平成23年度会議録・活動報告

平成24年3月16日会議録

出席者
(11名)
委員長
副委員長
委員
斉木 正一
濱辺 義孝
坂野 経三郎
国岡 智志
錦織 陽子
谷村 悠介
興治 英夫
鉄永 幸紀
前田 八壽彦
内田 博長
伊藤 美都夫
欠席者
(1名)
委員
小谷 茂
 

説明のため出席した者
  城平危機管理局長、伊澤行財政改革局長、橋本人権局長
  ほか各課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  議事調査課 前田副主幹、伊藤副主幹、西村主事

1 開会 午前10時49分
2  閉会 午後0時11分
3 司会 斉木委員長
4  会議録署名委員 内田委員 興治委員
5  付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり
 

午前10時49分 開会

◎斉木委員長
 ただいまから防災危機管理調査特別委員会を開会いたします。
 本日の日程はお手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、内田委員と興治委員にお願いいたします。
 それでは、議題に入ります。
 質疑等については説明終了後に一括して行うこととします。
 それでは、議題1、第3回鳥取県津波対策検討委員会の開催結果及び第4回の開催について及び議題2、東日本大震災被災地支援職員へのアンケート調査の結果について、桐林副局長の説明を求めます。

●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
 危機管理局の資料の1ページからごらんいただきたいと思います。
 第3回の結果につきましては、常任員委員会でも一応報告させていただいておりまして、概要は既に御存じかもしれませんけれども、簡単に補足だけさせていただきます。
 2ページをお開きいただきたいと思います。それまで2回にわたりまして基本的な考え方等をまとめてきておりましたけれども、第3回の検討委員会では3つの波源モデルを設定して、それに基づいたシミュレーション結果を避難を中心とした対策のための暫定的な予測として公表することといたしました。その理由は、昨年の暮れに、津波防災地域づくりに関する法律の指針が示されました。それによりますと、都道府県が基礎的な調査、文献調査や津波の痕跡調査などを経た上で、その調査結果をもとに、国がその波源モデルを原則決めると、ただし都道府県も決めることができるというスキームになっておりました。その決め方の詳細につきましては、まだわかっておりません。現在も幾らか説明を受けているのですけれども、具体的な内容として、これでいいかどうかという判断ができるだけの材料を私どもはまだいただいておりません。そのような状況を踏まえて暫定的とさせていただいたものでございます。
 3つのモデルにつきましては、鳥取沖東部断層北上がり、鳥取沖西部断層北上がり、それから佐渡島の北方沖パターン2という、これまでの空白域全域が一度に動くという3つを出したところでございまして、そのシミュレーションの概要についてはお手元のとおりでございます。
 この暫定版を公表するに当たりましては、今後法律に基づいて対策していくことが必要であることを確認した上で公表することといたしました。この浸水区域の考え方ですけれども、この3つのシミュレーション結果で出てきた浸水区域をすべて重ね合わせたエリア、いわゆる最大値をもって浸水区域として想定していただこうという考え方で整理しております。
 次回の検討委員会ではその避難対策等について検討してみましょうということを決めておりますし、また同時に河川の津波遡上シミュレーションを進行しております。それの結果を踏まえて、幾らかシミュレーション結果が変わることもあるようでございますけれども、それを踏まえて年度末までに開催するということでございました。
 戻っていただきまして、1ページでございますけれども、ここからは第4回の開催案内でございます。3月22日木曜日午後2時から県災害対策本部室で開催することとしております。議事といたしましては、河川の津波遡上シミュレーションを踏まえましてどのような影響が出るかということの確認と、それからおとといも三陸沖で津波の注意報等が出ましたけれども、新年度は気象庁が発表の仕方を少し変えるところがあるようです。そのような内容を踏まえまして、津波の注意報、警報等の発令等を踏まえた津波避難対策について総括的に検討した上で、市町村に今後どのような対策をしていただくかを議論していただくことにしております。
 続きまして、東日本大震災被災地支援職員へのアンケート調査結果でございます。この被災地に派遣した職員の経験をもとに地域防災計画等に反映するべきではないかという御議論、御意見等を承ってきたところでございますけれども、そのようなことも踏まえまして、このたびアンケートをいたしましたので、その結果について概要を報告させていただきたいと思います。記のところにざっくり取りまとめておりますけれども、中身を順次かいつまんで見ていただけたらと思います。
 4ページをお開きいただけたらと思います。上の囲いのところでございますけれども、アンケートを行いましたのは2月2日から15日まででございました。対象といたしましたのは、県や市町村の職員で、消防や警察の方は除いております。そういう方々で現地に派遣しました実人員976名を対象にしておりますが、内訳は県が575名、市町村が401名でございました。回答は799名からお寄せいただきまして、回答率は81.9%ということで、非常に皆さんに協力していただいたという感想を持っております。
 まず、下に属性ということで所属なり性別等を通常のアンケートと同様に伺っております。まず派遣期間等を伺っておりますけれども、内容は後ほど見ていただくとしてポイントだけ説明いたしますと、5ページの上に囲みがございます。どれくらいの期間が適当だったと思うかを自由に記載していただきましたら、総体として2週間程度がよかったという意見をいただいているところでございます。
 6ページに進んでいただきたいと思います。上の四角の下に(3)被災地での活動という項目がございます。1番は場所を聞いておりますけれども、2番で被災地での支援活動は適切に行えましたかということをお尋ねしました。適切に行えたという方が472名いた反面、行えなかった、課題があったという意見も176名からいただいたところでございます。具体的に、ではどのようなことが課題であったかをお書きいただきましたら、下の四角の囲みにございますけれども、引き継ぎが十分できず、ニーズの把握、現地の状況把握に時間を要したということ、それから発災からの時期、ニーズの変化に合わせた派遣数の変更が必要ではなかったという意見をいただいております。このような内容は今後の取り組みに反映できるのではないかと考えております。
 また、7ページの下のQ5でございますけれども、支援活動をするに当たってあらかじめ準備しておくべきだったと思われるものをお尋ねしましたら、208名からあると回答いただきました。どういったものを準備しておくべきだったと思うかにつきましては224名から回答いただいたのですが、やはり現地に行った経験から具体的なものが上がってきております。避難所等支援の内容を見ますと、鳥取県の歴史や文化などの話のネタになるようなもの、避難者が楽しめる本なども上がっております。このようなことにつきましても今後の経験に生かせるのではないかと思っております。
 8ページに進んでいただきたいと思います。(4)支援経験の活用ということで大きなテーマがございます。9ページのQ3のところでございますけれども、今回の災害支援を経験して、機会があればほかの災害時にも同様に支援活動を行いたいと思うかをお尋ねしましたら、634名、80%の方がそう思うとお答えいただきました。正直言ってちょっとほっとしたところもございまして、こういう思いが県としても財産になったのではないかなと考えているところでございます。
 その理由を10ページに幾つか上げております。支援活動を行いたいという理由につきましては、一番上のぽつのところが典型的なのだろうと思いますけれども、災害に遭いながらも懸命に生活を再建しようとする人々の手助けをすることで人同士のきずなを大切にすること、助け合いながら生きていくことの大切さを改めて実感し、自分自身も成長していくという実感が持てたため、今後も機会があれば参加したいというものがございました。しかし、支援活動はもう行きたくないという意見もございます。2つ目のぽつですけれども、避難者が市を批判するたびに大いにストレスがたまったということがあります。伺ってきたところによりますと、被災地の市の担当者どころか上司の方の顔もメッセージもなかなか避難所に届いたことがなかったと、非常勤職員を雇われているのだけれども、その方あるいは県に任せっきりみたいなことになっていて、避難所の方が大いにストレスをためられ、その不満が県の職員にも寄せられていたことがかいま見えると思っております。このようなことにつきましても、やはり何らかの形で被災地自体の意向が避難所に伝わるような対策が必要ではないかと思います。
 最後に、(5)のところですけれども、自由に意見を記載してくださいというところで578名の方からいただきました。幾つか御紹介いたしますと、まず四角の中の一番上でございますけれども、避難所等の支援につきましては、女性のニーズ等に係る女性スタッフが必要だという意見がございました。また、避難所における集団感染対策としての医療面、衛生面の検討が必要であるということ、特に今回、下水道が壊滅的に被害を受けていたということで、トイレが使えなかったために高齢の方が水を飲むのを控えることにつながっていたということも伺っております。これも今後の参考になることだと思っております。それから3つ目のぽつのところですけれども、避難所、仮設住宅での心のケアの中では、職員自身が被災者であり、職員の心のケアが必要だと、支援する側も非常にストレスを受けており、そういう状態で長い間支援し続けることが背景にあるのではないかと感じたところでございます。
 3ページまで戻っていただきたいと思います。下から2番目のところでアンケート結果の概要という括弧のところでございますけれども、これは今までのところで取りまとめられたことを速報版としてお知らせいたしました。今後クロス集計、例えば年齢ごとにどのような意見になっているかなり、派遣された業務によってどういう具体的な意見の違いがあるかということを少し検討して、まとめていきたいと思っております。3のところでございますけれども、大体今月中にしていきたいと思います。市町村へは4月上旬にお返ししたいと思っておりますけれども、県のほうは今、地域防災計画の修正作業をしておりますけれども、内容に反映していきたいと思いますし、市町村も今後見直しをされると思いますので、反映していただきたいと思っております。また、あわせまして各都道府県なり防災研究機関等へも情報提供いたしたいと思っております。最終的に取りまとめたものは、4月にインターネット等でごらんいただけるように公表したいと考えております。

◎斉木委員長
 次に、議題3、第1回・2回原子力安全対策プロジェクトチーム会議開催結果について、議題4、平成23年度島根原子力発電所防災訓練の実施結果について及び議題5、安全協定に基づく現地確認について、服部危機対策・情報課長の説明を求めます。

●服部危機対策・情報課長
 それでは、11ページをお願いいたします。1月31日に原子力災害対策特別措置法の改正案が閣議決定されたことを受けまして、同日に第1回目の原子力安全対策プロジェクトチームの会議を開催いたしました。その結果について報告いたします。
 場所は災害対策本部室と各総合事務所をテレビ会議で結んだものでございます。
 出席者は知事、副知事、それからプロジェクトチームの構成員。12ページにプロジェクトチームの概要を記載しておりますので、ごらんいただきたいと思います。
 戻っていただきまして、議題ですけれども、島根原子力発電所の現状、それから閣議決定の内容等は環境省設置法の改正案、あるいは原災法の改正案等でございます。それから鳥取県等への影響とその対応について協議いたしました。
 主な協議結果を5番目にまとめておりますけれども、まず改正法によりまして鳥取県が関係周辺都道府県として正式に位置づけられることが見込まれると。それから法令改正を待たずに予算措置等が必要なものは当初予算、それから補正予算で取り組んでいると。特にモニタリング関係、被曝医療、それから安定沃素剤等。また、2月16日に実施しました島根県との合同原子力災害訓練について、関係周辺都道府県となることを前提として積極的に取り組むこと。加えて、被曝医療等につきましては現時点で余り進んでいませんので、正面から一丸となって取り組む必要があること。一番最後のぽつですけれども、島根県とは共同で業務に取り組む、あるいはノウハウを活用させていただくということで、協議会を設置したり、あるいは人事交流等をしてはどうかという意見が出されております。
 順番がちょっと逆になりますけれども、続きまして、15ページを先に説明させていただきます。島根原子力発電所防災訓練の実施結果ということでございまして、これは従来、島根県と松江市が合同で実施しておりました原子力防災訓練に新たに鳥取県と30キロ圏内の周辺市を加えた枠組みで今回初めて実施したものでございます。日時は2月16日、場所は鳥取県関連ですけれども、災害対策本部室、西部総合事務所、中部総合事務所、それから島根県のオフサイトセンター等で実施しております。訓練参加機関は、そこに書いてある12機関でございます。訓練項目としましては、まず合同訓練については、初動の対応訓練、鳥取県災害対策本部運営訓練、鳥取県現地対策本部運営訓練、それから緊急時モニタリング訓練を実施いたしました。また、鳥取県独自の訓練といたしまして今、住民避難計画を策定中でございますけれども、それに関する住民避難関係対応訓練ということで、島根原発から30キロ圏内の住民約6万5,000人と、島根県からの避難者約1万5,000人が4日間で避難しなければならないといった想定を設けまして、現在それぞれが抱えている課題とその解決の方向等について検討いたしました。
 16ページをめくっていただきまして、実動訓練を中部総合で実施しました。医療政策課が主体となって取り組んでいただきましたけれども、安定沃素剤の投与訓練、緊急被曝のスクリーニング訓練、それから救急搬送訓練を実動訓練として中部総合で実施しております。その他に記載しておりますけれども、EPZ外の自治体がオフサイトセンターで開催される現地事故対策連絡会議に正式メンバーとして参画できた訓練、これは全国で初めてということで実施されております。訓練講評等でございますけれども、原子力災害は科学的知見と科学的アプローチが重要だと、あるいは町ごと引っ越すような大規模な避難訓練であり、多くの課題が山積している。それから、モニタリングデータは両県共有という面で質的整備が必要ということで、今後島根県等と協議しながら、いわゆる合同のモニタリングデータを共有できるシステムの構築を整備していくと。また、沃素剤等の購入は新年度からすぐにでも始めるということで協議されました。
 返っていただきまして、13ページをお願いいたします。その訓練の成果や課題を検証するために2月22日に第2回原子力安全対策プロジェクトチームの会議を開催いたしました。参加者等は、副知事、統轄監、プロジェクトチームの構成員、それから各総合事務所長等でございます。それと米子市、境港市、それから西部の消防局職員にも参加いただいております。議題は訓練を通じて参考となった事項、明らかになった問題点と検討の方向、訓練アドバイザー等の助言から新たに明らかになった課題等、それからその検討の方向等でございます。
 主なものを成果、課題、検討方向として記述させていただきます。
 まず、原子力防災情報の共有ということで、成果としましては、現在、人形峠用で整備しておりますテレビ会議システムを使用して、島根原発用に島根県のオフサイトセンター、島根県及び松江市とを接続しまして、原子力防災ネットワークシステムでのテレビ会議や知事同士の意見交換等もできたということで、有効性が確認できました。課題としましては、実際にそういった原子力災害が起きた場合、西部に現地対策本部を設ける計画でいますけれども、西部総合事務所、モニタリングデータを分析及び評価する衛生環境研究所、それからUPZ内に入るであろう米子市や境港市も、今後そういったテレビ会議で結ぶ必要があるだろうということで、平成24年の国の交付金で整備していこうというところでございます。
 2つ目は住民避難対応でございますけれども、いろんな課題がございます。特に要援護者等の対応はまだよくわからないところがいっぱいあるのですけれども、とりあえず検討方向等が見えるところで課題等を当たったところ、特に移動手段の確保が課題で上がってきております。検討方向ですけれども、鳥取県内でバス等の必要性を確保するのは困難ということで、自衛隊や海上保安庁等による支援も今後必要であるから検討や依頼していくといったこと、それから島根県と連携して国による全体調整の必要性があるということで、そういったことを要請しているところでございます。
 また、安定沃素剤投与訓練等の成果としましては、一連の手順と所要時間が確認できたということですけれども、課題といたしましては、大量の避難者には対応が難しいと。それから今国のほうで事前配付を検討されておりますが、具体的なところがまだはっきりしない。また、どういった基準で服用させるのか、だれが服用を指示するのかといった問題が残っていると。また、幼児には水で溶かして調剤する必要があるけれども、それも事前配付が難しいといった課題が挙げられております。
 また、スクリーニングも同じように1人につき2~3分時間がかかると、それから除染に5分時間がかかるということで、やはり人員的にも機材的にも多くの資機材等や人員が必要だということでございます。
 続きまして、17ページをお願いいたします。安全協定に基づく現地確認ということで、平成
24年1月27日午後7時30分ごろ島根原子力発電所2号機におきまして、原子炉施設の保安規定に定める運転上の制限を逸脱したために、安全協定第9条に基づく連絡を受け、第11条に基づいて現地確認及び意見の伝達等を行いました。なお、今回の事象による環境への影響はございませんでした。
 現地確認の日時と場所ですけれども、24年1月27日の午後9時25分から翌日の0時43分まで、場所は島根原子力発電所の中でございます。
 現地確認に行った者ですけれども、県の職員は危機対策情報課から2名、それから西部総合事務所から1名の計3名、関係自治体といたしまして、米子市と境港市も同行しております。また、現地確認が終わった後に島根県庁で情報収集等をやらせていただきまして、島根県と連携をとらせていただいたところでございます。
 事象の概要といたしましては、原子炉の起動、それから停止したときに炉内の中性子の量を監視する中性子源領域計装モニターという装置が4台あるのですけれども、このうち3台が動作不能となったため、中国電力が運転上の制限を逸脱した状態であると判断したものでございます。
 現地確認結果の概要ですけれども、1つは、原子炉が既に定期点検に入っておりましたので、冷温停止の状態であったと。原子炉へ制御棒がすべて挿入されていることを中央制御室の計器で確認しております。また、原子炉内の水温は午後11時現在、68.6度と確認しております。また、中性子束を監視する別な手段の確認について、18ページに原子炉格納容器の図と炉内の図がありますけれども、黒い三角に中性子源領域計装、白い四角に中間領域計装が入っております。17ページに戻っていただきまして、中性子源領域計装モニターとは別の中間領域計装モニターで中性子束を監視できていることを中央制御室で確認いたしました。また、環境への影響の有無ということで、発電所の排気筒モニター、放水路水の水モニター及び敷地境界モニタリングポストの値を中央制御室で確認し、正常値で環境へ影響がないことを確認しております。
 安全協定11条に基づく意見の伝達ということで、城平危機管理局長から島根原子力本部の責任者に対して本事象の発生原因を徹底的に究明し、その結果を報告すること、それから中性子源領域計装モニターの交換状況を報告することという2点を意見として申し入れております。
 県への説明としまして、交換状況の報告と復帰制限の考え方等ということで、1月30日午前9時にモニター装置4台の交換を終了したということで、正常な動作を確認し、運転上の制限からの逸脱から復帰したという宣言を中国電力がいたしております。
 発生原因について、4台の計測装置すべてをメーカーに送って詳細に調査した上で後日報告するということで、まだ報告は受けておりませんが、今後受ける予定でございます。

◎斉木委員長
 次に、議題6、第4回・5回鳥取方式の地域消防防災体制検討委員会の開催結果について、杉本消防防災課長の説明を求めます。

●杉本消防防災課長
 鳥取方式の地域消防防災体制検討委員会の開催状況について御報告させていただきます。
 第4回までに現状なり将来予測の検討を行ってまいりました。これは地域の実情に即した地域消防防災体制のあり方をモデル的に5市町へお願いしまして、検討に取り組んでいただいているものでございまして、2月29日に第5回を実施いたしました。地域特性に適したそれぞれの対応の検討なり、それから他市町村への展開方法等について御議論いただきました。
 具体的には、5の概要(1)から記載させていただいておりますけれども、まず5市町村の各地域の状況をそれぞれ分類分け、類型化分けを行いました。その考え方は、まず社会特性と消防防災特性で分けたこと。社会特性とは、その地域において昼間勤務に出かけておられる方やそうでない方もいらっしゃいますが、昼間の活動が期待できる人数を想定して将来的に組織が維持できるかどうか、活動が期待できるか、消火活動、水防活動などができるかどうかをまず検討していただいた。それから消防防災特性とは、その地域に自主防災組織が組織されているか、それから消防団の団員数や地域の面積等から考えて、現場到着まで時間を要するかどうかという観点から分類分けして、8区分に分けていただいたと。
 次に、20ページをごらんいただきたいと思いますけれども、そういう分類に基づいてそれぞれ地域特性や課題を整理していただいたということでございます。
 まず、課題と対策ということで、ウにまとめさせていただいておりますが、地域特性につきましては、従来から言われていることでございますけれども、事業所の従業員の活用であるなり、隣接した町丁目間との相互連携が重要であろうと、それから現在いろいろと取り組まれておりますが、地域支援員を活用することによって活動人数を確保するための対策が必要になってくるだろうということが言われております。
 消防防災特性といたしましては、本県の自主防災組織の結成率は67.7%となっております。これの促進やリーダーの育成が必要だと。
 消防団につきましては、現時点では何とか維持できている状況ですけれども、やはり将来的に見れば高齢化、人口減少等もございます。そういうことも含めながら、定年の引き上げであるなりOBの積極的活用、地域ぐるみのいろんな団体と連携をとりながらの活用、それから消防活動は重労働ですので、お年寄りの方や女性の方が扱えない資機材では即対応はできないため、女性や高齢者でも扱いやすい資機材の整備が必要になってくるであろうと。
 とはいいながら、次に組織の整備と書いておりますけれども、これは地域によっては人口減少や高齢化によって組織の活動がなかなか維持できない、消防団も駆けつけが遅くなるし自主防災組織も単独としては維持できないという地域につきましては、いろんな方法や組織の整備としての考え方を持っていかなければいけない。その考え方としては、まず今、日南町でも取り組まれておりますけれども、まちづくり協議会等で自主防災組織が結成されて、広く取り組まれております。ただ、だんだんとエリアを広げれば広げるほど消防団の活動エリアと重なってくることになりますと、消防団と自主防災組織との役割がダブってしまうときに人材の取り合いになってしまう。もう少し自主防災組織と消防団の役割を明確にして、それぞれ役割分担をしながら活動を継続できる形が望ましいだろうということで整理されております。それから、それ以外として、そういう地域については、通報連絡体制なり常備消防の防災ヘリを使った航空消防隊等の連携、それからコミュニティー、いろんな社会福祉協議会や地域の自治会との連携を積極的に取り組んでいかなければいけないということで課題と対策が整理されたと。
 ただ、各委員から、昼と夜との違いがそれぞれあるのでそれぞれの体制も検討する必要があるのではなかろうか、自主防災組織の連携においてはやはり消防団との役割を明確にする必要がある、それから校区単位での検討も必要だという御意見もいただいております。
 21ページをごらんいただきまして、県内市町村への展開方法についてまとめた8区分をもとに、それぞれ沿岸部、平野部、山間部、低密度、それから人口の密度状況に応じてグループ分けをして、いろんな視点で共通的な課題をし、それぞれ市町村で標準化した対応を参考にしていただきながら、取り組んでいただける手法を示すことができたらということで展開方法が検討されたと。ただ、状況に応じて、工業団地なり食品団地なり、いろんな特異事情がございます。こういうところは別のカテゴリーといいますか、そういう場所は除外したほうがいいだろうと、それから自主防災組織の結成方法はやはり地域の実情があって結論を出すことは難しいけれども、こういうまとめの中で方向性を示すことは皆さんの参考になるだろうという御意見もいただいております。
 これらの意見を踏まえながら、現在、委託業者の作成した資料をもとにしながら各委員と意見調整を行っているところでございまして、月末には何とか報告書として整理してまいりたいと思っているところでございます。

◎斉木委員長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明について質疑等がございますでしょうか。

○錦織委員
 11ページ以降の原子力安全対策プロジェクトチームについて、今回は島根県と共同の訓練などをいろいろされて、それはそれなりによかったと思うのですけれども、オフサイトセンターや島根県庁で災害対策本部などができて、そこが核となってだと思うのですが、原発のところから10キロ付近で実際に事故が起こった場合には、そこが多分機能しないから西部総合事務所を本部にするという話を聞いたことがあるのです。例えば西部総合事務所でそういう機能ができるような議論なり、具体的に何か進められているのでしょうか。これは島根県の議論になるのかもしれないけれども、その辺をお聞かせください。

●服部危機対策・情報課長
 オフサイトセンターの代替を西部総合事務所でという話は承知しておりません。西部総合事務所では、鳥取県の現地対策本部を西部総合事務所に置こうという考えで今取り組んでいるところであり、オフサイトセンターにあるような、いわゆる通信連絡手段なり、あるいは情報共有システムなどがあるのかという御質問ですけれども、今現在そういった設備や機器等はございません。また、そこまでのものを今後整備できるのかという話ですけれども、オフサイトセンターというのは国等が整備する施設、災害対策拠点でありますので、そういったバックアップになれば当然国の支援を受けて整備していくのではないかと思いますけれども。

○錦織委員
 それで、何か事があったときに鳥取県がいろいろやることは必要ですけれども、オフサイトセンターについては国が考えることなのですか。島根県庁でも事故が起こったときには対応が必要ですが、そこでは対策本部を置けないと私は思うのですけれども、そのことは聞いておられるのでしょうか。そういうことはなしに、ただ一緒に訓練するというのもどうなのかと思いますけれども。

●服部危機対策・情報課長
 島根県庁やオフサイトセンターも含めてのバックアップについて検討されていると漏れ伺いますけれども、どのあたりまでどういう検討が進んでいるのかという細部までは承知しておりません。やはり島根県と、先ほどありましたけれども、モニタリングデータの共有など、今後も島根県といろいろ連携していかなければならないところがいっぱい残っているのですが、そういったバックアップ施設のことも今後検討が進められていくのではないかと思います。

●城平危機管理局長
 少し補足をさせていただきます。
 オフサイトセンターにつきましては、先ほど服部課長が申し上げましたように、国が中心となりまして、国と島根県、鳥取県、それから中国電力が集まって対策を協議する一番中心の施設になっています。ここについては、以前は今の法律上の制約として、20キロ圏内にオフサイトセンターをつくるということが規則に書かれている関係で結構近いところにあります。福島の第一原子力発電所事故ではオフサイトセンターが近いために、機能が発揮できなかったことがありまして、これについては現在、国がどういうふうにオフサイトセンターを設置していくか、それからかなり近くにあるところは代替施設なりをどう考えていくかについて、検討されているところでございます。ここについては、国の方針が出ないとなかなか島根県も動きにくいところがあると伺っております。

◎斉木委員長
 いいですか。
 ほかに。

○興治委員
 まず、3ページです。アンケートを実施されたということで、なかなか興味深い結果が出ているなと思いました。それで、今後クロス集計を行って分析結果の取りまとめをするということですけれども、県と市町村に分けてそれぞれの分析結果をやられたらいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
 恐らく県と市町村は業務がかなり違っております。例えば市町村では市町村レベルの行政事務の支援もやっておられます。当然そういう違いもあり、この観点でも分析することは必要だと思っておりますので取り組んでいきたいと思います。

○興治委員
 私は去年の秋に岩手県の大槌町に行きまして、町の担当職員の話を若干伺ったのです。その中で印象に残っているのは、現場で被災者の救援に当たる行政職員の課題です。実際その行政職員もみずからの家族や親戚を亡くして、住む場所もなくしてという中で被災者の救援に当たるということで、非常にメンタル面でもつらい思いをしながら救援に当たっていると。一方で、支援物資が届かなかったために被災者からつらい言葉を投げかけられるなどの問題もあり、また食糧などにしても、まず被災者に配って、残ったものを行政職員が食べるという状況で、皆さんのために必死で取り組んできたんだと。なかなか精神的にもたせるのが大変だという話もありました。ですから、そういったところをどうフォローしていくのかも含めて検討しないといけないと。被災者の救援、復旧復興、それからまちづくりの中心的な役割を果たしていくのは行政職員で、特に市町村職員の役割は大きいのではないかと思うのです。ですから、その職員をどう支えるのかについても意識して考えておかなければいけないと思うのです。その意味で今回のアンケート調査の分析を一つの契機にして、そういった対応も考えていただくようにお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
 この件につきましては、まさしく御指摘のとおりだと思います。中央のほうでもそういう検討もされていると伺っております。そういうことも参考にしながら、今回の地域防災計画やマニュアルといった面で、仮に鳥取県内で起きたときを想定した対応の仕組みの構築を心がけていく必要があると思っております。これはまた関係機関等と協議してみたいと思います。

○興治委員
 次に、17ページです。安全協定に基づく現地確認について、このたび初めて安全協定に基づいた対応、現地確認がなされたのですけれども、と同時に島根県が立入調査も実施しているわけですが、今回この現地確認と島根県の立入調査との違いが認識できるようなものがあったでしょうか、あるいはなかったでしょうか。

●服部危機対策・情報課長
 距離的に違いますので、確認に入った時間に当然違いが出てきました。こちらにつきましては島根県と同じ時間にできれば入って、島根県と一緒になって中国電力からの説明等を受けられればいいということで、そういった希望はあったのですけれども、物理的にそれが困難ですので、島根県と鳥取県は中国電力からそれぞれ個別に説明いただきました。しかし、説明の内容や対応については、島根県と同等であったと聞いております。特に立地と周辺県の差はなかったと認識しております。

○興治委員
 今回は特に違いはなかったということですが、現地確認に入ってみて、協定上、現地確認という限界から島根県への対応と違いが今後出てくるのではないかと思えるようなことはなかったでしょうか。

●服部危機対策・情報課長
 今回の事象については、結局結果的には異常事象につながりませんでした。計器の故障ということで、それの取りかえ等のみで終わりましたので、逸脱状態からも数日で回復したという事象であり、余り大きな事象に進展しなかったため、今回に限っては対応が特に異なるということを見出すことはできませんでした。ただ、今後それが10条、15条事案になりそうな大きな事象につながっていったときに、島根県と鳥取県の意見、あるいは申し出、島根県は立入調査に基づいて適切な措置の要求ができます。鳥取県はそれに対して現地確認の結果、意見を言うと、それに対して誠意を持って対応するということですけれども、そこには当然拘束力に差があると思っております。その辺で差が出てくる可能性があることが懸念されると思いますけれども、今回の件に限ってはございませんでした。

◎斉木委員長
 いいですか。

○興治委員
 いいです。

◎斉木委員長
 ほかにございますか。

○谷村委員
 津波対策検討委員会と19ページの地域消防防災体制検討委員会についてですけれども、これは4回やっていらっしゃるのですかね。また次の計画というのはあるのでしょうか。
 5ページのアンケート結果について、一番下の主な意見のところにレンタカーを半年間借りていたということでありますけれども、リースなどでもう少し安上がりにする方向に検討できるのかどうか。その2点をお願いします。

●桐林危機管理局副局長兼危機管理政策課長
 津波検討委員会ですけれども、今回の検討委員会の立ち上げの目的は、この新しい波源に基づく津波の浸水予測を変えると、それに基づいて対策を検討することが目的でございました。この目的に関していえば、一応これで終わりという予定でございます。ただ、今後新しい津波に関する科学的知見があらわれる可能性がございます。例えば一昨日の新聞を見ましたら、鳥取沖西部断層がさらに西側に延伸している可能性があるかもしれないので、中電で検討するように指示が出たということがございました。仮にその結果がもっと長いものだということがわかれば、また新たにシミュレーションして対策の見直しも必要になるかと思っています。これはそのときに改めて委員会等を結成することになろうかと思っております。
 5ページのレンタカーの件については、当初からどれぐらいの期間で収束するかがわかっておれば、それに基づいて最も適切な対応がとれたかと思います。結果として、確かに新車を買ったほうがよかったぐらい費用を要しましたけれども、これは当初に明確な対応方法がわからなかったということで、まず確実に初期対応ができる方法ということでレンタカーを選択したと考えております。ただ、仮にもう一度、東日本大震災クラスの災害が起きれば、あり方としてはこの提案のようなこともなきにしもあらずだと思っておりますけれども、必ずしもそれが選択できるかどうか、あらかじめわからないのが現実ではないかと考えます。

●杉本消防防災課長
 19ページの鳥取方式の検討会でございますが、第6回を3月30日で学識経験者の方々と日程調整を行っておりまして、その調整で最終の会を開こうと思っているところでございます。ただ、それまでにこの報告書の内容については各委員の意見を聞くように、現在意見調整を行っているところでございます。

○谷村委員
 検討委員会はわかりました。
 アンケートのレンタカーの件は、新車を購入するほうがいいとは思いませんし、厳しい財政状況ですので、できるだけ安上がりな方法をいろいろ御検討いただけたらと思います。

◎斉木委員長
 要望ですね。

○谷村委員
 はい。

○鉄永委員
 1年たちまして、一番の基本は想定外を想定することだと思うのですけれども、しかしながら想定内にある程度想定しておくのも一番必要なことではないかと思うのです。今、世界的に見て、テロでしょうけれども、フランスなどは航空機の突っ込みということをやっています。それを聞きますと、あそこの上空は国際線がたくさん走っていますね。もしもそれらの事故で被災することも考えられないわけではない。そうしますと、津波や地震とは全く違った対応が迫られる可能性があるだろうと思います。ニューヨークで起こりました貿易センタービルの状況を想定しますと、万端とは言いませんが、日本側から外国に行くのに山にひっかかって反対側に落ちる可能性がありますけれども、外国から飛んでくる飛行機はその逆の場合もあり得ると思うのです。そうしたら火の海ということを考えなければならないですが、そういった対策はそもそも考えておられますか。

●服部危機対策・情報課長
 航空機等を利用した原発への衝突事案、突っ込みを想定しているかということです。一応、武力攻撃事態対処法の中にはそういったテロによることと、それから持ち得る手段ということで、航空機もあわせて考慮の中には入っております。県として具体的にそういった想定で検討しているかということになりますと、そこまでは具体的に検討していないのが現状でございます。

○鉄永委員
 確率は非常に少ないのが現実だろうと思いますし、外国からの距離がフランスと違って、国境がひっついていませんから、ある程度余裕をもってレーダーで把握できるのだろうと思いますけれども、将来はそういったこともある程度、対処方法として考えておく必要があるだろうと思います。
 もう1点、島根なり鳥取県内も米子まで含めて、30キロ圏内の避難ですね。恐らく日本の道路で、自家用車で逃げる人も多いと。そうなると大渋滞を起こす可能性があると思うのです。渋滞を起こせば起こすほどにっちもさっちもいかない状態になるのですが、その対策はどう考えておられるのですか。

●服部危機対策・情報課長
 今30キロ圏内の避難計画を島根県と連携してつくっているところでございまして、避難方法につきましては、バス、JR等の公共交通機関を第一に考えながら、自家用車で補完するという考え方で現在、交通シミュレーションを業者に委託いたしております。中身を具体的に説明させていただきますと、例えば、段階的に避難ができるような状況である場合は、基本的には4日間で避難しましょうと。そのときに避難経路を3本ぐらい考えまして、4日間でその3本を使いながら避難しましょうという場合、それと短時間に避難しなければいけないときに、その3ルートを一斉に使って避難しなくてはいけない場合など、いろんなパターンを考えまして交通シミュレーションを検討している状況でして、そういう渋滞が当然起こることを念頭に置きながら、今計画している範囲内で避難できるのかどうか、そういったシミュレーションを検討中でございます。

○鉄永委員
 もちろん地震の揺れにもよりますし被害の状況にもよりますけれども、JRそのものが通らない可能性もありますよね。強い地震があったら、安全性のためにある程度確認してから通すことがまず最初にやられることだと思うのです。バスにしたって道路の状況がどうなるか。どういうふうにチャーターしてといったら大分時間がかかりますよね。その前に多分自家用車が動いてしまいますよ。それらをどう規制していくかをある程度想定しておかなければ混乱すると。今回の教訓で思うことは、まず逃げろ、それからSPEEDIを見ればどちらの方向に逃げろというのが恐らくわかります。相当たたかれておりますから、次はみんな情報を政府が持っていくことはないと思いますから。ですから、見たら、市ごとにあそこに逃げろこっちに逃げろと言っても、放射能が飛ぶ方向に逃げるばかはいないと思います。反対側に逃げるだろうと思います。そういったことも想定しておられるのですか。

●服部危機対策・情報課長
 今計画しておりますのは30キロの同心円ということで、原発から50キロ以上離れたところに3本の経路を使って避難するという一つの基本形となる計画をつくっている段階ですけれども、実際に災害が発生した場合には、先ほど委員がおっしゃったようなSPEEDIを参考にして、そのときに避難する方向等も実際の放射能の拡散状況に合わせて避難するような柔軟な計画で運用しなければいけないと考えております。あらかじめいろんなパターンを計画して避難する計画をつくれれば一番いいのでしょうけれども、なかなかそこまでは至っていないと、とりあえず基本となる計画をつくって、実際に起こったときのSPEEDI等のデータを参考にしながら、避難していく計画にしているところでございます。

○鉄永委員
 もう一つの教訓として、最悪の場合を想定しておくことだろうと思います。今回でもメルトダウンを起こしましたが、水素爆発については、結局あそこの建屋に水素がたまる想定をしていなかったためだと思うのです。ですから、それらの対策は当然とられておるはずです。と同時に、メルトダウンがいつ起こるかによって避難も全く違ってくるわけですよね。ですから、1日も2日もメルトダウンするまでに時間があるのであれば、ある程度整然と逃げることが可能でしょうけれども、どんといったときにどうするかということを考えたら、道路が余りないために少し心配になってくるところです。それで、訓練に海上自衛隊も保安庁も参加していなかったですよね。津波等があれば船は来ることができないかもしれませんけれども、場合によっては来れるかもしれない。それから、地震などの後にヘリコプターは相当な威力を発揮しますよね。ある程度のところだったらおりていくことができると思いますので、海上の戦力もある程度想定しておいたほうがいいのではないかと思います。海上保安庁も意見に何か書いてありましたから当然されるのだろうと思いますけれども、とにかくありとあらゆる手段をもって避難することを考えていただくことを申し上げて、終わります。

◎斉木委員長
 要望でいいですか。

○鉄永委員
 要望で。

◎斉木委員長
 ほかに。

○国岡委員
 総括した話になるのですけれども、鳥取方式の地域防災計画は検討委員会で随時検討されております。ただ、この中身を見させてもらいますと、出てくるのは想定した内容ですよね。大体皆さんも常にわかっていること。これからどうしていくかが大事でしょうけれども、この20ページにもありますように、常備消防の充実なんていうのはてきめんですし、今の組織が足りているか足りていないかといったら最低限クリアしているぐらいのことですから、それを基準以上あるという表現でよく言われます。それと、都市部と山間部では全然違うかもしれませんけれども、自主防災組織や消防団のなり手が少ないのも当然のことです。そこで、これを検討されていって最終的なものが出てくると思いますけれども、ここの検討委員会で出されたものをどういう方向で反映させていくことを考えておられるか、もう一度お聞かせください。

●杉本消防防災課長
 この検討委員会でいろんな課題が出てまいります。ただ、この課題につきましては、5市町村のそれぞれの共通的な課題の部分が強うございます。話を個別にお伺いしますと、地域の連携についても、AとBという地域は近くだけれどもなかなか一緒になれないなり、それから自主防災組織の求めるもの自体も、市部のほうであれば常備消防が充実している関係もありまして消火よりもというところがあったり、それから山間部になりますとやはり常備消防の到達が遅いことがありますので、消防団とほぼ同じようなものを自主防災組織に求めるなど、いろんなパターンがございます。この検討結果を踏まえて、地域性や特性、いろんな課題、対策を整理するわけでございますけれども、この結果を踏まえながら各市町村においてそれぞれ市町村単位での将来計画に反映させていただきたいと。個々具体的に、Aという地域であれば、この地域の消防団や自主防災組織をどのように構築していかれるのかを検討される基本的な資料といいますかたたき台に使っていただいて、それぞれ市町村における将来計画を立てていただける、それから具体的な整備計画をつくっていただく材料になればと思っております。
 もともと当初はこの震災の起こる前でございました。消防団と自主防災組織の両方はなかなか難しいという発想の中で、両建てはなかなか難しいから、消防団はやめてしまって自主防災組織の充実でいいところもあるのではないかという極端な例も出てくるかと想定しておりました。この検討会の委員の話をいろいろ聞いてみますと、やはりそうはいってもこういう震災等を踏まえながら見てみると、消防団や自主防災組織はそれぞれ重要だよと、いずれがなくてもいいというものではないと。ただ連携という部分では、同じことを求めていくのは将来的になかなか難しいことがありますので、それぞれの地域によって役割分担を明確にしながら、人材を有効に活用していくことがまず必要だろうとおっしゃっていただいている部分もございますけれども、これらの意見を踏まえて各市町村で個々具体的に地域地域に合った、それぞれの役割分担に応じた体制を検討していただく足がかりにしていただければと思っているところでございます。

○国岡委員
 早くいえば、結局各市町村のたたき台を連携してつくっているということですよね。そこで、当然市町村、さっきも言いました沿岸部や山間部、都市部で全然違いますし、企業の協力など、いろんなことがあります。ここで私が言いたいのは、結局県として指導していく中で、モデル地区として西部を選定してやっています。津波避難なども重要ですよね。逃げるところを間違って避難施設が被害に遭って大勢の方が亡くなったり、その判断によって助かった助からなかったというのはデータに出ています。それとまた今度は原子力問題での避難。先ほどありました大規模な町そのものが引っ越すような避難になってきます。そういったことはこの西部にすべて入ってくると思うのです。そこで鳥取方式という名前はすばらしいです。特に震災前からこれを仕掛けたことはすばらしいですけれども、震災を経験して県としてさらに現実的なものに持っていくためには、ただ市町村のたたき台にしますよだけでは物足りないと思うのですけれども、いかがでしょうか。

●杉本消防防災課長
 正直申しまして、この検討委員会は震災がなければもう少し整理できて、24年度当初予算にお願いする内容が、市町村にお示しできる内容が少しでもあったのかなと思っております。ただ、この結果がまだまだまとまっておりませんでしたので、将来的にはこの結果を踏まえて、市町村にどういう組織体制なり組織の充実や強化していくためにどんな支援、協力ができるのかも踏まえながら、必要なものは今後補正で対応していく気構えでいるところでございまして、この結果を踏まえて各委員からの意見もいただきながら対応を考えたいと思っているところでございます。

○国岡委員
 またこういった特別委員会で話させていただきたいですけれども、県で進める限りは各市町村が使いやすいメニューなり、ここにもアンケートがありますように、女性や高齢者が使える資機材が必要なり、あとは市町村が組織を確立していくために県ができるメニューを今からいろいろ検討したり意見を聞きながら、即座に動ける体制は必要だと思うのです。先ほど補正でもと言われましたので、ただつくりましたではなく、そこのメニューはしっかり考えていただきたいですし、県だから津波や原子力のことにもしっかり対応していただける資料はどんどん出していただきたいと思うのです。境港であればそういった避難誘導を優先した組織にしようなり、そういうメニューをいっぱい考えてこられると思うのです。ただこの中の意見を集めただけではだめなので、県がかかわってやる限りはそういった地域の特色を最大限生かせるような支援体制を常に心がけてやっていただきたいと思います。

◎斉木委員長
 答弁はいいですか。

○国岡委員
 はい。

◎斉木委員長
 ほかにございますか。
 ないようでございますので……(「その他」と呼ぶ者あり)
 では、とりあえず議題はこれで終わりたいと思います。
 次に、その他ですが、どうぞ。

○前田委員
 トリピーメールの運用について、僕は便利だと思ってエントリーしてみたが、一日で音を上げた。いろんな情報がどんどん入ってきて、うるさくてポケットに入れておけない。何が言いたいかというと、JR、飛行機、停電や気象通報などありとあらゆるものが入ってくるのだけど、真に伝えなければいけないことがあるでしょう。地震が震度5なり6など。真に伝えなければいけないものと軽微なものとの使い分けはどう考えておられるのですか。

●服部危機対策・情報課長
 真に必要なものと軽微なものの区分けは、あんしんトリピーメールの中では区分けできる仕組みには今なっていません。

○前田委員
 それはぜひとも仕組みをつくらなければいけない。僕はあれを持っていて、一日で解除した。もうかなわない。だから、本当に伝えなければいけないことをどうして伝えるかについて考えなければいけないと思います。局長、どうぞ。

●城平危機管理局長
 おっしゃるとおり、非常に大事な情報と、住民の皆さんがこれはでも必要だなと思われる情報とがあると思います。あんしんトリピーメールをつくったときの一番の発想は、住民の皆さんが必要な情報だけは選択できるようにしてあるのです。この情報は要る要らないというのは選べるけれども、その情報の中の重要度がないというのはおっしゃるとおりです。そのような中で、あんしんトリピーメール自体も今御指摘いただきましたように検討してまいりますけれども、あんしんトリピーメールだけではなくて、本当にどうしても伝えなくてはいけない情報の部分については、エリアメールを活用したいと考えていまして、これについては、登録しておられる方だけではなくて実際にこちらの地域にいらっしゃる方に、基本的には携帯を持っておられる皆さんに伝えることができる仕組みを各メーカーがされました。以前はドコモだけだったのですけれども、エーユーなども運用を開始しましたので、ぜひここの部分については、避難勧告を出したなり、それから例えば島根原子力発電所でこんな事故が起こって避難しないといけないなどの情報については、各メーカーで皆さんにメールを送ることで、今、業者と相談しております。そちらのほうも検討ながら、あんしんトリピーメールについても検討していきたいと思います。

○前田委員
 公用で課長以上に携帯を渡しているでしょう。どんどんメールが入ってきて、県職員は寝ていられないと思う。県の課長以上は気の毒だ。24時間公務員だというのもあるけれども、人権がある。寝させなければいけないと思うが、どうですか。

●伊澤行財政改革局長
 まず事実として、課長級以上だから一律に公用携帯を持たせていることはありません。これは必要に応じてですが、管理職になりますと連絡用の携帯は私用、公用に限らず大体持っているということでありまして、中には私用携帯を活用して連絡網に入っている職員もおります。これは選択にしております。私自身も2台、公用と私用と持っておりますが、確かにしょっちゅうメールが鳴ります。必要な情報が何なのかを選ぶことも必要でありますし、即応するためにも取捨選択が必要だというのは御指摘のとおりだと思っております。どういう連絡体制がいいのかは、危機管理局とも一緒になって考えていきたいと思います。

◎斉木委員長
 ほかに。

○谷村委員
 政調政審でお話を聞いたのですけれども、避難塔というか避難タワーに予算がついていたと思います。具体的に聞いたら、どこかというのはわからないですけれども、1カ所程度想定しているということですが、これはいつごろ決まるのか教えていただけますか。

◎斉木委員長
 避難タワー。

○谷村委員
 避難タワーにたしか予算がついていたと思います。

◎斉木委員長
 谷村委員、具体的に調べていただけますか。

○谷村委員
 また後で調べて担当課に聞きます。

◎斉木委員長
 担当が違う。

●城平危機管理局長
 避難タワーというのでは県庁全体でも予算はなかったかと思います。ただ、あるのは津波避難ビルに例えば外階段をつけるなり、屋上に少しさくを設けて転落防止ができるようにするなどについての予算は、生活環境部で予算立てしております。津波データについては今、12月の段階で既に速報版として市町村にお渡ししています。市町村で既に津波対策に取りかかっているところ、それから来年度予算で取りかかられるところが出ておりますので、市町村にそういう県の予算措置も御紹介しながら、対策に取り組んでいきたいと思っております。

◎斉木委員長
 いいですか。

○谷村委員
 結構です。

◎斉木委員長
 ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 では、ないようですので、執行部の皆さんは御退席してくださいませ。御苦労さまでございました。
 委員の皆様はちょっとお残りください。
(執行部退席)
 まず、県内調査でございます。先ほど報告がありましたように、津波対策検討委員会での検討を経て津波シミュレーションの内容が明らかになってまいりました。次回の検討委員会は3月22日にやられるそうでございますが、そのときに河川の遡上等の影響を踏まえた最終形が示される予定でございます。ついては、これらの結果を踏まえて新年度の早い時期に避難経路か、あるいは避難所及び備蓄状況等の現地調査を県内数カ所程度で実施してはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。現地調査、県内現地調査ということで、時期的には22日の検討再集計ができますので、それからしばらくたって4月の中旬以降。20日が常任委員会ですけれども、その前後という感じで計画してみたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 では、関係機関と調整しながら検討してみたいと思います。
 それと、お手元に、次は活動報告でございます。各委員会の1年間の活動状況について報告することになっておりますので、本委員会の平成23年度活動状況について別紙のとおり案を作成しておりますが、いかがでしょうか。御意見を伺いたいと思いますが、ありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 では、そのように最終日、19日に報告させていただきたいと思います。
 当委員会の今後の進め方です。今まではいろいろと問題点、活動状況等を聞いてまいりましたけれども、特に本年度は津波対策検討委員会、原子力防災体制協議会やBCPの策定推進会議などが開催されて、津波対策におけるシミュレーション結果が出ました。それから原子力防災における中国電力との間で安全協定の締結がありました。BCPにおける各ワーキングでの検討経過など随時報告を受けたところですが、今後はこの原子力防災にかかわる国の動きが具体化し、また本県においても津波対策やBCPの市町村展開などが本格化してまいります。したがいまして、新年度は原子力防災や津波対策における国要望の内容や各種法案等の国における具体的な検討状況など、ある程度調査テーマを本委員会側から指定して理解を深めていくとともに、議会としても必要があれば国など関係機関へ提言等を行うことも視野に入れて進めていくことはどうかと思いますが、いかがでございましょうか。(「委員長、副委員長一任」と呼ぶ者あり)
 では、そのように進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして防災危機管理調査特別委員会を閉会したいと思います。
 御苦労さまでした。

午後0時11分 閉会

 

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