会議の概要
午前10時00分 開会
◎内田委員長
おはようございます。
ただいまから、地域振興県土警察常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程表のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
まず初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、斉木委員と浜田委員にお願いいたします。
それでは、議題に入りたいと思います。
質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきたいと思います。
県の入札制度について、まず最初に酒本県土総務課参事より説明を求めます。
●酒本県土総務課参事
資料を1枚おはぐりください。本日は県の入札制度について説明させていただきますが、最初に全体の概要ですけれども、そこに目次がございますが、最初に1.で条例の関係を説明させていただきまして、2.で基本方針の基本的な考え方を説明させていただきます。その後、基本方針に沿った形で競争入札、格付、総合評価、最低制限価格と低入札価格調査等について順に説明させていただきます。最後に、予定価格についても説明させていただきます。
なお、本日は参考資料として、一番下にございますが、建設業の現状とか賃金水準確保の取り組み、入札不調の状況と対応等について資料を添付しております。
それでは、1枚おはぐりいただきまして、1ページをごらんください。まず、皆様も御承知のとおり、本県では19年2月に、当時は入札談合等が問題となっておりまして、その中で全国で初めて入札制度を定める手続に関する条例を制定いたしております。入札制度に関して、県民の代表である議会が関与できる仕組みとなっております。
1.のところに条例の抜粋をつけておりますが、3条の基本方針の策定、そして策定に当たっては4条で議会の承認を得るというふうなことになっておりまして、その基本方針に基づいて、入札制度の透明性等を確保しながら、入札の適正な執行に努めているところでございます。
1.の下のほうの2.でございますが、まず基本方針の考え方でございます。下のほうに1、2、3と3つございますが、3つの理念に基づいて入札制度の基本方針を定めることとしております。1番目は、談合等の違法行為の防止という観点からも競争性を一層高めると、1は適正な競争性の確保ということでございます。2番目は、建設工事等の品質の確保でございます。3番目が透明性と公正性の確保と、この大きな3つの柱に基づいて基本方針を立てることになっております。
2ページ以降、その3つの柱、第2というのがまず第1の適正な競争性の確保ということで、順に品質確保、透明性の確保ということで説明していきたいと思います。
2ページの一番上でございますが、四角の中が基本方針の要旨だと思っていただければいいと思います。それに基づきまして、四角の外に実際にどういう入札制度をやっているかということを説明しております。
まず、競争性の確保についてでございますけれども、一般競争入札といいますのが受注機会の均等とか経済的、効率的な予算執行とか、談合防止等の観点からも有効であるというふうなことでございますが、県内で進めるに当たりましては、県内の建設業界の健全な育成も考慮しながら適正な競争性を確保していく必要があるというふうなことで、その下の1の制限つき一般競争入札というところに進んでいくのですけれども、県内の建設業界の健全な育成を考慮するに当たっては、本店の所在地とか、県内とか、東、中、西部の3ブロックとかそういうふうなもの、施工能力、技術者の要件をつけた、これを制限つき一般競争入札と呼んでおりますが、それの導入、そして拡大を図ると。それによって競争性を確保するということと、あわせて電子入札を拡大していくというふうなことがうたわれております。
もう1点は、下に発注の原則と書いておりますが、その中で特にイでございます。県内業者ができるものは県内業者に優先的に発注すると、こういう原則に基づいて入札制度を進めておりまして、その下に実際の今の適用状況を書いております。
基本方針に基づいて、当時は指名競争だったのですけれども、それを徐々に制限つき一般競争入札を拡大していきまして、平成25年1月以降、改正前は250万円から1,000万円までが限定公募型の指名競争入札だったのですけれども、そして1,000万円からWTO対象までが制限つき一般競争入札だったのですが、これを新制度では250万円以上は制限つき一般競争入札ということで拡大したということでございます。あわせまして、総合評価方式でございますが、改正前は1,000万円以上だったのですけれども、250万円以上は基本的に総合評価方式にしたというふうなことでございます。ただし、総合評価対象外工種等がございますので、それは価格競争で残っているということでございます。そして、対象管内といいますか、区域割り発注の関係ですけれども、対象管内というのがございまして、新制度のほうを見ていただきたいのですが、6,000万円未満は東、中、西の3ブロックの区域割りで発注しておりまして、6,000万円以上は全県対象に発注しております。入札方法も250万円以上は電子入札にしているというふうな状況でございます。
次に、3ページをごらんください。3ページ、4ページは入札参加資格等格付についてでございます。3番の括弧の中で、建設工事の入札参加資格者の施工能力等に係る格付ということで、健全な競争環境を構築するために、入札参加者の多い発注工種について格付、これは経営規模とか施工能力等に応じて等級を設けているものでございまして、具体的には、その枠の下の表がございますが、土木一般などの7工種について2から4等級の格付を行っております。
格付は、(2)に書いてございますが、総合点数、これは客観点数と主観点数を足したものでございまして、その高い順に行っております。客観点数につきましては、これは経営事項審査というのがございまして、これは建設業法で位置づけられたものでございまして、公共工事の元請として入札参加を希望する建設業者さんは必ず受けなければならないものでございます。経営状況とか経営規模、完工高とか技術的能力、これは技術職員数等でございますが、その他客観的な事項について点数化をして、総合評定値、一般的にP点P点と言っているのですけれども、それとして結果が出るものでございまして、全国一律の客観的な指標でございます。これに基づいて、直前と、直前の直前で6対4で評価をしているというものでございます。
主観点数でございますが、これにつきましては、格付が2年間でございますので、前回の格付時の23年、24年の平均値と工事成績を足し合わせたもので、配点等につきましては、その下にありますように、工事成績300点と、それと優良工事とか、研修加点とか等々を合わせて85点で、上限が385点というふうなことでしております。
4ページのほうが、実際の格付をして、どういう発注金額帯に工事を出しているかということでございます。例えば、一番上の土木一般でございますが、A、B、C、Dの4等級に分けておりまして、A級でしたら4,000万円以上、これは規則で定数100と決めておりまして、業者数が100社と。A級の要件としては、1級技術者が4名以上と特定の許可を持っていることということでございます。特定許可といいますのは、一定規模以上の下請ができる会社ということでございます。ということで、以下同様に格付業者数を定めております。一番下に、知事許可の建設業の業者数を書いておりますが、許可を受けておられる業者さんは2,141社、10月31日現在でございます。県の入札参加資格を持っておられる会社がそのうち906社、先ほどの7工種の格付を持っておられる業者さんが829社という現状でございます。以上が格付でございました。
次に、5ページ、6ページを見ていただきたいと思います。ここからが品質確保の項目になりまして、総合評価制度について説明をしております。品質確保、そして低価格受注対策として、まず総合評価競争入札を実施しております。これは、基本方針の中でも、総合評価、一般競争入札等を積極的に活用して品質の確保を図るというふうになっておりますし、公共工事の品質確保の促進に関する法律、一般的に品確法というふうに言っておりますが――にも位置づけられた価格と品質が総合的にすぐれた調達を実現するものでございます。
この総合評価制度も平成19年度から導入しておりますが、見直しを行ってきて、昨年4月から総合評価制度の改正を行いました。内容としましては、5ページの一番下を見ていただきたいのですが、改正前は1,000万円以上につきまして特別簡易型という一つのタイプでやっていたのですけれども、改正後は地域密着型と技術提案評価型と簡易評価型、それぞれ工事の規模や難易度に応じて3タイプの総合評価方式に見直しを行いました。
具体的には、真ん中あたりに書いておりますが、運用ガイドラインというものを定めまして、まず地域密着型でございますが、これは新設導入したものでございまして、道路や河川等の維持修繕工事については、やはり地域の企業が持続的に行うことを目的としまして、会社の同種工事実績とか地域性により評価を行うというふうなことで、対象は1,000万円未満の小規模工事とか、1,000万円から6,000万円までの維持修繕系の工事を対象としております。ただ、修繕工事の中でも、そこの括弧書きに書いておりますように、表面被覆工等を主たる内容とする橋梁修繕工事など難しいものもございますので、特殊なものもございますので、そういうものは対象外とするように運用見直しを行っているところでございます。
2番目としまして、技術提案評価型でございますが、これは試行を続けてきまして、4月から本格実施しているものでございます。6,000万円以上の工事の中から技術的な工夫の余地のあるような工事を発注機関が選定して行っております。大体、全県で10件程度を目安にやっております。
最後に、簡易評価型でございますが、これは従来特別簡易型と言われたものでございますけれども、評価項目の見直しを行ったところでございます。
6ページは具体的にどういう項目で評価しているかというふうなところでございます。一番上の表に地域密着型、技術提案評価型、簡易評価型とそれぞれ評価項目を並べておりますが、技術提案型が一番技術的な工夫の余地がある難しい工事ということで、一番右側に技術提案点数というのがございますけれども、そういうものを設けて、あとは会社の施工能力とか配置技術者の施工能力で評価をすると。
次に、簡易評価型というのが一番一般的なものなのですけれども、入札価格点数が60点で、施工能力点数が41点なのですけれども、それぞれ会社の施工能力、工事成績とか、実績とか、企業経営ですね。それと、配置技術者の施工能力、これも工事成績、実績、資格と、CPDというのは研修でございます。それと、受注額と地域点で評価をしております。
最後に、地域密着型でございますが、この中では比較的皆さんが参加できるようなもので、これについては入札価格点数が90点、それと工事成績を持たない工事が多うございますので、実績の有無で評価をしております。それと配置技術者の資格、CPDで評価をしまして、最後に地域点で評価をしているということでございます。地域密着型につきましては、価格と最低限の実績、資格と地域性を重視して評価をしているということでございます。
ちょっと特徴的なものだけ説明させていただきますと、簡易評価型の中で、会社で企業経営というところがございます。企業経営の評価といいますのは、やはり品質確保のためには施工体制、施工の確実性というものも確保する必要があるというふうなことで、先ほど格付のところで説明いたしましたが、総合評定値、経営事項審査のP点、これが会社の経営状況、経営規模、これが完工高ですね、それと技術力、技術職員等などを総合的に評価したものでございますので、これで評価をしております。
もう1点は、その下のほうに受注額というのがございます。これは、品質確保の意味からも企業の受注能力以上の受注を抑制するというふうなことと、受注機会の均等、企業の受注というのが偏らないというふうなこともあわせて考えまして、受注額は年度ごとでございまして、年度当初4点ございますが、そこの式にありますように、各業者さんの県工事の平均受注額とか、生産指標額といいますのは、国とか民間の完工高等も含めたものについて、それを県の受注額見合いに換算したものでございますが、そういう各企業の受注能力に対して、その年度ごとに、例えば4億円の平均受注額を持っておられる会社でしたら1億円とりますと4分の1分が減ってくるということで、4点の持ち点が3点と、受注するほど減点していくというふうな制度でございます。
もう1点は地域点でございますが、これは見直しまでは距離制といいますか、距離によって評価をしていたのですけれども、見直しによって同一管内で同一点ということで、例えば工事箇所が鳥取の場合は鳥取が4点、八頭が1点、中部、米子、日野が0点というふうなことで、地域ごとに評価をするように変えたということでございます。
次に、7ページ、8ページを説明いたします。ここからは最低制限価格と低入調査基準価格についての説明でございます。
まず、ページが飛んで申しわけないのですが、1枚はぐっていただいて10ページをごらんいただきたいと思います。
皆様も御承知だと思うのですけれども、最低制限価格と低入札価格調査の関係なのですけれども、その図にありますように、今は土木工事の場合は2億円、建築一般の場合は4億円ということなのですけれども、2億円未満の場合は最低制限価格制度を適用しておりまして、中央に太い線が引いてあると思うのですけれども、最低制限価格を現在は予定価格のおおむね90%程度に設定しております。総合評価の場合も失格基準ということで同様に設定しておりまして、それよりも下回ると失格というふうな制度でございます。対して、2億円以上の低入札価格調査制度といいますのは、調査基準価格、これが予定価格のおおむね88%でございまして、その下に失格基準、これが予定価格のおおむね80から85%なのですけれども、失格基準よりも下は失格なのですけれども、調査基準価格と失格基準の間については低入札価格調査を行って履行が可能か判断するというふうなことでございます。企業が企業努力によって低い価格でも合理的に競争できる場合もございますので、低入札価格調査制度というのが一般でございまして、特に必要な場合には最低制限価格制度を適用しているというのが現状でございます。
ちょっと戻りますけれども、7ページのほうをごらんいただきたいと思います。確認になりますけれども、県では平成11年度から、この当時は土木と建築が2億円未満について最低制限価格適用をしておりましたが、その後、平成20年から建築一般は4億円未満について最低制限価格制度を適用してございます。下に書いておりますが、国の発注工事は会計法によって最低制限価格制度の規定がなくて、全て低入札価格制度を適用しております。これは、先ほどもちょっと説明しましたが、基本的にはある程度企業も競争して合理的に下げることができる、発注者にとっても競争による利益の享受が可能ということで、まずは低入札価格調査というのが基本ということでございます。ただ、地方自治体は調査体制の整備とかが容易ではないということがあって最低制限価格制度の適用というのが認められているというふうなことでございます。現在は、土木工事が2億円未満、建築一般が4億円未満に適用しているということでございます。
最低制限価格制度につきましては、中央に(1)、(2)、(3)と書いているのですが、まず平成20年8月までは予定価格のおおむね80%から81%でございますが、くじ引き等が頻発したこともあって変動制というのを導入いたしました。その後、低価格入札等につながって品質確保等が懸念されたということで、20年8月から85%程度に引き上げてございます。そして、22年8月に予定価格のおおむね90%程度に引き上げたということでございます。その90%程度に引き上げた当時、通知を点線で囲っておりますが、それまでは国も低入札調査基準価格の設定範囲を、3分の2から10分の8.5の範囲だったのですけれども、10分の7から10分の9に引き上げたというふうなことで、地方自治体に対しても最低制限価格等について設定範囲の上限設定する等の引き上げを適切に行うことというふうなお話がありまして、90%に引き上げているところでございます。
そういうことでございますので、その下に全国の状況を載せておりますけれども、ほぼ全ての県が最低制限価格の上限を予定価格の90%に設定しているというのが現状でございます。中には、国と同様に調査基準価格制度だけで最低制限価格を未導入の県もあるような状況でございます。
次に、8ページを見ていただきたいのですけれども、これは低入札調査基準価格の引き上げでございます。これにつきましては、ことしの7月から国に準じた形で2億円以上の土木工事、建築工事についても同様に引き上げを行っておりますが、調査基準価格を引き上げ前はおおむね予定価格の81%だったのですけれども、88%程度に引き上げたところでございまして、あわせまして、失格基準もおおむね75%程度でございましたが、これを80から85%程度に引き上げたということでございます。あわせまして、低入札価格対策としましては、(2)、(3)で低価格落札者に対しては、確実な履行をしていただくために、施工現場に配置する技術者の増員でありますとか経営診断の受診指導などを行っておりますし、4番目で施工実態調査員を全県で5名配置いたしまして、適切な施工の確保の指導等をしているところでございます。
次に9ページをごらんください。配置技術者等の運用について御説明いたします。
主任技術者、監理技術者の運用について、現在建設業法で2,500万円以上の土木工事等、これは専任を要する工事ということで工事現場に専任で配置をしております。専任を要しない工事につきましても、鳥取県の中では品質確保という観点から、同一管内に限り県工事の技術者として2件までの兼務を可能としているところでございます。
もう一つ、現場代理人というのがございまして、これは工事契約書のほうで工事現場に常駐というのを義務づけしているところでございます。このたび、西部地域で入札不調等が出まして、西部のほうでは災害復旧が多かったもので、災害復旧対応に支障が出ないように技術者要件の緩和をしたところでございまして、※印の2番目のところに書いてございますが、例えば現場代理人につきましては、専任を要しない2,500万円未満の土木工事に限って同一管内で災害復旧工事を含む場合は2件までの兼務を認めるというふうなことで、本年の3月31日までに調達公告を行う工事に適用しております。その他、発注機関のほうでもいろいろな努力をされまして、米子管内、特に県工事においても入札不調があったのですけれども、災害復旧工事についてはほとんど入札不調がなかったというふうな状況でございます。
(6)番目に、自社施工制度について御紹介させていただいております。これは、専門工事業ですね、アスファルトとか、のり面工とかそういう専門工事業者さんの健全な育成のために、原則として自社保有の技術者とか技能士さん、そして施工機械、これで行う自社施工制度というのをアスファルトなど8工種について適用しているところでございます。
第4番目、一番下のところでございますけれども、最後の柱の透明性、公平性の確保というふうなことで、入札制度を改正しようとするときは、入札制度に関する運用状況をまとめたときには入札・契約審議会の意見を聞きながら制度を執行しているところでございます。
10ページは先ほど説明しましたので、最後に11ページをごらんください。11ページは、現在の建設工事の落札率の推移と営業利益率とか倒産の状況を説明させていただきます。
一番上の図の四角い黒印ですね、それが県工事全体の落札率でございまして、平成19年、20年当時、落札率が87%、87.6%ということで低下いたしました。その後、平成19年9月から総合評価制度を導入して、さらに20年8月から最低制限価格を段階的に引き上げていったというふうなことがございまして、平成24年度は落札率は92.1%と上昇してきているという状況でございます。
真ん中の図が県内建設業における営業利益率でございます。これは、完工高に対して営業利益率がどうかというものでございますが、例えば落札率が低かった平成20年は、見ていただきますように、10億円未満については営業利益率がマイナスに出ている企業が多うございまして、業者数は入れておりませんが、全体の95%がそういう状況でございました。その後いろいろな取り組みを行ってまいりまして、平成24年度時点でございますが、現在は完工高が1億円以上の企業が全体の71%でございますが、その企業につきましては営業利益がプラスになってきて、営業利益としては改善傾向に向かっているのかなというふうに思っております。
一番下に倒産状況のグラフをつけておりますが、やはり平成19年、20年当時は建設業者の倒産は22件ということで、土木のA級という大きな業者も倒産しておりましたが、24年度時点では3件というふうなことで、減少傾向になっているというふうなことでございます。
◎内田委員長
続きまして、竹森技術企画課長の説明を求めます。
●竹森技術企画課長
同じ資料の13ページをお願いいたします。今まで入札制度のお話でございましたが、そもそも入札の対象となります予定価格につきまして説明させていただきたいと思います。
まず、予定価格は、会計法とか、あるいは地方自治法に書いてございますが、予定価格の範囲内で最低の価格で入札をした者を落札者とすると。逆に言えば、公共工事での予定価格は契約予定額の上限といった性格を持っているといったことが大前提。もう一つは、予定価格は資材の最新の実勢価格や施工実態を反映して定めるものであるといったことでございます。
この予定価格といったものはどういうふうに成り立っているのかということを絵で描いてございますが、一番左側がいわゆる予定価格、設計金額でございます。これは、消費税はちょっと別にしまして、工事価格なのですが、これは工事の現場における経費、これを工事原価といいます。それとあとは会社の運営、そういったものに必要な一般管理費に分けられます。工事現場における経費につきましては、大きく直接工事費といいまして工事の現場の構造物、道路そのものとかコンクリートの構造物そのものとかいったもの、そういったものをつくるための費用というのが直接工事費でございまして、それ以外に間接工事費がございます。間接工事費といいますものが、例えば道路をつくるためには道路をつくる現場に機材等を運搬したりとか、あるいは仮設の道路だとか、工事用の道路だとかそういったものをつくったりするいわゆる諸経費的なものですね、そういったものの費用と、あとは、ここに現場管理費と書いてございますが、現場の労働者さん、従業員さんを管理するための費用といったものでございます。ざっとこういった構成になっているといったことを示したものでございまして、そのうちの直接工事費というのがさっき現場の目的物をつくるための費用と申しましたが、といいますものは大きく労務費、材料費、機械経費、この3つで成り立っております。
次は労務単価でございますが、この労務単価の決め方といいますものは、毎年労務費調査というものをやっているのですが、これは県と国と共同でやっております。これに基づきまして国のほうで定めてございます。既に御存じだと思うのですが、平成25年度から労務単価が11.8%引き上げになったということで、賃金水準の引き上げとか、あるいは社会保険加入促進などの改善に取り組んでいるといったところでございます。そういった中でのフォローアップ調査によりますと、業者さんの努力もございますが、約8割の企業が賃金の引き上げないし確保しているといったことになっております。こういった労務単価といいますものは、さっき申しましたように、調査に基づいて行うものでございますから、実際の賃金水準引き上げといったものがさらなる設計の労務単価の引き上げにつながるといった性格でございますので、引き続き水準確保に取り組んでまいりたいと思います。
それと14ページの上ですが、新情報と書いてございます。これは、実はきのう、1月30日でございますが、国土交通省が2月から設計労務単価を引き上げると、全国平均で約7%引き上げといったことを公表されました。これに合わせまして、県のほうは2月10日以降に調達公告する工事から適用といった方針でございます。きょうは1月31日ですが、設計書をつくるためのシステムがあるのですが、そういったものの改定といいますか、あとは実際にそれに基づいた工事の積算、予定価格の積算といった作業を踏まえまして、2月10日以降の調達公告から適用したいというふうに考えております。これにつきましても、引き続き適切な賃金水準の確保等に取り組んでまいりたいと思います。
具体的には、下のほうに太字で書いてございますが、鳥取県の場合は全業種平均で約6.6%の上昇でございます。作業員につきましては、例えば普通作業員ですと、これまでは1万5,300円だったのが1万5,900円と600円のアップですが、というふうに約4%前後ですが、鉄筋工につきましては、一例でいいますと1万6,700円が1万7,900円と、技能労働者の単価につきましては7%以上と、技能労働者のほうが上昇が高いといったような状況でございます。こういったことで、試算ではじいてみますと、工事価格もこの上昇によりまして1%から1.5%程度上昇することになります。
次に、材料単価についてですが、県内では年に2回の全面改定と、あとは毎月調査を行っておりまして、変動状況によりまして実勢単価を速やかに反映させるといったやり方をやっています。
この材料単価についてですが、県のほうで土木工事の実施設計単価表といったものをまず定めておりまして、これをまず基本としまして、これにないものは、よく御存じかもわかりませんが、今手元に掲げておりますが物価資料といったものもございます。こういったものがその次、あとはそれらに基づかないものが特別調査ないし見積書といったような優先順位でやっております。物価資料につきましては、例えば大口取引数量というふうな言葉が使われていますが、鉄の棒鋼などですと20トンから50トンというような大口でございますが、あとは県内の資材商社等を通して行われておるというふうな単価の採用のやり方を今現在やっております。こういった物価資料に基づかないもの、実態に合わないものにつきましては、先ほど申しましたように、特別な調査をやって単価決定をやっていくというふうなやり方で進めております。
材料単価の表の下に書いてございますが、また契約後におきまして単価が著しく変動した場合につきましては、これはスライドといいますが、請負金額の対象工事の1%というのが基準がございますが、それに基づきまして請負金額の変更を請求することができるといった制度に契約上はなっております。
次に、標準歩掛かりと読むのですが、歩掛かりといいますのは手間というふうに考えていただいたらよろしいと思います。標準歩掛かりとか機械経費、諸経費につきましては、国のほうで定めているものに基づきまして基準を県としても適用しております。ただし、実態に合わないものにつきましては県独自の歩掛かりを設定するといった状況です。歩掛かりの独自の例としまして下に掲げてございますが、ひび割れ補修の歩掛かりとか、あるいは草押さえのためのコンクリートだとかいったようなものにつきましては県独自のものを定めております。諸経費の率は国が定めたものを適用しております。
最後になりますが、工事を行う場合に、1カ所の工事ではなくて、複数の箇所をまとめて工事を発注する場合がございます。そういった場合の諸経費、間接工事費でございますが、これにつきまして、これまでは1つの発注工事の中の数カ所につきまして一括で算出していたと。諸経費と申しますのは、対象になる工事費が大きいほど諸経費の率は低くなるといったことなのですが、まとめてすると諸経費は低くなるのですが、これを去年の12月から公道の距離5キロ以上の場合につきましては施工箇所ごとに間接工事費を算出すると。つまり一つずつに分けますと対象になる工事が少ない分諸経費の率は上がるといったような計算になりますが、そういったことをして少しでも実態に即した諸経費の適用といったことをやっておるというふうな状況でございます。
◎内田委員長
説明をいただきました。
皆さん方のほうで質疑がございましたら。
○福間委員
21ページの入札不調の状況と対応について説明してもらいたい。
●酒本県土総務課参事
21ページをごらんいただきたいと思います。
本県における入札不調の状況でございますが、10月から11月ごろに特に西部のうちの米子管内で増加傾向にありまして、先ほども少し御説明しましたが、災害復旧が西部地区は多くございましたので、その影響が懸念されたというふうなことで、業界への状況確認とか、発注機関のほうが応札の呼びかけ等も行いまして、西部管内の災害復旧工事に限定して技術者要件等の緩和措置を行ったというふうな結果で、災害復旧工事の入札不調はほとんどなく、現在は落ちついているという状況でございます。その緩和の内容としては、1つ例示をいたしましたのは、現行は、現場代理人は原則として工事現場に常駐ということでございますが、暫定的な緩和措置として、同一管内の2,500万円未満については兼務を2件まで可能とするというふうなことでございます。その後、今度は鳥取県土整備事務所管内のほうで入札不調が増加傾向にありますけれども、経済対策のほうで発注した工事が年内に一段落ついたものもあるというふうなことで状況を注視しているところでございまして、11月、12月と多かったのですけれども、1月は少し減少傾向に向かっているということでございます。
入札不調については、河川とか砂防等の小規模修繕工事とか、それとか交差点工事とか歩道改良工事ですか、市街地の工事ということで、なかなか施工がスムーズに進まないような小規模で手間がかかり利益が得られにくい工事、これが敬遠傾向にあります。それについては、より実態に即した予定価格の設定というのが必要というふうに考えております。
入札不調の状況でございますが、12月現在でございまして、24年の4月から12月を25年と比べますと、県工事発注件数が1,000件ぐらいなのですが、その中で昨年が43件、ことしは86件ということで、全体の4.1%から7.5%に上がっているという状況でございます。ただ、東北等で発生しますように何十%というふうな入札不調の状況にまではなっていないというふうなことでございます。
これは全国的な入札不調でございまして、全国の状況を括弧書きでしております。国交省のほうは、入札不調の原因というのは人手不足ではなく、どちらかというと予定価格と実勢価格の乖離によるものであるというふうなことで、その理由としては、人手不足等の構造的な要因などいろいろなことが複雑に絡み合っているというふうなことでございました。新聞とかでも報道されていますように、特に全国的には公共建築工事、学校や病院などを中心に乖離が生じているということで、入札不調が発生していると。
それに対しまして、21ページ、22ページの国交省が今考えている対策でございますが、主に予定価格の適切な実態に合った設定というふうなことで、まず公共建築工事が全国的には多く入札不調が発生していますので、最新単価の適用の徹底とか、スライド条項の適切な設定等を行っているというふうなことでございまして、建築工事以外全般的にも予定価格の適切な設定ということで、公共工事設計労務単価の機動的見直し、これは通常年に2回なのですけれども、このたび2月という時点で機動的に労務単価の上昇を踏まえて、市場の状況に応じて見直しを行われたということだと思っております。あわせまして、適正な工事採算性の確保ということで、契約後も資材等の単価が大きく上昇した場合については各種のスライドして上げる条項がございまして、それの活用を徹底していくというふうなことと、人手不足等への対応としましては、発注ロットの大型化等を考えられているというふうなことでございます。
○浜田委員
1つは、男女共同参画の加点についてちょっと伺いたいのですが、これを進めるということで加点制度をプラスしていただきました。この成果は上がっているかどうかということですね。
さっきの災害復旧工事、それから危機管理対策ですね。西部のほうは多くて大変だったのですけれども、結局メリットがないということで、加点対象にもなっていなかったということで加点の見直しもしていただきました。でも、なおかつ相変わらず、こういう情勢の中で、入札に参加しないほうが得策だと思ってしまわれるような業者さんもいらっしゃるということで、時世だとか、そのときの状況に合わせたスピード感を持った柔軟な対応というのが十分できていないのではないかというふうに思って、国のほうも今回見直しをしていって、スピード感を持ってそのときの場に合ったようなことを考えようとはしていますが、今後こういうことが起きてくるというふうに思うのですが、今後に向けての県の考え方というのを聞かせていただきたいというふうに思います。まず、その2点を。
●酒本県土総務課参事
2点の御質問がございました。まず、災害復旧への迅速な対応ということでございますが、このたび入札制度においては技術者要件の緩和措置というのを行ったのですけれども、災害復旧で非常に緊急な場合の応急対応等については、迅速に対応するために建設業協会と災害協定というものを結んでおりまして、応急対応が必要な場合にはその協定の中で随意契約等で早期に工事をするようなことも行っておりまして、早期に復旧が必要なものについては対応するようにしております。
男女共同参画の状況については、今正確に数字のほうは把握はしていないのですけれども、この制度を適用してから建設業者さんのほうでも共同参画に認定された企業も毎年ふえておりますので、少しずつ成果が出ているものだと思っております。
○浜田委員
5点ということですのでね、5点が世の中の男女共同参画を進めるのに役立っているかどうかということについて実感を聞きたかったのです。もしないのであれば、この5点が妥当な点数かどうかということを再検討しなければいけないというふうにも思ったりしたものですから、ちょっと伺わせていただきました。
そして、危機管理とか災害復旧ですが、加点の見直しをしていただきましたけれども、デメリットばかりでメリットがないと。人命救助もしなければいけないので最大限協力したい。したいけれども、結局、片方では食べていかなければならない、それから人手不足だとか機械の不足などが現状ではありますね。そんな中で、物すごくやりくりをするのに当たって、苦労ばかりが多くて何もメリットがないのだという声がいっぱいあったわけです。そういうものに対して、災害時にはそういう状況が必ず起きてきますね。でも、急々に何とかしなしなければならないということで協定は結ぶ。それはそれでいいのですけれども、協定を結んだがためにマイナスばかりになってしまうというような現状がもしあるとすれば、それはよろしくないです。妥当な線がどこなのかということについては探っていかなければいけないのでしょうけれども、そこらあたりを今後に向けてどんなふうに考えておられるのか伺いたかったのです。
●長谷川県土整備部長
災害時の緊急対応については、以前は総合評価の加点対象でありました。加点対象の点をもらうがためにそういうことをやらないといけないというふうに思ったかもしれません、そういう業者もあったかもしれませんが、これについては建設業協会のほうから総合評価の加点にすることはやめてくれというのが総意ということで寄せられておりました。先ほど申しましたように、県と建設業協会で応援協定を結んでおりますので、業界としては応援協定に基づいて自分たちがきちんと対応可能な業者を選定して対応するということになっているということであります。ですから、加点の対象から除いておるということで、今は協定に基づく業者さんのミッションを期待して、一緒に連携してやっていきたいと思っています。
ただ、業界からは、緊急対応のときに労災等が発生したときのリスクを非常に懸念されておりますので、それについてはよく相談していきましょうと。多分災害救助法が使えますので、もし仮に何かあったとしても経営上は余り影響のないように、あるいはもちろん安全は第一なのですけれども、そのあたりはよく研究していきましょうと、今そういう状態になっております。
○浜田委員
では、協会との関係で加点対象から外したということですね。
●長谷川県土整備部長
はい、そうです。
○福間委員
よくわからないので、6ページと10ページにかけてもう一遍かんで含めて説明してください。 6ページの当初の与点4点を減点するということは、減点することによって4ページに書いてある906社か829社、ここら辺が全部公共事業の発注が行き渡るようにするということか。この4点を減点というのがよくわからない。わかりやすく言うと、結局昔は例えば力のあるところは3つでも4つでも工事をとっていたけれども、今は例えば1億円以上か2億円かとったところは、この減点方式でいくと次の工事に向かおうと思っても向かえないというのですね、そういうことらしいですね、聞くと。そのかわり、そのほかのところが行き渡っていくということになるのですね、端的に言えば、わかりやすくいくと。そうでしょう。それは、この4ページにある入札参加、いわゆる格付業者にできるだけ行き渡らせようとするということではないかと僕には見えるのですよ。
ただ、そのことで、さっきも説明があったのですけれども、業者は一発狙いしかしていないと。いわゆるもうけのあるものしかとらないと。そこら辺がちょっとよくわからないのです。当初の4点を減点していくという、ここをもうちょっとわかりやすく教えてくれませんか。
それと、10ページの、仮に例えば予定価格が1億円と設定した場合に、予定価格のおおむね90%程度ということ、それから予定価格のおおむね88%、ここのところをもうちょっと詳しく教えてもらえませんか。よくわからないのです。予定価格ぴったりで落札というのもあり得るわけですか。そこら辺がちょっとよくわからないので教えていただけないでしょうか。
●酒本県土総務課参事
まず、1点目の質問でございます。6ページのほうでございますけれども、受注額の仕組みということでございますが、これは受注能力以上の受注抑制ということ、品質確保のという意味もございまして、例えばA社は、5年平均で年間4億円で県工事を受注しているという状況があるとしますと、A社の分母は4億円でございます。ですから、4億円に対して4億円とれば受注額点がゼロとなる仕組みでございます。ただ、例えばB社は、年間の平年受注額が5,000万円だとしますと分母は5,000万円になります。ですから、B社は5,000万円とると受注額点がゼロになるという仕組みです。ですから、それぞれの業者さんの規模に応じた受注というふうなことで、全ての業者さんが均等に受注するというふうなことではございません。
これにつきましては、昨年度1年間かけて入札制度を見直した際に、例えばA級は上位の格付になるのですけれども、一番下の下位の業者さんですね、会社能力とかの固定点というのがあるのですけれども、それが大き過ぎて1年間たっても一回も応札できないとかそういうふうな状況もあるというふうな御意見もございますので、その辺のバランスも考えて、品質の確保の観点から受注能力以上の受注を抑制するということと、ある意味では受注機会の均等という意味も含めておりますが、各業者の受注能力に応じたものというふうなことでございます。
次に、10ページをごらんいただきたいと思います。最低制限価格制度でございますが、予定価格に対して、例えば1億円だとすると9,000万円程度のところに最低制限価格があるとしますと、応札者が8,000万円の人がいたら失格です。ただ、最低制限より上の方ですね、例えば9,500万円と1億円の方がいらっしゃったら9,500万円の方が落札します。ただ、極端な話ですけれども、9,900万円と1億円の方がいらっしゃったら9,900万円の方が受注されるということですから、業者さんが工事の内容をきちんと積算されて、最低制限は90%なのだけれども、自分が利益を得ようとすればこれは9,900万円だとか9,500万円だと入れられると、その中で一番最低の方が受注すると、そういう仕組みでございます。
○浜田委員
非常に単純なことを伺わせてください。最低制限価格が設定されたときに、県はこの価格で落札されると純利益が何%ぐらいの幅にあるのだというふうに予想を立てておられるのか、もちろん材料だとか人件費だとか、トータルで制限価格というのは最低を読んでいかれるのでしょうけれども、業者さんは利がないとやっていかれないですね。その利の幅というものをどのくらいのパーセンテージで予想しながら最低制限価格を決めておられるのか。企業努力があって幾らでもこの幅が移動するかもしれないけれども、それも極端ではないはずですね、当然その質を高めようと思えば。そうすると、一定の幅の中で企業努力が行われるということになっていくのではないかと思うのですが、その幅はどれくらいに読んでおられるのかというのが、これは言えないことでしょうか。
●長谷川県土整備部長
いわゆる企業経営の観点で、利益を出すのが企業でございます。その利益の一定の幅というのは、今現在は10%かなというふうに思っております。
11ページの中ほど、完成工事高営業利益率です。完工高に対する利益率が示されております。24年度は1億円以上の工事全てが利益を出しているということです。1%、あるいは2%、3%ということです。こういう状態が一番いいのかなと思っています。では、利益率が何%がいいのかというと、これは非常に難しい。この利益というのは内部留保されるわけです。それと、もう一つは、県内の法人で利益を出している企業は統計によると25%しかございません、全ての県内の企業を平均すると。実はあとの75%は赤字なのです。こういう民間の状況も含めて、本当は1億円以上の状態が一番いいと思っています。
そうすると、1億円未満のところは、なぜマイナス4%なのに倒産もせずにやっていけるかということは、この1億円未満は平均従業員は6人程度です。完工高の平均は6,000万円程度です。そうなると、6人ということはいわゆる家庭というか、家族の労働者、従業員もいるということです。社長さんがお父さんであるとか、社長さんのお子さんであったり兄弟、そういう人たちもいて、その人にも給料を払った上での営業利益ということです。それと、バックホーなどももう既に償却の終わった古いバックホーを抱えていればそれも経費として実は入れられますので、経費として入れたとしても本来は現金の支出がないわけですから、それも内部留保されるということもあります。それから建物の減価償却費もあります。これも経費として入れますけれども、これも現金支出がないと。ですから、小さいところは営業利益はマイナスなのですけれども、そういうこともあってやっていけていると。これは建設産業だけではありません、ほかのいろんな産業、中小企業さんも同じような構図です。
ということで、結論から申し上げますと、完工高1億円以上については、今の段階で利益が得られて内部留保もできるかなと。1億円未満については、毎年先ほど申し上げましたように経営事項診査を行っていますので、経営実態をもう少し詳細に見てみたいなと。その上でまた議会にも報告しながら最低制限価格の90%の妥当性というのを議論させていただきたいと思っております。
○福間委員
利益を出している企業は何%でしたか。
●長谷川県土整備部長
県内の法人企業で利益を出しているのは、財務省の統計によると25%程度で、75%は赤字だそうです。純利益のところで。
○浜田委員
といいますのは、倒産との絡みで心配するわけです。一時期倒産がすごく多かったですね。今は少なくなっておりますけれども。今もないことはないです。そこをどういうふうに利を上げてもらえるかということがあったものですから。倒産との絡みで、そこを防止して、なおかつ質の高い工事をやっていただくということのためには最低制限価格をどう考えるのかというところが非常に重要になるなというふうに思ったものですから聞かせていただきました。
●長谷川県土整備部長
倒産の関係ですけれども、倒産企業は恐らく借入金の金利負担に耐えられなくての倒産だと思っています。金利、いわゆる利息というのは営業利益の中から払うものですので、営業利益がなければ利息は払えない。そして、自転車操業になって会社がおかしくなるということです。ピーク時は平成20年22件ですけれども、非常に金利負担の多い企業さんというのは大体会社を閉められたのかなと思っています。建設業者の皆さんは、借金をしていたらとてもやっていけないというのはよく自覚されておりますので、最低制限価格を引き上げることによって営業利益が得られて、金利負担にも耐えられるようになって、そして返していきつつあるのかなと。返していってしまえば営業利益はほぼ全て内部留保に回るというふうに考えております。
○上村委員
鳥取県発注のもので県内の受注と県外の受注とどのくらいの比率ですか。おおよそでいいですけれども。
●長谷川県土整備部長
県外発注は、橋梁の上部工で鋼製のものは県内でつくれませんね。鋼製のもの、鉄製のものは県外の業者さん。あるいは、コンクリートの橋で2億円以上かな、結構規模の大きいものは県外。あとは、トンネル工事でこれはJVですけれども、親は県外、こんなところですかね。大体そういうイメージで捉えてもらったらいいと思います。何%というのは、発注額と受注額で今データを持っていませんので、またお知らせしたいと思います。
○福間委員
妥当かどうかよくわかりませんが、私に何点か寄せられた業界の皆さんの御意見。集約して、現行の入札制度が今までのことから考えると一番理にかなった制度かなと思うとおっしゃっている業者もあります。ただ、入札不参加が多いのは工事の条件が余りよくないのがあるのではないかということを言っているのです。不落札をなくすためには経費率、単価の見直しが必要ではないでしょうかと。特に全部画一的に国交省単価というのを採用しているのでしょう。違うのですか。そこら辺が県独自という部分で、あるいは大きな工事と小さい工事も単価が同じことで積算されてしまうとちょっとつらいですねということをおっしゃっている。これが一つ。
もう一つは、今は大きな会社ほどきついと言っていますけれどもね、技術者の育成等なかなかきついなということで。その中で、特に人材の育成が、高卒の子供を採っても10年ぐらいかかるというのです、ベテランの作業員にしていくのに。そんなこともひっくるめて見ていかないといけないということになってくると、40歳未満の新規参入の子供はいないというふうに言われるのですね、社長さんが嘆いておられるところでは。魅力ある業界でなくってきてしまっていると、これは実はつらいところですねと、これが一つありました。
県の職員さんが若返られて、大変失礼な言い方ですけれどもという言い方ですけれども、現場の実態を御存じない方がたくさんおられますねと。県側で現場の実態を知らない経験不足の人がおられるので、そこはもうちょっと県側でしゃきっとしてもらわないといけませんねということ。
現場で県の指導官の言われるとおりにやっていったら、完成検査というのか、工事検査か、そこでペッチン食らうというのですよ。そんなこともあったことがあると言うのです。それはささいなことかもしれない。
◎内田委員長
それは大きいことです。
○福間委員
もう一つは、工事書類の簡素化というのができていますかと。物すごく膨大な工事書類をつくらなければいけないと言うのです。特に設計変更による書類などは、例えば部長なのか担当課長か知らないけれども、判を押してオーケーを出しておって、それが設計変更だと言われると業者はつらいですねと泣いている業者もありました。だから、そこら辺はよく精査してもらって、だって業者側からするとそのことも経費として出していかなければいけないというのですね。
僕のところにはそんなような声が来ているのですけれども、結局、工事規模に応じた適正価格というのが必要ではないかと思うのです、面倒なことかもしれませんけれども。そこら辺が、今お聞きした中でもどうなのかなと。業者に聞いてみると、今の制度というのがいいのではないかと評価が高いようですけれども、ただ、もう一つきめ細かくいければというようなことも耳に入りましたので報告しておきます。
◎内田委員長
つけ加えて私のほうから。農林から来ていると思うけれども、日野のほうで、設計する段階で伐採単価などが全然合わない、それから抜根した場合の抜根の単価も全然違うということで、それは入っていると思うので、県土と協議されているでしょう。(「はい」と呼ぶ者あり)
もう一つは、、去年の2月26日付か、おたくが出した例の事後公表実施中止、これを継続してもらいたいというのが出ている。これは大丈夫か。
●長谷川県土整備部長
事後公表の継続ですね。
◎内田委員長
継続を中止といってあなた方が出しているでしょう。
●長谷川県土整備部長
事後公表を中止して事前公表にしなさいということですか。
◎内田委員長
そうそう。あなた方がもう公表を中止しますと言っているでしょう。
●酒本県土総務課参事
予定価格の事後公表につきましては、建設業協会としては、今のところは土木のA級で全面的にやっていこうというのが協会の意見でございます。今、委員長がおっしゃられましたのは、昨年度補正対応として、緊急経済対策のときに事後公表で進めますと質問等が多く出たりして入札手続に時間がかかってしまうというふうなことがございまして、それについては経済対策期間については一時的に事後公表を中止したことがあったのでございますけれども、そのことについてではないでしょうか。
◎内田委員長
事後公表中止を継続してほしいと言っている。
●酒本県土総務課参事
それについては、県の建設業協会としては、土木A級についてはやってほしいというのが意見でございますので、もう一度しっかり業界のほうに御意見を伺った上で検討したいと思います。
◎内田委員長
それと、今福間委員がおっしゃった例の単価の問題だけれども、実は日野をやってもらったのだけれども、例の3カ所ぐらい同時に出して合わなかったということで、そのあたりはやはりどこでもあるのではないかと思うので、そのあたりはきちんとして出してあげてと思うのです。
それともう一つ、きょうの発表の中で2月10日付以降は幾ら。
●竹森技術企画課長
6.6%です。
◎内田委員長
6.6%の4%ということになってくると、それは上積みをかけてくるでしょうが、そのことはもう業界の皆さんは御存じですか。
●竹森技術企画課長
まず、今の件について説明させていただきます。
もう一度資料の14ページをお願いいたします。ただいまの内田委員長の話は、右上の話だろうと思います。これにつきましては、昨日のうちに関係機関への通知並びにホームページのほうにも立ち上げまして、2月10日以降ということで単価表のほうも全て提示していますので、ごらんいただければと思います。
◎内田委員長
要するに、経済対策の一環として、一律で全部いくということですね、県発注工事は。
●竹森技術企画課長
はい、そうです。
○斉木委員
制度の話はよくわかりましたけれども、予定価格ですね、今も労務単価が改定になったということですけれども、時代時代に、そのときそのときに応じたものを適正に工事単価のほうに反映できる――今やっておられますけれども、これを的確に反映していくということがやはり一番求められると思うのです。というのは、前にもこの委員会で言いましたように、建設業は、今回のアベノミクスで経済対策あるいは国土強靱化法とかで一遍に予算をつけていくということになると、先ほどの不落札もその関係もあるのではないかと思うのですけれども、やりたくても手が回らない。一遍に事業がふえると人手もない、機械もない、もちろん技術者が非常に今不足しているので、その技術者を養成する場面もない。今建築等が非常に少なくなっているというような話ですので、そうすると工業高校の生徒などの建設業界に対する夢がないということになるので、やはり部長もこの間言われましたように、もちろん国の制度を変えないといけないですけれども、予算をもらって基金か何かの枠組みで残しておいて、10年後の建設業界はこうあるべきだ、鳥取県の建設業界はこうあるべきという見通しをビジョンの中で示して、それに向かって予算を執行していくというようなことが、予算が上がったり下がったりすると、農政の猫の目行政以上に企業は相当苦労するので、やはり次の若い人を採用するにも先が見えないようだったら採用もしないし、急に来い来いといっても人はいないということですので、これは必要欠くべからざる県内の業界ですので、これから特にリニューアルとかいうのが非常にふえてくる時代ですので、そういう面で10年後を見据えた行政運営、行政のほうで予算配分ということが必要ではないかと思うのですけれども、どう思われますか。
●長谷川県土整備部長
福間委員と斉木委員は同じようなこともありますので、お答えしたいと思います。
今の建設産業は、近年の公共事業の減少を初めとする建設投資が減少して、若手あるいは中堅が建設業界から離れてしまっている状況であります。一方では、若い人たちの気質が違って、事務的な仕事がいい、屋内の仕事がいい、特に建設業種のように危ないし、汚いし、雨も降る、雪も降る、寒い、労働条件が悪い。なかなか目を向けてくれないということが背景にあります。それで将来の人手不足、人材確保が懸念されるということです。ただ、建設産業は、もちろん社会資本整備も必要ですし、維持管理の面、メンテナンスの面、除雪の面、災害対応の面、これからも必要な産業であることは皆さんわかっておりますので、そこをどう対応していくかということかなと思っております。
後で、来年度の予算要求の土木技術者とか技能労働者の確保、育成に向けてのことも少し説明させていただきたいと思います。
そういう中で、まず一つは、予定価格の適切な反映ということでございます。制度としては理にかなっているというような声を聞かれていると思います。ですけれども、利益の得られる予定価格になっているかどうか、ここが一番のポイントかと思っています。
諸経費というのは、さっき大中小で同じやり方ではどうかと言われましたけれども、諸経費と言われる部分、現場管理費、共通仮設一般管理費は工事が小さくなるほど諸経費のウエートは大きくなってきます。一律に原価の何%というわけではありません。工事規模に応じて大きくなるほど諸経費は小さくなる、小さくなるほど諸経費は大きいという、そんなこともやっております。
それと、公共事業の基金の関係ですけれども、例えば今いろんな基金がございます。今回、地域人づくり事業という新しい基金も自民党政権は出すそうですけれども、そういうソフト的な基金はわかりますけれども、ハード的な基金は正直言ってなかなか難しいのかなと思っていますので、県で考えるのは、やはり単県公共でそこは調整していくのかなというふうに個人的には思っています。国もそうなのですけれども、やはり将来の建設産業を見据えた場合に、余り予算を上げたり下げたりするのはいかがなものかというのが世の中の大体の流れになってきそうです。一度にふやしたとしても業者さんはすぐに対応できないということも皆さんだんだんわかってきましたので、GDPの何%かわかりませんけれども、公共事業なるものは大体こういう形でやっていくのかなという、そういう方向がこれから国レベルで議論されていくのかなというふうに私は思っているところでございます。
先ほどの人材育成と工事関係資料については担当課長から説明させていただきます。
●竹森技術企画課長
最初に私のほうから説明させていただきます。
部長が説明しました来年度予算に関係したことでございますが、来年度の予算につきまして、技能労働者の話と建設技術者の話と両方ございますが、私のほうから技術者のことについて説明させていただきますと、先ほどの御意見のとおり、いわゆる土木に対するイメージアップを狙った、広く県民の皆さんに土木の魅力とかそういったものをPRするようなシンポジウム的なものをまずやってみようかといったのと、あと将来の土木技術者の育成といったことで、今現在でも行っておりますが、例えば高校生などが企業さんのほうでインターンシップを今でもやっているのですが、これをもっと幅広くやっていただこうという狙いで、やはりインターンシップを受け入れる側にとりましては一定の負担になります。指導といいますか、そういったことをすることによって日常の業務のほうに若干の支障が出るといったようなこともございますので、一定の支援といいますか、助成といいますか、そういったものをやりたいというふうに考えてございます。
それと、ちょっと話は変わりますが、工事検査資料といいますか工事資料の簡素化につきましては、業界の方々からもいろいろ御意見等をいただいておりまして、今まさにどういった簡素化ができるのかといったところをまだ検討中という言い方で大変恐縮なのですが、そういったことを我々としても自覚してございます。ということで、これから進めていきたいと思います。
委員長のほうから伐採単価を含めて、単価のことにつきましても最初に説明しましたが、実態によらないものにつきましては特別な調査等を行いまして、実態に即したような形で進めていきたいという姿勢で取り組んでまいりたいと思います。
●酒本県土総務課参事
人材育成の関係で、技能労働者も先ほど説明ありました技術者も、若手の減少というのが一番の課題でございまして、それについて、特に技能労働者さんは、とびとか型枠さんとかの専門工事業者、主に下請を担う立場の方が多くございまして、人材育成する費用の確保というのもなかなか困難だというふうなこともございますし、やはり若手の技能労働者が入職しない原因というのは、仕事の割には収入が安いというふうなこと、そして職場環境も厳しいと、さらには社会保険等の法定福利費とかそういう労働環境というのも悪いというふうなこと、休みもないというふうなことがございます。
そのような中で、まずは若い人に建設業に携わっていただくためには、技能労働者の労働改善が必要だというふうなことで、本日お配りしているチラシがございます。表のほうに適切な賃金水準の確保と社会保険等への加入徹底ということでございますが、予定価格の労務単価をこのたびも引き上げるのでございますが、まずは予定価格の中に適切に賃金水準を確保するということと、あわせて社会保険料等の法定福利費を確保すると。その上で、業界のほうでいきなり給料アップというのは難しいところもありますけれども、一時金とかでも少しずつ賃金水準を上げていただくようにお願いしているところでございますが、その取り組みを引き続き徹底していきたいということで、1月15日から工事契約書のほうにもこのチラシを添付いたしまして、適切な賃金水準の支払いと社会保険等への加入徹底というふうなことをお願いしているところでございます。
あわせまして、次年度の予算要求におきましては、きちんと徹底されているかというのを調査して、それでさらなる周知徹底を図っていきたいというふうに思っておりますし、若手技能労働者の確保、育成に当たりましては、やはりその費用負担がなかなかできないというふうなことがございますので、育成支援のための経費について予算要求をしております。
あわせまして、チラシの裏ページでございますが、ことしの4月1日から消費税が引き上げられます。建設業におきましても、消費税率の引き上げですね、予定価格には当然5%から8%というものを反映させるのですけれども、それが元請さんから下請さんへ確実に、適正に転嫁されるようにというふうなことで、その徹底も図っていきたいというふうに思っております。
●山口県土整備部次長兼県土総務課長
もう一つ、福間委員から、現場の職員が現場を知らないとかいう御発言がありまして、非常に重く受けとめさせていただきました。特に、実際に現場で工事に当たる地方機関の職員の人たちがしっかりモチベーションを持って、しかも知識、経験を重ねてできるように人事交流であるとかふだんの研修、OJT、そういったことも含めてしっかりやっていきたいと思います。きょう各事務所の所長を集める会議がありますので、早速そういうところでも話し合ってみたいと思います。
◎内田委員長
私のほうから一つ。今は一般競争入札だけれども、やはり指名競争入札も部分的に入ってもいいのではないかと。この間も業界の皆さんとその話をしたのですけれども、談合のことがあるから、一発やったら5年指名停止だと、要するにそれをやったら潰れますから。そのぐらいな馬力でやって、一般競争入札ではなくて、何社かで指名競争入札をやらせてというような話も部分的にはあるのです。
●長谷川県土整備部長
実は、先ほど説明しましたように、去年の4月から1,000万円未満の工事、いわゆるD級ですけれども、これも制限つき一般競争入札にしたということであります。それまでは指名という形で、家におれば県から通知が来ていたわけです。それが通知が来なくなったということで、みずからがパソコンというか、ホームページ上でどんな工事が出ているのか探しに行かないといけないと。これにまだ十分なれ切っていないのかなというようなことも見られます。それがある面で入札不調にもつながっているのかなと、こういう問題意識を非常に持っていますので、この点についてはもう少し業界の人たちとも話をしていきたいと考えております。
◎内田委員長
今のやり方は知っています。はっきり言うと実は格差がありました。西は進んでいまして、東はちょっとおくれておりました。そこではなくて、西のほうから逆に話が出てきているのです。やはり、指名が入らなかったら3年で潰れてしまうでしょうから、談合はまずできないというふうに言っていますから、逆に時たまそういうこともやってみたらおもしろいのではないかと思うのです。というようなこともありました。
○福間委員
受けとめていただいてありがとうございました。お礼を言いたいと思いますが、私は最後に一言、こんな思いもあるのですよ。政権がいろいろ変わった事情もありますけれども、公共事業をひっくるめて、例えば私などが一番最初に県議会に出たときには鳥取県の年間予算が5,000億円みたいなときがあった。今はどう転んでも3,500~3,600億円ぐらいですね。その中の大半は公共事業費だった。その公共事業費が半分ぐらい、6割ぐらいに落ちたと言ってもいい。その中で、鳥取県の15歳から64歳までの雇用労働者のおおむね10%から多いときには12%ぐらいというのを実は土木建設業界で抱えてくれている。このことを忘れてはいけないと思うのです。しかも、公共事業費が激減した中でも、解雇という手段を彼らはとっていないのです。幾らかはあるかもしれませんが、そこの業界がかなり抱えてくれて鳥取県の雇用労働者が何とか生活できたということもやはり踏まえていかないといけないと思うのです。
これから10年、15年を展望すると、子供たちの数が激減するのでしょう。そういう中で魅力のない職場になってきてしまう。それは、この業界ばかりに限らずどこもそうなのですが、そんなことを含めて、何でもかんでも盛りだくさんにやれとは言わないけれども、理にかなった格好で、県の皆さんも大変かもしれないけれども、さっき斉木委員からも話があったように、状況に応じた的確な見直しなりができる部分というのは、やはり汗をかきながら業界とうまくやっていかないといけないなという気もするのです。
業界の皆さんも、こちら側とこちら側が対立したままで県に何とかしろというのはやはり無理な話ですね。業界として行政に物を言うのであれば、業界の意思統一をして来てもらわないといけない。それは自信を持ってしっかり言ってもらわないといけないと思います。そうした中で、鳥取県におけるいい意味での連携をとった、しかもきちんと公明公正な公共事業の展開というのが必要だと私は思います。きょうは非常にいい勉強会をしてもらって、感謝したいと思います。
○浜田委員
さっきのITの時代についていけているかどうかということは、私も現場でいろいろ伺いました。電子入札というのが始まっておりますね。機種によっては対応できなかったりということがあって、それすらもわからないという方も、大きいほうはいいのですけれども、その他のところで苦労なさっていて、お年も召した方が社長さんだったりすると大変だということを聞きました。そこへのフォローをどうするのかということも一方では考えながら、公平性というのはそういうものではないかというふうに思いますので、取り残されていくところがないように対応していただきたいということが1つと、もう一つは、今回労務単価も改定されていくということですが、末端まできちんとそのことが実行されているかどうかのチェック、現場のチェックですね、これをどんなふうにされるのか。それは5名体制で施工現場のチェックをしていかれますね。それは全く同じなのですけれども、この人数でやれるのかということですね。もちろん職員の、調査員の方の資質も上げてもらわなければいけないのですけれども、そこのチェック体制についてどんなふうな予定をしていらっしゃるのかということですね。
それから、平準化にこれからなっていくのではないかということで甘い見通しを立てておられるのですが、私はあえて甘いというふうに言わせていただくのですが、この後の反動がすごく大きいのではないかと。斉木委員がおっしゃったのですが、基金の問題もあるかもしれない。あれは一般質問でやってほしいなという気がするのですけれども、そちらのほうはこれから考えるとして、そのチェックのところをお願いします。
●酒本県土総務課参事
3点質問がございまして、まず1点目のITについては、実態のほうをしっかり調べて対応を検討したいと思っております。
2点目のチェック体制でございますが、これにつきましても、来年度の予算要求の中で実態把握をしてきちんと徹底していただくために、下請報告書というのがあるのですけれども、その中にきちんと労務単価とか法定福利費が含まれているかどうかというのも含めて調べて、それで不適切な事例等があれば、今の体制で立ち入りをして調べるというふうなことをしていきたいというふうに思っております。
○国岡委員
たくさん聞こうと思ったのですけれども、細かくなります。ただ、1点、魅力ということがありましたね。要はその会社に行って、会社が倒産しないという安心感があるかないかだと思うのですね。労務単価も上げるという話がさっきもありましたけれども、要はその会社がしっかりもうかっていれば給料を払うわけです。いい人を入れようと思ったら給料を上げるわけです。これは間違いない。ということは、労務単価を上げていくのはいいですけれども、要は企業がいかに利益を上げられるかということが一番だと思うのです。それは先ほどからずっと話は出ておりました。
その中で、現場の職員の方の能力の話も出ました。これは設計の段階でもあるのです。例えば、大がかりな仮設工が要るとき、河川などは特にそうです。そういったような場面でも、全然現場に即していないような場面が多々ありました。でも、県の職員の方はそれでやってください。逆に、極端に言いますと、では設計変更して単価を上げてもらえますかと言ったら、年度末なのでそれはできませんと簡単に言ってしまう職員もおられました、現実に。その現場を業者は施工します。結果は赤字。する前から、仮設の段階で赤字になるなとわかっている現場でも、職員に言われたらどうしようもないのです。設計変更できません、予算はこうこうこうで、工期的にもと。そういったときの融通といいますか、工事の着工前からそういう話があっているのに、それをなかなか受け入れない職員がおられるということも現実にありますし、聞きます。そこら辺の対応を今後どうされるか、まず教えてください。
●竹森技術企画課長
積算時において、工事をするための仮設というのは多くの場合必要になりますが、そういったものの積算につきまして、現場の条件をよく精査、把握しながらやるというのがまず基本でございます。ただ、その中で、実態としましては、数は多くはないと思っておりますが、工事にかかる前に現場を見れば、若干といいますか幾らか違うといったことが見受けられることはあると思います。
そういったものにつきましては、さっき一例を紹介していただきましたが、何が何でも設計を変えないといったことでは決してなくて、現場でよく協議といいますかやっていただきまして、現場の設定条件が変われば設計変更の対象になるというのが基本でございますので、指定してここに道路をつけてくれというふうな場所が変われば、現場条件が変われば設計変更の対象になります。そういったことをこれまでもやってはおるのですが、何回も何回もいろんな会議、研修等を通して、さらに職員に徹底するように取り組んでいきたいというふうに考えております。
○国岡委員
その点については徹底していただきますように、よろしくお願いいたします。
それと、昔80%云々のときには最低制限価格の計算式を公表してやっていましたね。下のクラスですね。公表ではなかったですか、計算式をもって当てて落としていた時代がありましたね。
●長谷川県土整備部長
平成19年の8月までは、最低制限価格は会計法とかで3分の2から10分の8と決められておりました。ほとんど10分の8で役所は設定しておりました。それを19年の8月に変動制にしたというときです。そのときに計算式は公表しておりました。一番最初は計算式を公表していた。その結果、おおむね81%前後の変動の最低制限価格に移行したということで、それを段階的に85%、90%に上げていったということです。
○国岡委員
先ほどから話が出ている建設業協会と話をしてというのがありますけれども、協会の話はそれが全て総意なのでしょうか。といいますのが、協会というのはどうしても上のクラスの実績がある会社が上を張るのですね。となると、Aクラスの業者さんの意見がどんと出てくる。ですけれども、協会自体は下のC、Dクラスの方たちは基本が下請、とっても1,000万円未満の工事、Cになれば1,000万円ちょっととかとられます。そこら辺の下のクラスの業者さんの声というものがしっかり届いているのかどうなのか。
それと、下のクラスの250万円以上が今はパソコンで電子入札になりました。現場代理人の件が先ほどから話があります。伐開だとかいろんな小規模な工事、300万円程度の工事を2本とって、先ほど言われましたね、家族経営的な会社は2本とっても工事によっては数カ月間だけで食べていけないということもあるのです。現場代理人は1人しかできる人がいないという実態もあったりする中、そういった上と下の意見、そして下の業者さんがとれる仕事量というものをこれからいろいろ見直していくべきではないかというふうに思います。
あわせて、先ほど書類の関係がありました。上のクラスは膨大な書類をつくりますけれども、下のクラスでもこれぐらいになるかもしれません。それにしても、つくる書類というのは大して変わらないのです。でも、5~6人の会社ではそれに物すごく手間がかかるのです。完成写真にしても途中の工事写真にしても、下のクラスになれば、本当は業者さんが撮るのが当たり前なのですけれども、県もそれに携わるとかいろんなやり方があると思うのですけれども、その辺のAからDまでの考え方というのは今後どのように考えていかれるかお聞かせください。
●酒本県土総務課参事
まず、業界の意見ということでございますが、例えば昨年度総合評価制度を見直したときでございますが、常任委員会に御報告させていただきまして、業界の意見も当然主な意見ということでお聞きするのですけれども、広くいろんな業者の皆様の意見を聞くべきというふうなことがございまして、実は東、中、西の3カ所の全業者さんを対象に説明会をして、意見がある方はいろんな形で出していただいたりということでございまして、結果として、大きな会社、小さな会社いろんな立場の意見がございましたけれども、そういうものも総合的に勘案して総合評価制度を定めたというふうなことでございますので、小さな業者さんの意見も把握した上で定めたものでございます。
先ほどの現場代理人さんの関係でございますけれども、例えば東部管内でございますけれども、土木でいきますと業者数が非常に多うございます。例えば、D級でしたら県内て157社あるのですけれども、鳥取、八頭だけで100社ぐらいあるのです。それで、工事量は限られておりますので、そういう中で、例えば伐開だからといって――今は2つまではいいのですけれども、現場代理人を兼務を多くするというふうなことになりますと、小さな企業さんは技術者が少ないのできちんと施工ができるかどうかという問題もございますし、受注機会という問題もございますので、現在のところは県工事で2件までというふうな兼務で行っているというふうなことでございます。
○国岡委員
わかります。業者さんも物すごく多いですから。ただ、いろいろ調べていただきたいと思いますのが、業者は多いですけれども、さっきの下請の話であります。元請の会社が下請に出す会社というのは大体決まっています。あそこの会社はここの下請に出しているというのは。それで、見積もりを出せといっても、何%残すからやってくれという流れが基本的には多いのです。それに見合った見積もりは幾らでもつくれるわけで、そこら辺を調べようと思っても、下請は仕事が欲しいから正直なことは絶対報告していないはずです。
そういった中で、土木工事でも自分がとろうとする会社と、下請メーンでやっている会社というのは全然分かれていると思うのです、実際は。逆に、下請さんなのに上からこの現場の工事をとれというのもたくさんあります。下請の工事をしなくて自分がとろうという会社は、自社で入札して、とって、会社を運営していく。だから、業者数だけではないと思うのです。幾ら業者数が多くても、元請から仕事をもらってやっているところと自分たちがとってやっていこうというところとは、いわゆる競争社会ですし、会社の方針ですからあるかもしれませんけれども、現場代理人のことはよく聞きますよ、業者数が多いにもかかわらず。もう一回調べられて今後検討していくべきではないでしょうか。それも、さっき言ったような工事価格が300万円とか低い場合です。1,000万円のを2本も3本もとろうという会社はないはずです。500万円未満とかそういった工事に対しては現場代理人は兼務可能だとか、そういったようなことも検討してもいいのではないかと思います。
それと、設計単価の場合で、物価版に載っていないものもたくさんありますね。そうしたら、業者に聞いたり云々というのがあります。そこら辺は今までずっとやってきているのでいいのでしょうけれども、私は下のクラスの話ばかり言っていますけれども、そういったところはなかなか調べないのです。さっきのパソコン云々という話もありましたけれども、下のクラスに対して丁寧な対応というものも考えるべきではないか。企業努力で頑張っていったら、そこの会社能力も上がっていって、上のクラスに上がっていけば当然競争社会に入っていくのですけれども、それについてお答えください。
●酒本県土総務課参事
現場代理人のお話がございましたが、入札不調の原因の一つということもございますので、原因について、現場代理人が不足しているというふうな実態ですか、それをしっかり調べて対応を検討したいと思います。
●竹森技術企画課長
AクラスあるいはDクラスの工事資料の話がございましたので、ちょっと補足させていただきますと、例えば1億円の工事と1,000万円の工事で工事の資料が10倍違うかというと、言われるようにそういったものではなくて、工事の種類にもよりますが、土木の施工管理基準といったものが全てございまして、それに基づいて結果的にボリュームが決まるということになりますが、ただ、先ほどお話ししましたように、今の工事資料がこれでいいのか、多過ぎないのか、負担になっていないのかといったところにつきましては、言いましたとおり検討に入っております。
物価版等の話でございますが、閲覧の設計には摘要として何に基づいた単価かといったところを全部書くようにしています。したがいまして、積算の参考としまして、物価版の単価か、あるいは見積もりの単価なのかといったこともわかるようになっていますので、そういったところを参考に積算をしていただきたいということでございます。
●酒本県土総務課参事
もう一つ、1点だけお話ししたいのですけれども、先ほどから予定価格と最低制限価格のお話が出ておりまして、7ページで説明しましたように、今、土木工事につきまして2億円未満を最低制限価格の対象にしております。建築一般のほうでは、平成20年度に4億円に引き上げております。2億円以上の土木工事でも県内業者向けの発注工事もございますので、2億円以上を建築と同じように4億円以上まで引き上げて、県内向けの発注工事については最低制限価格の適用範囲を広げる方向で検討させていただきたいと思っております。
◎内田委員長
その他で何かございましたら。
○上村委員
国土強靱化かどうか、第2国土軸ということがありますね。この前も新聞にちょっと出ていた。これに対して、鳥取県の検討なり、どうしようかというようなことはスタートされていますか、どういうぐあいですか。
●竹森技術企画課長
今、上村委員がおっしゃられましたように、国のほうで国土強靱化法が昨年12月に決定あるいは公布施行されたといったのを受けまして、来年度予算の話になりますが、県のほうもそれを受けまして県版の国土強靱化地域計画といったものをつくる方向で進めたいと思います。ただし、これは分野が非常に多うございます。福祉とか、産業とかありまして、その中で特に公共インフラに関係します分野といったものが2つと、あとは共通分野というので施設の老朽化というのがあるのですが、その3つを中心にしました県版の強靱化といったものをつくりたいと。それをつくるためには、まず現状をしっかり把握するという基礎調査から始めまして、そういったのを踏まえまして、施設横断的な強靱化計画を進めてまいりたいというふうに考えております。
○斉木委員
橋梁などの場合に、前にもあったのですけれども長寿命化、古くなって直すのではなくして、いつまでも使える状況にしつつ費用をかけてやっていくというやり方というのは、以前一般質問でやったことがあるのですけれども、今実際に具体的に進めておられますか。
●竹森技術企画課長
今データを持っていなくて恐縮ですが、橋梁につきましては平成21年だったと思いますが、長寿命化計画といったものを既に立てておりまして、今これに基づきまして点検とか必要な補修というのはどんどん進めているところでございます。これにつきましても、道路部局のほうなのですが、継続事業としまして長寿命化の事業が来年度予算の中に入っております。
●長谷川県土整備部長
平成21年に橋梁については長寿命化計画をつくりました。それに基づいて、橋長が15メーター以上のもので防災幹線道路ネットワーク上のものを中心に今までやってまいりました。境水道大橋とか、あるいは鳥取の源太橋とかは26年度で完成いたします。21年度につくってから5年が経過しましたので、来年度予算要求に新しい長寿命化計画の策定を盛り込みたいと思っております。15メーター未満についてもこの中で対応していくということであります。考え方は、耐震化とか維持修繕によってもたせるものはできるだけもたせていく。しかしながら、更新したほうがいいと思われるものは更新するということで、建設投資を平準化していくという考え方であります。
○浜田委員
長寿命化のためのカルテづくりをその種類ごとにしていくということでしたが、どれぐらい進んでいるのでしょうか。
●長谷川県土整備部長
後で道路企画課のほうから提示させていただきます。
◎内田委員長
以上をもちまして地域振興県土警察常任委員会を閉会いたします。
執行部の皆さん、御苦労さまでした。
委員の皆さんには御相談したいことがございますので、お残りください。(執行部退席)
実は、18日の件ですが、開会して、午後は意外と暇になりますので、できれば1つの部の予備調査をやりたいと思うのですが、いかがでございましょうか。我が委員会は3部あるのですが、どこか調整のつくところを午後にやりたいと思うのですけれども、いかがでございましょうか。よろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
では、調整して、18日の午後にできるところをやりたいということでよろしゅうございますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
以上で地域振興県土警察常任委員会を閉会いたします。御苦労さまでございました。
午前11時51分 閉会
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