった状況を受けまして、7月19日、5県の知事会におきまして出先機関の移譲を国に対して意思表明を行うこと、持ち寄り事務につきましては、広域観光、広域産業、中山間地などについても広く検討を行うこと、こういったことが決定されております。
また、事務ベースにつきましても、先進地であります関西広域連合の現地調査ですとか、あるいは持ち寄り事務の拡大について具体的な取り組みについて意見交換、議論を行っているところでございます。
また、7月19日の5県知事会を受けまして、8月7日、石井会長、岡山県知事を務めておられますが、中国5県で後藤副大臣に対しまして意思表明を行ったというところでございます。
それにつきましては、5ページをお願いしたいと思います。共同声明の主な内容でございますが、2つ目の段落のところ、2つ目の文章のブロックですが、一番最後のところに当面、中国経済産業局の事務・権限の移譲を求めること。それと下の段落のところでございますが、地方環境事務所についても四国各県と丁寧な協議を行うなど調整を図るということで意思表示をしております。
もう一回1ページにお戻りいただきまして、後藤副大臣のその際の発言でございますが、やはり大規模災害について市町村が懸念をされているので、市町村に対してよく説明をすること、あるいは「アクション・プラン」推進委員会には中国知事会にも出席していただくというような発言がございました。
今後の取り組みでございますが、10月開催の中四国サミットにおきまして地方環境事務所の移管について意見交換を行うこととしております。また、11月開催の中国地方知事会議におきまして地方環境事務所の移管ですとか持ち寄り事務の拡大、こういったことについて意見交換を行うこととしております。今後とも県議会、市町村、県民の皆様の理解を得ながら進めることとしております。
最後になりますが、2ページで、現在の状況ということでつけております。9月8日でございますが、法案未提出のまま通常国会が閉会となりました。今後、政府、民主党におかれましても全国市長会と意見交換等をされて、法律の提案に努めるというふうなことでお聞きしているところでございます。
以下につきましては、参考でつけております。説明は省略させていただきたいと思います。
◎伊藤美議長
ただいまの説明に対して御意見、御質疑等があればお願いします。
○山口議員
平井知事、中国5県の広域連合をつくられることは結構ですけれども、問題は、関西広域連合のような形の中で、政令市の橋下市長が加わったわけですけれども、彼は道州制に向けて維新八策の中でも動いているわけです。
岡山県の知事はもうやめられるのですけれども、これも政令市のことと、知事会の中で道州制が最終的な着地点だというような動きをしておられる。そういうことにならないような形で、あくまでここに書いてあるような純粋な連携、連合を私は大切にすべきだと思っております。
もう一つ、二重行政を廃止するという形の中で、関西広域連合は産業局、整備局、環境事務所と、こういう形になってきておるわけです。そうした場合に、もし関西広域連合の目指したところに落ちつくという形になりますと、どこのブロックも、連合組織をつくっているところ、つくっていないところも含めて、新たな対応が求められるのではなかろうかと思っておるところですけれども、なかなかこれは難しさがあるわけです。そういう点をどういう形で対応されるのか。
●平井知事
まず、道州制とのかかわりについてでございますけれども、これについては、先ごろ行われました鳥取県議会の本会議場におきます関西広域連合の議会の場でも山口議員が御質問され、それに対して橋下委員が答えられるという場面がございました。その中でもありましたように、橋下委員の政策ビジョンとしては道州制の導入ということをやるべきだということを強く訴えましたけれども、この関西広域連合の場というものは、道州制のためのものではないということも片方ではっきりおっしゃるわけでございます。
岡山県との関係でも、先ごろ、7月19日だったと思いますが、5県の知事の懇談会をやりましたときに、今後の方針を話し合う中で、私のほうからあえて県議会での議論を踏まえて、この広域連合構想は道州制とは論理的には一緒にならないものだということで理解はよろしいかと確認させていただきました。岡山県の石井会長は、そういうことだというふうに明言されておられました。
そういうようなことでございまして、5県の間でも、この広域連合が道州制の枠組みとして機能するというわけではないということは前提として検討を進めているということを御報告申し上げたいと思います。
現実に二重行政の解消とか、これからの国、地方の整理のことなどは、まだまだ未解決のところがいろいろありますし、また、市町村との関係なども今後整理が必要かと思います。その辺は、残念ながら今まだ国のほうの法案が出切っていないところでございまして、いろいろと今後の事態を踏まえて適切に協議を進めていくということで対処せざるを得ないのではないかというふうに思います。
ただ、基本的な理念としては、無駄はできるだけ排除していくということでいくのだと思います。ただ、都道府県という枠組み、あるいは市町村という枠組みが厳然とある中での広域連携組織として広域連合を活用していくと。それで全体の無駄を調整していくというふうな方向性は今後とも変わらないのではないかというふうに考えております。
○稲田議員
結局、今のところは特定の広域連合というものの設立はもう一頓挫してしまっているという状況ですね。それで一般の地方自治法に基づくところの広域連合を推進していくという方向なのだろうと推察するわけですが、8月7日の共同声明ですね、これはいわゆる国の地方の行政機関を移譲するのだという法律が成立したことを前提にずっとこの文章が成り立っているわけですけれども、この中で、当面、中国経済産業局の事務や権限の移譲を求めるのだというところは、これが特定の広域連合でなくても、普通の広域連合でもこのことはこれから推進していかれるおつもりがあるのかどうか、その辺はそういう読みかえがこの文章でできるのかどうか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
●平井知事
広域連合は、5県の合意がない限りはできません。合意もそれぞれの県議会の了承がない限りは広域連合の規約が承認されません。発足しないということであります。ですから、結局はそれぞれの間でまだ今後意見調整を図っていくというのが本当の答えなのだろうと思います。
ただ、我々が議論を始めたきっかけになりましたのは、やはり特定広域連合が発足するということがあってしかるべきだというところは議論の出発点の部分がございます。ただ、議論していく間で何人かの知事さんのほうから、私も同様の考えではありますけれども広域連携をすること自体にも意味があるのではないかと、まずはそこからスタートしてもいいではないかという意見の県もございます。この辺は、まだお互いの温度差といいますか、これからすり合わせをやっていく必要があろうかと思いますので、新メンバーが出そろうこの11月以降の中国地方知事会議の中できちんとしたすり合わせをやっていきたいと思います。
ただ、先ほど申しましたように、我々地方団体としては、国の出先機関の移譲というのは我々の地方分権の大義でございますので、この成立をぜひ国に対して与野党問わず働きかけていく必要があるだろうと、この点はしっかりやっていく必要があると思います。
我々が当初もくろんでいたとおり、我々は広域連合の枠組みづくりをします。そして特定広域連合にかかわるような法律がちゃんと成立をすると、それを目指していくのが本筋ではないかと考えております。
○前田議員
地方分権の流れということで、広域連合というのは、そういうガバナンスの変更ということは理解できるのですけれども、小泉内閣のときの地方交付税5兆円のカット、それから補助金の1兆円のカット、それに起因しましていまだに我々は苦しんでいる。そういうことがありますと、どうしても疑いたくなる。その辺、知事の見解はどうでしょうか。
●平井知事
その辺が私ども5県でも気になるところでございまして、共同アピールの中にも強く盛り込まさせていただきました。人や権限の移譲とあわせて財源がついてこなければ意味がありません。もちろんその中でお互いに工夫し合って、ある程度ダウンサイジングが図れるという部分はあるかもしれません。ただ、それがそれぞれの地方団体の財政運営に支障を来すということがあってはならないことだと、このことは強く求めていこうという考え方であります。岡山の石井会長も、これがイの一番の課題だというふうに強く国のほうに説いているところでございます。
○長谷川議員
市町村長、あるいは関係団体・機関への説明の中で、一番御苦労されるのが国土交通省の移管問題だろうと思います。そういうときに、本当に整理して私どもも認識をし、また訴えていただきたいのですけれども、市町村長の立場からすると、一級河川の管理などは、これからも国のほうに管理権限を置いておいたほうが安心感というものがどうしても残るということが強く出されます。一方で、もう一つ住民サイドからいけば、国土交通省地方整備局こそ2兆円ぐらいの予算を持っているでしょうか、ここのチェックが働かないところはないのです。ここにこそ私どもはやはりメスを入れるといいますか、本当に住民参加、議会のかかわりを持つという意味で権限移譲が必要なのだということを訴えることだと思います。
あわせて、その場合に全ての国の権限を地方に、連合に移すということではなくて、やはり国土交通大臣などの箇所づけなどの権限、権能は残るということが今でもはっきりしておりますし、そのあたりの権能の区分みたいなものをこれから特定広域連合を将来的に目指されるのであれば、いよいよ細かく説明をしていかれるということが非常に求められていると思いますが、いかがでしょうか。
●平井知事
その辺につきましては、おっしゃるように、まだまだ説明が不十分な部分があろうかと思います。市町村に対しまして、私も公式、非公式で幾度となく話し合いをしておりますけれども、市町村長の御懸念の国交省の部分は、実は中国5県の合意が今得られておりませんので、とりあえず対象にはならないということで動いております。ただ、分権の理念からして、これは地方整備局に限らず、あるいは農政局だとかも必要ではないかというような議論も商工会から飛び出しましたが、さまざまな支分部局について、今後テーブルの上に上げていく必要があると思います。そういう意味で、今後の議論のためにも、国交省関係についてはこういう枠組みだということの説明は折に触れてやっていく必要があると思います。
ちなみに、関西広域連合は国土交通省の地方機関を移譲することを前提として動いておりまして、先般もそういう議論を鳥取県議会の議場でもされました。その中でも示されましたとおり、今国と調整をしておりますけれども、それぞれ路線の決定なりなんなりという権限は大臣のほうに残るわけでありまして、とんかちのほうがこちらのほうにおりてくるということになります。そういうようなことは、まだまだ市町村側でも理解されていない面もございますので、関西広域連合としても説明の場をつくっていこうという話をしております。
これから大きな日本全体での分権の枠組みづくりが再度国会の場で展開されると思いますので、その動きをにらみながら、必要なPR活動をやっていきたいと思います。
○藤井議員
中国広域連合については、平井知事がかなり先導的に進められてきたように思いますけれども、唯一この鳥取県は関西広域連合と重複、広域連合に同時に加入することになるわけですけれども、そのことについての功罪と言うのは変かもしれませんけれども、知事として何か意図を持って考えられたことなのか、そこをちょっと関心があったものですから。
●平井知事
その経緯といいますか、その流れはどうしてできたかということからいえば、まず関西とのつながりは経済的にも非常に深いものがある。出荷額ベースでいけば5割以上が関西でありますし、観光客も関西が多い。それから鳥取自動車道ができるとか鳥取豊岡宮津自動車道ができるとか、そういうような動きも出てきました。それで関西とのつながりを素直に行政区域としても広域連携がしやすいような形にしようということで、中国地方だけでなくて、関西との広域連合というものをまず模索したわけであります。
これにつきましては、残念ながらというか、そうなのかもしれませんが、国の出先機関の移譲という観点からしますと、ごく限られたものになります。ですから、本当の意味の広域連携が主として関西広域連合の分野になろうかと思います。国の出先機関の移譲も含めてということになりますと、本格的な広域連合への加入ということになろうかと思いますが、中国地方のほうは、その意味では理にかなうところがございます。
そうしたこともありまして、関西広域連合の加入の是非をめぐり、県議会でも幾度となく議論が、質問戦が展開されました。その際に皆様方からお話がありましたのは、中国地方の広域連合が本来ではないかと、こちらを設立して、それを鳥取県でリードすべきではないかというお話がございました。私としてもそのとおりだと考えましてこれまで行動し、中国広域連合の設立に向けて今汗をかいているところでございます。
両方加入したところで、大きくコストがかかるということにもなりませんし、国出先機関の関係でいえば、これは関西分、これは中国分、圧倒的に中国分ということになりますので、その意味では、おのずから調整はできるのではないかと考えております。むしろ両方の経済圏、社会圏に足をかけておくことが、県民益にもかなうというふうに考えております。
○市谷議員
この報告書で、それぞれの県議会おおむね異論はなかったというお話になっておりますけれども、おおむねということですから、みんなが賛成ということではないということだと思いますけれども、6月議会でも議論させていただきましたが、非常に危うい、今各議員からも指摘がありましたけれども、こんな状態で設立ありきで話を進めていくというのは大変危険だということを、まず最初に指摘させていただきたいというふうに思います。
何点か確認させていただきたいのですが、先ほど道州制との関係で話がありましたが、橋下市長がどうとか平井知事がどうとかという立場はもちろんあるとは思いますが、国のほうでこの特定広域連合の組織を使って道州制に行くのだという法整備がされた際に、知事はどう判断されるのか。その点について、私たちは、少なくともこの県議会では道州制については積極的に進めようという議員は少ないと思いますので、その点についてちょっと確認をさせていただきたいです。我々がどう思うかではなくて、法がどうなるかということとの関連で、どう判断されるのかということです。
もう1点は、おおむね議会のほうで異論はなかったというお話があったのですけれども、私は特別委員会のほうには所属しておりませんが、放送されておりますので見させていただきました。それで、どういうメリットがあるのか、デメリットがあるのか、それを議員のほうから出してほしいという提案がありましたけれども、経済産業局についても結局出せないというような話だったというふうに思います。そういうメリットがわからないような状態で、我々はどういうふうに議論をしたらいいのかと。議論の前提となる材料がないわけです。
最初話もありましたように、閣議決定もされず、法案も上程されず、この状態で何がよくて知事はこれを推進しようとしているのか、その根拠が非常に不明確であるというふうに私は思います。その点について、なぜそこまでこだわられるのか、何をメリットとして知事は考え、推進しようとしているのか、改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。
5ページの共同声明の最後の段落のところに、「出先機関の原則廃止を確実に実行するため」という文言が入っておりますけれども、県内の市町村からの聞き取りの中で、先ほどから出ておりますように、地方整備局の地方移管については慎重にという話が出ているわけです。であるにもかかわらず「出先機関の原則廃止を確実に実行する」というこの表現というのは、私は市町村の意見を非常に軽視する共同アピールになっているというふうに思います。
調べてみますと、県内の19市町村議会の中で、16の議会で地方整備局の廃止、地方移管については反対だという決議が行われている。県内の19議会中16の議会で反対決議が行われているわけです、趣旨採択も含めてですけれども。ですから、そういう市町村や議会の意見を踏まえずに原則廃止ということを書き込んだということは私はおかしいというふうに思いますけれども、知事の認識をお伺いしたいというふうに思います。
●平井知事
まず、道州制についてのお話がございました。
法制は全く別であります。広域連合は、都道府県がそれぞれの事務を持ち寄って、それを共同で処理するというものが仕組みであります。道州制の場合ですと、法律上書いてある都道府県という枠組みをなくすことになりまして、それで道州という新たな広域的な行政組織を設置するということでございます。ですから、これは論理的に移行するというものではありません。ですから、そのお考えは杞憂ではないかと思います。
メリット、デメリットにつきましては、さっきおっしゃったのは経産局がよう答えなかったという話だと思うのです。そうではなくて、実際に定性的にメリット、デメリットはこういうものがあるということにつきましては企画課長から御説明を申し上げたいと思います。
出先機関の廃止という共同声明の文言があるということでありますが、先ほど来申しておりますように、地方整備局につきましては、現在5県の話し合いの中から捨象してやるということで今進めております。したがいまして、抽象論としてはあるわけでありますけれども、ここに文言が書いてあるから地方整備局は廃止だというふうに読めというのは、それはちょっと無理があるというふうに思います。そういう流れの中で今議論し、話し合いをしながら国に対する訴えかけをこの共同アピールという形で出しておりますので、御理解をいただきたいと思います。
●亀井企画課長
メリット、デメリットにつきまして、若干補足させていただきたいと思います。
国の出先機関を地方に移譲する、それに伴いますメリットにつきましては、大きく3つあるかなというふうに考えております。
1つは、住民ガバナンスの強化ということでございまして、現在国の出先機関につきましては、直接国家の統治が及んでいるとはなかなか言えない状況かと思いますけれども、広域連合に設置されます議会によりまして、そのチェック機能が働くということで行政の透明性あるいは公平性が向上して、より民意が反映しやすい組織になるのではないかというふうに思います。
2点目でございますけれども、二重行政の解消ということでございまして、国の出先機関でやっております仕事、県のほうで行っております仕事、そういったものにつきまして類似業務を集約、整理することによりまして業務が効率化されて、行政経費の削減にもつながるのではないかと。さらには窓口をワンストップサービス化することによりまして住民サービスも向上すると、そういった点も出てこようかと思います。
3点目でございますけれども、縦割り行政の解消といった面も出てこようかと思います。環境ですとかまちづくりでありますとか、さらには観光ですとか、いろいろな多岐にわたる業務、そういったものにつきまして地域ニーズに総合的に対応するといったことで事業効果を高めると、そういったことが可能になるのではないかというふうに思います。
議員のほうから経済産業局の関係のお話もございましたけれども、議員もおっしゃいました8月20日に行いました特別委員会のほうで、経済産業局のほうのメリットといいますか、その仕事の分析も我々執行部のほうで行いまして、特別委員会に資料を提出しております。なかなか経済産業局の協力が得られない中で我々がまとめたものでありましたので、不十分ではあったかと思いますけれども、いま一度その資料をごらんいただければありがたいというふうに思います。
○福間議員
関西広域連合の中で、議会側が追認機関になっていはしないかという意見がしょっちゅう出ているわけです。だから、これでいくと、例えば中国広域連合がほぼ固まってでき上がってきた、各県の分担金を決めますと。各県の議会の支出承認は各県の分担金の範疇になるのです。中国広域連合で集めた運営費は、やっぱり中国広域連合の議会が直ちに設置されて、そこでチェックしなければならないと思うのです。そのことが関西広域連合の場合はかなりおくれていたというか、うまくいっていなかったという指摘が議会の中では時々出ています。この資料を見ますと、中国5県の中でも議会の温度差というのがありますね。そういう意味で、議会側はどうその体制をつくろうと議長がお考えなのか、あるいは知事のほうは執行部側として、そこの対応というのはどんなようなイメージをつくろうとしていらっしゃるのかお聞きしたい。
●平井知事
これは、これから実際に枠組み、フレームワークをつくっていく中で議論すべきだと思います。ただ、関西広域連合での経験が本県にはございまして、それに御出席いただいている県議の皆さんも議員としての地位を得ておられますから、そうしたいろいろな経験を新しい組織の中にも生かしていきたいと思います。
予算案の作成過程など、そこの民意の反映が十分でないというふうに思われる点があるとしたら、また今後も御意見をいただいて、私も責任を持って中国広域連合の設立に当たっての議論で生かしてまいりたいと思います。
◎伊藤美議長
福間議員、実は8月9日に中国地方の正副議長会がありました。それで鳥取県から提案させてもらったのが先ほど来の、山口議員、福間議員がよく言われる追認機関、追認になってはいないかという話でございまして、そのこともあって、皆さんの前にこの問題を披瀝させてもらいました。
そのときに、鳥取県は関西広域に入っていますから、やはり鳥取県とかなり時間差というか温度差というか、違いがあるなと。質問に対して答えたのは広島県ぐらいで、あとは全くなしに、中国広域をやるのだというような話ぐらいしか、中身には触れておりませんでしたので、これはまだまだかなと思いました。
後の意見交換会でもその話をしましたら、先ほど知事のおっしゃった山口県の知事選、それから10月にあります岡山県の知事選、これを受けて本格的に論議しなければいけないなというのが正副議長会の話でございました。
○錦織議員
私は、2点伺いたいと思います。
1つは、二重行政にならないように広域連合をつくってやるのだというふうにおっしゃっていますけれども、結局関西広域連合にも加入する、中国広域連合にも加入する、それで職員も、また議員もそれぞれ出すわけです。これってまさに二重行政ではないかというふうに私は思うのですけれども、それで今職員たちが、本当に何か不毛のと言ったら失礼かもしれないですけれども、とても精力的にこの関西広域連合、また中国広域連合に走らされているわけです。知事は笑っておられますけれども、こういう実態がある中で、私は本当にこの中国広域連合を進めていいのかというふうに思います。議員や職員たち、何重にもやっているわけです。この実態をどういうふうにお考えでしょうか。
それと、民意が反映するかという問題なのですけれども、8月23日に関西広域連合議会がこの鳥取県議会で行われましたけれども、新聞報道によりますと、そこで橋下市長が道州制のビジョンを述べたけれども、この関西広域連合は道州制のためのものではないということもおっしゃったようです。それで山口議員が聞かれたけれども、追及質問の時間がなかったのだと思いますけれども、時間もなく、結局は橋下市長の持論を提供する場になってしまったということなのですね、残念ながら。
それで、例えば今の関西広域連合議会での質問です。今4分らしいのですけれども、こういうことで本当にこの地域の民意が反映できるのか、私は非常に疑問に思いますけれども、この点についてどういうふうにお考えでしょうか。
●平井知事
まず、関西と中国の広域連合で職員が走り回っているというお話がございましたけれども、中国広域連合、できてもいないのに走る職員がいるのかというふうに思います。(錦織議員「つくるためにです」と呼ぶ)
関西広域連合と中国広域連合はそれぞれ目的も違います、それぞれの分野も違います。また、広域連合で事務を連携するわけでありますから、むしろそれぞれの県の負担軽減の部分が出てくるわけです。例えばヘリコプターもそうでありますが、ドクターヘリ。今度中国広域連合でやるということになれば、恐らく鳥取県の西部のほう、これは島根県との個別の話し合いはもちろんあるかもしれませんけれども、広島だとか山口だとか、それぞれの県のヘリの配置の関係でカバーされてくるかもしれない。その分はうちのほうで今鳥取空港から消防のヘリが装備をつけて飛んでいくとかということが減るかもしれません。その分は県の事務が減るわけです。
こういうように、それぞれバランスをとって広域連合という共同組織をつくっていくわけでありますから、おっしゃるような極端なことにはならないはずだというふうに思いますし、そういうように心がけていくつもりです。
また、8月の関西広域連合議会のときのことでございますが、あれは橋下市長が持論を述べられたわけでありますけれども、同時に、この関西広域連合というのは道州制のための組織ではないよというような答弁も引き出しておられたわけでございまして、それ相当のやりとりになったと思います。
また、質問時間でありますが、10分ほどはそれぞれの県にあったと思います。この辺のルールづくりはこれから中国5県の中で話し合っていけばいいわけでありまして、これからの問題ではないかと思います。
○山口議員
私は知事の立場に立って言うわけではないですけれども、この二重行政というのは地方と国との間の組織的な、あるいは財源上の無駄を廃止をするのだと、こういう形で出たのですから、ちょっと今の考え方と違うのではないか。どうでしょうか。
●平井知事
一般論として、二重行政と言われるのは国と県、あるいは県と市町村などが同様の趣旨のことをやっていると。それを地方支分部局を地方側に吸収することによって一括して処理できるようにしようということで解消すべきものという議論であります。今のはエリアをまたがってということでありまして、通常の言葉遣いとは違うかもしれません。
○市谷議員
ちょっと先ほど言えなかったので。
さっき亀井課長のほうからメリット、デメリットのお話で、そういう一般論では議論ができないということを私は言っているわけです。一般論で、こちらが一方的にこうだと言ってみても、どういう法の枠組みになるのか、仕組みになるのかがわからないので、経済産業局も具体的なことを言ってくれない、だから我々は議論できないということを言っておりますので。
あと9ページからの今度出される法案ですか、幾つかちょっと疑問に思う点がございまして、知事はどういうふうに思っておられるのかお聞きしたいのですが、12ページのところに、(8)認定が効力を失った場合、要するにもうやめたと、できなくなったという場合にどうなるのか、その取り扱いについて別に法律で定めるというふうになっておりまして、認定取り消しになったら一体どうなるのかわからないのです、この段階では、法律では。
しかもリスク対応が全然書かれていなくて、職員は国から受け取り、権限もいろいろもらったけれどもできなくなったと。どうやってお返しするのか、住民へのサービスを保障するのか書かれていないのですけれども、その点について知事はどういうふうに御認識されるでしょうか。
14ページの最後のところになりますが、職員について書かれております、職員の引き継ぎ。これは余りに安易で、例えば県の職員が市の職員になりますと、一方的にこういう法律で職員の身分を規定するということについて私はいかがなものかというふうに思うのですけれども、知事、どう思われるでしょうか。
財政上の措置について、先ほどから財政上の措置がなければできないのだというお話がありましたけれども、「措置を講ずるものとする」と。一体どういうふうに講じてくれるのか具体的に書かれていないわけですけれども、この状態で、ああ、お金が来る、安心してできそうだなというふうにはとてもではないけれども思えないのですけれども、こういう法案について知事はどういうふうに認識されているか、お答えください。
●平井知事
詳細は亀井課長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、これはまだ議論の途上でありまして、これ自体法律案として内閣で考えられているという段階であります。まだまだいろいろな調整がございますので、今後議論の中で我々としても述べるべき意見を述べていきたいと思います。
●亀井企画課長
まず、1点目のメリット、デメリットにつきましては、議員の期待にも応えられるように、そういったメリット、デメリットにつきましてはしっかりと整理してまいりたいというふうに思います。
次に、2点目でございますけれども、資料の12ページでいきますと、(8)のところで認定の取り消しの部分でありますけれども、これについては、確かにこの段階では別に法律で定めるということで、まさに政府のほうで検討中というところでございます。
我々、8月7日に手を挙げたことによりまして、その内容の検討につきましても「アクション・プラン」推進委員会の中に直接出席をさせていただいて意見を申し述べることができるという権利、立場も得ましたので、そういった中で必要な部分につきましてはしっかりと物を申してまいりたいというふうに思います。
3点目、4点目、職員の身分、それから財政上の措置ということでございますけれども、この点につきましても、現在、内閣、政府のほうで検討中ということでございまして、こういったところにつきましても、我々も内閣府の職員に対しまして例えば財政上の措置、しっかりと担保してもらえるのかということは個別に話を聞いたりしております。その中では、今まだ政府内で検討中ではあるけれども、地方がちゃんと仕事ができるように、特にこの財政上の措置につきましては、「2の基本理念にのっとり」ということで、そういった基本理念をちゃんと満たすことができるように、発揮することができるようにということが前提でございますので、これにつきましても「アクション・プラン」推進委員会等の中で必要な意見はきっちりと述べていきたいというふうに考えております。
○斉木議員
目的を持って集まっていただいている全協でございますけれども、ちょっと急を要することを知事にお願いしたいものですから、よろしくお願いいたします。
実は、新聞報道で我々も知っておりますけれども、尖閣諸島問題で中国で非常にデモが起きておりまして、特に鳥取県に本社を持って、鳥取県の方が経営している会社が青島にございますけれども、ここも今焼き討ちといいますか、被害に遭って3分の1ぐらいが焼失したというようなことを聞いておりまして、ぜひ国のほうに向かって、鳥取県の関連する企業がたくさんあると思いますので、そういうところにしっかりと支援ができるように、知事のほうからぜひ要望していただきたいということでございます。よろしくお願いします。
●平井知事
これにつきましては、今私どものほうでも情報の収集を急いでいるところであります。当然ながら県内の法人、また企業につきまして、どういうような状況にあるのか把握をした上で、斉木議員からも御指摘がございましたようなことについての政府への要請活動等をやってまいりたいというふうに考えております。
◎伊藤美議長
以上をもちまして、本日の全員協議会を閉会いたします。
午前11時43分 閉会
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