会議の概要
午前10時02分 開会
◎上村委員長
それでは、おそろいでございますので、ただいまより農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付しております日程表のとおりでございますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
まず、会議録署名委員を指名いたします。本日の署名委員は、安田委員と砂場委員にお願いをいたします。
それでは、早速本日の議題に入ります。
なお、質疑につきましては、部局ごとの説明終了後にそれぞれ行っていただきたいと思います。
まず、議題1、鳥取県地域活性化総合特区の状況について、吉田商工労働部参事の説明を求めます。
●吉田商工労働部参事
それでは、地域活性化総合特区の状況についてを説明させていただきます。
県西部の総合特区につきましては、24年の7月の25日に地区指定を受けまして、3つのモデル事業の実施に向けて、国、市町村、企業と協議を進めてまいりました。5月の17日に、モデル事業の推進に必要な金融上の支援措置を受けるため、計画の認定申請を行っていましたけれども、6月の28日付で国の認定を受けました。それから、事業を推進するために、規制の特例措置の協議を行ってまいりましたけれども、その結果が示されましたので、概要を報告いたします。
まず、1番の認定計画の概要ですけれども、(1)番、その内容ですけれども、認定された計画では、国の金融支援措置を受ける際の対象となる事業、それから金融機関というのが認定されております。具体的な事業は、特区の具体的な事業でありますEVカーシェアリングの実施事業、それから災害時無停電サービスの実施事業、それから健康づくりサービス、これらをする際に融資が受けられると。それから、対象となる金融機関は、山陰合同銀行、それから鳥取銀行、それから政策投資銀行、それから米子信用金庫、この4つが対象となっております。今回、金融の支援措置ということで認定を受けておりますけれども、今後事業実施を進めていく上で、規制の特例措置であるとか、税制の特例措置であるとか、幾つか特例措置がありますけれども、その協議が調った時点でこの計画については随時変更をかけていくということになります。
この支援措置にあわせまして、特区の取り組みをさらに加速させようということで、単県の措置を6月補正で予算措置をしております。具体的には、国の支援措置というのが表の一番左になりますけれども、国の利子補給金というのが0.7%、期間が5年間ということになります。それから、これに合わせまして、表の真ん中になりますけれども、県の利子補助金というのを設けております。国と同等、補給率0.7%で5年間ということで予算措置をしております。さらに、制度融資も6月補正で設けておりまして、具体的には融資率が1.43%ということで、国の支援措置、それから県の支援措置を合わせますと、実質0.03%で事業が実施をできるというようなことになっております。
一番下に特区の概要をざっと書いております。具体的には、西部地域のいわゆる地域資源、それから住民ニーズを組み合わせて、新しい事業を創出していこうということで、特区の指定を受けております。具体的には、(1)番、事業でありますけれども、米子の中心市街地で実施するEVカーシェアリング事業、それから(2)番、江府町の下蚊屋の小水力発電を使って実施する、災害のときに停電のときにも最低限の電気を供給できるようなサービス、それから(3)番で、南部町の西伯病院でやっていますがんスクリーニング、アミノインデックス、それから健康情報を活用して、それらを集約して新しい健康づくりサービスを創出していこうという、その3つのモデル事業が特区の概要でございます。
続きまして、2ページになりますけれども、特区事業を推進するに当たって、規制の緩和、規制の特例措置が必要だということで、平成25年の春協議ということで、協議を行ってまいりました。その結論が示されましたので、簡単に報告をいたします。
先ほど言いました災害時集落無停電サービスにつきましては、今回想定しているサービス、具体的には災害時に無償で電力を供給する、そういうものが電力供給のときに電圧維持義務が課される電気事業者に該当するのかどうか、それから、もう一つは、中国電力の電線を使用して各家庭に電力を供給するときには、電力の自由化になっていない、いわゆる低圧託送ということになるのですけれども、その取り扱いが明確になっていないということで、その明確化を求めるもの、この2点を要望しております。結論は、冒頭の電圧維持義務に関しては、法律で電圧維持義務が課される電気事業者には該当しないということ、それから、低圧託送については、今、電気事業法の改正が行われていますけれども、来年の国会に向けてその取り扱いについては明確にしていくという結果が示されております。ただ、経済産業省からは、住民の例えば電化製品の安全性の確保であるとか、いろいろ課題、懸念というのは示されておりますので、現在、中国電力と協議をして具体的な実施方法について協議を進めているところであります。
健康づくりサービスにつきましては、特定保健指導の際、現在対面、電話、電子メールしか求められていない指導方法を、いわゆるSNSと言われるソーシャル・ネットワーキング・サービスのコミュニケーションを使って指導ができないかということ、それから、特定保健指導の際に、例えば具体的な商品であるとか、サービスであるとか、そういったものも推奨できないかという、この2点を要望をしております。結果、結論としましては、SNSを使った健康指導については、国から一定の評価といいますか、をいただいておりまして、国でも今年度、平成25年度を目途に検討するということを結果をいただいております。それから、商品の推奨につきましては、やはりかなりハードルが高くて、これは基本的にはできないという回答です。ただし、特定保健指導と、ここまでですよという、最後きちんと区切りをした上で、商品の推奨をすることは可能だということはいただいておりますので、具体的な実施方法について、今後厚生労働省のほうと具体的に話を進めていきたいと思っております。
中心市街地のe-モビリティ交通サービスにつきましては、平成24年、昨年の秋協議で具体的には乗り捨て型のカーシェアリング事業ということで、これの取り扱いの明確化を求めておりましたけれども、24年の秋協議で、これについては現行法令内で対応可能だということをいただいておりまして、具体的には事業実施者、関係者と協議を進めているところであります。
◎上村委員長
続きまして、議題2、株式会社ジャパンディスプレイの車載ディスプレイ製造拠点集約化に伴う調印式の開催について、池田立地戦略課長の説明を求めます。
●池田立地戦略課長
それでは、3ページをお願いいたします。このたび、株式会社ジャパンディスプレイが車載ディスプレーの製造拠点を鳥取工場に集約いたしまして、開発、製造のための設備を設置することに伴いまして、これを支援する鳥取県、鳥取市との間で協定書の調印式を行いましたので、報告いたします。
企業の概要につきましては、以下のとおりでございますが、名称は株式会社ジャパンディスプレイ、本社所在地は東京都の港区にございます。代表者は大塚周一社長、資本金は3億2,700万円余、従業員数につきましては、全体で6,200名程度おられまして、うち鳥取工場に約600名程度が従事しておられます。事業内容につきましては、基本的には中小型ディスプレーのデバイス及び関連製品の開発、設計、製造等を行っておりまして、鳥取工場では、そのうち車載部門やモバイル部門に係るフラットパネルディスプレーの研究、設計、開発、製造等を行っております。
このたびの投資計画の概要につきましては、このたび、車載ディスプレーの製造拠点、これは全国に実はジャパンディスプレイの製造拠点は6カ所ございますが、このうち石川県の石川工場、埼玉県の深谷工場、千葉県の茂原工場、これらの車載部門の集約するといったようなことでございます。投資の場所につきましては鳥取工場、立地場所は鳥取市の南吉方でございます。
失礼いたしました。先ほど資本金3億2,000万円と申し上げました。申しわけございません。3,275億円でございますので、訂正いたします。
事業内容につきましては、今後成長が見込まれる車載ディスプレーの競争力強化を目的に、車載ディスプレーの製造拠点を鳥取工場に集約いたしまして、開発、製造のための設備を設置するということでございます。これにつきましては、ジャパンディスプレイの車載のディスプレーは欧州を中心にいたしまして、非常に期待が高い分野でございまして、車載ディスプレー自体が年率で18%を超えるような成長分野ということでございまして、将来的にはモバイルと並ぶ主力製品にしたいという意向でございます。雇用計画につきましては、基本的には集約ということでございますので、県外工場からの移転者を含んで約110名程度、投資額は約39億円、事業開始につきましては、平成28年の3月を予定しております。
調印式につきましては、7月17日に知事公邸で、大塚社長、竹内市長、平井知事の間でとり行われました。
◎上村委員長
続きまして、議題3、地域イノベーション戦略推進地域及び同戦略支援プログラムの採択について及び議題4、地方独立行政法人鳥取県産業技術センター機械素材研究所、米子市日下にあります、の敷地内のり面崩落について、森本産業振興室長の説明を求めます。
●森本経済産業総室産業振興室長
それでは、資料の4ページをお願いいたします。地域イノベーション戦略推進地域及び地域イノベーション戦略支援プログラムにつきまして、去る7月1日に文部科学省と環境省から採択の通知が来ました。
採択の概要に書いておりますけれども、昨年度末に公募があったものでございまして、地域につきましては、この提案のあった8地域全ての地域が採択されておりますが、戦略支援プログラムというのは、補助金がついてくるものでございますけれども、そちらにつきましては、8地域中6地域ということで、若干足切りがあったというものでございます。
提案内容につきましては、とっとりバイオフロンティアというのが鳥大の医学部の中にあるわけでございますが、そこを中心として行われております次世代創薬・健康産業創出ということをテーマにやっておりまして、戦略プログラム等につきましては、そこに書いてあるとおりでございますけれども、事業実施期間につきましては5年間ということでございます。まだ補助金の具体的な額については、正式な交付決定がございませんけれども、およそ5,000万円弱という額が今のところ内示をされているところでございます。
続きまして、5ページをお願いします。米子市日下にございます産業技術センターの機械素材研究所の敷地内におきまして、去る7月15日の豪雨の際に、のり面崩落が起こりましたので、その概要を報告いたします。
この崩落につきましては、関係者の皆様に御不安を与えたことを深くおわびしたいと思います。
この概要でございますけれども、下に絵がございますけれども、これは上が北で、下が南でございますが、その北側ののり面の一部が崩落をしたということで、ちょっと若干見づらいですけれども、写真にあるとおり、のり面の一番上の部分が豪雨によって若干流れ出たというものでございまして、それによりまして、実はこの敷地の周りは全て農業用の作業道が通っておりまして、その作業道に一部落石があったということでございまして、早々にカラーコーン等で注意喚起を行うとともに、ブルーシートをかぶせてそれ以上崩れないようにする等の措置をいたしております。
今後の対応といたしましては、本格的な復旧工事に早々にかかりたいということで、もう8月に入ったぐらいで復旧工事を発注する予定だということをこの産業技術センターのほうからお聞きをしているところでございます。
◎上村委員長
続きまして、議題5、環日本海定期貨客船航路の運航状況等について、吉川通商物流室長の説明を求めます。
●吉川経済産業総室通商物流室長
それでは、資料の6ページをお願いいたします。
環日本海定期貨客船航路の運航状況でございますが、まず航路全体の利用状況でございます。これは韓国東海市の暫定集計でございますけれども、6月の30日現在で就航以来4年がたちました。462航次を運航いたしまして、延べ17万7,000余人が利用しまして、1航次当たり平均384名の利用ということになりました。2013年の上半期の比較でございますけれども、旅客のほうは前年に比べて10.5%の減、それから貨物は少し落ち込みが大きくて31.8%の減ということになっております。この要因でございますけれども、まず、本年3月に競合します韓国の束草からザルビノ、束草からウラジオストクにつながる航路が開設をしたこと。それから、ウラジオストクでのAPECの終了後の需要が一服したこと。それから、昨秋から仁川-ウラジオストク間の定期航空路線が増便をされまして、旅客が航空機に流れているというようなことが要因として推定をされます。
一方、境港における利用状況でございますけれども、これは境港管理組合の取りまとめでございます。2013年の上半期は、境港-東海間の旅客は、前年に比べて5.5%減少しましたが、下の表にもありますように、1便当たりの平均旅客数については、基本的には少し伸びているということで、これは運航回数の問題とかで、ほとんど増減がない、前年並みと見てよろしいかと思います。一方、貨物のほうは、前年に比べて11.5%の増加ということでございます。
このような状況の中で、境港扱いの貨物等を一層増進していくために、ロシアビジネスセミナーを、今後、中国横断自動車道の松江尾道線の全線開通などを見据えまして、7月の17日に福山市におきまして開催をいたしました。この中で、DBS航路の利用促進に係る航路説明会とか、それから参加者との情報交換等を行いました。ここには、福山市を中心に、四国からもありましたけれども、荷主企業、物流会社、金融機関、商工団体など29社、団体、42名が参加をされまして、実際に見積もりを出すという案件も3件ぐらいあっております。備北、備後地域は人口が87万人ぐらいですけれども、製造品の出荷額が本県の3倍ぐらいに当たるということで、広域で貨物を集荷するというところからも、ここで地域への働きかけというのをこれからも強化していきたいと考えております。
◎上村委員長
続きまして、議題6、戦略産業雇用創造プロジェクトの採択について、小林労働政策室長の説明を求めます。
●小林雇用人材総室労働政策室長
資料につきましては、別紙でお出ししておりますので、そちらをごらんください。戦略産業雇用創造プロジェクトの採択について御報告いたします。
戦略産業雇用創造プロジェクトは、厚生労働省が今年度から創設した事業でありまして、安定的で良質な雇用を創造するため、製造業を中心とした地域独自の取り組みの支援を目的とした事業です。この事業が国の予算成立後、6月中旬まで募集がありまして、この募集に事業構想提案を行っていたところ、おととい、23日に採択の通知がありました。
まず、1のところですけれども、厚生労働省の戦略産業雇用創造プロジェクトの事業概要についてですが、(1)に記載しておりますとおり、国が道府県が提案する事業構想の中から、コンテスト方式によりまして、産業施策と一体となった雇用創造効果が高いものを選定いたしまして、実施するための費用を補助するものです。対象地域といたしましては、有効求人倍率が、記載してあります条件(1)、(2)のいずれかを満たす全国34の道府県が対象となっておりまして、今回11道府県が採択と決定を受けました。事業実施期間は最大3年間、構想を実施するための費用を年間10億円を上限に8割を補助するという事業です。
次に、鳥取県の提案した事業構想についての概要を御説明します。資料の裏面のほうをごらんください。
テーマは、超モノづくり人材とテクノロジー・イノベーションによる新産業創成です。背景といたしましては、本県の厳しい雇用情勢というのがあります。特に鳥取県東部地域におきましては、電気機械関連産業の占める割合が全国に比べて突出しておりまして、親会社等の事業再編や海外シフトに伴う受注減により、生産水準の急激な低下など、大変厳しい状況があります。そこで、右の課題に対応するためのところですけれども、従来の製造部門にとどまらず、新産業展開のキーとなる最先端の技術を有する人材と海外展開を視野に入れた人材の育成を柱としながら、相互連関のもとに総合的な産業人材の育成、強化を図ることにより、雇用創造を実現しようとするものです。
実施する事業につきましては、鳥取県経済再生成長戦略に沿いまして、電子・電気、素形材、ICTを主体とした分野の人材育成を行うこととしておりまして、資料に記載しておりますとおり、地域の関係者が一体となって取り組むためのコンソーシアム、この創設や、在職者や求職者向けの人材育成を予定しております。具体的には在職者訓練としては、今までは集合型研修のような訓練しかやっておりませんでしたけれども、新たに個別の企業に対して専門家を派遣して人材育成をしたりですとか、オーダーメード型の研修によりまして人材育成を実施することとしております。
もう一度表に戻っていただきまして、下段になりますけれども、事業費としては3年間で19億7,000万円、事業効果といたしましては1,000人の雇用創出を目標とした提案としております。
この事業につきましては、今後の予定に記載してありますとおり、事業構築したものを9月議会に提案させていただくこととしております。
◎上村委員長
続きまして、議題7、復興財源を活用した基金に係る国からの返還要請について、小林就業支援室長の説明を求めます。
●小林雇用人材総室就業支援室長
そういたしますと、もとの商工労働部の7ページをごらんいただきたいと思います。復興財源を活用した基金に係る国からの返還要請についてでございます。
7月2日に復興庁及び財務省から、復興関連予算で造成された基金の使途の厳格化の徹底について(返還の対応方針)が発表されました。具体的には、そこの四角で囲ってある部分でございます。ポイントといたしまして、この復興関連予算では、復興とともに、日本の経済再生という緊急性の観点から基金が造成されたというのがもともとの趣旨でございますが、国の経済情勢の変化ですとか、それからこの復旧、復興の直接資するものを基本とする考え方を踏まえまして、今回さらなる厳格化を行うとされたものでございます。具体的には、執行済み及び執行済みと認められるもの、これについては、括弧書きで下に書いておりますが、地方議会の議決がなされているものなど、実質上執行済みと認められるものは返還の対象としないということでございますが、これらを除く基金残額について、国へ返還を要請することとされております。
下の2番の本県の今後の対応方針のところをごらんいただきたいと思います。丸の2つ目でございますが、被災地に直接資する事業に限定するという、その国の方針を理解を示しまして、返還金の予算を議会に提案する予定でございます。その上の1番目の本県の受け入れ該当基金の状況の表の中の緊急雇用創出事業臨時特例基金の震災対応事業(商工分)のところをごらんいただきたいと思いますが、配分額としましては21億3,600万円でございます。そのうち、24年度措置額としまして、執行済み額が17億3,800万円、執行残が500万円でございます。この500万円については執行残ということで、返還を考えております。それから、25年度の予算措置額が3億9,300万円でございまして、トータル差し引き残額がゼロということで、返還の予定額につきましては、ゼロということになっております。
◎上村委員長
なお、農林水産部の報告事項の議題13も同一議題であるため、小林就業支援室長の説明終了にあわせて、村上県産材・林産振興課長の説明を求めます。
●村上県産材・林産振興課長
そういたしますと、同じ資料でございますので、商工労働部の7ページの資料で、今回の復興財源を活用した基金であります緑の産業再生プロジェクト基金について御説明をさせていただきます。
緑の産業再プロジェクト基金の執行状況につきましては、真ん中にあります表に記載していますとおり、今回の復興財源に係る23年度3次補正分の執行状況としましては、26年度に予定をしておりました残額といたしまして15億9,200万円がございます。それから、21から23年度分の基金の残額としまして2億600万円ございまして、合計17億9,800万円が平成26年度の予定額ということで現在残額として残っております。
今回の2番の本県の今後の対応方針に書いてございますように、緑プロに関しましては、この約18億円が執行残ということで、返還の対象になる見込みでございます。現在林野庁におきまして、この返還額の把握、それから返還の方針、手続について検討している最中でございますので、この方針が決まり次第、返還金の予算を議会に提案させていただきたいと考えております。また、この26年度の計画分につきましては、必要な代替財源の確保を国に求めていきたいと考えておりまして、先般も7月12日に西山農林水産部長が国に要望しております。また、7月31日、知事も要望を行う予定にしております。県としましても、しっかりと関係者の皆様と連携しながら、国に要望していきたいと考えております。
◎上村委員長
それでは、ただいままでの説明について、質疑等がありませんでしょうか。どうぞ。
○市谷委員
済みません、まず3ページのジャパンディスプレイの件なのですけれども、確かに鳥取の雇用が110名ふえるということなのですけれども、よその県から要するに引き剥がすような形での雇用になるということなので、私は単純に鳥取に集約化されるから万々歳という話ではないと思っております。
それで、確認したいのですけれども、さっきお話があった石川、埼玉、千葉というのがもともとそれぞれの工場がどれぐらい労働者がいらっしゃって、それでその110名の方がこちらにということなのですけれども、もともとどれぐらい労働者がおられたのかをちょっと教えていただきたいということです。
それが1点と、それから、もう一つ、新聞報道で相当補助金を今回の集約化に当たって出すという話なのですけれども、通常の企業立地だったら39億円の投資額で1割なのですけれども、それを超えたような補助金額として報道されていたように見たのですけれども、ちょっとその補助金額の根拠、ここは全然書いていないのですけれども、教えていただきたいと思います。
●池田立地戦略課長
各工場の労働者数につきましては、現在資料等を持ち合わせておりませんので、また後ほど調べてお示ししたいと考えております。
それと、補助金額につきましては、基本的には16億円程度、実はまだ具体的な事業計画というのはこれから出てくるものですから、現時点で39億円程度の投資につきまして、45%の補助率で補助金を想定しておりまして、ほぼ16億円程度の補助金ということでございます。その中身につきましては、基本的には研究、開発部門の移転ということで、30%の加算をベースにいたしまして、そこに拠点集約化、それから100名以上の大量雇用、さらにリスク分散、これらの加算をそれぞれ加えまして45%ということで想定しております。
○市谷委員
済みません、雇用については、今数字を持っておられないということですけれども、大体大まかに言って3カ所でどれぐらいなのかはかると思うのですけれども、いかがでしょうか。
それと、その補助金額がそういう状態の中で相当、合わせて45%ということですが、このジャパンディスプレイって各地で物すごいリストラをしているのです。だから、非常にそういう会社に、体力もあるところですよね、幾つかの会社が合弁してできた会社ですし、ちょっと何か労働者の立場から言えば、それはあんまりだと思います。
雇用については、どうですか。
◎上村委員長
大ざっぱな数字でもわかりませんか。
●池田立地戦略課長
各工場から何名ということについては、ジャパンディスプレイ社からは特にお聞きしておりませんが、基本的に110名程度が移転するということで、現在のところ、7月現在で50名程度は既に移転済みということはお聞きしております。それぞれの社から何名が来たかというところについては現在把握しておりません。
○市谷委員
そうではなくて、もともとそれぞれ何名ずつ労働者がいらっしゃったのかと。要するに、石川、埼玉、千葉でみんな来るわけではないのです。もともと何人おられて、多分リストラされる人があるし、こちらには来れないという人があるしということで、最終的には110名、鳥取の人も含めてということでしょうけれども、もともと3カ所で何人労働者がいたのかというのは。
●池田立地戦略課長
その点につきまして、現在ちょっと資料を持ち合わせておりませんので、わかりません。また後ほどお示しいたしたいと思います。
○市谷委員
では、また後でお願いします。
◎上村委員長
ほかにございませんでしょうか。
○伊藤(美)委員
同じ3ページですよね、このジャパンディスプレイ、この会社というのは、本来非正規と正規に分けるとどういう格好の会社なのですか。
◎上村委員長
正規と非正規の割合はどのようになっていますか。
●池田立地戦略課長
基本的には、このたびの110名については正規雇用を予定しておりますので、この600名につきましても、ほとんど正規雇用であると考えております。
○伊藤(美)委員
岡村商工労働部長、やはりこうやって誘致したりしている企業につきまして、共産党さんが言っているように、正規ということに照準を合わせないと、少子化問題等に対応できる話ではありません。ですから、このあたりをやはり、補助金を出す以上は、きちんと整理しておかないといけないと思います。この間も代表質問で浜崎さんが言っておられましたけれども、そのあたりをこれからは加味してください。
●岡村商工労働部長
そこは当然そのようにいたします。それと、エンジニア、技術者が中心で、3つの工場に分散していたエンジニア、技術者を全部にここに集めます。ここでしかもう車載はやらない。車の関連の事業というのは、非常に足が長いといいますか、5年ぐらい前から注文が入るということで、恐らく10年、15年スパンでここに仕事が入りますという説明を受けていまして、今回の開発型の投資というのは、実はこれは今6号棟が動いていますけれども、もう一つ、5号棟という工場がありまして、そこを埋めるためのきっかけにしたいと我々は考えています。あくまで開発投資に対して、ある程度支援はいたしますが、その後の投資、第2弾、第3弾、これは製造という形である程度雇用拡大も図っていただくということを考えながらの支援をさせていただいています。先ほど申しましたほかの工場が少なくなるというのではなくて、こちらからも何人かもう既に行っています。いわゆる集約化ということなので、得意分野を工場で生かそうということで集約化をされておりますので、こちらに来る人もいれば、こちらから向こうに行かれた方もあります。そういう形での異動という形で、今回車載に関してはとにかく鳥取だけでやるということをはっきりおっしゃいましたので、かなり今後も、製造も含めて期待できると認識しております。
○内田(隆)副委員長
関連なのですが、誘致合戦に勝たれたことは、逆に私は非常に評価をすべきことだと思いますので、関係各位の御努力に対して本当にすごいと素直に思います。
それを前提にですけれども、先ほど110名ではなくて、今後も雇用を拡大していく方向でいくのだということでした。私は、その関連で戦略雇用創造プロジェクトの採択について、これはすごいいいタイミングで来ていると思うのです。このプロジェクトをこれから、ことし、来年、再来年と枠組みを組んでいく中で、多分すごいこのジャパンディスプレイさんにとって新規に雇用をするメニューを提示しやすい形になると思います。だから、私はこの110名ということではなくて、あと50人とか90人とかの雇用も、この1,000人をつくるのだという雇用の中に確実に当てはまっているだろうし、岡村商工労働部長も念頭に置いておられると思うのですけれども、このことについて答弁をいただけますか。
●岡村商工労働部長
おっしゃるとおりでありまして、そこはもう既にジャパンディスプレイと話を進めております。こういう液晶工場というのは、ある程度裾野が広がります。県内企業で今まで三洋電機さん等から仕事を切られたような企業さんにも当然裾野を広げていくという話をしています。それと、実はこの人材育成プロジェクトはシャープ米子にも活用いただきますし、もう一回デバイス産業と素形材、基本的な物づくり産業が、こういうセットメーカーと言いますけれども、大手の企業さんが仕事をとってきていただいて、それを県内で分けていただく。ただ、やはり海外との競争になりますので、当然精度ですとか、技術力を高めていかないといけませんので、今回の厚生労働省の事業はまさにタイミングがいいと思っておりまして、ジャパンディスプレイさんやシャープさんや、県内で100社ぐらい集まっていただいて、それぞれ個別の課題に対応していくような人材育成プログラムを考えていきたいと思っております。
○内田(隆)副委員長
最後にしますけれども、その人材育成プログラムの中で、もちろん元請というか、大手のジャパンディスプレイさん、シャープ米子さんの雇用拡充というのはお願いしないといけないし、使っていただいたらいいと思うのですけれども、それ以外に、先ほど言われた100社を超える下請の雇用を支えることであるとか、新しく雇用をしていくような、中小にとっても使いやすい、いわゆる言い方は悪いですけれども、門の低いものにしていただけるように検討をして、ヒアリングを当然されると思いますので、その際はきちんとよろしくお願いします。
●岡村商工労働部長
3つのレベルに、段階に分けまして、それぞれ企業の課題を抽出しながら、企業のレベルに合わせて、そこから引き上げていくというようなプログラムにしたいと考えておりますので、非常にきめ細かく対応していきたいと考えております。
○銀杏委員
2点ですけれども、1ページの地域活性化総合特区の中の災害時集落無停電サービスということで、複数箇所予定があるようですけれども、小水力発電を活用したということです。基本的にはそこの集落の停電したときの電力を小水力発電で賄うと。多分通常は買い取り制度にのっとって、その事業費を後でその収益で賄っていくと。そのときの利子をきっちり補給してもらって、負担を少なくするということなのでしょうけれども、なかなか小水力発電に適用するような河川、用水路が余りないのではないかと聞いておったわけですけれども、具体的にちょっとこれからさらに広がる可能性があるのかどうかということと、何か1カ所で結構ですから、具体的にどのぐらいの事業費でどのくらいの戸数の発電量が賄えるのかとか、教えてください。
これが1つと、それから……。
◎上村委員長
1点ずつにしましょうか。
●吉田商工労働部参事
具体的には、これは江府町の下蚊屋のダムを使う予定にしております。具体的には農林水産部の事業で、現在の予定では、来年の12月ぐらいに完成する予定だと聞いております。具体的な出力はたしか200キロワットです。単純に言いますと、50戸程度は十分に賄える発電量だと思っております。ちょっと事業費は幾らぐらいか、済みません、申しわけありません。
◎上村委員長
ほかにはありませんか、ほかの地区についてはいかがでしょうか。
●吉田商工労働部参事
今のところは、まずここのシステムをつくることを最優先にしていまして、ちょっとほかのところについては今のところ考えないですけれども、小水力発電、例えばこれについては小水力もそうですし、太陽光発電などでも活用は可能だと思いますので、まずはここをしっかりとつくり上げるということに取り組んでいきたいと思っています。
●俵農地・水保全課長
小水力発電の下蚊屋地区の事業費ですけれども、一応今2億8,000万円を予定しております。
○銀杏委員
そうした場合に、この2億8,000万円の事業費ということですけれども、部落で何か組合か何かつくってされるのかどうなのか。事業主体を教えていただきたいと思います。
●俵農地・水保全課長
これは県が事業を行います。それで、国の補助事業を活用いたしまして、国が50%、それから県が25%ですか、あと残りは市町村ということで計画をしております。
○銀杏委員
わかりました。それから、県が県の事業として行うということでありましたので、県の取り組み次第では広がることも可能だと思いました。
4ページの、これは前にもお聞きしたかもわかりませんが、地域イノベーション戦略推進地域及び戦略支援プログラムのことですが、創薬ということです。下に大学における基礎研究から企業における事業化までを切れ目なく支援しと書いてありますけれども、この辺の工程は具体的には、特に企業における事業化というのは、イメージが具体的に湧かないのですけれども、鳥取県内でそうした企業体がないと思っていまして、今後どのように進められるのかお聞きします。
●森本経済産業総室産業振興室長
創薬支援でございまして、例えば創薬、薬をつくっていく際にはいろんな実験が必要になります。例えば人に対する安全がどうかとか、人に対して作用がきちっとできるかということを、そういう研究を積み重ねて薬というのはつくっていくわけですけれども、その時々において、それを全て製薬メーカーがやるのではなくて、いろんなベンチャー企業に対してその検査、例えばこの鳥取の技術でいいますと、人の染色体を持ったマウスをつくりましょうと、そのマウスに対して薬を使ってみると、人に対してどう作用するかということがわかったりするわけですけれども、それがビジネスになっているというわけです。それは製薬メーカーが本体でするのではなくて、そういうベンチャー企業に対して委託されていくというところで、そういう先を鳥取県でベンチャー企業として起こしていこうということであります。例えば既にこの関係、ベンチャー企業が2つございますけれども、今言ったように、人の染色体を持ったマウスをつくるという企業と、あと、発光、蛍が発光するようなことをマウスの中で発光させる、発光マウスと言いますけれども、そういう発光マウスをつくって、それで実験するというようなことにもう既に生かされようとしておりまして、それがきちっと事業化できれば、その製薬メーカーからの試験の受託を受けられるようになるわけでございまして、そういう流れになっているということでございます。
○銀杏委員
つまり、メーカーから研究としてベンチャー企業が委託を受けて、そこからのさらなる委託で、大学において研究を受けるということ、それともベンチャー企業がその大学の施設等を借りて研究を行うといったイメージなのですか。
●森本経済産業総室産業振興室長
大学の技術を使ってベンチャー企業が起こっております。その使う機械というのは、このバイオフロンティアの中にあります。これは県の施設でございまして、機械自体はJSTというところからお借りしているわけですけれども、そこの機械を使ってベンチャー企業を育成していく、そういうプログラムになっています。
○銀杏委員
わかりました。
○興治委員
ジャパンディスプレイですけれども、もう少し中身を聞かせてほしいと思います。
まず、雇用計画110名なのですけれども、このうちいわゆる県内で採用するような新規雇用がどれぐらいなのか。
あと、今、岡村商工労働部長の話で、5年前から注文が入るような分野であると。10から15年のスパンで仕事が入ってくるという話なのですけれども、その中で、説明の中では第2、第3の事業拡張と、それに伴う雇用があるのではないかという話なのですけれども、そうすると、将来、例えば5年スパンぐらいでの将来事業計画の中で雇用がどれぐらいふえるのかというようなことがもし出されているのかと今聞いていて思ったのですけれども、そのあたりはどうなのでしょうか。
それと、あと、企業立地補助金の交付が予定されるわけですが、この補助制度ってすごく変わりますよね。毎定例議会ごとに変わっているというような感じもあるので、今回の場合、新規雇用が何人ということが条件で、加算15なのですけれども、30%の補助金を出すのか。
それと、あと、その補助制度そのものの中で、新規雇用というのは、正規雇用に限定されているのか、あるいは必ずしもそうでもないのか、そのあたりはどうなのでしょうか。
●池田立地戦略課長
それでは、順次お答えいたします。
まず、県内の雇用につきましては、先日の調印式では、現時点で県内の新規雇用については言及はされませんでした。基本的には110名、当初の110名については、県外からの移設、移転者ということが基本になると考えております。ただ、今後は事業の進捗に応じまして、今後、生産、組み立て要員であるとか、さらなる技術者の増ということも見込まれますので、そこにつきましては、我々からも県内雇用等につきまして、強力に要請はしていきたいとは考えております。
今後の雇用計画等ということでございますが、これも結局当面110名の技術者、設計者等の移転というところが明らかにされております。先ほど部長が申しましたとおり、基本的に3年程度のスパンで商品開発から量産まで行われているということで、特に欧州を中心に成長が著しい分野ということで、特にインテリア性を重視したような車載のディスプレー、こんなものを開発していく、この軌道に乗った場合に、新たに雇用等が発生していくのだろうと考えておりますので、こちらについても、同様にジャパンディスプレイ社に要請はしてまいりたいと考えております。
補助制度等の件につきましては、30%の部分につきましては、これは今の制度にございます自然科学研究所、いわゆる研究、開発部門の設置ということにつきましては、技術者が5名以上でありましたら、基本的に30%加算ということは可能なルールにさせていただいておりますので、そういうことでまず30%加算をベースに、大量雇用の100名、拠点集約化、リスク分散、それぞれ5%の加算ということで45%というふうに考えております。
110名につきましては、基本的に正規雇用者で……。
○興治委員
違います。いわゆる県の補助制度の中で、新規雇用何名という条件があるではないですか。その新規雇用というのは、必ず正社員なのですか、それともそうではないのですか。
●池田立地戦略課長
基本的に正規です。
○興治委員
正規が条件ですか。
●池田立地戦略課長
はい。ただし、一部、ちょっとお待ちくださいませ。いわゆる常時雇用労働者ということにしておりますので、いわゆる正規雇用プラス一定の雇用保険等の加入者を含めた常時雇用労働者、いわゆる製造業部門であれば10名以上、または20億円超の場合については30名以上といったような要件にしております。
○興治委員
最後のところなのですが、常時雇用労働者ということになると、要するに期間の定めのない労働者ということですか。
●池田立地戦略課長
はい、そういうことです。
○興治委員
それと正職員との違いというのは何かあるのですか。
◎上村委員長
期間限定かどうかということですね。
○興治委員
期間の定めがなかったら、パートでも可ですか。
●池田立地戦略課長
少々お待ちください。ちょっと確認をさせていただけませんでしょうか。
○興治委員
確認をね。
●池田立地戦略課長
確認して、後ほどお答えいたします。
○興治委員
そうすると、研究、開発部門なので、設備投資額の30%が補助の上限であるということですね。これは技術者5名以上が条件になっていて、この技術者5名以上というのは、さっきのお話では、新規雇用に言及がないということで、110名は全員県外からみたいな話ですね。そうすると、この技術者5名以上というのは新規雇用でなくて、いわゆる他県でこの会社で働いている方でも対象になるのですか。
●池田立地戦略課長
はい、結構です。いわゆる正規雇用奨励金等につきましては、県内雇用の場合は100万円、県外からの場合は50万円出るといった形で区別はしておりますけれども、企業立地補助金上につきましては、県外、県内等は問いません。
○興治委員
そうすると、せっかく企業立地しても、今のお話のように、将来的には事業が軌道に乗って拡張していけば、ここで雇用が生まれるということではあるのですけれども、この補助金を交付するに当たって、県内で新規雇用ではなくても対象になるわけですよね。何となくそれでいいのかという感じはするのですけれども、いかがでしょうか。
●池田立地戦略課長
基本的には移転の場合、御家族等も含めた社会人口の増ということにもなって、基本的には県内経済には当然非常に有益なものであると考えております。ただ、ある意味、制度的には正規雇用奨励金のようなもので制度に差をつけますとしておりますとおり、基本的には県内での新規雇用というものを県としてもぜひお願いしたいと考えております。
●岡村商工労働部長
今、ジャパンディスプレイは既に鳥取大学と共同研究をやっていまして、鳥取大学の学生を定期的に雇うようなことは既にされています。この事業のためにそれをカウントしていないというだけの話でありまして、新規採用は当然あります。ありますが、今回は、先ほど申し上げたように、実は鳥取の工場よりももっと最先端な工場が実は千葉に、茂原にあるのです。ところが、そこに持っていくかどうかというところで判断が分かれたのですよ。それを我々もプッシュしました。正直言いますと、技術者の集積はこちらのほうが多いということもあったりしまして、設備は少し古いのですけれども、こちらに集約しようということで、それに係るまず第1次の投資、それから雇用計画、正確にはいわゆる移転計画を出していただいたということですので、先ほど申し上げたように、第2弾、第3弾というのは当然想定してつくられています。ただ、それはまだ発表はされません。
それと、もう1棟ある5号棟というのは、今でも6号棟で、これで700人ぐらいの規模です。もう一つ同じような工場がありますので、そこをどうやって埋めるかというところを我々は今後ぜひ検討していただきたいという要請はしております。
○興治委員
わかりました。
◎上村委員長
よろしいですか。
○興治委員
はい。
○砂場委員
1ページですけれども、利子補給制度ですけれども、これは3つ制度があるのですが、これは併給できるのですか。
●吉田商工労働部参事
併給可能です。
○砂場委員
そうすると、1.43だと、0.07やると実質ゼロになるということですか。
●吉田商工労働部参事
はい。
○砂場委員
あともう一つ、制度融資をやるときに、表面的スキームはいいのだけれども、融資の手数料がかかったりとか、信用保証料がもう必置だったりとかというような形があるのですが、そういうものは何かついているのですか。
●吉田商工労働部参事
一応保証つきを条件にしております。
○砂場委員
それは利率はどれくらいですか。
●吉田商工労働部参事
制度融資は、1.4ぐらいですかね。
○砂場委員
結局いろんなことをやって国がやっても、結局ゼロになっても、信用保証協会のそれが乗っかってしまうともとに戻ってしまうというのが一つ制度融資のネックみたいになるのですけれども、そこを何とか解消できないものですか。やはり僕は思うのは、金融機関は金融機関がリスクをとって金を貸すべきの話であって、県がここに金を出せと言っているわけではなくて、融資の決定権はあくまで金融機関にあるわけです。それで、リスクを計算して、リスク分散を自分がとらずに、利息というのは銀行のもうけではないですか。それをとらずに、そこの部分は信用保証協会さんをつけてやるというのは、本当はここで新しい事業を立ち上げる人たちに対する支援が実は金融機関への支援制度になっていないかという疑問を僕はずっと思っているのですけれども、岡村商工労働部長、どうですかね、これだけではないけれども、そのあたり少し制度を根本的にちょっと見直すという方向を考えたほうがいいと思うのです。
●岡村商工労働部長
これは、まず我々が先鞭を切ってやったというだけでありまして、実はこの参加している金融機関にも独自のこの特区用の制度をつくってくれという要請をしています。ですから、プロパーの資金を持ち込んでいただければ、この制度は適用になりますので、国の利子補給も。我々もそれを利子補給してもいいよという話をしていますので、ぜひおっしゃるように、今の保証協会の保証の枠の中でやってしまうと、もう融資の限度が決まってしまうのですよね、おっしゃるとおりです。なおかつ、今資金調達はいろんなものが出てきましたので、例えば資本性の投資というような形で最初にどんと融資でしてしまって、利息だけ返して、元金は返さなくてもいいとか、そういうようなものもぜひ発動してほしいという要請はしております。ぜひいろんな資金調達の手段が出てくることを各金融機関にも要請していきたいと思っております。
○砂場委員
では、しっかり事後を調査していただいて、本当に金融機関の資産ではなくて、あくまで新しいこの制度を利用して事業を立ち上げる企業の皆さんの支援制度になるように、しっかりそこは監督も指導もしていただきたいと思います。
それと、次に、これは対象となるのが鳥取県地域活性化総合特別推進協会の構成員ということなのですけれども、この構成員になるハードルというのは高いのですか、低いのですか。どういう人がなれるのですか。
●吉田商工労働部参事
特区の中で、この趣旨に賛同して具体的に事業を実施していただける方であれば、特に制限は設けておりません。
○砂場委員
今回特区で国、やはり特区の場合は規制緩和が大事なのだけれども、一つは、無停電サービスのときに、これは法律があくまで来年の国会の提出予定で、ここがやはり低圧託送というのが今回のキーワードだと思うのですけれども、この法律が成立しない場合には、これはスキームそのものが崩れるのではないかなという心配をしております。もう一つは、健康づくりサービスもSNSを使って、要するに結果だとか、相談ができるというのは、これは公立の病院が、南部町だったら多分中心になると思うので、そこはできると思うのだけれども、一番大きいのはここで商品を売ったりすることによって、新しいビジネスを起こそうと、商工労働部ですから、そこは大きいと思いますが、ここは肝心なところが蹴られてしまっているのです。これでこのスキームってうまくいくのですか、メリットあるのですか。
●吉田商工労働部参事
まず、低圧託送の部分についてです。低圧託送を今のところは前提にしておりますけれども、それ以外のことも、もしできない場合も想定して、例えばEVを使って電気を供給するとか、そういったことも、ちょっと別のことも、その場合も含めていろいろ幾つか腹案を持って取り組んでいきたいと思っています。
あと、もう一つ、商品の提供につきましては、やはり国からは基本的には認められない。ただ、特定保健指導の終期をちゃんとしっかり分けて、指導と、それから商品の推奨を分ければ、そこは実施は可能だと答えていただいていますので、そこはちょっと上手なやり方を考えていきたいと思っています。
○砂場委員
わかりました。では、国の動きも注視しながら検討を進めてください。
先ほど言いましたSNSについては、薬品のネット解禁の絡みもあるので、この前、農林水産部で出ましたけれども、担当部局がまたがりますけれども、情報を共有して進めてやってください。
もう一つは、戦略産業雇用プロジェクトなのですけれども、実は先日、関西本部が実施した鳥取県サポート企業の説明会に出させてもらった中で、実はその人材の話が出たのです。びっくりしたのは、鍛造の人材を欲しいのだけれども、どこに行ったらいいのですかという話で、企業の皆さんはなかなか必要な情報が提供されていない。鳥取大学の学生さんを採用したいのだけれども、どうしたらいいのですかというような質問が出てきたのです。その会社の皆さんというのは10年以上、鳥取県に進出をした会社なのです。そういう話になってくるとすると、企業の皆さんに対して、いろんな制度がつくのはいいのだけれども、実際にわざわざ鳥取に進出をしていただいて雇用もつくっている企業の皆さんへの、一番の問題はどこですかといったら、やはり人材ですと、フォローですと、こういう、しかも今回はすごいですよね、超モノづくり人材、すごいいいのだけれども、もっと基礎的な部分で、企業の皆さんに対するマッチングであるとか、もちろん雇用が失われた人たちで人材バンクもつくったではないですか、技術物づくりの、そういうものが企業に一体どういう形で提供されるのですか。今回もやっていいと思いますけれども、本当に一人一人こういう力を持った人がいますよという、ここまで育った人がいますというのを企業にどうやって提供していかれようとしているのか。そこがないと、結局予算使って、はいおしまいになってしまうと思うのです。そのあたりはどのように考えておられるのですか。
●岡村商工労働部長
そういう御指摘は、大阪だけではなくて、我々も地元でも当然伺っています。そういうことに対してどういう体制で本当にきめ細かくやればいいかというのを考えまして、今回それをこの中に盛り込んでいます。例えばそういうメンバー、技術のわかるスキルの人たちを、スタッフをちゃんと前線に配置しまして、企業訪問をして、人材育成の課題ですとか、それから技術的な課題、これも吸い上げていこうという形で、大体ざっくり私は100社ぐらいは全部そういうサポート、個別サポートをしようと考えていますので、その中からある程度階層的に分けて、超モノづくりというのは、要は素形材、基本的な企業であっても、当然アジアとか海外の中で勝負しなくてはいけませんし、いろんな情報を持って当たらないといけない。鍛造の技術者というのはなかなかいないです。正直言いまして、日本全体で探してこないといけないという世界でして、簡単に用意できないのですね。そうなると、そういう素形材関係の国の団体を通して、そういう人材のスカウトができないかとかというような話をしていきます。そういうことに対応するためのプログラムをこの中に盛り込んでいると御理解いただければと思います。
○内田(隆)副委員長
そうはいっても、1年間10億円で3年間、とったは18億9,000万円というボリュームをこの分野にターゲティングを絞って投資をしていくというのは、それなりに度胸も要るし、計画性も要るし、ここだと絞ったのですから、逆に言ったら他の分野から物すごい使いづらい補助金になってしまっているような気がするのです。単純に私は思うのですけれども、多分鳥取県がこのデバイス関連に非常に比重が高い鳥取県独自性だということで説明されると思うのです。それであれば、ああ、なるほどと納得がいくこともあって、三洋だけではなくて、シャープもなのだということで、東・西にバランスよくこれをやっていこうと思っていらっしゃるのだとは思うのですが、では、中身を具体的に見ていくことで、いや、これは難しいことを考えられておるというものです。
端的に指摘させていただくと、2ページ目、はぐって2枚目のその他の分で、例えば地域雇用開発奨励金の上乗せ助成と単純に書いてありますけれども、米子市は指定されていないです。つまりシャープ米子は対象外になるのです。境港市が指定されているけれども、境港市にではこれがあるかといったら、ない。では、やはりベースは東部の鳥取市になるのではないかと思うので、その辺の東・西のフォローアップ、もちろん中部もですけれども、フォローアップをどのように考えられておるのかと思ったのと、あと、これは電子・電機、素形材までは何となくイメージが湧くのですが、ICTもせっかくあるのですから、これはコールセンター業務などはどうなのですか。これは単純な疑問です。
●岡村商工労働部長
もともと国の要件が製造業です。製造業をどうやって再生していくかというのを条件としてこの提案を出すようになっていまして、そこの要件ではじかれてしまいます。基本的には、それに関連という形で、実は我々は、業種としてはICTと、それから物流、ロジスティクス等も入れています。ただ、それは製造業に関連しないといけません。コールセンターであっても、製造業に関連、附帯するサービスとして確認できれば可能です。ですから、幅広くとるようにしていますけれども、製造業と関連性がやはり要件になります。
○内田(隆)副委員長
逆にわかりやすく言うと、ここの下にある情報センターさんとか、プログラミング業務みたいなのは、これは製造業なのですか。
●岡村商工労働部長
ですから、例えば今製造業が3Dで設計開発しますと。それのプログラムを開発するための情報サービスであれば、それは組み込めます。ただ、プログラムとして、情報サービスをなりわいとして一般に提供する、コンシューマに提供するような事業は対象になりません。そういう仕分けになっています。
○内田(隆)副委員長
なるほど、ありがとうございます。そうすると、極めてここだよと特化していっても、きめ細かな100社を本当にフォローしていくという形になると思いますので、よろしくお願いします。
○伊藤(美)委員
7ページのこの返還要請ですが、これは、私の接した一般県民は鳥取県も復興予算を使っておったかと、そういう受け取り方が多いのですよ。鳥取県までも使っておったかという、ここは平然と返還要請に従うと書いてありますけれども。それというのは、あれほどみのもんたの番組で、まさに怒りの発言ですよね、絶対許さないと。そういう影響を受けたのかもしれないのですけれども、緑プロの基金というのは非常に必要で、県民から喜ばれる基金です。しかし、これが一般国民、県民から何だと、あんなことはという話が出てきて、これは返還せよということになったのだろうと思うのです。これはやはり平然とこうやって速やかに返還要請に応じますという話というのは、私はちょっと県民をなめたような感じではないのですか。もっと県民、鳥取県も復興予算をこういう横流しして使っておったのかという、選挙の最中だったですから、集まる人あたりは、大半はそういう意見でした。何かこれについて、骨になる部分というのは、どういう経緯をたどったのか、教えてください。
●小林雇用人材総室就業支援室長
この経緯につきましては、先ほどお示ししましたように、復興庁、それから財務省から方針が発表されたというものでございますが、これにつきましては、国がこれで、こういう方針で対応してくださいというものでございまして、要するに先ほど御説明しました地方議会の議決、要するに執行済みのもの及び執行済みと認められるものを除いては、もう返還をしてくださいと。
失礼いたしました。震災等緊急雇用対策事業でございますが、もともとこれについては、東日本大震災の影響による失業者、もしくは平成23年3月11日以降に離職された失業者が対象でございました。これが要するに国が方針を変更してまいりまして、要するに今回、25年度以降新たに事業を開始する場合にあっては、被災者に限ると変更してまいりましたもので、こういった対応になったという経緯でございます。
○伊藤(美)委員
この判断は、やはり国民、県民感情とは違うのです。被災者に限るというのは当たり前ではないのかという話がよく聞かれるのです。そして、怒りの発言、絶対許さないというみのもんたの発言というのはよく聞いているでしょう。それで、そういうこともあって変更したということなのですか。どう思うのですか。これは、いや、当初どおりいくという話も当然国はあってもいい話ですし、鳥取県にとりましてはこれだけ要望の多い事業です。しかし、これを中途で変更するというのは、大変なパワーが国民から国にも行ったのではないですか。そのあたりの流れが、単純に出て、返還要求しました。知事はそれに応じます。それでいいのかと私は思ったのです。県民の生の声を出て聞いてみなさい。何で鳥取県も復興予算に使っておったのですか。自衛隊だ刑務所だ沖縄だというのがみんなたくさん使っていたのはなんですけれども、鳥取県もですかという話というのはあちこちで聞きます。ちょっとそのあたりは生ぬるいような感じがしますけれども、どうなのですか。
●岡村商工労働部長
この件については、多部局にわたっておりますので、総務部等と今調整をしております。とりあえず今こういう状況だというか、数値だけを今回お示ししたということですので、判断はまだ決めかねているというところですので、まだ今後の検討になると思います。
○伊藤(美)委員
では、それは9月議会で当然出てくる話ですね。わかりました。
○市谷委員
それで、私はこの問題は議場でも指摘させていただきました。まんが博のキャラバン隊だとかということで、それで、もともとは自民党と公明党と民主党がこの復興予算を他分野に流用していいということを国会で決めたからこういうことになっておるわけです。もともとはね。それを県は使えるということで使ってきたということなのですけれども、それはもう世論の批判で返還せよとなるのは当然の話だと私は思いますし、こういう対応になるのは当然だと私は思います。ただ、知事も私はこういう他分野に流用できるということについて、国に意見を言うべきではないかということを議場で言いましたけれども、言わないと。ただ、知事も開き直っていたというところの責任というのは、私はあると思うのです、もともとは民自公の3党にありますけれども。それで、ただ、実際には46億円使ってしまっているわけなのですよ。これはもう県民も全国民が増税して、これは、増税の財源で、被災地のためにということで県民税も増税されて、それが財源になっていますから、幾ら、それは私も緑プロジェクトはいい事業だと思いますけれども、やはり真摯にここは反省して、復興予算は復興予算として使うと。必要な予算は別の財源を充てるという対応というのは当然の流れだと思います。ちょっと意見として言わさせてもらいます。
◎上村委員長
進行させてもらいます。
○砂場委員
そこのところで、この問題については、僕は本会議で知事に質問したときに、知事は返さないというか、もともとはそれは、復興予算というのは、今、みのもんたの指摘があったので、これはもともと復興予算ではなくて、復興と日本経済の再生という視点からあって、要綱を見る限りには、はっきりとそこに震災による失業者と震災があった3・11以降の失業者というのが明記されていて、では、全国の各自治体がそれに手を挙げるときに、鳥取県だけが、しかもそのときははっきり言って悪乗り的な予算もたくさんありましたよ、要件が非常に緩やかで使いやすい形になっていたから。今まで全部我慢させられてきた各官庁がそれにわあっと手を挙げてなってしまったというスキームがあった中で、地方自治体のあり方として、では、鳥取県だけは指をくわえて、これは筋を通すのだとするのか、それとも、やはり使えるものは使わせていただきたい、財政基盤も弱いからというのかという形で、これはそこで極めて政治的な判断があったと思うのです。もし政治的な判断があって、それで確かにそういうものだけれども、使うと判断したら、最後まで議会で言われたことを通されればいいし、今回国から言われたから、はい、返しますというのは、多分知事の判断なのでしょうけれども、6月議会の答弁とは違うのではないかと思います。だから、僕はそこの話がやはりきちんと筋を通して、伊藤(美)委員が言われるように、そういう声があるのだったら、それにアカウンタビリティーできちっと説明をされればいいし、ここに来て急にはいはい、返しますよと言ったら、県民の皆さんの理解はやはりおかしかったということになってしまうのではないかと思うのですけれども、そういうのはどういう議論がここにあったのですか。もう国から言われたから、はい、返しますという話なのですか。そこでも、先ほど言ったような政策的判断があったのですか。そこの判断はどうなのでしょうか。
◎上村委員長
そういう意見があったということで進行させていただいてよろしいでしょうか。
○安田委員
なかなかしゃべらせてもらえないで、ジャパンディスプレイに返らせていただくのですが、企業概要の従業員数に、全体6,200人で、鳥取工場600名、それから投資計画には、雇用計画が110名、鳥取県でですね。これは一体どういう整合になっているのですか、説明をお願いします。
●池田立地戦略課長
現在、鳥取工場に600名の職員の方がいらっしゃいまして……。
○安田委員
既におられるのですか。
●池田立地戦略課長
はい、既に600名。そこにこのたび他の石川、深谷、茂原から等を含め110名程度の移転者がありますので、鳥取工場は約700名超という職員数になるということでございます。
○安田委員
なるほどね。
それで、確認ですが、今この企業立地についての分は、ではその全体についての補助をしているわけですか、新規立地ということで。
●池田立地戦略課長
鳥取県への投資、今回は鳥取工場の中に車載ディスプレーの設計、製造等に係る設備を導入いたしますので、その投資が約39億円ということでございます。
○安田委員
それで、お話を聞いていると、今ここで研究、設計、開発をされて、さらに製造分野で雇用を広げる、工場棟を使うとおっしゃったですね。そうなってくると、またそこで製造業の新規雇用に対する補助というのがあるではないですか、1人100万、あれを適用されるわけですか、そうですか。
●池田立地戦略課長
正規雇用奨励金のことでございましたら、新たな時点でまた雇用が発生すれば、当然対象にさせていただきたいと思っております。
○安田委員
わかりました。
●岡村商工労働部長
その場合は、量産になりますので、量産製造ですので、その場合の補助率は下がります。10%から15%をベースにした支援になると思われます。そこに新たに雇用がまた追加されると、その製造業の場合は、雇用要件が例えば研究、開発よりもちょっと上になりますので、正規で10人以上とかというような要件が、要件が上に、ランクが上がりますけれども、補助率も下がっていくということですけれども、ほぼ全員が技術者ですので、ほぼ全員が正規と考えていただいたらいいと思います。
○安田委員
いや、これはそうだけれども、今はそうですけれども、今度の製造がスタートする時点では従業員はわからないでしょ。今度は正規とかなんとかではなくて、工員さんになるわけでしょ。
●岡村商工労働部長
先ほど申し上げたように、かなり差別化したデバイスといいまして、ディスプレーですので、ここでしかつくれないというところを今検討されています。製造においても正規ということになると思います。そういう形で日本の物づくりを変えていこうということを社長もおっしゃっていますので、それでもう一回部材企業ですとか、それから素形材の企業さんとの連携を強めて技術力を上げていこうと、そういう流れをつくっていこうと思っておりますし、それに即した形での製造拠点という方向性を打ち出していただいていると認識しております。
○安田委員
わかりました。
○市谷委員
済みません、またジャパンディスプレイの件です。結局、だから、正規雇用だった人が鳥取に来て正規雇用になるだけの異動の話なのですよね。だから、やはりこういう実際引き剥がして労働者を持ってくるということなので、県内での正規雇用がふえる保証というのは、これからわからないし、今日的な補助金については、要するに労働異動に対する補助なので、雇用が決してふえるという話ではないわけなのです。それと、その5号棟、6号棟の話や、この600人の労働者ですけれども、もともと三洋電機の労働者が異動して、5号棟、6号棟も県の補助金で、これは大体建ったもので、それが埋まるからというお話もありましたけれども、要するにかなりこのジャパンディスプレイというか、もとをたどれば、ずっと変遷がありますけれども、相当これは県も支援を、相当といいますか、無償譲渡を建物はし、労働者もそのまま異動というか、譲渡し、そういう中でのさらなる支援で、私はやはり雇用の安定だとか、そういうことの保証のなしに、企業だけが肥え太っていくというような補助金のやり方ではやはりいけないと思いますので、非常にこの案件については、ちょっと他県からの労働の引き剥がしという点ではちょっと納得しがたいものがあると思います。
●岡村商工労働部長
三洋電機だけではなくて、実はエプソンの時代の技術者もいまして、ここがいわゆる当時、三洋エプソンイメージングデバイスというときに培った技術者がいます。やはり物づくりに関する高度技術のスタッフもいます。ある意味で、そこは一つの鳥取の引きつける力になっていますので、そういう物づくり、人づくりをやっていこうということで、今回この集約化があります。まさに新しい雇用、ディスプレーが世界中から人や物を集めてくる、そういう工場にしたいということをおっしゃっていますので、そこをしっかり支援していきたいと考えておりますので、剥がしたりというようなイメージで、単純にここが効率的なので、ここに人を集めましたというような選択ではないということは御理解いただきたいと思います。
○市谷委員
もう一つ、済みません。6ページの環日本海航路の件ですけれども、これは私も何度もこれは指摘、6ページ、させていただきましたけれども、この束草とザルビノとのこれの航路だとか、それ以外にも飛行機も増便されたということで、非常にこれは財政的にも運航継続というのが大変ではないかと思いますが、それで、境港の利用は、人も荷物も大体例年並みで維持しているというお話でしたけれども、お客については日本が5%ぐらいですので、境港で維持をすることだけでは、全体が10%も減っていて、これはどうするのかと思います。
貨物については、日本の分がどれだけの率であるのか、境港は減っていないと書いてありますけれども、ふえているというか。これは荷物は率が書いていないですけれども、31%も前年比で減っていると。これは日本の貨物の率は、全体の中でどれぐらいで、なら、境港が頑張れば、これは航路を維持できるだけのものになり得るのかどうかというのをお尋ねしたいと思います。
もともと3年間で赤字解消だと言いながら、ならず、4年、今度5年目でずっと運航支援をしているわけですよね。だから、ちょっとこれは展望はどこにあるのか。それから、財政支援を、だからこれだけ収入が減るということになりますと、その支援額というのは、上限はありますけれども、これまでよりふえることになるのではないかと思いますけれども、ちょっとその点についても教えていただきたいと思います。
●吉川経済産業総室通商物流室長
御懸念の件でございますが、確かに韓露間につきましては、新しい航路ができまして競合関係に今なっているということは事実でございます。ただ、この航路は、週に1回、束草からザルビノに行くのと、週に1回、束草からウラジオに行くということで、2回ずつ運航しているのですけれども、決して航路の今の運航状況は芳しいものではないというのが事実です。それで、運航会社も、いわゆる今の状況をよく注視をしながら、今は少し減っているけれども、耐えていくというようなことを言っております。そういう中で、やはり韓国-ロシアの部分にある程度影響をされない、日本とつながっているというところのメリットをこの航路がきちんと発揮するためには、やはり境港の扱いの貨物とか旅客をきちんとふやしていくということが大事になってきますので、その辺に力を入れているところでございます。大体、境港の貨物は3割程度、割合にすると3割程度です。それをどんどんふやしていきたいということでございます。
航路の展望につきましては、今はそういうふうに競合関係になっていますけれども、将来的にはそことのいろいろな協力関係とか、それからもしかしたら淘汰ということもあるかもしれませんけれども、その辺を全体を見ながら、まずはここは耐えていくと言っております。
収入が減っている部分については、確かにちょっと売り上げも3割程度減っているという報告も受けております。ただ、これについても、だから、収入が減るから補助金をふやしてくれというような話は一切ありませんし、今までいろいろなことがあっても、将来的にも安定運航を続けていただくというための、その初動支援のための運航支援ということでやらせていただいていますので、そこの趣旨をよく理解していただいて、この航路の継続に全力を尽くしていただきたいということで話はしているところです。
○市谷委員
最後、意見ですけれども、初動支援で3年が4年になり、5年ということで、こういう経営状況になりますと、また継続して支援ということが続くのではないかなと、初動支援と言いながらですよ。だから、私はどこかで線を引くべきだと思います。民間の会社がそうやって船を走らせること自体は、それは自由な話ですけれども、財政支援ということは、県民の大事な税金ですから、展望のないものにずっと税金を投入し続けるのかという議論は当然私はこれはあってしかるべきだと思います。加えて、これとの関係で、新しい貨客船ターミナルをつくるという話が、20何億円ですか、かけて今度つくると、例のクルーズ船も含めてですよ。だから、そういうこの船だけではなくて、貨客船ターミナルの港の整備、ターミナルの整備ということも財政支援する、お金を出すという話もあるわけですから、これは相当な問題だと思いますので、展望の問題というのはとても大事だと思います。
◎上村委員長
御意見として伺っておきます。
次に移りたいと思います。企業局について行います。
議題8、「賀祥発電所」の運転開始式の開催について及び議題9、平成25年度第1・四半期各事業実績について、亀井経営企画課長の説明を求めます。
●亀井企業局経営企画課長
企業局資料の1ページをまずおはぐりいただきたいと思います。「賀祥発電所」の運転開始式の開催について御報告をさせていただきます。
とっとりグリーンウェイブの取り組みの一つとして建設を進めておりました西伯郡南部町下中谷に建設を進めておりました賀祥発電所が8月末に完成するという見込みになりまして、運転開始に当たり、地元の方々を初めといたしまして、発電所建設に関係いただいた皆様をお招きして、9月の3日に運転開始式を計画をしております。
運転開始式の概要でございますが、日時は25年9月3日火曜日、10時から11時までを予定をしております。場所は西伯郡南部町下中谷の賀祥ダムの直下流、ダムのすぐ下でございます。あと、内容でございますが、運転開始式のほかに、それが終わった後に発電所の中をごらんをいただきたいと思っておるところでございまして、現在式の内容の詳細を調整をしておりますので、また別途、詳細が決まりましたら御案内をさせていただきたいと思いますし、当委員会の委員の方にも当然御案内をさせていただきたいと思っております。
次に、発電所の概要でございますが、最大出力260キロワット、最大使用水量は毎秒0.9リットル、有効落差は37.5メートルということでございます。年間発生電力量は1,400メガワットアワーということで、一般家庭にいたしますと390戸分の消費電力に相当するというぐあいに考えております。売電につきましては、昨年から始まっております固定価格買い取り制度によりまして、電力会社に20年間、全量買い取っていただこうと思っておりまして、年間の収入は約4,000万円強を予定をしております。総事業費につきましては、3億2,000万円ということでございまして、大半を起債で財源を賄っておりますが、そのうち5,000万円をゲゲゲのふるさと県民債を活用しているところでございます。
2番に、ダムの下に上屋ができておりますが、これが発電所でございまして、この中に発電機が設置をされておるという状況でございます。
また、企業局における今後の取り組みということで、3番に記載しております。既に着工しているものも含めまして、6カ所予定をしておりますし、これ以外にも適地があれば積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
2ページに、県企業局が今持っております小水力発電所、太陽光発電所、風力発電所の一覧表を掲げておりますので、ごらんをいただきたいと思います。
続きまして、3ページをおはぐりいただきたいと思います。平成25年度第1・四半期各事業実績について御報告をさせていただきます。
まず、電気事業でございます。企業局の電気事業は8つの水力発電所、このうち2つは昨年度からFIT、固定価格買い取り制度に移行しております。それから、1カ所、3基の風力発電所で、あと太陽光発電所、これは5月に西部事務所にできております。これらで構成しておりますが、まず、水力発電所でございます。冬季の雪解けが4月早々に終了したこと、それから5月から6月下旬にかけまして、渇水により例年の流入量が得られなかったこと等から、販売電力量は目標の69.1%、対前年比でも62%にとどまっております。また、風力発電でございますが、4月、5月の風況に恵まれまして、若干6月前半に目標を下回ったという時期もございますが、トータルとしては目標の121.3%、対前年で127.2%という状況になっております。それから、5月から稼働しております太陽光発電でございますが、こちらのほうはおおむね順調な日照が得られておりまして、販売電力量は目標の113.3%という状況になっております。これらトータルの販売電力量収入でございますが、風力発電が25年4月、ことしの4月から固定価格買い取り制度に移行いたしまして、1キロワットアワー当たりの売電単価、これが従来10.26円だったものが19.08円ということで、86%上昇したということで、この下の表にございますように、対前年でも上がってきておりますが、一方で水力発電がこの3カ月ちょっと不調だったということがございまして、電力量は減っておるのですが、中国電力との包括契約に基づいて、ここの下に括弧で書いてございますが、基本料金部分8割、定従、いわゆる発電を起こした部分の割合2割ということで買い取っていただいておりまして、そういった意味で、電力収入全体としては何とか目標の92.8%、対前年比の90.6%を確保したという状況でございます。
続きまして、工業用水道について御報告させていただきます。
まず、日野川工業用水道でございますが、契約社が3社減り80社、契約水量は700トン減りまして2万9,600立米という状況でございます。この3社でございますが、2社につきましては上水に切りかえられたという、それから1社につきましては倒産だと聞いております。
続きまして、鳥取地区でございますが、これは契約者が2社ふえまして10社、それから契約水量は50トン減りまして7,500トンになっております。具体的な契約水量、契約者数、調定額は表のとおりでございますが、鳥取地区の表を見ていただきますと、契約水量が減っているにもかかわらず、調定額はちょっとふえております。ちょっとこれの説明をさせていただきますと、昨年の4月現在では、契約数は3社でございました。これが5月になりまして8社に増加をいたしまして、結局その4月分の差がこのまま現在の増の約200万円の差になっておりますけれども、増にあらわれているという状況でございます。それから、契約水量でございますけれども、この3カ月の間に150トンの増があったわけでございますけれども、一方で200トンの減というのがございまして、差し引き50トンの減というぐあいになったところでございます。
最後に、埋め立て事業でございますが、竹内工業団地で1社に対して新規貸し付けを行っております。貸付先につきましては、下の(1)のところに書いてございまして、株式会社オークという会社でございまして、すしネタのアジのフィーレをつくっておられると聞いておるところでございます。あと、一括即売売却、割賦販売、長期貸し付けの3カ月間の収入につきましては、(2)に書いているところでございます。引き続き、工業用水、埋め立て事業については積極的に販売促進に当たってまいりたいと思っております。
◎上村委員長
それでは、ただいままでの説明につきまして、質疑等がありましたらどうぞ。
○市谷委員
その工業用水の契約の会社で利用をやめたところも含めて、会社の名前を教えていただいてもよろしいですか。
●亀井企業局経営企画課長
日野川工業用水から上水道に切りかえられたという会社は、東亜青果さん、それからDSコーポレーション様でございます。それから、倒産されたのは阪鳥食品様ということでございます。
◎上村委員長
ほかにありませんか。
それでは、続きまして、農林水産部について行います。
なお、質疑は説明終了後に一括して行っていただきたいと思います。
まず、議題10、7月15日大雨による農林水産業の被害状況について、伊藤農林水産部次長兼農政課長の説明を求めます。
●伊藤農林水産部次長
そういたしますと、農林水産部の資料の1ページをお願いいたします。7月15日に降りました雨によります農林水産業の被害の状況でございます。
県西部を中心としまして大雨になったところでございます。23日の現在でございますけれども、7億2,900万円余の被害となっております。
内容でございますけれども、農産物被害といたしましては、南部町等で、南部町におきまして水田の土砂が流入したということで、水稲の被害が200万円余、さらに、農地、あるいは水路、農道等でございますけれども、南部町、伯耆町、米子市等で水田畦畔の崩壊や水路ののり面、あるいは水路の崩壊、農道ののり面の崩壊といったことで287カ所でございますけれども、6億2,100万円余となっておるところでございます。さらに、林業でございますけれども、林道が最も被害が大きくございまして、現在、南部町、江府町等で林道被害といたしまして1億600万円余が出ております。まだ現在調査中の部分もございますので、これからまだ被害額はふえていくものと思っております。早期の復旧についてつなげてまいりたいと思っております。
◎上村委員長
続きまして、議題11、中海高潮に対することしの対応について、小西農政企画調整室長の説明を求めます。
●小西農政課企画調整室長
資料の2ページ、3ページをお開きいただきたいと思います。中海高潮に対することしの対応について御説明いたしますが、その前に、これまでの経過について御報告いたします。
昨年の9月17日から18日にかけて接近通過した台風16号及びそれに伴う大雨による農林業被害について、この農林水産商工常任委員会において、10月10日に開催されました常任委員会でございますけれども、報告いたしております。その翌日の中海圏域調査特別委員会において、森岡委員からではございましたけれども、中海高潮被害の現状と要因を調査して対応するよう要望があったところでございます。これを受けて、米子市やJA西部、米川土地改良区とか、県においても農林部局、県土部局が連携いたしまして、この原因調査、あるいは現場の声をいろいろ聞いております。その対応をまとめまして、6月25日の特別委員会に報告する予定にしておりましたけれども、特別委員会がなくなりましたので、当時の安田委員長、あるいは内田副委員長、提案者であります森岡委員に相談しましたところ、常任委員会で報告するよう指示があったところでございます。それできょうになっておるということでございます。
では、本題に移ります。調査概要でございますが、台風16号の接近通過に伴って、中海の潮位が急上昇しまして、観測史上2位の1メーター5センチという高い潮位を記録いたしました。この結果、常任委員会でも報告いたしておりますけれども、中海に面した米子市彦名地区及び崎津地区の既耕地、干拓ではなくて、既耕地の一部において、護岸は超えなかったものの、樋門を通って中海の海水が流入して、圃場に浸水したと。その結果、農産物被害が発生したということでございます。場所によっては、海水ばかりでなく、地下水位も同じ低気圧によって、台風によって上昇して湧水したりして、排水が必要だったということでありました。
ここ、2ページの図を見ていただきますと、図表を見ていただきますとわかりますが、中海の水位は、特に九州から朝鮮半島や日本海に抜けていく台風の場合に、台風の接近通過と潮の満ち引きとも関連しながら急上昇していくということが判明いたしております。このことは、感覚的にはいろいろ言われてきておりましたけれども、データ的に、過去の24年のそのほかの台風、23年、あるいは史上最高潮位を記録しました平成15年の14号台風等においても確認しておるところでございます。
樋門につきましては、4ページを見ていただきますと、図示しております。これが彦名、崎津地区の国、県、市の各樋門でございます。樋門の数は、国が4基、県が31基、米子市が62基あって、合計97基ございます。県及び市は、米子市に操作を委託して、米子市が樋門操作員16名ほどでございますけれども、操作、あるいは点検等の管理を委託している現状にございます。いろいろ県においても調査をいたしまして、場所によっては、樋門の操作が、閉める操作がおくれたりして海水が確かに流入したというようなこともございました。それと、この時期は、米川からの給水や、あるいは内水、給水とか生活雑排水を含めた内水との関連もありまして、閉め切ってしまうと、今度は中の既耕地のほうが湿害を受けるというようなこともあって、非常に難しい操作があったということでございます。また、このたびのように海面が急上昇していくようなときにも、非常に難しい操作でした。このときは夜中の1時に70センチを超える警戒水位に入っておりますので、そのこともいろいろ被害につながったということでございます。
これらを受けまして、ことしの対策としまして、まず営農対策を事前、事後の対策をきちんとしていこうということでございます。昨年被害を受けた水田については、作付前に塩分の土壌調査を全て実施しておりまして、問題ないことを確認して、農家にも伝えたところでございますし、今後台風が接近通過するようなときには、事前、事後対策を徹底するようにしておるところでございます。西部農協の「そよかぜ」という機関紙に対策を差し込んだり、指導会等で随時対応していくようにしております。
次に、樋門操作員の連絡基準と連絡方法、あるいは開閉操作の改善ということで、ことしから試行しておりますが、今までは中海湖心水位だけを70センチを超えましたよという連絡ではございましたけれども、これからは台風の状況や潮の干満、あるいは満ち引きの情報等も含めて、関連情報も含めて伝達するようにしました。それと、伝達水位が70センチということでこれまで一義的にやっておりましたけれども、70センチに達するか、超えると予想した時点で連絡するようにしております。それと、深夜であっても連絡しておりましたけれども、深夜に70センチに達すると予想される場合は、あらかじめ夕方までに1回連絡しておくと。さらに、70センチ超えた時点でも連絡するという対応に変えております。伝達方法も、今まではリレー電話でございましたけれども、ことしからは各操作員が指定された、主にメールが多いですけれども、携帯メール等で一斉送信という形にしておるところでございます。樋門の開閉操作については、特に台風等が接近通過してくるときには、進路図等で大体わかってきますので、その場合は、水路の状況も見ながら、個別に水路の状況が変わりますので、海水が逆流していく場合は全閉を徹底するというようなことを徹底しております。ことしも6月の19日、7月の4日、5日、それときのうときょう、既に70センチを超えております。きのうについては、大潮とも重なりまして、84センチというような形でかなり高い潮位を記録しておりますけれども、伝達方法等はスムーズにいったと。今のところ問題はないということを米子市から確認を受けておるところでございます。
樋門の修繕等については、昭和60年とか61年に一斉に設置された樋門が多うございまして、開度計が壊れているものとか、開閉の目安になる量水板等がない樋門がありますので、必要な壊れている開度計については、既に米子の県土整備局で修繕対応をされておりますし、量水板については地元と相談しながら設置する予定でございます。
◎上村委員長
続きまして、議題12、鳥獣被害対策の取り組み状況について、神野鳥獣対策センター副所長の説明を求めます。
●神野鳥獣対策センター副所長
資料5ページ、6ページをお願いいたします。本年度4月から八頭庁舎に鳥獣対策センターが発足しております。全県の対策拠点といたしまして現場と密着した取り組みを行っているところです。本日は、平成24年度の被害状況と25年度の取り組み内容について報告いたします。
まず、平成24年度の被害状況でありますが、全体の被害額としては、資料の下のグラフにもありますように、平成23年度以降は少ない状態で推移しております。平成24年度は7,200万円と、若干前年よりはふえておりますが、ほぼ前年並みの額となっております。イノシシ被害については、県下全域で被害が発生しておりまして、侵入防止柵を設置した圃場では少なかったのですが、被害額として4,400万円と、前年より17%増加したという状況であります。それと、有害捕獲数についても、前年より26%増加しておりまして、イノシシはまだたくさん生息しているという状況であります。鹿被害については、八頭地域において林業被害、造林木の食害で1,600万円の被害が出ておりまして、前年より増加しております。有害捕獲数も2,400頭余りと、八頭以外の地区で前年より多くなっておりまして、これも生息が拡大していると見られますので、全県的な取り組みが必要となっていると考えております。
続きまして、6ページの本年度の取り組みについてであります。主な取り組み内容といたしましては、鹿被害の対策を強化して行っているところでありまして、まず、効率的な捕獲ができる鹿自動大型囲いわな、これは数を感知して自動で捕獲する新しいタイプの囲いわなでありますが、これを現地実証、7月4日に八頭の鍛治屋地区に設置いたしまして実証しているところであります。また、ことしから鹿の緊急捕獲対策といたしまして、県全体で年間3,000頭の捕獲を目指して、活動経費を上乗せして推進しているところであります。これまで鹿の捕獲奨励金として1頭1万円で支援しておりますが、それに加えて緊急捕獲対策として、最高8,000円の活動費を上乗せして推進しているものであります。広域的な連携につきましては、本年度、中国5県による中国地域野生鳥獣対策ネットワークが7月9日に発足式がありまして、スタートしております。今後具体的な取り組みについてこの中で検討していく予定であります。中山間地支援につきましては、イノシッシ団による侵入防止柵設置の支援を引き続き実施しておりまして、最近では7月14日に日野町下榎地区で実施したところであります。その他、ジビエの消費拡大に向けて、獣肉解体処理研修会をこの7月9日に実施して、技術者の育成を図っているというところであります。その他、引き続き人材育成ですとか、捕獲従事者の育成ですとか、被害情報の収集、提供等の取り組みを行っていく予定であります。
最後に、補助事業についてでありますが、以前は県と国の2本立てで行っておりました。ことしから緊急捕獲等対策事業として、国の基金による県協議会の事業が新しく加わっております。中身は先ほど鹿の3,000頭の捕獲を目指すということで御紹介いたしましたが、その鹿有害捕獲の活動経費について、この事業で支援しておりますし、ハードでは侵入防止柵の機能向上も要件にして支援しているところであります。なお、県の事業につきましては、本年度から侵入防止柵の設置、2個以上という要件でありましたものを、中山間地域にも対応できるように、市町村特認であれば1個でも活用できるようにということで緩和して支援しているところであります。
◎上村委員長
農林水産部の報告が途中でありますけれども、時間が参りましたので、休憩にしたいと思います。再開は、午後1時という予定にします。よろしくお願いします。
午前11時57分 休憩
午後1時01分 再開
◎上村委員長
それでは、午前中に引き続き議事を進めたいと思います。
議題14、湖山池から湖山川下流部における魚の大量へい死について、議題15、美保湾ギンザケ養殖事業化実証実験の結果と今後の事業化について、議題16、海の森づくり事業(藻場造成事業)の現状~豊かな海づくり事業~について及び議題17、泊漁港未利用地の有効活用について、岸本水産課長の説明を求めます。
●岸本水産課長
それでは、8ページをお願いいたします。湖山池から湖山川下流部における魚の大量へい死についてでございます。
湖山池から鳥取港までの湖山川、2.6キロでございますが、7月9日の早朝に魚の大量へい死が確認されました。中心にと書いていますけれども、湖山池でも大量に魚が死んでおりました。へい死した魚ですけれども、コノシロ、ボラ、サッパ、マハゼ等の池と海とを行き来する魚種が中心でございました。これに対しまして、9日、確認されたその朝からですけれども、鳥取市、また漁協と共同でへい死魚の回収に当たったところでございます。合計で37トンのへい死魚の回収を行い、処分を行いました。今回のこのへい死でございますけれども、湖山池の中、また湖山川の中の貧酸素化による酸欠が直接原因と考えているところでございます。なお、この貧酸素化した原因についてですけれども、急激な水温上昇による温度躍層、水温躍層とも呼ばれますけれども、また塩分濃度による塩分躍層の発達、また植物プランクトンの増殖などの諸要因が重なったものと分析をしているところでございます。こういった事態の対策ということで、実は塩分濃度を下げるという取り組みをしておったわけでございます。一時的にですけれども、湖山の水門を全開をいたしまして、海水を流入をしているという状況でございます。溶存酸素を回復させる措置を現在も講じております。22日の現在の時点で書いていますけれども、その後、現在においても新たな大量へい死は確認はされておりません。なお、塩分抑制ですね、その2,000から5,000という、そういう塩分の抑制、また貧酸素化の対策ということで、水門操作、今は全部あけていますけれども、今後また水門操作を開始をしなければいけませんが、その際には夜間操作も含めた24時間体制で臨みたいと考えておりますし、また、川の中、池の中への酸素供給装置の設置を検討しているところでございます。
次の1番のところ、写真をつけさせていただいております。
2番で、湖山川の溶存酸素の状況でございます。川の中の4地点に測定器を入れて測定をしたものでございます。前日の8日は比較的数字が高くて、特別厳しいという状況ではないのですが、9日の朝7時に測定をいたしますと、0.00から0.73ということで、湖山川全体で大変厳しい酸欠状態だったということがわかります。湖山池の中の貧酸素化の原因、先ほど若干振れましたけれども、急激な水温上昇、7月8日が梅雨明けということで、急激な水温上昇もございました。水温が上がりますと、もう酸素の溶け込む量が減ってきます。例えば0度の水と30度の水を比較しますと、約半分になります。冷たい水のほうがたくさん酸素が溶け込むということがございまして、急激な水温上昇も貧酸素の原因となるというものがございました。また、塩分躍層もございまして、下のほうに酸素が行かないということもございます。また、川から酸素が入ったとして、塩分が含んでいますので、低層部のほうに若干でも酸素が行くことはあるのですが、それも有機物の分解によって低層部での溶存酸素の消費もあるということで、それが酸欠状態にもつながると。また、小雨での河川水量の減少によりまして、河川からの酸素の供給量も少なかったということもございます。また、梅雨が明けて水温上昇もありましたので、植物プランクトンが大量にふえました。そういうことによります、呼吸による酸素の消費などが要因として考えられているところでございます。などとここに書いておりますけれども、いろいろと要因がございまして、例えば梅雨が明ける前に雨が降りましたけれども、結構いろいろと有機物が流れ込んでいるようでございました。窒素とかリンの数字も高くて、そういったものが入りますと、プランクトンの増殖につながるということもあります。また、7月6日の午後から7月9日の12時まで、順流でございました。実は夏場というのは海から水が入りやすいのですけれども、どういうわけか7月6日の午後から7月9日の12時、正午までは順流でございまして、水が出るばかりということで、海から酸素が入らなかったということも影響しているのではないかと、そういったような要因が重なったと分析をしております。今回のへい死ですけれども、先ほど順流と言いましたけれども、湖山池の中での発達した貧酸素水が湖山川に流れ込んだということで、湖山川で大量の魚が死んだと分析をしております。なお、へい死発生後ですけれども、溶存酸素が回復するまでということで、これは塩分濃度が上がるという懸念はあるのですけれども、第1樋門、第2樋門、また船通しとも今全開にしておるところでございます。
3番のへい死魚の回収でございますが、そこにありますように、37.4トンを回収し、処分いたしました。
4番のところの今後の対応でございます。7月12日に庁内会議を開催をいたしました。そこで、当面は全開放で溶存酸素を確保しましょうということですが、いずれはまた水門操作を開始いたします。その際には、24時間体制できめ細かい水門操作を行おうと考えております。現在は朝6時から夜の8時までその操作のための人が配置されています。それ以後も人を置こうというものでございます。それと、池の中、川の中へ酸素供給装置を設置しようということを検討しているところでございます。
それで、別紙というのがあると思います。農林水産商工常任委員会提出資料の別紙でございます。同じタイトルで、湖山池から湖山川下流部における魚の大量へい死についてということで、資料を1枚用意させていただいております。1ページでございます。
酸素供給装置につきまして、いろいろと検討を進めておるわけでございますが、今回のこの大量へい死、また後日その7月12日にシジミの調査を行ったのですが、場所によっては4割のシジミがへい死しているということがわかりました。特定の地域なのですけれども、それ以外のところはおおむね9割方残っているのですが、そういう大変厳しいところもございました。そういったところを中心に酸素供給装置を置こうということで準備を進めているところでございます。
2番のところに、地図をつけておりますけれども、赤い印をつけている湖山池の中と湖山川に置きたいと考えております。湖山池のところ、瀬地区のところでございますけれども、そこでシジミがたくさん死んだと、へい死したという箇所でございます。湖山川につきましても、魚類のへい死が最も多く確認された区域でございまして、そこで検証したいと考えているところでございます。
設置の期間でございますけれども、おおむね10月末、とりあえず10月末というものを一つ考えているところでございます。夏場が貧酸素が発生しやすいということで、10月末というのを考えております。
このWEPシステムはどういったものかといいますと、国の独立行政法人の土木研究所等で開発された機械でございまして、高濃度酸素水を吐出するということで、ぶくぶくぶくぶく酸素を出すというのではなくて、池の水、また川の水を一旦取って、それに高濃度の酸素を詰め込んで出すという、そういう装置でございます。
4番に必要経費のところでございますが、予備費で対応させていただきたいと考えておりまして、916万4,000円でございます。欄外に記載しておりますけれども、湖山池にかかわることでございます、鳥取市と折半の予定でございます。
効果検証につきましては、栽培漁業センター、また衛生環境研究所でそれぞれ実証したいと考えているところでございます。
それでは、もとの資料にお戻りいただきまして、9ページをお願いいたします。美保湾ギンザケ養殖事業化実証試験の結果と今後の事業化についてでございます。
日本水産の子会社であります臨海研究株式会社のほうでギンザケの養殖の試験が実施されておりまして、2年目の養殖試験が終了いたしました。この2年間の試験結果から、鶴岡所長からは、三陸に比べて非常に成長がよく、鳥取の海の力を感じていると、事業化に意欲的でございまして、ニッスイグループとしても採算性が得られる2,000トン規模の生産量の実現を早期に図りたいと、そういう意向だと伺っております。
この2年間の結果でございますが、1番のところに表をつけております。海面のところに生産量という欄がございますが、1年目は200トンを目指しておりました。それに対して112トンという実績でございます。平均体重は、1.8キロに対して2.1キロということで、短期間でございましたけれども、大変大きく成長したという結果になっております。2年目につきましては、900トンの計画でございましたけれども、471トンということで、大きく下回っているところでございます。これにつきましては、その下に丸で3つありますが、その最初でございます。2年目は大きく目標を下回ったわけですけれども、東大山の内水面の養魚場があるわけですけれども、そこの渇水がございまして、稚魚の生産に大変影響が出たということがございました。それと、また、成魚の出荷を1.5カ月早めたということで、具体的には3月14日から出荷といいますか、ということで、昨年が4月末からでしたので、大変早く出荷をしたということで、魚体が小さかったということが理由として上げられております。2つ目の丸でございますけれども、日本海の荒波を避けるということで、生けすごと船で引っ張って海岸に接岸して水揚げするという方法を試験をいたしまして、大変生産性も向上し、また安全性も向上したという結果になっております。また、量販店バイヤーの評価は非常に高くて、生食用のフィレや柵などの加工品の要望が多数あるということでございます。
今後の計画ですが、3年目、4年目、5年目、それぞれ800トン、1,000トン、1,000トンという見込みといいますか、計画でございまして、これに対しまして大きな課題がございます。内水面の養魚場の規模拡大ということで、2年目のときに東大山の養魚場の渇水ということがございましたので、その辺の対策が必要だということと、あと、また、さらに新たな養魚場をということで、今、明高紅岩地区を検討中でございます。これも平成27年度に本格整備を予定しておるところでございます。あと、加工場の整備ということでございまして、養殖規模の拡大、また量販店からの希望も受けまして、新たな加工場の施設整備が必要になっております。ニッスイでは、ギンザケだけではなくて、他の魚種の加工、また商品化を含めて検討を進めているというところでございます。
10ページに、別紙としていますけれども、ちょっと写真をつけさせていただいております。境港サーモンということで命名をして売り出しておるというところでございます。
また、10ページの下のほうは、地元でのギンザケ試食会ということで、マスコミにも取り上げられましたけれども、地元でも大変評判でございます。
それでは、11ページをお願いいたします。海の森づくり事業(藻場造成事業)の現状について~豊かな海づくり事業~についてでございます。
平成15年度から漁業者が中心となりまして、多年生の海藻でありますアラメを移植するということで取り組んでまいりました。全国豊かな海づくり大会を契機に、県民の海の環境に対する関心が高まっております。本年度も昨年同様に高校生、また一般ダイバーを交えて、県民参加型の海の森づくり事業というものを実施をしたところでございます。
今年度の実施状況ですが、5月20日からスタートいたしまして、7月17日の赤碕地区の設置をもって移植は終了しております。あとはその翌週にかけまして経過観察等を行うものでございます。
高校生との共同の作業でございますが、2番のところに記載をしております。5月20日に大山町の平田海岸沖で実施をいたしまして、境港市総合技術高校の3年生7名、教諭2名、県漁協の淀江支所の漁業者4名、また栽培漁業協会の職員2名ということで実施をしたところでございます。高校生からは、移植の際、息が続かず大変だったが、ちゃんと苗をつけられてよかった、うまく育ってほしいという感想が寄せられております。
その下ですが、一般ダイバーとの共同作業、浦富と田後で実施をいたしました。ダイビングショップ「Blue Line 田後」の職員1名に参加をいただいたところでございます。ふだんダイビングスポットとして利用させてもらっている海に対し恩返しをしたい。移植したアラメが大きく成長し、生き物がふえたらよいと思うという感想をいただいております。
全国豊かな海づくり大会の意義、成果を後世に継承するということで取り組んでおりますので、引き続きこういった取り組みを続けてまいりたいと考えております。
それでは、12ページをお願いいたします。泊漁港の未利用地の陸上養殖による有効活用についてということでございます。
県管理の泊漁港におきまして、未利用地となっております土地の有効活用、有効利用を図るということで、井戸海水利用の陸上養殖事業者を募集し、決定をするところでございます。
公募に至る経緯でございますが、水産業の強い産地づくりということで、昨年度からですけれども、井戸海水のメリットを生かした養殖事業ということで、栽培漁業センターでマサバの陸上養殖の技術開発に着手しておりますし、また、県内の港湾、漁港で井戸海水の試掘を行いました。泊漁港におきまして、良質で大変水量も豊富で井戸海水に利用できると、そういう取水できるというめどが立ったところでございます。県内企業からも大変強い関心が寄せられたところでございます。また、本年度から国の方針によりまして、未利用地を有効利用するために、民間事業者が養殖施設等を設置することが可能となったところでございまして、以前でしたら、目的外利用云々という話になっていたわけですけれども、そういったことがなくなったというふうなことも受けまして、今回陸上養殖事業により用地の有効利用を図るということで占用をさせようということでございます。
2番のところの事業用地の概要でございますが、面積といたしまして5,685平米が対象となっております。右下の地図で、赤い色をつけているところでございますが、ここが対象でございます。
3番のところの主な応募資格で、県内に主たる事務所を置く法人ということで募集をかけたところでございます。
スケジュールでございますが、もう既に7月24日の募集締め切りが終えております。2社から応募がございました。今後はその陸上養殖事業評価委員会によります評価結果等を勘案いたしまして、事業予定者を決定するという段階に入ります。9月の末には事業着手の予定ということでございます。
その他でございますが、先ほど5,685平米の土地と言いましたけれども、利用希望の利用面積等を勘案いたしまして、1社だけを選定するのか、また複数を選定するのかということはこれから決定をしていくということになります。また、ルール上は、その占用許可を受けた日から1年以内に陸上養殖事業に着手しなければならないという、そういうルールになっているものでございます。
私ども水産振興局といたしましても、しっかり軌道に乗るようサポートしていきたいと考えております。
◎上村委員長
それでは、ただいまの説明につきまして、御質疑等がありましたらどうぞ。
○銀杏委員
9ページの美保湾ギンザケ養殖事業化実証試験なのですが、計画どおりに生産ができなかった理由が真ん中あたりに書いてありまして、成魚の出荷時期を昨年より1.5カ月早めたということが報告があったのですけれども、なぜ早めたのか、これからずっと早めていくのか、理由とか、そういうのをきっちり言ってもらわないと、現象面だけ報告を受けてもちょっと困るのですけれども、お願いします。
同様に、この6月の常任委員会でも湖山池のことが結構問題になりまして、それで今回もやはり現象面だけの報告で、一体これからどうなるのかということも何もなくて、委員としてはちょっとわからなくて困るのです。やはりこのWEPシステムというのですか、こういうのをこれから常時、年中なり、毎年大量に何基も設置するような必要があるのかどうなのかとか、見通しなどもやはり報告がありませんでしたし、そのあたりについて、しっかり話を聞かせていただきたいのですが、いかがでしょうか。
●田中水産課水産振興室長
今の銀杏委員からの質問でございますけれども、ニッスイさんからは、いわゆるマーケティングの関係、販売取引業者から早く出荷してほしいというニーズもありまして、どの程度の価格になるものかというのの検証もありまして、早目にことしは出荷したということを聞いております。
湖山池のほうでございます。WEPシステムの導入につきましてですが、ことしはWEPシステム、いわゆる実証事業的な位置づけでやっておりまして、これもここのシステムが今だったらもう緊急に対応できますよということがあったものですから、県としても何とか早急に対処したいということがございまして、ことしは実証事業的な位置づけで、試験的な意味合いもあって、10月末をめどに実施するということです。来年度以降につきましては、ことしの成果を見てまた検討してまいりたいと思っておるところです。とにかく県としては、このような大量へい死が今後二度とあってはいけないと思っておりますので、水門操作も含めて慎重な今後対応をしていきたいと思っておるところでございます。
○銀杏委員
わかりました。要するにギンザケの養殖に関しては、生産量が減ったことは何ら問題がないということですよね。そう言っていただければいいわけですが、何かこのように書かれると、何が問題があったように聞こえたものですから、聞きました。
湖山池ですけれども、どうもやはり執行部の中ではこの塩分濃度を上げる事業を進めていて、そうした中で、今回大量の魚と、さらにふやしたいと思っているシジミも大量にへい死しているという結果を受けて、まだ今後どうしていいのかわからないと思っていらっしゃるのだろうなと私は推測をしていまして、この事業自体が本当にこのまま続けていいものなかどうなのか、まだ悩んでいらっしゃるのではないかと思いました。今のままでは、来年度もやはりこういう事態が起きるのだろうと予測もされていると感じたわけですけれども、それで間違いないですか。
◎上村委員長
答弁お願いします。
●岸本水産課長
水門をあけたのが昨年の3月でした。塩分濃度を入れるということで、ヒシ、アオコを消さないといけないということで、そういうことは確かに達成もできております。ただ、湖山池ビジョンで豊かな生態系を目指すことにもなっておりまして、確かに豊かな生態系は実現しつつあったのだろうと思うのですけれども、今回こういう事態が発生したというところでございます。来年度もこういった事態が発生するかどうかということでございます。先ほど申しましたように、いろんな原因が重なったということでございまして、同じ状況が重なれば、また同じことが起こるかもわかりません。これは全くわからないというのが正直なところでございます。ただ、先ほど来、塩分濃度を下げる取り組みというふうに言いましたけれども、塩分濃度が高いということが、実は貧酸素を発生しやすい状況にもなります。真水と海水とでは、酸素の溶け込む量というのが違ってきまして、塩分濃度が低い方が酸素がたくさん溶け込みますので、そういったような意味合いで、それはやはりしっかり塩分濃度を下げる取り組みというのもしていかなければいけないと思っております。
○銀杏委員
一方で、湖山池に流入する河川の水の量が渇水状況で少なかったということも、たしか前回、原因として上げられておったわけです。一方で、陳情として、もとあったような千代川から湖山池に水を供給するような格好に戻したらどうかという陳情も出てきておるわけでありまして、こういう事態になると、個人的にはそういったものも非常に価値あるものかななんて思ったりもするわけですね。いうことで、現在は現状の報告だけしかしようがないのかもわかりませんけれども、もう少しよく分析をして、農林水産部として今後どのような対応をとっていくべきと考えるのか、また早急にまとめていただきたいと思います。
●田中水産課水産振興室長
今の御質問についてですけれども、千代川のつけかえが原因で、いわゆる湖山池の淡水化、それから、それを経て汽水化に至ったということではありますけれども、それをまたもとに戻すというようなことは、なかなか現実問題として非常に難しいと思っておりまして、県としては、今とり得る対策をできることをやっていって、塩分を下げる方向で対処していくしかないのではないかと思っておるところでございます。
今後の湖山池の水産振興につきましては、本当に先ほど申し上げましたけれども、二度とこのようなことがあっては、もう漁協の関係者の皆様も非常に今回ショックを受けておられますので、もう本当にこのようなことがないように、水門操作だけではなくて、もういろんな意味で水産振興対策も含めて、何とか水産資源が維持できるような方策をでき得る手を打っていきたいと思っておるところでございます。
○銀杏委員
最後に1件。日本一の池が湖山池ということで、地元鳥取県では誇りにしておるわけでありますけれども、そこでそうした生物がどんどんへい死をしていくということで、WEPシステムのような人工的に酸素を吸入するような、そうしたものをつけておかなければいけないような池というのは、私としては考えられないなと思っていまして、抜本的な対応をぜひとも早急にまとめていただきたいと思います。
◎上村委員長
要望ということですので、よろしくお願いします。
○砂場委員
これは湖山池からの漁獲量という、年間何トンぐらいなのですか。どういう魚種で何トンぐらいなのですか。
◎上村委員長
わかりますか。
●岸本水産課長
済みません、今ちょっと持ち合わせておりません。またお持ちしますので。
○砂場委員
ここが福祉生活の委員会だったら、こんなことは言いませんけれども、ここは農林水産で水産業の振興を議論している場所でしょう。そしたら、湖山池で37トンの魚が死んだと、これが漁業にどれぐらいの影響を与えるのかというのは、そういう把握があって当然だと思うのですよ。この報告を見ている限りでは、何トン死にました、その原因はこうでしょう、これは本当に農林水産部の報告なのですか。皆さんたちは、こういうことが起こったことが、湖山池の水産業にどういう影響があるかをまず考えなければいけないのではないのですか。その担当課が、何トンの魚がとれているかもわからなくて、委員会に報告するというのはおかしくないですか。西山農林水産部長、どうですか。
●西山農林水産部長
今回、37トンという大漁の魚がへい死いたしましたけれども、通常年であれば活用をされていない、漁獲をされていない魚の種類と思います。一部スズキが入っておりましたけれども、それぐらいではないかと。それ以外のものについては、コノシロ等については、従来、活用していないと聞いております。
先ほどに関連をしますけれども、水門操作の方針については、前回も連携をよくよくとるようにというアドバイスをいただきまして、すぐさま統括監のもとでチーム長会議等をずっと続けております。その中で、今回のWEPシステムを緊急的にこの夏を乗り切るために設置をしていこうと。宍道湖等で実績もあるということで取り組むことにいたしました。
秋以降、来年の春までについては、溶存酸素が入りやすい時期ということがあって、冬場の体制をしっかりととって、来年についてはこういうことが二度と起きないような仕組みづくりというのをチーム長会議等で、これからも検討を繰り返して、重ねていくという方針であります。
○砂場委員
だから、要するに僕らがここで欲しいのは、今みたいな資料がまず出てこなければいけないのじゃないかと。湖山池では、こういう魚種がこれくらいとれていて、今回はこういう被害が出たと。ついては、水産業にとっては被害はありませんという報告ならわかるのですけれども、これは、これだったら生活環境部の資料です。ということをまず指摘をしておきたいことが1点。
それと、皆さん現場に行かれましたか。僕は行ってびっくりしたのは、小さい川にフナとかコイがすごい遡上していて、フナは今、水産業の一つですよね、石がま漁とかとるやつが、あれのことが全く報告がない。あれは、小さい川は上がり方が物すごかったですね。もう水面が見えないぐらい魚がいっぱいいて、あの対策だとか、その報告というのはきょうはないのですか。あれで魚たちに影響があるのかないのか、水産業の影響があるのかないのか、その報告はないのですか。
◎上村委員長
そのことについて、どういうお考えですか。
●田中水産課水産振興室長
フナやコイへの影響ですけれども、フナやコイは、いわゆる貧酸素化、湖内全体が今回、貧酸素化になっているという状況だと思っておりまして、それを避けて今回は河川に遡上してきたのではないかと思っております。
今々ですね、コイやフナが大量へい死しているという状況はございませんので、コイ、フナの漁業に今回の貧酸素化が直接的な影響を与えるとは、今のところは判断しておりません。
◎上村委員長
もう一つ、魚種ごとの年間どのぐらい漁獲量があるかというのは、きょう帰るまででいいですけれども、なるべく早く、調べてください。
●田中水産課水産振興室長
はい、わかりました。ええ、ちょっと正確には覚えておりませんけれども、いろんな魚種ですけれども、湖山池で一番多くとれたときが58トンぐらいの水揚げがあっておりまして、最近は、去年、塩分を導入するということで、ほとんど数トン以下というか、環境が激変したということでもう非常に低い、水揚げ事態はそんなにない状況でございます。また、正確にはお渡ししたいと思います。
○砂場委員
現場を見られましたか。
●田中水産課水産振興室長
はい、現場、見ました。
○砂場委員
魚が大量に遡上していて、その上に出ていた魚とかもいましたよね。
●田中水産課水産振興室長
はい。
○砂場委員
あれを見て、生態に全く影響がないと言い切れるのですかね。あれを見たとき、僕はもうびっくりしました。
●田中水産課水産振興室長
実際密集すると、魚体に傷がついて病気を併発するとかという懸念はありますけれども、ただ、密集しているからといって、そういう状況が起こるかというと、何とも言えない状況でございまして、コイ、フナにつきましては、ちょっと当面様子を見ていくしかないのかと思っております。
○砂場委員
その密集がすごくて、小さい何か水路みたいなところにも入っていて、飛び出して、田んぼとか道まで出ていて死んでいたでしょう。あれを見て、そう言えるというのは信じられないので、見ていて、これは何とかしなければと思いませんでしたか。浮いている魚もいたでしょう。
●田中水産課水産振興室長
はい。
○砂場委員
あれを見ながら魚は死なないよと、あれだけすごい状態で、こうやって自信を持って見守るしかないと言えるのがもう理解できなくて。もう感覚でしかわからないのですけれども、やはりあれ見て何も思わないのですか。あれを見て大丈夫と言えるのですか。
●田中水産課水産振興室長
上流の湖山川につきましては、きょうの御説明申し上げましたWEP装置とは別の酸素供給装置を置いておりますので、それの効果もある程度あるかなというふうに思っておりまして、それもちょっと今後、また状況を見ながら、上流の河川のほうの酸素供給といったことにつきましても、また検討はしていきたいというふうに思っております。
○砂場委員
もともと湖山池の漁業というのは、淡水性の生物が中心に行われていて、それを塩分濃度を上げて、本来そこにはヤマトシジミはいなかった、シジミはマシジミしかいなかった。そのような中でヤマトシジミをふやそうという計画だったわけでしょう。今回、ヤマトシジミの状況も、この影響がどうなると報告も何にもないのだけれども、やはり一番大きいのは、知事も言っていたように、生態系を変えたということですよ。もともとは淡水湖であるものを汽水湖に変えて、生物多様性が出るなんていうのは、それは別の種に置きかわるだけであって、汽水湖などは非常に難しい塩分管理をやるのに、あんな単純な水門しかなくて、上からはギロチン式の水門で、いろいろ汽水湖で管理しているところは、中海などは上と下から上がるようなものだと、いろんなものを工夫しているではないですか。何にもないままにやってしまった。一番大事なことは、塩分濃度が変わることで、どのような水産業に影響を与えるかという話だったけれども、生活環境部はある程度のシミュレーションをしていたけれども、その情報がこちらには入っていなかった。
そういう状況の中で、今回チーム会議をつくった。だったら、もっとそういう話が出てくるのかと思ったのだけれども、例えば鳥取県の水産業に対しては、塩分濃度をこれくらいにしないとこのようになると、このようなシミュレーション、こうでしたよと、だからこうするのですという話があったけれども、きょうの場合、聞いていると、水門もそのまま、何もやらなくて、ただ見守ります、それでもう来年は起こりませんと、そういう保証はできないと思うわけですよ。やはり科学的検知に基づいて、ある程度のシミュレーションをして、どうしたら塩分濃度が落ちるのか、それは水門をどうしてやるかという案で、具体的な案が出ないと、来年、何か言われているけれども、絶対同じことが起こります。基本的には塩分濃度が上昇したことで塩分躍層が起こったことは、この原因だというような鳥取大学の先生、何人かおっしゃっていて、もしそれが間違いであるなら間違いであるという科学的な知見を示してほしいし、きょうの説明を聞いていたら、来年も何もやらないから同じです。
もう一つは、最初言われた酸素の供給、マイクロバブルをやるっていう方法もあるとは思うのだけれども、あれだってすごく限られた地域しかできないじゃないですか。湖山池は大きいわけですよ。2基あったらその周りはできるけれども、では、その湖全体はできるか。
もう一つは、プランクトンの発生だって、塩分濃度を上げればアオコがなくなります。でも、今度は塩分性の微生物がふえてきているわけでしょう。結局、根本なのは水をきれいにするという根本的なところに立ち入らないで、塩分を入れてアオコとヒシを殺してしまおうという、すごい乱暴な手法を使ったことがそもそもの問題で、今やるべきことは、もう一回シミュレーションを生活環境でやり直して、本当に塩分濃度を上げることで、この生態系がどうなったかを考えて、それが本当に湖山池の水産業にどういう影響を与えるか、これは真剣に科学的に議論しなければいけないと思うのですよね。
本当に、今言われたように、こんなことが起こらないようにやりますと、どうしてやるのですか。何の科学的知見の報告もないし、シミュレーションの結果もないし、改善案の提案もなくて、どうして来年はこんなことが起こらないようにやりますと断言できるのか、僕には理解できないですけれども、僕にわかるように説明してください。どうして来年起こらないって言い切れたのか。
○伊藤(美)委員
上村委員長。この問題について、西山農林水産部長に問いたいですけれども、どうも一連の動きを見ていると、ちぐはぐで何かしらやってみたらだめで、こうやってみた、こうやってみた、まだ、これだったら塩分濃度が上がって、今度は関係ないでしょうというか、塩害の話も今度はここに出てくるでしょうし。そうすると、行き当たりばったりで一つの絵が描けていないのだ。ちょっとその辺は西山農林水産部長、やはりきっちりと整理して、それは砂場委員の言われるのは当然だから。ですから、一体どっちのほうに向いて湖山池を向かっているかというのは、よくわからないことがいっぱいあるのだ。誰がこの湖山池を、何ですか、900万円の機械を入れて、2カ所でどうだ、それはそんな話が通用するほど自然は甘くはないですよ。何百台も入れないとあそこはそういう話にならないでしょう。そうすると、もっと抜本的にもう一回、一からやる構えがみんなに、市民、県民にわかるようにやはりしないといけない。この委員会でさえ何回も聞きながら、何かちぐはぐ、やってみてだめだったらこちら、こちらがだめだったらこう、そういう話ばかりが出てくるのだ。そのあたりは西山農林水産部長、どう整理するのですか。
●西山農林水産部長
基本的な流れについては、湖山池会議でその方向性を出して、そのビジョンに基づいて管理をしていこうと、第一目的はやはり環境の改善ということであります。
その中で、ことしの天候、降雨、それから積雪の関係で、春先の塩分管理がうまく調整ができなかったということで、周辺からも塩害の被害等もあったりして、その対応で下げる方向で調整をずっとして、そういう管理をしてきております。
今回の湖山川の大量へい死につきましては、これは岸本水産課長はいろいろと要素のことを説明をいたしましたけれども、やはり主要因は酸素がなくなったということです、溶存酸素がなくなった。これが梅雨明け直後の夜間に生じまして、それが12時間ばかり続いて呼吸ができなくなると。それに伴ってシジミも、場所によってはですけれども、少ないところは5%とか、1割とかというへい死の状況ですけれども、多いところでは4割ぐらい、これからの産業化を考えたシジミもへい死をしてしまったと。特に今回、シジミのへい死が多かったエリアというのは、鳥取大学の附属中のちょっと南側にあります瀬地区の周辺地が4割ぐらいの被害を受けたと。その対応も含めまして、新しい技術を緊急的に持ち込んで、シジミを中心にして生存確保を図りたいというところの目的であります。
この溶存酸素につきましては、水流がある程度維持ができれば、溶存酸素量がふえるということがわかっておりますので、塩分濃度を下げたいという中にあっても、生物を守るために、今回、緊急的に水門をあけて流量を確保しようという動きを暫定的に今行っております。
今後も9月の議会に、これは生活の予算になると思いますけれども、溶存酸素の観測点をふやしていく、そういう機器をふやしていくということも今検討しておりますし、前に銀杏委員からも御指摘をいただいております周辺の塩害につきましても、今、市と調整をしておりますけれども、市に対応の基金をつくって、それで県と市とで協力して運営をするという対策を今検討し、調整をしておるところであります。
全体を通しますと、東郷湖並みの塩分管理をし、環境モニタリングをしながら生態系を監視をして、美しい湖山池に変えていこうということが大目的であります。うまくいっていないところは塩分濃度管理のところだろうと思いますけれども、これについては、なかなかやはり気象要因等、うまくこなすことができなかったというところは、指摘のとおりに反省すべき点だろうと思います。このあたりは前回も御指摘をいただきましたけれども、庁内でよく連携を図って進めていきたいと思います。
今回のWEPのシステムについては、水産課からの予算設計をしてやらせていただきたいと考えています。
◎上村委員長
伊藤委員、よろしいですか。
○砂場委員
対策として、結局、水門を全部あけますよね。もともとあそこは水門は閉まっていて、淡水湖だったものをあけて塩分濃度を上げたわけですよ。そうすると、また水門をあけていて、必要なのは水門の全開ではなくて、きめ細かな操作だろうと思うのです。全開ですとまた塩分濃度が上がるでしょう。そしたら、確かに酸素の溶存酸素量を考えるときに、やはり一つの問題は塩分躍層が起こっているだろうという推測がつくのに、またやっていて、また塩分濃度を上げることになるのではないですか。そこのところで、流量は確保しなければいけないのだけれども、そこはやはりきちっと管理をされたほうがいいと思うのですけれども、本当に全開でいいのですか。
◎上村委員長
どうですか。
●岸本水産課長
今は全開にしております。あくまで緊急的にといいますか、川と湖山池と、もう全体で貧酸素という状況でありましたので、あくまで緊急的にという取り組みでございます。
先ほど申しましたように、これはいつまでもあけっ放しにしておくということではございませんので、また水門操作は開始いたしますし、夜間も含めた24時間体制であそこは取り組みたいと考えております。
◎上村委員長
いいですか。
ほかにございませんか。
○内田(隆)副委員長
済みません、2点、お願いします。先ほどの続きで、ギンザケなのですけれども、上のほうの棒サインで、ニッスイグループの採算性が得られるのは2,000トン規模と書いてあって、その課題のところで、美保湾の最終生産量は約1,000トンと書いてあって、ここに数字の乖離がうまく理解ができなくて、説明をしていただければというのが1点あります。
それと、先ほど報告いただいた中海の高潮に対することしの対応状況というところ、2ページからですけれども、これはすごい非常に丁寧に調べていただきまして、課題がきちんと抽出できたのではないかと思います。
これから、その対応策を考えていくのでしょうけれども、私も早速この水門を誰が管理していて、どのような管理状況になっているのかというのを、米子市を通じて担当員さんとかに話を聞かせていただきました。それで、そこで上がってきたことは、やはり説明がありましたけれども、深夜になって操作が大変であるとかという、ここに対応策が書かれていたようなことでした。ただ、これはある意味、ガス抜きにしかすぎずに、抜本的改善にならないのではないかと私は思います。
まず、第1点、ちょっと聞いてみたいのが、崎津と彦名で、米子市から樋門の操作員さんとして委託を受けていらっしゃる方たちが何名もいますが、支払い形態に差があるのというのは御存じですか。多分御存知ではないのかもしれないですけれども、崎津のは個人さんに払われていて、彦名は実行組合さんに払われているそうです。その実行組合さんから個人に払われてはいない。まず、この体系がばらばらなのですよね。かつ、県の委託、市の委託、国の委託という料金形態も違うそうです。だから、ここで統一的に一個一個していかないと、すぐにするのは難しいでしょうけれども、何かしら統一したものをつくっていかないと、非常にいけないのではないかと思います。だから、それは何がいいかというのは、地元の方とヒアリングをしっかりされているでしょうから、これからいろいろあると思うのですけれども、その中でしっかりと話されて、ケース・バイ・ケースでやってもらえばいいやということじゃなくて、制度としてしっかりしたものをつくるべきだと思いますけれども、まず、ここを聞かせてください。よろしくお願いします。
◎上村委員長
ギンザケのほうから先行きます。水産課長、2,000トンという表現と中身が違うということ
については、いかがですか
●田中水産課水産振興室長
この最終生産量約1,000トンといいますのは、ちょっと表現に誤解があるかと思いますけれども、いわゆる4年目、5年目の計画に対する1,000トンということでございまして、ニッスイさんのほうは採算ベースというのは、あくまでも最終的にはもう2,000トンということを考えておられます。いわゆる、この2,000トンまで持っていくにつけても、この1,000トンでさえなかなか内水面養殖場で、今のところ規模が足りないということですので、ニッスイさんも含めて私どもも今、可能性のあるいろんなところを調査しているという状況でございます。
◎上村委員長
それでいいですか。もう1点。
○内田(隆)副委員長
委員長、一個一個でよろしいですか。では、ニッスイのギンザケについて。
◎上村委員長
はい。
○内田(隆)副委員長
確かに内水面の適地を探していかなくてはいけないというのと、やはり事業ベースでずっとやっていかれるので、早目にここまで持っていってあげないといけないというのは、向こうのニッスイさんの事情もありましょうけれども、これは鳥取県がしっかり協力していかないといけないことだと思います。
それで、具体的にいろいろ探されて検討されておるでしょうから、どんどんどんどんいい報告をお待ちしておりますので、よろしくお願いをします。
それと、私、これは、ギンザケというのは、サケというのは本当に日本人にとって、全世界で人気がある食品ですよね。「食のみやこ」として、どのようにブランド化していくのかとか、そういう視点の話が今まで実証事業だからないのではないかと思っていました。だから、実証事業がもう3年目になりますから、これは軌道に乗ると思ってもいいのでしょうか。
そうであれば、どのように売っていくのか、そして、鳥取県はマグロというイメージは大分できてきていますけれども、サケだというイメージをどのように定着させていくのかということも考えていかなくてはいけない段階に来ているような期がしますし、これは量販店にそのままおりてしまって、結局、県内で余り食べれないよという話だったら、「食のみやこ」というのは何なのかということになってしまうので、そのあたりについて見解を聞きたいのですが、これは誰に聞けばいいのでしょうか、お願いします。
●松澤水産振興局長
まず、2,000トンの話なのですけれども、今、我が国の養殖業、とりわけ魚類養殖ですけれども、非常に経営が悪いのですよね。ニッスイの2,000トンのギンザケ養殖というのは何を目指しているかというと、世界基準の養殖をしたいということです。だから、そこは具体的にどういうことが世界基準なのかというのは、今ちょっときちっと説明することができないですけれども、多分、一定数量の規模の海面を使って、効率的に養殖業をやるということだろうなと思うのです。
企業がやる養殖がよくて、沿岸漁業者がやる養殖がだめなのだというつもりはもちろんないわけですけれども、一帯に今非常に疲弊しているのは、沿岸漁業者が着業をしている小規模な魚類養殖が非常に厳しい経営状況にあるということなので、やはり安定した経営、とりわけ魚類養殖をやるということについては、今ニッスイが目指しているような方向が一つあるのではないかと私も思っているのです。
それで、現在では国内マーケット、ギンザケは1万トンですよ。そのうちの2,000トンという地方を固めるということは、産業的にも非常に期待が広がるということなので、そういう意味での2,000トンだと、まず理解をするべきだと思います。
2,000トンに向けて一番大きな課題は、内水面の、いわゆる稚魚の養成をもっとキャパを広げていかなければいけないという問題と、もう一つは、2,000トンというような数量になると、2キロで100万尾になりますから、やはり加工しないとなかなか売れないということです。
それで、幸い地元では非常にギンザケのメニューとかということについて、随分一生懸命やっていただいているので盛り上がっている、そういうことも非常に大事なことだと思っているのですけれども、ちょっと語弊を恐れずにストレートに言うと、今のプログラムというのは、ニッスイに売って終わりなのです。これというのはちょっとどうかというところが私どもにもありまして、ニッスイグループの臨海という会社が生産するので、その臨海には、あえて言うと営業マンがいないわけです。だから、ニッスイに売って終わりということになるので、そのニッスイとの取引額が、ここでいうと生産額になるわけです。そこになると、やはり伊藤(美)委員がおっしゃるような話をしようとすると、ニッスイを交えて、ニッスイのいわゆる販売戦略の中にこういうものをどのように取り入れていくかということをきっちり話をしていくということが大事だということです。
幸いテレビ等メディアでも積極的に取り上げていただいていまして、そういう意味では、これもちょっと語弊を恐れずに言うと、東北の方というのは、いわゆる資本が入っている会社は非常に境港を気にしているのです。必ずしもネガティブキャンペーンを張るというのはちょっと適当ではないかもしれないけれども、やや成功するのをねたましく思っているというところがどうも間違いなくあるようでして、そういうような状況の中で、やはり境港がどんな戦略を打ってくるのか、どういう商品をマーケットに投入してくるのか、時期はいつなのかと、非常に注目されていると聞いていますし、そういう認識をしていますので、最後、「食のみやこ」の話になると、やはりニッスイ本体はどういう販売戦略でこれを売っていこうとしているのかというところが非常に大事なので、我々はそういうところも含めて話をしたいと考えています。
幸いに、当初は冷凍して加温して焼いてというような商品だろうと実は思っていたのだけれども、やってみると生食に十分適応できるので、商品化の販路はすごく広がるのではないかと思っているので、そういうようなつもりで取り組んでいきたいと考えております。
○伊藤(美)委員
ちょっと関連として。ちょうど局長が出てこられたから。やはり課題としては、書いてあるとおり内水面養殖場の規模拡大ですよね。ですから、鳥取県の漁業の中に、それは企業が入ろうが入らまいが、鳥取県の漁業全体がどこかの場面で、内水面養殖場というと山間部のそういうところが活性化を見ればいいことだし、それから海のほうでは、それこそ加工場あたりがどんどんできていくという格好です。そうすると、やはり基本的には内水面養殖場についての県のてこ入れというのが非常に大きな位置づけになってきます。あえてここに、明高の紅岩という地区を検討中で、25年度、一部着手と書いてあります。最近そこに行ってみられましたか。行っていないでしょ。一部着手、一番大きな課題だと言われるところに、今、何が起きているか知っていますか。この間の雨で、材木というのですか、木が物すごい沖に出ておるのですが、人間の手でなかなかこれを引き上げるのは至難のわざだと。当面、当分というか、何年かはとてもつかえないよと、そういうのが小泉川の先生の見立てで、随分写真など撮ってきておられた、見せてもらいましたけれどもね。だから、それでも一回、この養殖場のものがどういう格好になっているかというのを一回行ってみられたらいいと思います。やはり大きな課題だと思うのです。僕は海よりも、むしろここのところに課題が集積するのではないかと思います。
そして中山間地対策についても、その地域もやはり非常に大きな期待を持っていますから。ですから、これが成功するとここに若い人を呼び寄せるという、もう具体的な話も出てきていますから、その辺、紅岩でいいのか、あるいは違うところがいいのかということで、県のほうも一つの産業おこしの支援として指導すべきだと思いますが、松澤水産振興局長は現場をみておられないでしょう。
●松澤水産振興局長
いや、行きました。
○伊藤(美)委員
行かれたのですか。
◎上村委員長
よく調べてください。
●松澤水産振興局長
きのう、おととい、社長と膝詰めでいろいろお話をさせていただきまして、その話も出ました。ただ、要は水がとれるのはもうあそこだけではないかという感じですね。だから、あそこは川の水ですし、確かにいろんなものが流れてくるというデメリットもあるかもしれないけれども、もうあそこ抜きに2,000トン構想というのは無理だと思います。だから、伊藤(美)委員がおっしゃったですけれども、これから市町村とも相談して、県内の陸上養殖の適地をマッピングしていこうと思っていますけれども、サケに関する限り、この福原川の活用抜きにはちょっと考えられないと思っています。
○伊藤(美)委員
いいことを聞きました。福原というのは、あれは豊かな村づくりあたりでも随分いろいろと県としての連携した村づくりに励んでおって、今でも2軒ほど空き家があるのだけれども、非常に意欲的に取り組んで、あそこから日本海が見えるのですが。(「見えるのですか」と呼ぶ者あり)ええ、あの集落から日本海が見えるのです。ですから、まだまだあそこはもう疲弊して限界集落だという格好ではない活力がありますから、年齢的にはそういう人が多いのかもしれないけれども、だから、あそこを、明高の地域を一大内水面養殖場の拠点にするという、水が非常にいいらしいし、まだブナが随分残っているというようなことも聞きますし、多少のあれは、中山間開発の一つだと考えて、やはり大きなウエートを置いてもらうといいと思います。
●松澤水産振興局長
頑張りたいと思っています。
◎上村委員長
中海の水門管理についてはいかがでしょうか。
●俵農地・水保全課長
ゲートは、国と県と市の管理のゲートがありまして、それで国と、それから県は一回市に委託をして、それで市から操作人の方に操作委託をしているということです。
先ほどの内田副委員長が言われたように、崎津と、それから彦名で操作費の渡し方が違うというのは初めて聞きまして、また今後、参考にさせてもらいたいと思いますけれども、一応、操作費の樋門の単価なのですけれども、県と市の樋門については、聞いていますのは一般といって単価が1カ所、年間1万2,000円ですか、これはボックス型でちょっと大きいゲートはその単価です。あと簡易型といって、ちょっと丸形400とか500とかの小さいゲートだと、1カ所当たり年間3,000円と聞いています。
一方、国のゲートにつきましては、何か出勤する、出られた先に1回当たりが2,000円ですか、2,007円だったですかね、というようなことで、出勤回数、出られた回数に応じて費用を精算していくと。それから、あと月1回、点検などもしていただいて、その点検費も別途計上というようなことで、聞くところによりますと、県と市の委託しているその単価と、それから国が県等の委託費とはかなり下がるということは聞いております。
県の県土整備部の空港港湾課に話を聞きますと、やはりそのあたりを問題にしておりまして、今後、米子市とか、それから国と協議しながら、単価については見直しをしていきたいと伺っています。
○内田(隆)副委員長
そのとおりですよね。それで、ただ単価見直しをしても、これは抜本的な解決には僕はならないと思うのです。確かに制度的にきちんとしたほうがいいので、統一したほうがいいという提案で、それに対する答弁として見直そうと思いますというのは、どうもありがとうございます。ぜひよろしくとお願いしますということと、あと、どちらちとは言わないですけれども、充て職になっている部分もあるのです。例えば、言います。彦名というのは実行組合が受けて、区の実行組合の責任者はもう充て職で1区からずらっと並んでいるような感じです。これに関しても、崎津は逆にこの人だと決めて、その人がずっと長い間、責任を持ってやっておられたりするので、その任命の仕方もそれぞれで、今までの流れがあって、いきなりぐらっと変えにくいというのはよくわかりますけれども、スピード感を持って、統一的な方向にされていったほうが、金銭も絡むことですし、後々問題が少ないのではないかと改めて思います。
それで、その後、門の修繕等についてなのですけれども、これは市管理、県管理、国管理で全然個数が違いますよね。だから、当然すぐできる、直せる樋門もあれば、すぐ対応できない樋門、予算の関係が絡みますからありますけれども、この辺についても整理をしていかないといけないと思うのです。予算がない、例えば市が予算をつけれないから直らない、一方で、国が予算をつけるからすぐ直るというのでは、ちょっと農業の全体の政策として整合性がどうなのかと思いますので、この辺も一回、全体のこの樋門、中海の潮位に対する対策ですから、全体で満遍なく事業が進んでいくような仕組みを一度考えられたほうがいいと思います。それで、これは提案させていただきますので、それに対応する答えを一度下さい。
そして、最後になりますけれども、せっかくこういうデータが出たわけです。私はこれを聞いてみたかったのですけれども、このデータが中海の、いわゆる大海崎堤防であるとか、中海干拓事業に対して影響があったのかなかったのか、この潮位上昇に対して影響があったのかなかったのかというのは、県としてどのように認識されて、どういうふうな対応を今後とっていこうと思っていらっしゃるのか、お答えいただけますか。
●俵農地・水保全課長
まず、ゲートの件につきましては、さっき言われましたように、やり方も含めて、これは所管は空港港湾課になりますけれども、私たちも入って、一緒になって市ととか、国とかと協議しながら、ある程度、統一したやり方を決めていきたい、検討していきたいと思います。
中海の干拓堤防と、それから中海の潮位の関係なのですけれども、実は干拓堤防ができましたのが昭和55年ぐらいなのです。それで、中海の潮位のデータを見ますと、平成7年ぐらいからかなり顕著に潮位が上がってきておりまして、県の見解としては、中海の、いわゆる潮位の上昇と、それから干拓堤防との因果関係というのはよくわからないといいますか、直接は関係ないと思いますけれども、潮位の関係という面では、特に関係はないのではないかと判断をしております。
あと、こういう対策といいますか、もともとは彦名、崎津というのは非常に地盤が低いものですから、やはり抜本的な解決としては土地改良事業を入れて、地上げをすれば解決するのではないかということで、これについては、どうしても土地改良事業でやれば地元が負担が幾らかはついてくるのですけれども、地元の了解が得られれば、土地改良事業で対応されたらどうでしょうかということを市には申し入れをしております。
○内田(隆)副委員長
最後にします。今、公式の見解としてとっていいのでしょうか、西山農林水産部長。潮位に関しては一切関係がないと、だから、このことにおいて、中海会議等では湖水沼のいろんな会議がありますよね。県はそういう見解でいくのであるということでいいのでしょうかね。それで、いいこともあれば悪いこともあると思いますので、このあたりはきちんと態度を知事等ともしっかり相談されて臨まれたほうがいいと思います。
●西山農林水産部長
内田(隆)副委員長からアドバイスをいただきまして、ありがとうございました。
国は因果関係はないということを明確に言っておりますけれども、我々も今回の件などを含めて、中海の水位の変化を見てみますと、先ほど俵農地・水保全課長が言ったように、平成の10年前のころから上昇傾向にあります。これは先ほどの湖山池にも関連がありますけれども、日本海自体がやはり潮位が上がっていっているということの一環のように思います。
おっしゃったように、県の見解を示す必要が出てくる場合があると思います。これは生活環境部局ともよく調整をとって、確認をしていくべき項目だと思います。ありがとうございます。
○興治委員
鳥獣被害対策についてです。
23年、24年と被害が減ってきているということで、よかったとは思っているわけですけれども、素人考えですけれども、中国山地があって、鹿だとかイノシシもそうかもしれませんけれども、県境を越えて有害鳥獣がかなり移動するということがあるのだろうと思うのです。6ページのところを見ると、中国5県による鳥獣対策ネットワークが発足したと書いてあります。
それで、中国山地全体で、何でしょうかね、動物の移動だとか、あるいは被害の状況だとか、そういうのをリサーチをしていかないといけないということだろうと思うのですけれども、要するに広域での対策ですよね、現状がどうで、どのなような対策がとられてきているのか、そのあたりについてはどうでしょうか。
◎上村委員長
わかる範囲で答弁をお願いします。
●神野鳥獣対策センター副所長
広域の対策というふうなところなのですが、中国5県で個々に、例えば鳥取県は岡山県と一緒に対策をとりながら、情報交換しながら、対策を検討しているということもあります。鹿はお隣の兵庫県と情報交換しながらやっているというところもあります。それで、動物の種類によって広域で動くものもありますし、そうでもないものもあると。特に鹿については、兵庫県からかなり侵入してきているだろうということで、他県との連携ということも必要になってくるのではないかと思います。それと、イノシシについては、そんなに大きく動かないということもあります。熊についても東中国個体群と西日本個体群、2つに分かれていまして、5県全体でどうこうするというわけではありません。近隣の関係する県で話し合っていこうというところであります。
それで今回、中国5県で話を検討する場ができたというなことで、具体的には、これからそこの中でテーマを決めて検討していって、何ができるかということの対策を考えていくという状況であります。必要であれば、お隣の兵庫県もアドバイザーとして加わっていただいてという格好で今進んでいるところであります。具体的には、まだ他県との一緒になってという事例はありませんが、昨年、岡山県と知事との協議の中で、指導者の交換をしながらやっていきましょうという御意見が出まして、それは当県の指導者が岡山県に行って、講習会の講師になって指導したりということでは進みつつあるというところであります。
○興治委員
わかりました。これからということなのだと思うのですけれども、被害の状況などを見てみて、例えば23、24年度と鹿の被害が減ってきているとか、あるいはイノシシの被害が若干減ってきたという状況を見て、岡山県側で被害がふえているとか、あるいは同様に減ってきたとか、そんなような状況の把握というのは他県とできているのでしょうか。
◎上村委員長
いかがでしょうか。
●神野鳥獣対策センター副所長
それぞれの県での被害状況というのは、情報交換の場で捉えておりますが、同じようにイノシシ被害についていえば、年次変動はかなりあると。例えば山に食べ物が多いときには里に出てきて被害は比較的少なくなるという、そういう年次変動については各県とも同じような変動をしているということは思っております。ただ、ほかにも対策の進捗状況、かなり県によって違いますので、その辺の影響も被害額としては出てきているのではないかと思います。同じ面もあれば違った面もあるという格好で、一概にこうだというところでは今把握しておりません。
○興治委員
議員で、岡山県との間で県境議員連盟というのを今年の3月につくったのです。その中の課題の一つが、この鳥獣被害対策についての連携をということになっていまして、まだまだ議員同士の意見交換もしっかり始まっているという状況でもないのですけれども、例えば岡山県との間で、対策の進捗が違うと、どっちがどう進んでいるとか、そういうことがもしあるのであれば、教えておいていただくと、持って出て議論のテーマにできるのですけれども、いかがでしょうか。
◎上村委員長
それは興治委員のほうがよく知っておられるのではありませんか。
○興治委員
ええっ。
◎上村委員長
会議に出ておられるから、あなたのほうがよく知っておられるのではありませんか。
○興治委員
いやいや、まだ、その話がそこまで行っていないのですよ。
◎上村委員長
行っていないのですか。それではわかる範囲でお願いします。
○興治委員
わからなかったら、また後で資料でもいいですけれども。
●神野鳥獣対策センター副所長
特にこちらがどうこう言う筋合いはないと思います。
○興治委員
いや、言ってもらったほうがいいですよ
●神野鳥獣対策センター副所長
岡山県は鳥取でやっているのをまねて、例えば指導者の育成ですとか、そういうのをかなり同じような対策をとられているようです。
○興治委員
いるようです。それなら後からでも結構ですので、また具体的なことが教えていただけたらと思います。
◎上村委員長
ほかにありませんか。
○市谷委員
済みません。先ほどのちょっと中海の潮位の関係と堤防の関係がないというような話だったのですけれども、そう単純に結論づけていいのかと、ちょっと私は聞いていて思いました。といいますのが、確かに台風の気圧との関係で潮位が上がると、一つはあるかもしれませんけれども、今、堤防が2堤防、全部開削していませんし、一部しか開削していない状況の中で、堤防で閉め切られていることによって、より潮位が上がっている可能性というのも全く否定できないわけで、そこはあけてみないとわからないわけです。ですから、国が言う言い分をこの調査だけをもって単純に結論づけるというのはどうかなと。それから、今まで住民の方がそのことについて、堤防で閉め切られたことによって、潮位の関係もあるのではないかという指摘もあるわけですから、ここはちょっと慎重に、やはり私は判断すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。今の流れだと、ちょっと結論づけられるようなお話だったのですけれども。(「よく検討するとは言っておられましたよね」と呼ぶ者あり)うん、うん、うん、うん。
◎上村委員長
どうでしょうか。
●西山農林水産部長
繰り返しになりますけれども、県の見解ということであれば、よく検討をさせていただきたいと先ほど申し上げました。国は関係がないと明確に言っておりますがというところです。
○市谷委員
はい。
◎上村委員長
その他で、池田立地戦略課長、午前中の質問の回答をお願いします。
●池田立地戦略課長
午前中の興治委員の御質問に対する回答につきまして、一部訂正して御説明を改めていたします。
企業立地補助金の雇用要件たる常時雇用労働者についての定義なのですけれども、実は企業立地補助金では正規雇用といったような定義は使っておりませんでして、それは企業によって正職員であるとか、契約社員であるとか、パートであるとか、それぞれ定義が違うものですから、常時雇用労働者ということで定義しております。それが雇用保険法に定める一般被保険者のうち1週間の労働時間が30時間以上ということを定義にしております。ただし、期限の定めは問うておりませんので、あってもなくてもよい、それで派遣社員等は対象外だということにしております。
一方で、正規雇用奨励金につきましては、期限の定めがないということが同じ雇用者を常時継続して雇うということがこの補助金の肝の部分ですので、正規雇用奨励金については期限の定めはないということでございます。
◎上村委員長
その他で、執行部、委員の方で何かありますか。
○興治委員
ちょっと今のことについて、いいですか。
正規雇用奨励金のほうですけれども、期限の定めがなければ、要するに、何だろう、週40時間労働とか、そうでなくてもいいのですか。
●池田立地戦略課長
正規雇用奨励金は、今の1週間の所定労働時間が30時間以上の方で期限の定めがないものという定義になっております。
○興治委員
そうすると正規雇用奨励金は、週30時間以上であれば、要するに、何だろう、パートタイム労働というのか、期限のないパートタイム労働みたいなものでも対応して……。
●池田立地戦略課長
ええ。パートという、その名前は企業によって違いますので、この定義に従っておれば、正規雇用ということでみなします。
○興治委員
期限の定めがなければですね。
それと、あと、企業立地補助金の常用雇用者というのは、期限の定めがあっても対象になるということですよね。
●池田立地戦略課長
はい。それはある意味、雇用規模を維持していただくということがその意味するところだろうと思いますし、企業立地補助金については、基本的に7年間の事業継続義務というのがありますので、基本的には雇用も一定期間維持していただくよう努力していただくというような形になっております。
○興治委員
そうすると、これまで企業立地補助金を交付した、あるいは交付の約束をした、交付したところで、期限の定めがどれぐらいあっているのか、その実情ですよね、期限の定めのある雇用がどれぐらいになっているのか、そういう実態というのは把握しておられるのでしょうか。
●池田立地戦略課長
それはちょっと確認させてください。今の補助金の報告義務の中で、そこまでのものを求めているかどうか、ちょっとまた後ほど報告させていただきたいと思います。
○興治委員
はい。それなら、後ほどで結構です。
○砂場委員
実は委員会で、今度、視察で東京のアンテナショップ等も見て回るのですけれども、前回いろんな議論をしてきて時間がないという形だったのですけれども、その後、アンテナショップに関しては進展はないのですか。
●三木市場開拓局長
済みません。きのう、おととい、総務教育の常任委員会の皆さんがアンテナショップを視察されました。それは鳥取県のみならず、ほかの数県も含めて行われまして、ただ、皆さん、今度8月にまた行かれるという話を伺っておりますので、また皆さんの意見も踏まえて対応しようということで、結論というのはまだ出しておりません。
○砂場委員
はい、わかりました。
あと2点、これはお願いなのですけれども、先ほど農林水産部の資料の件なのですけれども、きょうの帰るまでとかじゃなくていいのですけれども、きょうの資料というのはあくまでではなくて、湖山池の漁業に対してどういう影響があるのかということを一回精査をしていただきたい。どういうものがあって、それに対してどういう影響があるのか。さらにもう一つは、今回の水門操作、いろんな施策をやられることはありがたいと思いますし、しっかりやっていただきたい、それが一体どういう効果を与えるのかというような形で、この問題を漁業に特化して、一旦、報告をいただきたいと思います。そうしないと、今、環境問題もあるのだけれども、ここはあくまでも農林水産委員会なので、そういう形の議論をちょっと深めたいと思うので、時間はかかっても構わないので。
本来、漁業の立場からは、どういう方法がいいのか、場合によっては、県が今、湖山池会議があるから、これがあるからというけれども、漁業の立場からはそうではなくて、ここは見直したほうがいいとかいろんな点が出てくると思うので、そういう議論を一旦、統括監の中で会議をされているのであったら、それを含めて一回きちっとした形の湖山池問題をまとめた報告をいただければありがたいということをお願いをしたいのですが、よろしいですかね。
もう1点は……。
◎上村委員長
では、次回の委員会でよろしくお願いします。
もう1点、何ですか。
○砂場委員
もう1点は、実は先ほどちょっと話したサポーター会議の中で、商工労働部に対する要望が社長さんからいただいたときに、なるほどと思ったのですけれども、雇用の話だったら雇用の部局が行かなければいけなくて、今度、環境の、例えばエコの補助金をもらおうと思うと、それは別の部です。質問が出たときにも、簡単に、それは生活環境部ですから調べて答えますみたいな形だったので、その会社の社長さんが、ちょっとこういうのは民間では考えられない対応ですと終わった後に言われました。要するに銀行だったら担当者みたいなものがいて、その企業のことは全部その担当者に話したら、その担当者がやってくれると。では、鳥取県が全くそういう対応していなかったかというと、なぜ来たかというと、誘致のときはそうだったのですと、1人の人が全部責任持って、ここまでかというぐらいの対応してくれて、こんな制度がありますよ、こんな制度にしよう、こんなにサポートがいいのだったら行こうと思ったけれども、では、企業で進出した後は、企業は部長は挨拶に来たけれども、ほかのやつは全然来なくて、コーディネーターという人が来て何かしゃべって帰るだけみたいな話が、結構不満をお持ちだったので、どうですか、その会社の社長が言われているように、担当者みたいな方をどこの課でもいいから決めて、そこからいろんなものをやっていく。そういう意味で、企業にとっての人間のワンストップサービスみたいなものを検討できないかとおっしゃっていたので、なるほど、確かに銀行とかはそのようにやるのだそうです。だから、それが銀行にできて鳥取県ができないことはないと思うので、どうですか、一旦、検討していただけないかとおっしゃっていましたので、いかがでしょうか。
●岡村商工労働部長
確かに誘致のときにはワンストップサービスという形でやります。その後、そのフォローができていないということもあるかもしれません。もし、それが誘致スタッフだったら申しわけないと思いますけれども、恐らくそうではないと思うのです。
そのやり方については、少し企業立地対策本部で議論はしてみたいと思います。副知事含めて県外本部、それから総合事務所長で組織する会でありますので、それと産業振興機構とか産技センターも入ってきます。どちらに当たっても、必ずワンストップで情報が共有できるような仕組みというのを考えていきたいと思います。
○砂場委員
では、よろしくお願いします。
◎上村委員長
ほかにございませんか。
次回の常任委員会は8月21日です。よろしくお願いします。
それでは、執行部の方は退席していただいて結構です。委員の皆さんは、ちょっとお残りください。
(執行部退席)
7月末からの常任委員会の調査の際に、以前当委員会におられた坂野議員がアンテナショップに限って、と一緒にいきたいということでございますが、皆さんの声をお聞きしたいと思います。
○興治議員
自費で行かれるということですので。
○内田(隆)副委員長
いいと思います。
○興治委員
お願いします。
○安田委員
最後の日に、東京で合流するのですか。
◎上村委員長
はい、そうです。
○砂場委員
はい、オーケーです。
◎上村委員長
では、よろしくお願いします。
あとは、アンテナショップのスケジュールは、もう配ってありますか。
●田中調査課課長補佐
配っていると思いますけれども。
◎上村委員長
配ってある。
●三木市場開拓局長
皆さん、アンテナショップは2日間東北に行かれた後、最終日の3日目に行かれる予定で、既に行程を配布しています。
○安田委員
もらいましたよ。
◎上村委員長
あとはありませんが……。奈良県のアンテナショップまほろば館が入っていますが、これはどうも時間的に無理みたいですので、よろしくお願いします。
では、終わります。御苦労さまでした。
午後2時30分 閉会
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