平成23年度議事録

平成24年3月28日会議録

 開催概要、資料はこちらです。
出席者(9名) 委員長
副委員長
委員
浜田 妙子
砂場 隆浩
森 雅幹
市谷 知子
濵辺 義孝
野田 修
小谷 茂
山口 享
横山 隆義
 
欠席者(なし)
 
 


傍聴議員 稲田議員

職務のため出席した事務局職員
  前田副主幹、伊藤副主幹、西村主事

1 開会 午後1時00分
2  休憩 午後2時04分
3 再開 午後2時09分
4  閉会 午後2時58分
5 司会 浜田委員長
6  会議録署名委員 小谷委員、森委員
7  付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり
 

午後1時00分 開会

◎浜田委員長
 ただいまから福祉生活病院常任委員会を開会させていただきます。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでございます。順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、小谷委員と森委員にお願いいたします。よろしくお願いします。
 それでは、議題に入ります。
 本日の議題は、社会福祉法人みのり福祉会の改善措置状況報告(平成23年3月7日提出分及び11月28日提出分)について及び社会福祉法人等に対する監査のあり方についてでございます。
 きょうは案内状を送付いたしました4人の皆様のうち、お二人の方から欠席の連絡がございました。したがいまして、お手元にもありますとおり、2名の方々に参考人として順次御出席いただくこととしております。
 ここに磯田教子氏に参考人としてお越しいただきました。
 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 きょうはお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございました。お仕事もお持ちでいらっしゃいまして、きょうのスケジュールに合わせることについても御苦労があったのではないかと思います。磯田さんの御意見を伺いまして、よりよい福祉行政について考えていきたいと思っておりますので、よろしくどうぞお願いいたします。きょうは本当に御協力いただきますこと、感謝申し上げます。
 それでは、早速ですが議事の順序等について申し上げます。
 最初に私のほうから委員会を代表しまして総括質疑をさせていただき、その後、各委員の皆様の質疑にお答えいただくようお願い申し上げます。
 参考人におかれましては求められた事項について発言していただくとともに、発言に当たりましては私、委員長の指示に従っていただきますようお願い申し上げます。
 また、マスコミの皆様にお願い申し上げます。本日は参考人が発言しやすい環境を確保するために、取材エリアを指定させていただいております。委員側からの撮影につきましては各参考人に対する質疑開始前までとさせていただきます。質疑開始後は所定の記者席側にお座りいただきまして、撮影もそちらでお願いしたいと思います。御協力お願いいたします。
 それでは、委員側の撮影を希望されるマスコミの方、職員の誘導に従いまして、どうぞお進みください。撮影を御希望される方はいらっしゃいませんか。
 では、私のほうから総括質疑をさせていただきます。
 磯田参考人に対しましては、これまでの経緯をまとめた資料などについては前もってお手元にお届けできたかと思います。
 長年、多岐にわたった社会福祉法人みのり福祉会の不適正問題に対しまして、鳥取県は第1回、第2回の改善措置命令を出しました。第1回が昨年の1月6日、そして第2回が昨年9月8日に出しております。これに対しまして、みのり福祉会から改善措置報告書が昨年3月7日、そして11月28日に出されております。
 委員会といたしましては、多くの税金で運営されていますみのり福祉会でございますので、この報告書を精査いたしまして、その状況を私どももきちんと把握し、福祉行政が健全に行われるために、またこの問題が二度と起きないように再発防止も含めまして、さまざまな点で取り組んでまいりました。行政からの聞き取り、勉強会、それからみのり福祉会の前理事長、現理事長、そのほか関係者の方をお呼びいたしまして、第1回の参考人招致もいたしました。その後、みのり福祉会は前理事長を告訴する事態にまで発展いたしております。
 委員会といたしましては、特にみのり福祉会前理事長、県議でいらした村田実氏と行政の言い分にそごが生じておりましたので、その点について文書での質問もいたしましたが、なかなか解明できず、はっきりしない点もございます。当時、福祉保健部長として、行政の責任者としてお仕事をなさっておりましたので、当時の状況につきまして、私どもにお聞かせいただきまして、今後のあり方や再発防止の参考にさせていただきたいと考えております。
 それでは質問させていただきますが、この問題は随分長期にわたっており、また私どもがきちんと精査しました平成17年から考えてみましても、随分多岐にわたっております。このような不適正な状況が、今回の改善措置命令が出されるまで据え置かれていたと言っても過言ではないかと思いますが、なぜこのように長期にわたり放置され、今回の改善命令に至ったのかをどのようにお考えになっているかも含めてお聞かせいただけたらと思いますけれども、いかがでしょうか。

●磯田参考人
 平成20年4月から22年4月まで福祉保健部長を拝命いたしておりました磯田でございます。きょうはお役に立つことがあればと思い出席いたしましたので、よろしくお願いいたします。
 ただいまの委員長の御質問でございますが、みのり福祉会は歴史が随分長うございまして、保育所から福祉事業に取り組んでおられます。私は福祉と離れていたのですけれども、20年ぶりに部長に就任いたしましたときに、随分幅広い事業をおやりになっているなという印象は受けました。
 監査につきましては、御承知のように、優良のところは4年に1回なり2年に1回、大体が2年に1回、法人監査に入っております。みのり福祉会等は文書不手際もあったりで毎年入るようにはなっていて、1回だけ私に監査の決裁が上がってまいりました。その指摘事項というのは、前年の指摘事項に対してどういう改善がなされているかという形で報告書が上がってくるわけですが、改善されている部分や引き続き指導などという形で来ております。だから、その当時は過去にさかのぼってまで見られておりません。
 そうしているうちに、21年には別の法人の不祥事が発覚しましたので、そちらの対応に追われていたために、21年はこちらの法人監査に入れていないのが実情でございます。
 ですから、手が回らなかったというのは理由にはならないのですけれども、体制もそれほど潤沢な人材でやっているわけでもございませんでしたので、そのような状況でございました。

◎浜田委員長
 そうしますと、職員数が足りないともお感じになっていらしたのですね。

●磯田参考人
 はい、それは感じました。と言いますのが、久々に福祉に携わってみますと、平成12年の介護保険導入から民間参入が出来るようになり、民間の社会福祉法人数がすごくふえているのです。うろ覚えですけれども、平成9年と比べて倍近くに民間法人がふえておりまして、それを少ない人数で法人監査しているわけです。手が回っていないと言ったら変ですけれども、1日か2日、監査に出て報告書を書いて、また次のところに行くという状況でございます。ですから、特別監査に入って改善命令が出ますと、そちらの対応に手がとられまして、職員は見るのもかわいそうなぐらい残業をしましたために、22年の1月だったと思いますが、部内から監査に詳しい者を引っ張ってこないといけないというので、1名増員いたしました。それでも残業に次ぐ残業で、職員は取り組んだ状況でございます。
 やはりこれではいけないということで、次の年から特別な専門員の方を入れないといけないとなり、公認会計士や税理士、銀行のOBなど、法人監査にたけたお方を入れるように予算措置していただき、またマニュアル等もつくりました。という形で増員し、体制の改善を進めてきたものでございます。

◎浜田委員長
 そうすると、数も質も十分ではなかったために、それへの手当てをしつつ、それでも大変な中を監査、検査されていたと理解したらよろしいですね。

●磯田参考人
 はい。ですから、今回の2回の改善命令について、職員はよくここまでやったなあと感心いたしております。土地対策の関係が随分複雑な構造ですよね。本当によくここまで解明したなというのが実感でございます。

◎浜田委員長
 もう1つ私のほうからお尋ね申し上げたいのですが、村田実氏は県会議員で議長までお務めになった方ということで、県会議員と行政に携わる職員の皆様との関係をどんなふうに見てお仕事をなさっていたのか。非常に高圧的であったり、それからひどい言葉を投げかけられたという報告もあったりいたしまして、職員の皆さんに対してどのような関係で存在として受けとめられていたのか。県議であるために遠慮される雰囲気が部内にあったのかどうなのか。あるいは福祉保健部に圧力をかけてこられるような感覚があったのかどうかをお尋ねします。

●磯田参考人
 私は、いろいろな法人の方たちが来られますけれども、それが議員であろうと、どんな障害団体であろうと公平に接するようにしておりましたし、職員にもそのように言っておりましたので、議員だから特別扱いなどは余りしていないと思います。

◎浜田委員長
 わかりました。
 私の質問は以上でございます。
 御質問のある方はどうぞ、挙手をお願いいたします。

○山口委員
 私もこの生活福祉に長いこといて、参考人とはいろいろとおつき合いをさせていただいたわけですけれども、期間中にも問題が起こったということで、本当に残念だと思っているところですが、やはり指導と検査の二手に分けて考えられると思います。また、人員不足という話がありましたけれども、これは指導面だけが表に出て、監査が怠っておられたのではないかと思うのです。それによってこういう事件が起こったのではないかと思いますけれども、そのときに、人員が不足しているということがわかって、任期中に1人増員されたということですが、それは知事に人員配置の適正化について直接要請されたのか。

●磯田参考人
 当然、職員を動かすわけですから、知事にもいろいろ御説明しますときにお願いいたしております。

○山口委員
 それで、稲田副議長が本会議において監査体制についての問題を提起されたわけです。本当に指導監査では限界があるのではないかと。それから、今までずっと執行部の皆さんの質問に対して、指導監査の域を脱することができないと、踏み込めないと、今の体制ではこういう一つの限界が監査にはありますと。また、踏み込んだ監査というのが限界があると、こういうことを現職の部長も私どもにずっと言い続けてこられたわけですが、その指導監査や経理などの監査について、法律上限界があると感じられたことはあるか。

●磯田参考人
 確かに社会福祉法において平成12年から介護保険が始まって、民間企業でも参入できるようになったときに、監査体制はそのままというか、福祉の監査で来ておりました。だから、例えば企業でしたら利潤追求を目的といたしておられますから、赤字を出してまで余りやられないですよね、コムスン事件でもあったわけですし。だから、そこのところは監査体制もあわせて改善されるべきだったのかなと今にして思うこともございます。例えばこの帳簿を出してくださいと言っても、拒否できるわけですから、そこのところの限界はございます。

○山口委員
 知事の答弁では、やはり監査については問題があると、方法を考えてみなければいけないのではないかとあったが、法律上の問題もあるかもわかりませんけれども、やっぱりそういう認識は持っておられたのか。

●磯田参考人
 企業が入るということは限界があるのか、いろいろと言われておりましたので、こちらの職員もそういう知識なりを持った者が行かないといけません。ですから、指導監査と経理面の監査を本当に厳しくしていくには、公認会計士などを配置したそれ相応の体制が要るのかなと。行政マンですから、その辺はちょっと専門ではない。中にはそういう知識を持った者もおりますけれども、やっぱり弱いので、そういう面を充実していかないといけないかなと感じるところがありました。

○山口委員
 恐らく内部からはなかったと思いますけれども、在任中、問題がありそうだなどという情報が外部からなかったのか。

●磯田参考人
 そういうのは余りなかったように覚えております。というのが、在任中の21年は、新型インフルエンザ対応に追われておりまして、各施設に新型インフルエンザがはやらないようにする対応などに追われておりましたので、そういった情報は余りなかったように記憶しておりますが。

○山口委員
 全部解明されたとは言えませんけれども、改善命令が出された結果を受けて、当時やっておけばよかったなという反省もあるのか。

●磯田参考人
 そうですね、その時々は一生懸命やっているつもりではありますが、離れてみて、こういうことが表に出てくるということは、至らなかった面があるのかなと言われてもいたし方ないという思いはいたします。
 でも、その時々は職員もみんな一生懸命それに追われているというのは確かでございます。

○山口委員
 在任中にサンジュエリーやみのりサングリーンなど、いろいろな事業をやっておられるわけですね。この審査に当たっては適正にやられたと思いますけれども。

●磯田参考人
 あれは障害者自立支援法が変わって、再指定という形です。だから、それは適正に行われていると思っております。既にやっておられて、そこを再度検査したとのことですから。

○山口委員
 法律が変わって。

●磯田参考人
 はい、自立支援法に変わってですね。

○森委員
 私は元市職員でしたので、監査のことについてお伺いしたいと思うのですけれども、監査を受けて、文書指摘を受けることは相当な重いことであり、大変なことだと思って、改善することに一生懸命になるというのが公務員のパターンだと思うのですが、こうやって福祉施設を指導監査しながら、みのり福祉会の場合は文書指摘を何回も受けながらも、何のこともないような感じでそれをそのまま残してしまう、改善をしないまま翌年に持ち越してしまうといったことが繰り返されて今日に至ったということになっていると思うのです。当然口頭の指摘もあった上での文書指摘だと思っているのですけれども、文書指摘の重さといいますか、文書指摘がなおざりにされてきた背景にいわゆる社会福祉施設たる、社会福祉法人たるみのり福祉会がこの文書指摘をどういうふうに受けとめていたのか。それからまた逆に、県側からの文書指摘の重さはどういうふうに考えていたのか。そのギャップを当時、思っておられませんでしたか。それから、公務員として、文書指摘はどれぐらいのものだと認識しておられたのか。
 もう一回話を戻しますけれども、県側の指摘の重さという意味合いと、受けとめる側のみのり福祉会の受けとめる重さの違いなどについてお考えといいますか、そのあたりをお聞かせ願いたいと思います。

●磯田参考人
 行政に携わっておりますと、我々も監査を受ける中で口頭指摘や文書指摘を受けます。当然口頭指摘なり文書指摘でもかなりの対応をし、改善していくわけですが、文書指摘はかなり重く受けとめているものの、それが相手方にとりましてどのように解釈されていたかというと、そこのところはわかりかねる部分もございますけれども、一応前年の指摘に対して、また翌年も入るわけですから、改善しますなどと言われたらそれを信じるしかないかなと。では、それ以上に踏み込んでというのも難しい部分がございますが、相手方がどのようにとられていたかはわかりません。

○森委員
 今回、私はみのり福祉会の不適正事件のポイントがそこにもあると思っていまして、県側からすると、指摘しているのだから、それで向こうはやってくれるはずだと。また、やりますと文書でも答えているし、そこでもう終わっていると。いわゆる監査がきちんとできたと。監査の結果、改善しますという答えが来ているのだから、それですべての物事はもう済んだということにつながっていると思うのですね。でも、実際には改善しますと言いながら、していないという現実が今日まであるためにこうなっているのですけれども、そこのところは、先ほどは人が足りないというお話があったのですが、何かシステム的な問題点などはなかったのでしょうか。

●磯田参考人
 監査担当も固定化ではなくて、順次かわっていきますので、新しい視点では見ていると思うのです。ですけれども、そこになかったかと言われると、どうでしょうか。まず、人が新しく異動しますとなれるのに少し時間がかかると。ようやくわかっても、また何年か後にかわっていくという、いい面と悪い面とがございます。ですから、一方でそういうのにたけた非常勤の職員も従事しているわけですが、その辺の今後の改善が要るのかもわからないですね。やはり緊張感を持ってお互いが監査を受けるということです。

○横山委員
 先ほど森委員が言われたのですけれども、文書指摘を受けると1年間で指摘されたことを直す。続けて文書指摘をいただくことは、一つも直していないということになりますよね。そうなると、特別監査などのいろいろな方法があるけれども、そういう話は出ませんでしたか。

●磯田参考人
 決裁で上がってきますときは、前年の指摘事項に対してこうだという形で上がってきます。だから、何年もさかのぼっての指摘はわからない部分がありまして、その辺も確かに問題かもわからないです。前年の指摘事項に対して、どういう改善がなされたかという形で報告が来ますので。

○横山委員
 だから、1年で答えを出すのでしょう。

●磯田参考人
 そうです。

○横山委員
 そうすると、全く一つも構っていなかったら、2年目も同じです。そのままほうっておけば、そのうち何とかなるわと思えてならないのです。だから、そういう場合は特別監査に回すなり、どうしても改善してくださいという。何回も指摘されておられるが、大体文書指摘はそんなに軽いものなのですか。

●磯田参考人
 いや、文書指摘はそんなには軽くないですけれども、特別監査に入るには相当の事故案件といいますか、こういう場合には特別監査に入れるという条件が国で明確になっていない面がございます、これは法定受託でしているわけですが。だから、特別監査に入るときには一応国へ協議に行きます。こういう理由で入ることになると思いますが、特別監査に入るには相当の準備が必要でございます。今ここの幾つかを拝見いたしましたが、それだけで入るといったときに、「あなたたちは何を見ているのだ」というところがございますので、結果から見ればもっと早くに特別監査をすればいいのではないかと言われてもしようがない部分があるのかもわからないですが、そういう流れになっております。だから、国においてもこういう場合だったら特別監査を、今、全国でいろいろなものが新聞報道されておりますよね。ちょうどそういう過渡期なのかもわかりません。

○横山委員
 例えば福祉保健部内で、そういう話は全然出なかったのですか。何人もおられるわけだから、そういう話が出て当然だなと思うのですが、全然ありませんでしたか。

●磯田参考人
 いや、社会福祉法人担当は福祉保健課がやっておりますし、いろいろな施設、例えば老人や母子などもそれぞれの所管課が行きますので、そこと一緒に行く場合もあるでしょうし、事前に情報交換して連携をとって行っておりますので、そういう話が出ていないことはなかったと思います。

○濵辺委員
 ここで理事会と評議員会について、書類を見ますと、本当に開催されているのかどうかがわからないなり、施設長会が理事会に変わるなど、いろいろあるのですね。これは、自分たちは改善措置状況報告を見てわかったことですけれども、当時の部長から見て、理事会や評議員会が適正に行われていたと思われますか。

●磯田参考人
 申しわけございません、そこの理事会の状況などについては詳細に把握しておりませんでしたので、何とも申せないのですが、後でこれを拝見しますと、確かに理事会が機能していないなという感じがいたします。

○濵辺委員
 例えば平成20年のこの報告書の中で、理事会、評議員会が適正に開催されていたか、他の議案を含めて検証が必要だと判断されているのです。これは当時の県の対応として。そうした場合、例えば県職員が理事会の開催している場所に出向いて、理事会の開催を確認するのか、それとも書面などで理事会の開催を確認するかはわからないですか。

●磯田参考人
 理事会に県の者が出かけていくのはちょっとどうかなと思うのですけれども、確認方法といたしましては、一応議事録があるでしょうから、それを後で拝見し、ほかの理事の方にお聞きするという手段はあるのかもしれません。やはり出向くことについては、何の権限で理事会に行くのかということが出てきますから。

○濵辺委員
 個人的にこの検証方法が知りたかったものですから。わかりました。

○市谷委員
 今、濵辺委員からもありましたけれども、理事会のことについて、平成18年から平成19年度にわたりまして、理事会の議決のない役員報酬や役員報酬に関する書類整備がされていないということで、20年度に部長をされていらっしゃっいましたが、その前年度からの引継事項として、今言ったようなことがあったわけです。それで、20年度の監査では整備の確認となっているのですけれども、この理事会議決のない役員報酬が出ていたことについて、どういうふうに認識しておられたのかなと。私からいたしますと、重大な事態だなと。理事会で話し合ってもいないことがなされていて、それがしかも財政支出を伴っていたと。だから、これは本来であれば重大事態だととらえて対応しなければならなかったと思うのです。
 さっき濵辺委員が言われましたように、そうであるならば、理事会がどのように開かれて、どのように議決され、こういうことになってきたのかをやはり確認すべきだったと思うのですけれども、そこまで至っていないところがこの事態の認識に対する甘さがあったのではないかと。平成18年、19年と2年間にわたって行われていたわけですから。
 ですから、1つは理事会議決のない役員報酬についてどのように認識しておられたのかを確認したいですし、それからもう1つは、もし重大な事態だと認識しておられれば、単に書類の整備などにとどめないで、法人側に対してきちんと反省を促したのかどうかも確認させてください。

●磯田参考人
 当時の監査指摘を逐一全部覚えているわけではないので、ピントが外れることになるかもわかりませんが、17年からの対応を改めて見ましたときに、そういうのが出ておりました。ですから、本来だったらもっと突っ込んですべきだったのかもわかりません。というのが現在の思いでございます。

○市谷委員
 今おっしゃっていただいた限りだとは思いますけれども、非常に認識が甘くて、しかも、このことが今日にも続いているわけです。理事会で決まってもいないような役員報酬が出ていたことが最近発覚しておりますので、この点は甘かったと私は見ているところです。
 評議員会のことについても、ずっと欠席している人があるために、19年度の指摘でこれの改善を求めると。20年度にはその監査をして、確認したことになっているわけですけれども、これは評議員会がどういうふうに開催され、それから欠席がない状態として改善されたことをどのように確認されたのかをお伺いしたいと思います。
 これもやはり、こういう組織体制、集団体制がきちんと築かれていなかったことのあらわれの一つですけれども、これが19年度に指摘され、20年度にも改善が求められていたので、私はここできちんとしたチェック、確認がされていれば、今日のようなことにもならなかったのかなと思うものですから、どのようにこの点を確認されたのかを確認させてください。

●磯田参考人
 私が監査に行ったわけではないですけれども、職員がその命を受けて行って、一応確認したという報告を受けておりますので、そこで確認したという認識でございます。

○市谷委員
 どのように確認したかは、部長としては確認されなかったのかなと。確認しましたという中身ですが。

●磯田参考人
 そこに行って、書類などを見て確認しているわけですから、してきましたという報告を受けておりますので、私がその書類を見たなどということはございません。確認しましたという監査報告書が上がってきますので、それでいたしました。

○市谷委員
 わかりました。そういう確認の仕方だったということだと思います。

○森委員
 先ほど、村田実氏が県会議員であろうが、そうであるまいが、関係ない、同じ扱いをしている、特別な扱いは当然していないと当時の部長であった磯田さんの態度だと思うのですけれども、当時の部内の中では、彼が与える威圧感や雰囲気などはなかったでしょうか。

●磯田参考人
 どうでしょうか、割と大きな声で話されますので、何とも言えない部分はあるのですけれども、粛々と対応するしかないので、職員には毅然と対応するようにとは言っておりました。

○森委員
 それと、口ききのことについては記録するという制度ができて、当時もあったと思うのですけれども、福祉保健部の対応の中では、理事長という立場で来ているのだからということで記録が一切ないのですが、部長でおられた時に、その口ききの記録とするのには、いわゆる県議会議員という立場で来ているということで記録すべきなのか、それとももう片方の理事長という立場で来ているので、記録する必要がないのか、そこのところはどう判断しておられたのでしょうか。

●磯田参考人
 口ききというのは、昔そういう事件がありましたので、議員がいろいろと職員に無理難題を言ってきたときに、きちんと記録して双方にそれを見せて、納得して残すのですけれども、私のときはございませんでした。

○森委員
 いわゆる監査について、今の当局の職員の中からは、大きい声をされたという声も報告も得ているのですけれども、監査される側にとっては、いろいろと指摘されることが嫌だという立場から、村田さんは大きい声をされて監査の邪魔をする形での発言があったのではないかと思っているのですが、そういったもの自体も記録がないことについては、どういうふうにお考えですか。

●磯田参考人
 それはいつ頃でしょうか。

○森委員
 当時はなかったということでしょうか。

●磯田参考人
 私は当時のことしかわかりませんので、やっぱり担当がかわれば、そこはもう次の担当者の判断になりますので、わかりかねますが。

○森委員
 当時としては、例えば担当課に対して、村田さん本人が監査の問題について、何か大きい声をされてきたという報告は一切受けておられないと。

●磯田参考人
 それはなかったと思います。当時はクリニックを開設したいという御意向で、そちらのことを言ってこられたことはありますけれども、それはもう粛々と書類を整えていただいて、出してくださいということを言った覚えがあります。

○市谷委員
 そうしますと、関金のデイサービス事業ですけれども、平成20年度の監査では定款の変更をしないで既に事業が始められていたということで、そういう適正な手続がされないまま関金のデイサービス事業が行われていたことを監査で指摘されていますけれども、このたぐいのものが、平成19年度にも障害福祉サービス事業、それから先ほどのクリニックの話につながるかもしれませんけれども、公益事業も定款に記載されていないのに事業が先行していると。ですから、こういう適正な手続をしないままに事業を始めているというのが19年度と20年度ということで、立て続けに行われていたわけです。つまり、同じ過ちを法人がやっているわけですけれども、その点についての認識がどうだったのかと。
 これは後で手続したから、よしとされていることになっているのですけれども、そういう問題ではないと思うのです。しかも、同じやり方で、手続しないで繰り返し事業を開始していると。だから、この点についての認識がどうであったのか、後で手続をすればいいのだからという認識でいらっしゃったのではないかと。これではいけないと私は思いましたけれども、その点についてお伺いしたいです。また、この関金のデイサービス事業は、先ほど障害者自立支援法の施設については、法改定に伴う再指定とおっしゃいましたので、それはそうだと思いますけれども、この関金のデイサービスセンターは20年度に指定されているものですから、適正な手続をしないまま事業が先行して、それを県が後追いで認めて指定していくことにつながっているわけですね。ですから、先ほどのいろいろな運営がずさんであると、理事会、評議員会もいかがなものかという状況の中で適正手続が行われないまま県がそれを追認していくと。この事態について、当時どのように認識しておられたのか、今どういうふうに認識しておられるのかをお尋ねします。

●磯田参考人
 確かに自立支援法に伴う再指定を20年にしておりますが、その当時を振り返ってみると、認定するのに必死だったかな、自立支援法自体に追われていたという感じがしております。だから、市谷議員の御指摘のように、甘いのではないかと言われたら、そういう部分があるのかもわかりません。確かに改善しますというのをうのみにして、次の年も改善されていなくて、また改善しますと出たときに、本当かなとは思いながらも次の年に見ますよね。だから、今後はある程度続いたらもっと厳しくする姿勢が求められるのかもわかりません。

○市谷委員
 感想みたいな話で申しわけないですけれども、組織運営のことも今の事業所の手続のことも、結局一事が万事になっていると。そういうことですので、これも当時の認識が非常に甘いまま事態が推移していったのだと認識させていただきたいと思います。

○砂場副委員長
 磯田さんが部長でいらしたときに指摘された事項の中で、理事会の議決がとられていないなり、議事録が整備されていないなどがあるのですね。社会福祉法上には、理事会として何をしなければならないかが明確に規定されていて、決算にかかる理事会の議決がないことは組織の根底にかかわる部分だと思うのです。そういう部分を法律違反してなされている、しかもそれを指摘されている前からも繰り返しされているのであれば、この段階で議会に報告するなり、公表するなり、もう1つ進んで特別監査に移行するという判断があってもいいと思うのですけれども、そういう判断ではなかった理由は覚えておられますか。

●磯田参考人
 詳細に覚えておりませんけれども、一応監査の公表はホームページ等でしている部分もございます。公共施設なんかはやっていないですけれども。だから、そこに載っているかどうかは記憶にありませんけれども、どの法人におかれましても、文書指摘に対して直しますなり改善しますと言ったら、1回は待ちますという状況です。

○砂場副委員長
 1回というのはよくわかるのですけれども、17年、18年、19年と繰り返し繰り返し、17年というのが最初かどうかもわかりませんが、これだけ繰り返すことは法律違反だから、大きな問題だと私は思うのです。法律で明確にやりなさいと決められたことを毎回県が指摘しながら、そのことが文書としてこういう形になっていますけれども、そして、文書指摘については、みのり福祉会ではなくて、件数なり案件の公表でしょう。みのり福祉会がこういうことをやったと公表もされていなければ、委員会に対しての報告もないわけですよ。そうすると、我々が調査することもできないわけですね。で、こういう状況になっている。それがどういう認識で委員会への報告もなされなかったのか、公表も仮名でなされている状況なのかが、理解に苦しむのです。今、1回目だからであればよくわかります。これだけ繰り返されていながら、何でまたこの年、ここでとまったのかを、前任者はいいですから、磯田さんのときの判断で記憶がございましたら、教えていただけたらと思うのですが。

●磯田参考人
 詳細なことは覚えていない部分がありますので控えさせてもらいますが、確かに今、御指摘されている面は厳しくすべきだった面もあるかなという思いはいたします。

○砂場副委員長
 もう1点は、磯田さんのときの6番目の指摘に、土地の賃借料についての指摘がございます。それで、一部見直したという報告が出ているのですけれども、今回は賃借料が刑事事件に発展しそうなのですね。というのは、農業委員会が示した年額2万2,000円に対して月額8万円という非常に高額な賃借料を受領していたことについて、報告書上は明確な背信行為だと。これは刑事告訴に値するとして、こういう事件に発展している事態を認識されているわけではないですか。この点についても、どうして文書指摘にとどまったのでしょうか。

●磯田参考人
 詳細については覚えておりませんが、確かに言われるとおり、その当時聞いていると思うのです。担当者がいろいろな書類や登記簿などを見せてくださいと言っていると思うのですけれども、対応してもらえなかったのかもしれませんし、それ以上踏み込めなかったのかもわかりません。そこのところは定かではございません。
 ですから、これを見ますと、22年の特別監査で明確になってきたことは、やはりそれなりのプロの方が追及してわかってきたのだなと思っております。

○砂場副委員長
 同様のことについて、根底から言いますと、登記がなされていない部分が指摘されていまして、今回、不動産の問題が出てきたのは、なぜこのときに登記がなされていないのか、もう一歩突っ込んだ指摘をしていれば、もっと早くこの状態がわかったと思うのですけれども、そこのところについて記憶はございますでしょうか。

●磯田参考人
 今、砂場委員がおっしゃるとおりだとは思うのですけれども、登記がどうこうというところまでは覚えておりません。

○砂場副委員長
 それと、経理の問題からいうと、施設間区分、それから本部経理区分はきちんとそれぞれの経理区分でやり、仮にお金の貸し借りがあっても、年度内に精算することは会計の大原則ですよね。これがこの年も守られていないと指摘されているのですけれども、これも17年からずっと続いているので、この年もやっているのであれば、これも問題になってもいいと思うのです。
 今るる言いました4点のどれ一つとってもこれは大きな問題だと思うのですけれども、これだけ大きな問題があるにもかかわらず、それがすべて文書指摘にとどまり、しかもそれが17年からずっと続いてきている理由が正直わからないのです。もっと公表するなり、特別監査に移るなり、さらに進んだ調査に移るなりということがなかったのかが、正直わからない。
 今回、この年に、磯田さんのときに指摘が12点されていながら、このうちの11点が今回の改善命令に乗っかってきているわけです。そうすると、20年の段階でもっときちんとといいますか、改善命令の内容と同じものがたくさんありますから、ただ改善命令を出さなかっただけなのではないかとすら思ってしまうのです。先ほど言いました、人がいなかった、質的な問題もあった等々の監査体制が弱いことも大変だったなと御苦労は拝察いたしますけれども、であるならば、とんでもない問題がでてきているのだから、きちっとやりましょうよという声を委員会やいろいろな場所で言われるなり、方法を考えるなりすべきであろうと思うのです。
 結果論ではなくて、そこには何か理由があったのではないかと思うのですけれども、いかがですか。

●磯田参考人
 今、砂場委員の御指摘を聞いていまして、体制が不備のままで指摘し切れていないと言われたらそれまでの部分もあるかと思います。でも、当時としては精いっぱいやっていたと思いますけれども、確かに甘いと言われたら、少し緩かったのかもわかりません。
 ですから、22年度からはさらに増員なり、特別監査の前に専門員の方が入ってきたため、いろいろとわかってきたのではないかと思っております。

○山口委員
 実は田中さんから引き継いでおられるのですね。そのときに、この法人に問題があるので、徹底的に監査しろなり、指導しろなどを引き継がれたかどうか。それと、部長の20年度に実地監査をしておられるわけですね。記憶でいいですが、どういうことをされたのか。この2点について。

●磯田参考人
 まず、田中部長から特にこの法人を名指しで指摘があったかどうかについては、なかったと思います。部長の引き継ぎ事項は口頭でする部分と、あと各課から懸案事項などを何日かにわたってする部分とがございまして、部長同士の引き継ぎ時間はそんなにはとっていませんので、なかったと思います。

◎浜田委員長
 時間が来ておりますので。

○山口委員
 20年度の実地調査はどういうものを調査したのか。記憶になかったらいいですけれども。

●磯田参考人
 自分で行っているわけではないので、報告書でしかわからないですけれども、粛々と毎年見る監査事項や前年の指摘事項などを見ております。

○市谷委員
 20年度の文書指摘の一番最後に、現理事長の村田速実氏が当時園長をされていた向山保育園において、繰り越し積立預金約410万円が財産目録として記録されているのですけれども、残高証明がないということで、調べていくと、中身が2つに分かれているという話であり、単純に財産目録として記録できるものではなかったということだと思いますが、こういう会計上のずさんな点があったことの指摘について、当時の村田園長がどのような反応をされたのかがわかれば教えていただけたらと思います。

●磯田参考人
 その点につきましては、私が直接会ってもいませんし、ちょっとわかりかねます。

◎浜田委員長
 時間が来ております。

○砂場副委員長
 実は参考人招致のときに村田参考人が、「磯田部長さんには適切にびしびし言ってもらったことを覚えております。」と証言されておりまして、今回も、当時の監査が甘かったのではないかという感想を述べられたのですけれども、実はきちんと監査されていて、事態も把握されていたのだけれども、それが特別監査に移れなかったり、公表できなかったのは何か特別な理由があるのではないかと。皆さんとしてはしっかりやられていて、ある程度把握されていたのではないかなという気がしているのですけれども、どうしてそこでとどまったのか、何か特別な理由はなかったのでしょうか。

●磯田参考人
 村田議員がおいでになったことはございますけれども、クリニックのことでよくおいでになっていました。それで、例えば「早くしろ」などと言われても、「書類をきちんと提出していただかないとできません」とびしっと言っておりました。

◎浜田委員長
 時間がオーバーいたしております。本当にありがとうございました。
 最後に2点だけ確認させてください。
 部長の皆さんが異動していかれますが、そのときに、これは大きな問題なのでということで引き継いでいくと。これはぜひしっかりとやってほしいという引き継ぎは一般的にはないものなのですね。

●磯田参考人
 いや、特記事項として、あります。例えば私は4月途中で現部長にかわったのですけれども、そのときはまだ別の法人の事件がありましたので、特にそのことについては引き継ぎしております。あとは、福祉保健部は御存じのようにたくさんのエリアを所掌いたしておりますので、各課の個別については各課長から何日間かかけて引き継ぎを受けていきます。

◎浜田委員長
 レベルの大きな問題として認識されていなかったということになりますね。

●磯田参考人
 そうですね。

◎浜田委員長
 もう一つ、内部で一生懸命なさっていて、文書指摘もなさっていますけれども、別の力をかりねばならないという認識はお持ちでしたか。

●磯田参考人
 はい。私が若いときは、社会福祉法人というのは単式簿記だったのですが、数年かけて今の複式に移行いたしました。そのときに保育所などに監査に出ておりましたが、公務員は複式の知識が余りございませんので、これはだめだなと思い、自分で勉強いたしました。ですから、それを全部の職員に求めないといけないため、来た職員には複式の知識などをある程度習得させないといけませんが、限度もございますので、そういう専門家のお力をおかりする必要があると思います。例えば総勘定元帳が何かなど、言葉一つでもわからないものはわからないのですけれども、そういう経理面だけでなく、福祉の処遇なり、そういう福祉全体にわたる目配りや手続も要ります。ですから、難しい部分ではありますけれども、こういう時代になりましたので、ますます民間参入もふえると思いますし、厳しい体制で臨むことが必要かなという所感は持っております。

◎浜田委員長
 わかりました。ありがとうございました。
 きょうは本当にお忙しいところ、御足労いただきましたこと、感謝申し上げます。
 伺いました御意見につきましては、私たちできちんと受けとめさせていただいて、効果的に役立てたいと思っております。
 また、時間を少しオーバーしてしまいましたことをおわび申し上げますが、御協力いただきましたこと、お礼を申し上げます。ありがとうございました。

●磯田参考人
 どうもありがとうございました。

◎浜田委員長
 それでは、5分ほど休憩に入らせていただきます。
午後2時04分 休憩
午後2時09分 再開
◎浜田委員長
 再開します。
 引き続き、社会福祉法人みのり福祉会の改善措置状況報告につきまして及び社会福祉法人等に対する監査のあり方について、議題といたします。
 ここに石田耕太郎氏に参考人としてお越しいただきました。
 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 きょうは本当に、公職におつきでいらっしゃるために日程調整が大変だったかと思いますが、時間を割いていただき、参考人として参加してくださいましたことに心からお礼を申し上げます。参考人の御意見を鳥取県の福祉行政にしっかりと生かしていきたいと思っておりますので、御協力お願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、議事の順序等について申し上げます。
 最初に私から委員会を代表しまして総括質疑をさせていただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきますようお願いいたします。
 参考人におかれましては意見を求められた事項について発言していただくとともに、発言に際しましては私、委員長の指示に従ってくださいますようにお願い申し上げます。
 また、マスコミの皆様にお願いいたします。本日は参考人が発言しやすい環境を確保するために、取材エリアを指定させていただいております。委員側からの撮影につきましては、質疑開始までとさせていただきます。
 こちらで撮影を希望される方がいらっしゃいましたら、どうぞ撮影を開始してください。よろしいですか。
 では、席にお帰りください。
 それでは、私から総括質疑をさせていただきます。
 これまでの経緯をまとめた資料などについては前もってお手元にお届けできたかと思います。
 御存じのように、今回、長年かつ多岐にわたる社会福祉法人みのり福祉会の不適正な問題が明らかになってまいりました。県は昨年の1月6日に第1回の改善措置命令を、そして9月8日に第2回の改善措置命令を出しております。これに対しまして、みのり福祉会は改善措置報告書を昨年3月7日と11月28日に出してまいりました。
 委員会といたしましては、多くの税金が使われて運営されておりますので、この報告書を精査いたしまして、しっかりと状況把握した上で、福祉行政を今後、健全にとり行っていかなければなりませんので、チェック機関として、再発防止のためにさまざまな角度からこの問題をチェックしてまいりました。行政からの聞き取りや勉強会をいたしましたし、みのり福祉会の前理事長や現理事長、そのほかの関係者の方をお呼びいたしまして、参考人招致もしてまいりました。結果といたしまして、特にみのり福祉会前理事長で、元県会議員の村田実氏と行政サイドに多くのそごが生じておりますので、もう一回立ちどまってしっかりと精査いたしまして、本来の行政の監査のあり方や検査のあり方についても、どういう方向で整理していったらいいのかを見定めていきたいと思っています。
 いまだはっきりしない点もございますので、その問題が明らかになることで先も見えてこようかと思いますが、当時、部長でいらした時代の問題も実は横たわっております。御経験の中から、その問題などをこちらのほうでお尋ねさせていただきまして、よりよい行政を探っていきたいと思っておりますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 特に、きょうは当時の行政サイドの法人に対する検査のあり方、監査のあり方を伺うことで防止策を探っていきたいと思っております。
 まず、なぜ長期にわたって、しかもずさんな経理の問題から、土地の問題もありますし、また形骸化した理事会組織の問題もございまして、こういう不適正な状況が続いてしまったのか。文書指摘も随分されてきましたけれども、結果的にはこの改善措置命令が出るまでは据え置かれたということになっておりますが、なぜこのように長期にわたって、もう一歩も二歩も踏み込んだよりよい方向が探れなかったのかがわからないところでもあります。その当時を振り返り、今どのようにお考えになっておられるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

●石田参考人
 まず、常任委員会の皆さんがこの不祥事について解明を進めておられることに敬意を表したいと思います。私も長く福祉行政に携わらせていただきましたので、本当に残念に思っていますし、責任の一端も感じているところであります。ぜひ率直に意見交換をさせていただければと思っていますが、特に、長年にわたってたくさんの指摘をしながら、なかなか解決を見なかったということであります。
 なぜかということですけれども、率直に申し上げて、こういう改善措置命令のような強い行政措置をとってこなかったことも確かだと思います。これは幾つか要因があったと思いますけれども、一つには、福祉行政は弱者を相手にする行政でありますので、非がありながらも、たくさんの入所者や利用者の方がいらっしゃるし、そこにはたくさんの職員が勤務しておられる状況の中で、改善措置命令という制度がありますので、それを使うこと自体は全く差し支えないわけですが、改善措置命令を出すということは、それが守られなかった場合には当然その次の措置もとっていくことにならざるを得ないということです。そうすると、業務停止なり、最終的には解散も含めて検討しないといけない。そうすると、入所者や職員をどうするのかという大きな問題が一つあったのと、それから、指導基準に適合しないものがすべて違法になるわけではないので、その辺の整理も当然必要になってくると。いろいろな要素があったのだと思いますけれども、監査の進行管理が不十分だったという面は御指摘のとおりだろうと思いますので、ここら辺はぜひ今回のこういう場も通じて、あるいは執行部の検討の中で、あるべき姿を検討していただければと思いますが、従来の福祉の指導監査は言葉どおりで、指導が中心になっていたと思います。その辺が少し弱腰に見える面もあったのではないかなという気がしています。年を経るに従って、いろいろと改善措置も講じてきたつもりではあります。
 もともとスタッフ自体が非常に少なく、3~4人しかいなかったと思いますけれども、今はどうなっているか承知していませんが、当時はそういう体制で、しかも大体3年平均で異動しますから、なかなかノウハウも高まらない、あるいは職員自体の知識としても、特に今回は、不動産にかかわる問題がたくさん出ていたと思うのですけれども、その辺の専門知識を持っている職員も少ない。公共事業をやっているような職員は比較的なれておりますけれども、福祉の職員はなかなかそういう面での知識が疎いこともあって、十分に行き届かなかった面があったのではないかと思っています。ぜひこういう機会を通じて検証していただければと思っています。

◎浜田委員長
 人の問題ですね、人数と質の問題、専門的な知識の問題が大きいとお考えになっていらっしゃるのですね。

●石田参考人
 そうですね、はい。

◎浜田委員長
 もう1点伺わせてください。前理事長の村田実氏でございますが、県会議員でいらっしゃいました。行政と県会議員の関係をいろいろと取りざたされております。非常に威圧的であったなり、大きな声で反抗的であったりなど、職員の皆さんからの声も実際に上がっております。石田様は平成14年度から18年度まで部長でいらっしゃっいましたが、県職員と県会議員の関係について、その当時はどんな感じで県議を見ていらっしゃいましたでしょうか。

●石田参考人
 私は余り気にしておりませんでした。というのは、県会議員や、私の今いる市会議員もそうですけれども、議員というのはそれぞれいろいろな地域や組織の中で出てきておられるわけでして、行政に対する一定の働きかけというのは当然あってしかるべき方々だと思っていますので、それはしっかりと受けとめていくのが行政マンと議員との関係ではないかと思っていました。いろいろとおっしゃることはおっしゃっていただいて、こちらはこちらで判断させていただく、そういうスタンスでおりましたので、大きな声をされるから、それを丸のみするということも全くなかったつもりですし、当然こういう委員会の場や本会議の場でもいろいろと御意見をいただくわけですが、それはそれとして当然受けとめて、執行部として判断することですので、そこにどうこうというつもりは持っておりませんでした。
 特に私が部長に在籍していたころは、村田さんは落選中でありましたので、ほとんど出てこられる機会がなかったと思います。そういう意味で、その時期について言えば、余り接触は多くなかったかなという感じがしています。

◎浜田委員長
 もう1点だけ、引き継ぎの問題を聞かせていただきたいのですが、みのり福祉会の問題は文書指摘が多岐にわたってされておりました。ここは問題な法人であるという引き継ぎは前部長からあったのでしょうか。

●石田参考人
 部長をやめて6年たっていますので、余り正確な記憶がないですが、特別そういうことはなかったとは思いますけれども、村田前議員のお人柄なりはある程度自分なりに承知していたつもりですので、特別に引き継ぎがなかったからどうこうということではなかったように思っています。

◎浜田委員長
 ありがとうございました。
 私のほうからは以上で質問を終わらせていただきますが、委員から質問がございますので、御協力ください。

○山口委員
 4年ぐらいされたのですか。その当時から、公私混同と批判されたこともあったと私は思っておりますけれども、問題のある法人であるという認識は前任者からも引き継ぎがなかったと、では、在任中は、法人であるわけですから、やっぱり組織的に運営されておられなければならない組織であると私どもは思っておりますが、問題があるような法人であったのかどうなのか、その認識をお伺いします。

●石田参考人
 たくさんの社会福祉法人がありますけれども、従来から比較的文書指摘の多い法人であったと思っていますので、理事長と事務局長を務めておられた方と二人三脚でやってこられた法人だという認識を持っておりましたので、そういう意味では指導というか、しっかりと点検しておくべき法人だという認識は持っておりました。

○山口委員
 磯田部長や現職の部長からも聞きましたけれども、やっぱり指導監査に重点が置かれて、経理、会計などになかなか行き届かなかったということで、土地取引も含めて、大きな問題になってきたわけですが、その中で、専門的な知識を持っておられる方も少ないし、そういう組織もなかったことが大きな問題であったと、聞いております。そういう視点なり観点を持っておられたかということと、大きな公的資金を投入して運営しておられる組織でありますから、やはり指導監査についても、当然ながら経理や会計も含めた監査をすべきと考えますが、組織的な体制に欠けていたという大きな反省点を持っておられるということでいいですか。

●石田参考人
 監査自体のやり方としては、施設監査と法人監査の二本立てになっていたと思いますけれども、いずれも基本的には国が監査要綱というチェックリスト的なものをつくっていまして、それをベースに、ことしの重点的な監査項目はどういうふうにしようか、あるいは具体的なチェックリストをつくって、こういう形でやりましょうというものをつくった上でそれぞれの施設なり法人へ監査に入るといったやり方をしていたと思います。
 ですから、そのチェックリストに沿っていけば一定の監査はできる、新しくかわってきた人でもある程度の監査はできる、そんなシステムにしていたと思っていますけれども、ただ、そのマニュアルから外れたことになると、なかなかそういう目で見られる人材が多くなかったことが一つあるのではないかと思っています。
 専門職をつくる方法もあるかもしれませんし、いろいろな技術、知識を持っておられる方を活用する方法もあるかもしれませんけれども、そういったことをやっぱり考えていかないといけないということが一つにはありました。
 それと、国自体もそういう問題意識を持っておられたと思います。ですから、一定の規模以上の法人は何年に1回かは外部監査を受けるようにと、その金額的なレベルは覚えていませんけれども、そういった法人には特に推奨している形だったと思います。義務づけにはなっていませんでしたけれども、当時からそういう手法があったと思っています。
 私の記憶でいえば、介護保険が導入される少し前に、厚生労働省の事務次官をしておられた岡光さんという方が、収賄で捕まった事件が埼玉県だったか関東のほうでありまして、そのころから監査のあり方がかなり充実というか、少し変わってきたという記憶があります。ですから、いろいろな面で監査の充実を図っていかないといけない時期ではあったと思っています。

○山口委員
 確かに問題意識を持っておられたことはわかりますけれども、その後、異動されて部長がかわられたときに、今感じておられたようなことを申し送り事項として引き継ぎされたかどうかということですが。

●石田参考人
 ちょっと記憶が定かではないです。私自身が引き継ぎを受けたかどうか、それから私が後任者に引き継いだかどうかは記憶がないです。

○山口委員
 そうしますと、余り大きな重大な問題であるとは思っておられなかったということですか。

●石田参考人
 何とも申し上げかねます。

○山口委員
 いや、実はこのまま放置していたら大変なことになってくるわけです。何回もいろいろな文書指摘なり口頭指摘などを初めてやって、監査が入り、こういう問題がつまびらかになったということで、このまま放置していたらどうなったでしょうか。国もそうでしょうけれども、県の指導体制や監査体制に大きな壁があって、なかなか踏み込めなかったと。もちろん当事者の意識もありますけれども。

●石田参考人
 非常に多額の公費が入っているシステムですので、公金をしっかり扱っているという形で監査していくシステムはやはり必要だろうと思っています。

○濵辺委員
 みのり会の理事会、評議員会の運営や開催等々ですね、当時の部長であった石田さんにはどのように映っていたのでしょうか。

●石田参考人
 私自身が監査に入ったわけではないので、理事会を開催したという記録があれば、実際に理事へ「あなたはこの日に出席されましたか」という裏までは恐らくとっていないと思いますので、それを信用して対応していたのが実態ではなかったかと思っています。

○濵辺委員
 それは書面での確認だけということになるのですか。

●石田参考人
 そうですね、恐らくそれしかなかったのではないかという気がします。

○濵辺委員
 平成17年のときに、法人本部で各施設の運営状態や経営状態が見られるようにしっかりしていきなさいという文書指摘があったのですね。そのときに、法人の対応状況としては「各施設に指導を行います」とあり、その後、県の対応や判断では「これは法令には違反していないために、継続指導で対応」とあったのです。この継続指導の対応というのは、具体的にはどういうことをされたのか、お聞かせください。

●石田参考人
 直接の担当ではないので、私自身がその施設に対応していませんのでわかりませんけれども、継続指導というのは、引き続き毎年法人監査に入っていると思いますので、その監査のときに当然履行されていない、是正されていない事項として把握しつつ、監査に入った段階で指導していくことだと思いますけれども。

○森委員
 私たちが今回、当局から受け取っている資料は、平成17年の監査結果からですけれども、それ以前から監査はずっとしていますので、いろいろな指摘があったと思うのですが、今回の問題は、指導監査に入り、口頭指摘や文書指摘をして、その文書指摘したことについて「改善します」という文書が向こう側から返ってきたところで終わってしまう。翌年に同様の指摘をしても、また改善しますという文書が返ってきて終わりになる、つまり県の監査は法人が改善しますという文書さえ戻ってくれば、そこで指導監査の仕事が終わってしまっている。そのことが大きな問題につながってきたのではないかと思うのですが、先ほど参考人が、「命令にはその先の停止なり解散などがあり、それが大変重いからなかなか難しい」ということをおっしゃっていたのですけれども、指導監査がそういった方向に続くものだという認識が当時からあったのかなかったのか。要するに、指摘に対して改善しますという文書さえ来れば、もうそこで指導監査が終わっていたのではないか、そんな仕事になっていたのではないかと思うのですが、いかがだったのでしょうか。

●石田参考人
 問題意識は持っていたと思います。なかなか対応していただけない法人であったという認識はありますので、何とかそれを履行していただけるような手だてがないだろうかということを議論したような気はありますけれども、先ほど申し上げたように、改善措置命令なりさまざまな命令というのは伝家の宝刀みたいなイメージがあったものですから、それを行使するにはかなり慎重だったというのは事実だと思います。
 ですから、当然継続的に指導していく事項としては認識しておりましたけれども、それを強行的に担保する措置はなかなか難しくて、おっしゃったような結果になってしまっていたという思いがします。

○森委員
 先ほども伝家の宝刀でなかなかできなかったということですけれども、例えば伝家の宝刀を抜くようなことができるとすれば、どういう状況であればできたと思いますか。今となっては、改善措置命令を23年度に出したわけですけれども、そこまで来るのに何年もかかってしまい、大変なことになっていたと思うのですが、こういうことだったらできたのにという思いはございませんか。

●石田参考人
 先ほども申し上げましたが、非常に違法性の高い状態が出れば、当然そういうことは考えの俎上に上っていくのではないかという気はします。

○森委員
 福祉施設ですので、たくさんの入所者や利用者、職員がいらっしゃる中で、なかなか伝家の宝刀につながりにくかったというお話を最初にされたと思うのですけれども、ここのところが大きな隘路になっていると思うのです。全国的に見ても、介護保険施設に解散命令などをなかなか出せない。法制度上は解散命令が出せるようになっているのですけれども、実際に出したところは全国的にもないようです。解散命令を出した場合、入所者を翌日からどこに行かせるのだということになるのだと思うのですけれども、法的には一応整備してあるのに実際にはできないという大きな矛盾を感じたことはありませんでしたか。

●石田参考人
 それはありました。福祉の場合は、思いと制度がうまくつながっていないところがあったような気がしております。例えば、今回も法人の問題がすごく出ているのですけれども、施設と法人となった場合、法人の力が物すごく弱いのです。力がというか、組織が非常に脆弱なのです。
 それはなぜかというと、従来は施設に対するお金はあっても、法人に対するお金はないのです、公費の投入という面では。基本的には施設のお金を法人のほうに持っていったらいけませんので、本来、施設を監督していくべき法人本部機能がほとんどないため、その辺が今回も問題として出てきているのかもしれないと思うのですが、非常に本部機能が脆弱、なおかつ、介護保険前後から急激に組織が拡大しましたので、組織としての機能が必ずしも十分成熟していなかったという面があるのではないかという気がしています。
 そういう中で、法人の事務局がリーダーシップをとって、適正な施設運営や組織運営、経理的な面を統合してやっていくのが十分な状況ではなかったという感じがしています。そういう意味で、法人全体を把握して組織に育てていくことが大事なのではないかという気がしています。

○野田委員
 参考人は文書指摘も多い法人であったという認識、さらには当時を思えば、改善命令という強い措置もとるべきであったと、責任の一端を少しは感じているというお話がございました。
 そんな中で、ぜひとも私どもに参考にさせていただきたい点がございます。それは、あなたの経験と認識の中で、例えば多額の公費が出た場合、私立学校であれば、公認会計士が入ってきちんと監査をするが、何でできなかったのか。それから、ぜひとも私自身はそういう体制で臨めば、この福祉分野においてもきちんとした体制がとれるのではないかと思うのですけれども、参考人の御意見をお聞かせください。

●石田参考人
 そうですね、しっかりとした組織にしていくためには、しっかりとした監査体制が必要だと思うのですが、一つには内部監査を充実することと、もう1つは外部監査をしっかりとやっていくことだと思います。内部監査という意味では、当然、監事が数人置かれているはずですから、その監事の役割をもっともっと高めていく努力が必要だと思います。ですから、例えば監事に税理士や公認会計士、あるいは経理に非常に詳しい経験をお持ちの方などを最低1人は入れることも一つの手法かと思います。それから外部監査という意味では、一定規模、決算額いくら以上は、毎年でなくてもいいかもしれませんけれども、3年に1回なり5年に1回は外部監査、監査法人の監査など、そういう専門職の監査を受けないといけないと義務づけるのも一つの手法かもしれません。
 県の指導監査という面でも、規模でいくのか、あるいは指摘事項でいくのかということはあるかもしれませんが、公認会計士なり税理士なりに同行を求めて監査する方法もあるかもしれない。いろいろな手法があると思いますけれども、そういう監査の充実方策は必要なのかなと感じています。

○野田委員
 内部監査、外部監査の中で、監事というものの重要性、特に内部の場合は考えるべきだというお話は私もそのように思いますけれども、毎年福祉保健部の中で、そこに対する助成金がどんどん出ていく中で、法人に対する内部監査がうまくいくのだろうかという部分がありますが、そこのところを参考人として、こういうぐあいにすればうまくいくということがあれば、お教えいただきたいと思います。

●石田参考人
 先ほど申し上げたようなことも含めて、恐らく今の執行部の皆さんもいろいろと考えておられると思いますので、しっかりと御検討いただいたら結構だと思いますけれども、当然、ばらばらにやっていてもいけないと思いますので、内部と外部とを組み合わせて、その両方が機能する仕組みを考えないといけないと思います。

○野田委員
 ありがとうございます。

◎浜田委員長
 その当時はそういう状況にはなかった、必要性も余り感じていなかったということですか。

●石田参考人
 先ほど申し上げたように、当時から義務づけではありませんでしたけれども、外部監査などの手法は一定規模以上の場合に推奨されていましたので、そういう問題意識はあったと思います。ただ、これが義務づけできる状態ではなかったものですから、現実にはそこまで行っていなかったということだと思います。

◎浜田委員長
 ほかにはいかがでしょうか。

○市谷委員
 運営については先ほどからお話があったように、非常に問題がある法人であったという認識を持っておられたのですけれども、法令違反はなかったというお話もあったかと思いました。ここの監査の中でも同様に、ずさんだったけれども、法令違反がなかったため指導にとどめていたという記述もございましたので、この施設会計から本部会計に繰り出して、年度内精算されていないなり、措置費の対象施設のお金を使ってしまっているなどは法令違反だと思うのですけれども、その点についての認識がどうであったのかが1点。それから、このように法人の運営や経理が非常にずさんであったということや、法人にお金を貸し出してもなかなか返っていないということは、資金繰りも非常に大変な状況だったのではないかと想像されるのですけれども、平成18年3月1日に北栄みのりデイサービスセンターが指定を受けて、開設されております。こういうずさんな運営がなされているのになぜ指定を認められたのかなと。これは立ちどまるべきではなかったのかと思うのですけれども、この2点についてお願いします。

●石田参考人
 法令違反がないからというところまでは認識していなくて、先ほど申し上げたのは、やっぱり指導基準に外れたから、すべてそれが法令違反にはならないということで申し上げたものでして、一つずつについては私も正確な記憶がないので、法令違反が全くないとは思っていないです。個別に一つずつ整理していくべきものだと思っています。
 なぜ指定したのかということでありますけれども、当時はまだ介護保険が導入されてしばらくの時期だったと思いますので、基本的に整備なり受け皿づくりというものも重要な課題でありましたし、基準に合致すれば、指定すべきものとして運用していたと考えています。

○市谷委員
 それで、その法令違反があるという認識を持っておられたということだというふうに……。

●石田参考人
 今、私はそれを個別には持っていないので。

○市谷委員
 そうですか。ここの指導については、法令違反はなかったという記述にはなっているのですけれども、ただ実態を見させていただいたら、先ほど言ったような法令違反と思われるものがありまして、もう少しこの点についての留意した対応が必要だったのではないかと思います。また、今申し上げましたように、介護保険の制度が始まって間もなくだったから、施設整備などを急がれたからというお話もありましたけれども、法人運営が非常に大変な状況であることを認識しておられたのに、指定してしまったことについては、認識が甘かったのではないかと思います。その後もずっと指摘を受けながら、施設がどんどん指定されているのです。ですから、監査体制のこともおっしゃいましたけれども、こういうずさんな状況に対する県の認識を改めて、認識を正すことが要るのではないかなと、お話を聞いて思いましたが。

●石田参考人
 法令違反になるかどうかは、よく吟味しないといけないことだと思います。先ほど申し上げたように、きちんとした措置をとろうと思うと、それなりの法律的な整理をきちんとやっていかないといけないと思いますので、ある意味、経理面では公認会計士なり税理士、それから法律論でいえばやはり弁護士などのお力もいただきながら整理して、論拠を持ちながら対応していくことが必要なのではないかと思っています。
 経営が悪い中でどんどん認可していくことがどうかというのは、私以降のことは何とも申し上げかねるのですけれども、当然そこはしっかりと吟味しながらやっていくべきものだと思っています。

○砂場副委員長
 今回調査する中で一つのネックになったのが書類の保管期限でございまして、平成17年以降については皆さんよく調べていただいたのですけれども、17年以前についてはわからないので、石田さんは17年以前も在任中でございましたので、文書指摘はそれ以前もあったのでしょうか。それでまた、内容について記憶されているものがあれば、お教えいただければありがたいですが。

●石田参考人
 文書指摘はあったと思います。ただ、どういう内容かは残念ながら記憶にないです。

○砂場副委員長
 今、法令の話を市谷委員がされたのですけれども、17年度でいきますと、決算等に理事会が開かれていないことになりますと社会福祉法の違反になりますし、それから、各経理区分等になりますと同法、それから介護保険法の場合にはきちんと帳簿に記載して監査を受けるということが、事細かに法律なり政令でもできていると。その部分が極めてずさんだという指摘をされていながら、なぜそこで改善命令までいかなくても特別監査に移行するなり、事態を議会に報告して一緒に問題を考えていこうということにはならなかったのでしょうか。当時、部内でそういう意見はなかったのでしょうか。

●石田参考人
 ちょっと正直、記憶がないですね。

○砂場副委員長
 今、最後に言いました介護保険法上の問題ですが、介護保険上はどういう帳面をつけて、どういうふうにやりなさいと細かに規定されているのですけれども、平成18年4月1日に介護保険法に基づいてみのり福祉会の4施設が指定を受けておりますし、その1カ月前にはもう1カ所が指定されておりますので、その当時、福祉保健部としてはみのり福祉会が介護保険法に基づいた経理処理がなされていないという認識であったのに、同法に基づいて指定されたというのが少し疑問なのですが、これについて特別な理由があったのでしょうか。それとも、介護保険法に定めた帳簿がずさんであるというのは大した問題ではないと、所定の申請書があればいいという認識だったのでしょうか。実態審査はやらなくていいという認識だったのでしょうか。

●石田参考人
 これもその両方の関係を正確に記憶していませんけれども、それぞれが指導すべき事項として並行して作業しているということだったのではないかと思います。

○砂場副委員長
 並行してというと、一方でこれだけずさんな、介護保険法で指定された帳面ができていない、つまり法律違反があるにもかかわらず、一方で書類があるから指定するということは、同じ部内であって、そういう情報共有がなされていなかったということでございましょうか。

●石田参考人
 介護保険法の施設の指定と法人指導を別の流れとして考えていたということかと思います。

◎浜田委員長
 時間も迫ってきておりますが、ほかにお聞きになりたいことはございませんか。よろしいでしょうか。
 それでは、私から最後に1つだけ質問いたします。文書指摘が随分たくさんありました。そして、何回も同じことが繰り返されていく中で、特別監査という道も開かれているわけですが、特別監査が身近なものとして存在していたのでしょうか。なかなか特別監査に回そうかという感覚は、その当時の部内には余りありませんでしたか。

●石田参考人
 その当時、余り一般的ではなかった気がしております。

◎浜田委員長
 わかりました。
 ほかによろしいでしょうか。
 きょうは貴重な時間を割いていただきまして、御協力いただきましたことに心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 いただきました御意見はしっかりと生かしていきたいと思っております。

●石田参考人
 ぜひ皆さん方の御尽力に期待しております。よろしくお願いします。

◎浜田委員長
 ありがとうございました。
 次にその他ですけれども、委員の皆様で何かございませんでしょうか。
 御連絡がございます。次回の常任委員会は4月20日午前10時開会の予定でございますので、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして福祉生活病院常任委員会を閉会させていただきます。

午後2時58分 閉会

 

 

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