午前10時00分 開会
◎上村委員長
それでは、おはようございます。
ただいまより、農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付しております日程表のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、今回の常任委員は、執行部の入れかえを行うこととし、最初に農林水産部について、次に商工労働部、企業局、労働委員について行います。
まず、会議録署名委員を指名いたします。
本日の署名委員は、安田委員と坂野委員にお願いをいたします。
それでは、本日の議題に入ります。
なお、質疑につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。執行部の方々は、説明を要領よく簡潔にマイクに向かってお願いをいたします。
まず、議題1、ロシアへの鳥取県農産物販売促進団の派遣結果について、伊藤農政課長の説明を求めます。
●伊藤農政課長
農林水産部の資料の1ページ目をお願いいたします。ロシアへの鳥取県産の農産物の販売促進団の派遣結果について御報告を申し上げます。
先般の常任委員会でも御説明しました、本年の第一弾となりますスイカ・メロンのロシアへの輸出でございますけれども、7月14日から17日まで、ウラジオストクにおきまして、農業団体、ジェトロ鳥取、それから県とあわせまして販売促進団を派遣し、PRを行ってきたところでございます。試食販売会の概要でございますけれども、1に書いてあります、7月の15日にウラジオストクの市内スーパーマーケット3店舗で行っております。来店者の皆さんからの感想でございますけれども、スイカ、メロンとも甘くておいしいという感想でございました。昨年おいしかったので、今年もまた買いに来たという方もいらっしゃいまして、徐々に定着してきたという感を持ったところでございます。
また、主な成果といたしまして、今回試食販売会の会場、従来2店舗でありましたけれども、3店舗に拡大することができました。さらに日本食を扱うレストランで2店舗におきまして鳥取すいか・メロンフェアということで、デザートに鳥取産のスイカ・メロンを出していただくということができまして、多くの皆様にPRをできたと思っております。
また、沿海地方におきましては、従来6店舗の販売店舗でございましたけれども、これを2店舗拡大して8店舗に拡大したところであります。その他でございますけれども、今後さらに販売拡大するにはエリアの拡大が必要だということでございまして、今回初めてウラジオストクからイルクーツク、3,000キロほど離れているところでございますけれども、ここまでトラック輸送の試験を行ったところでございます。輸送に4日間ということを要したところでございますけれども、スイカ、メロンとも品質には全く問題がなかったということでありました。
今後の課題としまして、やはり経費が、その輸送コスト分が高くなりますので、そのあたりの混載等を含めての輸送経費の低減あるいは高級品を扱うバイヤー等の掘り起こしといったことも課題であろうというふうに思っております。
なお、ハバロフスク及びイルクーツク、これもトラック輸送したところでございますけれども、品質に問題がなかったということもありまして、スーパー各2店舗で試食販売を行ったところでございます。来店者の方から、ウラジオストクと同様においしいという評価でありましたけれども、やはり高いという声が圧倒的に多かったというところでございます。
◎上村委員長
続きまして、議題2、「鳥取県暮らし農林水産就業サポート事業」及び「鳥取へIJU!アグリスタート研修事業」の実施について、米山経営支援課長の説明を求めます。
●米山経営支援課長
経営支援課でございます。2ページをお願いいたします。「鳥取暮らし農林水産就業サポート事業」及び「鳥取へIJU!アグリスタート研修事業」の実施状況について報告させていただきます。
まず、1でございます。鳥取暮らし農林水産就業サポート事業でございますけれども、本事業を活用し、本年の8月10日現在でございますけれども、表に記載しておりますとおり、新たに133名の雇用を創出したところでございまして、現在、研修中でございます。内訳といたしましては、農業の2事業で57名、林業の2つの事業で50名、水産の事業で24名。それから、本年度スタートしたコラボの事業で林業・漁業各1名、計133名というのが現在の8月時点の状況でございます。
なお、本年度スタートいたしましたコラボ事業の農業の実績は、現在ではゼロですけれども、今、酒造メーカーさんとか何件か相談を受けているものがございますので、これを雇用につなげていきたいということで今取り組んでいるところでございます。
なお、(2)で本事業の研修終了後の定着状況を整理したものでございます。左側が21年度採択者の本年7月末の状況、それから右側が22年度採択者の同じ時期の状況ということで、各事業多少のばらつきがございますけれども、21年度採択者の定着率としては67.4%、22年度の定着率としては73.6%という状況でございました。
続きまして、2の鳥取へIJU!アグリスタート研修事業でございます。この事業は、財団法人の鳥取県農業農村担い手育成機構が実施するものでございまして、IJUターン者等を雇用して先進的な認定農業者等を受け入れ先とした研修を実施するという事業でございます。過去1期から4期まで、延べ40名の研修終了者がございまして、そのうち30名が実際県内で農業を行っているという状況で、定着率が75%という状況でございます。なお、現在、5期生の研修を17名が実施中でございまして、みんな元気に研修中でございます。なお、本年の研修から研修期間を2年に延長することができました。春・夏休み、農業大学校でちょっと集合したときに意向を聞いてみますと、4~5名程度は2年目の研修をやってみたいという意向を持っているということで、その時期が来ましたらまたそういうような進路の相談等を受けていきたいと考えております。
◎上村委員長
次に、議題3、主要農産物の生産販売状況について、村尾生産振興課長の説明を求めます。
●村尾生産振興課長
3ページ目をお願いいたします。主要農産物の生産販売状況につきまして御報告いたします。
本年、春先から、4月の暴風、5月は降ひょうの被害ということで、災害でのスタートになったわけですけれども、前半戦終了しまして、総じて各品目とも好調な販売を行っているというところでございます。スイカにつきましては、4月の暴風害で5ヘクタール、約2万本の苗を植えかえするということになりましたけれども、生産者の皆さんが懸命の栽培努力をされまして、また、その後好天にも恵まれまして、非常に甘くておいしいスイカになったということでございます。消費地では、例年に比べて2度から5度低いという、ちょっと肌寒いような気候も続いたり、それから他産地、特に長野やら石川の入荷が早まったこともあったわけですけれども、非常に順調な販売が行えまして、そこに表にありますように昨年、昨年というのは過去最高の販売単価、キロ198円の年だったのですけれども、昨年よりも若干低いですけれども、174円ということで過去3番目の高い単価でございまして、販売金額もほぼ前年並みということで、まずまずの販売となりました。
次に、白ネギでございます。白ネギにつきましては、春ネギ、そして夏ネギの集計結果になるわけですけれども、最近の高温で一時生育が停滞いたしましたけれども、お盆ごろの降雨で停滞が解消しまして、順調に生育しているところでございます。販売状況につきましては、23年度に比べまして単価、販売額とも好調という状況でございます。
3番目の初夏どりブロッコリーでございます。初夏どりブロッコリーが一番春の災害で非常にダメージを食らったといいますか、被害の大きかった品目でございます。非常に心配をしておったわけですけれども、結果としまして過去最高の販売額となりました。要因としましては、葉たばこの廃作に伴う品目転換、新たに初夏どりブロッコリーを植えられたという方が6.5ヘクタールありますし、それから個人の規模拡大もありまして、4億3,000万余の販売高ということで、好調な販売でございます。
4番目のハウス二十世紀梨でございます。かなり天気がいいものですから、肥大もよく、大玉で収率がいいということで、ハウス二十世紀梨の場合は、大体盆前の出荷率というのが非常に販売高に影響しまして、いかに盆までに出すかというのが一つのポイントになるわけでございますけれども、目標の6割を上回る、約7割近くの盆前出荷率ということで、単価も582円と好調でございます。それから、参考としまして「二十世紀梨」、「なつひめ」「新甘泉」を記載しております。「二十世紀梨」につきましては、8月24日に査定会を予定しております。今週の金曜日でございますけれども、それで初販売日というのが決まります。ちなみに前年は8月30日ということでございました。出荷量は9,300万トン、93万ケースということで予定しております。それから、「なつひめ」「新甘泉」につきましては、きのう目合わせ会、査定会を行いまして、各地区から「なつひめ」「新甘泉」を持ち寄って品質検査いたしました。8月26日が初出荷ということでございます。糖度センサーのある選果場で広域選果して品質の統一を図っております。出荷量も前年の1.5倍ということで、201トンを予定しております。「新甘泉」につきましては、平均糖度13.2度ということで、かなり糖度もありまして期待されるということでございます。
◎上村委員長
続きまして、議題4、第10回全国和牛能力共進会鳥取県最終予選会の開催結果について、小松畜産課長の説明を求めます。
●小松畜産課長
第10回全国和牛能力共進会鳥取県最終予選の結果を報告させていただきます。これは、10月25日から開催されます全国和牛能力共進会長崎県大会というところに出場する鳥取県の代表が決まったということでございます。
予選の結果、種牛の区で18頭、それから肉牛の区で8頭ということで、資料の5ページに記載させていただいております。今回の特徴でございますけれども、結果、全県の全ての県でいろいろな町から出品ができたということが特徴でございます。西は日南町から、中部、東部の智頭町まで種牛が出品されるということ、それから肉用牛におきましても同様で、西は伯耆町から大山、琴浦、青谷、河原、智頭というところで、全県一丸となっての出品対策がとれたということでございます。10月25日に開催されます大会におきましては、全区優等賞を目指して頑張りたいと思っておりますし、その中でもオリンピックでいいます金メダル、首席というところを1つでもとりたいと関係者一同頑張っておるところでございます。また、あわせて最終的に評価されるのは、やはり肉ということでございます。前回の9回全共のときには余り芳しい成績ではなかったということで、関係者一丸となってこの成績を上げたいということで、オレイン55も含めて頑張っているところでございます。報告をさせていただきます。
◎上村委員長
次に、議題5、原木しいたけ新規生産講座について、村上森林・林業総室県産材・林産物需要拡大室長の説明を求めます。
●村上森林・林業総室県産材・林産物需要拡大室長
続きまして、資料6ページでございます。原木しいたけ新規生産講座についての報告をさせていただきます。
原木しいたけ新規生産講座は、品質の高い鳥取県の原木シイタケの新規参入者の育成・確保を図るために開講しているものでございます。今年度につきましては、7月22日に第1回目開講いたしました。これは3月まで毎月開催いたしまして、年間9回開催することとなります。これは財団法人日本きのこセンターに委託して行っているもので、原木シイタケの栽培の伐採・植菌・収穫・乾燥技術の講義及び現地実習を菌蕈研究所ですとか、県内生産者のほだ場等を使って開催しているものでございます。今年度は15名の方が参加されまして、その内訳については(6)のところに示しております。主に参加された方は、会社を退職された方、それから今もシイタケを栽培しているけれども、本格的に栽培を始めたいというような方、それから近年の特徴としましては、若年層でUターンだとかIターンをされた方が農業研修とあわせてシイタケの新規生産講座に参加しているといったことですとか、福祉団体の方が施設でシイタケ栽培をするのでということで参加されているというような例も最近では多くなっております。
参加者の最近の現状については2番の表に示しております。この修了者の中には、今年の全農のシイタケ品評会において林野庁長官賞を受賞されるような生産技術の高い方もいらっしゃるというような現状でございます。こういった新規生産者の方への支援としまして、県としては現在、シイタケ生産に欠かせない乾燥機だとかスライサーを導入する経費を助成する事業を設けておりますし、それから総合事務所の普及担当を中心に、新規生産者の方が安心して取り組めるような技術指導を行ったり、それから日本きのこセンターと連携したフォローアップなどを図っております。こういった取り組みを通じて、品質の高い鳥取県の原木シイタケ生産者の育成を図って生産拡大に向けた支援を引き続き行ってまいりたいと思っております。
◎上村委員長
次に、議題6、森林環境保全税の見直しに係るパブリックコメント実施結果について及び議題7、「とっとり共生の森」協定締結及び県有林のオフセット・クレジット(J-VER)の販売について、垣田森林づくり推進室長の説明を求めます。
●垣田森林・林業総室森林づくり推進室長
資料の7ページをお願いいたします。森林環境保全税の見直しに係るパブリックコメントを実施いたしましたので、御報告させていただきます。
森林環境保全税の見直しにつきましては、さきの7月2日のこの常任委員会におきまして御説明をさせていただきました。税率は現行どおりとし、適用期間を5年間に延長し、使途事業の内容につきましては一部拡充や補助率の変更によることで事業量を増加させるということで、パブリックコメントを行いました。募集の期間は7月18日から8月13日まで27日間、県のホームページ、各総合事務所、市町村役場の窓口等で、次の8ページにありますチラシを配置いたしました。また、8月3日には新聞広告に掲載をいたしております。応募の件数でございますけれども、19名、項目にしまして31件の意見がございました。
主な意見でございますけれども、課税税率等に対するものが16件ということで、継続に賛成といったものが8件、多少の増額も必要といったものが4件、効果が見えない税金徴収等には反対ということで、条件つきで反対といったものが3件でありました。また、使途事業につきましては、14件の意見がございまして、補助率を現状のまま維持してほしいとか、上げてほしい、あるいは22年度と同様にしてほしい。また、内容等につきましては、森林体験企画の参加を促すべき、あるいは県民の周知を図るべきといったような内容でございました。また、使途の拡大につきましては、枝打ち、再造林、天然林への進入竹林、竹の防止の支援などがございました。今後の予定でございますけれども、9月の議会に期間の延長につきまして、鳥取県税条例の改正案を提出したいと考えております。また、細かい使途事業の事業内容につきましては、来年度の予算において検討したいと考えておるところでございます。
9ページをお願いいたします。「とっとり共生の森」協定締結及び県有林のオフセット・クレジットの販売について報告させていただきます。
まず、「とっとり共生の森」協定の締結についてでございますけれども、7月12日に人形峠環境技術センター安全等連絡協議会と鳥取県三朝町が「とっとり共生の森」森林保全管理協定を締結いたしました。この人形峠環境技術センター安全等連絡協議会と申しますのは、日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターと関連会社4社で構成する協議会でございまして、こちらのほうが三朝町木地山にありますウラン残土のれんが加工工場の跡地及び倉吉農高の演習林におきまして、植栽・下刈り・間伐等の森林整備を行うというような内容でございます。これにつきまして、全体で「とっとり共生の森」につきましては16団体、370ヘクタールでの森林整備が行われることとなります。
2番目に県有林のオフセット・クレジット(J-VER)の販売を2件行いました。1つ目は、デンバジャパン株式会社、こちらは180トン、283万5,000円で販売いたしました。こちらのデンパジャパンは電動バイクを販売しておりまして、これの1台につき50キロのCO2を3,600台分ということでカーボン・オフセットに取り組むということになります。それから、もう1件は、学校法人米子自動車学校におきまして、50トン、78万7,500円ということです。これは米子自動車学校の教習車、送迎車及び地域イベント等における二酸化炭素の排出量の見合わせということに使用されるということでございます。これで県有林J-VERにつきましては、15社、1,013トンを販売いたしまして、県下のその他民間を含めますと現在、2,100トンのJ-VERが販売されております。今後とも民間を含めましてJ-VERの販売、またJ-VERの制度の普及に努めてまいりたいと考えております。
◎上村委員長
続きまして、議題8、第64回全国植樹祭の準備状況について、大北全国植樹祭課長の説明を求めます。
●大北全国植樹祭課長
資料の10ページをお願いいたします。第64回全国植樹祭の準備状況についてということでございます。本番まで残り約9カ月余りとなりましたが、その準備状況について御報告いたします。
まず、「とっとりグリーンウェイブ」県民運動の実施状況でございますが、美鳥の大使の認定者数につきましては、8月1日現在で2万1,390人ということでございます。引き続き、森・川・海の環境を育む活動の輪を広げてまいりたいと思っております。また、リレー植樹につきましては、既に5つの町で実施しております。次回は10月7日、日野町で実施予定ということでございます。
次に、2番といたしまして、全国植樹祭大会シンボル「木製地球儀」の県内巡回でございます。8月2日から県立大山自然歴史館を皮切りに巡回展示を開始しようというものでございます。今後は県民の皆様にお披露目をしまして、県内各総合事務所または開催町あるいは開催場所でありますとっとり花回廊など、各地を巡回展示したいと思っておる次第でございます。
次に、3番といたしまして、公式弁当検討幹事会でございます。8月2日にとっとり花回廊で開催しております。これまで審査員による2回の試食会を経て、メニューの内容を決定しておるところでございます。県産食材を使った西部特有の郷土料理「いただき」「カニちらしずし」「大山鶏の照り焼き」などのメニューで構成することとしております。この公式弁当でございますが、当日の招待者及び出演者等約7,000名に提供する予定でございます。
次に、4番でございます。「式典プロローグ創作劇」子ども主人公募集開始ということでございますが、全国植樹祭につきましては、プロローグ、式典、エピローグという3部構成としております。その最初のプロローグの中で創作劇を行うこととしております。題名は仮称でありますが、「大山神話」ということで、脚本・演出は「鳥の劇場」を主宰されます中島芸術監督にお願いすることとしております。内容につきましては、子供と木の精(老木)との語らいをもとに、その対話を通じて木のことを知り、木や森と生きることの大切さに気づいていく様子を歌やダンスを織りまぜながら表現することとしております。上演時間は約15分を予定しておるところでございます。この子供主人公の公募募集を8月10日から開始しておるところでございます。募集人員につきましては1名でございますが、主人公とは別に代役を1名選考することとしております。大会当日に代役として出演しない場合は、式典の最後のエピローグに出演する予定としておるところでございます。対象は、小学校4年から中学校2年ということで、選考は1次選考として作文、2次選考として10月7日に鳥の劇場においてオーディションを行う予定としておるところでございます。また、創作劇のせりふの一部として使用します木へのメッセージも、10月末まで一般公募しておるところでございます。
最後になりましたが、当面の予定でございます。大会計画策定(実施計画)幹事会を8月29日に開催する予定でございます。その幹事会の中で、実施計画中間検討案を審議しまして、9月か10月に開催します県実行委員会の総会で説明したいと思っておるところでございます。
◎上村委員長
次に、議題9、農林水産部の試験研究に係る外部評価の実施結果について、佐古農林総合研究所企画総務部参事の説明を求めます。
●佐古農林総合研究所企画総務部参事
8月3日に試験研究課題の外部評価を行いましたので、結果を報告します。
外部評価については、試験研究課題は、各関係団体・機関から要望を受けて試験設計を立てているところでありますけれども、さらに多角的・客観的視点から、ここに上げる評価委員の方々に評価を受けたものであります。試験課題は、農林関係の5試験場と水産関係の2試験場の、7試験場の20課題について評価を受けております。事前評価というのは、今年度あるいは来年度から新規に取り組む課題、これが10課題でございます。4年以上にわたる研究課題については、中間的に最大2年、以後2年経過したものについて中間評価を行っております。事後評価の課題については、今回はありませんでした。
評価委員は11名のうち10名の出席をいただいて評価をしております。評価の方法ですけれども、試験研究の各事業所から1課題10分のプレゼンテーションを行い、10分間の質疑・応答評価を行いました。評価の方法ですけれども、事前評価については、(1)、(2)の試験ニーズについての評価の点数を5点、(3)番、(4)番の計画性について5点、(5)番の研究費以上の効果について5点、合計15点の評価について3つに分けて行いました。
中間評価については、既に行われているものについて、継続性の必要があるかについて5点、計画の進捗状況、(2)番、(3)番の内容について5点、効果が期待できるか、(4)番のポイントについて5点、合計15点満点で評価を行い、6割以上の9点を満たないものについては実施を見合わせる、あるいは試験を中止するということにしております。
結果でありますが、事前評価10課題のうち、いずれも実施を見合わせるというものはありませんでした。中間評価についても、試験を中止するものもありませんでした。幾つかの課題について12ページ以降に上げております。その中で、特に点数の高かった13ページの畜産試験場事前評価に砂丘地の課題があります。砂丘地作物栽培及び牛への給与に関する試験、この課題が13.3ポイントで最も評価の高いものでありました。これについては、たばこの廃作関係の問題が大きくクローズアップされておりまして、特に県下165ヘクタールのたばこ耕作面積のうちの86ヘクタールがたばこ廃作であり、その中でも北栄町に26ヘクタールの廃作があります。代替品目で対応し切れなかった6.7ヘクについて、耕作放棄地にならないような対策がないかということで地域プロジェクトを立てて検討する中で、畜産試験場が加わる課題であります。評価委員の方にも高い評価を得ておりまして、耕作放棄地問題と飼料の高騰問題もあり、両方の問題が解決できるのではないか、あるいは、ここには上げておりませんが、輪作、特に中部でラッキョウ、ナガイモ、ネギなどとの牧草地の輪作体系がとれるのではないかというような説明もありまして、高い評価を得ております。
逆に評価の最も低かった課題が、14ページ下側の林業試験場の事前評価に地域資源を活用した製法による新しいクロスパネルの開発の課題でありますけれども、唯一9点台のポイントでありましたけれども、この課題についてはクロスラミネイテッドティンバーというベニヤ板のようなものをイメージしていただいて、それが縦方向の板を並べて、それの上に横方向の板を並べる、さらに縦方向の板を並べる、三層構造のパネルにした分厚いものをつくるということであります。従来から36ミリのパネルをつくるということは行われておりましたが、それが以前のツーバイフォーという柱で構造体をつくる建物に比べて、壁の面で構造体をつくるという考えで、36ミリパネルというのが注目されていて、その国内での利用が見込まれるということで既に動いておりますけれども、その新しい動きの中でも大手のメーカーの参入があったらどうするかということで、県内の地場産業を育成するためにはもう少し薄いもので、24ミリの薄いものでできないかと。そうなると構造体としては使えませんけれども、床材とかマンション内のリフォームに使えないかという、すき間をねらったようなニーズを試験していくのだという説明があったわけですけれども、林業分野の評価委員の方のそこのコメントがありますけれども、なかなか市場性メリットが見えないではないかというような評価を受けて、全体のポイントを押し下げております。これについては、内容を見直して検討していくということにしております。
最後に、15ページの水産試験場の課題がありますけれども、中海水産資源生産力回復調査、この課題については、昨年度も新規課題として上がっておりましたけれども、9ポイント以下の低い評価を受けて見直しを行った、再度提出した課題であります。今回は国土交通省の事業を受けて、浅場を造成したところにマハゼという新たな資源を開発していくということをねらった取り組みに内容を少し変えて評価を受けました。その結果、12ポイントということで今年度から試験をスタートするということになっております。
以上の評価委員さんからいろいろな意見をいただいておりまして、今後の試験計画設計にこの意見を反映していくということになります。
◎上村委員長
次に、議題10、海の森づくり事業(藻場造成事業)の取り組みについて、豊かな海づくり事業についてと、及び議題11、鳥取県外国漁船操業問題対策協議会の開催について、岸本水産課長の説明を求めます。
●岸本水産課長
それでは、16ページお願いいたします。海の森づくり事業、藻場造成事業の取り組みについて、豊かな海づくり事業の一環として行っているものでございます。概要でございますけれども、平成15年度から漁業者が中心となりまして、海域に多年生の海草でありますアラメを移植しております。今年度ですけれども、高校生、また一般ダイバーの参加を求めまして、漁業者と連携する県民参加型の海の森づくり事業について実施をしているところでございます。
目的のところにも記載をしておりますけれども、第31回全国豊かな海づくり大会を契機に、県民の海の環境に対する関心が高まっておりますので、この意識の高揚を海域の藻場の回復につなげようということで、漁業者と一般県民の連携を促進しているところでございます。具体的な連携でございますけれども、その下の(2)の(1)でございます、漁業者と高校生との共同作業、これは6月18日に大山町の平田海岸沖で実施をいたしましたけれども、境港の総合技術高校の海洋科3年生の5名の生徒さんと教諭2名、それと県漁協の淀江支所の漁業者3名と、公益財団法人鳥取県栽培漁業協会の職員1名で実施をいたしました。高校としては、課題研究の一環ということで、生徒、グループで課題を設定をして調査研究を行って発表をするという、そういった課題の研究の一環ということで実施をしていただいたものでございます。内容といたしましては、アラメの種苗プレート10枚を素潜りにより設置をしたということです。高校生の感想といたしまして、思っていた以上に海草が少なかった、移植したアラメが大きく育ち、藻場の回復に役立ってくれるとうれしいといった感想をいただいております。
(2)でございますが、漁業者とダイバーとの共同作業でございます。これは6月29日に実施をいたしまして、浦富海岸で行いました。ダイビングショップ「Blue Line田後」の職員3名、県漁協浦富支所の漁業者2名、それと公益財団法人鳥取県栽培漁業協会の職員1名でございます。同様にアラメの種苗プレート10枚をスクーバ潜水により設置を行いました。ダイビングショップの職員の方々の感想でございますが、今回初めての取り組みで、普段ダイビングスポットとして利用させてもらっている海に対し、恩返しをしたい。また、移植したアラメが大きく成長し、生き物が増えたらいいと思うという感想をいただいているところでございます。
今後の取り組みでございますが、8月末から翌春にかけまして、両地区において3回から4回程度経過観察を行います。また、食害生物の駆除、ウニとか巻き貝の駆除活動を行います。まだ具体的な日程は未定でございますが、タイミングが合えば、また一般ダイバー、高校生との共同の実施といったことも視野に入れているところでございます。
最後に書いておりますけれども、高校生は、9月以降、過去に移植したアラメの種苗が周辺海域にどのように広がっているのかといったことも調査をすると伺っております。これも課題研究の調査の一環と伺っているところでございます。今後も県民参加型の海の森づくり活動を推進してまいりたいと考えております。
続きまして、17ページお願いいたします。鳥取県外国漁船操業問題対策協議会の開催についてでございます。日韓・日中漁業交渉、これは政府間協議また民間協議ございますが、そういった交渉の状況、また日韓・日中漁業の取り締まりの実態並びに韓国・中国漁船の動向、山陰沖外国漁船操業について、県内漁業関係者と国、県が情報共有し、情報交換する。鳥取県外国漁船操業問題対策協議会を7月30日に開催をしたところでございます。出席団体等というところで記載をしておりますけれども、水産庁の境港漁業調整事務所境海上保安部、また漁業関係者からは、県の沖合底曳網漁業協会、山陰旋網漁業協同組合等出席をいただきました。また、行政からは境港市、岩美町、そして私ども水産振興局が参加をいたしたところでございます。
内容につきましては、(1)から(6)まで記載をしておりますけれども、日韓・日中の漁業交渉の状況等についての報告をいただいて、意見交換を行ったものでございます。
4番目の主な発表内容、意見についてでございますけれども、水産庁の境港漁業調整事務所からは、本年度の日韓間の相互入漁、これは排他的経済水域の相互に漁業者が操業するといった、そういう話なのですけれども、本年度はまだその操業条件が折り合いがついておりません。そういった交渉が続いているといったような話とか、日韓間・日中間の政府間での漁業交渉の現状について報告があったものでございます。県の沖合底曳網漁業協会、県のかにかご漁業組合からは、韓国との民間協議の状況について報告をいただきまして、その中では、新協定の発効後13年経過するが、その目的である暫定水域内の資源管理、漁場秩序の確立がいまだ実行されておらず、民間協議では限界を感じており、政府の力を発揮していただきたいといった発言があったものでございます。境海上保安部からは、中国漁船による漁業被害の実態、これは東シナ海のほうの話でございました。また、韓国漁船、中国漁船の動向ということで、最近の例えば隠岐島付近の日本の排他的経済水域で韓国の漁船を検挙したときの話とか、そういったような最近の動向、また取り締まりの状況について報告がございました。沖合底びき網漁業の経営者10名の方も参加をいただいていたのですけれども、これまで我々漁業者が参加できるこのような会がなかったので、生の情報が把握できてとてもありがたい、今後もぜひ継続して開催してほしいといった発言があったものでございます。
最後に、今後のこの協議会のあり方につきまして皆さんで協議をいたしまして、継続して年1回程度開催をしようと。また、情報共有が必要な事態が生じれば、その必要に応じて随時開催するということを確認したものでございます。今後もこの組織を通じまして情報収集、情報共有に努めたいと考えております。
◎上村委員長
続きまして、議題12、マサバ陸上養殖技術開発について、養殖事業展開可能性調査、豊かな海づくり事業、及び議題13、未利用海藻掘りおこし調査について、豊かな海づくり事業についてでございますが、古田栽培漁業センター所長の説明を求めます。
●古田栽培漁業センター所長
18ページをごらんいただきたいと思います。私ども栽培漁業センターでは、本年度の戦略事業としまして、海水移動を使った陸上養殖の鳥取県内での振興ということを目指しまして、マサバの養殖技術の開発を、これは全国に先駆けて開始したところでございますけれども、着手から5カ月を経過しましたので、その経過と現状を御報告させていただきたいと思います。
まず、サバの養殖の全国的な状況でございますけれども、天然のサバに比べてはるかに値段が高いということもありまして、主に九州ですとか四国を産地にしまして、天然の種苗を使った海面での養殖が行われているところでございますけれども、天然に頼る種苗、稚魚の確保が不安定で、ほぼ量が頭打ちであるということとともに、夏場の近年の高水温、これによる成長低下ですとか赤潮、あるいは寄生虫といったようなリスクを抱えているのが現状であります。そこで、鳥取県でサバの陸上養殖にチャレンジする狙いということでございますけれども、1つは人工種苗、陸上で卵から育てた人工的な稚魚によって種苗の安定確保ができる。あるいは、生産物の安定供給を市場に出すことができるというようなことがあります。さらに、海の海洋環境ですね、こちらの影響、赤潮だとかいったことは受けないということです。さらには、食の安全確保が可能となるといったようなセールスポイントがあるだろうということで全国にない高級サバの養殖産地づくりというものを目指そういうものでございます。
開始して5カ月目の現状でございますけれども、天然の親の魚を愛媛より入れて受精卵をとりまして、人工稚魚約6,000匹を生産することができました。現在、その稚魚を使った養殖試験を続けておるところでございますけれども、既に全長が12センチから20センチぐらいに成長しております。大体1日2ミリぐらいのスピードで成長しております。こういった養殖技術の確立ができた暁には、この一番下のフローのように公益財団法人であります鳥取県栽培漁業協会による種苗の量産あるいは販売と、それから技術指導によって経営体の創出ということを目指して、つなげていきたいと考えております。
続きまして、19ページをごらんいただきたいと思います。未利用海藻掘りおこし調査についてでございます。こちらも今年度の戦略事業でございますけれども、この経過の報告をさせていただきたいと思います。この事業は、アカモクだとかヒジキだとかいったような、これまで全く収穫の対象と鳥取県ではなっていなかった海藻ですとか、毎年大量に生えているにもかかわらずほとんど収穫されてない天然のワカメだといったような市場価値がありながら利用されてないといったような、いわゆる未利用海藻を活用した6次産業化によって新しいビジネスの導入というのを技術的に支援して、応援して推進していこうといったものでございます。
まず、技術支援の内容でございますけれども、1つは収穫可能量、どれぐらいの量が鳥取県で収穫できるだろうかといったような試算ですとか、あるいは効率的に収穫する方法、来年、再来年につながるとり方あるいは一シーズンでより多くとるような収穫の方法といったものを試験によって明らかにしていきたい。さらに天然だけに頼らない海の畑づくりといったようなものの技術の確立を目指したいと思っております。さらには、市場価値を与えるための一次処理の方法、これを確立して業者とともにそういったものの出荷体制を考えていきたいといったような内容でございますけれども、この中ほどのフローに上げておりますように、生産者が付加価値をつけるための生産、加工から直接販売までを手がける、いわゆる6次産業化の導入を応援するといったものでございます。
これまでに県内既に3地区で海藻のビジネス創出に向けた活動というのはスタートしておりますけれども、この1つ、酒津地区ではアカモクといった海藻を対象に、既に一次処理施設を開設しまして、地元の住民の方を短期雇用でございますけれども雇用して、塩蔵を生産して境港の加工会社あるいは鳥取市内の社会福祉作業所に、これまで約6トン出荷されております。また、アカモク以外のワカメとかクロモとかタンバノリ、あるいはウミブドウといったようなその他の海藻についても目を向けて、商品化を模索中ということでございます。また、泊地区でございますけれども、アカモクの畑づくりというのにチャレンジされて、8月現在増殖場内に大量の発芽というのを確認されておるところであります。それから、赤碕でございますけれども、こちらもアカモクを材料に、漁協の加工部で一次加工の試作をされて、ほかの海藻とのブレンドによって新商品を開発して新しく道の駅で販売するといったことを進めておられるといったところでございます。
今後、これらの地区において生産・加工・販売の一本化によってビジネスモデルを確立していくとともに、まだまだ未利用のまま放置されているたくさんの地区がございます、そちらの地区への波及といったものを図っていきたいと考えておるところでございます。
◎上村委員長
次に、議題14、大消費地における販路開拓の取り組みについて、北村市場開拓課長の説明を求めます。
●北村市場開拓局市場開拓課長
資料をおはぐりいただきまして、20ページをお願いいたします。大消費地におけます販路開拓の取り組みについて御報告させていただきます。
最初に、鳥取県フェアでございます。東京の銀座三越では8月29から9月4日、名古屋のJR名古屋高島屋では8月22~28日、広島ではJR広島駅で9月11日から13日にかけまして、それぞれ物産販売と漫画博のPRも行います。この中で銀座三越につきましては二十世紀梨及び梨の新品種の試食販売にも取り組ませていただきたいと考えてございます。
次に、梨の新品種のPRの関係でございます。先ほど銀座三越のお話をさせていただきましたけれども、それにプラスでプランタン銀座で取り組みを考えてございます。9月3日でありますけれども、梨の新品種の試食販売に取り組ませていただきます。この取り組み主体は、ブランド化女子会ということで取り組もうとしておりまして、もともと農水産物のブランド化に向けたPRでございますとか、アイデアを検討していただくための女性チームなわけでございますけれども、今回、この女子会のメンバー、第一線で御活躍されています若手の民間の女性4名の方と、あとうちの職員、女性2名で試食販売を頑張っていこうということでございます。販売につきましても、この女子会が提案しました新たなパッケージで販売に挑戦していこうという取り組みでございまして、新甘泉となつひめの2個入りのパッケージを販売と考えてございます。そのほか観光PRもやってまいりますし、消費者アンケートも実施してまいりたいと思ってございます。
次に、野菜ソムリエコンベンションの関係でございます。これは自治体パートナー制度の取り組みでございまして、野菜ですとか果物、あと加工品の認知と販路開拓が目的で行われる取り組みでございまして、一般客ではなくて実需者とのマッチングの場と位置づけられております。9月7日に渋谷の東京本部で実施いたします。来場者は青果店の方、あとレストラン関係者の方、あとは料理教室の講師の方々、そういった方100名を対象にしまして梨の新品種の試食宣伝を取り組みたい、あわせて需要調査等も実施してまいりたいと考えてございます。
次に、東京本部なり関西本部なりの取り組みでございますけれども、東京本部の関係につきましては、アンテナショップ4周年イベントを8月29日に行うことにしておりまして、その中で梨の新品種なつひめ、新甘泉の試食PRを実施する予定にしておりますし、あと千葉三越でもPRする予定にしております。あと関西本部関係でも大阪市の中央卸売市場本場で二十世紀梨の販売式を8月30に予定しておりますし、そのほか千里大丸プラザの鳥取県フェアでも、二十世紀梨の試食販売などに取り組むことにしております。
◎上村委員長
次に、議題15、平成24年度「食のみやこ鳥取県」特産品コンクールの審査結果について、中原食のみやこ推進課長の説明を求めます。
●中原市場開拓局食のみやこ推進課長
それでは、続きまして資料の21ページをごらんください。平成24年度「食のみやこ鳥取県」特産品コンクールの審査結果について御報告いたします。
このコンクールは、鳥取県産の農林水産物を主原料とした加工食品などの中から、すぐれた食品を表彰・PRするものです。先日、8月7日に開催しまして、今年度5回目の開催となります。審査結果については、1番に記しております。最優秀賞1点、株式会社鶴太屋の「鳥取黒毛和牛の佃煮」。優秀賞2点、株式会社はりまやの「大山山麓でとれたこんにゃく芋100%のこんにゃく」、株式会社千年王国の「ハタハタ甘露煮」。そして優良賞3点もその次に記しております。今後の展開としましては、全国食品コンクールにおける県推薦商品の候補とするなど、いろいろな場面でPRしていくほか、各種イベント、ホームページなどでも紹介をしていきたいと考えております。今週金曜日の8月24日には、県庁内におきまして表彰式を開催する予定です。
最後に、参考情報を記しておりますが、前々回のコンクールになりますけれども、平成22年度に最優秀賞を受賞しました「紅ずわいがにかにおこわ」という商品がございますが、これが平成23年度の全国食品コンクール、優良ふるさと食品中央コンクールといいますが、こちらで最優秀賞となります農林水産大臣賞を受賞いたしました。今後もこういった商品の販売力強化に向けた支援を行っていきたいと考えております。
◎上村委員長
それでは、質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、発言前後でのマイクのスイッチの切りかえを忘れずに行っていただきますようお願いいたします。
それでは、ただいまの説明につきまして質疑、御意見がありましたら、どうぞ。
○錦織委員
まず、1ページ目のウラジオストクからイルクーツクまでのトラック輸送試験ということですけれども、どのくらい効果があるのか、こんな遠くまで運んでと思うのですが、ロシアの一般的な平均月収はどのぐらいのものなのか、それとも向こうでよく食べる果物の1個当たりの値段はどのくらいのものなのかと思いますが、いかがでしょうか。
●伊藤農政課長
ロシアの平均月収は2万から3万だと記憶しておるのですけれども、大抵スイカでいきますと、現地の価格で、日本円で換算すると大玉で1,000円ぐらいと見ていただければと思います。そういったもので、今回6,000円近くの金額になりますので、相当高級品になるということであります。
イルクーツクといいますのは3,000キロ離れているのですけれども、今回この輸送試験を行ったのは、これは物流会社が行ったのですけれども、要は限界点、どこまで荷がもつかということを探ろうということです。要は、ここまで持っていけたら、その内側ですね、東側は販売エリアにできるということであります。もう1点、イルクーツクを選んだのは、ここは60万都市であります。シベリアの60万都市といいますと、ウラジオストクとハバロフスクと、あとはイルクーツクしかございませんので、最大の60万の都市の3番目を狙っていくと。その内側で、今度は20万都市、10万都市がありますので、そういったところへ店舗を拡大するための今回は戦略の1つとしてトラック輸送を行ったということであると思います。
○錦織委員
この計画というのは、何か時々フェアとかなにかではなくて、常時販売してもらおうというのが最終的な目標ですよね。
●伊藤農政課長
そうです。
○安田委員
いいですか。7ページの森林環境保全税の見直しに係るパブリックコメントが、これは意見交換会というのを開かれたのか、その辺説明してください。
●垣田森林・林業総室森林づくり推進室長
意見交換会につきましては、5月の28日から31日にかけまして、県内5カ所、それぞれの総合事務所ごとで開かせていただきまして、合計80名の方々に御出席いただきまして、森林環境保全につきまして御意見を伺いました。
○安田委員
もちろんその説明をされたということですが、森林環境保全税のそもそもの狙い、趣旨、そういうものについては十分説明された上で意見なりをお聞きになったのではないかと思いますが、どうですか。
●垣田森林・林業総室森林づくり推進室長
意見聴取に当たりましては、これまでの事業の経過とか、それから事業の趣旨等、どういうことをやっているかとか、そういうことにつきましても十分御説明した上で御意見を伺いました。
○安田委員
そうだと思うのですね。実は、境港市から意見交換会に出席した恐らく80名のうちの1人だと思いますが、境港市は山林、森林というものが市域に全くないところですので、私は森林保全税というのは使われる税金がうちに使われることはないと認識していたのですが、一方で、竹林についてはやはり大変困っている状況があるわけです。これが畑に侵入してきたり宅地に侵入してきたり、道路にも侵入してきたりという困った状況があることも事実でございます。そういうことに鑑みて、意見交換会が終わった後、さらに自分の地域に市役所から来ていただいて、そういう竹林について、森林保全税について説明をしていただき、適用を検討されたわけです。それで竹林駆除が実施できそうだという認識を持たれたようですが、私のところに15%も自分たちが負担するのはつらいので、県に補助率を引き上げるよう言ってこられました。
それで私は無理でしょうと自分の意見を、見解を述べました。恐らくこの森林環境保全税を使うことは無理だろうという認識を説明しました。それで納得していただいたという経緯があるのですが、もうその間にみんなが困っているわけですから、その方々に、何と県に今度は竹を駆除してもらえるのだと、全部費用も持ってもらえるのだといううわさが浸透してしまっていたのです。私も言ってこられた人とは違う方面から、今度そういうことになったというから、うちもしてもらえるというような話を聞いたものですから、どこでどうねじれてそういう話になったのか非常に不可解で、実はその説明をされた方に直接電話をして聞きました。ここだと思うのですよ、使途拡大について樹木や竹の生えた耕作放棄地を畑に還元する事業に使用すべきと、この意見だと思うのですね。こういう意見として提出をすること、意見は意見なので出させてもらいますとかということでしたけれども、私は、そういう誤解を招くような意見交換会であったり説明会ということは、これはおかしいのではないかと思うのですね。幾ら言われても、頼まれても、これは森林保全税の趣旨に反するのだったら、そういう説明を県はきちんとすべきではないですか。ちょっとその辺をお尋ねしますが、いかがでしょうか。
●垣田森林・林業総室森林づくり推進室長
各会場でいろいろな御意見を伺いまして、それにつきましてなかなかできないというようなことで、その都度意見交換の形で回答なりその場でさせていただいたと記憶しております。確かに境港の方が竹林もできるのかというお話がありまして、規模にもよりますけれども対象にはなりますという話があったことは私も出席しましたので記憶しております。ただ、全額でできますとか、県が全部しますというようなお話は一切しておりませんし、資料もそういった形で、補助しておるということでなっております。
○安田委員
岸田参事監、答弁をお願いします。
●岸田農林水産部参事監
西部農林局内の説明会でそういう案件が、事案があったということで、担当からもう少し私も詳しく聞いた上で、特にこの意見となっております畑に復元ということにつきましては、今、県が行っております耕作放棄地再生事業で、地元負担なしで対応可能です。ただ、地元境港市との協議が必要になってきますので、そこら辺を十分、地元市、それから住民の方々と協議をして進めてまいりたいと思います。
○安田委員
では、岸田参事監、後でその事業、ほかの手だてについても教えていただきたいと思います。それから、言っておきますけれども、畑だけではなく、ほかのところのことにまで、例えば墓地だとかね、そういうことにまで誤解が生じていますので、くれぐれも気をつけていただきたいと思います。
◎上村委員長
よろしくお願いします。
ほかにございませんか。
○伊藤(美)委員
1ページのロシアへの鳥取県農産物販売促進団の派遣結果についてです。いつだかアラブのスイカという、3万円でどうとかいうのがありましたな、ドバイですか。一過性の話にならないようにしなければいけないですが、ドバイはその後どうなっているのですか。大分、県もやってあるけれども。その後もうだめでしたと。あのとき非常に高く売れて、何だかよかったよかったという話で、宣伝材料にはなったかもしれないけれども、やっぱり行政が対応するときには、その締めくくりをきちっと整理しないと、もうこれでやめますよとか、輸送費が問題だという話も出ておったですけれども、1個3万円は先行して、後始末というのを僕はきちっとすべきではないかと思います。もうそれでとりあえず行政的な対応はこれで終わりだという話をです。
このロシアの場合も、僕は値段が問題だと思うのです。私も3年ほど前ですけれども、ウラジオストクのスーパーを何軒か歩いてみましたが、日本のお金を持っていくと物すごい安いです。それこそワインなどでも300円ぐらいでいくらでもあるのです。こういうところで果たして成り立つのかなという疑念をその当時持ちまして、むしろ向こうから輸入してこっちで売るのはいいけれども、こっちから輸出するのには難しいと思いました。ロシア国民の財政的なレベルというのは、私が行ってから何年か経っていますから、どれぐらい上がったかはわかりませんが、スーパーを見ますと、やっぱり1個1,000円のスイカは高いほうの値段ですよ。そうすると、6,000円だ、8,000円だというのが、その消費層を狙うという手もあるのかもしれないですけれども、やっぱり将来性を見きわめるために非常に難しいという私は感覚を持ちました。この辺につきまして、後始末と両方ひとつお願いします。
もう1つは、これは11ページですか、試験研究の外部評価です。以前に加工用ブドウの品質選定について、もうやめてしまったというような話で、ちょっと苦情を申しましたけれども、やっぱりこの辺は非常に外部評価というのは難しいと思ったのは、それぞれの視点が違った場合に、例えば加工食品に求めて品種選定するといったことと、今の考え方とぴたっと合っているなと私も思ったです。この中に私は試験研究というのは、三木市場開拓局長、例えばですよ、今年は発酵食品というのでしょうか、非常に評判というのか、あるブームがあります。鳥取県は以前からこうじ屋というのが、それこそ倉吉でも米子でもいっぱいあったのです。それで自分のところでこうじをつくって、発酵食品をつくってという格好の食文化があるわけですが、来年、次の年度の課題を今から策定するはずですから、この辺をひとつ試験研究の中で、もっと加工食品という視点で試験研究に加えるようなこともできないでしょうか。何か発酵食品への対応がちょっと出てこないから。その試験場の関係はこれは農林ではなしに商工か。その辺もよろしく頼みます。
16ページ、海の森づくり、これは松沢水産振興局長、海藻の磯やけというのが14~15年前に随分全国的に課題になって、それで10年ほど前ですか、全県の海の調査がなされたと思います。あれから10年ぐらいたっています。私はせんだって、湯梨浜の海を潜ってみました。そうすると、やっぱりかなり磯やけが進んでいるところと、海藻が生えているところとありまして、どういう関係か知りませんけれども、ないところは砂漠ですね。ですから、全県的に調査してもう10年ぐらいたちます。それで藻場造成事業ということであれば、非常に長い期間で考えていく必要があります。昔はアラメなどというのは、移植などはしなくても全部自分で生えておったものですけれども、今は移植しないと生えないような実態になってしまっている。その辺も何か理由がありそうなものだけれども、10年前も、12~13年前ですか、原因はつかめませんでしたが、あのときは全県調査をきちっとやっておいて、今回は調査を実施しないで、単発的な藻場造成事業というのは、私はなかなか成果は出にくいと思うのです。原因まではなかなかわからないかもしれませんけれども、その辺をお願いしたいと思います。これは言ってみれば調査、来年度事業でもいいです。
17ページ、岸本水産課長、せんだって私が、韓国漁船と思われる漁船の排他的経済水域内での違法操業の実態や、違法採取した漁具の実態というのを知らせてほしいと言ったけれども、全然報告がありません。今、恐らく調整事務所やあるいは奥底の事業での違法漁具をとって保管している量はどのぐらいになるかというのを聞かせてほしいと。それはやっぱり違法操業の実態ですから。
それで、ここで確かに暫定水域内の資源管理や漁業秩序の確立がいまだ実行されていないと。このことは、恐らく10年間言い続けてきたけれども、水産庁はそれに手をつけてないでしょう。韓国との関係の中で、手をつけれなかったでしょう。ですから、発効したのが平成11年1月20日ですか。それ以降、この話はずっと漁業関係者は訴え続けて、民間協議ではもう限界です。10年来、民間協議をしている。もうぼつぼつその辺を水産庁に強く要求したり要望したりしないと、今の竹島問題の中でまた吹き出る可能性もあると思うのですけれども、その辺をしっかりと対応しておいてもらうといいと思います。
18ページ、マサバの陸上養殖技術、これは非常に漁師さんだけではなしに近くの方々も興味持ってこのニュースは見ておりますが、もう1つアワビの陸上養殖を既にやっているという倉吉の業者さんがあると聞いています。その実態をお知らせしてほしいと思います。次はマサバをやりたいという、倉吉での陸上養殖というのは余り聞いたことがなかったですけれども、このことはやっぱり新しい養殖方法として関心を持っておられる人はおられます。特に土建屋さんが異業種という格好の中で、これはできないだろうかという話をちょくちょく聞きますけれども、アワビも土建業者さんです。ですから、マサバも既にやりたいという話ですが、これは今の海水移動というのが県の用地だと、県有地だということになるとかなり大きな関心で、この試験結果を見ております。先行したアワビの陸上養殖の実態をちょっとあわせて教えてください。
◎上村委員長
順次答えてください。
●伊藤農政課長
そうしますと、ロシアの関係で御質問がありました。後始末が大事だということであります。ドバイの件についても一過性のものに終わってしまったのではないかという御意見でありました。確かに後始末というのは非常に大事でありまして、どこで見きわめるかということだろうと思います。これが販売として物になるかどうかといいましょうか、ペイできるかといいましょうか、そういったことが必要だろうと思います。今、輸出業者であるロシアのセンコン物流が、全農から買い取って輸出をしておるわけですけれども、非常に地道な動き方をしております。一気に量をふやすのではなくて、販売店舗を拡大したら、その店舗数に応じて拡大をしていくという戦略をとっておられますので、比較的安定した形で今、販売されておられます。ただ、先ほど伊藤委員からありました購買層はどれくらいあるのかというところの見きわめも必要だろうと思います。
先ほど、錦織委員の中で平均2万と言いましたけれども、大変失礼いたしました、2万ルーブルでありますので、円で換算すると5万円ぐらいということであります、失礼いたしました。そういった層が平均的でありますけれども、総領事館とか伺いますと10%、国民の、シベリアといいましょうか、極東需要の約10%が大金持ちではないけれども、小金持ちだということであります。そういった層を狙うべきであろうということであります。そのためにはもう少し若干物流コストも安くするという必要がありましょうし、それから今回新たにレストランで販売ということをやりました。これでいきますとグラム単位で、200グラム300円ちょっとという形でデザートで提供するといった売り方も店舗数を拡大してレストランとも提携していけば、可能性があるのではないかと見ております。そういったやっぱり地道な取り組みが必要であろうと思っておりますので、今後とも見きわめをしながら物流会社、全農さんとも相談しながらやっていきたいと思っております。
●三木市場開拓局長
伊藤委員から発酵食品のことについて御質問がございました。塩こうじを初めとして、今非常にブームになっておりますけれども、発酵食品というのはみそ、しょうゆ、そういうものも含めて発酵食品の分類になっております。現在、食品加工研究所、これは独立行政法人になっておりますけれども、産業技術センター食品加工研究所で、個別企業をして申しわけないですけれども例えばダイマツさんがマグロのしょうゆをつくったり、そういう形でも食品加工研究所で鋭意協力体制はできております。また、現在、今後の試験研究のあり方も含めて食品加工研究所の施設整備も含めて検討しているようでございますので、委員の御意見を踏まえて、また発酵食品のことも話をしていきたいと思っております。
ちなみに、こうじ文化研究会というのができておるようでありまして、民間の方々を初めとして、そういう中でもお話をしていけたらと思ったところでございます。
●岸本水産課長
捕獲漁船の話がございました。韓国の漁船のEZ内での操業の実態、また漁具の回収の実態ということで、また伊藤委員にお知らせをしたいと考えております。今ちょっと数字を持ち合わせておりませんので、また報告させていただきます。それと、しっかり対応をということでございます。国要望は継続して行っております。漁業者の切実な声を私どももずっと聞いておりますし、また知事もまさに人の手による未曽有の災いだということで、これは何が何でも解決しなければいけないと言っております。国に要望等もしっかりやっていきたいと思っております。
●古田栽培漁業センター所長
アラメの藻場造成事業のことで御質問、御指摘をいただきました。長期的に鳥取県内の藻場の監視をということでございます。伊藤委員が御指摘のように、平成11年に最初の全県調査を行いまして、その当時、特に漁業者の方々から海藻がここのところ減ってきておるというアンケート結果があったものですからそういう全県調査を行い、その当時は鳥取県には、太平洋側で苦しんでおられる磯やけというほどの累々としたような海藻のない海域というのはまだ見られないものの、一部に海藻がなくなったところがあるというような結果でした。
実は昨年度、それから11年たってもうそろそろ見るべきだろうということで、全県全てはなかなか難しかったのですけれども、6地区に分けまして、6地区、16カ所だと記憶しておりますけれども、点検の調査を行いました。その結果、やはり全然海藻がなくなったという海域はございませんけれども、やはり一部に海藻がほとんどなくなったという海域が見えておりました。アンケート結果からも、やはり漁業者の方々はさらに海藻が減ったというような感じを抱いておられるということもわかってまいりました。
今後でございますけれども、今年度も含め、全県調査というと、コンサルに頼むと何千万という予算がかかりますので、順次地区を分けながら栽培漁業センターで監視をしていくということで、そういう事業を組んでおるところでございます。
もう1つ、サバの養殖に関しまして、倉吉でアワビの養殖を開始された企業がおられるというお話でございます。早速倉吉この春出向きまして、どのような養殖を考えておられるかということをお話しさせていただいて、既に試験養殖、アワビの陸上、会社の敷地内においてコンテナを使った斬新な陸上の養殖、海から離れたところで海水を入れかえすることなく循環式でやっておられるというシステムを立ち上げました。私どもの公益財団法人の職員が週に1回ほど通いながら、徐々にアワビの個数をふやして、現在4,000個まで飼育を拡大しました。最終的に今年度中に1万個まで持っていく予定でございます。今のところ1個も死んでいないという、ちょっと我々もびっくりするような好結果が得られております。この業者の方は、海水移動が試掘の結果がよければ、例えば泊漁港への進出というのも検討しておられまして、我々とともにどういう形で拡大していくかということを御相談させていただきながら進めていきたいと思っております。
○伊藤(美)委員
17ページの外国船操業問題、これ本当に13年代といいますけれども、岸本水産課長、やっぱり暫定水域内ではなかなか操業できない、これは実態なのです。魚影も少ないという話も聞いておるし。ただ、日本の経済水域内というのはきっちりとやっぱり守っていかないといけないということで、水産庁も一生懸命でやっておるのだと思うのですけれども、せめて県庁水産課は違法操業の実態や漁具を言ってみれば集めて倉庫に持って行ったり、そういう格好の量ぐらいは調べて、それこそ底びきの皆さんに提示するというのは、僕は漁民ではできない重要な仕事だと思います。何か知らないけれども、問題が起きたときには、ふだんからその辺をきちっと整理しておかないといけない。だからまだ調査してわかりませんと言いますけれども、これは法務省へ行けばすぐわかる話です。国際法にのっとったものですから、正確にその量は把握しているはずです。その辺をやっぱりもうちょっと水産課もわからないではなしに手に入れてほしいと思います。
何回も言うようだけれども、暫定水域内の問題というのは、言ってみれば水産庁に何回も何回も要望する必要があると思うのです。言ってみたってそれは県内の関係者、団体では限界がありますから、これは国のやっぱり専権事項だろうと思うのです。その辺を民間に任せて民間でやれみたいな話で、随分苦労したいきさつもありますけれども、これは民間では恐らく限界がある。あなたが書いておられるとおりです。もっと強くやっぱり要望してもらわないといけないと思います。
18ページの栽培漁業センターの古田所長さん、養殖をやっておられる建設業者さんから私も聞きました。かなり思った以上に成績がいいということです。ですから、その辺ができるとなれば、海水移動も使いたいし、それからここの現場でやりたいしという一つの県内の沿岸漁業、陸上養殖を沿岸漁業と言うかどうか知りませんけれども、漁業の大きなやっぱり産地になる要素を持っているというのは事実です。皆さんやっぱり日本海というのは、養殖漁業というのは荒海でなかなかできないというのを今まで水産課がずっと言ってきていた。ところが、陸上では海水移動あたりを使ってそういう芽が出てきた。あるいはさらに、内陸というのですか、かなり倉吉の奥に入ったところでもそれができるというようなことです。岐阜県でフグを養殖しておるという話も聞きました。そうしますと、やっぱりそれがどの辺でペイするかどうかはまだ試験段階の面が多いと思うのですけれども、かなり皆さん、漁業関係者だけではなしに、建設業者がやったということについては、土建屋さん、建設業者さんもかなり強い関心を持っておられるようですから、どこだどこだと言われるけれども、聞いてみたら、古田所長さん、漁業センターの皆さんが1週間に1回来ていろいろと指導を受けていますという話を聞きましたので、いいことですなという話をしました。やっぱりきちんとしたデータを持って次に向かってもらわないと、やっぱり新しい養殖の産地の今入り口に入ったところですので、これは特に試験研究も含めて来年度事業にはもうちょっと事業要求をされたらどうですかね。こちらはむしろ私のほうがお願いします。
◎上村委員長
2点につきまして。
●松沢水産振興局長
日韓問題につきましては、伊藤委員よく御存じのことでありますし、今日の御発言も全くそのとおりで私も異論がございません。ただ、一つだけ申し上げておきたいのは、今の協定と前の協定の時代の民間部分が何を引き受けていたのか。今回はそれと比べるとどうなのかということについて明らかに差があります。だから、大枠を政府が決めて、事故を防止するとかいう漁業の現場でお互いが譲り合うとかという、そういう場面は民間がやるべきことだと思いますけれども、今の民間協議というのは政府間協議が進まないものだから、ある意味では目くらまし的、ちょっと語弊があるかもしれませんが、そういうことで時間稼ぎをしていると、私もそう思っています。民間協議に参加されているメンバーの中でも、もともと限界があることをやれということですからこれは非常に無理があるということだと思いますけれども、そういうことが本当に大きくなってきているということです。
それと、暫定水域問題で非常に象徴的な発言があったのは、この間、外国漁船の対策協議会で象徴的な発言があったのは、網代の生越さんから、とにかく海底の清掃だとかなんとかについても、絶対暫定水域には入ってくれるなという話でした。つまり韓国側とのトラブルの原因に間違いなくなるので、とにかく近づいてくれるなということでありました。一方で、例えば甲幅が9センチを超えるようなカニの密度を暫定水域の中と外と比べたというデータが実はありまして、聞きますと全然暫定水域の中はそういう大型のカニがいないというデータも出ている。これについては韓国側は認めていないというような、非常に本当に科学的なデータをやりとりする場面でも全く共通認識が得られないということがずっと続いているということであります。これは本当に私ども知事の言い方をかりると、人の手による災いの最たるものだと言っておりますので、ぜひ今まで以上にいわゆる要請をしっかりとしていかなければいけないと思っております。
ようやく前回、委員会で伊藤委員から手抜かり、手落ちではないかという御指摘を受けて発足した会議でありますけれども、こうした場面でなるべく情報をしっかり収集をして対応していきたいと思っております。
◎上村委員長
養殖場はいいですかね、そういう希望でありますので、よろしく。
●松沢水産振興局長
頑張ります。
○福間委員
3点お願いします。簡単にいきますから。7ページ、森林環境保全税について。9月定例会に提案を予定されるであろうと思いますけれども、地下水保全条例とのかかわり合いというのはどうなっているのかなというのが気になるのです。今までの地下水保全条例にかかわる森林保全についての知事答弁は、森林環境保全税の中で対応したいという思いがうかがえると私は見ているのです。そうすると、このまま森林環境保全税が5年間内容的にも延伸ということでいくとね、基本的にそれは僕はいいと思うのですが、ただ、この内容的に事業内容や補助率のところで、竹林整備、竹林への対応というのは非常に多く見受けられるのです。そうすると、森林環境保全税は年間で1億7,000万ぐらい。入るのはほぼ決まっておって、竹林対策というのはどんどん物すごくふえていくような気がするのです。ここでパブリックコメントの中にももっと補助率ふやせとか、いろいろな話が出てくるとね、下手するとそっちへ主力を回さざるを得ないというような状況というのが、向こう5年間で想定されるのではないかと思います。したがって、私は、森林環境保全税の事業内容の中から竹林対策は再検討されるべきではないかと。本来の農林業務の中での対応ということを考えられないと、何か森林環境保全税の中に保全の対応、その事業内容の中に竹林対策が圧倒的に占めてしまうという懸念があるようにしてならないのですが、そこら辺についてどうお考えなのか。
極端に言うと、私は竹林対策というのは排除、外すべきだと思います。農林業の本来業務の中で、例えば耕作放棄地対策のような格好の中で別途予算つけて、対応すべきだと思う。今回9月議会で提案される地下水保全条例の対応と絡めて、もっと奥地へのことや、森林啓発や、団体や、子供たちや、将来を展望した条例が出されようとしているわけですが、そっちの方へと絡めたやっぱり事業展開ということが必要ではないだろうか、これが1点目です。
10ページで、特にこれにこだわらなくてもいいのだけれども、全国規模のイベントとして全国植樹祭が今、準備されていますね。大変御苦労です。漫画がこの中に見えないという気がするのです、率直に申し上げて。何か漫画がことしだけで終わりかと。今、ことしは県のやっておられる事業にあらゆるものに漫画をひっかけていらっしゃいますよね。これでは、全国植樹祭というのは天皇陛下をお迎えをしてするものだから、漫画なんかがあってはだめだということなのかね。漫画を主体とした地域おこしといううたい文句からすると、もっと大胆な全国植樹祭あたりにも漫画があってもいいのではないのかなという気がしてならないです。これが2点目です。
3点目は、11ページです。外部評価の、私がちょっと聞き漏らしたのかもしれませんが、ここで事前評価、中間評価で丸やペケのあった事業というのはどうされるのですか、これが1点なのです。私がよくこれ中身がわからないままに発言していますから御無礼があったらお許しいただきたいのですが、この事業は試験研究は鳥取県の今までにない特色を出そうという格好で県の農林総合研究所でテーマを決められて、予算を措置して、例えば5年間、10年間のスパンでやられようとしている事業でしょう。そうすると、まず評価委員さんは、少なくとも決めた期間中は同じ人がおらないといけないのではないのかと思います。評価委員さんがかわってしまったら、評価内容というのは変わるのではないですか。最初、これはここの地域おこしのために、こういう事業は、例えばどこだかあった臭気を守るための、湖山池のところを判定が丸になっていたり、それから効率的な畜舎臭気低減システムというのはよくわからない。ということを評価しておきながら、判定は丸になっていますよね。何で二重丸でないのかという気がするのですけれども、いずれにせよ評価委員というのは、この期間が変わってはいけないのではないかと。当初定めたものが、人がかわることによって評価内容というのは変わってくるのではないかという気がするのです。
それと、そのことを凌駕する農林総合研究所あるいは農林部の主張がないといけないのではないかという気がするのです。このことを試験研究することで、地域の活性化に役立たせるのだといって試験研究で財政等もやるわけですから、評価委員さんを論破しなければいけないのではないかという気がするのです。だから、ここで途中でペケがつけばその事業はどうなる、やめるのか。そうではないのでしょう、自信と確信を持って当初この事業で、こういうことをやろうということでやったのなら、しっかりやらなければいけないのではないかという気がするのです。ちょっと私のとらまえ方が間違っているところがあったらお許しいただきたいのですが。その3つです。
◎上村委員長
順次答弁をお願いします。
●垣田森林・林業総室森林づくり推進室長
森林環境保全税の関係のお尋ねでございます。竹林の対応でございますけれども、おっしゃられますように、竹林の事業の割合というのは今、約4割を占めております。要望もかなり多いということもございます。そういったこともありますけれども、やはりある程度の枠を持って計画的に竹林対策というものを進めるという意味で、極端に竹林だけふやしていくというようなことは適当ではないと考えております。
地下水保全条例との関連でございますけれども、前回も御質問がございました、もともと森林環境保全税は広く県民の方々からそういった税をいただいて森林についての理解を深めるという意味の目的の税でございますので、そういった意味からすると、少し地下水保全条例とは趣旨が違うのかということで、保全税は保全税の中でその目的に合わせてやってきたいと考えております。
●大北全国植樹祭課長
漫画との関連でございます。まずは、できるところからということで、PRツールとしてうちわをつくりました。これは、表が全国植樹祭で、裏は漫画でというようなことで、シェアをしながら予算も少ないものですから、そういった工夫なんかもしております。また、B-1グランプリのときだったでしょうか、一緒に出展とかもさせていただいたりしておるところでございますし、それと今後検討課題になるのですが、せっかく公式の弁当ができたというようなことで、漫画のイベントと絡めて何か販売とかができればということで、ただいま検討中でございます。
●佐古農林総合研究所企画総務部参事
マル・バツの対応ということですけれども、11ページの資料にありますように、丸以上のものについては試験はやるという対応です。丸と二重丸がどれだけ違うかというところは、なかなか多角的、客観的に評価するといいながらも、本当に客観的な評価をするということ自体は非常に難しい内容ですので、委員は11名の方に当たっていただいており、幅広い範囲で評価をしていただくということで、できるだけ全員の出席を求めて、意見を求めた上で評価をしていくということをお願いしているところです。ですから、ペケの場合は再度練り直して再提出という形が基本ルールですので、私ども農林総合研究所全体で、それは外部評価の中でも主張はいたしますけれども、納得を得られないものについてはペケがつきますので、それについては再度練り直しをしていくという対応です。
委員が一定期間、長く務まるほうがいいという考えは、私どももそういう対応で来ておりますけれども、試験課題は次々変わりますから、どこで区切るかということもあります。ある程度の期間は受け持ってもらうという考えと、それプラス10名以上の多数の方で幅広く意見をいただくという考えで対応すると。中にペケではなくても、丸の中でも委員の中には厳しいコメントをいただく方もおられますので、9点以下の点数をつけられる方もあるわけですけれども、平均点をとって9点を上回ればオーケーという考えであります。
○福間委員
1点だけ。ごめんなさい。森林環境保全税ね、1億7,000万で4割が竹林対策だとおっしゃったですね。やっぱり行き詰まってしまわないだろうかという気がする。4割というのは、森林環境保全税スタート時点、今から5年前も4割は竹林対策しますではなかったと思う。恐らく最初は、竹林対策というのは1割もあるかないかみたいな状況ではなかったでしょうか。そうすると、竹の状況というのは非常に広がってきたために、それと行政支援しますよと、補助金出しますという格好で、私のところも私のところもみたいな格好で今こういう状況になっていると思う。さっき安田委員からも話があったように、補助率が下がってみたり。だってそうでしょう、4割を今度は竹林対策に、5割か6割にふやしていかないと補助率を抑えておくということかね。総額で4割とめていけば、何ぼ頼んだってしてくれないみたいな、補助率は来ないみたいな格好になるのか。だからそういうことからすると、竹林対策と森林環境保全税のありようというのは、僕はどこかで見直しされなければいけない気がする。下手すれば森林環境保全税、竹林対策で吹っ飛ばないかという気がするのです。だからそれは、ぜひ私は見直しをされるべきだということを主張しておきたい。
◎上村委員長
コメントがあれば。
●清水森林・林業総室長
竹林対策でございますが、竹林対策につきましては極力抑えていくようにしていきたいと考えておりますし、いずれの段階でもやはり竹林対策については根本的な対策というの考えていく必要があると考えておるところでございます。
○福間委員
僕は竹林対策をやめてといって言っていないから、誤解してもらっては困る。森林環境保全税の中から排除して、農林業本来業務として、しかと受けとめて竹林対策をやるべきだということを言っている。誤解してもらっては困りますよ。
●西山農林水産部長
今回、9月の議会に整理をして提案をしようと、総務の税務課の提出になりますので、総務部の審査になっていきますけれども、内容は5年延長という内容だけになります、税率等が変わらないということであればですね。補助率の内容、それから先ほど福間委員からありましたように、竹林なりそれから従前の造林事業等の、言えばどれくらい充当していくのかということに関しては、当初予算の中でそのバランスを検討いただくということになります。ですから、税率が変わらないということになりますと、トータルの1億7,000万円程度という収入が見込まれると。その中で先ほどおっしゃったような竹林対策については一般対策と絡めてどういうふうにバランスをとっていくのかという点、それからそのほかの間伐等の事業の補助率等についても、当初予算の中で最終的には具体的なところを検討していただくという取り扱いになってまいります。
○福間委員
ちょっと違うと思う。それをされるからさっきの安田委員みたいな、県民の皆さんからすると森林環境保全税で出るみたいな誤解が出てきてみたりするのではないでしょうかね。だからどっちかに絞られた方がいいのではないですか。極端な言い方をすると、竹林対策は全部森林環境保全税で対応しますよといえば、それが県民が使いやすいものにしなければいけないのではないかな。森林環境保全税で竹林対策はやめるべきだと、一般業務に私はすべきだということの主張なのです。そうしないと、一般事業で予算を組んで、それから森林環境保全の中でも竹林対策がありますよと。所管も違ってくるし、扱う事業が違ったら、県民は困ってしまうようになる。さっき安田委員から指摘があったような誤解や混乱を招くおそれになりはしないでしょうか。要は、県民が使いやすい格好にはやはりしてもらうということが必要ではないでしょうか。そういう意味で主張として私は、森林環境保全税の事業内容から竹林対策というのは外して、農林の一般事業の中で対応すべきだということを主張しておきますので、御検討をお願いしたい。答弁はよろしいです。
○伊藤(美)委員
僕はやっぱり山を歩いていて、竹林というのが今どんどんどんどん造林地域に生えてきたりするでしょう。そうしますと、山の環境というのが数年でがらっと変わってしまう。僕はその辺を考えると、まさに今の森林環境保全税、これが一番適当ではないかなと山を歩いてみて私は思っているのです。特に里山あたりでは、山いっぱいに竹林ができてしまったとか、山が、竹林が山頂に、いただきに至ればその国は滅びるのだという何だか中国に古い話があるようですけれども、まさに僕は全部を竹林対策に一時期、例えば5年なら5年を区切って、森林環境保全保全税は竹林対策だという格好でやってもいいぐらいに僕は思っているのだけれども、どうでしょう。
◎上村委員長
いろいろな意見があるようですので、部長、その辺はいいぐあいに調整をしていただいて、現地をよく調べてください。
○安田委員
ここまで話が出たのであれば、ちょっと私も言っておきますけれども、竹林なるもののね、その場合の竹というのをちょっと規定しておいたほうがいいのではないかと思います。モウソウダケ、立派な竹が山に生えていて、それが本来のスギ、ヒノキとか、そういうものを害になっているのと、私たちの平地での竹林とみんなが言っている竹は、笹なのですよ。わかりますか、笹。だから、ちょっとその辺もきちんと規定をしておかれた方が誤解を招かなくなるのではないかと思います。
●西山農林水産部長
そのあたりも十分留意をして、きょうお話を伺いましたので、誤解がないようにしていきたいと思います。
○森岡委員
私も3点ほどお伺いしたいと思います。
まず初めに、試験研究に係る外部評価の問題でありますが、畜産だとか林業だとか、ちょっと私は専門外なのでわかりませんけれども、水産に限って質問したいと思います。
まず、事前として2点、中海の問題と白イカの技術の問題というのがあるのですけれども、評点としては非常に高い評点を受けて、判定は二重丸ということになっているのですが、要は出席者の中に水産の専門家の生産者がいらっしゃらない中でこれだけ高い評点が出るのは、すごい不思議なことだと思っています。それと、それはそれでいいのですが、この白イカの開発技術、これは、要は他県でもう技術開発ができているのです、確立されているのですよね。佐賀の呼子に行けばすぐわかりますよね。これが本来の試験場の研究課題としてふさわしいのか、私は、これはちょっと疑問に思っているのです。要はその辺の考え方をまずお伺いしたいというのが1点。
19ページの未利用海藻掘り起こし調査、これはいろいろと赤碕方面でアカモクなんかを利用しようということで一生懸命やられているのですが、古田栽培漁業センターに1つ言っておきたいのですけれども、境港市の水産加工業者に聞きますとね、非常にやりたいのだと、製品化したいのだと。ただ、製品化するにおいては、余りにも数量が少な過ぎるので、何とかこの辺の大量に入れるような、ここでいう養殖場づくりというのですか、こういったものを早く着手してほしいということがありましたので、これはお伝えしておきます。
3点目ですけれども、和牛共進会、先ほどの説明でも5年前に行われた、鳥取で行われたのですけれども、余り芳しい成績ではなかったということで、ことしは非常に力を入れてということであったのですが、前回私が見た中で非常に感じたのは、要は例えばコイだとか、そういったものの品評会みたいな会に非常に思えて、生産者がそれに物すごく没頭しているのですよね。そのことに集中しているというか、いいコイをつくる。例えば和牛、いい模様のコイだったりとか、何かそのような流れに非常にとらわれていて、その中で結果として評価されなかったから、その評価というのが今は鳥取県は今度オレイン酸というものに焦点を当てているのですけれども、やっぱりさしの入ったものがいいのだとか、何となくそういったいい、芸術品をつくるような流れにとらわれているような気がして、ちょっと私は心配しているのです。今、和牛というか牛肉の流れが赤みの専用の肉が非常に今評価されて高く取引されていますよね。ですから、もう既に全国の流れが、今のさしの霜降りの肉から転じてきているということをやっぱりある程度頭に入れながら、鳥取県の畜産のあり方というのをきちんと農林水産部内で確立しておかなければいけない時期ではないかと私は思っているのです。その辺についてお伺いしたいと思います。
◎上村委員長
案件順にお答えをいただきたいと思います。
●古田栽培漁業センター所長
よろしいでしょうか、まず白イカの活イカについて、確かに山口県ですとか呼子だとか、全国で2~3カ所、白イカについて活イカを扱っている地域があります。私どももそこに実際調査に行ってまいりました。そういう限られた地域では活イカを扱っておられるにもかかわらず、なぜ鳥取県で普及しないか。しかも、鳥取県は白イカがかなりの漁獲量がございます。昨年で600トン、6億円ですか、の漁獲量があるということで、これを活イカに振りかえることによってかなり経済効果があるだろうと考えておるわけですけれども、なかなか細かな漁獲、それから畜養、それから輸送といったノウハウがなかなか明らかな部分がなくて、見てきただけではなかなかわからない。それから、各複数のメーカーが活イカの畜養機器類を提案しておられるのですけれども、実際にそれを使ってみてもなかなか生きないという、小さなノウハウがあるようでして、そのあたりを明らかにして普及していきたいと考えておるところであります。
未利用海藻アカモクについて、これも境港の加工業者さん、幾らあってもいいのだということで御希望をいただいておりまして、その加工業者の方と、それから鳥取県漁協さん、あるいは赤碕町漁協さんと一緒に話をしながら、今、生産計画を立てておるところです。今年度は鳥取県漁協さんの方から6トンほど何とか供給できましたけれども、何十トンあってもいいということだったものですから、これを地域を広げながら、来年度、県漁協だけでも15トン生産しようというようなことで、今、増殖を進めておるところです。まだまだ未利用のまま放置されている地域がありますので、鳥取県内のそういう場所を調査しながら供給に応えていきたいと考えておるところです。
●小松畜産課長
共進会についてですが、先ほどおっしゃられたように、まずは共進会がスタートした時点では品評会的な要素がありまして、その体型を見ながら評価をするという歴史がありました。ただ、それがだんだんと変わってきておりまして、5ページにあります7区、8区、9区というところで肉の質ということを評価していくという流れに変わってきておりまして、そこで以前にも申し上げたことがあるかと思いますが、さしの入りぐあいだけではなくて、そこにオレイン酸の含有量ということで脂肪の質ということが今回一つのテーマになってきております。鳥取県としてもやはりオレイン酸の含有量ということでの評価を求めているところでありますし、それからまた先に行きますけれども、オレイン酸だけで、本当でオレイン酸が多ければ本当においしい肉なのかということもあるかと思います。うまい肉というのは何か。赤肉なのか、脂肪なのか。確かに脂肪がおいしさのもとにはなると思いますけれども、それだけでもないだろうと。これはまた試験研究の課題になっていくというふうに考えておりますので、今後検討していきたいと思っております。
○森岡委員
肉のことですけれども、流れに立ちおくれないようにしてください。後追い、後追いでは絶対に産業としては成り立ちませんので、そこは県の担当課がしっかりイニシアチブをとってやっていただきたいと思います。
白イカ、呼子に行けば、船も鳥取県の船と若干中身が違いますよね。それから輸送体系も向こうは確立されていますよね。ですから、私はこういうのはもう既に生産者がやっぱり自分たちで研究できる話なのですよね。何か知らないけれども、試験場の話かなという何となくクエスチョンがつきますよね。
アカモクですけれども、アカモクも中海産なんかをこの3月、4月も非常に出回って、非常に高く売れていましたので、ただアカモクの場合は季節が限定されていますよね、1カ月か1カ月半ぐらいの短期集中型でとらないとだめなので、製品になりませんので、やはりそれを商品化、製品化しようと思えば、しっかりそれに合わせて大量にできるような、そういう指導を行ってください。よろしくお願いします。
◎上村委員長
答弁はよろしいか。
●松澤水産振興局長
ちょっと白イカについてです。森岡委員が少し違和感を感じられるというのはよくわかります。もともと活イカというのはさして味がよくないし、もう少しおいしい食べ方があるのにと正直に思うものですから、そういうのもあってどうなのかと思いますけれども、今回特に要望が強かったのは、極めて簡便な方法で生きたまま送れないかという、簡単に言うとそういうことでした。これも非常に意見が分かれる可能性があるのですけれども、非常に対象が大きい生物を簡単なパッケージで処理するということがもしできるのであれば、これは非常に価値があると思っていまして、そこはやっぱり試験研究機関の出番かなと思います。確かにとるところから相当程度の設備をして、いわゆる流通もしっかりする。そういうことで日本の活イカ市場を席巻しているという事実もあるわけですけれども、それはそれとして、普及を考えるときになるべく簡便なというニーズが現実にあったということなので、そこは資源研究機関として引き受けたいということでありますので、よろしくお願いします。
○錦織委員
2ページと3ページでそれぞれ質疑させてください。「鳥取暮らし農林水産就業サポート事業」の(2)のなのですが、24年7月現在ということでそれぞれの定着状況が知らせてあるのですが、21年度採択者の定着状況に比べて、22年の採択者は伸びているのですけれども、この数字を各課としてはどのように見ておられるのか。それから、それぞれ雇用支援の継続期間であるのにやめた人、そのやめた理由を、仕事が厳しいとかいろいろあると思うのですけれども、ちゃんとつかんでおられるのか、もともとの人数がそう多くないので、きちんとつかむことが大事だなと思うのですけれども、その点について聞いてみたいと思います。
それと、3ページの主要農作物の生産販売状況ですが、一番下の二十世紀梨、それからなつひめ、新甘泉の出荷の状況、これからなのですが、二十世紀梨では出荷量が約9,300トンを予定しているとなっているのですが、去年は何トンだったのかということと、それからなつひめ、新甘泉などの出荷量は前年実績の1.5倍である201トンを予定していると書いてありますが、これは1.5倍もふえるということは、だんだん二十世紀梨からシフトしている、そういう収穫時期になったのかなということなのか。
二十世紀梨をずっと大事にしていかないといけないと思っているのですけれども、一定量を維持しながら、なつひめ、新甘泉をどんどんふやしていく予定なのか、そのあたりの何かプロジェクトがあったと思うのですけれども、もう一回現状とあわせてお聞きしたいと思います。
●米山経営支援課長
経営支援課でございます。定着率についての御質問がございました。当方としても、この定着率は非常に気にするところでございまして、追跡調査といたしましては雇用主に電話等で聞き取りをいたしまして、採用された方が残っていらっしゃいますかという聞き取りをいたします。それから、そのときには、いるという回答、それからいないという場合に、余り正直深くは聞けない事情がございまして、多くの場合自己都合ですとかいう回答でございまして、事業をするに当たっては、この事業が終わった後も継続雇用するというのは条件にはつけておりますけれども、やっぱり補助とする対象の期間が終わってしまった後に継続雇用されやすい環境をつくるということは大事なことかと思います。ただ、これから一つ方策として考えておりますのは、雇用された方の個別のリストを持っておりますので、そういう方を対象にして、やめられた方についての原因の究明とかいうようなことはやってみてもいいかなということを今考えているところでございます。
一つ事業としては、委員御指摘のとおり、やってみたらやっぱり農業が思いのほかえらかったとかいうような声もやめられた理由の中には聞きますので、1週間程度の事前の研修についてやるような事例も今スタートしておりまして、そういうことを含めて定着率の向上に努めてまいりたいと考えております。
●村尾生産振興課長
二十世紀梨のことしの出荷目標は9,300トンということで、昨年度の数量はということの御質問です。ちょっと今、詳細な資料は持ってきておりませんけれども、そう極端に増減というのはなかったように記憶しております。ちょっとまた具体の数字があれば後でお届けしたいと思います。
なつひめ、新甘泉が1.5倍になりましたということですけれども、理由は、若木を植えたり高接ぎしたりで更新していますから、年々に大体1.5倍ぐらいは自然増でふえてまいります。今後とも1.5倍ペースでふえていくのかなと考えております。
なつひめ、新甘泉は平成27年に200ヘクタールということでひとまず目標は立てておりまして、今現在、平成23年段階で63ヘクタールぐらいの状況でございますけれども、今後二十世紀梨となつひめ、新甘泉のバランスでございます。今現在、梨のビジョンでは、シリーズ化というのを大きな目標にしておりまして、旬の時期においしい本物の梨を食べていただくということで、なつひめ、新甘泉は8月の下旬から9月上旬にかけて、赤梨、青梨のエースということで出荷しまして、二十世紀梨は本来の熟期である9月に十分味の乗ったものを食べていただくというふうなリレー出荷、シリーズ出荷を目標としておりますので、今後ともある程度二十世紀梨を柱に持ちながら、新品種をうまくその前にマッチしていくという形で進めていきたいと思います。
○錦織委員
この経営支援課の話なのですけれども、私がやっぱり気になったのは、個人的に漁業などは特に厳しいとか、命と引きかえにみたいなところがあるので、そういう向き、不向きというものは確かにあると思うのです。例えば雇用支援期間が終わって雇用条件が悪くなったとか、そういうことがもしかあってやめるということになったとしたら、本来の税金投入してやっぱり支援してくるという意味がちょっとそぐわないということになるので、そこら辺をやっぱり県としては後追いで、今、個別リストを持っておられて原因追及をしていかなくてはということもおっしゃっていましたので、ぜひそれはやっていただきたいと思います。
梨のことはわかりましたけれども、去年は何か熟期の時期を逸して、何か梨が大きくなり過ぎたとかというのがあったのですけれども、あれは県が判断するものなのかなと思うのですけれども、そういう二の舞を踏まないように、ことしはよろしくお願いしたいということで、終わります。
◎上村委員長
要望ということですね。
○錦織委員
はい、要望です。
◎上村委員長
ほかにございますでしょうか。
では、その他でございますが、執行部、委員の方でありますか。
○錦織委員
これ要望なのですけれども、今回も農業総合研究所の農業試験場で、有機栽培技術を確立するために今回、29年度までやるということなのですけれども、ぜひ農業大学校で、これ来年からでも有機特栽ということではなくて、やっぱり有機というところの有機栽培の科を独立してつくっていただきたいと思います。これを創設して、鳥取県の強みというか、「食のみやこ」ということで定着させるというか、そのためにもぜひ農業大学校の1つの独立した科としてこれは設定してほしいというのを、今から言っておかないと間に合わないと思います。もう間に合わないかもしれませんが、そこら辺を検討していただきたいと思います。
◎上村委員長
要望ですね。
ほかにございますか。その他でございます。
○伊藤(美)委員
今、白菜の浅漬けのO157被害、死亡者7人か8人だと出ておりますけれども、これを聞くと、かつて、かいわれ大根がO157で、相当に恐怖感を持ち、そのときは菌も何も出ずに、見当でかいわれ大根がその原因だという話になったようです。鳥取県でも、今、発酵以前の浅漬けというのがはやっているそうです。全国的な調査をするといいますけれども、その調査の概要というのはどういうことになっていますか。
◎上村委員長
これはどなたにお聞きしましょうか。
○伊藤(美)委員
食品だ何だと縦割りせずに、そのぐらい、食品衛生は知っておれ。原因ではそこではないか、農林水産部だろう。何かかいわれ大根はどうするか、もしそういうのが出たときには。あれはまたそれかと。農家はつくっておるだろう。ですから、その行き着くところはそうだかもしれないけれども、そういったところに無関心だというところが、今の農林水産部の悪いところだ。
◎上村委員長
そういうことがないように調査してください。
●西山農林水産部長
確認をさせていただきます。
◎上村委員長
意見がないということで、農林水産部につきましては以上で終わりたいと思います。
午後は1時からということでよろしいでしょうか。労働委員会を1時からよろしくお願いします。
では、休憩に入ります。
午後0時10分 休憩
午後1時00分 再開
◎上村委員長
続きまして、商工労働部、企業局、労働委員会について行います。
7月に人事異動がありましたので、初めに新任職員の紹介を岡村商工労働部長からお願いをいたします。
●岡村商工労働部長
7月7日付で産業振興総室次世代環境産業室長に財政課の課長補佐から着任いたしました池田一彦でございます。よろしくお願いします。
●池田産業振興総室次世代環境産業室長
次世代環境産業室長の池田でございます。次世代の環境産業やリサイクル産業の創出と振興に向けて、微力ながら力を尽くしてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
◎上村委員長
報告事項に入ります。
まず、商工労働部の議題に入ります。質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきたいと思います。
執行部の説明は、要領よく簡潔にマイクに向かってお願いをいたします。
議題16、鳥取県経営再生サポートセンターの開設について、西村経営支援室長の説明を求めます。
●西村経済通商総室経営支援室長
それでは、1ページをお願いいたします。鳥取県経営再生サポートセンターの開設等についてということで報告をさせていただきます。
これにつきましては、6月議会で中小企業金融円滑化法が来年3月末で終了することから、中小企業者の経営改善の取り組みが非常に急がれるという状況を踏まえまして、とっとり企業支援ネットワークの拡充、それから制度融資において新たな総合的な借りかえ資金をつくるということで予算措置をいただいたものにつきまして現在の取り組み状況を報告するものでございます。
1つ目でございます。鳥取県経営再生サポートセンターの開設でございます。8月7日に開所式を、知事、それからネットワークの関係機関の代表者を招きまして開所式を行い、開設を行っております。場所につきましては、鳥取市本町の商工会議所会館の1階でございます。職員につきましては、金融機関なり保証協会のOB、それも融資とか中小企業経営支援の経験にたけた、非常に高度なスキルを持った職員の方を配置しております。
主な業務といたしましては、そこに書いてございますが、金融機関や商工団体等の連携調整及び経営改善の取り組みの促進としておりますが、メーンの狙いといたしましては、金融機関が有している債務者先、中小企業者さんについて経営改善の取り組みを促すように、時には中小企業を訪問したり、それから金融機関から企業情報をわかりやすく入手して、それを商工団体等を中心として行う経営支援に結びつけていくというものでございます。既に関係機関等との取り扱い要領等を申し合わせておりまして、来週に最終の詰めの打ち合わせを東・中・西部ごとに開催いたしまして、実際の経営支援に順次着手していこうと考えておるところでございます。
なお、この新たな連携支援の取り組みに合わせまして、今月8月1日付で県内の全ての民間金融機関、それから政府系金融機関等が参加する全20機関によります協定を締結して、この企業支援を推進していこうということで体制を整備いたしております。
2つ目でございます。鳥取県経営再生円滑化借換特別資金の創設ということで、制度融資の中に新たな総合的借換資金を設けました。先ほど申し上げました経営改善取り組み企業さんとかに、こういった総合的な借換資金を活用いただき、キャッシュフローに余裕を持たせて、その資金をもとに経営改善に取り組んでいただきたい、そういった目途でもって設けたものでございます。
資金の使途につきましては、借換資金をメーンとしつつ、さらに経営再生に必要な前向きな運転資金なり設備資金も措置しようというものでございます。融資限度額は、保証つき、信用保証の1社当たりの最高限度額でございます2億8,000万を設定いたしております。それから、融資機関につきましては、これまでの制度融資にない最長期の10年を措置しております。また、融資利率につきましては、最優遇の10年以内につきましては1.43%、10年超を超える貸し付けの場合は1.6%ということで、最優遇の金利でもって措置を行っております。概要につきましては以上でございます。
あわせまして、別添でチラシをつけておりまして、このようなチラシを今回参加している全支援機関に配付するとともに、中小企業さんへの経営改善の取り組みの際に活用していただくように、こういったものを配付いたしております。
◎上村委員長
続きまして、議題17、環日本海定期貨客船航路の運行状況について、吉川商工物流室長の説明を求めます。
●吉川経済通商総室通商物流室長
それでは、商工労働部資料の2ページをお願いをいたします。9月の2日から9日までの間、ウラジオストクにおいてAPECの首脳会議が開催をされます。これに伴いまして、DBSの運航船でありますイースタンドリーム号がウラジオストクへの入港が制限されることになりました。これに伴いまして、通常ですと9月の3日から5日は東海からウラジオストクに寄港するスケジュールなのですが、この振り替えとしまして、同じ9月の3日から5日に境港に寄港するということで、9月の第2週に限って週に2回境港に寄港するというスケジュールに変更して運航したいということで通知がありまして、このように荷主さんや旅行会社の方には御案内をしているところでございます。
次に、就航3周年記念事業でございます。本年の6月末で就航3周年を迎えまして、諸事業を行っております。まず、記念セレモニーでございます。7月6日にターミナルで行いました。伊藤議長、上村委員長様初め、委員の皆様には多数御出席をいただきありがとうございました。この中で、運航会社から、今後も安定運航に向けて努力し、定期運航を継続するという意思表示がありました。当日は、パプリカの輸入、ボリショイサーカス団が46人の団体と、それからゾウ、ヒョウ、熊といった動物を連れてきたということで、貨客船航路の多様性ということがだんだん発揮をされてきまして、今後ともいろいろなところで交流も含めて取り組んでいきたいと思いを新たにしたところでございます。
鳥取県の特産品のPRを兼ねて船の中で食材を提供しようということで、7月の7日、14、21、28の週に、それぞれありますスイカとかタカミメロン、あごちくわ、とうふちくわ、らっきょう、とまり漬けなどを船内で提供いたしました。おおむね好評でございましたが、スイカとかメロンというのは非常に甘くておいしいということで人気があったようです。また、8月の11日には、イースタンドリーム号の船内見学を行いました。これは鳥取県と中海の市長会のエリアの小学生の方に呼びかけをしまして、24組、53名の方が参加をされまして、客室とか操舵室とかを御説明して回るとともに、境港はこうやって世界に通じている窓口ですよということを知っていただくようなPRをいたしました。
就航以来の運航実績でございますが、特徴的には、旅客は全体的に堅調でございますが、特に一番右のちょっと最近の棒グラフが少し、1カ月分ですので少ないのですけれども、もともと境港~東海のほうも300~400人と最近非常に好調なのですが、それに増して東海~ウラジオが今すごく多いということがデータとしてあらわれております。貨物も、全体的に引き続き増加の傾向でございます。最近としましては、境港扱いのものが増加の傾向にもなっております。これは活魚車が週5台程度毎週出たりとか、これはホタテの韓国輸出です。それから、この間RPFの輸出というようなことがありまして、最近少し増加傾向になっております。
◎上村委員長
続きまして、議題18、鳥取県職業訓練の実施の基準に関する条例の制定に係るパブリックコメント実施について、小林労働政策室長の説明を求めます。
●小林雇用人材総室労働政策室長
資料の4ページをお願いいたします。鳥取県職業訓練の実施の基準に関する条例の制定に係るパブリックコメントの実施について御報告いたします。このことにつきましては、昨年12月の常任委員会におきまして地域主権一括法に伴う条例の制定ということで関係条例と予定について御報告しておりました。地域主権一括法の施行によりまして、改正されました職業能力開発促進法では、職業訓練の実施に関する基準を条例で定めることとされたことから、今回条例を新たに制定することを検討しておりまして、その内容についてパブリックコメントを実施する予定としております。
条例の概要につきましては、資料の中ほどの2に記載のとおりですけれども、奨励を参酌などしながら県立の倉吉と米子の高等技術専門校2校の現状を踏まえまして、(1)、(2)、(3)、(4)とありますが、職業訓練の基準、それから無料とする職業訓練の基準、職業訓練指導員の資格の基準、公共職業能力開発施設以外において行う職業訓練の基準、これについての条文化を考えております。今回条例を検討するに当たりましては、商工団体や関係機関からの御意見を踏まえまして、県独自の基準として(4)番目の公共職業能力開発施設以外において行う職業訓練の基準につきまして、今まで東部地域で展開できなかった在職者訓練、こちらを東部地域でも実施できるよう条例で定めることを検討しております。
今後のスケジュールといたしましては、パブリックコメントを8月下旬と書いておりますが、28日から9月の18日までに実施いたしまして、11月議会に条例案について御審議いただいた上で、来年4月の施行を予定しております。
◎上村委員長
続きまして、議題19、王子製紙株式会社の先端技術実証・評価設備設置に伴う協定書の調印について、議題20、株式会社ガイナックスの米子市進出に係る調印式の実施について及び議題21、大山テック株式会社およびメタルリボーン株式会社の米子市における立地について、圓山企業立地推進室長の説明を求めます。
●圓山産業振興総室企業立地推進室長
5ページをお願いいたします。王子製紙株式会社の先端技術実証・評価設備設置に伴う協定書の調印についてでございます。王子製紙株式会社がバイオリファイナリー有価物、これは木材のバイオマス原料から製造したバイオ燃料やプラスチックの原料などですが、これを効率的、連続的に製造する技術を実用化するのを目指すために、米子においてその実証評価のための設備を設置していただくことになりました。これを支援する鳥取県、米子市、日吉津村の間で調印式を行いました。
2の事業の概要のところでございますが、(3)を見ていただきまして、事業内容、バイオリファイナリー有価物の効率的連続的技術の実用化のための実証・評価設備の設置。投資額は約79億円でございます。県の補助は約18億円を予定しております。雇用計画ですが、5名。稼働開始は26年の4月を予定しておられます。調印式は7月9日に知事公邸で行いまして、王子製紙の社長様、それから知事、米子市長、日吉津村長と出席して行いました。
続きまして、6ページをお願いいたします。株式会社ガイナックスの米子市進出に係る調印式の実施についてでございます。株式会社ガイナックス、本社は東京都の三鷹市にございますが、これがグッズ販売、それから制作部門のガイナックス公式ショップ(ゼネラルプロダクツ)というのを米子市に進出していただくことになりましたので、調印式を行いました。
2の立地計画の概要でございますが、名称は株式会社ガイナックス公式ショップ「ゼネラルプロダクツ」、立地場所は米子市の角盤町のアルファビルの2階でございます。面積は2階の85.6平米を使用。総投資額はまだちょっと未定になっております。雇用計画は3名。当面店舗販売みたいな形でされるのですが、そのうち開発とかそういうことをやっていただけるということでございます。雇用計画は3名程度。操業開始は24年の10月を予定。事業内容はSF・アニメ等関連グッズの企画・制作・販売でございます。調印式は7月30日、これも知事公邸で行いました。出席者はガイナックスの山賀社長様、それから武田取締役様、赤井プロデューサー様、それから鳥取県知事、米子市長の間でとり行いました。
7ページをお願いします。大山テック株式会社、それからメタルリボーン株式会社の米子における立地についてでございます。立地の場所でございますが、米子市の夜見町にある工場、旧高林工業を二分して使用されるということになりました。大山テックの概要でございますが、工場の名称は大山テック株式会社、代表者は野口則夫様。事業内容は、コンピューターハードディスク用のモーター部分の製造でございます。設備投資額は約3億8,000万。新規雇用者数は30名。今年度中に着工を行い、10月に操業予定をしておられます。
メタルリボーン株式会社でございます。工場の名称はメタルリボーン株式会社、代表者は森口真行様。事業内容は、リチウムイオン電池の廃材から有用金属を回収・販売するということでございます。設備投資総額は約1億3,000万。新規雇用者数は4名。今年度中に着工を行い、9月の操業を予定しておられるところでございます。
◎上村委員長
続きまして、議題22、鳥取県版経営革新支援事業の計画認定申請状況について、小濱新事業開拓室長の説明を求めます。
●小濱産業振興総室新事業開拓室長
8ページをお願いいたします。鳥取県版の経営革新支援事業の現在の状況について報告をさせていただきます。
下のところに事業のイメージ図をかいてございます。ちょっと字が小さくて恐縮ですけれども、従来、県内中小企業の方が販路開拓ですとか新商品の開発というものに取り組まれる場合、法認定といいまして、国の中小企業活動等促進法という法律に基づきましての支援事業を行ってまいったところでございますけれども、やはりちょっとハードルが高い、それからやはりちょっと使いづらいという面が以前からございまして、24年新規事業といたしまして、それのコンパクト版といいますか、事業規模等をちょっと手ごろな格好にいたしまして、県の単独の制度をつくったところでございます。
その状況でございますけれども、1のところに掲げてございますけれども、当初件数で200件、補助金ベースで2億円という想定で行ってまいりました。7月末現在で商工会議所あるいは商工会連合会等で取りまとめていただきましたところ、年間見込みで306件、補助金で2億3,000万円余出る見込みでございます。現在、7月末で認定を行ったのは124と8,800万ということでございまして、当初の枠を超える見込みとなってございます。この見込み分につきましては、9月補正で今、対応するべく要求作業を行っているところでございます。
2のところに業態とか取り組みの状況を掲げてございますけれども、やはり建設業、製造業、卸・小売、サービス業といったところが大半を占めておりまして、今これ計画が始まったばかりでございますので、県あるいは商工団体一緒になって何とか1件でも多く計画が達成できるよう取り組んでまいりたいと思っております。
◎上村委員長
続きまして、議題23、鳥取県地域活性化総合特区の第二次指定等について、池田次世代環境産業室長の説明を求めます。
●池田産業振興総室次世代環境産業室長
それでは、9ページをお願いいたします。鳥取県地域活性化総合特区の第二次指定等についてでございます。
4月の常任委員会で報告いたしておりますとおり、3月30日に地域活性化総合特区の第二次指定の申請を行ってまいりました。その後、6月21日に知事のヒアリング等を得まして、この7月25日に第二次指定を受けたところでございます。次の10ページの一番下にも参考で書いておりますけれども、全国で10のこのたび申請がございまして6、6のうちの1つが鳥取県ということでございます。
9ページにお戻りいただきまして、特区の概要でございますが、名称が鳥取発次世代社会モデル創造特区、区域は西部圏域の9市町村でございます。目標でございますが、地域の強みと住民ニーズを生活者の視点で独自のビジネスモデル構築手法によって結びつけるということで、新事業の創出とともに住民の暮らしの豊かさの向上を図ることで地域活性化を図っていくということでございます。
事業につきましては、とっとりスマートライフ・プロジェクトということで、3つの事業、ビジネスモデル構築の可能性のある、特に熟度の高い3事業に絞りまして、このたび申請しておりました。詳細につきましては、別紙でカラーのペーパーをお配りしておりますが、4月の報告の際に詳細に説明させていただいておると思いますので、このたびは説明は省略させていただきます。事業につきましては、9ページにお戻りいただきまして、米子市の中心市街地で行いますe-モビリティーの交通サービス、それから、江府町の下蚊屋地区等で行います災害時の集落無停電サービス、南部町で行いますアミノインデックス等を活用いたしました健康づくりサービス、このようなものを申請しておりました。特区につきましては、規制の緩和ということがセットになっておりますので、それぞれ道路運送法、電気事業法、統計法等で現在、規制がかかっておる部分について緩和をこのたび申請しておるということでございます。
6番でございますが、このたびの指定につきましては、留保条件というものをいただいております。この3つの事業の相互関係を明確化させて、まちづくりの目標に向けて有機的な関連を説明づけるということで、次の認定の申請に向けてこちらを説明してまいるということが必要になってまいります。
7番、今後のスケジュールでございますが、このたび特区の指定を受けましたが、これはスタートラインでございまして、実は規制の緩和をいただき事業を実施していくためには、認定を受けるということが必要でございます。認定と申しますのは、特区の計画認定というものを申請をいたしまして、認定を受けるということでございますが、このような機会が年間3回ほどございます。直近で申しますと、この8月の下旬から11月ごろにかけまして、国と地方の協議会の場で実務者打ち合わせ、書面協議、必要に応じて事務レベルや政務レベルでの対面協議、このようなものを得まして、国からの方針が示されます。これについて地方で合意できるようなことがありましたら計画認定申請を行って、2カ月程度で認定を受けるといったようなことで、最短で1月申請、3月認定といったようなことです。それに間に合わないものとか協議が継続するようなものは、引き続いて協議を行っていくといったようなことでございます。
引き続きまして、10ページをお願いいたします。このたび指定を受けました特区につきましては、以下のような規制の緩和であるとか金融上の支援措置、利子補給制度ですが、または財政上の支援措置といったようなものが国で用意されております。また、これにあわせまして、県でもこれまで補助金であるとか、利子補助金等につきましてお認めいただいておるところでございますので、あわせまして推進していくということでございます。
引き続きまして、2番でございますが、鳥取県地域活性化総合特区推進協議会の開催ということでございます。この8月9日に、4番にあります構成の委員の皆様、県内外の企業、金融機関、西部9市町村など35団体の皆様、またオブザーバーとして7企業に参加いただきまして推進協議会というものを開催いたしました。場所は米子全日空ホテルでございまして、内容につきましては、このたびの指定の報告、また今後の対応等について協議させていただきました。今後は、この協議を、協議会に設けてございますそれぞれの分科会の中におきまして、事業の具体化や国から示される課題とか論点等をクリアするということに向けて集中的に議論を重ねてまいりたいと考えております。
3番でございますが、総合特区指定書の授与式でございます。これも同日でございますが、総務省におきまして、鳥取県からは平井知事が出席いたしまして、政府側、川端地域活性化担当大臣など政務三役から総合特区の指定書を授与いただきましたということを御報告申し上げます。
◎上村委員長
次に、議題24、「食のみやこ鳥取プラザ」の状況等について及び議題25、第2回弓浜絣産地維持緊急対策事業及び弓浜がすり伝承館のあり方検討委員会の開催結果について、北村市場開拓課長の説明を求めます。
●北村市場開拓局市場開拓課長
資料の11ページをお願いいたします。「食のみやこ鳥取プラザ」の状況等につきまして、4月から7月分の状況を御報告させていただきます。
最初に、販路開拓拡大の関係でございます。一番大きいのは、3つ目に書いておりますけれども、食品卸会社さんを通して県内の野菜を首都圏スーパー等に販売できるようになったと、これが一番大きい成果でございます。非常に取引量が多く見込まれておりまして、いい事例が出てきたと考えてございます。そのほか百貨店関係の外商商品として定番化していただきましたり、通販商品として定番化いただいたり、あとは飲食店関係で定番いただいたというような成果がこの期間ございました。
次の情報発信でございます。合わせて数えますと33件なのですけれども、この33件のうち、無償で情報発信していただいたものが半分以上の19件ございました。マスコミさんから取材をされたいということで取材いただいて情報発信していただいたというものでございます。
次に、店舗内祭事でありますけれども、祭事コーナーにおきまして物産販売、体験学習、販売実習等を行ったところでございます。あと店舗外の取り組みといたしましては、富士通の春まつりでございますとか、まんが王国とっとりのイベントにアンテナショップが出店してございます。
12ページをごらんいただきたいと思います。店舗改装ということでございます。オープンから3年を経過しまして、もうじき4年を迎えようとしておるのですけれども、品ぞろえでございますとか店舗の効率運営、こういった観点から当初予算でお認めいただきまして、店舗改装に取り組んだところでございます。8月5日の日にやらせていただきました。内容といたしましては、野菜の人気が非常にあるものですから、大型冷蔵庫を導入させていただきましたり、あと商品棚を拡充したりということをやらせていただきました。あと、アンテナショップの側面のところ、人の通行もあるところなのですけれども、非常に宣伝できていなかったといいましょうか、ガラス面の部分にパネルを設置することによって、県の観光なりイベントなりのPRが可能になるような格好にいたしました。あとはチャレンジ商品コーナーと、あとは民工芸の関係もそうなのですけれども、ショップに入っていただいた左奥に観光物産説明員、県の非常勤職員を配置しておるのですけれども、そこのところにチャレンジ商品コーナーと民工芸の商品を集約いたしまして、県の非常勤が説明つきでPRさせていただくということで取り組みを強化させていただこうと考えてございます。
あと、お店の運営状況を簡単にお話しいたします。1階の物販店舗でございますけれども、引き続き好調でありまして、110%の伸び率で頑張っていただいております。レストランなのですけれども、平成23年は上向きで推移しておりましたが、この4月以降苦戦しております。ここの原因は、採算ということをお店で考えられて、単価アップ戦略をとられました。従来の単価よりも可能な限り単価アップをして収益改善を図るという、そういった戦略で臨まれまして、これが3月ごろまでは前年対比うまくいっていました。ところが、4月になってから前年2割落ちというような状況が続いておりまして、ここの主な要因としましては、単価が高くなったことでお客さん離れが発生したと思われます。具体的に言いますと、ここのアンテナショップが入っているビルのお客様ですとか、近隣の会社員のお客様、こういったリピーター、固定客がちょっと離れ傾向にあって、ちょっと苦戦を強いられているというところがございまして、このあたりを受けまして、経営戦略の見直しを運営事業者さんで御検討されていまして、既にメニューの一部変更でありますとか、単価の見直し、このようなところで既に着手しておられます。あわせていろいろな理由があって店長が交代されていまして、初代の店長がカムバックして7月から戻ってきておられまして、その店長が、いろいろな固定客を持っておりましたので、離れた固定客をつかまえると、このようなことで挽回を図っていこうとされておられます。7月の様子を見ておりますと上昇傾向が見られてきておるということで、そのあたり我々としても注視していく必要があると考えてございます。
次に、13ページをごらんいただきたいのですけれども、第2回の弓浜絣の検討会の結果を御報告させていただきます。
第2回目を8月7日にやらせていただきまして、今回は今後の方向性あたりについて議論をさせていただいたところでございます。1つ目の振興策でございます。今は第2次の後継者育成の事業に取り組んでおるのですけれども、来年、平成25年度から5カ年間の第3次振興計画をこしらえて、商品開発事業と販路開拓事業に取り組んでいくのだといった組合の希望、意向がございますので、それに向けて見当を重ねていくということにいたしております。具体的な取り組み内容につきましては、組合の中で具体のいろいろな議論をしていただきまして、次の委員会で検討していこうと考えてございます。
あと1つは、伯州綿、境港で取り組んでおられますけれども、その伯州綿の一部をかすりに利用する方向で原材料確保対策事業というのが国事業にあるのですけれども、その事業を使ってできないかなというのを検討していこうと考えてございます。
あとは、次に伝承館の関係でございます。第3次の振興計画をこしらえるといたしますと、その振興計画に基づく事業を実施するために、その必要な設備として伝承館を位置づけさせていただいて、活用いただければというような格好でございます。県は伝承館を所管しておりますので、貸し付ける側なのですけれども、地域産業振興等の観点から無償なのかどうなのかあたりを含めてこれから検討していきたいと考えてございます。今後は、いろいろな検討を重ねまして、年明け、来年1月にあります第3次振興計画の申請に向けて引き続き議論を重ねていきたいと考えております。
◎上村委員長
そういたしますと、ただいままでの説明につきまして質疑等がありましたらどうぞ。
●圓山産業振興総室企業立地推進室長
企業立地推進室でございます。委員長、1点訂正させてください。6ページのガイナックスのところで、調印式、一番下の米子市長が参加しているというような形にしておりますが、米子市長はオブザーバー参加でございまして、米子市長は参加しておられませんので、そこの資料から削除していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
◎上村委員長
わかりました。
委員の皆様、何かありましたらどうぞ。その他については、企業局説明後に行います。
○内田(隆)副委員長
アンテナショップについてなのですが、過去5年の実績がこれ出ていまして、当初この委員会で非常にけんけんがくがく大もめにもめてここにまで至ったわけですけれども、この内容をちょっともう一回教えていただきたいのは、県が例えば年間どれぐらいの家賃をここに投入しているか、家賃以外、例えば人件費であったりとか、それから例えば売れたものの中から家賃相当をもらっているとかあればその辺を教えていただきたいのと、それから12ページのところで今回改装に入りますというお話なのですが、改装されるということは、これからも続けましょうねというお考えでの話でしょう。ただ、何かアンテナショップについては仕分けの中に指摘されたということも伺っておりますので、ちょっとその辺のお金の中身というのですか、彼らがどれぐらいこれに対して負担しているのかというものも含めて、お話しいただければと思います。
●北村市場開拓局市場開拓課長
最初に、アンテナショップの大まかな収支のあたりをお話しさせていただきたいと思います。内田副委員長御指摘のように、事業棚卸しに当たっておりまして、そのあたり改めて整理したのですけれども、24年度予算ベースで概略をお話ししますと、予算は7,000万の予算がつけていただいております。その7,000万の予算のうち、4,000万がアンテナショップの直接の経費であります。そのうち2,000万を事業者さんからいただいております。ですから、2,000万ですね。差し引き県の持ち出しが2,000万とお考えいただいたらいいかと思います。
それとアンテナショップの基本的な運営にプラスして、関連予算ということで3,000万の予算をいただいて、例えばホームページの改修ですとか、そういった取り組みをさせていただくと考えておりまして、基本部分は2,000万の持ち出しというような格好です。その中で、1階と2階、飲食とレストランがございますので、そこの関係、簡単な概略をお話ししますと、1階が物販店舗でございますけれども、ここは県がオーナーから賃借いたしまして、その中、それを運営事業者さんに使っていただいて店舗運営をしていただいております。その中で売り上げの7%、5%、3%、売り上げによって若干率が変わるのですけれども、7%程度の納付金をいただいておるというような格好でございます。2階のレストランにつきましては、独立採算制をとっておりまして、県がオーナーから借りた額そのものを運営事業者さんにお支払いいただいているというような格好になっておりまして、2階は完全な独立採算ですから、県の持ち出しはありません。1階と2階合わせたトータル県の持ち出しが2,000万というような格好でございます。
次に、事業棚卸しの関係でありますけれども、もともとは今申し上げましたようにいろいろけんけんがくがくで御議論いただいて今のスキームをつくっていただいておるのですけれども、そういった中で例えば先ほど御紹介いたしましたように、レストランは非常に苦戦しておる事情がございますし、1階についてはうまくいっていると。それぞれ1階と2階の個別の事情を見ながら、今のスキームで継続的な安定運営がしていけるのかどうかというところが問題点でありまして、そこのところを事業仕分けの中で我々の主張といいましょうか、そのあたりを説明していきたいと考えてございます。1階は現状で特に問題はないかと思うのですけれども、2階は何とか考えたいと考えているところでございます。
◎上村委員長
次に行ってもよろしいでしょうか。
○錦織委員
ちょっと済みません、関連です。この店舗改装費はどこが、何か当初予算で何かありましたかね、どこが出したのでしょうか。
●北村市場開拓局市場開拓課長
この店舗改装でありますけれども、当初予算でお認めいただきまして、県で執行させていただきました。
◎上村委員長
それでは、次に移ります。企業局について調査を行います。
議題26、企業局経営改善計画(平成23~25年度)の進捗状況について及び議題27、平成24年度第1・四半期各事業実績について、板倉経営企画課長の説明を求めます。
●板倉企業局経営企画課長
企業局の資料2つございまして、1つは追加分でございますけれども、最初にまず追加でないほうの3項目ある分についてお願いいたします。
1点目は、企業局経営改善計画の進捗状況についてでございます。計画の目的、概要でございますけれども、この計画は環境の変化ですとか経営上の課題等を踏まえまして、中長期的な視点に立って企業経営を進める取り組み方針を定めることによりまして、事業を持続可能な経営を確保して産業関連公営企業としての使命を果たす。それによって県産業経済の振興に貢献する、それを目的に策定したものでございます。期間は平成23年から平成25年の3カ年。経営ビジョンは、持続可能な経営、地域産業及び環境保全への貢献の3項目、経営方針としましては、持続可能な経営の確立、適正管理と安定供給など5項目でございます。計画の達成状況は、半年ごとに点検をいたしまして、1年ごとに検証を実施すると。そして2年間経過後は、外部委員による評価、情報公開を行うということにしてございます。
2の計画初年度における経営目標の達成状況でございますけれども、1つは数値目標の達成状況でございます。電気事業につきましては、供給電力量は7年ぶりに17万メガワットアワーを超えまして、また右端の経常収支比率、これは収益を費用で割った指数でございますけれども、113.5%となりまして、目標を4.5%上回っております。ただ、未達成でございましたのは、真ん中にあります停止電力量の縮減と、その右の発電コストの削減でございます。停止電力量と申しますのは、アスタリスクのところに書いてございますけれども、事故や改良工事などのために水があるけれども、発電ができなかった電力量のことでございまして、電力会社との契約で年間3,892メガワットアワー、これは目標電力量の2.5%程度でございますけれども、それ以上発電できなかった場合はペナルティーとして基本料金を減額されるということになっておりまして、改善計画ではこの停止電力量を中国電力との契約の範囲内に抑えるということを目標にしているわけでございます。
23年度は、新幡郷発電所のオーバーホールですとか、加地発電所の改良工事などがありましたところに、大雨のために新幡郷発電所の沈砂池にたまった土砂を取り除く作業などがかさなりまして、超過をしてしまったものでございます。
もう一つは、発電コストでございますけれども、22年度対比で2%以上削減するという目標でございましたけれども、23年度に袋川発電所が運転を開始して、その運転経費が加わったことですとか、あるいは発電施設管理のために非常勤職員を増員したことなどが原因でございます。水力発電の場合、今、発電に要する費用は電気料金で見てもらえるということが実はございます。ただ、今後の電力自由化に対応して価格競争力を確保する必要がございますので、3カ年のトータルでは2%の目標を達成できるように努力したいと考えております。
続きまして、工業用水道事業でございますけれども、鳥取地区は本格給水等に向けて1,100トンの新規需要開拓が済みました。日野川地区も800トンを新規に給水開始しました。また、運転経費の削減率は5%の目標に対しまして5.8%、経常収支比率は67%の目標に対して75.2%、いずれもまだ赤字でございますけれども、23年度の目標を上回ってございます。
次の埋め立て事業でございますけれども、新規分譲目標は1ヘクタールに対して0.9ヘクタールと、ほぼ目標を達成した状況でございます。もう一つの目標としまして、竹内団地等の売却や長期貸し付けの収入で一般会計からの借入金を償還していくということを掲げておりますが、前年度の分譲実績に基づいて返済いたしますので、23年度は目標ゼロ円でございますが、24年度、今年度からは1億5,000万を目標に掲げております。23年度の分譲目標をほぼ達成しましたことなどから、これは達成できるのではないかと考えております。
(2)の具体的な取り組みの達成状況でございますけれども、改善計画では各事業ごとに数値目標を含む経営目標を定めておりまして、それを達成するための具体的な取り組みを定めてございます。その取り組み項目112項目のうち、実施済みまたは実施中が100項目、約90%となってございます。2ページをお開きいただきたいと思います。そこに主な取り組み状況を記載してございます。未実施に限って御説明しますと、これは黒丸で書いているものが未実施でございます。電気事業では、発電所が事故で停止した場合の復旧マニュアルの整備ですし、工業用水道事業では危機管理や漏水対策マニュアルの見直し等、これが未実施となっております。埋め立て事業では、竹内団地の大規模構造物立地に必要な地盤対策に係る支援方策検討などが、共通事項では有識者、企業経営者等を講師とする企業マインド研修等が未実施になってございます。ここは代表的なものだけ上げておりまして、未実施も12件実はございますけれども、その内訳としましては、24年度以降に実施予定のものですとか、あるいは個別案件発生時に実施するもの、あるいは計画策定後の事情の変化、例えば崎津なんかの企業進出に伴うインフラ整備の検討というようなものもあるのですけれども、これは恐らくメガソーラーが始まることによって余り現実的でなくなってくるということになりますので、今後見直しが必要なもの、そういったのが大半で、純粋の未着手というものは余りございません。
最後に、3番で今後の課題と対応ということで書いてございます。今後計画実施していく上で重点的に取り組むべき課題、その対応方針でございます。電気事業につきましては、再生可能エネルギーの導入拡大と県内電力自給率の向上でございます。生活環境部で策定しました「とっとり環境イニシアティブプラン」の県内電力自給率の目標が設定されておりまして、再生可能エネルギー固定買い取り制度が、しかも7月にスタートしております。こういったことから多様な発電主体による未利用エネルギー等の導入促進を図る必要がありまして、そのためには企業局がエネルギーシフト加速化に率先的な取り組みをしていくことが必要になっていると思っております。このために平成24年度は仮称小水力発電所の建設ですとか、整備事務所の太陽光発電施設設置に加えまして、小水力発電、太陽光発電の事業化調査を進めるなど、新規発電に積極的に取り組むこととしております。
2番の工業用水道でございますが、これはやはり新規事業開拓と運転経費の削減でございます。23年度鳥取地区で1,100トンの新規申し込みがございましたけれども、給水需要は依然として厳しい状況にございます。また、経常収支比率が目標を上回ったといいましても、赤字決算でございます。このため持続可能な経営という目標の達成に向けまして、日野川地区にも工業用水道利用促進補助金制度を拡大しましたけれども、こういったものも使いながら新規需要開拓と運営経費の削減等に取り組んでいきたいと思っております。
埋め立て事業につきましては、分譲販売の促進でございます。厳しい雇用経済情勢が続く中で、地域産業の振興への貢献という役割を果たす必要がございます。崎津地区につきましては、大規模メガソーラーの誘致の実現、現実化を図る。竹内地区、昭和地区につきましては、港湾、水産関連、健康食品関連企業の誘致などに取り組みまして、あわせて一般会計借入金の返済を推進したいと考えております。
最後に、会計制度改正への対応ということですけれども、地方公営企業会計の会計基準が、これは民間企業に適用されます企業会計原則に一致させる方向で大きく見直されました。平成26年度の予算・決算から適用されることになっておりまして、その移行作業を円滑に進める必要があると考えております。こちらにつきましては以上でございます。
3ページをお開きいただきたいと思います。3ページは、平成24年度第1・四半期の各事業実績でございます。まず、1の電気事業でございますけれども、水力発電は梅雨の雨量は例年より少なかったものの、4月、5月の豊富な融雪と平年以上の降雪で順調に発電ができましたので、第1・四半期の販売電力量は目標の112.6%となってございます。ただ、前年度の実績が目標の142.3%と非常に高うございましたので、ごらんいただくように対前年度比は81.5%ということになってございます。風力発電は、4、5月は強風のために風車を停止する機会が多く、また6月は平均風速が目標を下回りましたために第1・四半期の販売電力量、目標の81.0%となってございます。これらを踏まえて、販売電力収入でございますけれども、合計が目標の101.9%となりまして、対前年比は95.5%となってございます。販売電力量のほうの合計が、対前年比81.2%と低いのですが、収入合計のほうは95.5%と余り差がなくなっている、これは中心となる水力が目標電力量の8割相当は基本料金として保証されまして、実績が反映されるのは2割という、そういう料金体系のためでございます。
2番の工業用水道事業でございますけれども、日野川工水の契約水量は前年とほぼ同じ3万500トンでございますが、鳥取地区工業用水道につきましては、殿ダムが完成しましたことによりまして、平成24年度から本格給水を開始しましたために、契約水量は前年より1,100トン増の7,700トンとなりまして、調定額も対前年比108.8%となってございます。
3番の埋め立て事業でございますけれども、新規売却と長期貸し付けは今のところはございません。もちろん今進んでいる案件はございます。
(2)番の一括即納売却、割賦販売、長期貸し付けの収入状況でございますけれども、第1・四半期分譲実績ございませんけれども、これまで販売した土地のうち2社分の割賦代金がその納入時期に当たっておりますし、長期貸付料は毎年4月末が納期となっておりますので、計8,700万を収入してございます。
◎上村委員長
それでは次に、議題28、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、三柳工務課長の説明を求めます。
●三柳企業局工務課長
資料の4ページをお願いいたします。一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告をさせていただきます。
工事の新規契約が1件でございます。工事名は中津ダムしゅんせつ工事でございます。工事場所は鳥取県東伯郡三朝町中津でございます。契約の相手方は、東洋建設株式会社山陰営業所、ここは所在地が鳥取市の川端になります。次に、工事の内容について説明させていただきます。中津ダムは発電目的の利水ダムでございまして、下流にあります小鹿第1、第2発電所に貯留水を供給し、発電をしております。運用開始から50年を経過しており、これまでに土砂が大量に流入しまして、ダム内に堆積しております。これをしゅんせつにより撤去することによりまして、継続的、安定した電気供給を図るものでございます。しゅんせつによる土量といたしまして、約8,000立方メートルを計画しております。なお、契約額等については、記載のとおりでございます。
◎上村委員長
次に、議題29、米子市崎津地区でのメガソーラーの設置及び運営に関する協定について、板倉経営企画課長の説明を求めます。
●板倉企業局経営企画課長
済みません、先ほどの1・四半期の事業実績について間違ったことを申し上げておりましたので、訂正させていただきます。鳥取地区の工業用水道事業でございますが、契約水量を私、1,100トン増の7,700トンと申し上げましたけれども、これは7,550トンと資料に書いてございますとおりでございます。失礼いたしました。
そういたしますと、追加分の資料をおはぐりいただきたいと思います。崎津地区でのメガソーラーの設置及び運営に関する協定でございます。崎津メガソーラー事業の実現に向けて互いに努力することを確認する協定を、6月26日に結んだところでございますけれども、その後、事業者側との協議が進みまして、このたび正式な協定を結ぶことになりましたので、その概要につき御報告させていただきます。
まず、協定締結時期等でございますが、来週の8月29日に帝国ホテル東京で、SBエナジーの孫社長、それから三井物産の飯島社長、米子市の野坂市長、住宅供給公社の大谷理事長、そして平井知事のそれぞれ各組織のトップが出席して調印式を行う予定にしております。
2番の協定の内容でございますが、1つは、SBエナジーと三井物産が発電所を設置・運営するための特定目的会社、SPCに出資をするということが1点。それから、特定目的会社による発電所の建設に対しまして、県内企業や在住者の活用に努めること。それから、見学施設等を設置するなど再生可能エネルギー導入努めることへの配慮について、SBエナジーと三井物産に求めておりますし、県と米子市と住宅供給公社につきましては、発電所の設置運営のための工事の円滑な実施に協力をするということを定めてございます。実はこの内容は、6月26日の協定とほぼ同じでございます。ただ、6月26日の協定が双方が協力して交渉して、事業を実施することになった場合にという条件つきであったのに対しまして、今回は事業実施を前提として取り決めるものでございます。
3番の今後の予定でございますけれども、協定締結後、土地の賃貸借契約を結びまして、着工は賃貸借契約締結後の9月を予定しております。完成は25年7月の予定でございます。
参考のところに書いてございますけれども、事業概要で、今までと変わりましたところ、土地の面積が53.4ヘクタールになっております。これまで49.1ヘクタールとしておりました、4ヘクタールほどふえております。県と住公の面積は変わりませんけれども、米子市がボートピアに売る面積が全部要らないということになって半分になったものが、メガソーラー用地に振りかわったこと、それから周辺の民有地がございますけれども、これも米子市が一たん借りて、特定目的会社に又貸しをするということになりました。それによって米子市の土地が4ヘクタールほどふえたということによるものでございます。
2ページをお開きいただきたいと思います。経緯を書いてございます。何遍も申し上げておりますけれども、23年の5月の26日に関西広域連合委員会で知事が孫社長に崎津地区への設置を提案し、一番最後の11月21日ですけれども、このときに孫社長がソフトバンク社の10数カ所の予定地に崎津が含まれているということをコメントし、明らかになったということでございます。今年度につきましては、6月26日に設置及び運営に関する検討の協定というものを締結したということでございます。
◎上村委員長
ただいままでの企業局の関係でございますが、質疑等がございますか。ありましたらどうぞ。
○森岡委員
2ページですけれども、(4)会計制度改正への対応ということで、これは退職金の引当金の対応ということになっていますけれども、今はもうゼロですよね。やっているのです。引き当て不足というのは、今この時点でどれぐらい想定されるのかということと、それからそのほかにも準備金なり引当金の対応があろうかと思いますので、その辺はどのような形で対応されるのか、御説明をいただければと思います。
●板倉企業局経営企画課長
退職手当の引当金につきましては、ある程度積み立てておりますけれども、求められているものに比べますとやはりまだ少ないということがございますので、それに向けて積み立てていくということが必要になってまいりますし、あとの修繕準備引当金等につきましては、むしろ何か今までと取り扱いが変わってくるということでございまして、ちょっとその辺の具体的なところがまだ明らかになってない面はございますけれども、あと根本的に変わっているというようなことは特にございません。
○森岡委員
一番の懸念は、退職金なり払うのに一般会計から恐らく繰り入れをしないと、借り入れをするのですか。自己資金ですか。自己資金ならいいのですけれども、そのような会計になると少しまずいかなとちょっと感じたものですから、質問しました。
●長谷川企業局長
退職給与引当金つきましては、埋め立てにつきましては今、人員が2名ですので、ほぼあります。それから、工業用水道につきましては、最近定数をどんどん減らしておりますので、過剰引き当て状況になっているので、今後は特別利益という形で取り崩しが必要。それから、電気につきましては、引当金が今足りない状況ですので、来年度、再来年度の料金改定のときに料金の中に盛り込んでいただくように中国電力側と交渉していきたいと、このように考えております。一般会計からの繰り出しとか繰り入れというようなことはございません。
◎上村委員長
よろしいですか。
○錦織委員
2ページの埋め立て事業なのですが、これは今さっきも工業団地がだんだん用地が足らなくなってきたのではないかとかいろいろありますけれども、その分譲地がこれ全部埋まったというか、うれしくも完売した場合なのですが、今、売るだけではなくて貸し出しみたいなこともやっているのですけれども、結局全部埋まって、売るなり貸すなりした場合にでも、やっぱり当初は全部売る予定だったのですよね。その場合、収支のことはどうなるのかなと思いますけれどもいかがでしょうか。
●板倉企業局経営企画課長
本来売るものですけれども、今、長期貸し付けというような形をとっております。ただ、これは貸しているのはいずれ返ってまいりますので、例えば20年使っていただくと、そうすると大体ほぼ売るのに近いぐらいな賃料が入ってまいります。その後に今度は売ることになりますけれども、いわばダブルで入ってくるということもございますので、それで今42億7,500万を竹内団地で一般会計のほうからお借りしているわけですけれども、それにつきましては今申し上げたような、今現在貸しているものの賃料が入って、そして今、最終的に売るというようなことを考えますと、大体そのお借りしている、一般会計から借りている42億7,500万は返せるということに、竹内団地につきましてはそのような計算をしております。
○錦織委員
売れればということだと思うのですけれども、あと新たな追加分の資料についてですけれども、もう一回ちょっと確認したいのですが、この賃貸契約は何年間だったのかということだけだったかな、20年でしたか、ちょっとそれを確認しておきます。
●板倉企業局経営企画課長
賃貸契約は20年でございます。全量買い取り制度のいわゆる調達期間といいますか、いえばその間ずっと買い取ってもらえる期間というのが20年ですので、それをフルに使いたいということで20年ということを相手方は希望しておられます。
○錦織委員
それで、その20年の中には、これからいよいよ発電してからの20年ですか。それとも今もう契約して、この土地というか工事をされるわけですけれども、その間は無償にするわけですけれども、どんなことになりますか。
●板倉企業局経営企画課長
実はそのことがございまして、工事は1年ぐらいかかります。それから、調達期間が20年、これを目いっぱい使いたいと向こうも思われるし、こちらもそれは当然だと思います。ところが、民法の604条でしたか、20年という一応賃貸借契約が一応20年までだよというのがありまして、それはあんまり長い契約をやるなという趣旨だと思うのですけれども、今の時代では余り実情に合わない規定ではございますけれども、そのことがございますけれども、最初まず工事期間も含めた契約をしまして、20年間のですね、また後の1年につきましては、またその後契約を更新する形でまた20年にしていくと。1年進んだ段階で、そこから今度はまた20年の契約をするということは法上何の問題もございませんので、そういうやり方をやるしかないのかなというようなことは相手方と話し合っております。
○坂野委員
済みません、関連で1つだけお尋ねしたいと思うのですけれども、追加の資料分の1ページの今後の予定案ということですが、着工を要するに来月に予定をされているということは、29日に行われる協定締結時において土地の賃貸借契約も結ばれるのか、あるいは協定締結後1週間とか2週間のうちに、速やかに別に賃貸借契約を結ばれるのかということをお尋ねしたいと思います。
●板倉企業局経営企画課長
さっきおっしゃったように、協定を結んで、その後、賃貸借契約を結ぶという予定にしております。賃貸借契約も今ほとんど大詰めになっておりますが、基本協定というのはやっぱり基本的な取り決めですので、それを受けて着工までに賃貸借契約を結ぶということで、いずれにしても9月に着工したいということを先方は考えておられますので、そのとき9月中ぐらいにということで考えております。
○坂野委員
ありがとうございます。では、その2ページに3月15日の時点で、地代は売電収入の3%を基本とすると書いてありますけれども、恐らく3%を基本にされて締結に向けて動かれているとは思うのですけれども、先日、会派で林西部総合事務所長の御案内もいただいて崎津地区に視察に行かせていただきましたときに、1ヘクタールで1、2、3という言葉をいただきまして、1ヘクタールで約2メガの発電で、さらに3というのは、それが約3億円程度かかるということであると、恐らく投資に60億とか70億ぐらいで、詳しいことは全くわかりませんけれども、その額で投資できるとするならば、メガソーラーの場合はその後の維持経費というのはあんまりかからないと思うのです。そうしますと、39メガという大きな電力を42円で売電することによって得られる収入と、その投資額を比較すると、余りにもSBエナジーさんがもうけることになるのではないかとも思いまして、この3%という、売電収入の3%をもうちょっと引き上げるような形で締結に動かれるべきではないかと思ったのですが、そのあたりをお聞かせ願いたいと思います。
●板倉企業局経営企画課長
3%という率は、ソフトバンクが全国展開をするのに事業パートナーですとか金融機関なんかと相談して、この率でいこうということで決めた率でございまして、私どもで試算をしまして、今の発電総量から考えてしますと、やっぱり本来の鑑定評価による賃料にはちょっと足らないということが実はございます。ただ、売電収入の変動に伴って貸付料、発電の実績がよければ上がってくるしというようなこともありますし、それからもともと崎津団地といいますのはインフラ整備がしてありません。そうしようと思うと、企業が来たいと言ったときに、ではそれに合ったインフラ整備をしようというようなことで、なかなか早く対応できるような状況でない。こういうところになかなか企業は来てくれないだろうなというような状況がある団地でございますので、それを一気に草刈り経費なんかが要ったものが有効活用できるというようなことがあったり、固定資産税相当額が入ったり、県も法人税収入が入ったり、工事の需要ですとか観光客の入り込みなんかも期待できるというようなことも総合的に勘案して、3%を基本に協議を進めてきたところでございます。そうは言いましても、今、委員おっしゃったように、それがやっぱり3%なり一定の割合が、いわゆる正常な賃料、鑑定評価の賃料と少なくとも一緒であるべきであろうと思います。企業誘致的な考え方でやっていますので、相手が幾らもうかったかといって分け前をくれと言うわけにいきませんけれども、正常な賃料はやっぱりもらうのが望ましいわけでございまして、実は平成23年度の決算監査で監査委員さんから、太陽光発電の買い取り価格が40円ということで、比較的高く設定されて、事業者の経営環境も大きく変わってきたことを受けて賃貸借契約での貸付料等のあり方をちょっと検討されたいという御指摘もいただきまして、私どももそのことも理由の一つにして、相手方にちょっとそのことをぶつけて、今ぎりぎりの交渉をしている状況でございます。
○坂野委員
そうですね、今後20年というさっき御答弁ありましたので、20年間この最初のこの約束で決まると思いますので、本当に慎重にぜひやっていただきたいと思いますし、売電価格42円というのは、北海道から沖縄までどこの土地でも同じ価格だと思いますので、逆に通常の賃貸する価格にちょっと届いていないという御説明でしたけれども、ほかのSBエナジーさんが予定されている候補地の土地なんかともどういう形で貸し出すのか、お幾らぐらいで貸し出すのかというのも考慮に入れながら、要するにどこで発電しても同じ売電価格なわけですから、土地代にしても、極端な話言えば高いところに合わせても私はいいのではないかと思っております。少なくとも通常の貸し出し賃料よりは高い価格でぜひ貸し出していただきたいと思いますし、ここはぜひ9月を予定されずに、慎重にもっと時間をかけてでも皆さんが納得いくような形でぜひ契約を締結していただきたいと思います。よろしくお願いします。
●長谷川企業局長
先ほど板倉経営企画課長が言いましたように、監査委員からも同様な意見をいただいておりますので、ここで踏ん張ってぎりぎりの調整交渉をしてまいりたいと、このように考えております。よろしくお願いいたします。
○錦織委員
追加ですけれども、この工事に入るわけなのですけれども、契約すると。私は、実際の工事に当たっては、ぜひ地元企業を採用していただきたいと思うのですが、そこら辺はどういう話になっていますか。
●長谷川企業局長
まだ、実際の設計施工はEPCと言われる会社が請け負うことになっております。このEPCが、例えば土木工事とか、例えば電気工事とか、あるいは組み立てとか、いろいろな1次下請、2次下請がその下にぶら下がってくると、こういう施工体制になろうかと思いますので、SPCのほうから、そのあたりのEPCの会社あるいはそれにぶら下がる1次下請、2次下請等を聞きながら、それらの会社に対して生活環境部と一緒に地元企業、地元資機材の使用ということを働きかけていきたいと、このように考えております。
◎上村委員長
ほかにないですね。
それでは、その他でございますが、執行部委員の方で何かありますでしょうか。
○内田(隆)副委員長
済みません、何点かお願いします。
まず最初に、シャープ米子工場の件なのですけれども、どんな感じになっておるのかというのは、ここの委員会で聞いてもいいものなのですか。
●岡村商工労働部長
お盆の時期にセンセーショナルな記事が出まして、私も少しびっくりしたのですけれども、かねてからシャープ米子は所管がシャープ本体のデバイス事業部というところの担当になります。所管をしている役員の方は亀山とかの工場の責任者をされているということで、その方にもこの発表がある少し前だったのですけれども、おいでいただいたりしまして意見交換をしました。米子の方向性について、我々もしっかりサポートしていきたいので展開についてぜひ明示してほしいというようなことを、知事も含めてお願いをしております。
その中では、シャープさんも当然新聞報道される前から液晶の次のデバイスだとか、まさに次世代のデバイスについていろいろ検討を進めているということは伺っております。そのできれば開発の拠点に米子を押していただきたいというような要望もさせていただいていまして、次世代デバイスの開発の拠点、前回の議会等でも研究開発型はかなり支援のパーセンテージを上げておりますので、そういうような支援措置も説明させていただきまして、コミュニケーションをとっているところです。まだ具体的な結論はいただいておりませんけれども、我々としましては今回の変革をチャンスに捉えるような形で、シャープの幹部とも情報交換をしていきたいと考えております。
○内田(隆)副委員長
続いて、あと2点一気にお願いをしたいのですけれども、境港の取り扱い荷物量が非常に減っているという報告は今月の半ばにあったと思うのですけれども、トータルでかなり減っていますよね、この要因というのは何なのかというのが1点と、あと企業誘致をかなり進めていただいてすごいなと思いながら見ておるのですけれども、鳥取県西部地域における企業誘致をする場所がだんだんなくなっているという現状があります。例えば流通業務団地はもうほぼ満員、満ぱいになってしまっていますし、崎津もメガソーラーでなくなっている。残るのは竹内だけなのか、大山町にもありますけれども、こういうような現状を踏まえて今後どのように取り組んでいかれるつもりなのかという指針をお示しいただきたいです。
●吉川経済通商総室通商物流室長
境港の貨物は、コンテナが7割程度昨年に比べて減っているのではないかというような話を管理組合のほうから聞いております。これはやはり輸出のほうが少し減っているということのようでして、円高とかそういう影響がやはり出ているのかという形では聞いております。もう少しいろいろと分析をしまして、そのあたり押さえるべきところは押さえていきたいと思いまして、それで必要な対策ができればしていきたいと思います。
◎上村委員長
工業団地についてお願いします。
●圓山産業振興総室企業立地推進室長
西部地域、本当になかなか全くなくなってきているような状況でございまして、ただ、西部に限らず東部も本当になくなってきておりまして、それぞれの市と一緒にいろいろ検討等もしていかなければならないと思うのですが、やはり企業の顔が見えてこないとなかなか団地開発ということも売れ残ったりというところもございましたりしまして、今後長期的にどうしていくかというのは本当に考えていかなければならないときに来ておると思っております。
●岡村商工労働部長
ちょっと補足をよろしいですか。基本的にはそういう考え方なのですけれども、空き工場とか、それから工業適地の用地、まだ造成していないけれども、用地というのはちゃんと見ていまして、そういうところをもし企業さんが欲しいとなれば、造成にかかるというような準備作業はしています。ただ、今取り壊しされている鳥取の三洋電機さんのような用地があいたり、やっぱり空き用地もありまして、まずは基本的にはそこに誘導していく、空き工場に誘導していく、これをまず優先的に考えたいと思っています。あわせて、その需要が膨らめば、残地整備という市町村の要望もあるところがありますので、そういう話もぜひ取り組んでいきたいとは思うのですけれども、まだ少しちょっと自信が持てないというのが現状であります。
○内田(隆)副委員長
境港に関しては、引き続きフォローアップが必要だと思いますし、委員会で今、状況報告でもしていただけるときょうは楽しみにして来たのですけれども、ぜひお願いをしたいと思います。
最後に、企業誘致の関係の団地造成についてですけれども、物すごくコストがかかることですし、決断をするときには決断をしなくてはいけないのでしょうけれども、十分な検討が必要だというのはわかります。ただ、企業が出てきて、例えば流通業務団地なんかでありませんかというように聞くと、もう本当にない状態なのです。あと2つ区画があいているのだけれども、そこはもう交渉している途中であると。ではどこに誘導するのですかといったら、紹介したいのだけれどもと言ったら、和田浜工業団地かななどという返事が返ってきたりするのですけれども、和田浜工業団地というのは下水もなければ、とりあえずこんな企業が来たら造成しますよというような話です。だから今、随時決まっているのは鳥取を中心にして空き工場にうまく県がフォローアップして、すごいなと思うのですよ。フォローアップして入れていっている現状なのですけれども、それも何か限界に近づいているような気がするのです。なぜかというと、やっぱり企業は、ここですよというふうにぱちっとあるとわかりやすいですから、そして初動も早いですし、企業誘致をする側としても対応がしやすい状況になっていくと思います。このことも含めて、今年度はやっぱりきちんと年度末に向けて、来年度以降の指針を考えていかなくてはいけない時期に来ているのではないかと思いますので、一言よろしくお願いします。
●岡村商工労働部長
例えば、製造業に関して、非常に難しい動きがあって判断が難しいというのが、1つは、やはり需要を求めて大企業がほとんど量産物は海外で調達します。それに引っ張られて、昔はこういう技術、あるいはレベルの高い技術を持っていれば、それを輸出で賄えたのですけれども、もうそれでも対抗できなくなってしまっていまして、単価が下げられてしまって出ていかざるを得ない。生き残りのために出ていかないといけないという選択に迫られている企業さんもあります。もう一方で、うまく海外の企業と連携しながら、工場を使いながら、こちらの機能を試作開発型に変えて、やはり物づくりは残していこうというふうな企業さんもあります。実は今回、そういう企業さんも何件か入ってきているのですけれども、そういう企業さんにとってみれば、やはりきっちりしたインフラの中で工場団地の中で事業を行いたいという要望もあります。今回の倉吉のケースでしたけれども、まさにあそこも一つの業務用地として確保していて、非常にあそこはよかったということで用地もたくさんもっと拡張したいというようなこともウッドプラスチックさんもおっしゃっていますけれども、そういうやり方とか、両方の2つのパターンがありまして、その辺を見きわめながら造成をしていくのであれば検討していかないといけないと思っていまして、もう少し先ほど圓山企業立地推進室長が申し上げた顔が見えてということがありますが、その辺顔をしっかり見きわめて2つのパターンで選択しながら戦略を練っていきたいと考えています。
◎上村委員長
その他はもうありませんか。
ないようでございますので、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。御苦労さまでした。
午後2時48分 閉会
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