午後1時00分 開会
◎藤縄委員長
ただいまから企画県土警察常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、今回の常任委員会は執行部の入れかえを行うこととし、初めに文化観光局、次に企画部、最後に県土整備部について行うこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
初めに、会議録署名員の指名をいたします。
本日の会議録署名委員は、前田委員と銀杏委員にお願いいたします。
それでは、文化観光局に係る付議案の予備調査を行います。
なお、質疑については説明終了後、行っていただきます。
平成24年度当初予算の付議案のうち、まんが王国とっとり建国記念事業についての説明を求めます。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
文化観光局の資料をお願いします。
まず最初におわびさせていただきますが、資料が縦長のものと横長のものがまざっておりまして、非常に見にくくなっておりまして大変申しわけございませんが、これでよろしくお願いしたいと思います。
では、説明をさせていただきます。1ページ目は先般お示ししている資料ですので、まず最初に、まんが王国とっとりにつきましての私どもの考え方を簡単に説明させていただきたいと思いますので、もう1ページめくっていただきまして2ページをお願いできますでしょうか。 漫画といいますのは、さまざまな可能性を持っているというふうに考えております。例えば、韓国、中国など海外でもコンテンツ産業は主要な成長分野になってございますし、日本の漫画やアニメは海外でも非常に高い人気でございます。また、本県からは水木先生、青山先生、谷口先生といった著名な漫画家を輩出しておりますが、特に、近年水木しげるロードは年間300万人を超す観光客が訪れているなど、漫画の持つ力の大きさというものを大変よく示しているのではないかというふうに考えております。このような背景のもとに、県は、本年11月の国際マンガサミットの誘致に成功したところでございます。県といたしましては、まんが王国とっとりを掲げまして、その目指すところといたしまして、このように大きな可能性を持つ漫画で鳥取県が豊かになること、こういったことを目指しているところでございます。
そのための24年度の取り組みとして、資料をもう1枚めくっていただきまして、3ページに大きく掲げさせていただいております。まず、24年度の取り組みのねらいでございますが、この年をまんが王国とっとり推進の起爆剤となりますような、そういった事業の仕掛けをしていきたいというふうに考えております。ねらいといたしましては、漫画色を大きく打ち出した観光誘客ですとか、例えば水木しげるロードを訪れた観光客に県内を周遊させまして、県内の滞在時間を延長させるといったような取り組み方、また、漫画の産業活用といったような新たな分野での取り組みを進める、こういったさまざまな展開の起爆剤、こういったさまざまな展開を起こしていきたいというふうに考えております。そのために、大きく国際まんが博と国際マンガサミット鳥取大会を開催いたしまして、国内外から多くの観光客を呼び込み、広くまんが王国とっとりを皆様に印象づけたいと思います。それとともに、県民にも御参画いただきながら、産業や教育の分野でも将来へと続く取り組みが芽生えることをこの中で目指していきたいというふうに考えております。
期間中の入り込みでございますが、300万人を目標としておりまして、その考え方につきましては、次の資料4ページに詳細を記載しておりますが、この国際まんが博、国際マンガサミットが開催されます鳥取県内の8月から11月の過去5年間の入り込み客数から推計をしておりまして、この5年間の平均値が419万4,000人となります。このうち、鳥取を訪れられた方のうち3人に2人がこの国際まんが博を楽しんでいただくといったような規模を想定しておりまして、その数が約300万人ということでございます。
なお、この300万人に伴う経済波及効果でございますが、TORCさんに試算していただいたものから推計しているところですが、訪れた観光客の方が直接飲食ですとか宿泊ですとか土産物代、こういったものに使う消費額が10万人当たりの場合に約10.3億円になるということでございます。これにこういった消費がもたらす関連産業への間接的な効果というのが生じまして、これが約7億8,000万円ということでございます。そうしますと、合わせまして、観光客
10万人が訪れれば、その地域に経済波及効果として18.1億円が生じるということでございまして、これを30倍いたしますと、観光客300万人の場合は543億円の経済波及効果が見込まれるということでございます。
続きまして、資料のほうは5ページをお願いいたします。こちらのほうには、資料の1ページにございますまんが王国とっとり建国記念事業の各区分ごとの詳細な予算の見積もり状況を添付させていただいております。この資料に沿いまして、説明させていただきたいと思います。この資料の中では、予算要求に当たりましての経費の我々の積み上げの考え方でございますとか、その際の単価、数量等を記載しておりますので、こちらのほうをごらんいただければと思います。
まず、この表の見方について簡単に説明させていただきたいと思いますけれども、一番最初の1、国際マンガサミット鳥取大会の開催という表の部分で、まず、一番左の項目といいますのが、いわゆる事業名とかイベント名でございます。その右、主催者(委託先)とございますのがそれぞれの事業の主催者、あるいは委託事業でありましたら委託先を記載させていただいております。その次に、幾つか項目が分かれておりますが、大きく文化観光局素案とございますのが、我々観光政策課レベルで庁内の予算要求に当たりまして積算した際の考え方を示しております。その右の欄、総務部・文化観光局調整(=知事要求額)とありますところは、これは現在の予算の仕組みが、以前、総務部長要求という段階がございましたが、その部分がなくなっておりまして、そのかわりに知事要求に当たりまして、事前に総務部と文化観光局の間で協議をするということになっておりまして、その作業の部分でございます。それで、この段階
で、当課の積み上げをした額に対しまして、財政当局と協議した結果のコメントが幾つかありますが、それはそれぞれの項目の表の下に括弧書きで【総務部・文化観光局調整】と書いてある3行とか2行のコメントがそれに該当しております。一番右の額が、それらの調整協議を踏まえまして知事に要求し、知事の査定を受けた金額でございます。
また、いずれの事業費につきましても、漫画キャラクターなどの著作物の使用料が発生するものにつきましては、それらの使用料を含めたところの経費となっておりますので、よろしくお願いします。
それでは、以下、項目ごとに簡単に説明させていただきたいと思います。
項目1の国際マンガサミット鳥取大会の開催に要する経費についてでございます。これにつきましては、観光政策課のところで、前回、日本で開催されました京都大会の実績に基づいて、県の今回の積算をいたしております。資料といたしまして、本日の常任委員会資料の7ページのところに別紙1という形で積算しております内訳をつけておりますので、そちらもごらんいただければと思いますが、経費の内容といたしましては、会場使用料、あるいは大会実施に当たっての各種関係資料の作成費、あるいは会場内での漫画家の公開アトリエの設営費、それから開会式、閉会式などの式典経費、こういったもろもろを合わせまして8,800万円の事業費を見込んでおりますけれども、そのうちの7,800万円を県のほうで負担したいというふうに考えているものでございます。
続きまして、また5ページのほうに戻っていただきまして、項目の2、まんが王国とっとり建国記念国際まんが博の開催経費についてでございます。まず、プロポーザルイベントの部分につきましては、1月の企画提案時の段階でいただきました費用の見積もり資料を別紙2という形で、本日の資料でございますと8ページにつけさせていただいております。この提案時の見積もりをもとに予算要求額をはじいております。
なお、このプロポーザルイベントにつきましては、同じく提案時にいただいておりますイベント案を添付させていただいておりますので、こちらのほうは本日の資料の一番末尾にカラー刷りで、A4判のものとA3判のものを添付させていただいておりますので、こちらをごらんいただければと思います。
ただ、ここで1点お断りさせていただきたいのですけれども、今のプロポーザルイベントのイベント案の中には、漫画やアニメのキャラクターイラストなどいろいろと掲載されております。この資料につきましては、公表を前提として作成されていたものではないため、著作権上とか肖像権上の問題がありまして、また、このイベントの中身につきましても企画提案の段階では関係プロダクションとの詳細な協議等ができていないものでございまして、そういったところは黄色で塗りつぶさせていただいておりますので、何とぞ御理解いただければというふうに思います。
現在、この詳細内容につきましては、県と提案者のほうで実施計画作成作業を行っているところでございますが、既に一部の内容変更や修正等も出てきているところでございます。これにつきましては、4月以降になろうかと思いますが、事業実施の正式契約を締結する前に本委員会に報告させていただきまして御確認をいただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
続きまして、同じ表の中の青山剛昌世界展から文化庁メディア芸術祭地方展までについてでございますけれども、簡単ではございますが、当課の積算の考え方ですとか、そのもととなった過去の実績額等を表の中に記載させていただいておりますので、御確認いただければと思います。例えば、1コマまんが展というのが上から4番目にございますが、今年度、県内1カ所で開催した際150万円要しております。これらを来年度は東部、中部、西部の3カ所で巡回開催させていただきたいと考えておりますので、3倍の金額になっております。また、例えばアニカルまつりにつきましては、事業内容も拡充したいということで、それに伴いまして支援規模もその割合で増額しているといったようなところでございます。
こういった考え方に基づきまして、当課のほうでは、当初プロポーザルイベント以下の青山剛昌世界展からスタンプラリーのところまでですが、1億9,110万円という金額を想定していたところでございますが、これにつきましては、総務部・文化観光部調整の段階でまだ詳細が十分に詰まっていないので、今後関係先と十分な調整もしながら、全体として1億3,200万円の枠内で柔軟に対応すべきだということで、知事要求に当たりましては、ここの分の積算を1億3,200万円として要求いたしたものでございます。
次に、項目の3、市町村・民間団体の取り組み支援についてでございます。こちらにつきましては、1月の中旬までに、当課のほうから各市町村に対しまして、来年度地元のほうが予定している漫画関係のイベントですとか、あるいは漫画の色づけを計画しているような事業、こういったものはどのようなものがあるでしょうかということで聞き取ったものを基礎に積算しております。その内容につきましては、本日の資料の9ページ、10ページに別紙3ということで添付させていただいているところでございます。
ただ、この部分につきましては、実施段階では必ずしも支援制度の趣旨にそぐわないものもあるのだろうという一方、この支援制度を公表した後には、恐らくいろいろな民間団体の方からも相当の事業申請が上がってくるのではないかというふうに想定しておりまして、それら全体を勘案いたしまして、全体で1億円といったような予算を組ませていただいているところでございます。
続きまして、項目の4番、他県・団体等との連携事業ということでございます。これにつきましては、本年度例えば鳥取県が高知県と連携して開催した展示のイベントでございますとか、今後島根県と連携で計画しておりますブース出店の経費でございますとか、そういった類似の部分を参考にいたしまして積算しているものでございます。これにつきましても当初、原課段階では900万円程度と想定したものでございますけれども、総務部・文化観光局調整の協議の段階で、やはりイベントの詳細がもう少し煮詰まってから、今後関係者とも十分な調整をして、全体として500万円の枠内で対応することといたしたものでございます。
最後に、項目の5番、広報宣伝経費についてでございます。こちらにつきましても過去の実績でございますとか、雑誌社の単価表、業者からの見積もり、こういったものをもとに積算したものでございます。これにつきましても、総務部・文化観光局調整の段階で一部雑誌等につきましては関係先とも調整して、必要な限度内で最も効果的なものだというもので対応するべきだということで、そのような金額で要求させていただいているところでございます。
なお、今回の事業の予算組みに当たりましては、利用可能な基金を取り崩すなど当該年度の一般財源の充当は可能な限り切り詰めたいというふうに考えたものでございますし、あわせまして、さらに国の補助制度なども今後活用できないかということで、文化庁さんなどへも要望してきているところでもございます。また、事業費の総額につきましても、この24年をまんが王国とっとりの建国の年としたいということでございまして、観光誘客を初めといたしました産業とか人材育成面なども含め、幅広い展開で県内の起爆剤となるような事業にしていきたいというふうに考えておりまして、何とかこの事業規模を認めていただけないかというふうに考えているところでございます。
◎藤縄委員長
補足は特別ありませんか。
●加藤文化観光局副局長
補足で1点。著作権料の関係でございます。先ほどちょっとお話ししましたが、例示で、8ページをお開きいただけたらと思います。これはまんが王国建国記念行事、プロポーザル、5億円の分でございますが、この中で、著作権料と申しますのはこのメーン会場、ステージなどの展示施工経費等で、例えば2つ目のメーン会場のところの中に2,000万円とかいうようなものがあるのですが、それぞれの展示経費の中に著作権料も含めたところでの企画提案を今後していくということで、含まれているというものでございます。
そういうような考え方で、先般御質問等がございましたが、個別に著作権料が幾らというものを決めた中で展開しているものではございませんで、展示計画、展示の中身の中でどういうキャラクターを使っていく、幾ら使っていくということを総合勘案した中で、込みの金額というものが見積もりとして出てきておるというような状況でございます。
また1点、9ページでございます。これは訂正でございます。市町村等まんが関連イベント一覧の一番右側、補助区分で5,000とか1,000とか書いてございます。これは補助区分ではございません。想定補助額ということで訂正をお願いいたします。単位が千円ということで、500万、100万というものを想定したところで、これは、実施に当たりましては今後事業費等が変わってくる可能性がございます。そういうことで見積もったものでございます。
◎藤縄委員長
もう補足はよろしいでしょうか。
●細羽文化観光局長
私のほうからも2点補足させていただきます。
まず、財源のほうでございます。先ほど、最後に寺口のほうが申し上げました。今回の財源ではまだはっきり出しておりませんが、実は、今回のまんが博、国の文化庁の新しい事業の補助対象になる可能性が非常に高いということで、この想定事業規模、補助率は2分の1ということで、かなり大きい国庫補助がとれる可能性がございます。したがいまして、今一般財源で計上しております部分につきましても、こういった文化庁の補助事業をぜひとりにいきたいと思っておりまして、そういう面でも一般財源の節減ということには努めてまいりたいと考えております。
もう1点、市町村等のイベントの一覧表にもあるのですが、一般のイベント以外、特に下のほうに、これ事業主体は民間のいろいろな団体があるので入れておりませんが、特に産業振興、人材育成、これは将来につながるそういった芽をつくるという取り組みも多々提案されております。こういった方々から鳥取県の取り組んでおりますまんが王国への期待というのは非常に大きいものがありまして、ぜひこういった期待にもしっかりこたえていきたいと。そういう中でまんが博も盛り上げ、次につながる展開へと考えております。
◎藤縄委員長
質疑はいかがでしょうか。
○稲田委員
3点ほど質問と要望をしておきたいと思います。
1点は、版権、著作権の問題です。私も私なりに調べてみました。要するに、ロイヤリティーの支払い方法というのもどうも3通りあるようで、1点は単価に3ないし5%売れた個数を掛けたものだけ支払うとか、最初から幾ら支払うというようなこと、それから最低でも幾ら払う、売れたらというか、それに追加でプラスアルファして支払うというロイヤリティーの支払い方法も幾つかあるわけで、非常に確定できない要素というものがあるということを私自身認識したようなことで、今回出てきた資料の中で5ページと6ページ、これがもっと早く出てくれば、みんな納得をして、得心をして、これならばということになったと思うけれども、最初に出てきたのが余りにもどんぶり勘定のようなものだったということがあると思います。
それと、今のどんぶり勘定につけてもだけれども、要するに、著作権の考え方として、例えば今ここに一つのカツどんならカツどんがあって、カツと卵とタマネギと御飯とある。それで一つのカツどんができている。そういうロイヤリティーがある中で、その中にどういう形で著作権というものをしみ込ませていくか。カツにも著作権というものがあるだろうし、御飯にも著作権のそういったようなものがしみ込んでおるというようなことで、私はそういう解釈をして、この著作権については一応これで得心をしたいというように思っております。
それともう一つ。例えば、警察も漫画については非常に熱心に取り組んでおって、要するに、交通標識に漫画の「一反木綿」か何か知らないけれども、そんなようなものを載せるというような話があったわけだけれども、そういう他部局の予算というものも結局はここのところ、ここに官房があるわけだから、ここに全部それが集まってくるのかどうか、もう一回重ねてそれを聞きたい。
3点目は、これはせんだってからも話したことだけれども、我が自由民主党の会派の人にも少し聞いてみた。他会派の人にも少し聞いてみた。境港、西部、中部、東部、いずれもやはりいま一つ認識が非常に薄い、まんが王国に対する認識が薄いということです。執行部のほうからは、それぞれの東・中・西の市町村についていろいろと話はしておられるだろうとは思うけれども、議員の人たちがうそをついているわけではないと思うわけで、知らないよ、そんなような話があるのかみたいなことやら、何かまんが王国ができるというようなことは知っているけれども、詳しい話は知らないよというような話がありますので、やるからには成功させなければならないわけで、この常任委員会を初め我々も応援をするから、もっと執行部もそういうところの働きかけを強力にやっていかないと、きょうは2月24日だけれども、3月20日近くまで議会があるわけで、そうすると、文化政策の幹部の方はみんなここに体をとられているわけで、結局は4月からみたいなことになると、数えればもう本当にわずかなことになってしまう。本当にその期間でできるかなという不安も我々自身もあるわけで、本当に性根を入れてやっていく。我々も協力をするから、困ったことがあったら我々議員にも、ここはこういうことだけれども何とかそこのところをいいぐあいに話をしてもらえないかという話があれば、そのための常任委員会なわけだし、そういう話があってもいいように思います。その1点だけ。ちょっと他の部署はどういうぐあいになっているのか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
まず最初に、先般私のほうが著作権の関係につきまして得心いただけるような御説明ができませんでした。申しわけございませんでした。
2点目で伺いました交通道路標識や何かでそういった漫画を載せるということにつきまして、
そういった出ていただくということにつきまして、現在、県庁の中では著作権の各プロダクションへの申請の窓口を一本化するということで調整を進めているところです。その一本化の窓口はやがてまんが王国官房になります現在のまんが王国鳥取推進室のほうで3月までに一本化したいということで考えておりますが、予算の執行につきましてはまだ庁内で協議中でございます。私どものほうに経費的なものまで一本化して、いわゆる配当がえをこちらで受けて、こちらのほうで支出まで行うのか、あるいは会計事務の部分だけは予算を持っている原課で行っていくのか、申しわけございませんが、今庁内で最終調整中のところでございまして、また結論が出ましたら御報告させていただきたいというふうに考えております。
私どもこれまで市町村さんや何か、いわゆる行政の中での対応にあくせくしておりまして、確かに県民の方々には全くPRができていなかったのではないかというふうに反省しております。おっしゃられましたように、確かに短い時間に厚くPRしていかないといけないと思っておりますので、県庁の中の広報担当部署などとも連携を図らせていただきまして、これから精いっぱいやっていきたいというふうに考えております。よろしくお願いします。
○稲田委員
そこで、このまんが王国のイベントだけれども、どんと一つ企画をぶち上げて、それで終わりになってしまうのではないか、これがやはりきょういただいた資料にも書いてあるように、後々鳥取県の発展につながっていくようなことになっていかなければならない。そういう意味で、最終的には、今例えの話をしているわけだけれども、北九州にも漫画ミュージアムというのが今回4月か何かにできるような話も聞いているし、ここは松本零士さんか何か漫画家がいて一生懸命やっているというようなことも聞いておるわけで、そういった漫画ミュージアムのようなハードな拠点をつくるのか、それともたまたま今境港には水木ロードがあって、水木記念館もあるわけだし、それから中部にもコナンの青山剛昌記念館もあるわけだから、そういったものをわざわざつくる必要はないが、さらにその施設を充実をさせて、ちゃんとやはり一つの拠点づくりをしないと、イベントだけをぼんと打ち上げて花火が消えたらそれで終わりみたいなことであっては決してならないという気がするわけですが、その辺は最終的にどういうぐあいに考えておられるか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
おっしゃられましたように、一過性のものにならないためには、やはり何らかの拠点的な機能というものが県内にあればあるほどよろしいかと考えております。それは、2つあるかと考えておりまして、一つは、やはり今の水木しげる記念館でございますとか青山剛昌ふるさと館のような、ああいったハードの形で存在する拠点。それからもう一つは、例年例年、例えば定期的に開催される漫画イベントのようなソフトの、それもやはり拠点の一つと言えるのではないかと。ある時期にここを目指して人がやってくるといったような観点から、動かないイベントとしてあるのではないかというふうに考えております。
ハードの整備の仕方にしましても、実は今後こういったものをつくるという方針が固まっている状態ではございませんが、例えば水木しげる先生とか青山剛昌先生の関係のように、お一人の漫画家に特化した施設というあり方もあろうと思いますし、それから県内の漫画家に限らず、日本全国、または世界の漫画家も対象とするような、もっと一般論的な漫画関係の施設といったようなもののあり方もあるのではないかというふうに考えております。そういったものにつきましては、まさに24年度1年間、まず手厚くイベント等を開催していく中で、多くの県民の方にも御参画いただいて、そういった中で生まれてきます地元のほうの要望ですとか、それからそれぞれ各市町村なりの考え方、そういったものもいろいろ今後すり合わさせていただきながら、もしもこういう形でこういった施設でもつくっていこうということになれば、そういった検討も進めていきたいというふうに考えております。
○藤井委員
きょうの知事答弁で、鳥取県としての差別化ということで、これのために漫画を活用したいのだという熱意のある答弁、あれは買うべきだと私は個人的に思いますし、多くの方々が理解するというふうに思います。
このまんが博に一番関心の深いのは、東・中・西の中で中部が非常に期待感が強いかなという感じを持っているのです。青山さんのこともこれあり、今稲田委員が言われていましたように、何が一体残るのかというところで、やはり今の青山剛昌記念館からの道路、あれではほとんど意味がないとは言いませんけれども、運転免許センターの跡地がまだ残っていて、あの跡をどうするかということに大きな関心がある。ただ、今言われたと思いますし、私もそう思いますけれども、実際やってみて、そして何が生まれてくるかというところに実は大きなものがあるのだろうと思うので、今から方向を決めてしまうのもどうかというふうに思いますので、その辺はやはり何を残すかというテーマは非常に大きなものだという認識は当然持っておられると思いますけれども、ぜひ注目して、かつ中部というものを注目してもらいたいという感じがいたします。
それと、旅行客について、当然外国人も期待しているわけで、それの比率が出ていないのですけれども、どの程度のものを期待して、それに対してどういう働きかけをして、それについてどの程度の予算を考えているのか、その辺についてちょっとお答えいただければと思います。
●細羽文化観光局長
藤井委員のほうから2点ございました。
1点目、まんが博に対する期待。まだ関心が薄いという面もありますが、本当に各地域からたくさん寄せられております。特に、中部につきましては、やはり青山剛昌記念館がある、コナンの里であるということで、このまんが博に対する期待を非常に我々も強くいただいております。そういう面で、例えば役場の方ですとか、観光関係の方とかいろいろ今御相談をしておりまして、ぜひこのまんが博で中部の取り組みというのをもっともっと県としても後押ししていきたいと思っております。
その中で、先ほどの拠点施設につきましても、青山さんのふるさとというもともといい背景があるものですから、サミットで残ってくるもの、今回のまんが博でいろいろ収集したり残ってくるもの、そういったものをうまく活用して、また中部にそれが根づいていく、そういったことはぜひ一緒に取り組んでみたいと思います。
海外からの誘客、これも非常に大事であると思っております。私も昨年秋に中国でありますとか台湾のほうにも行きましたが、やはりそれぞれ日本の漫画に対する関心は非常に高いです。特にコナン、それから鬼太郎につきましても台湾でも最近非常に人気が上がってきておりまして、やはりこれは海外からの誘客にも非常に有功なツールになると思っております。そういう意味で、当然海外からの誘客にも力を入れていきます。予算的に申しますと、この中ではなくて、国際観光推進課のほうで海外の誘客対策というのをしっかりやるような予算組みをさせていただいておりますので、その中で具体的には例えば海外からの旅行商品でまんが博に行こうという商品をつくってもらうとか、そういった形での対策はしていきたいと思います。
なお、海外のお客さんの比率なのですが、実はここで300万人と掲げておりますが、鳥取県内に入り込みされている外国のお客さん、一昨年のデータで恐縮なのですが、1年間の宿泊の延べベースで2万3,000~4,000人程度でございます。ということで、まだまだ比率的には低いわけなのですが、今回のまんが博、漫画を活用して、それを飛躍的に伸ばしたいと、我々もそういう思いを持って取り組みたいと思っています。
○藤井委員
海外からのお客さんという視点からすると、鳥取県というのは日本全国から見ても知名度、魅力度といいますか、そういうものが全国的にも低いレベルにある。これを大いに活用して知名度を上げていく、その思案を練り上げてもらいたい。ただ、今あるもので来てもらえるもので満足するのではなくて、コンテンツで頑張って、この際が一つのチャンスととらえて頑張ってもらいたい、こういうふうに思います。
○興治委員
何となくわかりました。それで、結局例えばプロポーザルイベント、メーンイベントの部分というのは、5億円の枠予算を確保しているのだということなのですね。具体的に事業があって、それに費用が幾らかかってそれを積み上げて、3会場でやって5億円というものではどうもないという感じですね。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
そういうことです。
○興治委員
私は成功させなければいけないと思うのだけれども、やはりちょっと心配があるわけです。これ5億円、メーンイベントについては、こういうものを見るとメーンコンテンツと書いてあるところですね。メーンコンテンツというのは会場のこんなのがあって、これのことを言っているわけですね。結局この5億円が起動し始めるのは4月以降ではないですか、当初予算なのだから。ところが、今からでもあと5カ月でしょう、8月4日から始まるわけですから。この煮詰まりぐあいがやはりちょっと気になるのです。どこまでできているのだろう、果たしてできるのだろうかと。稲田委員が言われるように、これをやって以降のことももちろん考えないといけないのだけれども、このイベントそのものが物すごく窮屈になってしまっていて、きちんと整理できているのだろうか、スケジュールがきちんと見えているのだろうかというようなところも非常に気になるわけです。だから、そういうスケジュールなどについてもできているのであれば、やはり教えてもらいたいと思いますし、現状はどの程度詰まっているのか。それと、これは本当は2月補正で5億円計上して、すぐに動けるようにしておいたほうがよかったのかもしれないなと思ってみたりもするぐらいです。そのあたりは実際どうなのでしょうか。
メーンイベント以外に関連イベントもたくさんあって、それを見ると県が主催となっているのが5ありますね、メーンイベント以外でも。もちろん、観光連盟とか1コマまんがの会とか小学館とかそういうところともやるのでしょうけれども、こんなに幾つもあって、西部総合事務所でやるのはこのマンガサミットのほうですね。こちら側のほうが非常にボリュームが大きいのに大丈夫なのかなという不安があるわけです。そのあたりどうなのでしょうか。
それと、このプロポーザルイベント、メーンイベントの委託先というのか、事業を実施するのは、県がもちろん委託しているのでしょうけれども、どこになるのでしょうか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
スケジュール感につきましては、おっしゃるとおり全体にきゅうきゅうな形で、正直今進めているのが実態でございます。
○興治委員
ちょっと配ってもらえますか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
まず、実施計画を今提案者のほうと最終詰めておりますが、週に最低でも1回は集まってその都度その都度調整もしている状況でございます。それで、何とか2月末までには大きなくくりはつくりまして、3月の中旬以降には、すべて詳細まで固まり切らないかもしれませんけれども、大きな枠が出していけるような、そういった形で進めていきたいというふうに考えているところでございます。
県主催のイベントにつきましては、これは相手方個々のところと日々協議中でございまして、これも期間に間に合うように何とか仕上げていきたいというふうに今精いっぱいやっているところでございます。
●細羽文化観光局長
補足で、これを実行する県の組織でありますとか体制について、少しお話しさせていただきます。
御案内のとおり、4月からは新しくまんが王国官房という組織ができますが、現在、既に緊急プロジェクトチームということで、今の室以外にも4人の常勤の職員で事務をやっております。それをさらにこの3月ぐらいには充実をさせるということも今検討中でございますし、それから、先ほどありました西部はサミットがメーンではございますが、西部の組織でもまんが博に係る西部のイベントでありますとか、いろいろな事業については西部でもやるということを考えておりますし、また各県民局のほうでもこのまんが博にかかわる業務をやっていただくような調整も今させていただいております。さらに、とても大きな事業でございますので、これは県の職員ももちろん頑張ってやるのですが、これは民間の方ともぜひ一緒にやりたいということで、これはどこかに丸投げではなくて、いろいろなそれぞれの得意分野を持った民間、特に県内の業者の方、そういった方と役割分担をして県のほうからも業務をお願いしたりということで、一緒にやっていきたいということで、これにつきましても既に具体的なお話を幾つか下話はさせていただいております。そういう形で、本当に県を挙げてこの大事業というのを何とかなし遂げていきたいと考えております。
○興治委員
まず、プロポーザルイベント、メーンイベントの実施はだれが、どこがするのでしょうかということと、あと事業のスケジュール管理、進行管理、全体を管理、監督するのはどなたなのでしょう。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
全体の進行管理につきましては、究極的には県のほうで全体は把握していきたいと思いますけれども、まんが王国建国推進委員会という委員会を従前から立ち上げておりまして、そちらのほうをいわゆる民間、市町村も参画した実行委員会部隊として位置づけて取り組んでいくのがいいのかなということで今事務レベルでは考えているところでございます。
○興治委員
いわゆる県の中で、だれが全体を仕切るのですかということ。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
それは4月以降できますまんが王国官房の官房長が……。
○興治委員
その方というのは、今までかかわってやった方でないとできないのではないですか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
この配置につきましては私もわからないのですけれども、ただ、組織といたしましては、これまで準備をやってきておりますこのまんが王国とっとり推進室の機能がそのままそちらの官房という組織に衣がえといいますか、移管するようになりますので、相当数の職員は恐らくそのまま引き継いでそちらのほうの業務に当たるようになるのではないかというふうに考えております。
●細羽文化観光局長
補足をさせていただきます。組織とか役割的にいいますと、先ほど言いましたようにまんが王国官房ということになるのですが、これは当然個人ということではなくて、組織として今の体制を引き継いで、もちろんその中には詳しい人間も当然置いてということでございますが、そういうチームの中で全体を把握し、全体の進捗管理を図るという体制を考えております。
メーンの5億円のところの事業でございます。これにつきましては、今実施計画を立てておりますので、これに基づきまして、またこれについての公募といいますか、これにつきましては中身に応じて今回の提案者でできないものにつきましては、今の提案者のほうに委託をする部分、それから中身によりましては実施段階のものとかにつきましては県内の業者さんにもお願いするという形で、それぞれの中身に応じた形での発注、委託ということを考えております。
○興治委員
提案者に委託する部分というのは、これまで提案者については基本計画を立案してもらったわけですね。そのための費用は支出したということですね。提案者がメーンイベントをやるに当たって、また事業費が適切なのかどうなのかというのを査定して、そこで入札をするのかどうなのか、入札ではないのでしょうけれども、きちんと最低限の経費で必要な事業がやれるというような仕組みにはなるのですか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
そこのところにつきましては、今定めております実施計画に沿いまして必要な経費をそれぞれ見積もって提出していただくようになると思います。その経費を精査いたしまして、その中で実行していただくということになろうかと思います。ただ、そこの部分につきましては、冒頭説明させていただいたのですが、事業実施者と正式な契約を県が締結いたします前に、こちらの委員の皆様にも御報告させていただきまして、確認等をいただきたいというふうに考えているところでございます。
●細羽文化観光局長
もう少し補足させていただきますと、今現在予算というのは5億円という枠でお願いしております。それを実施計画の中で精査して詰めていくと。さらにはまた、それを発注段階で最終的な精査をかけて、要はだんだん5億円の中で絞り込んでいって、最も費用対効果の高い形という方向で我々は契約に向かって進んでいきたいと思っておりますし、その中で、この委員会の皆様にもぜひその内容はきちんと御確認をいただいて御意見をいただく機会もつくりたいと思っております。
○興治委員
最後に1点だけ。大きな会場が必要だと思うのですけれども、もう押さえていないといけないと思うのですが、会場は各3会場とも押さえることはできているのですか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
はい、確保しています。
○興治委員
どこでやるのでしょう。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
県内は東・中・西の各体育館。鳥取市でございますと布勢の県民体育館、倉吉市が体育文化会館、米子市が市民体育館でございます。
○稲田委員
室長、もうちょっと自信を持って答えてください。そうしないと不安でしようがない、我々。ちょっとそれはというようなことでなくて、こうこうこうだということをもっと自信を持って言わないと、我々はそれを聞いて判断をするわけだから、本当に不安になる。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
申しわけございません。
○銀杏委員
実は、私はこの常任委員会は前の2年間もさせてもらいまして、なかなか遅いなと。ゆっくりしている感じがして実は心配だったわけです。実にちんけなものに終わるのではないかと思っておりましたら、昨年11月末だったか12月の初めに新聞にも出ていました。平井知事が檄を飛ばしたというふうなことで、あれから急速に加速度的にスピードを増したのかなというふうに思っているのですけれども、見させていただいて、何とか帳じり合わせというか、間に合わせるような格好になってきたかなと思いつつも、まだまだやはりおくれているなということで大変心配です。何とか間に合わせるように一つはお願いしたいということと、それからこのメーンコンテンツが8月4日から11月25日ということで114日間、約4カ月弱ということで、今いただいた表を見てみますと、8月に2週間、これは東部会場でしょうか、9月に3週間、これが中部、10月からが3週間ということで、これが西部会場になるのではないかと思っていまして、間がそれぞれ3週間とか2週間とか移動なり準備なりであいているわけですけれども、全体が4カ月弱というのがちょっと長いかな、間延びしないかなという心配を実はしているのです。みなと博でしたか、あのときが3カ月か4カ月やったと思うのですけれども、あのときはたしか50億円だとか70億円だかかけてやりましたので、それに比べたら大分少ない経費なのですが、ずっとではなくてあちこち行ってぱっぱっぱっぱやるものですから、範囲も同じ会場ではない、あちこち飛んでいるものですから、間延びするような感じになってしまうのではないかなと。どこに目が行っていいのかわからないというふうなこともあったり、ちょっと心配をしているのです。期間設定をもう少し狭める必要があるのかなというふうな気がしていますが、8月4日というのが何か意味があってそこにスタートを設定されていると思うのですけれども、その辺を一つと、間隔が3週間とか2週間とかあいているので、その期間がちょっと心配で、もう少し詰めれないものかというふうにも思ったりします。その点についてお願いします。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
期間設定の8月4日から11月25日ということにつきましては曜日を考慮していまして、スタートはやはりウイークデーよりも土曜日のほうがいいだろうということで、8月4日に持ってきたところでございます。終わりのほうもやはり三連休の最後の日曜日に合わせるのがいいのではないかということで、今のところそういった期間設定をしているところでございます。
このメーンイベントの間が、この表ですとメーンのところを黒く塗っておりますのであいているようには見えますけれども、我々といたしましては、事業の提案者と今調整しておりまして、なるべく同じ会場でこの期間、約4カ月間ずっと一つのイベントを仕込んでいくような設定にして、鳥取の会場では展示系が多くなるかもしれませんけれども、漫画家の方の展示会を期間中べったり充てるとか、そういった項目を設けるようにしております。
特に、あいている期間につきましても土曜日とか日曜日とか祝日、そういったところは地元の市町村さんとか民間団体さんの事業、こういったところとも連携させていただきまして、可能な限りそういったところもすき間ができないように、事業やイベントを埋め込んでいきたいというふうに考えて今やっているところでございます。
○銀杏委員
そういうことを聞いているのではなくて、例えば、がいな祭りであるとか、しゃんしゃん祭りが始まる時期に合わせましたよとか、または11月11日に終わった後、少し余韻を持って、全国的にニュースなどで流れて、これからでも行ける、まだやっているのかなといったときに、10日間ほど余裕があるとそうしたお客さんも呼び込めるとか、そういう答弁を期待していたのですが、ちょっとそういう大局的な……。
それで、もう一つありまして、この本番期間、何といっても5億円のメーンコンテンツを注目しているわけですけれども、本番期間というのが布勢の体育館なら布勢の体育館で2週間、中部の体育文化会館の中で3週間という格好で、その間じゅうするのかなと思ったわけです。ところが、8月の盆前ぐらいに終わって、次に始まるのが9月の8日ぐらいの感じに見えるわけです。この表を見させてもらったら。同時多発的にいろいろとほかのイベントはされているのでしょうけれども、この間に国外、県外から来られた方はこのメーンのコンテンツには接することができないというのであれば、東部から中部、中部から西部に行く間のやっていないこのすき間を短くできないものかという話をしているのです。
●細羽文化観光局長
このまんが博の期間設定について、銀杏委員から御意見をいただきました。ちょうど私が補足答弁しようかと思っていたところをおっしゃっていただきまして、まさにねらっているところは、8月上旬にしたのは、やはり漫画というコンテンツなので、子供さん、ファミリー、こういった方にたくさん来ていただきたいというところで、夏休みの頭ではございませんが、夏休みになってちょうどいい時期ということで開始の時期を設定をさせていただいております。それから、まさにこの時期、県内でいろいろな夏祭りがございまして、やはり県内のいろいろなイベントと相乗効果で誘客できる、そういったところもねらって、この時期にスタートを設定させていただいております。
終わりのところにつきましては、御案内のとおり、サミットが11月7日から10日にございます。まさにそこのサミットを囲む形でいろいろなイベントがあるということによって、サミットに対する関心でありますとかサミットの誘客力ということもアップするだろうということも考えておりまして、そういう意味でこの期間を設定させていただいたということでございます。加えて、ちょうどこの時期山陰デスティネーションキャンペーンの期間中でもございます。まさに山陰を挙げてこの時期にお客さんに来ていただく、そういうキャンペーンを展開しておりますので、そういった意味で、まさにこの期間というのはそこと重なり合って、お客さんを呼び込む力も増すと考えております。
メーンイベントの期間設定につきましては、これは会場との兼ね合いもありまして、なかなか我々がねらっているところにぴたっとはまらない部分もあるのですが、御指摘のところは全くそのとおりだと思いますので、我々としてもなるべくその合間が少なくて、お客さんに少しでもたくさん楽しんでいただける、そういった実施になるように、そういった体制を考えていきたいと思っております。
○銀杏委員
わかりました。
先ほど、稲田委員からもありましたけれども、何を残していくのか、どう継続させていくのかという点については、私のほうからもぜひ考えておいていただきたいなと。人材を残すのか、施設を残すのか、定期的なイベントとして残すのか、いろいろやり方はあろうかと思いますので、しっかり検討いただきたいと思います。
●細羽文化観光局長
御指摘の点は重々踏まえて、ぜひ次につながるところについてもしっかりこのまんが博、建国イヤーの事業の中で取り組んで行きたいと思っています。
○国岡委員
きょうの資料で大分わかりました。わかりましたし、理解して応援していかなければならないということもわかっています。
それで、この前言いましたすっと落ちてくるものというのが、結局これということですね。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
はい。
○国岡委員
これが新聞に出てから、県民の皆さんからのお話、電話もかかってきたりいろいろしましたけれども、そういった中で中山間地のほうに行くと高齢者の方が非常に多い。そこで漫画だとかアニメだとか言っても何のことだかわからないという方がたくさんおられます。そこに10億円なのかというような厳しい意見がたくさん出ます。今これだけ地域が疲弊してきている中で、鳥取県は何をやっているのだというようなお声もたくさん寄せられております。ただし、我々は皆さんの意見や鳥取県のイベントということでいろいろ理解はできてきますけれども、我々にすっと落ちてくるものというのを、時間がない中でこれから県民の皆さんにどうPRしていくのか、理解していただけるのか、そこを簡単に訴える言葉であり、内容の理解であり、これからの展望であったりということが必要だと思うのです。これと言われればそうですけれども、これを県民の皆さんに一々お配りするわけでもないでしょうし。それをもう一回局長のほうから言葉で端的に、県民の皆さんに話をするような形、思いを伝えてみてください。
●細羽文化観光局長
私どものほうから本当に県民の皆さんに訴える機会がなかなかないということもありますが、やはりまだ我々の努力不足だなというのを感じております。そういう意味で、なるべく端的に、本当にねらいは何かというところに絞って、きょうお示しをさせていただきました。
繰り返しになりますが、漫画は本当にいろいろな可能性があるということがいろいろな形で今証明されておりますし、我々も実感しております。これをぜひ鳥取県の活力に生かしていく、それがまさにまんが王国とっとりの取り組みであると思っております。それを大きく進めていく、しっかりとそういった道筋をつくる、それが国際まんが博を初めとすることしの事業だと考えておりますので、この事業を進める中で、県民の方にもいろいろな形で我々もPRをさせていただいて、御理解をいただきながらこの事業を進めていきたいと考えております。
○国岡委員
ぜひそうしていただかないと、このイベント自体、先ほどからありますこれが終わった後どうなるのかということにつなげていこうと思ったら、県民の皆さんの理解が得られなければ何も残っていかない、つながっていかない、一部の方だけのものになってしまっては困るということですので、これは本当に終わってからも、いろいろな意味でずっと県民の皆さんにPRしていただきたいと思います。
そこで、この300万人ですね。基本的に大体イメージはわかりますけれども、想定している、来ていただける層というのはどこに一番着眼を置かれているか、以前も聞いたかもしれませんけれども、教えてください。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
一番多くねらいたいのはファミリー層を考えております。やはり、ファミリーの方でございますと、お子様は特に漫画とかアニメ、こういったものに非常になじみがあって楽しんでいただけると思いますし、それから、そのことを御両親にも知っていただく。それで、家族で来ることによって、漫画だけではなく温泉地に一泊したりほかの観光地をめぐったりということにつながってこようかと思いますし、まずはファミリー層というのを一番ねらっております。ただ、漫画とかアニメでございますので、昨年の秋にもございましたアニカルまつりのような非常にコアなファンの方々が集まるというイベントもございますので、ああいったコアな方々というのは日々お金をためて、何かのイベントがあったらそこにといったような形で出かけられている方が相当数おられますので、そういったところにつきましてもねらっていきたいというふうに考えております。
○国岡委員
わかります。マニアな方やファミリーというのもわかります。このスケジュールを見ましても8月の夏休みがまだ残っている期間になります。そういった中で、子供たち、小学校であれ、中学校であれ、高校生であれ、このアニメや漫画に一番広く接することが多い人たちにPRしていくのに、これからまだいろいろ検討するのでしょうけれども、ただ検討するといってもこれだけもう時間がないので、どういったような形で、漫画に入れるというのは先日も聞きましたのでわかりますけれども、教育機関なのか、やはりそこら辺をどう考えておられるか教えてください。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
漫画に入れるというのは、申しわけございません、どういう……。
○国岡委員
漫画に入れるというか、マガジンハウスだとかいろいろなマスコミの媒体を使って広告するわけでしょう、宣伝するわけでしょう。そういった中で、それとは別個に子供たち、要は学校であったり、そういったほうに対してのPRはどうなのかということをちょっと聞きたいということです。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
これにつきましては、例えば生徒さんに教育委員会のほうから各学校を通じて子供さんに配布されているような毎月の媒体物がございます。ああいったところにまんが博とかマンガサミットの情報、これもこれまで何度か載せさせていただいておりますが、こういったところに集中的に情報を出していくような形で御案内したいといったようなことで対応していきたいと思っています。
○国岡委員
うちの家庭にも来ることがありますけれども、余り気をつけて見ませんよ。というのが、こういうのが来ていても保護者の人につながるかどうかというのはまた別ですし、子供たちもわからないですよ。漫画といっても中身もわからないから、やはりもっと学校の昼休憩にでも顔を出すとかいろいろなことをして、こんなことをしますよぐらいの積極的な、そういう積極性がないと、ただ何かのところにチラシを載せましたどうこうでは広がっていかないと思うのです。やはりそういう積極的な行動と、それとあわせて、まんが王国とっとりという大きなネーミングにしているわけで、そうなると子供たちにただ漫画を読め読めではなくて、今度は教育の中にも漫画を使った何かの教育とかがあると思うのです、いろいろな分野で。そういうのも教育委員会さんとも連携しながら教育の中でも活用できるような方向、やはりそっちのほうもつなげていって、教育でも鳥取県は力を入れていますよというような、そういうことをしていかないと、漫画といったら、昔のイメージでいくと遊び、結局勉強しない人が読むみたいなイメージになるので、そっちのほうもちょっと手がけていっていただきたいと思います。例えば、宣伝でアニマックスとかアニソングランプリとかいろいろやっていますけれども、ああいったものを思い切り活用するぐらいの勢いでやっていただきたいと。
なぜそこまで言うかといったら、やはりこの金額ですよ。10億円というのが県民の皆さんに先行していますので、その中身をまんが王国という、鳥取県は一大イベントとして頑張るのだということでしたら、ありとあらゆるものを総動員して有効に使っていただきたい。いろいろな場面でこのまんが王国というものが県民の皆さんの目に見える、そして結果的には大勢の方に来ていただいて、ああ、これだったのかと言えるような形にしないと、一過性の祭りすら次に続かなくなるというふうに思いますので、その辺のことをもう一回答弁いただきたいと思います。
●細羽文化観光局長
国岡委員御指摘のとおり、やはり、知っていただいて来ていただいて何ぼというところがございます。そういう意味では、広報も非常に大事な部分だと思っておりまして、その広報の仕方もやはり従来とは違ったアプローチというのもぜひ考えてみたいと思っております。そういう意味では、先ほど例えで言っていただきました教育委員会でありますとか他部局での広報、一般の県公報、民間の広報、いろいろなものを組み合わせて、来ていただきたい人に届くそういった手法を使った広報はやりたいと思いますし、また、現実的なリアルな広報宣伝というのもあると思っております。具体的に申しますと、実はまんが王国のキャラバン隊というのを緊急雇用の基金を活用させていただいて編成して、こういったキャラバン隊でいろいろなイベントとか地域に出かけていってまんが王国をPRする、まんが博をPRする、そういった取り組みをあわせてやりたいと思っておりますので、そういう形で広報もしっかりやって、実のあるまんが博事業にぜひしたいと思います。
○前田委員
1点だけです。もともとこの資料はあったのでしょう、恐らく。きょうにあわせてつくったのですか。それはどうですか。というのは、この予算の説明資料にこだわることはないのですよ、10億円も使うような事業ですから。もっともっと情報開示してもらわないと、私たちは判断のしようがないということを注意しておきます。
●細羽文化観光局長
御指摘の点ごもっともだと思います。我々としても従来の一般的な予算説明というところで前回は説明させていただきました。そこでは、本当にこれだけの大事業ということでありますので不十分だったと思います。その点は真摯に受けとめまして、反省し、今後は改めていきたいと思います。
○前田委員
できるだけ情報開示してもらわなければいけないと思います。
それと4ページです。この事業は、皆さんは本体のイベントが成功すればいいのだろうけれども、県民から見れば、私たちの生活がよくなったなという実感が伴わないとなかなか県民に訴え方もないし、盛り上がらないと思います。それで、419万4,000人の7割。これは過大ですよ。では聞きますけれども、7割来させるために、来てもらうためにどのような方策をしましたか。私も似たような仕事をしていたので知っているけれども、全国のエージェントの窓口にチラシを置いてもらうのは、局長知っておられるように半年前ですよ。今だったら夏のを置くのでしょう。もう1シーズン繰り上がるのです。その対策はしているのですか。全国のエージェントにチラシが配ってありますか、7割来させるために。それはどうですか。
●細羽文化観光局長
エージェントへのアプローチといいますか、御案内はしております。ただ、まんが博の詳細の中身、スケジュールについてはまだそこまでの詳細なものはお配りはできておりませんが、この時期にまんが博があって、主にこんなイベントがあるというところは御案内させていただいておりまして、これについては先ほど申しましたように、今エージェントさんに本当に商品化していただけるような、御案内いただけるようなそういった資料をつくっておりまして、それをぜひ3月中ぐらいには何とか各エージェントさんにも浸透させて、夏以降のこのイベントへの商品化、誘客ということにつなげていきたいと思っています。
○前田委員
とりあえず1枚物で全国の旅行代理店の窓口に置いてもらわないと、まず無理ですよ、知名度は。全然知っていないのだもの。鳥取県を島根県と間違えるのだから、関東は。関西はいいと思うけれど。これは全国からでしょう。そうしたら、本当にとりあえず急ぐのです、このまんが博をやるということ自身が。それをしなければいけないと思う。
2つ目は、盛り上がらない理由はここですよ、飲食、宿泊、土産。この業界の皆さんにビジネスチャンスがありますよと働きかけないと動きませんよ。官主導型のイベントをしていたって何の意味もない。だから、何が言いたいかというと、皆さんはイベントの本体で忙しいのだから、商工に手助けをしてもらって、ホテル、旅館業界、それから土産だってアニメのマークを使わせてもらうとか、それ用の土産をつくってもらうとか、宿泊も何かメリットがあるような、会場に行ったら何割か引くとか、そういう業界の盛り上げをしてもらわないと盛り上がりませんよ。どうですか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
確かに他部局との連携も図りまして、可能な限りこれから一生懸命やっていきたいと思います。
ただ、例えば県内の企業さんや何かにまんが王国とっとりを応援していただける企業というのを募ったりしておりまして、そういったところを通じまして、まんが王国、例えば書店さんや何かたくさん今加入していただいているのですけれども……。
○前田委員
いや、違うのだ。そんなところではない。直接泊まってもらう旅館、ホテルとか、土産をつくっているところの皆さんに働きかけをしたかと言っているのだ。書店に置いておってもどうしようもない。読んでもうかるのですか。局長。
●細羽文化観光局長
まさに経済効果につながるところで、ここが肝だと思っておりまして、そういう意味では旅館、ホテルについては情報提供はしておりますが、もっとそれ以上の具体的なビジネスにつながるような、そういう制度も今回つくりますし、そういったところも含めて、これからどんどんどんどん精力的にやりたいと思います。
土産物につきましては、米子のある民間団体のほうで、米子の地名にちなんで88の漫画コンテンツを使った商品をつくりましょうという取り組みが既に始まっております。具体的に申しますと、地酒のラベルをアニメのキャラクターで飾ったような、そういう商品も開発が進んでおります。そういった商品の造成、販売促進ということもぜひこのまんが博の中では進めていく。それがまさに県民の方にもこのまんが博による効果を実感いただけるものになるのではないかと考えております。
○前田委員
だから、細羽局長のところは無理だと思うのですよ、このタイトなこれをやるだけで。商工の絶対的な支援をしてもらわないと、中途半端になりますよ。だから、だれかが言ったでしょう、このまんが博はだれが統括するのだと。統轄監ぐらいが目配り、気配りしてやらなければこれはミスしますよ。くどいですが、皆さんこっちに追われるのですよ。
●細羽文化観光局長
先ほどの話にも関連しますが、コンテンツビジネスというところにつきましては、実は我々のほうもこのまんが博に絡めたところで一緒にやっていきましょうという部分と、もう一つは本当の産業育成という政策の範疇でも考えております。それにつきましては、商工労働部のほうでも今回そういった支援制度、コンテンツビジネスを育成する仕組みづくりということを提案させていただいておりますので、それについては役割分担もしながら進めていきたいと思っております。
○前田委員
鳥取県旅館業協同組合とかと早く話し合いしなさいということです。一日でも早くこのスケジュールを見せて、こういうものですよ、ビジネスチャンスですよと。だから、僕の言っていることとちょっと違うの。すぐ業界と話し合いをしなさいと言うのだ。どうですか。
●細羽文化観光局長
早い時期に、即それについては実行したいと思います。
また、先ほどの話にも戻りますが、お客さんに来ていただくためにはやはり旅行会社、特に全国の旅行会社への働きかけも非常に重要だと思っておりまして、これについても我々としては即働きかけをして、どんどんどんどんまんが博をPRをしていきたいと思っております。
○前田委員
最後にしますけれども、とにかく全国の旅行代理店のカウンターに置いてもらうような、1枚物のチラシでもいいから、一日も早く配らないと間に合わない。7割も来るというのは、これは本当にとらぬタヌキの皮だ、これは。だから、おたくはえらいのだから、ほかの部署に頼めと言っているのだ。わかりましたか。
●細羽文化観光局長
やはりマンパワーが必要だというのもそのとおりでございまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、もちろん他部局の連携の部分、それから今回プロジェクトチームがあります。それについても人員増強をすることも考えておりますので、とにかく県を挙げて、県庁だけではなくて民間の方も含めてでございますが、そういったところでこの取り組みというのはどんどんどんどん充実させていきたいと思います。
○興治委員
前田委員の意見には大賛成なのです。やはり宿泊関係だとか土産物関係だとか、工芸品関係だとかそういうところには関心を高めてもらって、ぜひビジネスチャンスとして生かしてもらいたいと思うのです。そのためには、4ページに300万人来ますよというのがあるのだけれども、これは過去5年間もう既に鳥取県に来ている人のうち7割ということなのです。まんが博をやることによってお客さんが何十万人か今までよりもさらにふえると。だから、この419万人より20万人とか30万人ふえますよと。そのうちの7割はここに来ますよというような、そういう数字の出し方をしたほうがいいのではないかと思うのですけれども。これだと、まんが博をやることによって県内に来るお客さんがふえるというふうには書いていないのです。今まで来ている人のうちの7割が来るということなのです。だから、そこをちょっと見直したほうがいいのではないかと思います。
それと、メーンイベントですけれども、これは入場料を取るのでしょうか。幾らでしょうか。それと、さっき銀杏委員が言われましたけれども、本番期間、せっかく夏休みの書き入れどきの期間の半分近くがメーンイベントをやっていないということになるのですね。会場の都合というようなこともあるのだろうと思うのですけれども、会場をちょっと変更するとかして、これは東部が一番最初ですか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
そうです。
○興治委員
そうすると、例えば中部を最初にするとか、西部を最初にするとかして、夏休み期間の書き入れどきに途中からやめてしまうとは何かもったいないと思うのですけれども、その辺は検討はされたのでしょうけれども、だめなのでしょうか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
まず、入場料につきましては、無料の方向で計画中でございます。
会場につきましては、実はかなり職員の手と足を使いまして確認などもしたのですけれども、今のところ、ここの部分で必要な面積がとれる施設がようやく確保できたというところでございます。さらに検討はしますけれども、現段階ですと、幅を延長させるというのは県内施設の状況でいきますとなかなか難しいという状況でございます。
●細羽文化観光局長
入り込みの関係で補足の説明をさせていただきます。
おっしゃるとおり、来ている方の7割にまんが博に来ていただくというような出し方をしております。きのうの斉木議員の代表質問にもありました。さらにプラスアルファで300万人ぐらいの勢いでやってほしいということでありまして、我々としてもぜひプラスアルファというところはねらっていきたいと思います。
一つ参考の、ちょっと経済効果にもかかわるところの部分で申し上げますと、例えば、300万人というお客さんのうち、これまでの推計からいいますと、県外と県内のお客さんは大体半々でございます。150万人が県外のお客さんでございます。さらに、これまでの実績を見ますと、県外のお客さんのうち日帰りのお客さんが大体4割いらっしゃいます。わざわざ県外からいらっしゃって4割の人が日帰りで帰っていらっしゃる。先ほども申しましたように、今回のまんが博は単にイベントをところどころでやるのではなくて、それで周遊していただく仕組みづくり、まさにそれを例えばイラスト列車とかでつないでまいります。それによりまして、県外の日帰りだったお客さん、この4割の方が半分でももし宿泊、滞在が延びれば、それだけでもざっと試算しますと大体114億円ぐらいの経済効果が生まれます。要するに、入り込みの客をふやすことと、なおかつ滞在時間を延ばして日帰りからなるべく宿泊をしていただく。これが鳥取県にとって、まさにこれが実のある効果であると思っておりますので、その入り込みプラス滞在時間を延ばして宿泊に持っていく、そういった仕組みづくりというのをぜひまんが博の中でも実現したいと思っております。
◎藤縄委員長
私から1点。前田委員からも国岡委員からもあったのだけれども、チラシが間に合うかということで、まずチラシですよ。これはいつできるのですか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
何とか1枚物を月末までに仕上げて、来月初めから配布できるような形で仕上げていきたいというふうに思います。
◎藤縄委員長
まだできていないのですか。
●細羽文化観光局長
1枚物ということで、まんが博、マンガサミットの、いつあって、大体こんな内容だというものは既にあります。そういうものはいろいろなところに順次お配りしております。今申し上げましたのは、さらにもっと具体的なまんが博のイベントの中身、そういった具体的なものというのは今説明したとおり現在作成中でございますので、我々のイメージとしましては、情報をだんだん濃くしていく、段階的にどんどんどんどん濃くしながら、それを繰り返し繰り返し情報提供していくということで、このPR効果というものを高めたいと思っています。
◎藤縄委員長
できているわけだ、準備しているということは。それはいつできたのですか。
●寺口まんが王国とっとり推進室長
昨年……。
◎藤縄委員長
黄色いやつでしょう、黄色いやつ。2月11日に東京で子供会の全国大会があった。来年は鳥取県で全国大会をやるのですよ。だから、鳥取県のチラシは何が入っているかと確認した。そうしたら、コンベンションに頼んだと。漫画が入っていないのです。西尾課長、去年できたのがコンベンションに届いていないというのはどんなことですか、これは。準備していると。今コンベンションには届いているのですか。
●西尾観光政策課長
大変申しわけなかったと思います。そのお話はお聞きいたしまして、県内だけでなくて県外のいろいろなところで配布するものについては、当然一大イベントであるまんが博、マンガサミットについて本来コンベンションがきちんとチラシが配っていないといけないところでございました。それがどうもビューローのほうに渡っていなかったということでございますので、御指摘を受けて、すぐお送りしたところでございます。申しわけございませんでした。
◎藤縄委員長
たるんでいるよ。私が持ってきてもらって、私が持っていって、次年度は鳥取だから、参加者と一緒に次年度開催あいさつのところで、みんなでチラシを持ち上げて配りましたよ、参加者に。食いついていましたよ。たるんでいますよ。去年できたのを準備していますなどということで通りますか。だからみんなが心配するのでしょう。いろいろなことが心配になるのです。局長、がむしゃらにやらなければいけない。答弁。
●細羽文化観光局長
多々御指摘の点ございました。本当に我々は反省すべきところはしっかり受けとめまして、きょうを機会に本当にがむしゃらに、このまんが博成功に向けて、まんが王国建国に向けて一生懸命頑張ってまいりますので、ぜひ委員の皆様にも御支援いただきますようお願いいたします。
◎藤縄委員長
それでは、文化観光局につきましては以上で終わります。
執行部を入れかえますので、そろい次第開催させていただきます。
5分休憩します。
午後2時30分 休憩
──────────────
午後2時36分 再開
◎藤縄委員長
再開いたします。
引き続き、企画部に係る付議案の予備調査を行います。
なお、質疑については説明終了後、一括して行っていただきます。
平成24年度当初予算の付議案のうち、私立学校審議会費及び運輸事業振興助成補助金についての説明を求めます。
●今岡教育・学術振興課長
企画部常任委員会資料1ページ、資料1から御説明いたします。
まず、私立学校審議会について御説明いたします。私立学校を設置、廃止したり、設置者を変更する場合には、学校教育法の規定によりまして、都道府県知事の認可を受けなければならないとされておりますが、県がその認可を行うに当たりまして、私学の自主性に配慮しつつ行政の適正を期するため、教育に関する学識経験者の中から委員を任命し、設置し、審議していただいているものでございます。
設置根拠ですが、囲んでおりますけれども、私立学校法第9条でございます。役割といたしましては、一つは知事からの諮問事項に対しまして審議を行い、答申することでありまして、主な審議事項といたしましては、真ん中どころの表にありますような学校の設置、廃止、学科の設置、廃止、設置者の変更など、学校法人関係の設立認可、あるいは解散の認可などでございます。もう一つが第2項にあります私立学校に関する重要事項に関して、知事へ自発的に意見を提出するということでございます。本県ではこれまで建議の実績はございませんが、学校法人や私学助成に対する助成のことなどが考えられるところでございます。
2ページをお願いいたします。この審議会の審議事項に関連いたしまして、学校法人に対します所轄庁の県の権限を表にまとめたものでございます。表の右側にざっと書いておりますけれども、学校の設置に当たりまして、一定の教育水準を確保するための基準、学校設置基準とかですけれども、これに合っているかどうかを確認するというような認可手続、あるいは廃止変更手続などがございます。そういったことで認可を受けました後は、今度左側にございますけれども、学校法人のほうで自主性を尊重されながら、それぞれ建学の精神に基づき、教育事業を自主的に行うと、そういう仕組みになっております。教育活動や経営内容について、県のほうで指示したり命令したりという権限はございません。ただ、一方で、私立学校の学校教育に果たす重要な役割にかんがみまして、教育条件の履行上、負担軽減などで私学助成も一方で行われております。その関係で、不当なことがあった場合には一定の勧告ができるということになっております。また、一番下になりますけれども、法令違反があった場合には、最終的な手段といいますか閉鎖命令や解散命令を出すことができるということがございます。こういった権限行使に当たって審議会がかかわるというものでございます。
3ページ、4ページにつきましては、それぞれ学校教育法、私立学校法、あるいは私学振興助成法の関係部分の諸規定の抜粋でございます。
5ページは参考までに高等学校の設置基準をおつけしております。
6ページをごらんください。先ほどの私学助成に関連しまして、私学助成の考え方ということでちょっと御説明いたします。私学の経費はまず学校法人が負担されるものですけれども、先ほど申し上げましたとおり、学校教育での私学の役割は大きいということがある一方で、人件費ですとか学校設備費というのは相当な財政負担を伴います。ということで、国や地方公共団体からの助成が求められておりますが、上の根拠法令にありますような教育基本法、私立学校法、私学振興助成法の各法令に基づきまして、現在助成が行われているところでございます。
この私学助成につきましては、先日の常任委員会で稲田委員から御指摘がありましたとおり、憲法第89条との関係で争点がございます。憲法第89条では、公の支配に属さない教育事業に対する公金支出を禁止しているということですが、争点としては、一体どの程度の監督なり支配があれば憲法の要求を満たしているのかということになります。厳格に解する説もございます。事業の自主性が失われるほどの強い監督があることをいうのではないかというものもあります。その場合、私学助成は違憲ということになります。ただ、通説ですとか政府の見解におきましては、先ほども説明しましたような学校教育法、私立学校法、私学振興助成法などの規定を総合的に判断すれば公の支配と言えるのではないかということで、政府の見解としては私学助成は是認されているということを御紹介しております。
7ページが現在の鳥取県の私立学校審議会の委員の名簿でございます。
次の8ページが本県の私立学校審議会におきます過去10年程度の具体的な諮問事項でございます。参考にごらんいただければと思います。
次に資料2、9ページでございます。私学助成のお話を申し上げましたけれども、その私学助成の中の現在の最重要課題と申しますのは、やはり耐震化の促進でございます。安全安心な教育環境の整備のために耐震化が重要でありますけれども、現状は全国的に見ても耐震化率が低い状況にございます。設置者負担が原則といいながらも多大な経費負担を伴うということで、国や県の助成策が講じられているところでありまして、下の半分にありますような助成制度、耐震改修大規模修繕、あるいは改築、施設整備費の借り入れに対する補助などがございまして、このたびの当初予算案におきましては、10ページにありますような予算をお願いしておりまして、この耐震化を緊急的に促進するために助成制度の拡充や事業費の計上をお願いしているところでございます。
資料3、これは参考でございますけれども、私学は建学の精神に基づきましてそれぞれが特色のある教育活動を行っているというところでございまして、高校のものを参考におつけしております。建学の精神、どういう学科を設置しているか、どれぐらい募集しているかという資料、12ページにつきましては各私立学校の最近の主な動きということでございまして、スポーツですとか学芸、文芸、あるいは進学実績などでそれぞれ特色ある教育活動をやっておられるという資料でございます。
以下、各高校の学校要覧といいますか概要なり特色をコンパクトにまとめたものをずっとおつけしております。26ページまでおつけしておりまして、あと参考の参考程度なのですけれども、きょうの新聞でたまたま中部の私学3校の関係者の方が座談会をしておりますので、どういった特色ある教育活動を行われようとしているかということの参考ということでお配りしております。
●松田交通政策課長
先日の予備調査におきまして、運輸事業振興助成補助金につきまして、説明資料及び説明させていただいた内容が十分でなかったということをおわび申し上げたいと思います。改めまして説明させていただきたいと思います。
27ページをごらんいただきたいと思います。まず、運輸事業振興助成補助金の制度の概要でございますが、これは昭和51年に税制改正で軽油引取税の税率が引き上げられた際に、バスやトラック等の輸送コストの上昇の抑制等に資するための措置といたしまして、交付金制度が設けられたというものでございます。図をごらんいただきたいと思いますけれども、県は県のバス協会のほうに補助金を交付させていただきまして、県のバス協会はそれをもとにバスの利用促進等に関する事業を行いますし、あわせて日本バス協会のほうに出捐を行っていると。日本バス協会は、各県からの出捐金等をもとにいたしまして、全国的なバスの利用促進の事業でありますとか広報関係の事業、あるいはバス購入等に必要な資金借り入れに係る利子補給等の事業を実施しているという状況でございます。県の補助金に要する経費につきましては、普通交付税の基準財政需要額に算入されているというところでございます。
図の下のところで制度の根拠でございますが、交付金制度は当初は自治事務次官通知等によりまして、いわゆる国の通達を根拠として始めたわけなのですけれども、これが平成23年、昨年の8月に法律が制定をされまして、その法律で県は運輸事業振興助成交付金を県バス協会のほうに、表現としては「交付するよう努めなければならない」ということでされております。
実際に、県の運輸事業振興助成補助金の算定でございますが、従来は国のほうが定めております基準額という形でやっておりました。その基準につきまして、現在は法律ができまして、施行規則に記載されておりまして、またその出捐についても自動車局長名で出捐の率等も通知はされているというところでございますが、従来は基準額をそのまま補助金として交付してきたわけなのですが、平成16年から、やはり必要な事業を精査した上で計上することが適当だということで、そういう方式に見直しまして、安全運行の確保でありますとかバスの施設整備、利用促進に関する事業に必要な経費を補助金として交付しているというところでございまして、例えば、22年度実績の数字ですけれども、国の算定方法で計算をいたします基準額というのは約1,500万円ぐらいになるのですが、県の補助額は1,280万円ほどになっておりまして、出捐においても率的には20%低い率ということになっております。
次にはぐっていただきまして、28ページをごらんいただきたいと思いますが、実際に出捐がどういうふうに使われているかというところでございます。過去10年の数字を整理したのですけれども、平成13年度から22年度までの10年間におきまして、県のバス協会が出したやつを合計しますと大体3,000万円ぐらいになります。この期間におきまして、日本バス協会のほうから、そこに記載してございますが、補助金でありますとか広報事業や、あるいは借入金に係る利子補給という形で、これをトータルしますと10年間で約2,500万円ぐらいの経費になりますけれども、その助成が鳥取県のほうには来ておると。さらにそれに加えまして、バスの利用促進でありますとか交通安全に係るような啓発用のポスターでありますとかパンフレット等の広報ツール等を毎年日本バス協会のほうから提供を受けているというような状況になっておるところでございます。その辺もトータルしますと、大体出捐した額に見合うぐらいの利益というのが鳥取県のほうにも来ているというふうに考えております。
その次からの資料でございますが、29ページ、資料1でございますが、これが昨年の8月に成立いたしました運輸事業の振興の助成に関する法律でございます。そこに「当該事業の振興を助成するための交付金を交付するよう努めなければならない。」というような記載がございます。また、「交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとする。」というようなことも法律のほうに明記されておるところでございます。
その次の30ページ、31ページは、政令及び規則をつけておりますが、法律に基づきまして具体の対象事業、算定の基準というものが示されておるところでございます。
続きまして、32ページでございます。日本バス協会がどんな出捐を受けてどんな事業をやっているのかというところでございますが、ちょっと古い資料で大変恐縮でございますが、利子補給事業であるとか、バスの輸送改善、先ほど御説明いたしましたが助成であるとか、補助みたいな形の事業をやっていると。具体的に、23年度の事業内容を記載したものが33ページでございます。ICカードなどの導入などを対象としたバスの利用者施設等の整備事業でありますとか、人と環境にやさしいバス普及事業として、ハイブリッドバスでありますとか、あるいは人にやさしいバスということで低床バスとか、そういうようなものの購入の助成といったようなこと。それから安全・環境対策事業ということで、エコドライブ管理システム等を対象とした補助。それから地方路線バス助成事業ということで、地方路線バスとして使用する中古車の購入の補助。それから(5)番は利用促進の広報とかイベント事業というようなこと。一番下のほうに融資あっせん・利子補給ということで、バスの車両等を購入する際の利子補給というような形の事業でございます。
34ページですが、出捐金に係る部分については特別会計で処理されております。その収支を記載させていただいております。収入が、支出も8億円ですが、出捐金や基金の資産運用利益とか資産の一部取り崩しもやっていますけれども、そういうのを財源といたしまして、先ほど御説明いたしました事業、それから管理費も一部入っておりますが、この事業を行う上での管理費が支出の内容でございます。
次に35ページでございますが、出捐金とは別に鳥取県のバス協会が直接行う事業、ここ3年間ですけれどもやってきた事業でございまして、こういう安全対策、事故防止、それからバスターミナルやバス停等の整備運営、それから利用促進等の事業というような形で、これはそれぞれ内容を精査させていただいて予算を計上させていただいているというところでございます。
36ページ以降は、これまでの経緯でありますとか法律の成立の経緯、それから法律概要とか衆議院、参議院の質疑等の資料、総務省が作成したものを参考につけさせていただいております。
◎藤縄委員長
それでは、質疑はございますでしょうか。
○稲田委員
まず、私学助成から。私もこの法制局長官の有権解釈は何回も目にしています。私が問題にしたのは、やはりそのことがここに登場してくるのだけれども、3ページ、私立学校法6条、教育の調査の報告書を求めるというところがあるのです。この教育の内容は一体何なのか、ここに一つ大きな問題。私は私学助成をすることが反対だと言っているわけではない。それは今日まで通説判例になって認められてきているから、私学助成は当然すべき話に今日は定着しておるわけですが、ただ、それにしても気をつけなければならないのは、こういうところに細かい部分があるということを前回の常任委員会でも言ったわけです。
例えば、ちょうどそこのところを拾い出してくれているから大変いいと思ったのだけれども、私立学校法の第6条です。何のためにこの報告書を出させるのかということなのです。普通は、要するに私学助成をするわけだから、私学の主に経営にかかわるところに助成金を出す、ただし教育には口を出さない、教学には。要するに、教学権と経営権と分けて、教学には口は出さないということで今日までずっと私学助成というのは流れてきているわけですね。この教育とは一体何なのだろう。聞きたい。
●今岡教育・学術振興課長
この教育の調査、統計その他というものでございますけれども……。
○稲田委員
統計はわかる。
●今岡教育・学術振興課長
教育課程や教材や設備のことなど教育に関するもの、あるいは学校経営の収入支出の状況など、状況報告というようなことかと思っております。
○稲田委員
今課長が言いたいのは、教育そのものの本体ではなくて、それの周辺にあるところの教材であるとか環境だとかそういったようなものをということだろうけれども、私が前回の常任委員会でも申し上げたとおり、やはりこの私学振興、私学助成という問題については、いわゆる公の支配ということができるだけ私学に及ばないように気を使う必要があるわけです。それで、多分この私立学校法の教育もそういったようなものだろうと思います。まさか、よもやこれが本体になっているとは思わない。本体になっておったら違憲だ。憲法にまさに反することになるわけだから、こういったところで、細かいところにやはり気を使っていく必要があるのだということを私としては申し上げたかったわけです。これを調べておいてみてください。
●今岡企画部参事監
これはできる規定でございますので、これまで具体的に県のほうから直接報告を求めたケースは最近ではございませんで、私どもといたしましては、もともと県知事が許可する行為がたくさんございます。例えば施設基準とかございます。そこで学校の面積を欠くとか、そういったような施設基準を仮に満たさないというような状況が例えば何らかのことでわかった場合、きちんと報告を求めるというような趣旨というふうに解釈しておりまして……。
○稲田委員
この教育の調査をですか。
●今岡企画部参事監
基本的には許可できる県知事の権限ですね、その範囲内でしか求めることができないのではないかというふうに思っております。
○稲田委員
参事監、知事がいわゆる所轄庁として許可や取り消しを行うということは、これはあくまでも形式的な審査ですよ。書面で上がってきて、形式的にそれを見て、そしてその形式の要件を満たし、外形的にそういう形がきちんと整っておれば、例えば許可をする場合には許可を出さなければならないのです。それを実質的に調査することはできないはずなのだ。
だから、この教育というのはそういう形式的なものではなくて、今の課長が言ったものに近いものかなと私は思うのだけれども、こういう言葉が使われて、とかくこれが教学の意味にとられるととんでもないことになるわけで、だから、申しわけないけれども紙切れだけでいいですから、私立学校法の教育の調査、この部分だけ。統計のことなどは当然のことなのだから、教育の調査というところについて、どういう有権的な解釈になっているのかということを知りたいと思います。
それで、全体の流れとしては、私学助成や私学振興助成法等について私が物申しておるわけでは決してないわけで、ただ、内閣法制局長官の答弁の有権解釈についても、さっきちらっと説明があったけれども、厳格解釈と非常に緩和をした解釈とあるわけで、学説が対立しているわけです。だから、その中でこの法制局長官の有権解釈というのが多分これが一つの将来的な指針になるだろうし、私立学校法の逐条解説にもこれが載っています。だから、これはこれでよく理解ができておりますけれども、やはり私学に助成をするということについて、私が重ねてもう一回申し上げたいことは、やはり県としては慎重であらねばならない。そして、鳥取県のことだから、多分金を出したから口も出すよというので口を出しているわけでもないと思うのです。だから、そのこともよく承知はしております。これは監査委員のときに私何校かの私学に行ったときにもそのことはちらちらと聞いてはきました。だからそれはよくわかっていますけれども、ここの部分だけがどうしても私は腑に落ちない部分で、一回そこの部分だけ教えてください。
松田課長、日本バス協会への出捐です。私がなぜそのことを気にしたかというと、くせ者があるのですよ。27ページのお金の流れのところを見てください。都道府県が各都道府県のバス協会に補助金を交付するよね。そしてそこで、今度はさらに各都道府県のバス協会が出捐をして、日本バス協会にさらに出捐をするという流れになっているわけでしょう。それで、いわゆる一番最初にもらったこの説明書ですよ、議案の説明書を見ると、日本バス協会への出捐となっているわけです。都道府県から各都道府県のバス協会を飛んで――こっちは流れが一つかんでいるのだから、都道府県のバス協会が。補助金が出て出捐しているわけでしょう。いわゆる予算の説明資料では、事業内容として日本バス協会へ出捐しているから、都道府県は直接日本バス協会に出捐しているように出ているわけです。何だということなのですよ、これは。
●今岡企画部参事監
稲田委員の御指摘のございました教育の調査の意味合いにつきましては、また調べまして委員のところに報告に行きたいと思います。
また、私学の運営に当たりまして、その独自性の確保については十二分に注意してやっていきたいと思います。
●松田交通政策課長
申しわけございませんでした。議案説明資料で見たところ、ちょっと説明が不十分でございまして、これはあくまでも補助全体額は県のバス協会に対する補助でございまして、いわゆる全国的な取り組みの日本バス協会が行う事業の財源とするために、出捐というのを県のバス協会がこの補助金を受けて、その中から出しているということでございます。申しわけございません。
○稲田委員
わかった。そこをきちんとあらわしておいたほうがいいと思う。
●松田交通政策課長
申しわけございませんでした。
○前田委員
今の全体事業費の20%というのはどこで決まっているのか。
●松田交通政策課長
資料の27ページに記載しておりますけれども、2の(1)のところでありますけれども、法律で基準額とか対象事業は定められておるのですが、それとは別に、国交省の自動車局長名で20%相当額を確保するようにというような通知は出ております。
○前田委員
20%という通知文があるわけか。(稲田委員「それならこれは局長名の通達か。省令ではないわけか」と呼ぶ)
●松田交通政策課長
違います、通達です。
○前田委員
横道にそれるけれども、今議会基本条例をつくっているのだ。こういう予算のときに、全般に張ってほしいのだ。わからないのだ。だからこんな会議をしないといけない。ここに法律と通達をぱんと張ってもらえばわかるのだけれども、言わないと説明してもらえない。だから目を光らせておかないといけないとなってしまうので、今基本条例の中で言っているところです。予算にはすべて法令をつけてくれということを思います。
もう一つは8ページの私立学校審議会。これはまさに形骸化しています。本来は違うのでしょう。知事に建議ができるのでしょう。一回も建議はない。私立学校の経営状況は厳しい。何で建議がないのですか。
●今岡企画部参事監
法律のほうで審議すべき事項が定められておりまして、まずそれをやっております。建議については、審議会のほうで特段そういった意見もございませんで、これまでのところ実績はございません。
○前田委員
わかりました。ライバルですから、競争相手ですから、少子化で、高等学校をこれぐらいにしようということがなかなかできないにしろ、現実子供たちが減って学校経営が苦しくなるまでじっとしているのだろうか、一般的に。どうなのだ。
●今岡企画部参事監
できるだけ魅力ある学校づくりをするために、必要な御意見を述べてもらうということも重要だと思います。ただ一方で、自主性という問題がございまして、このメンバーの皆さん自体が私学の高校の方であるとか幼稚園の方であるとか関係者の方でございまして、まずはその自主性ということから言うと、委員の皆さんからそういった発議をしていただくということになるかと思いますので、そこの辺につきましては、議会のほうからそういうふうな御意見があったことを審議会のほうに私どものほうから意見を述べさせていただいて、そういったことの必要についても議論させていただきたいというふうに思います。
○稲田委員
関連です。今前田委員が形骸化していると言ったでしょう。これは知事の諮問機関ですね。にもかかわらず、さっき私が言ったように、まさに許認可だけだ、取り扱っているのは。これはわざわざ諮問するまでもなく、いわゆる許認可は形式的な要件を整えさえすればそれは受理しなければならない。違うか。
●髙橋企画部長
この審議の状況を見て形骸化という御指摘をいただいたのですけれども、建議の部分をやっていなかったという部分についてはそこをどうしていくかという課題はあるかと思いますので、今岡参事監が申しましたように、審議会のほうにも委員会での御議論をお伝えし、議論していただこうとは思いますが、ただ、1ページの一番下のところを見ていただきたいのですけれども、私学の法体系、稲田委員から御指摘のあったように非常に微妙なところで成立をしておりまして、基本的にはやはり建学の精神を重んじて自主性を尊重するというのがベースなのだけれども、助成をする関係で、公金を入れているので一定の監督を働かせるみたいな、一定の監督を働かせるがために、法上いろいろな許認可の手続があります。学校の設置のときもそうですし、例えば収容定員100人と聞いていたのに、例えば500人いて、非常に教育環境が悪くなっているような場合には、是正をかけるようなそういう命令とか、そういう権限もございまして、しかしながら、その権限を行政庁がそのまま行使しては建学の自由、自主精神との関係で問題があるということで、この私学審議会という仕組みが法制度上できているということがございますので、審議会でいろいろな許認可について御審議をいただいているというところは、これはまさに法律が意図している一番の、ある意味公平性を期すためのスキームという部分がありますので、そこは御理解を賜れればというふうに思っております。
○稲田委員
結局13条だよね、13条に審議会を含む、置かなければならないようになっているわけだから、置いて、そして許認可を一応審査して、形式的に一応要件が整っておればそれで通すと、それだけの役だから、本来このところに建議を行うという建議というところにも、本当はみそがあると思うのです。本来、これを働かせてこれを機能させて、いろいろやはり私学のことを調べてみるということは必要なことで、私は今ここで本当はそのことを言っていいかどうかわからないけれども、おととし北斗高校でやはり教育問題について、クラブ活動について問題がありまして、その相談を受けました。そのときにたしか私学の担当の室長か課長かを呼んだと思います。どうだという話をしたら、それについて全く関心も示さないという態度だったから、私が怒ったのですよ。そんなことでどうするのだという話をしたわけです。だけれども、いわゆる私学振興ということについてはやはり憲法のある程度の歯どめもあるから、慎重に行わなければならない。だから、県が余り私学について云々かんぬんということは言えない、干渉することはできないということはわかるのだけれども、それにしても余りにも関心のなさに驚いたという部分があるのです。それは、明けておととしくらいだと思うから、調べてみてもらったらわかると思います。それは県の体協とのかかわりも大いにあって、事柄はクラブ活動だけれども、本当に私学の教育のあり方についての根本になるような話でした。だから神経質になる。いわゆる私立学校に関する重要事項について建議を行うのなら、そういうところもこの私学審議会のメンバーの人に見てもらいたい。ということを申し添えておきます。
○前田委員
この審議会の事務局はどこがやっているのですか。
●今岡企画部参事監
教育・学術振興課のほうで事務局をしています。
○前田委員
そうすれば、資料などつくれるのですね。中身に入れないから、客観的データはつくれるのだ。ぜひとももうちょっと深い議論をしてもらったらどうですか。
●今岡企画部参事監
毎年開いている審議会におきましては、各学校の定数の状況でありますとか成果でありますとか、それから私どもの今回の新たな予算の状況、こういったものは当然情報提供という形で委員の皆様には御説明させていただいておりまして、そういう意味での自由な意見交換というのはしておりますけれども、建議というようなことを過去やっておりませんで、先ほど来申し上げましたように、議会のほうからそういった意見があったことは、次の審議会のほうでぜひ報告させていただいて検討していただくようにお願いしたいと思います。
○前田委員
わかりました。活発な審議会にしていただきたいと思います。
◎藤縄委員長
そのほか。よろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
それでは、意見が尽きましたので、企画部につきましては以上で終わります。
執行部入れかえのため、5分間の休憩をとりますので、3時20分から再開いたします。
午後3時15分 休憩
───────────────
午後3時21分 再開
◎藤縄委員長
再開いたします。
引き続き、県土整備部に係る付議案の予備調査を行います。
なお、質疑については、説明終了後行っていただきます。
平成24年度当初予算案の付議案のうち、みなとさかい交流館外壁改修工事についての説明を求めます。
●森下空港港湾課長
県土整備部資料の1ページをごらんいただきたいと思います。みなとさかい交流館の建設経緯等について記載しております。まず、みなとさかい交流館は、平成2年から8年に実施されました境港市の弥生地区の再開発に伴いまして、地域のランドマークということで計画されたものでございます。平成6年度に基本設計、平成7年度に実施設計を行いました。平成8年度に新築工事ということで本体工事、設備工事等を行っております。9年7月1日より開館したところでございます。しかしながら、9年度になりまして雨漏りが少し発生したということで、施工業者による修繕を12年度にかけて行っております。御存じのように、12年10月6日に西部地震が発生いたしました。それに伴いまして、13年度に大規模修繕ということで、大がかりな建物の修繕を行っております。それから、通常の修繕に伴いまして、15、16年度も雨漏り等の修繕を管理組合が行っております。17年度において大規模修繕ということで工事を行っております。引き続き、通常修繕に伴って18年度から22年度にかけて修繕も行っております。要求書にあります22年度に雨漏りの抜本的な改善をするということで、手法の調査を実施しております。23年度に実施設計ということで今回の改修に至っております。23年度につきましては、小修繕もあるのですが、台風の影響があるということで緊急修繕ということで大きな修繕工事を行っております。
2ページ、3ページにその詳細ということで、それぞれ建設、あるいは補修という整理で掲示させていただいております。
●長谷川総務部参事監
4ページでございますけれども、今回の改修工事でございますけれども、今年度実施設計を行っております。それに先立ちまして、先ほど話がありましたけれども、平成22年度に鳥取県建築士事務所協会に最適改善手法業務ということで委託をしております。そのときに、学識経験者を含めて委員会を立ち上げて検討していただいております。メンバーとしましては、委員長に建築施工に詳しい米子高専の玉井教授、副委員長に鳥取県建築士事務所協会の山下会長、現地調査班長に清水西部支部長になっていただいております。また、委員として西部地区のA級のほとんどの設計事務所に加わっていただきまして、桑本総合設計、平設計等でございますけれども、どの設計事務所も所長みずから出席いただきました。また、当初の施工者の戸田建設、美保テクノスにも協力いただいております。都合10回以上の会議を開催しましたけれども、もちろん、県も営繕課、また現地の西部総合事務所建築住宅課も毎回加わっております。
現地調査の結果ですけれども、この建物は外壁パネル等の間に止水材として使用していますシーリング材の施工箇所が余りにも多いため、ガラス部分を別にしましても、パネル管のみで約1万1,000メートルぐらいあります。シーリング材の劣化やシーリング切れに伴いまして、外部の至るところで雨水が浸入する可能性が高いということを確認しました。また、形状が非常に複雑なものでして、雨水が外部のどの部分から浸入して、どのような建築部材を通じて室内に浸入していくかという浸入経路を特定することも非常に困難でございました。
この現地の調査結果を踏まえまして、委員会におきまして抜本的に改善する方法を検討しましたけれども、止水をシーリング材に頼らなくて、建物全体を実績のある金属製の屋根材料で覆う方法を提案してこられました。これは、直接的な漏水の原因として、シーリング材の経年劣化のほかに、この建物が鉄骨造でありまして、揺れやすいということや多種多様な石材料のとりあいが多いということで、熱膨張率の違い等もございまして、また海に近いということや北風が強いということで、シーリング材にとって過酷な条件が多いことから、防水機能をシーリング材に頼らないで他の工法で確保しようということでございます。
実施設計を今行っていますけれども、この提案を基本的な改修方針として設計を進めておりまして、委員だった足立収平所長の平設計で実施設計を進めております。実施設計を進めるに当たりまして、委員長を務めていただきました米子高専の玉井教授、調査班長として方向をおまとめいただいた清水西部支部長にも止水性とか経済性とか施工性の観点から設計内容の審査、また御意見をいただきながら設計を進めているところでございます。
今回の改修の基本的な考え方は、耐候性にすぐれたガルバリウム鋼板というもので建物を覆うとしているものでございます。ガルバリウム鋼板自体は一般的な屋根材として実績を有しておりまして、腐食にも強いもので、耐用年数もシーリング材よりはるかに長く、またその止水に関する製品仕様もすぐれております。ただし、建築材料として定期的なメンテナンスは必要でございまして、メンテナンスフリーというわけではございません。
先ほど言いました資料4でございますけれども、この資料で説明させていただきます。中ほどの現況写真というものがございましたけれども、この建物は写真のように、この写真は押出成形セメント板という大きな板なのですけれども、その成形板で外壁を覆っているのですけれども、その間をシーリング材で止水しております。セメント板だけではなくて、部分的にはアルミパネルで覆っているところもございますけれども、曲面のようなところでございますけれども、それも原則的にはシーリング材で止水をしております。一番下の改修屋根形状で、右の写真がちょっとわかりにくいのですけれども、屋根材の形状そのものは大体有効幅が45センチぐらいでして、それを溝のようなドレンガイドというものをまず壁にとめまして、それにアルミ、その材料をとめるというようなことになっております。
一番上の目地の部分、一番雨漏りのしやすい目地の部分の説明でございますけれども、左側が現況でございます。これはアルミパネルの接合部分を示しておりますけれども、パネルとパネルをとめまして、その間のあいたところにシーリング材を打つということになっております。先ほど申しましたように、経年劣化や、それから建物が揺れたりとかというようなことによりまして、シーリング材が切れますと、そこから雨が入ってすぐ内側に入ってくるという仕様でございます。
今回、改修案として考えております屋根材ですけれども、まず、一番下に屋根下ぶき防水材と言っておりますけれども、アスファルトルーフィング等の防水材を敷きまして、それに先ほど言いました溝のようなドレンガイドというものを取りつけます。それに45センチぐらいの屋根形状の屋根材をはめ込みまして、その上にふたをするということです。ですから、止水的にはまずふたでとめまして、ふたのところの間から入ってきたのはドレンガイドというものに入りまして、そこでたまって外に出すと。大体そこでとまると思うのですけれども、それでもなおかつ漏れたものは屋根下地ぶき防止材、ゴムアスファルトルーフィングみたいなところでまたとめるということで、三重の止水策になっております。これはアルミパネルでございますけれども、石綿板の場合は石綿板にそのままとめられますので、今のセメント板の上にこの屋根材を敷くというような工法をとっております。
簡単ですけれども、今回の改修工事の概略を説明させていただきました。
◎藤縄委員長
質疑等ございましたら。
○興治委員
新しい方法でシーリング材を使わないのですね。それで三重の防水の仕組みになっているというお話でした。これを使って、実績としてはどうなのでしょう、その辺は把握しておられないのでしょうか。
●長谷川総務部参事監
この屋根材そのものは一般的に最近かなり普及している工法でございまして、壁材というより屋根材ですので、かなり性能のあるものです。あと、屋根の場合は勾配が緩い場合は結構水がたまったときには腐食する、メンテナンスをしなければいけないということはありますけれども、製品的にはかなり実績のあるものでございます。
○興治委員
既存のアルミ材の部分は一応撤去するわけですね。改めてここをアルミ材で覆うと。
●長谷川総務部参事監
ガルバリウム鋼板ですけれども。
○興治委員
恐らく熱で伸縮するのだろうと思うのです。このシーリングのところも結局熱で伸縮するので、このシーリング材が劣化するというような話もあったと思うのですけれども、要するに伸縮には大丈夫な構造なのですか。
●長谷川総務部参事監
先ほど言いましたように、屋根に使う工法ですので、屋根そのものはかなり熱くなりますので、それを全体的に覆うことになりますので、いろいろな材料を使うということではありませんので、熱による膨張に対する対策とかそういうことは工法的には十分考えてあると思います。屋根は物すごく熱くなりますので、その辺は大丈夫だと思います。このドレンガイドなどがありますこの工法そのものがそういうところに対応するような、止水だけでなくて、そういうことではないかと思います。
○藤井委員
この予算にかかわる新しい設計は、当初設計された会社、設計者がやっているわけですか。
●長谷川総務部参事監
いいえ、先ほど言いましたように検討委員会をつくりまして、それで実施設計は入札を行いまして、その委員であります足立収平さんという、平設計というのがあるのですけれども、そこでやっていただいております。
○藤井委員
デザインは一切変えないで、そして問題点を補強していくという。そして設計は別の方がやると、こういうことで5億円かかるという積算ができたと。
●長谷川総務部参事監
当初、あそこはランドマークということで形を変えないようにということで改修をしてきたのですけれども、今回の検討会のときは、コストはかなり高くなったのですけれども、最終的にその判断がどうなるかは別にして、形そのものを維持するということは考えずに考えてくださいという話はしまして、ちょっと出っ張ったところを取ろうという案もあったのですけれども、よく調べますと、張りぼてみたいにぽっとつけてあるだけでなくて、中に構造部材のメーンの構造がありまして、それを取るということになるとかなり構造そのものが危なくなるので、それはやめようという結論に至って、形そのものはそんなに変わっていないということになりました。
○藤井委員
お二方と意見は違うかもしれませんけれども、私は米子東病院という安藤忠雄さんが設計した建物にかかわっているものですから、あそこも海が非常に近くて、そして建物の形状が非常にモダンといいますか、ユニークなものですから、こういったたぐいの問題を常に抱えているわけです。ついつい形状をつつかないで、もとの設計者の意図を尊重しながら修繕改修していくということにならざるを得ないし、したいわけです。そうすると、かなりコストがかかっていく。ここはそういう方針でいくとそうならざるを得ないのだけれども、一方では、やはりそこの流れを切ってしまって新たな発想で向かうということが可能なら、もっと長もちをし、そしてもっと経費も安く上げるという方法もあるので、その選択をどうするかというところが大きな問題ではないかという気がするのですけれども、そのあたりはどういう発想をされたのでしょう。
●長谷川総務部参事監
先ほど言いましたように、外観とかその辺はこだわらずにいこうということで、その辺はデザインのそういう意匠権みたいな話もあったのですけれども、そこは今のところはそう問題ないということがありまして、変えることには余りこだわっておりませんで、もうちょっと大胆に単純にしようということもありましたけれども、実際それをちょっとはじきましたら、かえってそちらのほうが高くつくという結論になりまして、例えば上のほうを切ってしまって屋根をかけようというような提案もあったのですけれども、少なくとも検討委員会のときにはそちらのほうがコストがかかるという結論になりまして、今のような、今も安いというわけではないのですけれども、かなりかかっているのですけれども、そういう結論になったのです。
○藤井委員
もう終わりますけれども、要するに、ランドマークというものがあるわけですね。このテーマというものと、そして今後の将来を考えて、できるだけ強固なものをつくろうと、デザインをどうしようかと、そういう中でいろいろ悩まれたのであろうと思うので、その辺をきちんとはっきりさせて、何を主題にして予算をつくられたかということの説明をきちんとされないと、やはりいろいろな疑義が出てくるのではないかということを感じましたので、そのことだけ申し上げておきます。
○稲田委員
この前から引き続いて少し説明を求めたいと思いますけれども、さっきの課長の説明で、13年と17年については雨漏り修繕。それで、18年は通常の修繕。それで23年は緊急の修繕とこうなっている。通常の修繕と緊急の修繕というのは何ですか。まずそこからちょっと聞きたい。
●森下空港港湾課長
まず、13年と17年、あるいは23年は大規模な修繕ということで、具体的には2ページに分けておりますけれども、中段にかぎ括弧で〈補修(雨漏り)関係〉ということで、費用的にもかなりかかっています。それを大規模修繕というふうな表現をさせていただきました。
それと、通常修繕という言い方は、少額でほんの局部的に雨漏りをしているようなところを直した箇所をそういう表現をさせていただきました。
○稲田委員
もう1点聞きたかったのが、長谷川参事監、今の説明では、後で私の考えは言いますけれども、非常に複雑な構造なのだけれども、この出っ張りやら複雑な接合部などをばさばさとそぎ落として単純なものにするほうが修理には、要するに、単純に言えば上にをばさっと屋根がけしてしまうほうが金がかかるということですか。
●長谷川総務部参事監
屋根を全体にかけようという話はかなりかかるという結論になりましたし、あと先ほど言いましたように、上のほうに三角や丸のものがあるのですけれども、あれを外してしまったらという話がありまして、先ほど言いましたように、あの三角とか丸の一部分は上に出ておるところは外せるのですけれども、下のほうは本体の大きなはりとか柱と一体になっていまして、その大きな柱やはりを取るということはちょっと難しいので、そうすると、上のちょこっとしたところぐらいを取っても防水の話も余りメリットもないし、お金もかかるし、あれが全部取れるのなら言われるようにすっきりした形になってメンテナンスも楽だとは思うのですけれども、それがちょっと構造的にできないという結論になったのです。技術ですから、やろうと思ったらできないことはないのですけれども、メーンのはりとかを切断して形を直すということは現実的にはちょっと難しいのではないかと。
○前田委員
ちょん切るだけだから。はりなど直さなくてもいいのだ、荷重が楽になるのだから。
●長谷川総務部参事監
三角の塔がありますけれども、その上のほうはぽんと取れるのですけれども、斜めのところのここまでは取れるのですけれども、この下のところにメーンな構造が来てまして、そうすると、ここの上だけ取っても意味があるかなという結論になったのです。
○稲田委員
これはそういった形で大改修をするか、もとからこれをつぶしてやり直すか、3つぐらいしか道はないと思っていますよ。この形を、ランドマークの形を残すということは、足立収平さんも多分こだわらないと思うけれども、私はもうこだわる必要はないと思う。私はこの前も、ちょうど長谷川参事監はいらっしゃらなかったからあれだったけれども、私が言ったのは、こんな複雑な、そして建ててから4年ほどたったらもう雨漏りがするというような、こういう建物というのはやはりどこかに瑕疵があるのです。傷がある。その傷はどこにあるかというと、外装材のメンテナンス改修計画というのも見せてもらったのですが、それも読んでみて思うことは、非常に構造上複雑になっているわけです。複雑になって奇抜で、当然そういうものは雨漏りが起こるだろうなということは素人目に見てもそう思います。
それで、例えば潮風で腐食があったとか何とかというのは、それは理由にはならない。これはもともとそういう場所に建てているわけだから、それについては潮風や塩水が飛んでくるなら、飛んできたときの対応策を建築のときに本当は考えておくべきものであって、私はそういう意味で、建築設計者の設計工事等についてやはり瑕疵ありと見なければならないように思っています。ただ、それを何年もたってから今瑕疵担保責任を問えるかということになると、それもまた問題なのです。それで、本当に構造そのものが雨漏りとの関連性が、果たして傷に当たるのかどうか、法的な瑕疵に当たるのかどうかということだって、その辺は弁護士もよくそういうふうになれば相談をしてみる必要があるとは思うのですけれども、難しい問題があって、設計者に対して瑕疵担保責任を問うということも恐らくは無理だろうと思えば、今言われた工法しか、一番安くて効果的でということになれば、それしかないかなと思うのだけれども、本当にそれで雨漏りがとまるのだろうかと思うわけです。本当は、きのうかおとつい前田委員と話したのは、もっと単純にしよう、複雑怪奇な奇抜な建物を単純にしようという相談をしたのです。だけれども、はりやいわゆる基本構造とかかわりがあるから、これは簡単には単純にならない。上だけ切っても結局下の部分は残るわけでしょう、基礎構造にかかわる部分については。しかももう一つこれがシーリング材を使っているというのは、いわゆる鉄骨下地によって取りつけがなされているから動くわけですね。だから、その部分だって本当にそれが将来的にそういうぐあいにしてもなお、やはりまた揺れに対する影響が出てきて、またひび割れやすき間が出てくるというようなことも起こらないとも言えないわけでしょう。
だから、私は何度かメンテナンスを読んでみても、その中が本当におもしろい、いや洗ってくださいだ、美観がどうだとか、改めて長谷川参事監が来られたから言うのだけれども、当然メンテをやって修繕やって改修やって、それでもなおやはり雨漏りが起こったり、ゆがんだり、汚れたり、腐食をしたりというのがありますよということを設計者も言っているわけですよ。そういう不確定な要素があって、メンテ、改修というものが将来的に――どの家だって建てたら100年大丈夫だなどという家は我々の家でもないわけです。だけれども、建てた当初から既にもうこれはそういうさまざまな不確実性があって、汚れや劣化や傷みや腐食について、そうなりますよなどというようなことを言っていること自体が、何か一見外装材のメンテナンス改修計画というのはおもしろそうで、きのうはおもしろかったけれども、きょうはだんだん腹が立ってきた、それを思い出すと。そういう感じがしますよ。
だから、修理だってばかにならない金額ですよ。(「40億円使っている」と呼ぶ者あり)
○前田委員
建てたのが25億円で、修理費に40億円だ。
関連で、長谷川参事監、検討委員会になぜ高松伸事務所を入れなかったのか。
●長谷川総務部参事監
高松伸のところはデザイン的にはかなり評価がいいところと悪いところもあるのですけれども、評価は世界的にもされておりますし、あれなのですけれども、先ほども話が出ていましたけれども、私も会合で一遍出会ったことがあるのですけれども、直接話をしたのではないのですけれども、やはり言われるのは適正にメンテナンスしてくださいぐらいしか言われませんので、漏水に関する知見を高松伸の事務所からいただけるという――道義的な責任は別にして、今回新たに抜本的に見直そうというときに高松伸に漏水の技術的な知見をいただくということは必要ないのではないかという判断で、話がかえってデザインのこととか出てくるので、当時の施工業者には来ていただきましたけれども。
○前田委員
わかった。私は、高松伸に修復の設計までしろとは言わない。全然期待していないのだ。謝罪してほしい。こんなものをつくったと。瑕疵担保があるかないかは別として(「そうだ」と呼ぶ者あり)その反省がなしにいいのですかと。法律的には確かに難しいと思う。ただ、一言ぐらい。こんな奇抜なものをしろと言ったことはないのだから。ランドマークぐらいは言ったかもわからないけれども、こんなでこぼこでこぼこ、こんなものをしろと言った者はいない、恐らく。どうですか、なぜ呼ばなかったのですか。
●長谷川総務部参事監
道義的な話だと思いますけれども、当時どういう過程でなったかというのは私もよくわからないのですけれども、高松伸さんそのものは、植田正治写真美術館とかシンフォニーガーデンとか、ああいうRCの建物は結構古典主義的な建物をされるのですけれども、名前が出たときに織陣とかARKとか、機関車のような建物とかああいう建物が当初から得意でして、そこのところはどう判断していいかというのは、ちょっと。ただ、高松伸さんそのものはああいう作品をつくる建築家ではあります。それはよく知られているところです。だから、県も意外だったというような話ではないのではないかと思うのですけれども。私の私見ですけれども。
○稲田委員
多分、いわゆる外装材のメンテナンスと改修計画の中に高松さんが書いているのは、将来修復するようになっての話ですよ。美観については原形か、好ましき変容かというのは考えてみなければならないなどということをこの計画書の中に書いているわけです。だから、前田委員は入れたほうがいいという案かもしれないけれども、私は入れてみても彼はそんなことを言うだろうと思う。好ましき変容かみたいな、変形かみたいなことを言うだけであって、だけれども非常に腹立たしくて、今の前田委員ではないけれども、私はやはり謝罪をしてもらいたいなという気持ちだ。これは、この前の常任委員会の冒頭にも言って、重ねて言うようだけれども、米子の人間も境港に行ってみて、最初から何だこれはという話はしていたのだ。境港の人もしていたのだから。あんな複雑なものをこしらえてということは言っていたわけです。だから、これを選んだのだからどうしようもないと言えばどうしようもないし、現実建ったのだから、何かいい方法を考えよう。
○前田委員
管理組合の上の3階のサウナは取れないのか。あそこをつぶせば何とかならないか。
●長谷川総務部参事監
先ほどのメーンのはりを落とすとか、3階を落とすとか、それは今の世の中ですので、休館をして技術的に取り組むということはお金に糸目をつけなければ、技術的にできるかできないかと言われたら検討はできるとは思うのですけれども、そこが現実的におさまるかどうかというのは、どちらかというとかなり金がかかるのではないかと思うのですけれども。
○前田委員
これだって複雑だ、この修復工事も。ジョイントで工事をしていくのでしょう。将来大丈夫か。また10年後に5億円か。
●長谷川総務部参事監
先ほど言いましたように、工法そのものは今してある工法と比べてかなり止水対策は進んでいますので、さっきから出ておりますように、形の複雑なところのとり合いとかそういうところは、例えば斜めに出ているようなところもありますので、その辺はかなり配慮して設計はしてもらっているのですけれども、形的な意味で平らなものよりは弱点が多いことにはなるとは思います。
○興治委員
さっき参事監は、改修したものについてもメンテナンスが必要と言われたのですね。それはどういうメンテナンスをどういうスパンでやる必要があるのですか。
●長谷川総務部参事監
先ほど言いましたのはガルバリウム鋼板という屋根材でして、これは合金のようなものなのですけれども、普通のカラー鉄板よりもつのですけれども、文献などによると一応30年から40年というのがありましてかなり長くもつのですけれども、例えば工場などで勾配のない屋根などですと、落ち葉などがたまって、それをほうっておくと、一たんさびが出ると普通の鋼板と一緒なような感じになるので、その状態をよく見ておいて、例えば下が傷まないうちに塗装が必要な場所はかけるとか、通常のメンテナンスの話です。そんなに物すごくかかるというわけではないですけれども、全くメンテナンスをしなくてももつということではないという意味でございます。製品的には普通の鉄板より何倍も長くもつものです。
○興治委員
高松伸が設計したものですね。稲田委員が言われるようにメンテナンスをしなさいということが書いてある。メンテナンスをすればまあ大丈夫ですよみたいなことですね。だから、そのメンテナンスがまず高松伸が想定していたようなスパンでメンテナンスすればよかったということなのか、あるいは想定以上に早く劣化してしまって、そこに県が対応できなかったということなのか、ちょっとそこのあたりがよくわからないのですけれども、これから県がメンテナンスをきちんとやらないと、また漏水が始まるということになるのだろうと思うのです。だから、今後見込まれる費用は一体どれぐらいメンテナンスにお金がかかるのだと。
それと、何年ぐらいもつのかと。この間建物自体はどれぐらいもつのかと聞いたら、30年とか50年とかという課長の話でした。30年もつとしたらあと15年、50年もつのだったら35年です。だから、メンテナンスが果たしてきちんと県ができるのかという同じような心配があるわけです。ですから、メンテナンスがどれぐらいの期間に一回必要で、それにどれぐらいお金がかかるのかというところはわかりませんか。
○稲田委員
それに関連して。それで、今興治委員が言った。要するに洗浄という言葉がやたらにこの改修計画に出てくるのですね。この前見せてもらったあの本ですよ。それに洗浄、洗浄ということが出てくるのだけれども、この洗浄というのは県は仕様書というか、メンテナンスの改修計画にのっとって洗浄していたのか、それもあわせて聞きたい。
●長谷川総務部参事監
耐用年数の話ですけれども、鉄骨造は大体40年ぐらいと言われていますので、それは一般的な耐用年数でありまして、手入れをしていけば、鉄骨造の場合はメーンにさびが出ないようにしておけばずっともつと思いますので、それは一応目安だと思いますので、あとは手入れの、さびを出させないようにしていくということだと思います。
○興治委員
メンテナンスのスパンとか費用とかわからないのですか。
●長谷川総務部参事監
そういうのは、設備なども含めて、構造によって標準的なライフサイクルコストというのは算出するような計算式がありますのでそれは出せますけれども、今想定していますのは、今回の工法を採用したら、特別にメンテナンス費用がかかるということはなくなるというふうに判断しております。特別にということはないと思いますけれども。
●古賀県土整備部長
僕は専門家ではないので、間違っていたらまた参事監のほうから説明させますけれども、今回の工法を採用することによって、当然一定の雨漏りに対するメンテナンスで、今回の工法を採用したとしても出てくるのですけれども、それは例えば普通の建物で、新しいビルをつくったとしても、当然雨漏りに対してのメンテナンスが出てくる。そういう意味で、通常レベルのメンテナンスが今後ともかかるということであって、それ以前に、もとの建物のメンテナンスの度合いなり頻度なりの程度とは、今回の工法を採用することによってかかるであろうメンテナンスの手間というのは、格段に少なくなってくる。要は、通常の建物レベルと同じようになってくるというような理解でございます。そういうことですね。
●長谷川総務部参事監
そのとおりです。
◎藤縄委員長
新築してからメンテをきちんとやっていたかという稲田委員の質問についてはまだ答弁がありませんので。
●森下空港港湾課長
2ページ、3ページに修繕の箇所といいますか工事を挙げていますけれども、洗浄はやっていないと思います。
○前田委員
これはインターネットで県民が見ておられますから、訂正しておきます。これ2ページ、3ページ、単位は円だな。千円で書かないと円なんて見ない。だから、漏水に1億1,700万円と通常修繕が373万円と。千円にしよう。間違える。
それともう一つ、40ページのこの写真。
◎藤縄委員長
もとの資料です。
○前田委員
これがわからないのだ。改修予想図。私は知っているけれども、普通見たらこの三角が丸になるのかと。改修後になっているからわからないのだ、何ですか、これは。三角が丸になっている。
●森下空港港湾課長
これは改修後の予想図ということで……。
○前田委員
どこが変わったのか。
●森下空港港湾課長
左が南側で、右が北側の完成後の……。
○前田委員
改修後になっているから、何が変わったのか。スタイルは変わっていないし。
●森下空港港湾課長
まず、左の南側ですけれども、特に美観的に変わっているのは三角の窓というか部分があるのですけれども、これが現在ガラスになっています。それを覆ってしまうと。右につきましては、下部分が垂直壁になりました。今は球面になっています、奥側に引っ込んだ球面。それが形状的には、美観的には変わったところでございます。
○前田委員
議論が尽きないので、私たちも疑問を持っているわけで、シンプルにしたほうがいいということを思っているので、今の話もようやく聞いてわかったのだ、ガラスを覆うなどと、この写真ではわからない。もうちょっと詳しいデータを見せてもらえないでしょうか。また機会があれば、今度は長谷川参事監と工法の選定について、なぜ切れないかという。ここでしっかり議論をしておきましょう。また雨漏りしたら、僕たちも責任を問われる。工法的にこれがベストだったということを納得したい。今長谷川参事監がずっと言葉で言われたことについて。
●長谷川総務部参事監
はい、わかりました。また……。
◎藤縄委員長
では、そういうことで、資料等、あと図面の。
○興治委員
この新しい工法で、通常最近よく使われているという話だったのですけれども、どれぐらい雨漏りせずにもっているのかという資料があれば、それもあわせて出してもらえますか。
●長谷川総務部参事監
わかりました。
◎藤縄委員長
そのほか。(なし)
そういたしますと、要求させていただいた資料に基づいて、後日予備調査を行いたいと思いますので、日程につきましてはこちらに一任いただけますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、意見が尽きましたので、県土整備部につきましては以上で終わりたいと思います。
以上をもちまして、企画県土警察常任委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。
午後4時10分 閉会
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