会議の概要
午前11時00分 開会
◎横山委員長
ただいまから、エネルギー・雇用促進調査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
はじめに会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、藤井委員と福間委員にお願いします。
それでは、議題に入ります。
質疑については、説明終了後に一括して行っていただきます。
議題1、雇用創造1万人プロジェクトの推進について及び議題2、鳥取環境イニシアティブ推進プロジェクトについて、法橋統轄監に総括説明を求めます。
よろしくお願いします。
●法橋統轄監
皆さん、おはようございます。
そうしますと、本日の議題であります雇用創造1万人プロジェクト、それから鳥取環境イニシアティブ推進プランの推進について、総括的に御説明を申し上げたいと思います。
さて、皆さん御高承のとおり、日本経済はアベノミクスに対する期待感ということもあります。そのような中で、雇用創造1万人プロジェクトを達成しつつあるわけですけれども、一方では、電気機械の製造業、こういったもののピラミッド構造が大きく崩れてきているという状況の中で、非常に厳しい状況というものが非常に続いてきているということでございます。
本日は、そういった状況の中で、いろいろこれまでの実績、それから来年度の取り組み等についても御説明させていただきたいと思います。前回のこの特別委員会の中でも、目指す産業社会というものの姿というものが余り明確に示されていないという御指摘もいただいております。そういった意味で、年度末を目標にしまして経済成長に再生ということを加えまして、経済成長再生戦略というものを今取りまとめているところでございます。この方向性についてもあわせて御報告させていただければと考えている次第でございます。
一方、環境イニシアティブですけれども、これにつきましても計画にのっとって推進を進めていっております。一部、再生エネルギーの関係で風力等、計画どおり進んでいないところもありますけれども、全体的には太陽光あたりも崎津のメガソーラーが着工するなど、非常に順調に進んでいるのではないかと考えております。
木質バイオマスの発電等についても具体的なプロジェクトというものが進もうとしておりますし、いろいろな形でこういった再生エネルギー、それからメタンハイドレートという新しい将来的な課題、こういった新エネルギーということも含めまして、これからのエネルギーシフトについての動きが出てきつつあると認識しております。
そのほか省エネルギー、それから循環型社会を目指したリサイクルというような推進につきまして、この3つの大きな課題についてもそれぞれ取り組みを進めておりまして、その状況についても御報告させていただきたいと考えております。
詳細につきましては、各部局から説明させていただきます。
◎横山委員長
ありがとうございました。
続いて、小林商工政策室長に詳細説明を求めます。
●小林商工政策室長
商工労働部の資料をお願いいたします。
1ページをお願いいたします。報告事項3件です。最初に、県内の経済・雇用環境、それから1万人プロジェクトの進捗状況、それから現在取りまとめ中の経済再生成長戦略(素案)について御報告させていただきます。
2ページをお願いいたします。資料1です。県内の経済・雇用環境についてでございます。
まず最初に生産指数ということで、12月現在のものでございます。昨年春先から減産基調にありまして、電子部品・デバイス等の不振によりまして、全体として3カ月連続の低下。当面は低水準で推移する見通しでございます。今64.0、これは鳥取県の数字です。全国は88.8という数字でございます。
有効求人倍率でございますが、1月は0.70で、前月を0.02ポイント下回りました。今後も企業の統廃合、海外移転などによる事業縮小の動きがありますので、引き続き厳しい状況が継続するものと思われます。なお、地区別ですが、書かせていただいていますとおり、1月は、鳥取が0.67、米子が0.85、倉吉が0.87でございました。雇用調整助成金につきましては下表のとおりでございます。同じような数字でございます。
3ページをごらんください。これは経済情勢ですが、県内の主要製造業の状況につきまして企業を回っております。その企業を回っているものを一応表にしてまとめさせていただきました。対象企業としましては137社のうち、調査企業136社でございます。規模につきましては、この表に書いてあるとおりでございます。
主な状況なのですが、やはり電気機械と金属製品は、事業所閉鎖の懸念とか大幅な人員削減の実施あるいは実施の可能性ということで、全体的には厳しい状況でございます。それから一般機械等におきましても、価格競争による売り上げの減少など厳しい状況でございます。親会社の海外生産シフトにより事業所閉鎖が決定している企業もあると。あと食料品、繊維、パルプ・紙等につきましては、一部明るい業種があるのですけれども、やはり国内消費の低迷により売り上げが減少している企業もあります。その下の表なのですが、矢印が上を向いたり横を向いたり下を向いたりしているのですけれども、ちょっと企業数を書かせてもらっています。電気機械については、堅調な企業が5社、あと横ばいが30社、下方に行っているのが、5社、1社、4社ですね、事業再編とか予定が5社ありまして、事業所閉鎖の懸念が1社、人員削減の実施または懸念が4社ということでございます。そういう形で金属製品、一般機械等をそれぞれ書かせていただいております。
4ページをお願いいたします。資料2、雇用創出1万人プロジェクトの進捗状況を1月末現在でまとめております。平成24年度、真ん中のあたりの表なのですが、雇用創造としましては、1月末現在で目標数値2,600人に対しまして1,971。ただし、年間実績見込み、3月までの見込みとしましては2,616という形で、目標を一応クリアするという予定です。これを23年度の実績と合わせますと4,700名余の、一応県の施策による雇用創出を見込んでいるということでございます。それぞれの内訳につきましては、産業部門が一応目標値2,000に対して1,981、医療・福祉・教育が600に対して635、下のほうは緊急雇用の数字でございます。
5ページにつきましては、これは全員協議会でも説明させていただいていると思いますが、25年度当初予算における雇用創造1万人プロジェクトに関連する事業、それぞれ事業については目的等がございますが、雇用を生み出すものという形でまとめさせていただいたものが161億円の事業がございます。それぞれ産業分野、医療・福祉・教育分野、緊急雇用分野、下支え分野というような形でまとめさせていただいております。緊急雇用の数字56億円でありますとか、それから企業誘致の補助金の額は全額が一応上がったりしますので、若干金額は大きく出ております。
6ページをお願いいたします。鳥取県経済再生成長戦略(素案)の概要という形で、今回、成長戦略に再生という文字を加えまして、新しく直そうとしております、改定ということでございます。
策定目的でございますけれども、これはもともとの経済成長戦略なのですが、人口減少下においても持続性のある安定した経済成長を目指すために環境・エネルギー、バイオ、健康関連産業など成長分野への構造転換を促進する経済成長戦略を22年4月に策定としております。しかしながら、策定以降、非常に厳しい経済情勢になっておりますので、このたび製造業の再生戦略と新戦略を追加するという改定を行うものでございます。
概要といたしましては、まず電気機械関連が、国内において完全に生産ピラミッドが崩壊しております。そうしたものを、鳥取県では主要産業なのですが、その主要製造業の自律型分散連携による立て直し、これはピラミッドではなくて、おのおの各個人がそれぞれ持ったオンリーワンの技術を融合させて連携していくような形でございますが、そういった連携による立て直し、それから中小零細企業、ここを中心にした本県のものづくり基盤産業の高度化などの再生戦略を入れ込みました。そして、それを、成長の基盤を下支えしていくという形でございます。
また、成長産業として期待されている医療機器・創薬、BPO・データセンターなど、これは今の成長戦略に入っておりませんでしたので、この部分を追加させていただいています。それから物流戦略の中で、新しくアジアの経済活力を取り込む形でASEAN戦略を追加しております。
この考え方ですが、右の7ページの上の図をごらんいただきたいと思います。この左側の棒グラフがGDPの数字でございますが、ちょっと下がってきておりますので、この段階で2010年に10年間で年1%の安定した成長を見込もうという形でつくったものでございます。これが経済成長戦略なのですが、この中では、既存産業で毎年0.7%の成長、それからこの成長戦略分野で0.3%の成長という形を見込みまして、成長部分でGDP700億円、新規雇用7,000人という形で一応もくろんでつくったものでございます。
2年間の実績を見ますと、これは22、23なのですが、実績値としては成長分野では165億円のGDPの増加があったと思われると推定されますが、この数字というのは、成長分野では目標値を上回っています。しかしながら、既存産業で0.7%の成長を見込んでいたものが下がっているということがわかります。そこで、波線で下のほうにあらわしているのですが、未策定だと、このままずっと既存部分も落ち込んでいくではないかという形で、ここを再生戦略によって押し上げていくと。さらにこの成長分野を、さらに新しいものを取り込んでいって最終的にはこの目標値700億円、7,000人を達成しようというのが今回のイメージでございます。
下に本県産業構造の変化という形で上げさせていただいております。これは13年のときと24年を、これ事業所で比べておりますけれども、見ていただきますと、これGDPは13年も実は2兆円ぐらいです。24年も2兆円ぐらいということで数字はあんまり動いていませんが、事業所の数なのですが、3,800事業所減っております。
その中身なのですけれども、サービス業がやっぱりふえている。かわりに製造業と建設業が事業所としては減っているということでございます。今後もそういう傾向はあると思うのですが、その中で、農林水産業についてちょっと説明があります。農林水産業は、個人の農家ではなくて事業所という形で扱っておりますので、ここは、下の表を見ていただきますと、13年は219事業所であったものが現在260という形でふえております。ただし、これは一般の農家さんは入っておりません。
別冊がございます。これが素案という形で示させていただいているのですけれども、そのあたりをちょっと詳しく書いておりますが、ちょっと見ていただきますと、今言いましたような背景がございまして、2ページの下のほうに今回、戦略会議のメンバーとして新しい分野を取り込むために、米印で味の素の國本さん、それからヤマトホールディングスの木川さん、それからシンクタンク・ソフィアバンクの藤沢さん、吹野コンサルタンティングの吹野さんという4名の方に新しく委員に加わっていただいて意見を頂戴いたしました。右側の3ページにつきましては、ちょっと先ほど説明させていただいたとおりでございます。
はぐっていただきまして、4ページをお願いいたします。これもGDPの動き、事業所の動きでございます。これも数字が入っております。
5ページ、これは鳥取県の製造品出荷額の構成割合を示しております。電気機械関連が50%を超えている。これは全国トップという形でございまして、その生産指数の推移を下に並べております。
6ページをごらんください。これは経済成長戦略の進捗という形で、先ほどのGDP165億円の内訳でございます。23年度末時点でまとめたものでございまして、これをもとにしまして、今回、新旧対照表、下のほうにありますけれども、若干数字を今精査中でございます。目標値を若干それぞれの分野で、もう既に目標を達成しているようなところもありますので、そういったところを見直そうと思っております。
この新旧対照の左の、6ページの下の図の一番下なのですが、次世代サービスという分野を今回新しく入れさせていただきました。それから今回入れ込みますサービスイノベーション、医療イノベーション等につきましては、それぞれ環境・エネルギーとか次世代とかバイオとか、関連する分野に全部入れ込んでおります。ただ、ここには入らない全く新しい次世代サービスというものを新しく戦略の分野として上げさせていただきました。これが今回の改定の概要でございます。
非常に簡単ですが、以上で説明を終わらせていただきます。
◎横山委員長
ありがとうございます。
続いて、白石環境立県推進課長に詳細説明を求めます。
●白石環境立県推進課長
生活環境部の資料の2ページ目からお願いいたします。
まずエネルギーシフトでございますけれども、エネルギーシフトの率先的な取り組みということで、再生可能エネルギーの導入加速ということに取り組んでまいりました。その表を見ていただきますと、22年度末に66万1,907キロワットの出力のものを26年度末までに75万9,050キロワットまで伸ばすということでございますけれども、今年度末で約91%が達成されたところでございます。
下を見ていただきますと、具体的に一体何がどうだったのかということがわかります。下のの表なのですけれども、太陽光発電というところを見ていただきますと、これ3つに分かれていまして、まず発電事業者というところがございます。これは表の一番右端のところに、見ていただきますと目標値と対比しますと大体3万4,000キロワットぐらい、予定よりふえる見込みでございます。
これは何がふえるかと申しますと、崎津のメガソーラー、SBエナジーさんがされる分の出力がアップしたこと、これが1万3,000キロワットございます。それにプラスいたしまして、県内、それと県外のそれぞれメガソーラーの事業を取り組んでいただきまして、これ約20件ぐらい見込みがあるものがございます。これで2万1,000キロワットふえるということで、発電事業者分が3万4,000キロワットふえる見込みということでございます。
住宅用も順調に伸びておりまして、最終的には4,400キロワット程度伸びる見込みでございます。
風力発電は、先ほど統轄監の説明にもございましたけれども、当初、泊沖の洋上風力発電を想定していたものを上げておりましたけれども、ちょっと事業の進捗がはかどらないということでマイナス要因となっております。
そのほかに、バイオマスのところで1万キロワットほど出力をふやしておりますけれども、これは木質バイオマス発電を2カ所程度、現在動きのあるものがございますので、それを乗せさせていただきました。ということで、比較的順調に推移しているところでございます。
今後なのですけれども、上の表に書いてございますけれども、引き続き屋根貸し等を行いまして太陽光を促進するということでございますし、あと、系統連系について種々の問題が起こっておりますので、再生可能エネルギー推進本部を設置いたしました。そちらで検討いたしますとともに、中国電力なり国なりに要望を引き続き行っていきたいと考えております。
3ページをお願いいたします。再生可能エネルギー以外の新たなエネルギーの資源ということで、メタンハイドレート、先ほども説明がございましたけれども、これについて日本海側でも可能性があるのではないかということで、日本海側の都道府県が組みまして国等への要望を行っているところでございます。鳥取県独自といたしましては、これは特別委員会でも視察にも行かれたと思うのですけれども、明治大学の松本特任教授においでいただきまして意見交換を行いますとともに、県民の皆様方にも説明を聞いていただいたということをことし2月にさせていただいております。今後、来年度の予算にも研究を引き続き行うというような予算も組んでおりますので、状況を注視しながら進めていきたいと考えております。
3ページの下でございますけれども、環境実践の展開ということで、企業・家庭における環境配慮活動の推進ということでございますが、これの成果といたしましては、昨年10月から東部地域でレジ袋の無料配布が中止されるということができました。それによりまして、この表のほうの右側を見ていただきますと、東部のところ85.4と書いていますが、85.4%まで辞退率というものが、レジ袋が要らないという率が上がったと、45%から倍近く上がったということでございます。これは引き続き中部、西部にも広げていきたいと考えておりますし、あと業種も拡大していきたいと考えております。
あと、とっとりCO2ダイエット作戦ということで、県民の皆様に日ごろからそういった意識を持っていただくようなことをしていただくために協賛店舗を募りまして活動しておりますので、これも引き続き続けていきたいと思いますし、あと節電をしていただくキャンペーンも、来年度も引き続き行っていきたいと考えております。
4ページでございます。社会システムの転換ということで、EVタウンの推進でございますけれども、これにつきましては、実は今年度、25年2月現在で、表にありますが323台、これはEVが236台と、あと電動バイク、これが87台、県内に入ってございます。それで、現時点で31基の急速充電器を設置いたしておりますけれども、今後、空白地帯となっております特に中山間地域、真ん中の表に載っておりますけれども、この県境あたりが空白地になっておりますので、そのあたりにも設置をふやしていきたいと考えておりまして、25年度末には大体40基ぐらいまでふえる見込みを持っているところでございます。
あと、EVのカーシェアリングということで、公用車として平日使いながら、休日には県民の皆様に使っていただくようなことも行っておりますので、引き続き施策を進めていきたいと考えております。
下のほうでございます。4R社会の実現ということで、これは市町村等の取り組みとか家庭における実践活動の積み上げでもって取り組んでいるところでございます。右の表を見ていただきますと、リサイクル率、これが現状は26.3%ですけれども、これを目標値30%まで何とか近づけていきたいということでございまして、さらにそういった地道な活動を拡大させていくために、下のほうに書いてございますが、リサイクルフロンティア推進交付金といったようなものを設けまして市町村の取り組みを支援いたしますとともに、家庭とか事業所におけるリサイクル活動に対しましても、これも補助金を出すなりしての支援をしてリサイクル率を上げていきたいと考えております。
最後になりましたけれども、5ページ目でございます。リサイクル産業の振興でございますけれども、これは、表を見ていただきますと、現状といたしましては22年度末に比べまして20社、これはリサイクル事業に新規参入したりとか、あるいはリサイクル事業の範囲を拡大された、あるいはグリーン商品の認定を新たにとられたという企業さんがこれだけふえております。そのすぐ下を見ていただきますと、こういったことの取り組みによりまして、雇用も29人の増と、わずかなのですけれども生まれているということでございます。
今後でございますけれども、こうやってつくられましたリサイクル製品をどんどん売っていけるように販路開拓の支援を考えておりまして、一番下のところに新規リサイクル製品販売強化事業というようなことを書いてございますけれども、販路開拓を支援するスタッフを産業振興機構に設置するなどして、この販路開拓の支援を進めていきたいと考えております。
簡単ですけれども、以上でございます。
◎横山委員長
ありがとうございました。
ただいまの説明について質疑等はありませんか。
○藤井委員
雇用調整助成金がかなり、この2年間、3年間の間に半分ぐらいに下がっています。これは失業率、失業が減ったということなのでしょうかということと、有効求人倍率は余り変化していないということとの関連はどう説明されるのですか。
●中本雇用就業支援室長
雇用調整助成金ですけれども、件数でいきましたらリーマンショック以降、平成21年、22年というあたりがピークになっております。当時に比べたら今現在は3分の1から4分の1ぐらいまで活用状況というのは落ちています。基本的には一時帰休、そういったことで雇用を維持されている企業が減っていると、要は企業のニーズが少なくなっているというのがこの数字にあらわれているものだと考えております。
●岡村商工労働部長
さっきも申し上げましたけれども、一時帰休というのは一旦ちょっと減っていますけれども、また需要が戻ってくるまでの間、頑張ってくれているところ、こういう企業さんの活用は少なくなっていて、ある程度需要が戻っていると思います。ただ、それは戻しただけであって、新規に雇用を生み出しているわけではないものですから有効求人倍率に反映されていないというような現状認識でございます。
○藤井委員
そうだと思います。それで正解だと思うのだけれども、雇用調整助成金というものが、実は失業率を低めているのです。これは、失業率を論じるときにはこれをプラスして論じないといけないのだけれども、どのように考えておられるのでしょうか。
●岡村商工労働部長
浜崎委員の質問のときにも、その分析をちょっとしてみたのですけれども、確かに失業率を抑えるために雇用調整金というのはかなり有効に機能したのは事実だと思います。ただ、先ほど申し上げたように、需要が戻ってくる瞬発力を持っている企業さんにとっては非常に効果的です。ただ、まだやはり需要が戻らない企業さん、いわゆる構造的に転換しないと厳しいという企業さんもあります。その企業さんにとってみれば、ぎりぎりのところで今踏みとどまっておられると。今、その企業さんに活用がふえている。特に東部でそういう企業さんが多いという現状認識です。
ただ、我々としましてもどうにか、業態転換といってもそう簡単にはいきませんので、今回、4分の3の新たな事業とか、そういうもので新たな技術開発にも取り組んでもらいながら、この雇用調整助成金も使っていただきながら踏ん張っていただこうと認識しております。
○藤井委員
わかりました。いいです。
○山口委員
続けていいですか。
実は今、味の素の社長さんでしょうか。これを何か顧問という話がありましたけれども、もともと味の素というのは鳥取県が大分中心的な役割を果たした優秀な人材が出ているのです。それから日本ハム、今は北海道ですけれども、こちらの社長も取り壊しが行われようとしている鳥取大学出身です。何とか製造業を誘致しようと思っても、本当にああいう形になりますと大変なのです。それから鬼塚さんという、例のスポーツのところ、これも幹部がほとんどと言っていいほど鳥取県出身だったのです。もう製造業だけを集中しておっても、なかなかこれは難しいということです、基本的な県の、あるいは鳥取市を含めて、サービス産業と、それから製造業、あるいはその他福祉であるとか、どういう形でウエートを置こうと考えておられるか。製造業だけという形になりますと、なかなかこれは今の現状からすると難しいと思います。今こう思っておりますので、サービス産業といいますと、なかなかこれも競争も激しいわけですし、だけれども製造業と言ってみても、本当にこれも設備投資するかどうかわかりません。
あの不二家ミルキーも、それから山崎パンも実は、鳥取県出身者が創造した会社なのです。だからそういうような人脈を通じてやらなければならないということと、それともう1つ、雇用創出の中で、臨時雇いもいますけれども、公的資金を導入したもの、それから4,700人ということですけれども、これが定雇いの方です。それと臨時的にやった人、それから公的資金を投入したものと、あるいはサービス産業も含めてなのですけれども、いつまでも公的資金を導入するというわけにも、これはなりません。
もう1つ、全体として人口が流出する中で、去年から4,000人ぐらい減っているわけです。この一番大きな問題は、鳥取県の求人が少ないということでかなり人口が流出しているわけです。特に若者の流出が多いということで、これはなかなかとめられないと思います。こういうものから考えると、やはり雇用創出というのをいろいろな角度から人脈を含めて対応しなければならないということと、製造業オンリーでやってもなかなか難しいと思います。だからどういう形で調和しながらやっていくかが私は課題であろうかと思います。
●岡村商工労働部長
御指摘のとおりでありまして、製造業だけにこだわってはいけません。ただ、全く違う業態のものを連れてきても、その地域の既存の産業とうまく組み合わせができなければいけないということもちょっとポイントを置いていまして、実はこの経済成長戦略の中にもそういうイメージで捉えておるのです。サービスにつきましても3つぐらいの分野に分けて、サービス業の業態をもう少し詳しく分析しながら、製造業とマッチングの可能性のあるサービスもあるでしょうし、それから逆に製造業が今どんどんサービス化してきていまして、データを活用した新しいビジネスモデルというものをつくろうとする動きが非常に活発です。そういう人材育成というのがなかなかできていないというところもありまして、どちらかというと、ここでは次世代型のデータセンターという位置づけにしていますけれども、そういうものと製造業を組み合わせていくとか、それから次世代モビリティーの話もありますけれども、これは実は介護支援のモビリティーとしても活用できるということで、例えば味の素さんなんかも今、総合特区に加わってもらっていますけれども、がんスクリーニングだけではなくて運動障害のサポートとか、新しいビジネスチャンスを生み出していこうというような話も総合特区の中でも検討していこうと今議論をしています。そうしていくと、新たな人材育成と新しいサービスと、それに必要な新たなデバイスとかものづくり、こういうものが必要になってきます。どちらになっても需要はきちっと捉えて、それに必要なものを開発していくというようなパターンに産業構造を変えていかないといけないと思っています。その中で当然アジアの需要も取り込んでいかなければいけないということで、できるだけ相乗効果あるいは波及効果、つながりがあるような業態に変えていきたいということで、今回、素案でありますけれども、こういう成長戦略の中に打ち出しをしております。この中で必要な企業誘致、企業立地というものを展開していきたいと考えております。御指摘のとおり人脈はフルに活用して取り組んでいきたいと思っております。
○山口委員
いや、岡村商工労働部長が言われることもよくわかりますけれども、本当に地元の鳥取市とか、特に東部は求人倍率が低いという状況です。これはやっぱり他企業との関係も、既存の企業との関係も考えなければいけませんけれども、もう本当に製造業が立地できるような、私は今ではないと思っております。それにこだわらずに、既存の企業にはなるべく影響しない、競争社会ですから、すると思いますけれども、考えていかなければならないと思います。
●岡村商工労働部長
まだ精神的なことしか申し上げられませんけれども、あそこの土地は、三洋電機というのはこの45年間の歴史をつくってきていただきましたので、鳥取市あるいは鳥取県の新しい産業の発祥の地としてふさわしい企業誘致にしたいと思っておりますし、それからその立地した企業が、誘致した企業が地元の企業ともうまくつながっていくような仕掛けもぜひ検討していきたいと考えております。そこを少し戦略的に絞って誘致活動をしていきたいと考えております。
○山口委員
ありがとうございます。
○市谷委員
2点お尋ねします。最初の2ページの冒頭に、さっきから三洋の話なんかもありますけれども、企業のグローバル競争のもとで県内の雇用、経済が非常に大打撃を受けているわけです。にもかかわらず北東アジアゲートウェイということで外需依存に一層邁進するというところの総括というのは、私は何かちょっとできていないのではないかとまず思うのですけれども、ちょっとその点、確認させていただきたいです。
もう1つは、この北東アジアのゲートウェイで、あれだけロシア、韓国、それからロシア、中国の物流ルートの開拓だということで相当、2億、3億ですか、当初予算でも金をつぎ込むというようなことになっているのですけれども、私、この成長戦略に載せたらいいとは思わないのですけれども、あれだけ力を入れていて出てこないというのは何なのかと思います。私は入れたらいいと言っているのではなくて、事業そのものがはっきり言って成功していないと思うのです。だからその総括はどうなっているのかと。その上で今回、タイという話になっていますけれども、本当にこの外需依存のことに関して、何か本当に考えがないといいますか、一貫性がないと思います。
また、今やっているものについては出てこない、総括もないまま新たなところに出ていくという、この発想というのは、ちょっといいかげんではないかと思うのですけれども、その点を確認させてください。
●岡村商工労働部長
済みません、変更点のみで要約した形で出してしまったものですから、北東アジアは当然、重点戦略として位置づけておりますので、プラス東南アジアということでお考えいただきたいと思います。
今のここまで、例えばロシアに対しては、外需依存ということをおっしゃいましたけれども、内需も少しずつ総合特区のような形で掘り起こしながら、成長している分野にとっては仕事をとりに行くということです。別に県がとりに行くのではなくて、企業がとりに行っているものをサポートするという方向で今、東南アジアは考えておりますし、今の北東アジアにつきましても、やはり流れが少し変わってきておりまして、ロシアの流れもAPECの後、自動車産業に極めて力を入れてきております。ここにマツダとトヨタが製品工場を、組み立ての工場をつくりました。そうなると部材供給として日本海側をやはり一つ視野に入れてきている中で、製品を持っていくのは大量ですので非常に困難ですけれども、こういう部材、向こうで組み立てるということは部材を持っていきます。いろいろなサプライヤーが日本じゅうから集中していきますので、そこに一つのチャンスが出てくるだろうと思います。
ウラジオストクだけではなくて長春、ここを通して長春に行きますから、中国の中でエコカーの集積拠点が長春にあります。新しいエコカーの集積拠点が長春ということも出てきますので、吉林省との関係も、より極めて綿密にしていかないといけないと認識しております。県内の企業にとってみても、電気が例えば次の新しい分野に出ていくときのマーケットとして十分、ウラジオストクあるいは長春もターゲットに入れておかなければいけないという認識でおりますので、決して前回の北東アジアを総括せずに東南アジアに向かっているという意味ではありません。
○市谷委員
少し予算を見させていただいたのですけれども、荷が本当に集まらなくて、県外企業から荷物、さっき県内の企業がっておっしゃいましたけれども、どこまでニーズがあるのかと思います。県外からの荷物を、境港を通じて船に乗せないといけないというので、その支援期間も延長、無期限にしてまで、とにかく荷物を乗せてくれという今度の予算になっています。私は県内のどこに、ニーズがあってやっているのだろうか。それから、そこまで県外から呼び込んでこないと船も維持できないような状況になっているということをどう見ているのかと思います。今、いろいろ可能性がということをおっしゃいましたけれども、とてもではないですけれども、今度の当初予算を見させていただいて、これはなかなかだなと思います。
中国、ロシアの物流ルートについても相当コストが削減できなければ難しいという話も出ておりましたので、何かバラ色のような描き方というのはちょっといかがなものかと思いますし、おっしゃいませんでしたけれども、大体グローバル競争の中でこれだけの痛い思いをしているのに、私はこの路線では、とてもではないけれども経済成長戦略ということにならないと思いますので、軸足を変えられたほうがいいと思います。この2点です。
●岡村商工労働部長
そうではなくて、実は県外に依存しているのではなくて、ここから境港あるいは鳥取県を介して向こうに部材が行くということは、部材をつくる企業誘致、企業立地の可能性も出てきますし、それから販路として県内企業の仕事がふえていくというです。今、電子・電気の業界がかなりダメージを受けていますけれども、EVだとかエコカーというのは、そういう電子部品や電気系統の需要を、トヨタにしても探しているのですね。そこのチャンスをその海外の需要との関係で捉えていきたいという意味でありまして、県内企業を全く無視して県外のユーザーだけをターゲットにして進めているわけではありませんので、うまく県内企業にも使っていただくような形で需要を掘り起こしていこうと考えております。
◎横山委員長
よろしいですか。
○市谷委員
納得していないですけれども、切りがないのでよろしいです。
○砂場委員
新戦略の中でBPOを取り上げられているのだけれども、これ僕はすごく疑問があるのです。というのが、私は企業の中にいました。BPOの本質というのは、要するに人事とか総務の部分を本社から切り離す。そこは安い人件費を使いたいからなのです。安い人件費で単純作業のところだけは別に切り離して子会社にして、できれば他の会社の同じような業務も受けて仕事をやりたいというのがBPOの本質です。だから決して高度の人材を育てるようなところではないのです。
そして、これは多くの自治体が誘致をします。それはなぜかというと、たくさんの人は雇うのだけれども、そこに企業、会社は高い能力なんか求めていないわけです。安い給料で大量の事務の処理をしたいというのが本質なのがBPOなものなのに、ここで書いているのは、その本質を見ているようには思えないのです。
今、地方自治体がBPO、BPOとどこもやっていて、結局はどこが一番誘致をしてきて、来たときに県が温かく迎えてくれて、どういう条件があるかというのはあるのだけれども、もっといいところがあったら簡単に逃げてしまうわけです。しかも、これで人材ができるという発想そのものが、僕は絶対本質を見ていないと思うのです。確かに手っ取り早いし、雇用も生まれるというので、例えば本当の意味で別の産業をつくるまでの10年間だけはBPOをやりましょうという戦略なら僕はありだと思います。でも、これを次世代のサービス業と位置づけてやるというのは、鳥取の労働者にとっても、働く人にとっても絶対僕はマイナスだと思います。あり得ないですから。本質からいって、BPOをやって、そこで高度人材を育てましょうなんてあり得ないです。高度人材は企業は会社の中で持ちたいからです。この計画は、本質的なところでうまくいかないと思う。短期間でやって、今、確かに事務系の人が足りない、職がないから、とりあえず10年間やって、ここでやりましょうというのだったら僕はありだと思うけれども、これを次世代で、どのような位置づけでこのようにになってくるのかと。今、はやりですよ。企業はみんなやっているけれども、結局給料を下げたいからやるので、果たしてこれでいいのかと思うのですけれども、まずその点について、どのような発想でこれを次世代産業に位置づけてやろうと考えておられますか。ここに長期戦略があるのですか。
●岡村商工労働部長
もともと不二家さんからスタートして、ヤマトさんですとかジェーシービーさんですとか、新しい独立系のアイ・オー・プロセスさん、データ入力センターですね。確かに高度人材という言い方は、また別の言い方を考えなければいけないかもしれませんけれども、BPOに関しては、不二家さんの例を見ているとよくわかったのですけれども、最初は不二家さんの業務だったのですね。ところが、そこの地元の人たちがスキルアップしていくと、不二家さんがまた新たな仕事、別の会社の総務部門の仕事なんかを取り込んでいって雇用が膨らんできていると。そうなると、単純な事務作業といっても、かなりのレベルのスキル、経験も出てくる。そこはまさに今、県内の需要として勤めたいという人たちの求職者の一番ニーズの多いところです。高度人材とは言いませんけれども、そこはちゃんと提供していこうと考えています。
ジェーシービーに関しても、事務センターということになりますけれども、2割ぐらいは本社機能を持ちますので、バックアップとしてBCPの機能を持ちますので、そうすると本社からの人材がやってきます。そうすると、新たな業態をつくっていこうという次のBPOですね、単にコストダウンだけでは仕事が、機能がもう限られてしまいます。そこから、安い人件費かもしれませんけれども、付加価値をつけていくような業態開発の取り組みが始まろうとしていますので、そこを捉えていると認識していただければと思います。
○砂場委員
だから、先ほどから言っているように、他社からとるのは当たり前なのです。まず最初に総務部門、人事部門を切り離してBPOするでしょう。次の段階は、そこの自社の分のBPOをやっている人件費だとか経費ぐらい稼げよという形に必ず会社は言うわけです。そして、そこで他社からとってきて、他社にとったって自社で高い同じような給料体系でやるよりも安い給料体系のほうに出したがいいから出すのです。それがBPOの本質です。
さっき言った、確かにビジネスを続けなければいけないので本社機能を持たせるということは、これはあくまで本質ではないのです。そういう意味で、さっきから言っているように、企業のニーズとマッチを、新しい求人と求職のマッチングをする意味で、今は確かにそれが時代の流れだから、今後10年とか15年の間に事務系の人たちの職としてこれをやるのだったら僕は大賛成だけれども、これで人を育てましょうとか、次世代のことにはならないと言っているわけです。
だから、そういう意味で、とりあえず10年間これをやっていって、その次の産業を育てましょうというときに、でも、あしたから飯食わなければいけないのだし、県民の皆さんに仕事をつくらなければいけないから、当面これをやることは賛成だけれども、あたかもこれが将来の鳥取県を支えるような発想は、もうおやめになったらどうですかと言っているのです。
●岡村商工労働部長
それはおっしゃるとおりでありまして、タイムスパンを切らなければいけないと思います。これは10年後までこうあるべきだという意味ではありませんので、そこはこの業種ごとに、もう少しタイムスケジュールを組んで、BPOに関しては前倒しのタイムスケジュールになると思います。
ただ、BPOについても、先ほど申し上げたように、コールセンターのようなものは確かに海外に出ていっています。海外の安い人件費を求めて移転していくと。ただ、事務は意外ととどまっているという傾向がありまして、確かに沖縄なんかではそういう形で人件費が高騰してきて、沖縄のBPOがまた本土に帰っているとか、本州に帰ってきているというような傾向もあります。我々とすれば、そういう傾向値を見て考えるのではなくて、まずは需給ギャップを埋めるところに重点を置いて今回はこの戦略を出しましたので、確かにおっしゃるように、10年後の将来を見据えて高度な人材を育てていくという意味合いではありません。そこはちゃんと切り分けて考えていきたいと思います。
○砂場委員
実際ね、もう海外へ出ているのですよ。中国にBPOのセンターをつくっているところは1社や2社ではないです。日本語ができる中国人の人を雇用したほうがよっぽど安いというのです。大手の会社は何社も出ています。だから、そのあたりは考えておかないと、沖縄もいい例で、沖縄がBPOをいっぱいやって、仙台がやって、今はどうするかというと、何年間で補助が切れるわけですね。そうするとどっちとも延長しているのです。そういう状況になって、県民の税金でやるわけですから、そこはしっかり考えてやっていただかないと、この間にここで人を雇っていて次の産業を育てるという形に持っていってほしいと思いますので、認識はしっかりしていただきたいということです。
もう1つ、北東アジアのゲートウェイの話なのですけれども、実はこの前、議員連盟でヤマトパッキングサービスの江頭社長から話を聞いたときに、非常におもしろいという発想をお聞きしました。韓国というのを面としてではなく点として考えましょうということは1つあると思うのです。でも、それをやるためには、点とすると、RORO船ですとかを考えれば、積みかえの時間が要らないので同じところで随分時間が短縮できるということだったので、そうすると、やはり単純にポートセールスをやるのではなくて、RORO船に特化をしていくだとかフェリーに特化する。
もう1つ大きいのは、韓国と日本でフェリーを定期運航しているところはここしかないのです。そうすると、荷物を持ってくるときに時間が計算できる。それと、中国で一番大きいRORO船、それからフェリー等は天津と韓国が結ばれていますから、そういうものを見据えてやると、やっぱり中国でいうと、深圳の経済特区が今、一番経済成長しています。今は日中関係が悪いですけれども、あそこでやるのはほとんどが外資系企業です。だから国内で売る気もないのですね。ですから、そういうところと具体的なやっぱりポートセールスをやるのだったら、この地域とこの地域というのを見据えて、さっきの吉林省の話でも、それはそのとおりだと思うのですけれども、そういう具体的な政策をやられたらよいのではないかと思います。
県の教育委員会とも一緒に中国に行ってきて、あの規模と、それから将来性の成長率についてはやっぱり驚きました。そういうところのやっぱりポイントを押さえながら、市谷委員の言われることはもっともだと思うのです。投げ網みたいに待っていてもだめなわけだから、きちっとそういうところまでサポートを考えておられるのかどうなのかと思います。
●岡村商工労働部長
常にヤマトパッキングさんとは情報共有しながらやっていますし、他県とも協力しながら、今、境港の特異性といいますか、優位性を生かすようなビジネスに持っていこうということで、ヤマトさんとも協議しながら詰めておりますので、戦略的に取り組んでまいります。
○長谷川委員
エネルギーシフトに関して質問いたします。
23年7月からの再生エネルギーにかかわる特別措置法というのは、国を挙げて従来の総電力需要量を落としていこうと、減らしていこうというところから全てが始まっております。そういうことに鑑みますと、本県の場合、本当にこれから求められるといいますか、このあたりでという電力供給量にもなるわけですが、いわゆる節電の目標数値というのがやや低いのではないかと思います。方策としては家庭におけるいろいろな4R運動などでの取り組みはありますけれども、大規模な事業所を含めて、鳥取県内での電力需要はこのあたりに落としていく方向になるわけですけれども、そういうものの目標も強く出されていく必要があろうと思います。
あわせて、そういう中で特に期待するのが木質バイオマス発電でして、これはただ単に一挙に売電ということに行くのではなくて、熱供給という大きな役割があると思います。そういうことで節電が図られるわけであります。あるいは山の本当に出口の対策としても有効でありますし、ここの本当に木質バイオマスは他の太陽光とか風力とは違う大きな目的、意義を持っていると思いますので、ぜひこの取り組みの成功に御尽力いただきたいと思います。
あわせて、その場合も、どうしても系統連系の問題が出てこようかと思いますので、このあたりの最新のいわゆる中国電力側との状況について御説明をいただきたいと思います。
●白石環境立県推進課長
3点御質問がございました。
1つは節電、まずはエネルギーをふやすだけではなくて、節電なんかの目標を持ってやるべきではないかというお話だったと思いますけれども、実はこの環境イニシアティブプランをつくりましたときに、一応何%の削減ということを計画の中には盛り込んでおります。ちょっと細かい数字は忘れたのであれなのですけれども、数%程度の削減の目標を定めました。ただ、それは、もとになりますのはCO2の削減というのをもとに持っておりまして、そちらから引っ張っております。こちらにつきましては、国でさらに削減の計画の見直し等が行われておりますので、そのあたりも見ながら、再度練り直しをしていく必要があると思っております。
2番目でございますけれども、木質バイオマスの話がございました。確かに議員がおっしゃいますように、木質バイオマスの場合は電気だけではなくて、熱利用をするのは当然でございますので、当然そういったことにも着目しながら進めていければと思いますし、事業がうまくいくようにフォローアップをしていきたいと思っております。
3番目ですけれども、系統連系の話について、最新の情報ということがございました。実は議会でもいろいろと御質問いただきまして、今、直近の話題といたしましては、今年度中になるのですけれども、日にちはちょっとこれから調整なのですけれども、もう年度末近いのですが、一旦中国電力の本社から統轄監に話をしに来ていただくような場を設けるようにしております。その後、再度、新年度になってから、今、先ほど問題になっております系統連系を含めたさまざまな問題につきまして中国電力とまた話し合いの場を設けていきたいと考えております。
○砂場委員
系統連系の話で1点なのですけれども、実は東部で2社、それから西部で2社、具体的な話を進めている中でお聞きしたのですけれども、結局中国電力が系統連系を申請した容量に対して100%の回答がないのです。しかも途中の予備審査から本審査に移るところでどんどん減っていくのです。それはなぜかというと、中国電力が悪いのかというと、そうではなくて、家庭用の太陽光発電があると、そこの電線の容量がどんどん食われていって、日が当たれば当たるほど電線の容量が少なくなっていく。こういう現状があって、だから企業が、しようがないから半分とかになってしまったわけですね。それでも3月31日までに系統連系をやらないと42円が38円に落ちるから、泣く泣くそこでやるということです。
ところが、本会議でも聞いたけれども、知事はそれでもペイするからいいのだというような答弁だったけれども、ペイすればいいのだであれば、企業は営利企業なのだから手を挙げなくなると思うのです。やっぱりもう一回企業用の、やっぱり企業がやろうというようなモチベーションが上がるような制度設計に戻さないと、ペイするからいいでしょではだめだと思うのです。
さっきの系統連系で話をすると、では系統連系、では電線を太くしてくださいよ、それでは困るからトランスも全部直してくださいといったら、ああ、いいですよって来るけれども、そしたら3,000万、4,000万の請求額になりますと。そうすると、もうペイしなくなってしまうわけです。今の1キロを超えたものについては500万という制度では、とてもペイしないのです。そうすると今あるところで小さいところになってしまうというようなのがあって、中国電力が悪いのかといったら、今の買い取り制度というのは現有ある設備において買い取れるものについて買い取ってくださいという制度なのです。法律がそうである以上、これを進めるためには、やはり県がその間に入って何かの制度をつくるとか、仕組みづくりをしないとなかなか進まなくなってくる。しかも太陽光は毎年毎年、多分減る、買い取り価格が安くなると想定されているので、ここはやっぱり一旦何か中国電力と話をしながらでも系統連系がうまくいくように、できれば容量が、各メーカーさんがやりたいという量が確保できるような新しい支援制度が必要だと思うのですけれども、岡村商工労働部長、いかがですか。法橋統轄監でも結構ですけれども。
●法橋統轄監
系統連系の話は、私もずっと努力しているのですけれども、砂場議員がおっしゃるように、早い者勝ちという格好で競争なわけですね。そういった格好で太陽光なんかはどんどん、全体の、末端のそこに接続するグリッド、これのところでどんどんどんどん出てくれば、そこの需要量に限りがあります。逆潮流できませんから、基本的にはそこの中での余白というのがどんどんどんどん狭まってきて、それで狭まるというのは、これは今の設備からすると仕方がない話ではないかということです。
私も技術的なことはあんまり詳しくわかりませんけれども、そのあたりも踏み込んで中国電力とはいろいろ話はしてきております。電力会社が言う、逆潮というのは絶対できないのだというようなことを言うのですけれども、そこのところを技術的に何かクリアできるものがあるのかないのか。それから家庭用のいわゆる低圧のところであればトランスを変えることによってやることができる。それのところを中国電力で大型のトランスに変えることはできないのかと。こういったさまざまな要望もしております。
手続的にも非常に時間がかかるというところがあるものですから、それが非常にやっぱり中国電力のこれまでの官業的な体質みたいなところに依拠しているところがあるということは考えられますので、その辺、中国電力ではなくて、実際の事業者が自分で接続してしまうような、これ一部のところでは特例的にやっておりますけれども、こういったことが一般的にできないのかというようなことも申し入れて、それについて今月末に回答を持ってくると言っています。
一朝一夕になかなか今の状況というものを画期的に変えるということはできないのですけれども、できるところから中国電力にそういった改善というものを求めていくということになろうかと思っています。
県の支援策ということなのですけれども、これについてはいろいろ、FIT法ができる段階でどういう制度設計をすればいいのかというのは大分苦労したのです。といいますのは、FIT法自体が再生エネルギーを促進させるために、結果的には相当効果が、評価委員会なんかの意見で高額の価格が出てきたものですから、なかなか実際問題、やればいいではないかという格好になってしまっていて、なかなかどこに支援をするかということがあります。
確かに結果的に見ると距離の問題があったり、そういったことがあって、なかなかこれがあるから、では始めましょうかという支援策にはなり得ていないのかもしれません。ただ、かといって、その送電設備を県が何か増強する、中国電力の送電設備を増強するときにこうやるということも、これもなかなか県としてやりがたいということもありまして、そのあたりのところはいろいろ事業者にも意見を聞いて、どういったことができればやりやすくなるのか、加速するのかということは聞いてみたいとは思いますけれども、なかなか今のところ、これをやったから、ではすぐという仕組みにはなっていないと思っております。
○砂場委員
もう1つは、県内にもパワーコンディショナーだとか、関連製品を製造している企業がありますので、例えばそちらの支援策と絡めるとか、もう一度そのあたりはしっかり考えていただけたらありがたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
やはり系統連系をうまくやらないと、もうこれ以上進まないと思うのですね。小水力の場合は一定価格は維持されたのだけれども、太陽光だけは下がっています。それに対して企業の皆さんに聞くと、やはり物すごく危惧をされているところがありますので、スピード感を持って対応していただければありがたいと思います。
◎横山委員長
そのほかありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようでしたら、御意見が尽きたようですので、執行部の皆さんは御退席いただいて結構です。
委員の皆様はこの場に、ちょっと時間ですのでお残りください。
本委員会の活動報告についてですが、本会議におきまして、各委員会の1年間の活動状況について報告することになっております。
お手元に案を配布しておりますが、いかがでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、案のとおり、活動報告を行うこととしますので、最終の文面は委員長一任ということで御了解いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
では、以上をもちまして、エネルギー・雇用促進調査特別委員会を閉会いたします。
午後0時01分 閉会
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