1 調査日時・箇所・内容
- 2月7日(火)
○西部総合事務所
弓浜地区の農業振興について
○国営中海土地改良事業
代替水源の整備状況について(彦名工区、弓浜工区)
○渡漁港
護岸整備事業の状況について
○海藻処理施設
・地産振興株式会社
中海の海藻の肥料等への活用について
・NPO法人自然再生センター
中海の水質浄化の状況について
2 調査委員
- 安田委員長、内田副委員長、澤委員、稲田委員、浜田委員
森岡委員、廣江委員、上村委員、
3 随行者
- 調査課 副主幹 五百川 和久
4 調査報告
今回の現地調査では、弓浜地区の農業振興、国営中海土地改良事業(干拓地代替水源施設)、渡漁港の護岸整備事業の状況、中海の海藻の肥料等への活用、中海の水質浄化の 状況について調査を行った。
先ず、弓浜地区の農業振興について、西部総合事務所農林局を調査した。
弓浜地区の農業は、農業生産が縮小傾向にあるため、新年度から白ねぎなどの特産農作物の生産振興、担い手農家の育成・確保等の各種課題について、農業者、生産組織、団体、行政等が連携し、総合的な地域振興に取組むことで、農業振興及び地域活性化を目指している。また、生産者の高齢化が進行し、耕作放棄地率も県内他地域に比べ高くなっており、今後、生産向上技術の確立・実証、担い手育成等により弓農業の再生に取組むこととしている。特産物の生産の維持・拡大、ブランド強化を図るためには、各種の取組みを総合的に取組んでいく必要があると感じた。
次に、国営中海土地改良事業について調査を行った。
国営中海土地改良事業により造成された彦名地区、弓浜地区では、淡水化計画の中止を受け、農地への代替水源確保のための排水機場、調整池、ろ過池等の整備が完了しており、今後、ポンプ場整備や暫定施設の撤去を行い、平成25年度には中海干拓関連事業が完了予定である。
弓浜地区の農業の再生には、両干拓地の活用も欠かせないことから、事業の進捗を注視していきたい。
次に、境港市にある渡漁港の護岸整備事業の状況について調査を行った。
事業は平成26年度完了予定で進められており、護岸を掘削の後、漁港を中海側に移設するとともに旧漁港を埋め立て、市道整備を行うものである。
現在は、渡漁港移設に伴う事業用地の取得を行っているとのことであったが、事業が計画どおり進むよう注視していきたい。
次に、中海の海藻の肥料等への活用について、地産振興株式会社を調査した。
中海から回収されたオゴノリの堆肥化に取組むとともに、オゴノリを使った食品開発に取組まれている。既に堆肥として農地に試験投入を行われており、作物によっては収量が増加していた。またオゴノリはトコロテンや羊羹などの食品にも加工可能とのことで、今後の活用法の広がりが期待できる。
近年は全く利用されず、水中で腐敗し水質悪化の原因となっていたオゴノリの利活用を進めることにより、中海の水質改善と循環型社会の構築につながることと期待したい。
最後に、中海の水質浄化の状況について、NPO法人自然再生センターを調査した。
NPO法人自然再生センターは、「よみがえれ、豊かで遊べるきれいな中海」を合言葉に豊かな汽水湖の環境と生態系、心に潤いをもたらすきれいな自然を取り戻し、昭和30年代前半頃の中海を蘇らせることを目的に活動している。
近年、中海に流入する河川の水質は改善傾向にあり、中海の全窒素や全りんも長期的には改善傾向にあるものの、環境基準値より高い数値である。
センターでは、中海の水質等の各種調査や海藻の回収活動のみならず、沿岸で腐敗したオゴノリの見学会や海藻肥料により生育した作物を使った体験学習の開催など、中海の再生に多方面から取組まれており、今後の活動により水質の浄化が進むことを期待したい。
今回調査を行ったこれらの調査について、今後の委員会活動の参考としていくこととしたい。