午前10時01分 開会
◎上村委員長
それでは、おはようございます。
ただいまより農林水産商工常任委員会を開会をいたします。
西山部長につきましては、第64回全国植樹祭特別委員会への出席と宮内庁へのお執り成し書の提出のため欠席でございますので、御了承をお願いいたしたいと思います。
それでは、本日の日程はお手元に配付しております日程表のとおりでございますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
初めに、会議録署名委員を指名させていただきます。
本日の署名委員は、内田博長委員と福間委員にお願いをいたします。
それでは、質疑は説明終了後に一括して行っていただきたいと思います。
議題1、(財)鳥取県造林公社の経営改革プラン(最終案)について、岩成林政企画室長の説明を求めます。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
よろしくお願いいたします。
そうしますと、お手元にお配りしております追加資料の1ページをお願いをいたします。
今回の経営改善の長期プランの改善の内容を項目ごとにペーパーにいたしております。
今回の収支の改善におきまして、全体で106億の収支改善を見込んでおりますけれども、まず収入間伐ということで、国の造林補助金の制度が収入間伐を原則とした制度に変わったということから、収入間伐によります木材販売収入を積極的に確保していくということと、コストを下げるために路網整備を積極的に推進をしていくということで、これに係る改善額が101億ということで計上いたしております。
今回の追加の対策といたしまして更新伐ということで、現在、期間の延長をお願いしております。80年目に主伐、全ての木を切るということで予定をしておりましたけれども、森林の公益機能の維持等を考えた場合、主伐、皆伐ではなくて一部抜き切りをしまして、立木の状態で所有者にお返しをするという更新伐を導入をさせていただきたいと思います。更新伐を導入いたしますと国の補助制度の対象となりますので、経費が大幅に軽減できるということでございます。これに係る経費は、27億円を見込んでおります。
次に、これも追加対策でございますけれども、現在、原木市場に原木を出しておりますけれども、これを合板工場等に直接出荷をする、直送するということによりまして、原木市場を通しますと、ここに書いてございますが、販売手数料、およそ7%程度、仕分けの手数料が市場によりますけれども750円から900円必要ですが、この費用が節減できるということでございまして、これに係る節減が14億円ということで計上いたしております。
分収割合の変更ということでございますが、平成14年の経営改善の中で森林所有者の方にもこういう経営状況について御理解いただいて、割合の変更を6対4から8対2に2割を減らすお願いをしてまいりました。造林公社も森林所有者に地元説明会等々を出向いてお願いをしてまいりましたが、なかなか今決めることではないではないか、非常に厳しいという御意見がありまして、今回の追加の対策をすることによりまして経営改善が見込まれて収支が改善できるという見通しが立ったことから、6対4の割合でいかせていただきたいと思います。かかる2割は減るということによるマイナスが36億、合計106億円の収支の改善が見込まれるということでございます。
次に、前回はプランの内容を説明させていただいておりませんでしたので、長期のプランにつきまして、まず説明をさせていただきたいと思います。
1ページをお願いをいたします。経営改革プラン策定の趣旨ということで書いてございますけれども、非常に厳しい経営環境の中で14年、18年の経営改革を進めてまいりましたが、平成
21年に財政健全化法を受けまして、存続、廃止について検討すべきということで、外部委員によります経営検討委員会で存続、廃止について検討いただきました。経営改革を進めながら存続という御意見をいただいたことを踏まえまして、県と造林公社で長期、平成96年までの計画と短期、10年間、第1期のプランの案を作成をさせていただいたところでございます。
プランの計画期間は平成96年という、70年先までという非常に長期の計画でございますけれども、現在、公社は約1万5,000ヘクタールの杉、ヒノキを生育させていただいておりますけれども、平均林齢で28年とまだ若い、生育途上にございます。こういった木を育成していくということでの計画を立ててございます。
3ページをお願いをいたします。財務状況ということで、長期の借入金の残額を記載いたしております。日本政策金融公庫からの借入金が約71億円、鳥取県が公社に貸しておりますものが238億円ということで、長期債務が309億円弱ということでございます。
追加資料の4ページをお願いをいたします。現在の造林公社の収支状況がどうであるのかということで、24年3月末の貸借対照表でございます。資産の合計、真ん中に書いてございますが、約457億でございます。その大部分につきましては森林資産ということで、455億を計上いたしております。これは現在、時価評価ではなくて森林経営勘定ということで、今までの投資経費を計上させていただくという形態をとっております。一方、負債につきましては、下寄りに310億ということで、今申し上げました約309億が県と公庫からの長期の借入金ということでございまして、実情といいますと債務は超過しておりますけれども、森林経営勘定ということで、こういう会計処理をいたしております。こういう林業公社の経営というものが木を植えて育てていくと最終80年目に木が太って、そこで収入が上げられると資産になるということから、投資経費を森林資産ということで計上させていただいているということでございます。
長期プランの8ページをお願いいたします。第3章の具体的な取り組みということで、これから造林公社が取り組む内容で、まず木材販売収入の拡大ということで書いてございます。国の補助の体系が収入間伐ということで体系が変わったことによりまして、機械化をしてコストを下げるということで、高性能林業機械によります作業システムを採用いたしまして伐採搬出経費を削減いたしまして、収入間伐を進めるということで進めていきたいと考えているところでございます。
次に、9ページをお願いをいたします。収入間伐を進める上でもコストを下げていくということについては路網整備が必要となるということで、平成54年まで路網整備、林内の作業道とアクセス道を含めて838キロの路網整備を進めて、低コスト化を進めていきたいと考えているところでございます。
作業工程につきましても、従来でありますと人力、伐採はチェーンソーでございますけれども、集材、造材につきましては従来の架線系からグラップル、機械を使ったコストを下げる作業工程に見直しをして、コストを下げる取り組みをいたしていきたいと考えているところでございます。
次に、10ページをお願いいたします。先ほど来から最後の主伐における、従来は皆伐と、全ての木を切るということでございましたが、更新伐、木を残して所有者にお返しをするというところで、その比較表を描いてございます。皆伐になりますと補助金の対象にならないということでございますが、更新伐になると補助金の対象となると。それから、伐採につきましても一部の伐採で済むということがございます。こういったことをすることによって再造林放棄地が発生することを防ぐと、公益機能を低下を防ぐという効果があるということでございます。
次に(3)番、直送方式の推進でございますけれども、先ほども説明いたしましたとおり、原木市場でありますと仕分け料、手数料が節減になるということから、西部になりますが、合板工場に積極的に直送いたしまして経費を節減していきたいと考えているところでございます。
次に2番、コストの削減でございますけれども、(1)番、事業発注方式の改善ということでございます。発注方式を見直すということでコストを下げるという取り組みをしていきたいと考えておりますけれども、現在、随意契約でやっておりますけれども、作業道につきましては一部指名競争入札を導入いたしまして、落札率の低減による削減を図っていきたいと考えているところでございます。
複数の施業を、作業道とか間伐を一括して発注をすることによって作業ロットを大型化するということによって、事務経費でありますとか諸経費の削減に努めていくということで、これにつきましては、造林公社では昨年から167件の発注件数でございましたが、今年度はある程度ロットをまとめていくという取り組みをいたしておりまして、ことしは120件ぐらいということで、作業ロットを設計を組んで発注をすると、件数が減ればそれだけ経費が浮くということでございますので、こういう取り組みを今年度からやっているところでございます。
11ページをお願いをいたします。長期管理委託契約の内容の見直しということでございますが、現在、森林組合さんにお願いいたしまして、3年サイクルで現場の地主でありますとか収入間伐の適地の報告等をお願いしておりますけれども、これにつきまして引き続き長期管理委託を森林組合にお願いいたしまして、早期発注、それから適地を適切に判断いたしまして、適切な発注に努めていきたいと思っております。
また、公社営林地については早期に現況の把握はしておりますけれども、経年変化もいたしますので、現場の把握等につきまして、森林組合さん以外にもお願いする場所があればお願いしていくといったようなことも取り組んでいきたいと思っております。基本は森林組合にお願いしようと思っておりますけれども、そういったことも検討していきたいと考えております。
(2)番でございますけれども、隣接森林の事業主体との連携ということで、今年度から森林経営計画ということで、経営計画のエリアが広がるということで造林公社も経営計画を策定いたしておりますが、造林公社の山と隣接を一体的に整備をすればコストも下がるといったようなことから、隣接との連携によりまして一体的な整備ということについても検討していきたいと考えているところでございます。
12ページをお願いをいたします。冒頭でも申し上げましたけれども、14年、18年の経営改善計画の中で分収契約の見直し、内容は契約期間の延長ということで60年の契約を80年にお願いする期間の延長と、分収割合の変更をお願いするということで取り組んでまいりました。期間の延長につきましては現在、約34%の進捗ということで、御理解いただいて契約の延長は進んでおりますけれども、先ほども申し上げましたとおり、割合の変更につきましてはなかなか御理解いただけないということで、今回、追加の経営対策を行うことによりまして、6対4のままでの経営改善を進めていきたいということで考えているところでございます。
13ページをお願いをいたします。森林の公益的機能の発揮を通じた県民への貢献ということで、広葉樹林化ということで書いてございます。造林公社の経営は、分収契約を交わしまして、最後に売った木を収益ということで所有者の方にお渡しをするということでございますけれども、一方では公益的機能の維持という公益性もございます。造林公社は約1万4,000ヘクタールということで、県の人工林、杉、ヒノキの約12%を占めるということで、公益的機能の維持に貢献するということがございますので、この参考の中に書いてございますように、間伐5回目、60年生での間伐後につきまして抜き切りを実施いたしまして、針葉樹と広葉樹の混交林化をいたしまして、所有者にお返しをするということに取り組んでいきたいということで考えているところでございます。
(2)番のほうに、県民への公益的機能、CO2吸収機能の提供、普及啓発ということで書いてございますけれども、県有林ではとっとり共生の森、県民、民間企業に協力いただいて共生の森ということを進めておりますけれども、造林公社もこういう公益的機能の維持に果たして要る役割ということを広く一般県民の方にも周知をしていく必要があろうと考えておりますし、J-VERということでCO2吸収について認証いたしまして、現在4,200トンの認証をいただいておりますので、これについて民間企業の御理解をいただいて、J-VERについても販売促進をしていくという取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
14ページをお願いをいたします。造林公社では来年度109ヘクタールの収入間伐を進めさせていただくようにしておりますが、徐々に面積をふやしていきまして、34年ベースでは約1,000ヘクタールの収入間伐を進めていくということで考えております。こういう事業量がふえることによりまして、造林公社の果たす役割として地域での雇用にも貢献できるものと考えているところでございます。
6番の組織体制の改革でございますけれども、人員の体制につきまして、平成14年の見直しによりまして、19名おりました職員を8名、現在、理事長を含めて9名ということで、人員を削減して森林整備に取り組んでおります。加えて、18年には再点検におきまして職員の給与を管理職15%、一般職20%をカットいたしまして、管理費の圧縮にも努めているところでございます。
今回、収入間伐ということで事業拡大をするということで、昨年プロパー職員の採用につきまして認めていただいたわけでございますが、3名ふやすというのは事業量拡大によりまして造林公社が事業を発注をする、現場を調査しまして設計書をくくって業者に発注するというために、どうしてもプロパー職員を採用する必要があるということで認めていただいたわけでございますが、これにつきましても11名の中で積極的な発注に努めてまいります。ただ、事業を進めていく中で、平成62年から77年には1名ずつ減らしていって、事業の縮小に応じて減らしていくと。最終、平成88年~96年には5名体制で、最終的な経営の終末を迎えるということで、5名体制でいかせていただくということで考えております。
また、毎年経営改善の検証を報告させていただきますが、5年目でその時点での経営改善、社会状況等を踏まえて見直しをさせていただきますが、平成29年には造林公社におりますプロパー職員が退職をさせていただくということでございまして、人員体制についてもその時点での見直しも図っていきたいと考えているところでございます。
(3)番、新公益法人への移行でございますけれども、現在、造林公社は特例民法法人ということでございますが、ことしの10月をもって公益財団、公益社団法人等へ移行しないと解散になるということから、公益法人の移行を認定の審議会に移行申請をさせていただいたところでございまして、先月、審議会での答申、いいですよということで答申をいただいたところでございます。
次に、15ページをお願いをいたします。その他の取り組みということで書いてございますけれども、県民への説明責任ということでございますが、当然ながら、造林公社の経営につきましては森林所有者の理解に加えまして一般県民、それから議会等の御理解をいただけないと進むことではございますので、経営状況の進捗状況については、適時県民にも公表いたしますし、議会にも報告はさせていただきたいと考えているところでございます。
(3)番でございますが、県産材の販路、木材需要の拡大ということで、前回、福間委員から、県としての県産材を販売促進、事業促進をするということ、これは県としての責務であるということで、積極的な取り組みという御意見があったことを踏まえまして、収入間伐の推進に伴って今後、材が出る量が大幅に増加いたしますので、県といたしましても各種施策を通じまして木材需要の拡大に努めるとともに、公社としても例えば木材バイオマス発電所等に対して材を安定的に供給できる体制を整えていくという、こういう取り組みに積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
8番でございますが、今後検討すべき事項でございますけれども、(1)番で公社業務の効率化ということで書いてございます。昨年3名の増員ということで認めていただいたわけでございますが、職員の増員につきましては、ふえる事業量に対応するために、業者に発注するための増員ということでございます。一方で、公社の事業を受けていただく業者での業務のやり方、執行のやり方につきまして、例えば公社有林地の隣接を一体的に、例えば隣が、森林組合が経営委託を受けておられる場合についてはそれを一体的にお願いするということを含めて、アウトソーシングについても取り組んでいきたいと考えているところでございます。
(2)番の相続問題等への対応でございますが、契約の円滑な変更ということで、現在、契約の期間の延長をお願いしているところでございますが、相続の関係でなかなか一部の同意が得られないとか不在村とか、こういったことがだんだんふえてきているところでございます。土地所有者の相続人の把握が困難であるといったようなことを含めまして、現在は共有名義でありますと共有のそれぞれの所有者の方の同意、印鑑をお願いしなくてはいけないわけでございますが、今後こういうことがふえてくることを踏まえまして、土地所有者の過半数の同意によりまして契約の変更はできないだろうかといったようなことについて法整備、分収林特別措置法の制度改正につきまして、全国の林業公社を所管いたします各県の森林県連合で国に要望、政策提言をさせていただいているところでございます。
(2)番でございますが、登記の代行ということでございますが、相続するときの登記につきましては、基本的には土地所有者の方に相続登記をお願いするということでございますけれども、なかなか経費もかかるといいったようなこと、手続も大変だということから、相続登記、登記についての代行ができる制度の導入と、これに係る経費につきましての支援について、国に要望いたしております。昨年の7月に、国にこういった要望をさせていただいているところでございます。
16ページをお願いをいたします。(3)番で再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度への対応ということで、木質バイオマスの発電所等の動きもあることから、公社の立場からいきますと、安定的に材を供給できる体制を整えていくといった対応もしていきたいと考えているところでございます。
最後に第4章、経営改善の進捗管理ということでございますけれども、平成96年までの長期のプランに加えまして、10年間の第1期、短期のプランを作成をさせていただいているところでございます。県が100%出捐をしているという立場もございます。県も積極的に造林公社の経営に関与をしていくということから、公社から随時、毎年の点検、評価した上で県に報告をいただくと、それによって対応を考えていくと。それから、おおむね5年を基準といたしまして、公社の改善状況、進捗状況、それから社会情勢の変化等を踏まえまして、組織のあり方も含めた全般的な経営の見直しをさせていただくということで考えてございます。
17ページをお願いをいたします。今まで申し上げました平成96年までの経営改善を進めることによりまして、一番右下に書いてございますが、平成96年、第7期の時点で13億の黒字、プラスにするという試算をいたしております。ただ、70年先のことでございますので、まずは第1期の短期的な経営改善によりまして、第1期の平成29年ごろには県から借りるお金をゼロにいたしまして、逆に平成32年からは県に対して県からの借入金を返していくことに取り組んでいきたいと、黒字化を第1期で取り組むということにいたしております。
次に、第1期の経営改善計画をお願いいたします。
3ページをお願いいたします。第1期、この10年間での経営改善ということで、先ほども申し上げましたとおり、第1期で黒字化を図るということを最大の目標に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
追加資料の3ページの横長の表をお願いをいたします。第1期の収支の見通しということで、下に棒グラフを描いてございますけれども、この第1期の期間中、前半では収入間伐の面積がまだ少ないということから、県の借り入れをいたしまして政策金融公庫への償還をさせていただくということをいたしていきますが、収入間伐の面積がふえてまいりますので、県からの借り入れを減らしていって、逆に平成32年からは県への借り入れを償還していくことに取り組んでいくという計画を立てているところでございます。
もとに戻りまして、第1期のプランの5ページをお願いいたします。森林整備に関する事項ということで、採算性判別の実施ということで、造林公社で現場の把握ということで、まず採算性を重視して、どこに事業投資をするかということの採算性判別を実施をしていって、これを経営改善に反映させていくということで考えているところでございます。
保育施業でございますけれども、ここに間伐の面積で合計5,163ということで書いてございます。前回、間伐の面積4,200ヘクタールということで御説明いたしましたが、この5,100の中には切り捨て間伐も含んでいるという数字でございます。
6ページをお願いいたします。6ページでございますが、収入間伐の推進ということで、来年は109ヘクタールの収入間伐に取り組んでいきまして、徐々に面積をふやしていきまして、10年間で4,200ヘクタールの収入間伐に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
7ページをお願いいたします。分収契約の変更ということで、現在、契約期間の延長につきましては約34%達成いたしておりますが、これを10年後に80%まで延長するように取り組みたいと考えているところでございます。
9ページをお願いいたします。経営の透明性の向上と関係者への理解の醸成ということで、先ほども申し上げましたが、幅広く県の取り組み、公社の取り組みをホームページ等々で情報提供していきたいと考えております。あわせて、造林公社の取り組みに理解を得るために、森林づくり活動等への参画などについても取り組みたいと考えているところでございます。
そうしますと最後に、前回、全国の林業公社の解散等々の状況についての説明というお話がございました。追加資料の2ページをお願いをいたします。ちょっと字が小さく、見づらくて申しわけございませんが、全国の中で、真ん中に書いてございますが、解散済みの県が上から岩手県、中より神奈川県、下の大分県が既に解散をされておられます。この解散済みの3県につきましては、社団法人ということで県と市町村、森林組合が社員ということでメンバーにされている関係で、非常に経営状況が悪い中で県で一本化したほうがいいのではないかという御意見があって解散をされたということでございます。
次に、解散予定の県でございますが、まず上から、青森県が昨年、民事再生の手続を始められまして、ことしの4月に県営林に移行をされる予定と伺っております。それから、茨城県でございますけれども、農林振興公社自体は存続いたしますけれども、そのうち分収造林事業につきましては、県営林に23年4月に移行をされているということでございます。その下、栃木県でございますけれども、平成22年に県の特定指導法人の見直し方針というものがございまして、分収林事業を県営林に統合される予定と伺っております。その下の群馬県でございますけれども、23年4月に民事再生の手続を開始をされまして、分収林事業につきましては、ことしの9月に財団法人の森林緑整備基金に引き継がれると、その後に、公社は25年度末に解散されるということで伺っております。それから、山梨県でございますけれども、山梨県は29年の3月に県営林に移行し、解散されるということで伺っております。愛知県でございますけれども、法的整理を検討されると。その中で分収林事業につきましては、県のほうが引き継ぐ方向であるということで伺っております。広島県でございますが、平成26年度以降に分収林事業は県営林に移行後、解散をされるということで伺っているところでございます。
◎上村委員長
それでは、次に移ります。
議題2、鳥取県の農業農村整備事業の展開方向について及び議題3、土地改良区の組織運営と監督につきまして、俵農地・水保全課長の説明を求めます。
●俵農地・水保全課長
それでは、資料の1ページをごらんいただきたいと思います。鳥取県の農業農村整備事業の展開方向について説明をいたします。
まず最初に国の動きについて説明をしたいと思いますけれども、一応、農業農村整備事業は、農林水産省の農村振興局が所管をしております。農村振興局も幅広い業務を持っておりまして、公共事業のほかに非公共事業として、例えば都市と農村との交流というものも担っておりますけれども、今回は私のところに関係のあるところだけを説明をしていきたいと思います。
我々に関係のある項目としましては、3項目ほどあります。まず1点目は、国土強靱化、それから競争力強化というところであります。東日本大震災を受けまして、やはり災害に強い国土づくりということが求められているということで、具体的にはため池等の防災事業の制度を統合して充実をさせるということと、それから老朽化した農業水利施設の長寿命化等を図ってくということにしています。それから、競争力強化については、やはり生産効率を高めて、競争力のある攻めの農業を実現していくためには、大区画水田や、それから畑地かんがい等の整備に加えて、担い手等への農地集積を図っていく必要があるということで、これらの対策を充実をしていこうとにされております。
2番目としまして、経営所得安定対策等であります。これは農業の多面的機能、例えば国土保全機能とか、あるいは生物の生態系の保全機能とか、そういう機能がありますので、農地、農業用水路を守る活動に対して、現在、中山間地域等直接支払制度とか、あるいは農地・水保全管理支払交付金を支払いをしております。これを26年度にはちょっと見直しをして充実をしたいということで、日本型直接支払制度の創設を検討されるようですけれども、来年度は当面、今の制度をそのまま存続といいますか、継続をするということで聞いております。
3番目としましては、再生可能エネルギーの大々的な展開ということで、小水力発電等を中心に再生可能エネルギーの展開を図っていくということになっております。
予算の関係なのですけれども、一応24年度の補正予算と、それから25年度の当初予算を合わせて24年度の当初予算と比較をしてみますと、国土強靱化、それから競争力強化という部分がハード事業に該当しますけれども、これは大体2倍程度に伸びているということになります。そのほか経営所得安定対策等についても、今年度ちょっと予算が足り苦しいというところがありましたので、それらを考慮して若干の増額をしておられるということであります。
これを受けて、鳥取県の今後の施策の展開方向なのですけれども、やはり生産効率を高めて競争力のある攻めの農業を実現していくためには、農業生産基盤、農地と水の整備が不可欠ですので、これを引き続いて整備をしていきたいと思いますし、それから、農業水利施設がかなり古くなってきているということがありますので、これを計画的に更新をしていきたいと思います。
ちなみに、鳥取県の水田の圃場整備率というのは80%を超えておりまして、中国・四国地方では一番高い整備率を誇っております。今後はこういう圃場整備等も開発型の事業よりはできた農地を有効に活用して、今後、担い手農家等で農地を集積をしていけば、やはり少人数で例えば水管理等を行っていく必要が出てくるということで、地域地域でちょっと細かい、きめ細やかな対応をしていく必要があると思いますので、今後はそういう大規模化の事業よりはむしろそういうきめ細かい事業へ展開をしていくのではないかと思っております。また、老朽化した施設の更新に移行していくのではないかと思っております。
2番目として災害に強い農村や農業生産基盤の保全対策ということで、東日本大震災ではダムが決壊をしまして、8人の方が行方不明という痛ましい事故が発生をしております。それから、鳥取県でも23年に起こりました台風12号、大山周辺に集中豪雨があったのですけれども、そのときにため池が1カ所決壊をしました。ただ幸い、鳥取県の場合は下流に集落とかがなくて、ちょっと市道に泥がかぶったぐらいということで、被害としては比較的軽く済みましたけれども、やはり防災対策というのはこれから強化をしていかないといけないと思いますので、ため池等を中心に、防災事業を積極的に展開をしていきたいと思っております。
3番目としまして地域農林業対策ということで、やはり人口の減少や、それから高齢化等によりまして、なかなか営農活動が困難になってきている地域があります。そういう地域の営農を支えていくために、例えばボランティアの派遣をしたりとか、あるいは非農家の方も含めて、一緒にそういう営農活動をやっていくというようなことを支援をしていきたいと思っております。
4番目としましては小水力発電の推進ということで、今現在3カ所ほど整備をしておりますけれども、また適地があれば、どんどん小水力発電を推進をしていきたいと考えております。
ページをはぐっていただきますと、鳥取県の農業農村整備事業の移行状況ということで、今回の補正から、いろいろ事業が新しい事業に統合されております。継続事業も新しい事業の中に移行をしていくわけですけれども、何点かちょっとこの事業の中で御紹介をしたいのは、上から2番目の農業基盤整備促進事業というのが、これが総事業費が200万以上で、2戸以上の農家であれば実施できるということで、非常に地域のニーズを踏まえたきめ細やかな対応はできるのかなと思いますし、それから、この事業は定額支援ということで、例えば10アール当たり10万とか15万です、工種によって違いますけれどもそういう交付金が出ますので、あとは農家の方が自力で施工をしてもいいというようなことで、非常に地域のニーズといいますか、農家のニーズを踏まえた整備が可能となっております。
3番目の農業水利施設保全合理化事業でございますけれども、これは農業水利施設の更新等の事業なのですけれども、これまでは農業水利施設の更新といいますと、それ単独で整備をすると、単独だったのですけれども、この事業は水利施設の整備とあわせて農地の集積を図っていくと奨励金といいますか、農地集積の加算金が出まして地元負担の軽減につながるということで、非常に担い手の集積等を加速するために設けられた事業ということで、そのあたりを有効に使っていただくと非常に地元負担が安くてできるのではないかと思っています。
その下へおりまして、農村地域防災減災事業であります。これもこれまではいろいろため池整備とか河川応急とか分かれておりましたけれども、これをまとめまして、地域全体で一くくりで整備ができるという事業であります。これによりまして、これまでは例えばため池であればかんがい面積が2ヘクタール以下のものは県営でできなかったのですけれども、この事業を活用しますと、地域で何カ所かまとめて整備をすれば、トータルの合計面積が10ヘクタールを超えれば実施が可能ということで、非常に使いやすくなったのではないかと考えております。それからあと、ため池の単独撤去もこれまではできなかったのですけれども、ため池の撤去もこの事業ではできるようになっております。
あと、その下の震災対策農業水利施設整備事業でございます。これがことしの目玉といいますか、特に重点的にやる事業なのですけれども、ため池の点検と、それから耐震性の調査であります。県では一応200ヘクタール以上のかんがい面積を持つため池580カ所について一斉点検を実施していきたいと思っておりますし、それから、下流に人家等があって決壊をしたときに大きな被害が出るようなため池については耐震性調査を実施していきたいと考えております。
以上のことから、事業もかなり使いやすくなったと思いますので、このあたりを今後また地元の農家の皆さんにPRをしていきながら推進をしていきたいと考えております。
続きまして3ページですけれども、土地改良区の組織運営と監督についてでございます。
これは前回、常任委員会で、米川土地改良区に係る補助金返還等について説明をいたしましたけれども、その補足説明ということでさせていただきます。
まず、土地改良区とはどういったものかということですけれども、土地改良区というのは、土地改良法に基づいて組織をされておりまして、土地改良事業の実施、それから土地改良施設の維持管理を目的に活動をしておられます。その運営は、総会、あるいは組合員が200名以上の土地改良区にあっては総代制をとっておられるところもありますので、総代会に重要な権限を与えられておりまして、自主的に運営をする組織ということになっております。
土地改良区の組織運営と管理についてなのですけれども、県が認可をする部分と、それから県の認可が不必要な、要らない部分とがあります。土地改良区の設立とか、それから定款の変更等については、これは県の認可が必要となりますけれども、規約とか諸規程の策定や変更、それから予算や決算の承認等については、これは県の認可は要らないと、改良区が自主的に判断をして、総会等に諮って決定をすべきものとなっております。
監督権限なのですけれども、土地改良区の検査等については、これも法律で決まっておりまして、農林水産大臣または都道府県知事が法令、または定款、規約、維持管理規程等を遵守させるために必要があると認めたときには検査をすることができるとなっております。これまでは国と県、両方が監督権限があるのですけれども、国営事業を実施しております土地改良区については、国から文書で協議を受けまして、国で検査をやってきていただいております。ただ、今回こういう不祥事が発覚をしましたので、これからは県と国とが歩調を合わせて、国営の事業を実施している土地改良区についても検査、指導を行っていきたいと考えております。
今後の対応なのですけれども、これまで国が行ってきております国営事業の実施土地改良区についても、これからは国と県が歩調を合わせて検査、指導をしていくようにしたいと思っております。
残りの土地改良区については、やはりこれは県が今、会計経理を重点的に検査をしておりまして、ことしの9月末までには一応県内の全土地改良区、94ほどありますけれども、それについて検査を実施してしまいたいと思っております。
◎上村委員長
返還金の資料1はいいですか。
●俵農地・水保全課長
これは前回説明させてもらった資料でして、資料1が1月の常任委員会で説明をさせてもらった資料、それから、資料2が昨年の9月の常任委員会で説明をさせてもらった資料ですので、とりあえず説明は省略させてもらってと思います。
◎上村委員長
では、よろしいですね。
以上でございますが、ただいままでの説明につきまして、質疑、御意見がありましたらどうぞ。
○福間委員
一つは、これ全部今まで聞いた分でお聞きすればよいですね。
◎上村委員長
どちらでもよいです、全部でもよいです。
○福間委員
ちょっと僕はイロハのイの字からわからないので、鳥取県造林公社の役職員のリスト一覧がまず欲しいのです。例えば理事長さんがどなたのか、県がどの程度かかわっていけるのか。ここで、だから理事8名とそれから理事長さん、監事さんというか、このリストがちょっと教えてほしいのです。
◎上村委員長
すぐ出ますか。では、ちょっと待っていただいて。あとは、とりあえずそれが出てからですか。
○福間委員
いや、あとはもうちょっと。今は、質問か何かでしょ。委員会として一遍議論する。
◎上村委員長
全体について行います。
○福間委員
では、そのときでよいです。
◎上村委員長
では後ほどお願いします。
○森岡委員
済みません、造林公社の件で、貸借対照表を見まして、先ほどの説明で、大事なのは固定資産、これを完全に売って455億円ですか、借入金が309億円あって、これが売れて、あと正味財産の147億で通常の固定経費を出していくというやり方なのだけれども、455億が実際に今、本当にこれだけの価値があるというふうに踏んでおられるのか、それとも、さっきの説明のとおり、今までかかった経費を上積みしただけの話で全く宙に浮いたような数字なのか、そのあたりの認識についてはどのような認識を持っておられるのですか。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
森林経営勘定というのは今までの投資経費ということでございますので、ただ、造林公社もほかの林業公社もそうなのですが、標準伐期齢というものを設けております、杉が40年、ヒノキが45年ということでございます。先ほど平均林齢が28年ということで、非常にまだ若い木が多いということで、現時点で資産評価をしても当然455億まで行かないということがございます。ですので、そういうことを時価評価すればそういう標準伐期齢未満のものがほとんどであるということから、時価評価をしても他県の例でも数億円、10数億円ということでございます。
これがやっぱり林業の特殊性ということで、当面標準伐期齢までかなり間があるということで、林業公社の会計基準というものを全国の森林整備協議会で策定をされまして、昨年4月からこういう森林経営勘定という方式はそのまま移行しまして、ただ、現時点で標準伐期齢以上のものについてはどれだけ資産として価値があるのかということを注書きで書いて、これを見ていただくということにいたしております。当然現時点では、資産評価ということでいえば四百数十億ということには行かないわけでございますが、ただ、現在の状況は何であるのかということを注書きで表示をするという形で見ていただくということでございます。ですから、今現在400億の資産があるという認識は、県としても持ってはおりません。
○森岡委員
これは70年計画で、正味財産を70で割ると大体年間2億円なのですよ。2億円で経費を出していく。それから、補助金が140億ぐらいですか、見込んでおられますよね。これは路網整備で使用されるはずなのです。これを切り取るための整備費だからです。当然308億なり309億は絶対返さなければいけないので、県は455億円というものを絶対につくって売らなければいけないのです。だから、本当にそれだけの今の面積で、なおかつ28年が40年になったときに、今の価格でも計算をして、それが本当に455億円となり得るような山という評価ができるかどうかですよね。県民がそれを知りたいはずなのですよ。いや、それはもっとやります、500億です、600億と言うかもしれない。県がどういう経営判断をされているのか。基本的にはこれはただの今までの経費の積み上げだけなので、これからの経営はそうではなくて、本当に県がきちんとした山をつくって、売れたらこれだけになりますよと、それを責任持って言わなければだめですよ。それが本当の貸借対照になってくる。これは実際はこれでいいのですけれども、実際は例えば売れて損が出れば損金で上げなければいけないし、利益が出れば利益で上げるわけですから。だから、そこら辺の認識が農林水産部の中でしっかりとしておかないと、ただこれが積み上がっているからこれで、70年先は私はいないからやってしまえというわけにはならないのです、計画を認めるわけにはならないのです。そのあたりについて、嶋沢農林水産部次長ちょっと説明をお願いしたいのです。
●嶋沢農林水産部次長
現在、最終的に13億の黒ということで計算しております。これは当然キャッシュフローでやっておるわけでございまして、一応植えて80年後に切るということでございます。だから、今回も本当はみんな切って収益を分けるということで今、計画しておったのですけれども、そのうち更新伐ということで今回提案をしております。なぜ更新伐かというと、所有者にとっても、切った後、造林しなくていいというメリットがございます。造林に大体1ヘクタール60万ぐらいかかりますので、まずそれが要らない。それと県にとっても、今の国の補助制度があるので、それが有効に使えるということで、80年までに間伐を4~5回繰り返し、最後に更新伐、または一部は皆伐して収益を分けるということで、そうしていけばトータル的に13億の黒字が出るということで今踏んでおるところでございます。
木材価格も今の現状の、例えば杉であれば9,000円ぐらいで見込んでおりますので、そんなに外れた金額ではないのではないかと思っております。
○森岡委員
それについて、異論はないのですか。
●嶋沢農林水産部次長
はい、そうです。
○内田(隆)副委員長
先ほど来、会計基準について話をされておりますけれども、これは会計の基準のマジックみたいな話で、同じ利益を持った、同じ悩みを抱えた人たちが集まってつくった会計基準ですよね。だから、それはそこの簿価と時価の差にきちんと配慮するような会計基準になっています。何が言いたいかというと、国の方針と基準が変わってくれば、この数字のマジックが使えなくなるというのが明白だということです。なぜかというとほかの、例えば何でもいいのですけれども、別な分野では、公益法人の公営企業会計を入れなさいという改革のときに、例えば流通業務団地みたいな工業団地であるとかというのが、会計基準が変わったがためにたった5年間くらいの移行期間で一気にこれを全く違う、いわゆる簿価ではなくて時価で評価しなさいということによって、かなり短期間に財政負担をしてくださいというような仕組みに変更しなくてはいけないということが往々にして起きています。それがある可能性があるということを頭に入れながら、これは債権化計画を立てていかないといけないというのが前提なのです。
ただし、ここで私が何を言いたいかというと、それはある種、移行期間に負債を圧縮できるチャンスをもらったという考え方もできると思うのです。だからこそ、分収間伐によって負債を圧縮して、会計基準が標準という言い方をあえてしますけれども、時価評価に変わったときに損をいかにこれから圧縮できるかというのが債権化計画の肝になるはずなのです。それを考えたときに、私1点ちょっと指摘をしたいのですけれども、ここに、10年間計画で公庫借入金と県借入金があります。何で公庫借入金を31年まで借りて、県借入金を途中それよりも29年で終わってしまうかと不思議でかなわないのです。なぜかといったら、県は一応利子を取っていませんよね、公庫は必ず利息がつくのです。何で利息をつく分を先延ばしにして借りて、これ普通だったら逆に考えないといけないと思うのですけれども、これは純粋な疑問なので、わかるように明確に教えていただきたいというのがまず質問の1点です。
それと、これ10年の第1期の見通しを見ていると、10年間で間伐面積が10倍になっています。直接事業費はふえているのだけれども、管理費は全くふえていないです。この辺は事務量が10倍以上になると思うのですけれども、その辺の配慮が何か数字のマジックなのか、それでもちゃんといけるのかというところが見えてこないので、この辺の基本的な考え方を教えていただければと思うのです。2点お願いします。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
林業公社会計基準につきましては、全国の林業公社が集まって公認会計士さんにも入っていただきまして、こういう森林経営勘定ということで、一定注意書きで収入伐期齢以上のものについて評価をするという形をとっております。
今回、公益法人の財団法人に移行するということで、移行認定審議会にも出席いたしまして説明いたしましたけれども、新公益法人の会計基準にのっとりながら林業の特殊性を考慮して、一部時価評価については標準伐期齢をもって、主伐をもって固定資産から流動資産に振りかえて、その後に減損処理等をするという形に全国共通ということでとらせていただいたということでございます。こういったことにつきまして、審議会でも公益性とかこういう林業会計基準のお話がありましたけれども、公益性があるということとあわせて林業公社会計基準についての説明をして御理解いただいたということがございます。
公庫を借りずに県の貸付金ということでございますけれども、造林公社につきましては無利子と有利子のあわせ貸しということをいたしておりまして、今、無利子が6割、有利子が4割ということでございます。有利子のほうも長期プライムレートが下がってきておりまして、今回、有利子として借りるものについても1.1%ということでございまして、全体でいきますと非常に低利で借りることができるということと、それから、公庫利息につきましては、また特別交付税のほうで県が補助すればそれを見ていただけるといったようなことがあって、ほとんど県の貸付と変わらないような条件で借りれるということがございまして、公庫からお借りするということで計画を立てさせていただいているということでございます。
管理費につきましては、間伐の面積が10倍になることに対して管理費、人件費がふえていないではないかということでございますけれども、今回プロパー3名を採用をさせていただきまして、当然事業量がふえてまいりますけれども、ある程度まとまった、先ほども発注件数を167件がことしは120件と減らしてきているということもございます。ロットを大きくしまして発注するということで、今いる職員の中で発注をしていくということで極力管理費を抑えるということにいたしております。ですので、面積が10倍になったから10倍の人員が要るということではなくて、極力発注方法とかアウトソーシング、いろいろ、例えば森林組合さんにお願いしてアウトソーシングなどを取り組んでいただくというようなことを工夫しながら、管理費は極力抑えていくという考えでいるところでございます。
○内田(隆)副委員長
済みません。2点について、前半部分の公庫に対する利息部分に関する特別交付税措置というのは、ずっと説明で書いてありましたよね。その部分にしてもそうなのですよ。なぜかというと、これも国の交付税制度、交付税措置が変われば、特別交付税措置がなくなってしまったら結局負債がふえていくわけです。だから、私はそれをなぜ確認をさせていただいたかというと、そこで弾力的に運用を変えていかないといけないと思うのです。例えば特交措置がなくなった段階でごめんなさいと県民にお願いして、県に借りたほうが負担が減るのですということをお願いして、思い切って借りかえていかなくてはいけないと思うのです。今の段階では特別交付税措置がある、だから県のお金を借りるよりも県民に優しいよね。でも、そうではなくて、特別交付税措置がなくなってしまったからお願いですから貸してくださいというのは、計画を四角四面に守るのではなくて、案件によって変えていかなくてはならないといういい例だと思いますし、先ほど言われた会計基準も、確かに林業の中で集まって話をして、みんなが同じ問題を抱えているからそれは国も目をつぶりますよ。ただ、今回、存続のほうが議論的には多いからといって10年後、15年後とかにどんどんやめていくほうがふえていった場合、今度は会計基準がまるで別、やめさせるほうに走りますから、そのことを踏まえて、できるだけ今の段階で負の遺産というのを減らすことを考えないといけないと思うのです。
だから、後半に話させていただいた管理費が伸びていないのではないかという話は、私はこういうことだと思うのです。例えば県の公社だけではなくて民間の組合さんにアウトソーシングをしていって、いかにお願いをして県の負担を減らしながら周りに助けていただきながら収入をふやしていくかということを考えなくてはいけないので、もちろん御理解されていてそうされると思うのですけれども、そのためには民間の組合を大切にして育っていただくてはならないですし、当たり前の話ですけれども林業の担い手というのを育てていかなくてはいけません。この辺に対する思いというのを一言聞かせていただいて、これでやらせてくださいというメッセージをいただければと思うのですが、いかがでしょうか。
●嶋沢農林水産部次長
さきほど、岩成森林・林業総室林政企画室長が説明した公庫資金につきましては有利になっておるということで、今後、状況によってはまた見直しは出てくると思います。とりあえず今の補助制度の前提ということで、今これはやっています。それで、これは1年ごとに当然進捗も管理していきます。それで、状況によっては5年後にはもう一回大きく見直さないといけない場合も出てくるかもしれません。それは今言われたように絶対これでいくということではなくて、また見直しはかけて、有利なほうに持っていくということだと思っております。
それと、間伐でございます。おっしゃるとおりだと思います。これは10倍に、1,000ヘクタールふえてきますので、当然森林組合、それから民間の事業体の育成というのを図っていかないといけないということでございます。幸いに今、森林組合にも若い人が入ってきております。それと、林業の高性能機械というのもどんどん入れております。そういうことで今、本格的な収入間伐に向けて体制を整えております。また、建設業の方もやっぱり林業にも入ってきておられますので、県として、そういうことを並行して進めていきたいと思っております。
それで、さっきありました外部委託というのは当然出てきます。これも森林組合中心になるかと思いますけれども、そういうものも並行して進めていきたいと考えております。
◎上村委員長
よろしいですか。
○福間委員
2~3点ちょっと質問させてください。
1つは、今おっしゃったお話もひっくるめて、ちょっと幾つか矛盾を僕は感じてしまうのです。例えば、何となくおかしいと思うのは、検討委員会の指摘を受けて経営の方針を立てられて、具体的な取り組みもひっくるめて今回、最終プランとしてこれを出された。これの骨子は、検討委員会からの提言というのを基本にしながら、公社存続で抜本的な経営改善という2本の柱なのですよね。それに基づいて策定された改革プランは、計画期間が25年度から96年度、基本に置かれるのでしょう。そうすると、今、内田副委員長に対しての答弁でおっしゃった国の財政支援システムが変わってきたりなんかすると見直しするということは、前提条件として明らかにうたい上げておかれないといけないのではないですか。これの総合プランの基本プランに、例えば国なり、国の森林への財政措置が現在あるということを基本でこれ96年度までのものを立てておられるのに、その方針が変更になった、例えば今回のように政権が変わってきてみたり、いろいろな事情をひっくるめて、国の施策の変更に伴って財政措置が変われば、当然このプランは変わるということを前提条件に入れておかれないと、今までのお話だと、とにかくこれでいくというぐらいに私や県民の皆さんはとられるのではないでしょうか。だから、前提条件を幾つかは上げておかれないと、矛盾点が出てくるのではないかなと、これが1点です。
なおかつ、骨子の裏側、第4章、毎年点検、評価した上で県に報告をされますと。2番目で5カ年計画を作成をして、当該計画を着実に実施をしていきます。基本は96年度までの長期のプランですよと、この中で大枠を組んでおられる。にもかかわらず、5年に1回ごと見直しするということが、これと違った状況になってしまったら、これそのものを否定することになりはしませんか。あるいは、1年ごとに県民に報告をしますということを言っておられますけれども、県民に報告をされて、例えば今回の常任委員会でいろいろな意見が出てくるように、5年後の常任委員会の中でおかしいのではないかみたいな話になったときに、例えば部分的に見直しをされるのか、根本的な見直しということになっていくのかというところはどうされるのですかと。ここであるように、毎年点検、評価。評価してマイナス部分が出てきたら、これと違う方向だったものでも見直しされたら直されるのかなみたいな、ちょっと重箱の隅つつくような捉まえ方で申しわけないですけれども、常に見直しをチェックしたいという思いはわかるのですが、ここで定められた大筋を逸脱するようなことが出てきたときにはどうされるのですかというのが非常に今、疑問なのですよ。四分六の分収林が、嫌になったからもう一遍二八いきましょうかみたいなことが5年、10年先に例えばくるのか。四分六を五分でもいいではないかみたいな話になっていくのかというのは、先行きが見えないですよね。例えば四六なら四六で絶対これは、このまま微動だにもさせませんよという強い決意か何かで持っていかれないといけないのではないのか。僕は四分六がいいかどうかはよくわかりませんが、当初の契約の内容ですから、やっぱりそこら辺をひっくるめて幾つかの疑問点みたいなものが出はしないのかなということです。
次が、組織体制の改革の中で、今、内田副委員長からも話がありましたけれども、管理費をわざわざ総額の中で、平成18年点検時の枠内に抑制みたいなことで組織体制改革という言葉を使っておられる。将来的にどういう格好になっていくのかわからないのに、管理費だけは経営改善だということでぐっと18年度で抑えてしまって、抑えるということを明言してしまって、それならばどんどんどんどん売れ出して、莫大な収入がどんどんどんどん入ってきて、借金は前倒しでも返せるよとなったときに、管理費はやっぱり18年度点検時の枠内に抑制してしまうのですかと。そんな違うことしてもいけないのではないかというような気はします。
結局、何か経営のしわ寄せということを組織体制で従業員の皆さんにも、おまえたちも我慢してくれよと、10から15%カットしたのだからというのは、それは協力はしないといけないと思うが、何となく額に汗して働いたって何だ意味がないのかみたいなことに私はとってしまいがちなので、そのあたりは内田副委員長からも指摘があったように、雇用対策ということで、弾力的に仕事を、やっぱり雇用確保ということで片方で大上段に振りかぶっておられるわけですから。それはあんまり枠内に抑えないといけないみたいな論というのは、ちょっとなじまないのではないかという気が私はします。
7ページの3番、販路及び木材需要の拡大。これはどこかにもあったな。10ページですか、県内大規模合板工場と原木の安定供給に関する協定。これ、本当に売れるのですかと。96年まで間違いなしに買ってやると言ってくれているのかということが問いたいのです。いやいや、ただで買えませんということになってくるのか、任せなさいと、外材は一切やめますよと、全部造林公社のものを買いますからと、例えば96年度までは無理としても向こう30年間は買いますよというような協定なのかどうなのか、これがここら辺が確定しなければ、立てておられる収入の目安というのは立たないのではないですか。
それと、僕はちょっとここら辺がよくわからないのだけれども、鳥取県内の木材を、生木を売るというのは造林公社だけかな。ほかもあるわけでしょう。誰かほかの人も売られるわけでしょう。造林公社に加わっておられない、僕は山を持っていないけれども……(「個人の方も」と呼ぶ者あり)個人の方が造林公社より俺は安く出すから買ってください。価格競争みたいなものが生じてきはしないかということも出はしないでしょうかなみたいな気がするのです。そういう中で、ここにあるように安定供給に関する協定というのが、民間ベースでそんなものを締結できるのかみたいな気がしないでもない。しかも、価格というのは常に動くのでしょう。価格協定してしまって、もっと木材がいい値で売れるようになったときに、今度は何しているのかという話になりはしないかという矛盾が感じるのです。
だから、価格というのは生き物であるのに、それが協定によって単価契約みたいなことをしようかと思えばできないこともないでしょうけれども、造林公社に対してそこまで県内大規模合板工場が協力的に買ってもらえるという見込みというのを持っていらっしゃるのでしょうかということについて聞いてみたいのです。以上とりあえずお尋ねしたい。
◎上村委員長
どなたが答えていただけますか。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
平成96年までの計画ということで、途中で社会情勢でありますとか国の補助、支援制度が変わった場合はどうなのかということにつきましては、長期プランの16ページに経営改善の進捗管理ということで書いてございます。毎年検証いたします。さらに、おおむね5年ごとに改善の進捗状況と社会情勢の変化等ということで、当然国のほうでは木材自給率を50%に上げるという目標がございますので、県産材、国産材の需要を拡大していくという方針はございますので、収入間伐をして自給率を高めるという目標がある以上は当面変わらないと理解しております。
ただ、その他の社会情勢、国際情勢含めて変化が出てくれば、当然その時点でどうするのかということは出てくると思います。ただ、現時点で長期プランを策定して、今の条件で長期プランを立てておりますので、これにつきましてはこのプランに基づいて取り組んでいきます。さらに、今回重要と考えておりますのは、第1期、10年間でとにかく経営改善に取り組んでいくと、収入間伐をして県にも返していくということを取り組みたいということで、平成96年は確かにどなたも生きておりませんので、10年間の取り組みを積極的にやっていきたいと思います。ただ、10年は長いので、5年目でそのときの状況を踏まえて、見直しは必要となってくれば必要なものをやっていくということでございます。
14年、18年につきましても見直しやっておりますので、当然、例えば10年、20年は見直ししないということではございませんので、社会情勢が変われば当然出てくるということはございます。ただ、現時点でのプランということでございますので、現時点で試算して、さらに10年間で頑張っていくという趣旨でございます。
組織体制につきましては、平成18年の管理費、人件費の中でおさめていくというのは、今回プロパー3名を認めていただいたのは、管理費の中でおさまるということで、管理費に影響がないのでプロパー3名を認めていただいたわけでございますが、アウトソーシングでありますとか、3名が頑張って、全体11名が頑張って、アウトソーシングを活用しながら経費を抑えていくと。やっぱりこれは森林所有者に対しての説明もありますが、一般県民に対してもこれだけの負債を抱えた造林公社が県民に対して管理費はどんどん仕事をふやすから人もふやせということにはならないと思いますので、造林公社は非常に大変ではあるとは思いますが、プロパーが育っていってこなしていくと、森林組合などの協力も得て、アウトソーシングしながら管理費は抑えていくと。ただ、どうしても今の人員では対応できないということがあったときはその時点で見直しをするということで、当面は管理費を抑えながら今の現員で頑張っていくということでございます。
●清水森林・林業総室長
済みません、合板につきまして、昨年の春でございますが、合板工場にとっていただくようお願いをしてきました。安定して供給できればとっていただけるという話をしております。今現在、合板工場に送っているのは、大体4万立方ぐらい送られておりまして、それがまだ10%ぐらいでございます。そういう意味でいきますと、まだまだ量的には余裕がございますので、96年まで、ではどうかという話になると、まだ先のことでございますので確約できる状況ではございませんが、当面は安定して供給をすればとっていただくような話はしてきております。
○錦織委員
2点あります。分収割合の変更ということで、割合の変更というのはもとに戻すということになったのですけれども、契約期間の延長ということは、今の時点では34%が実施率で、今後国に制度改正を求めていくということなのですけれども、これもやっぱり80年に皆さんが契約を変えてもらわなければ、この経営計画全体はうまくいかないわけですよね。それで、今の時点ではやっぱり契約変更ができたことを前提としているのですよね。ちょっとそれも、34%が例えば10年間でどのくらいまでいけるのか。何か進捗も低位であると書いてありますので、そのあたりについて、今の状況をどのように見ておられるかということが1点と、それから第1期中のこの表を見ますと、管理費もちょっとしか上がっていないのです。例えばこれから外注をやると、一部外部委託をやるということなのですけれども、外部委託費は直接事業費の中に入るのか。どこに入るのかと思うのです。そのことと、例えば25年度に比べて平成26年度は一遍落ちているのですよね。これはなぜなのかということを教えてください。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
契約の変更につきましては、期間延長については現在34%進んでおります。第1期のプランの7ページに、10年間の期間の延長についての目標を掲げております。23年度末で33.6、34%の進捗ということでございます。第1期の7ページ、こちらに10年後の達成目標を82%ということで書いてございます。契約の変更につきましては、割合の変更とあわせて期間の延長を地元に出向いて説明する中で、期間の延長はわかったと、割合の変更はなかなかどうかなということがございますので、期間の延長は御理解いただいておりますので、この10年間の目標82%は公社が頑張って達成できるかと思っております。
ただ一方で、相続の関係でありますとか、非常に判こがとれないということがございます。先ほども国に要望いたしました共有林のうちの半数の同意で契約の変更、登記ができるようにということで、これは法律事項になります。分収林特別措置法というのがございまして、この法律を改正いたしまして、そういうことができるようにということを各県の森林県連合でお願いをしているということでございます。
事業費等が25年に比べて26年が減っているということにつきましては、まず来年度、集中的に路網整備、作業道を入れるということで、国の補助で2万5,000円の林業専用道というのがございますが、林業専用道を来年4路線ほど入れたりするようにしております。まず幹となる道を整備をしまして、その後、枝を入れていくということで、まずそれに来年かかって、そういう意味で前倒しということで事業費等は25年に集中させるということで、26年も事業費としては少ない額ではないのですが、まず25年度、1年目ということになりますので、そこでそういう基盤整備をしていこうということでございます。
○錦織委員
当然、外部委託は事業費の中に直接に入っているのですね。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
はい、発注いたしますので入っております。
◎上村委員長
よろしいですか。
○福間委員
私もよくわからないまままた聞くのですが、ここの13ページ、森林の公益的機能の発揮を通じた県民への貢献についてです。造林公社の設立の趣旨がここも一つはあるのですよね。そうすると、売れないからずっと借金借金して、木材事情が悪くなったから結局基本的には鳥取県が全部肩がわりする格好で、結局300億円近くの借金をせざるを得ませんよということなのでしょう。何とか国の機関からも借りていますけれども、基本的には県が肩がわりしたような格好になっているわけでしょう。その中には、公益機能の発揮を通じた県民への貢献度合いというのはどれぐらいありますねという評価みたいなものは、検討委員会あたりでは議論されていないのでしょうか。結局、そのことは金額的には僕は推しはかることはできないかもしれないが、極めて大きな位置づけが必要なような気がするのです。ただ単に事業ベースだけで借金がいくらある、どうするのだといった議論は否定しません。しかし、公益機能ということの位置づけというのはやっぱり抑えておかないといけないのではないのかという気もする。それは特に検討委員会で議論されたのかどうなのかというのが知りたいし、農林水産部の思いを教えてくれませんか。
●嶋沢農林水産部次長
公益的機能の関係ですが、今、全国で大体70兆円という公益的機能があると言われています。それを鳥取県で試算してみますと、これが8,200億ぐらいになります。そして、ならば公社はということになると、ちょっと面積案分でございますが、年間で460億ぐらいの評価になります。だから、県全体で8,200億ですから、県予算の2倍からあるということでございます。いっとき、前に環境会計というのでこういうのも入れたらというのはあったのですけれども、こうして景気が悪くなるとやっぱりそういうことがなかなか出なくなるということでございまして、これについても検討委員会にも出しております。
もう1つ、済みません。今回も既に公社を解散させておる県があるのですけれども、やはり公益的機能があるから県営林化しておるのです。県の管理に今度は持っていっておるということを今ほとんどのところがやられています。それで、県もそれでもって、ならば県職員ふやすかということになりませんので、新たな法人、その受け皿となる法人、県がそこに業務委託して、そこがまた森林組合等に事業を発注していくというスタイルを大体とられております。
○福間委員
今のところ309億円ですか。そうすると、今まで見てくると、毎年いくらかの赤字になるというのが出てきますよね。その中から、例えば公益的機能の部分を、端的にいけば、わかりやすく言うと、大体今まで見ると1年間で50億円赤が出ます。そのうちで、少なくとも例えば3分の1ぐらいは公的機能の役割を果たしているという理解をしてもらって、例えば赤字部分から県がそれはかぶってしまうと、税で埋めてしまうみたいな発想というのは、この中にはなかったのですか。これはちょっと今、僕は思いつきだからあれだけれども。大胆にそれぐらいの発想を持っていかないと、事業ペースでの議論になっているわけでしょう。公的機能というのは抜きにしている話なわけでしょう。公的機能というのをどういう見方をしておられるのかというのは、そこで今度は民間をどうするかという議論になるかもしれないが、それはそれでちょっとまた別の話にして、今まで税で持ってという、それがいいかどうかはわからないが、そういう発想を農林水産部としては持たれなかったのですか。
●嶋沢農林水産部次長
こちらとしては、やっぱりこういう効果があるよというのは県民のほうにPRはしていかなければいけないと思っておるのですけれども、やはり公社として経営を改善していかないといけないということで、どうしても経済的なもの、本当にキャッシュフローということで今考えておるところでございます。
それで、先ほど言いました公社の評価、年間463億という公益的機能があるわけですけれども、それをならばこれに入れるかということになると、ちょっとそれはまた、大きなプラスとしてそれは置いておきたいということで、今は経費比較ということでやっておるということでございます。
○福間委員
これで終わりにしますけれども、公益的な機能というのを例えば全国的にも大胆に組み込まれて、どこの県も抱えておられる財政処理問題について、やっぱり取り組んでいかれないと、5年や10年の対応で済む話ではないわけでしょう。北島三郎の歌、僕は大好きだけれども、木は育つというけれども、5年や10年で育たない。100年、200年の話になってくるのだ。そうすると、それにかかわる財政問題で、公的機能ということからいけば、事業ベースを僕は否定しろということとは違います。その中に公益機能を、役割をやっぱりきちっと見てもらうという主張というのは僕は必要ではないかなというような気はしますが。ちょっとそれは我々のサイドで検討しないといけないことでしょう。
◎上村委員長
答弁はよろしいですか。
○内田(隆)副委員長
先ほどの福間委員の質問に対する答弁で、16ページを引用されて5年ごとに見直す、状況が変われば見直すというところ、ちょっとひっかかっているのです。勘ぐったわけでもないですし、ちょっとひっかかったところがあるので確認させてください。これはあくまでも、例えば交付税なんかが変わったりすると、すぐ影響が出るものですよね。だから、5年単位で見直していただいても、はっきり言って借りかえも含めてマイナスが走るわけですから、この計画自体の前提が崩れてくるわけですよ。だから、それは状況に応じて基本はこれで5年ごとに見直しますよというのはわかるのだけれども、私はもうちょっと見込んで、それが変わったらきちんとすぐ対応しますという話が欲しいです。
これが1点と、もう1個は間伐面積です。例えば別な言い方ですると、繰越明許というのが正しいかどうかはわからないですけれども、繰越明許的に今回は達成できませんでしたというと、速度も落ちますし負担もふえますよね。だから、10倍というのが果たして実現可能な数字であるのかというのが、10年後の、非常に鍵になってくるわけですよ。これ、本当に3年、4年で4倍とかになりますから、だからこれはこなせるのだぞと、繰越明許的な先延ばしもせずにきちんとこの数字はこなしていくというのがあくまでも前提であるという答弁が欲しいです。お願いします。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
特別交付税等、状況が変わればということで、5年目に見直しでは遅いのではないかという御指摘でございますが、毎年実施状況は検証いたしまして、その中で国で、例えば特交が廃止になるということになれば、当然それに対する対応もさせていただくということになろうかと思います。
国に確認しておりますが、今、概算要求中でございますけれども、来年も特別交付税は見ていただけるということでしておりますので、そういった情報を早くつかみまして、それについては対応していきたいと思っております。
●清水森林・林業総室長
間伐のことについて御説明させてもらいます。
今、県内で年間大体4,300ヘクタールぐらい実施しております。そういう中の1,000ヘクタールでございますので、量的にはこなせると考えております。
先ほどの岩成森林・林業総室林政企画室長の話でございますが、16ページにも必要に応じて見直すということも記載してございますので、必要という意味ではそういう部分についても必要であると考えております。
○福間委員
公益的部分を、僕は何でそれにこだわるかというと、新公益法人に移行するのでしょう。財政処理がより厳しくなりますよね。そうすると、309億円というのがずっとそのまま走っておれば、新公益法人の財政処理の扱いというのがかなり僕はきつくなりはしないかという気がします。だから、公益的な役割ということを評価をどこかでするような問題提起というのは必要ではないだろうか。それがどの程度がいいのかどうか、これが1つです。
もう1つは、さっきも言いましたけれども、合板会社と協約をしてはみたいな話が、鳥取県の民有地の12%しか造林公社は持っていないのでしょう。そういう意味からすると、88%はまだほかに売れる要素を持っていらっしゃるわけでしょう。それともう1つ、前も僕は言ったと思うけれども、法律ができておって、国産材を使いなさいといった法律も一方ではありますね。鳥取県で総力を挙げて鳥取県産材を使おうというような取り組みというのが、率直に申し上げて根本的に欠落しておると思うのです。そういう意味では、これだけの負債を抱えておって、例えば公益部分を3分の1外してみたって、200億ぐらいの負債を抱えておる企業が買いに来れば売ってあげるみたいな態度で乗り切れるのかという気がする。本気で死に物狂いになってセールス活動されなければいけないのではないかという気もします。そこら辺が何となく、木を植えかえておられるだけのイメージになってしまっているのではないのかと。県民も造林公社のありようということを、造林公社が物すごい営業活動をやっているというようなことというのは、何となくまだぴんときていないような気がします。皆さんの活動というのが僕はわかっていないような気がします。そういう意味で、セールス活動をどの程度、傍線引っ張っておられるから、これはしっかりそれでは売ることに力入れられるのかなと思って見ているのですけれども、少なくとも行政主導で鳥取県内のこれからの公共事業は、今度強靱化法ができてどうのこうのという話になると、全部鳥取県産で使えますと、可能な限り、今までできなかった分でも全部使うみたいなスタンスをなぜ出さないのというのが僕は言いたいのだ。これは教育委員会がやっていることですから、頼んでいるけれどもなかなかうまくいきません。違うと。そんなことをしていたって200億、300億の負債抱えたらどうやって造林公社改築できるのだという気がする。と思いますが、どうでしょうか。
●嶋沢農林水産部次長
公益的機能の評価につきましては、これも全国の連絡会がございますので、そちらでまた提案して、また国にもそういう評価を何か入れられるようなことを考えてほしいということで、具体的に提起していきたいと思います。
合板でございますが、今、日新が、年間大体40万立米ぐらい使っております。大体国産材が3割から4割ぐらいです。あとが外材ということでございます。でも、今、国産材の使用もどんどん日新もふえてきております。多分ゆくゆくは、今、全国平均で合板のつくるうちの65%が国産材でしていますので、まだ余力は多分あるだろうと思っております。合板については、日新にもそういう材を受けていただくようにということを、今も続けていますけれども、今後も一層その要請を続けていきたいと思っております。
それと、今、木質バイオがございます。当然、公社造林からも資材が出ていきます。県内に例えば2つできれば、20万立米必要になります。そういうことも需要のプラスにはなるのではないかと思っております。
それと、県内の公共施設でございます。木造をということでございますが、農林水産部も、また言われるかもしれませんけれども、2階建てまでは今、木造でできますので、そういうことを庁内にももっと協力的にやっていきたいと思います。今はそうしますということをちょっと言えないのですけれども、それは頑張っていくということで、済みません、よろしくお願いします。
○福間委員
もう1回。私が言うのは、2階までだったら、例えば設計図が4階建てでしたと、だからこれは使えないのだということを行政サイドで言わないように設計段階から、これだけの土地で4階にするなら倍の土地を確保して2階にしろという働きかけぐらいしなければ、僕は木材の需要というのはふえないのだろうと思う。民間はそこまでなかなかできないのだから、行政がその指導役をすべきだと思う。ある時期までは行政がその指導をして、この詰まった話というのをどこかであけるというのを鳥取県が先駆けるぐらいの話をされないと、ちょっと目があかないのではないかなという気がするのだ。僕はそれぐらいされることが一つの、さっき申し上げた公益的な役割の問題提起の裏腹な県民に理解を得ることではないかという気はします。
●清水森林・林業総室長
先ほどの件でございますけれども、事前にはそういう調整はさせていただいているところでございます。まだそれが強く出ていないという御意見なのかもわかりませんが、教育委員会ともそういう部分で、できるだけ木造にできないかというような検討はさせていただいております。
これまで木造する場合に、大体1.3倍までというのがございました。その1.3倍までは、今まででは、例えば木造であれば耐用年数が25年だったのですけれども、今、営繕課と話をしまして、木造の耐用年数を50年まで上げていただいて、そこまでで割っても大体1.3倍におさまるような形の見直しを今していたところでございます。
○内田(博)委員
今いろいろと皆さんの意見をお聞きしました。実は私は逆に、皆さんから御意見を聞いて東京へ持っていかなければならないものですから、いろいろ意見を聞かせていただきました。
今問題になっておりました、特に福間委員からありました問題、それから内田副委員長からありました問題、要するにこの事業自体が国が主導で半分以上は失業対策事業でやった事業です。だから、最終的にはやはり国が面倒見てもらわないといけない事業ではないかということで、全国林活議連の役員会でも、総会でもそんな話が出ています。今は特別交付税だけで勝負しているのですけれども、実質は今我々が持っている300億の負債に対して、一気にというわけにはいかないでしょうが、国から何年間にわたって債務の減債という形で何かの形でやってもらわないともちませんよというのが、今、林活議連の中の話なのです。
もう1つは、さっきありました公益的機能の部分も含めてそういう金を出してほしいというやり方を今、我々のほうは考えております。ですので、逆に言うと、こうやって皆さん方の御意見を林活議連にまとめて持っていって、全国的な動きをつくっていくという流れをつくりたいと私自身は思っておるところです。
それともう1つ聞いてみないといけないのですけれども、県有林は今どのぐらい持っておられますか。県有林の面積です。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
県有林が4,200ヘクタールで、県行造林が約3,000ヘクタールです。
○内田(博)委員
県行造林がが3,000ヘクタールで造林公社は1万5,000ヘクタールでしょう。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
造林公社は1万5,000ヘクタールです。
○内田(博)委員
県有林が4,000ヘクタール。
○安田委員
4,200ヘクタールです。
○内田(博)委員
4,200ヘクタール。県行造林が幾らですか。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
全体が4,573ヘクタールに対して、県行造林は3,040ヘクタールです。
○内田(博)委員
そういうことですか。全体がいくらですか。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
全体が4,500です。
○内田(博)委員
4,500、はい、わかりました。
○安田委員
それは全県の森林面積ですか。
○内田(博)委員
いや、県が持っているものです。
●岩成森林・林業総室林政企画室長
県が管理といいますか、県が経営している森林が4,500ヘクタールです。
●嶋沢農林水産部次長
だから、1つは県有林で、県が土地を持っておる山が1,500、それと、県行造林といいまして、県と所有者とでやっぱり分収しておる山でございますけれども、これが大体3,000ということです。
○安田委員
分収が3,000ですね。
●嶋沢農林水産部次長
分収です。分収が3,000。県の土地を持っておるのが1,500。4,500。公社が大体1万5,000と。
○内田(博)委員
だから、確かにきょうは公社だけの問題だけれども、県有林の問題から県行造林の問題、全部一緒に考えないと、なかなか難しい問題だよということを皆さんにも承知してもらっておかないといけません。
○安田委員
分収造林にならない個人所有の山林は幾らあるの。
●嶋沢農林水産部次長
県の森林面積が今が大体26万ヘクタールです、。(「全体で26万」と呼ぶ者あり)はい。そのう
○安田委員
全体で26万ヘクタールですね。
●嶋沢農林水産部次長
ええ、ヘクタールです。26万ヘクタールです。
○安田委員
そしたら全然圧倒的にまだ手がつかないものが多いのではないですか。
●嶋沢農林水産部次長
全面積の大体8割ぐらいが個人さんが持っておられる山です。1割が国有林。国有林というのが、久松山とか、それから智頭の奥のほうとか、大体1割ぐらい。それであと県とか市町村が持っておる山が1割。大体8・1・1という割合です。
○内田(博)委員
現実の問題として、私の町日南町だけで1年間の成長量が14万立米です。今、実を言うと日南町でも切っているのが10万切っていないのですよ。だから、今一つ、先、川下の問題があるのです。川下というのは、要するに売り口、合板工場に持っていっても、それだけ大きくなってきたらなかなか売れないと思うので、実はこの間も東京でやっているのは、東南アジアに輸出考えているのです。東南アジアの木を日本が大分切りましたので、逆に動かそうという話も今しつつあるのですが、問題はコストです。それで、WTOの問題がありますので、輸出補助金をつけるわけにはいかないので、バースまで出す移動料、今、県はやってもらっていますよね、それを国にやらせて、港につけてそこから送ったらどうだという話も、今は中央のほうでは実はやっております。だから、今、福間委員が言われるように、公益的機能をフルに発揮させるにはそういうことも考えながら皆さんと一緒になってやって、山を動かしていかないと雇用も起きないだろうという流れを今つくりつつあります。報告はしておきます。
○錦織委員
でも中国がすごくほしがっているのではないですか。
○内田(博)委員
安いからだめなのですよ。それから、中国に出せばホームセンターに、すぐ返ってくるのです。
●嶋沢農林水産部次長
それで、今は中国もロシアからどんどん入れておりまして、以前、日本もロシアから500万立米ぐらい入れておったのが今は30万立米ぐらいになっております。その分どこに行っておるかというと、やっぱり中国なんかに行っておるという格好だと思います。
○安田委員
木材は韓国は使わないの。
●嶋沢農林水産部次長
韓国は、木造というのはあんまりそういうのはないのですけれども、内装によく使われます。マンションなんかでも割合木の好きなところで、内装によく使ってはおられます。
○安田委員
それで、朝鮮半島は森林が余りないのですか。
●嶋沢農林水産部次長
森林はないです。それもほとんど松ですので、そんなに材となるような木はありません。
○安田委員
需要がないのですかね。米杉もそれで持っていったらどうでしょうか。
○内田(博)委員
それは製品にして持っていかないと、丸太で持っていってもしようがないです。コスト高になってしまいます。
◎上村委員長
それで、土地改良のほうはございませんか。
○内田(隆)副委員長
土地改良、これ、農林水産商工常任委員会提出資料2月8日の1ページから2ページなのですけれども、るる総論で、鳥取県の農業の生産基盤強化のために既存施設の老朽化を含めて改修をしていかなければならない、ため池についてもそうであると。次のページ、3ページにも、新しい補助制度ができたから使いやすいのであるような等々説明を受けました。僕もそう思うのですが、現状というのをちょっと教えていただきたいと思っていまして、なぜかというとこれ、今回の補正に関しても、それから新年度当初に説明を受けたのですが、東・中・西によってすごく格差があると思ったのです。土地改良組合が維持補修をしたり計画をつくったり、さまざまな計画の中に境港市とか米子市は非常に弱いのではないかと思っています。2月補正の関係は、設計に入っているものしかなかなか使いづらいというのもあったというのはわかるのですが、ただ一方で、各土地改良区からの要望をこうやって並べて見てみると、そんなに少ない量の要望量ではなかったような気がするのですが、この辺は何で整理ができていないのでしょうか。これは人員的な問題なのか、どういうことが問題、隘路となって東・中・西にかくも差があるのかということを教えていただけないでしょうか。
●俵農地・水保全課長
東・中・西、確かにアンバランスというのがあります。特に町村によって出ている要望が多いところと少ないところがかなりあります。やはり農業どころである例えば大山町とか、そういうところはかなり要望は出てきますし、それから、言われましたように米子市、境港市は少ない。まず、境港市は農地、農業地といいますか、そういう基盤整備の対象となる農地がもともと少ないということがあります。それから、米子市については一通り大きな圃場整備とか、そういう事業は完了しております。これから、先ほど言いましたきめ細やかな整備といいますか、ニーズが出てくると思いますけれども、今のところ県へ上がってきていないといいますか、例えば一つは、ここでいきますと農地・水保全管理支払事業があります。この中でも、例えば境とあわせて細かい水路の補修なんかはこういう農地・水保全管理支払交付金の中でできるようになっております。例えばそういう制度を活用して、地元でそういう細かい整備はやってしまわれたりといったことで、どうして少ないのかという理由についてまではよくわかりませんけれども、いろいろな制度がありますので、それらの制度を活用して対応しておられるのではないかと思います。
○内田(隆)副委員長
私、本当に疑問に思うのですけれども、ため池の整備とかは改良組合とか自治会からとかの要望で、かなり市要望としては上がっているのですよ。どこのレベルでとまっているのかというのが非常に不思議だと思うところがあります。だから、県に上がってきていないのであれば、どこかでとまっているのであろうと思います。西部震災の影響を含めて確実に壊れています。例えば斉木議員の近くの地域にはたくさんため池がありますけれども、あのあたりも含めて、非常に地域としては要望が強いところではあります。だから、そのあたりの需要把握というのは、やっぱりどうしたらいいものなのかなというふうにつらつら考えておったのですけれども、多分12月にまた大きな補正が来ますよね。25年の12月の補正ということを念頭に置いたときに、これから立ち上げておくべきことというのがたくさんあると思うのですよ。今回の24年度の補正で、そして当初で対応できなかったことが多分25年度の補正に関しては対応できるように、それこそきめ細やかに補修計画であるとかの策定費用とかも含めて、土地改良区さんにきちんと指導というか、需要ニーズ調査をしていただきたいと思うのが1点です。それと何かこれうがった見方で違うのかもしれないですけれども、今回、土地改良区に監査が入っていますよね。監査が入って調査事項がたくさんふえて、仕事量がそっちに向いてしまったのかなというふうに一方では思ってしまったりするのですけれども、そんなことはないのかもしれないのですけれども、きちんとニーズを把握されて、的確に対応していただきたいと思います。
●松ノ谷農地・水保全課農村整備室長
農村整備室の松ノ谷といいます。今の内田(隆)副委員長のお話に出てきた、ため池の修繕要望がなぜ上がってこない、地域によって差があるということなのですけれども、私の認識としましては、実は以前はため池等整備事業といいまして、単独でため池を整備するときに地元の方の負担が7%……。
◎上村委員長
済みません、ちょっと聞きにくいのですので、もう少し大きい声でお願いします。マイクのスイッチが入っていますか。
●松ノ谷農地・水保全課農村整備室長
以前はため池等整備事業、ため池の単独整備ということで実施しておりましたときに、地元の方の負担が、負担率が7%等で、ちょっと高額になると、確かに老朽化はしているのですけれども部分補修等で対応されていたことが多かったというふうに認識しております。例えば市町村にあっても単独の事業等があって、小まめに補修されて何とか使ってこられた。ところが最近、ちょっと事業名がこのたび補正から変わってきますけれども、聞きなれた事業として地域ため池等総合整備事業というのがありまして、これにあっては、中山間地域等にあっては地元負担が2%で実施できるということで、隘路であった地元負担の軽減が図れるということで、最近は地域ため池による整備の要望量はどんどん、段階的ですけれどもふえてきております。財政部局とも今後の5カ年計画等は整理しないといけないほどの要望がふえてきておりますので、内田(隆)副委員長がおっしゃっていますような何で出てこないのかということについては、これからは出てきやすくなってくるのではないかと考えております。
◎上村委員長
よろしいですか。
○錦織委員
済みません、去年だったかおととしだったか、ちょっと私も南部町の方から聞いたのですけれども、以前はため池を持っている戸数が多かったけれども、だんだん1戸やめ、2戸やめとなったそうです。例えば小さなため池だったりすると実際、2戸ぐらいしか使っていなくても、補修費用は同じほどかかるというのですごい大変だという話を聞いたのです。それで、今おっしゃった新しい制度というか補助事業というのは、いつからですか、2%というのは。
●松ノ谷農地・水保全課農村整備室長
地域ため池ができるのは21年……。
◎上村委員長
松ノ谷室長。
●松ノ谷農地・水保全課農村整備室長
済みません。地域ため池総合整備事業というのは、私の認識としては21年度からだったと認識しております。22年度から中部で第1号の地区が実施できたりしておりまして、それが今は徐々にふえております。
○錦織委員
私が聞いたのは21年度からということではなくて、それよりももうちょっと後だったと思うのですけれども、やっぱり地元負担というのが大変重くてできないということで、今、その当時は何かパトロール隊だとかいうのが県でもおられて、いろいろなところに回っていかれると聞いていましたけれども、そういう人たちからの調査結果と、それから地元から上がってくるのとは当然ちょっと違ってくると思うのですけれども、やっぱりそこら辺も見ながら事業というのは計画したりしていかないといけないと思うのですけれども、どうでしょうか。
●俵農地・水保全課長
県では20年度から5カ年計画で、一応ため池のパトロールをやっています。これは受益面積は500ヘクタール以上のため池を対象に5年でパトロールをやっていまして、主に漏水状況とか、それからあと管理の状況等について見て回って、それは県と、それから市と、それから地元の水利組合の方と3者が集まって合同でやっているのですけれども、その中でふぐあいがあればいろいろ相談に乗っています。
今までやはり受益者の少ない小さいため池になりますと、どうしても大きな工事しますと地元負担もふえるということで、これは補助事業になりませんけれども、単県事業で、しっかり守る農林基盤交付金というようなものがありまして、例えば部分的に悪いところを直していくような場合、国庫補助には乗れないのだけれども単県でそういう細々した整備ができるようにやっています。例えばそういう制度を活用して、全体ではないのだけれども本当に悪いところを部分的に直していかれたりとか、そういうことで対応しておられるのではないのかと思っております。
◎上村委員長
ほかにございませんでしょうか。
○森岡委員
米川土地改良区の1億円の使途不明金の話なのですが、私のところにある改良区の組合員の方から文書いただきまして、実は自分がこういう使途不明金があるということで賦課金の明細書の提示を要求されたそうです。そのときに事務の方がこういう、要は古い手書きの台帳をコピーをしていただいたということで、いや、こんなはずはないと、実際にはきちんとパソコンで打ったものがあるだろうと言ったら、こう言われたたそうです。パソコンで打った処理は記号で書いてあるので、あなたが見てもわからない表現をされたそうです。ただ、本人さんがもう一度強く言うと、こういうものが送ってきたそうです。これがパソコンなのか、これはワードで打っているような感じなのです。それと、その台帳と、それから送ってきたものと、それから固定資産台帳を全部チェックされたようです。そうすると、この中に相当な誤差というか差異というか、全く土地がないのに要求されたりとか、そういったことがつまびらかになりましたという御指摘をいただきました。
私が言いたいのは、この組合員さんがおっしゃるのは、1億円というお金がどこに行ったかわからないというようなことで、自分たちが出しているこういう賦課金も、はっきり言えばちょっといいかげんなところもあるのだということで、こういったものをきちんとはっきりとさせてほしい。県は補助金だけ返してもらったらはい終わりましたということでは、これは済まされないのではないかという御指摘でした。
前回の委員会のときにも安田委員がおっしゃったように、4,000万円の退職金、このことに関しても追及されたそうです。そうしたら、そのお金は本人には払っておりませんという返事がありましたと。ただ、県の報告ではそれを充当されましたねということを聞いていますと。要は、そういったことが我々に対する説明と新聞報道で出るような説明が全く食い違っているということから、当然一般会計の社会保険料のことも含めて、本人さんが言うのは、社会保険料なんていうのは社会保険事務所がきっちり計算するので、これに誤りがあるはずがないではないかというような御指摘もいただきました。そういったことも含めて、これは県は県民に対して中身をきちんと報告をすべきです。それから、特別会計と一般会計が分かれているので、これが組合員さんに出される会計報告書です。それを見ますと、要は収入支出しか書いていないのです。ですから、要は貸借対照表も全くついていませんし、そういった中でどういう形で不正流用があったのか、そういったことも全く地元としてもわかりませんということであったので、本来は土地改良区の方々が、事務の方々が説明するべきことですけれども、ここまで大きな問題になっていますので、私はしっかりと県もこういう組合員さんの御指摘に応える責任があるのではないかと思います。
4,000万の退職金なんかでも、退職金の支払いの給与規程はありますよね。それから、退職金支払い規程、こういった規程も、今は当然あるのでしょうけれども、当時のものの基準だとか、そういったものも我々の委員会に提出していただきたいと思います。委員長、よろしくお願いします。
◎上村委員長
その辺の事情を俵農地・水保全課長説明してください。
●俵農地・水保全課長
まず、組合員に対する説明ですけれども、これについては我々も、今度役員もかわられましたし、きちんと報告すべきではないのかということで、申し入れを改良区にしております。
あと、県から積極的にといいますか、きちんとすべきだという話がありましたけれども、……。
●田栗農林水産部次長
森岡委員の御質問でございます。まことに感覚的には非常に十分わかる点はございます。土地改良法上の規定で、農林水産大臣または都道府県知事が検査をするということで、協議に基づきまして農林水産大臣やっておりましたけれども、ある時点から、今回の事件に鑑みて、共同歩調とりながら報告を徴して検査をし、逐次、徐々には御説明してきているところでございます。
4,000万円のお話も、常識的な面からするといかがかなと思う面もございます。ただ、退職金の規程についての、こちらのほうからの監督権限とかそういった問題とか、あるいは理事長が年間72万円の報酬を受けながら、このたび3,000万円を超えるような負担もされるといったようなこともございます。いろいろな面から考えまして、それについて全体的な面からすると今回の処理については一定の面ではやむを得ぬというところもあるかもしれませんけれども、その全体像を、一度概略は御説明したように記憶しておりますけれども、国と県でのこのたびの報告検査の最終的なものについて、補助金検査のみだけではなく、国、農林水産大臣または都道府県知事の中の共同で行った部分について、土地改良区の個人情報とかそういった部分は無理かもしれませんけれども、報告をさせていただくということで考えております。よろしいでしょうか。
◎上村委員長
森岡委員よろしいですか。
きょうは報告はできませんね。できないということですね。きょう報告しますか。
●田栗農林水産部次長
1億1,000万の全体像について、以前にも若干のものは説明しておりますけれども、報告徴求受けた法的なものについてはまだ御説明をしておらないと思いますので、それについては……。
◎上村委員長
次回ということですか。分かりました。
それでは、ほかにはございませんか。
●嶋沢農林水産部次長
きょうはどうも本当に造林公社経営改革プラン、いろいろ御意見いただきまして、ありがとうございました。また、やはりこのポイントは、収入間伐をいかにしてやっていくことかということだと思っております。これも造林公社だけに任せずに、県もいろいろ一緒になってやっぱりやっていきたいと思います。
もう1つには更新伐でございますが、これは一応5割ということで見ておりますが、これをなるべく10割に近いようなことで持っていって、なるべく黒字を確保したいと思っておりますので、また皆さんのほうの御意見なり御指導なり、よろしくお願いいたします。きょうはどうもありがとうございました。
◎上村委員長
頑張ってください。
では、以上で農林水産商工常任委員会を終わります。
午後0時15分 閉会
|