会議の概要
午前9時59分 開会
◎興治委員長
皆さん、おはようございます。
ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、今回の常任委員会は、最初に商工労働部、企業局、労働委員会、最後に農林水産部の順に行います。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、浜崎委員と砂場委員にお願いします。
それでは、付議案の予備調査を行います。
質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
なお、既に政務調査会で説明を受けたものもありますので、執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いします。
また、報告第9号、長期継続契約の締結状況については、お手元に配付の資料のとおりであり、特に説明は要しないこととします。
では、岡村商工労働部長に総括説明を求めます。
●岡村商工労働部長
それでは、6月定例会に提案しております商工労働部所管の議案について御説明いたします。
お手元にあります議案説明資料の1ページをごらんください。議案第1号は、平成26年度鳥取県一般会計補正予算に関するもので、商工労働部関係では6億3,635万円余の増額をお願いしております。今補正予算では、本年2月の経済対策及び26年度当初予算と一連をなす形で編成しております。消費税率引き上げ後の県内経済は、駆け込み需要の反動減が見られたものの、全体として大きな落ち込みはなく、むしろ新規事業獲得を目指した設備投資や新たな事業展開による消費喚起の取り組みが進み、有効求人倍率も0.99倍と改善の傾向にあります。この機に、県内企業の旺盛な投資意欲に応え、さらなる競争力強化に資するため、設備投資及び商圏拡大・確保に関する支援の増額、境港利用に係る物流コストの軽減などに取り組むこととしております。あわせて就業環境整備として、県立産業人材育成センターの耐震改修に向けた実施設計に着手するとともに、職業訓練期間中の託児に対する支援制度を新設することとしております。
このほか予算関係以外の報告といたしまして、報告第2号、鳥取県一般会計繰越明許費繰越計算書等がございます。
なお、報告第8号で、当部職員の交通事故による損害賠償に係る和解及び額の決定について報告いたしますが、このたびは大変申しわけございませんでした。
詳細につきましては担当課長、室長が説明いたします。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
◎興治委員長
続いて、関係課長から順次説明を求めます。
●小濱商工政策課長
それでは、2ページをお願いいたします。フードディフェンス強化支援事業ということで
5,100万円余の補正と4,200万円の債務負担をお願いするものでございます。債務負担につきましては、18ページに調書をつけておりますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
この事業につきましては、2月の臨時議会でお認めいただいた事業でございますけれども、3のところに書いてございますが、2月に2,100万円の予算で募集したところ、思いのほか応募がございまして、2,100万円の大部分は既に交付決定いたしております。
それで、2の主な事業内容の26年度当初に書いてございますけれども、当初は900万円の交付決定枠を予算組みしたわけでございますが、いろいろな企業からの引き合い、あるいは25年度の2月補正で対応できなかった部分等を含めまして、4,200万円の増額をお願いするものでございます。3に書いてございますけれども、事業規模はいろいろあるものの、大体1社平均200万円ぐらいの補助金額で推移しておりますので、20社程度の追加をお願いするものでございます。
参考に書いてございますけれども、やはり事業内容としては、異物混入を防ぐための監視カメラの設置なり、あるいは金属検出機の設置がこの主な事業内容になってございます。
●池田立地戦略課長
21ページをお願いいたします。交通事故によります損害賠償に係る和解及び損害賠償の決定に係る専決処分の報告でございます。
事故の概要でございますが、25年12月13日0時50分ごろ鳥取市河原町に企業訪問した際、当課職員が小型乗用自動車を運転中、駐車場に進入しようとした際に同駐車場に駐車していた和解の相手方所有の軽自動車に接触し、車両を破損したものでございます。
これにつきましては、今回、駐車場奥の駐車スペースに駐車しようとした際に、片側に気をとられて、もう片側の後部バンパーをぶつけたということでございまして、特に駐車場にとまっております車への接触ということで、気をつければ防げたものでございます。本人への指導、また全員への研修など、特にスペースに余裕を持った駐車等、指導しているところでございます。このたびは申しわけございませんでした。
●西村経済産業総室産業振興室長
3ページをお願いいたします。経営改善設備投資支援事業でございます。この事業は、県版経営革新計画の認定を受けた県内中小企業に対し、新たなステップアップのための設備投資を補助するものでございます。2月補正の経済対策で開始いたしましたが、非常に利用要望が多い状況がございましたので、このたび補助金を増額させていただきますこと、それと、補助対象事業といたしまして、前向きな今後の成長戦略分野に取り組むことを対象要件としておりましたが、もう一つ、物づくり事業などの再生戦略分野も対象分野に加えるという制度改正をお願いしたいものでございます。
補正額の状況でございますが、真ん中の表でございます。設備投資補助の内訳でございますが、新規分といたしまして、当初予算で1.2億円の予算を計上しておりましたが、このたび商工団体等の状況を把握いたしましたところ、4.7億円規模の需要が見込まれるのではないかということで、このたび新規分について3.5億円余りの補正をお願いしたいものでございます。また、25年度分の経済対策で予定しておりました5,000万円の枠につきましては、全額執行が26年度に持ち込まれましたので、その分をあわせて補正するということで、補助金の予算額としましては4億7,400万円余りの補正をお願いしたいものでございます。
それと、利用状況でございますが、2月補正の利用企業の事例としまして、主なものを3つほど上げておりますが、設備投資に伴って生産効率が向上したと、その分で受注も拡大でき、収益性がアップするということで、人件費の処遇改善などもやりたいという企業もあるようでございます。設備投資に伴って雇用が発生している企業が多く見受けられる状況でございました。
続きまして、4ページでございます。バイオフロンティアの基金造成補助事業につきましては、指名指定管理を産業振興機構で行っておりますが、これの剰余金につきましては、インセンティブといたしまして、剰余額のおおむね2分の1を基金造成の補助金として交付することを毎年度行っているものでございます。金額的には、繰越額1,680万円余りの約半分の800万円弱を補正でお願いしたいというものでございます。
先ほどの設備投資につきましては、19ページに債務負担行為の調書をお示ししております。
20ページをお願いいたします。こちらは繰越計算書ということで、繰越額が当初予算後に確定いたしまして、一つは産業技術センターの食品開発研究所でございますが、当初、3億4,800万円余りの予算額のうち、最終の繰越額が2億1,500万円余となりました。これにつきましては、前払い金ということで工事契約が行われましたので、その分繰越額が減ったということでございます。
もう一つは、産業技術センターの運営費補助金でして、これは米子市日下にございます機械素材研究所が、昨年7月に豪雨によるのり面崩壊がございまして、それの復旧工事によるものでございます。これにつきましては、3月に契約が終了したため入札減が生じ、その分の減額として1,924万6,000円の繰り越しとなったものでございます。
●岩下経済産業総室通商物流室長
5ページをごらんください。境港利用促進事業の強化についてでございます。これは平成26年緊急雇用・経済対策の方針でありま、す物流コストの低減の方針に従って要求させていただくものであります。
主な事業内容としては、(1)の境港小口混載貨物利用促進助成事業100万円の拡充であります。これは、従来から企業が物流を行う場合に、大体100キロ未満のものについては航空貨物を使うものが多く、1コンテナ単位以上のものはもちろん安いですのでコンテナを使うという方針がありますけれども、ただ、100キロ以上でコンテナ未満のものを県内企業を中心とする企業がどう運ぶかが課題になっていました。それにつきましては従来から、この補助金額の(1)にあります船社が実施しておりました直行便である小口混載サービスを利用して、1トンまたは1立方メートル当たり1,000円という補助がありましたが、このたび県内事業者が現在の直行便の行き先、主には釜山ですけれども、その先の香港や台湾、それから東南アジア向けの小口混載サービスを提供するめどがつきましたので、今後とも企業がそういうサービスを利用して定着し、広がっていくことを後押しするため、この事業を要求させていただいております。
次の(2)の国際フェリー・RORO機能船貨物利用促進助成制度につきまして、900万円要求させていただいております。これはもともと、昨年から御案内しておりますとおり、境港の外航定期航路貨物は平成25年度において前年度比28%の増という大きな伸びを示しておりますけれども、RORO貨物については、その貨物に占める全体の割合は3%弱ということで、その伸びもほとんどございません。この機能は高い輸送品質、定時制、スピードなど、非常に特徴がありますけれども、荷主も他港の経費と比べながら流動的に行っているものですので、なかなか優位性が出てこないことがあります。これにつきまして、新規または増加分1TEU当たり2万円の助成をさせていただきたいと、それから既存分につきましては、半分の1TEU当たり1万円の助成をさせていただきたいという内容になっております。
●島田経済産業総室経営支援室長
6ページをお開きください。経営力緊急強化支援事業でございます。
当該事業は、商工団体の経営支援活動の充実を図るため、昨年度2月の経済対策予算において設定しました債務負担行為に係る平成26年度予算の補正をお願いするものでございます。具体には、商工団体が行いました商談会等の需要創出等支援事業で交付決定を行った3件、606万円の補正をお願いするものでございます。
7ページをごらんください。商圏拡大・需要獲得支援事業でございます。
当該事業は、卸・小売事業の商圏拡大等の取り組みを支援するため、平成25年度2月、経済対策予算において予算措置がなされたものですけれども、今年度に入ってたくさんの申請あるいは相談をいただいたため、増額補正をするものでございます。あわせて、25年度経済対策債務負担行為にかかわる補正予算も同様にお願いするものでございます。調査検討型につきましては5件、事業改善型については6件の増額補正をお願いするものでございまして、総額4,100万円の増額補正をお願いするものでございます。
なお、この増額補正に伴いまして、年度をまたがって行う事業も想定されますことから、18ページ及び19ページに債務負担行為の補正も同様にお願いしております。
8ページをごらんいただけますでしょうか。地域商業活性化促進支援事業でございます。
当該事業は、商店街が行う環境整備について、国や地元自治体と協調し、支援を行うものでございまして、このたび若桜街道商店街振興組合が国の補助金を受けてアーケード改修を行うことから、国、鳥取市、県とで協調して支援を行うものでございます。国が3分の2を補助し、控除した残額の3分の1、総額の9分の1を県で支援するものでございます。6月下旬に補助採択予定でございまして、来年2月に完成予定でございます。
これに関連しまして、20ページの全額繰り越しの関係でございますけれども、昨年度、25年2月経済対策予算において、米子市の笑い通りの環境整備、アーケード撤去等の整備について補正予算をお認めいただいたところでございますけれども、3月末の国の事業採択ということもございまして、工事完成見込みがことしの12月となったため、184万4,000円の全額繰り越しのお願いをしております。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
9ページをお願いいたします。職業訓練生託児支援事業といたしまして、526万円の増額補正をお願いいたします。
この事業の内容は、子育て中の求職者の職業訓練の受講を促進するため、県立産業人材育成センターが実施します職業訓練の全コースを対象に、訓練期間中の保育料の2分の1を奨励金として支給するものです。児童1人の上限は月2万円、2人以上の場合は月3万円といたしております。これによりまして、普通家庭の訓練科目が従来託児サービスの対象外でありましたが、この課程でも利用していただける、あるいは自宅や訓練場所の近くに子供を預けたいという求職者のニーズにも応えることができると考えております。託児先の空き状況につきましては、窓口となりますセンターで紹介できるようにしたいと考えております。
次に、10ページをお願いいたします。県立産業人材育成センター施設整備費として、1,786万8,000円をお願いいたします。
この事業は、平成25年度に実施いたしました耐震診断の結果に基づいて耐震改修工事、あわせて老朽箇所の改修工事を行うための実施設計委託費用でございます。改修の内容といたしましては、倉吉校の本館、実習棟、体育館、米子校の自動車整備実習場、多目的実習場、体育館に新設のブレースを入れまして、補強工事を行うものです。
スケジュールは、今年度実施設計を行いまして、来年度に倉吉校、米子校とも体育館の改修工事、その次の年度にそのほかの工事を実施いたします。
●小林雇用人材総室就業支援室長
11ページをごらんをいただきたいと思います。緊急雇用創出事業で9,700万円余の補正をお願いしております。これにつきましては、雇用の拡大、それから在職者の処遇改善に向けた取り組みを推進する地域人づくり事業につきまして、25年度の2月補正におきまして債務負担を設定いただいたところでございますが、25年度中の予算の執行がなかったため、26年度に振りかえまして、増額補正をさせていただくものでございます。2の主な事業内容(2)の対象事業にあります3つの事業につきまして、補正を行わせていただくものでございます。
◎興治委員長
ただいままでの説明について質疑はございますか。
○市谷委員
5ページの境港利用促進事業について、まず最初に、小口混載の利用助成制度の拡充ということですけれども、既にある(1)の利用実績は現時点で幾らありますか。
●岩下経済産業総室通商物流室長
直行便の小口混載サービスの利用者でございますけれども、こちらは現在、実際の利用が少ないことから、数十万円レベルにとどまっております。ですので、この新たな県内事業者が提供するサービスを使って、もっと県内事業者の使い勝手を向上させていきたいと考えております。
○市谷委員
何件ですか。
●岩下経済産業総室通商物流室長
平成25年度でいいますと、4件で26万円でございます。
○市谷委員
それで、利用拡大とおっしゃられるのですけれども、既に直行便で補助した分が利用も少なくて4件しかなく、さらに積みかえることから、利用のめどが立ったとおっしゃったのですが、ニーズがすごく少ないと思うのです。だから、こういうことにどんどんお金を出していくことに非常に疑問を感じました。
確認ですが、年間の限度額は決まっていますけれども、(1)も(2)も何年間出すのでしょうか。
●岩下経済産業総室通商物流室長
こちらは基本的には当分の間、継続的に出すこととしております。
○市谷委員
利用も少ないのに期限も切らずに何年も出し続けることが本当に、何ていうのですか、ニーズよりも補助金で支えて成り立っていることは、つまりニーズがないということだと思うのです。だから、こういう無制限に補助金を出し続けるやり方はよろしくないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
●岩下経済産業総室通商物流室長
先ほど申し上げましたとおり、特に中小の事業者にとりましては、100キロ以上かつ1コンテナ未満の貨物を送りたいというニーズは非常に多くあります。ただ、それが他港にほとんど逃げていると、小口混載サービスが非常に充実している神戸などを利用されている実態がございますので、日本海側の拠点港となる境港にとっては、その貨物を取り戻して機能も安定化させていくことが必要でありますので、お願いしている次第でございます。
○市谷委員
ニーズがたくさんあるとおっしゃいましたけれども、4件ですよね。どこにニーズがたくさんあるのかなと思いますし、さらに定着という形に変えということですけれども、そのニーズのほどが見えないと思います。
○砂場委員
境港が重要拠点であるため、そこを物流拠点にしていこうという政策はよくわかるのだけれども、今まで議論している中で、では境港の優位点はどこにあるかというと、RORO船等を使えば神戸港や大阪港から積み出すよりも、コンテナというのは荷物を載せる時間がかかると。ヤマト運輸などに聞くと、例えば中国の北京まで運ぶのであれば韓国内を通って運べば2日ほど早いですよと、それが境港の利点ですから、コンテナよりもRORO船に力を入れたほうがいいですよという話を聞きました。そうすると、境港を物流拠点としてどう整備するかは戦略というか計画性が要ると思います。商工労働部長が何度もRORO船と繰り返されていたけれども、その分については反対しませんが、多品種小ロットの輸送となると、それなりに設備の投資をしなければならない。時間が短くなりますよなどのメリットがあればいいけれども、輸送コストが違うから差額を埋めましょうよという補助金であれば、補助金がなくなったらなくなるわけです。この境港でやる以上は、やはり計画性というか戦略性を持って、「RORO船でやるぞ、時間的優位性をこれから高めていくのだ、だから県西部も協力して高速道路を、特に弓ケ浜の高速道路をやりましょうよ」というふうに連携して、計画性があって、県民に納得させることでお金を使うことはいいのだけれども、今回みたいに小型コンテナは設備もないところに価格だけやって、先ほど言われたようにニーズはあると言うけれども、ニーズがあるなら具体的なデータを示していただきたいし、これで本当にふえるのかなと思います。これに補助金を出すのであれば、RORO船やフェリーなどに費用を投下するなり、外国航路のお客さんに補助するなりしたほうがよい。この(1)は今まで商工労働部が取り組んできた方向性と違うように思うのですけれども、どうですか。
●岡村商工労働部長
御指摘の内容はよく理解できます。正直言いますと、コンテナは非常にふえています。なぜかというと、県内企業の設備投資と連動しています。王子製紙や別の会社も含めて。それが神戸から振り向けて境港を使い、設備投資と連動してコストを下げるやり方としてふえていると。これが非常に経済効果をもたらしているのは事実です。この小口混載に対しても、中小企業のニーズは確かにあるのですけれども、それが顕在化していないと。この制度によってそれが顕在化するかどうかは、おっしゃるとおりインフラ等についてしっかりリサーチできていない、分析できていない事実もあるので、これからです。今回は、境港海運が初めて釜山のトランシップということでこういうトライアル混載ルートをつくられまして、そこで需要を掘り起こそうとされていますので、わずか10%ぐらいの支援ですけれどもそれを後押ししてみると、そこで需要を顕在化させながら、必要なインフラ整備があるのであればまた検討していきたいと考えております。今、我々も肌感覚ではわかっているのですけれども、顕在化していない部分をどれだけ顕在化できるのかをちょっと探ってみたいという気持ちもあります。
○砂場委員
一つは、小口の貨物を送るのであれば、小型のコンテナ混載ではなくて、トラックを使ったパレット輸送みたいな方法もあって、こちらのほうが時間的なメリットなども大きいような気がするのです。特定の企業がこれで初めて事業をなさるのであれば、先ほど課長が言われたように、継続するのではなくて、その事業を例えば1年間なら1年間後押しすると。その1年間の結果がどうだったのか、本当にニーズがあるのかどうかをもう1回検証して、企業とも話してみて、展開するのかどうなのかという位置づけでこの予算を提示されるなら、それは1年間見ましょうと思うのだけれども、ずっと継続しますよ、ニーズがありますよと言われると、予算としてどうかなと思うのですが、そこはどうですか。
●岡村商工労働部長
先ほど申し上げましたとおり、新しいフォワーダーといいますか、サービスが生まれていますので、この1年間しっかり検証させていただいて、その成果を踏まえてまた御相談したいと思います。
○市谷委員
次に、(2)の国際フェリー・RORO船の貨物利用促進事業は新規事業ということですけれども、ただ、これまでに境港を利用するということで、新規利用の助成制度もありました。それから利用拡大の助成制度もありました。それぞれの実績を答えていただきたいです。
●岩下経済産業総室通商物流室長
境港新規利用企業助成制度につきましては、平成25年度の利用企業数は51社、補助金額は839万5,000円で、境港利用拡大助成制度につきましては、平成25年度の利用企業数は6社、補助金額は260万円でございます。
○市谷委員
今までの制度もあって、さらに上乗せしてRORO船にもということですけれども、今お答えがあったとおり、最初の新規利用は51件、800万円余りということですが、そんなに大きな額ではありませんよね。利用拡大のほうはわずか6件という状況の中で、さらに利用を拡大、新規利用にお金を出されるのですけれども、これは見通しがあるのでしょうか。
●岩下経済産業総室通商物流室長
まずお断りいたしますけれども、新規利用助成や利用拡大については、今回要求させていただいております国際フェリー・RORO機能の助成制度と併用できないように定めております。
あと、これからの見通しにつきましては、今までの制度が、先ほど御説明しました新規と利用拡大を使った後から大量貨物に行くまでの、比較的少量御利用いただく荷主の方々にとっての助成制度がなかったためで、そこの部分につきましては、境港の強みと考えております
RORO機能を使った貨物にだけこの助成を入れさせていただきたいという趣旨で、これを実行させていただければ、RORO貨物がふえると思っております。
○市谷委員
既にあった事業を使った人には併用できないとおっしゃいましたけれども、今までの事業の新規利用の場合は3年間の限定でした。それから、利用拡大のほうは、量数に限度がありましたよね。併用はないかもしれないですけれども、過去に使われた方が新たにこの事業を使われることはあるのではないでしょうか。
●岩下経済産業総室通商物流室長
過去の年度におきまして、新規利用助成を使われたところが出てくると思われます。ただ、そういうところも同じ年度に補助金が入るわけではございませんし、そういう貨物も押さえていかないとという事実もありますので、補助単位を落とした上で1万円お願いしたいところでございます。
○市谷委員
過去の最初の小口混載と同じようなことですけれども、利用促進したい気持ちはわかるのですが、同じ業者であっても何年も二重に補助金をもらいながらやっと船に物を載せるというやり方に、継続性が本当にあるのかなと疑問を感じるのです。本当に県内業者のニーズがあってずっとやっていくというよりも、船ありきで補助金づけにして載せてもらうと、実績ありきというやり方はよろしくないと思います。そういう実態なのだなときょう改めて確認させていただきました。
●岡村商工労働部長
実は荷を集めるワーキンググループをつくったりして、集中的に企業を回ったりしたことがあるのですけれども、県外企業も、意外と境港を知られていないのもありましたし、それから使い勝手がわからないし、一旦他港を使うと切りかえない。例えば、神戸港を使っている企業が境港のほうが優位性があるのに、神戸港をずっと使っているので便利だという感覚でおられて、切りかえてもらうと意外と使えるねという話でそのまま継続していただくと。そういう需要を掘り起こすためにこの補助制度を使っていただいているのでありまして、補助金の切れ目が縁の切れ目だと恐らく続かないのは重々承知しておりますので、そういう企業をターゲットにして我々は掘り起こしをかけているのが現状であります。
○内田(隆)副委員長
まず、3ページをお願いします。企業を回ってみると非常に評判のいい補助金でして、県版経営革新と、この設備と、そして雇用したときのプラスアルファの3つがすごく有機的に機能していて、これは鳥取県独自の地場産業を伸ばすための有効な施策だと非常に思っています。その中で、182件出てきたというのは当然でして、これまでの実績が積み上がっているから県版経営革新は相当数出ているのですよね。5億円以上使っているから、多分現状としては500件をオーバーしているのではないですかね。
その中で、商工会議所を含めて回ってきた感想を述べさせてもらうと、今、担当の事務量が膨大過ぎてさばけないというのが本音であると思います。例えば事務費で120万円計上していて、単純に予算が4倍になったから4倍にしていますという形ですけれども、ほとんどの商工会議所は県版経営革新用に職員を1人張りつけているのが現状です。1人張りつけた上でも足りないのは当然です。毎月15日と31日の2回、県版経営革新の審査があって、さらに補助が乗ってきてということだから、最低2人は要るのだよというのが事務の現状です。物すごくいい政策の割にもかかわらず、では担当ができていないかというと、担当は一生懸命さばいていらっしゃいます。少なくとも米子市や江府町の商工会議所の担当者などは、すごくきめ細やかに対応している。担当者の負担がすごくふえている気がするので、ぜひとも商工団体の事務費をかさ上げしていかないと、今後、今までどおりのきめ細やかなフォローが非常にしづらくなるという懸念があります。今の水準で十分だとは思うのですけれども、この水準を維持するために、果たしてこの事務費が正当なのかどうなのかをぜひ検証してみてください。
あと、新規分野で90%と出ていますが、実際には、現状でいうと、2社に1社ぐらいしか受からない状況だと聞いています。実際の潜在需要を考えると、事前段階で切っているのです。切っているというのは言い方がおかしいけれども、もう少し煮詰めてもう1回持ってきてくださいと言って待機させているのが現状です。これは額だけ見るとすごく大きいけれども、対象業者は200近いです。企業誘致には億の金を払うのに、地場企業の支援、育成にはお金を出さないという話をよく聞いていたのですけれども、この県版経営革新ができて、この設備が入ったことによって、地元の中小企業の評価は確実に変わっています。県の施策は企業誘致もきちんとしている。地場の振興もこうやって後押ししていただいているという感覚値が非常に大きいので、ここは潜在需要を検討されると90%という数字では絶対ないです。現場をきちんと把握されていると思いますので、9月補正も含めて、実際にどれくらい出てくるかによって柔軟に対応すべきだと考えますけれども、部長に切なる答弁を求めます。
●岡村商工労働部長
認識は私も一緒でありまして、実は今度、国の制度であるよろず支援拠点を鳥取県商工会連合会が受け入れております。ここに3名のコーディネーター、サブコーディネーターが配置されており、この方々の役割は県連が受けられたこともあって、単独の商工会なり、特に中小零細企業の企業訪問に力を入れていただこうと思っています。
今の県版経営革新で500社ぐらい認定していますけれども、ちょっと上のランクの中小企業が中心で、まだまだ潜在需要が底辺にあるのは事実です。ここを6月にスタートしたよろず支援拠点が掘り起こしていくと、また需要が膨らんできます。そこをどうやってサポートするかとなると、商工会連合会としても単独商工会の機能強化なり、いろんな課題を抱えておられますので、そこに我々も支援の手を差し伸べていくような形で、9月になるかどうかはわからないところもありますけれども、現状をしっかり把握させていただきながら、法律でも小規模企業振興法が近々成立すると思いますので、その中の支援制度も使えるのであれば取り込みながら、体制強化を進めてまいりたいと考えております。
○内田(隆)副委員長
前向きな答弁だと認識した上で、さらに追加させていただくと、これは確かに成り立ちが違うから、中央会と商工会であれば商工会か商工会議所マターなのだと思うのです。ただ、鳥取県の団体中央会は特殊でして、他県のように組合単位も多いのですけれども、中小企業の単独にもかなり力を入れているところがありまして、その分、窓口は商工会議所ではなくて中央会に持っている県内中小企業が非常に多いのです。だからここにおいて何が起きるかというと、商工会所属、YEG所属と中央会所属、青年中央会所属とJC所属の情報格差が出ているのです。情報格差とまでは行かないけれども、商工会議所に行けば担当が案内を書いてくれて、大体概要はこうですよときめ細やかな指導をしていただけるのですけれども、中央会に行っても同様にきめ細やかな対応をしてくれるのですが、商工会議所に遠慮されて、うちの管轄外なので商工会議所に相談に行ってくださいなどと言われたりするのです。だから窓口としてぜひ、商工会だけではなくて、中央会にもヒアリングしていただいた上で……(発言する者あり)なっていますか。
●岡村商工労働部長
一応窓口は、中央会、商工団体の全てがなっておりますので、横の連携はとられていると思います。
それで、今、中央会に国のものづくり補助金の事務局を受けられたり、国の設備投資補助の窓口をされたりなど結構大変な状況だと聞いております。それと、この県版の設備投資の補助金とも連動していますから、国でトライしてだめでも県版経営革新をとられていればチャレンジできますよと情報提供もしていますので、できるだけ窓口はワンストップ化して、どこでも同じ情報が提供できる形で我々も県版の経営革新を運営していきたいと思っております。その辺は現場にも再度確認してみます。
○内田(隆)副委員長
最後にします。
なぜこういうことを言うかというと、西部にいるからです。商工会議所では米子商工会議所は米子商工会議所、鳥取商工会議所は鳥取商工会議所と、きれいに商工会、商工会議所機能が分かれています。でも中央会は支部なのです。支部機能を強化してくださいというのは簡単だけれども、本当に事務費というところできちんと支援してあげないと、実際は難しいのが現状です。東部の中央会は検査員を配置しており、非常に組織が充実しているけれども、中部や西部で同じようなことができるかといったら難しいです。その辺は肌身として感覚がありますので、この事務費をきちんと精査して、声を聞いていただきたいと思います。
あと、バイオフロンティアの基金造成の補助金に関連してですけれども、今、バイオフロンティアで空室が何室か出ていますよね。正確には医大の空室ですけれども。一方で、産業振興機構や西部の日下にはベンチャー用のオフィスがいっぱいな状態です。とっとりバイオフロンティアの成り立ちが違うので、インキュベーションオフィスをそこでやれということではないですけれども、インキュベーションオフィスがあかなくなって久しいなと感じていまして、その辺もどのようにしていかれるのか。バイオフロンティアのところを使ってもらってもあいているのだからいいなとは思うのですけれども、そういう問題でもないのかと思うのですが、この辺はどうでしょうか。
●岡村商工労働部長
実は先週も日下の機械素材研究所に行きまして、その辺の実態を見てまいりました。3階の施設にも事業化のオフィスを暫定的につくられてしておられるところもありまして、場所がないなと。ただ、バイオフロンティアの施設は確かに特殊でありますので、医学部を活用する事業なり、バイオ系であればいいのですけれども、ここを埋めるのは少し厳しいなと。食品系は結構旺盛でありますので、食品開発研究所の前の土地である境港水産高校の跡地を今考えていますし、機械素材研究所はできればメカニカルな部分、機械素材などの分野で何かできないだろうかと考えております。中の施設でまだ活用されていないところを改修する等の可能性もありますので、国の制度等を活用しながら検討していきたいと考えております。状況は把握しておりますので、例えば新しい成長分野、医療機器や介護支援ロボットなどの分野にチャレンジする支援機能として整備できたらいいのではないかという考えを持っております。
○内田(隆)副委員長
次に、9ページの職業訓練生託児支援事業について、これも私が違う形で質問したときに、こういう形で政策になってくると思うと感慨深いものもありながら、一方で、2分の1というのが果たして職業を持たないお母さん方にとって有効な数字なのかどうなのかと思いました。これが100%であれば物すごい成果を生むとは思うのだけれども、託児費用の半分を出して、特にここの産業人材センターの職業訓練に通われる方の多くは、給付つきというか、ハローワークなどからお金をもらいながら通う方は非常に少ないと思うのです。自費で行かれて、その間余り収入がない状況の中において必死に職業訓練をされたいと思っている方、潜在的ニーズとしてあるのだけれども実際に行けないという方なので、ほとんど行っていない人たちだと思うのです。その中で、子供を預ける者がいないという回答がこれだけあって、2分の1かと思うと、3分の2なり全額補助をしていただきたかったと思います。その辺はどうでしょうか。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
この事業はもともと昨年6月の内田委員が御提案に……。
◎興治委員長
もう少し大きな声でお願いします。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
済みません。昨年の6月議会で内田委員から御提案があった託児サービスの充実ということで考えた事業ですけれども、ニーズ調査をいたしましたところ、訓練のコース、受講できるコースをふやしてほしいというニーズが多くありましたので、その中で、補助率10分の10で託児できる国の事業を活用しようということです。しかし、今の国の託児サービスですと、コースが限定されてしまうなり枠がありますので、なかなか全部のコースにつけることができないため、そのあたりを柔軟に運用できるように国にも要望しておりましたけれども、実際は、やはり西部なり中部などは預けるところがそもそもないという実態もありますから、ではもう少し間口を広げて、どこにも預けていただけるようにと考えたところです。ですので、まず10分の
10の国事業を優先して活用していただきたいと考えますので、この事業を10分の10にすると、ちょっとどうかなと思っております。それから、大分県で同様な事業が実施されているのですけれども、こちらも2分の1ということで、本県も2分の1でやってみようかということです。実際にはこういう支援を受けずに独自にというか、100%負担して託児所に預けて訓練に参加されている方もありますので、ニーズとしてはあるのではないかと思っております。
○内田(隆)副委員長
長くなっているので短目にします。
多分ここからがスタートだと思うのです。この事業をやられた後に検証されたらいろんな答えが返ってくると思いますし、今後ともどういうふうにするのが、特に片親の方などにとって優しい子育てなのかを考えていただきたいと思います。
○砂場委員
託児サービスつき訓練というのは、人材センターに通うに当たり、人材センターでお子さんを預かってくれるということですか。それとも、外に預けるときの経費補助になるのですか。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
従来の国のサービスですと、訓練の委託先が託児施設を設定するという形になるのですけれども、今回は託児施設にみずから預けていただいて、その部分を助成するという形です。
○砂場委員
今、県立中央病院では24時間保育して預かっているわけです。そうすると、シングルマザーのお母さんが、その制度があるからと受けに来られる人が結構いるのです。それほどお母さんたちにとって子供を預けるという負担感はすごくでかくて、この制度に人材センター内でお子さんを預かってくれるサービスがあるのであれば、外で見つけてきて金を半分出しますよというよりは、今回耐震化のために設計などをやるのであれば、人材センターの中にお子さんを預けることができて、訓練を受けた後に連れて帰れるような形にしたほうが、非常にお母さんたちにとって利便性は高いと思う。休憩時間にも1回子供たちの顔を見に行ける。中央病院はそれが一番の人気の理由で、休憩時間にお子さんの顔をちょっと見に行くだけで全然安心感が違うと看護婦たちは言われているので、もしそういうサービスが可能であればお願いしたい。今みたいな制度だと、自分で託児所を見つけてこなければいけず、しかも訓練の期間中だけということでは、すぐには託児所が見つからないので、それであればそういう政策展開をしたほうがよりお母さんたちにはいいのではないかと。しかも、基本的には失業中のお母さんたちですよね。そしたら毎月2万円ずつ出して、訓練期間9カ月間の18万円を出しますから預けてきてくださいというのは、失業保険をもらったとしてもやはり大変だろうなと思うわけです。であればもう一歩進めて、今回の補正とは言わず新年度予算に向けてでもいいけれども、今後、人材育成センターの中に託児施設をつくって、安心してお母さんたちが職業訓練を受けられるよう、お母さんたちの立場に立って、しかもその人たちは失業しているのだという立場に理解を示した支援策を長期的に考えてみられたらどうですか。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
お母さん方の立場でいうと、おっしゃられたところが一番要望の強いところだと思います。人材育成センター内での訓練というのは、普通課程という1年ないし2年という長い課程がありますので、そこに託児して入られる方はなかなかいらっしゃらなくて、施設外で2~3カ月の訓練の需要が多いのが現状です。センターの中に託児施設を整備することは、施設として基準をある程度満たさないといけないなどの要件もありますので、将来的に常時ある程度の利用者が見込めるようになれば対応していきたいと思っています。この事業などを取っかかりにしてふえていけば、そういう形が望ましいと思っております。これから検討してまいります。
○市谷委員
今の件ですけれども、本当に一番いいのは、失業しても職業訓練中でも認可保育所に入れる。今、入れないですよね。だから途中で失業したりしたら、今まで預けていた子供たちも退所せざるを得ないと。子育て王国鳥取県なので、そこをぜひ福祉保健部にも認可保育所の枠を、職業訓練中でも入れるだけの枠を広げていただくように、商工からも要望していただきたいと思うのです。本当は自宅近くの小学校に上がるわけですから、子供の保育があっちへ行ったりこっちへ行ったりすることは子供にとってもよくないし、親にとっても負担なのです。だから、先ほどの抜本的なところの改善を求めていただきたいし、子育てのほうではこれから新しい制度が始まるに当たって、認可保育所の量をどうするかを今議論しているところなので、ぜひ自宅近くの認可保育所に職業訓練中であっても預けられることを提言していただきたい。これはこれで要望もあって、十分とは言えないかもしれませんが一歩前進だとは思いますけれども、抜本的なところをぜひ要望していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
それは私たちも望んでいるところで、最終的にはそうなるといいなと思っておりますので、子育てのほうに話をさせていただきたいと思います。
○市谷委員
次に、11ページの緊急雇用の分について、これは執行がなかったので25年度予算に振りかえてということですけれども、利用の見通しがあるかどうかを確認したいのですが、いかがでしょうか。
●小林雇用人材総室就業支援室長
11ページに対象事業が3つございますが、それぞれの今後の見通し等について御説明させていただきますと、まず、経営力強化緊急支援事業につきましては、既に商工団体との契約は済んでおりまして、支払いが26年度にずれるという状況でございます。
2つ目の企業立地に係る雇用拡大・高度人材育成事業につきましては、25年度の実績はゼロ件でございますが、現在、26年度になってから1件出てきていると聞いておりますし、今後の見込みとして18名程度の見込みもあると聞いております。
最後の人づくりによる経済成長戦略推進事業につきましては、目標企業10社について、第1次の募集で26年度になってから12社採択しておりますし、第2次の募集で23件程度出てきておりますので、今後もそういった利用の予定があるという状況でございます。
○内田(隆)副委員長
10ページに関連してお願いします。その他でもよかったかもしれないですが、今、本当に努力のたまもので、求人倍率が非常に上がってきていて、分野によっては非常に人が採りにくい状況になっています。特にコールセンターや飲食業、宿泊業などです。その辺に関して、では十分な民間の職業訓練などがあるかというと、どうだろうかと疑問を感じるのです。職業訓練校にはない分野なので、公的セクターで民間事業者にお願いしてつくっていかないといけないところだと思うのですけれども、東、中、西部で何施設かありますよね、職業訓練を国などから受託されている企業において、そういう職業訓練のコースをぜひともつくっていただき、人材育成していただきたいと思うわけです。それにより、職業訓練を受けられた方がそういった不足感がある分野にきちんと就職していく道が開かれると思うのです。なぜかというと、そういう職業訓練を受けられた方々は、コースの人には就職支援しないといけないところがありますので、そこのコースをつくっていただくように、今、職業訓練を実際に実施している民間事業者にお願いするなり情報提供するなりしていただけないでしょうか。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
訓練のコースなどの設定については、民間のニーズに応じて検討してまいりたいと思います。
◎興治委員長
もう少し大きな声で言ってください。聞こえません。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
民間のニーズに応じた訓練内容をこれからも検討してまいりたいと思います。
○前田委員
2ページの一番最後の参考を見てください。寂しいものがあります。これは恐らく従業員を疑っているのです。たしかJTの子会社がこういうことを起こしたと、要は従業員の待遇不満がここに出たのですよね。そこはきちんと経営者に言ってあるの。こういうハードばかりではなしに、職員教育が必要ですし、労務管理も必要ですよ。総合的にやって、こういう食品の衛生を守るのだよと言われるが、そこはどうされていますか。
●小濱商工政策課長
非常に難しいお話ですけれども、群馬県の事件の原因は、今、委員がおっしゃられたこともあるように新聞報道で伺っております。ただ、このフードディフェンスをどこまで疑うかという話はあるのですけれども、それはこの事業ではなくて一般的な話として、賃金改善や待遇改善はずっと続けていかなければならない問題だと思っていますので、それをすることによってリスクがどこまで下がるかは難しい問題です。下がる方向には働くとは思うのですけれども、委員のおっしゃられたことを問題提起としてはまたいろんな場で伝えていきたいと思っております。
○前田委員
車の両輪ですよ。この補助をしながら、経営者と会うときに、そういうことも気をつけてくださいよと言っていただきたい。決意表明を聞いて、私の質問を終わります。
●小濱商工政策課長
この事業もそうでございますし、先ほどの説明でも申し上げましたけれども、引き合いがそこそこ来ておりまして、県にも社長ではないですが、担当者の方が相談に見えられることが多々ありますので、今、委員のおっしゃられた話、あるいはもう少し広い対応が必要なのかもしれませんけれども、それも含めて、今後、企業のほうにはきちんと伝えたいと思いますし、どういうことができるか、今ここでは即答できませんけれども、考えてみたいと思います。
○前田委員
どうしたらいいかわからないと言うが、簡単ですよ。パンフレットをつくりなさい。これも必要だけれども、これも必要だということです。ふだんから労務管理、経営者と従業員との意思疎通です。食品をつくるものに対する品質管理、衛生管理をしなければいけないです。何をしたらよいかわからないではなく、やらなければいけないです。
○浜崎委員
1つだけ。7ページと8ページについて、まず、8ページに新規で地域商業活性化促進支援事業ということで、いろいろなところから老朽化してきたという話が出ているみたいです。私も町なかにおりますので、その辺の話はいろいろ聞いておりますけれども、8ページそのものはハードということで、今、前田委員も別な話からハード、ソフトと言われましたので、私もそのことを申し上げたいと思うのですが、このことについて、ではソフト部分はどうなのか、その辺をどう認識されてこのハード事業の支援をされておられるのかが1点。あわせて、7ページが具体的な県のソフト事業になるのかなと思うのです。8ページは商店街組合、7ページはそれに入っていらっしゃる卸・小売事業、それからサービス事業、一番今重要な業者です。それで、消費税の引き上げに伴う消費喚起や腰折れ対策をすることも大事なことだし、それから、人と物の流れが変わってくればストロー現象となり、京阪神に引っ張られてはいけないことは大事なことだけれども、今申し上げたように、ハードからすればソフトという考え方と一緒で、人を呼び込む魅力をどうつくって、どう発信していくか、そこの本質部分を県が発信するということではないが、そこを一緒になって考えてもらいたいです。現場の意見からしてそう思います。7ページの現事業でそういうことができるのかどうかもあわせて。最後に、現場の実情意見をしっかりと踏襲してほしいことも申し上げたい。答弁があればお願いします。
●島田経済産業総室経営支援室長
まず、8ページの事業でございますけれども、地域商業活性化促進支援事業というのは基本的には県と地元の市町村による国の上乗せ事業ということで、今、委員がおっしゃいましたとおり基本的にはハード事業の整備となっていますけれども、実はこれ以外に県単独で町中振興の商業支援事業を持っておりまして、こちらはハードもソフトも支援できる事業となっております。したがいまして、ハード、ソフトともに支援できる事業になっているところでございます。その中で、例えば町中にどう人を呼び込んでいくか。例えば鳥取市でいうと、砂丘、観光地に多くの方々がいらっしゃるわけですけれども、その人たちをどう市内に呼び込んでいくのか、町中に呼び込んでいくかというソフトを検討してもらったときに、単県の事業で支援できるようになっておりますので、それをお使いいただくことになります。あと現場の意見を聞くことに関しますと、例えば鳥取市でいえば中心市街地活性化協議会の中に私が運営委員として入っておりますし、タウンマネジメント会議の中に課長補佐も入っております。また、その中に民間の方々も入っておられますので、そういう方々の意見も聞きますし、現時点でいいますと、例えば今、川端のほうでアーケードを検討されていますけれども、そういう話もふだんから行っておりますので、民間企業の意見を聞きながら、ソフト、ハード両面で必要な支援をしたいと考えております。
○浜崎委員
しっかりお願いします。
●島田経済産業総室経営支援室長
承知しました。
◎興治委員長
よろしいですか。
それでは、次に、企業局から説明を求めます。
山田局長に総括説明を求めます。
●山田企業局長
企業局の資料をお願いいたします。このたびは全て報告事項でございまして、25年度の鳥取県営電気事業会計並びに工業用水道事業会計の繰越計算書についてでございます。詳細については関係各課から説明申し上げたいと思います。
◎興治委員長
続いて、亀井企画課長から説明を求めます。
●亀井企業局経営企画課長
そういたしますと、企業局の議案説明資料の1ページ目をおはぐりいただきたいと思います。地方公営企業法に基づきまして、2つの繰越計算書の報告をさせていただきます。
最初は、25年度鳥取県営電気事業会計繰越計算書でございます。
今回、5件の繰り越しをさせていただいたところでございまして、最初に、再生可能エネルギー発電施設導入促進事業でございます。これにつきましては、昨年度、県内の横瀬川、加谷川、若松川の3カ所におきまして、小水力発電所の基本検討から実施設計に関係いたしますもろもろの委託を出しておりますが、特に実施設計につきまして、年度の中途で取水施設の位置を変更するなり、施設配置の見直しといった事業計画の見直しを行ったこと等に伴いまして、設計業務等に不測の期間を要したことから、1億1,400万円余の繰り越しを行ったものでございます。
なお、実施設計につきまして、1カ所は4月に完了しておりまして、残りの2カ所につきましても6月ないし7月には完了するという予定になっております。
続きまして、再生可能エネルギー発電施設導入促進事業(竹内西緑地太陽光発電)でございます。当工事につきましては、年度末に工事着手をしておりますが、業者のほうから前金の請求がなかったということで、2億9,000万円余の繰り越しを行うものでございます。当発電所につきましては、来年の2月に稼働を予定しているところでございます。
続きまして、小鹿発電所の排水ピット油の回収装置取りつけ工事でございます。排水ピット油回収装置といいますのは、発電所の運転過程で発生いたします少量の油を吸引する装置でございまして、当初、3カ月程度の納期を見込んでいたのですが、固定価格買取制度の開始以降、水力発電機器の納期が大幅に長期化しておりまして、これが数カ月かかることがわかったところでございます。機器の選定に不測の期間を要したために年度内完成ができず、600万円余の繰り越しをしたものでございます。
なお、当該工事につきましては、7月には完了予定でございます。
次に、新幡郷水力発電所ガバナ・AVR盤更新工事でございます。ガバナ・AVRといいますのは発電所のスピードの制御、それからAVRというのは電圧の自動調整を行う機器でございます。この機器につきましては、発電所を一時停止する必要があることから、施工時期をことしの10月から11月と、特に河川に水が少ない時期を念頭に置いておりましたため、年度末に発注したところでございます。年度内に業者より前金の請求がなかったことから、3,000万円余の繰り越しを行うものでございます。当該更新工事は来年の1月には完了する予定でございます。
最後に、日野川第一発電所自動ストレーナー更新工事でございます。ストレーナーと申しますのは、発電用の取水にまじっているごみを除去し、ろ過する装置でございます。これにつきましては、当初、3カ月程度の納期を見込んで発注をかけたところでございますけれども、固定価格買取制度開始以降に水力発電機器の納期が大幅に長期化し、機器の選定に不測の期間を要したことから、1,700万円余の繰り越しを行うものでございます。
なお、当該更新工事はことしの12月には完了の予定でございます。
続きまして、2ページをおはぐりいただきたいと思います。25年度鳥取県営工業用水道事業会計予算繰越計算書でございます。鳥取地区工業用水道配水管布設工事ということで、工事の着手後に道路占用許可手続が必要でしたが、一部区間の管理者において、その協議に時間を要したことから、760万円余の繰り越しを行うものでございます。
なお、当該事業につきましては、4月に完了しております。
◎興治委員長
ただいままでの説明について質疑ございますか。
○前田委員
1ページですが、これはちょっと勘違いしています。この繰り越し理由が実はあります。2段目の支払い義務が生じたか生じないかというのはどうでもいい話です。できたかどうかの話であって、できていたら生じないのです。支払い義務が生じていても、できていなければ繰り越しですので、これは変えたほうがいい。要は都合により設置工事が遅延したということなので、その遅延理由を書いておけばいい。それから、4番目もいけない。年度内に支払い義務が生じなかったというのもいけない。請求されても、現場ができていなければ払えないので、これもいけない。これは後から変えないといけない。局長、わかりましたか。
●山田企業局長
検討させていただきます。
◎興治委員長
ほかはないですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、次に、請願・陳情の予備調査を行います。
今回の予備調査は、新規分の陳情2件についてであります。
現状と県の取り組み状況はお手元に配付しております請願・陳情参考資料のとおりであります。
それでは、新規分の陳情商工労働26年5号、最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の提出について及び陳情商工労働26年11号、鳥取県乾杯条例の制定について、関係課長からの説明を求めます。
●小濱商工政策課長
それでは、参考資料をめくっていただきまして、1ページをお願いいたします。雇用あるいは労働経済政策等いろいろまたがりますので、主管課のほうでまとめて説明させていただきます。
まず、最初の最低賃金制度につきましては、御案内のとおり、そこに書いてございますけれども、各労働局に設置されます審議会においてこれは決定されることになっておりまして、現状では、全国平均749円に対して鳥取県は664円という状況でございます。
次に、中小企業への支援策でございます。まず、国の取り組みでございますけれども、平成
24年度の国の当初予算のうち、いわゆる中小企業対策部分、それから同じく国の補正、25年度も同様に計数を掲げてございますが、国のほうでも切れ目ない取り組みが行われていると認識しておりますし、それから、26年度の主な事業をそれ以下に書いてございます。めくっていただきまして、見開きの上でございますけれども、いろいろぽつがあります。先ほどもお話がございましたけれども、上から3番目によろず支援拠点ということで、これは6月に県の商工会連合会に窓口が設置されまして、中小企業の困り事、あるいはいろんな相談に対応する窓口ということで、3月まで県の産業振興機構の理事長をしておられました金田氏が今そこのトップで頑張っておられます。県の取り組みでございますけれども、御案内のとおり、2月の経済対策として21億円を補正し、その後、当初あるいは6月で今お願いしているものの計数を掲げております。
社会保険制度につきましては、御案内のとおり、現在の保険料率を強制的に負担する制度でございます。
下請適正化につきましては、そこに書いてございますとおり、下請法という国の法律がありまして、それに基づいて種々取り組みがなされているところでございます。下のページのところに取り組みの……(発言する者あり)ありますか。
よろしいですか。
◎興治委員長
はい。
●小濱商工政策課長
では、続けさせていただきます。
見開きの3ページの下でございますけれども、国の取り組みということで、こういう下請の不適切な取引に対する勧告、指導等が行われておりますし、真ん中には県のほうでも産業振興機構に下請かけこみ寺という窓口をつくっておりまして、そこで相談を受け付けて、問題になった場合は公正取引委員会におつなぎするという制度がございます。25年度の実績は7件と伺っております。
次に、公共事業の適正単価・報酬確保の問題につきましても、県土整備部のほうから伺ったことを書いております。ことしの4月に法律が改正されまして、労働条件の改善等に努めることが規定されておりますし、県のほうでも3ページの下から4ページの上のところに書いてございますとおり、公共事業の適正単価の中で労務費を大幅に引き上げるという取り組みもなされております。めくっていただきまして、5ページの上ですが、県土整備部でもそういう調査を行って、指導を行っていると伺っております。
雇用の創出と安定に向けた取り組みにつきましては、これも皆様方に御案内のとおり、国では再興戦略が実施されております。次に、26年度の主要施策ということで、国の主な取り組みを書いております。それから、一番下でございますけれども、県でも雇用創造1万人プロジェクトを5月の常任委員会でも概要を報告させていただきましたが、皆様方のおかげもありまして、何とか1万人を達成できるという状況でございます。
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
同じ冊子の5ページをお願いいたします。鳥取県乾杯条例の制定についてでございます。県内における日本酒の生産量等が減少しておりまして、鳥取県におきましても国内外での販路開拓、新商品開発、技術後継者の育成など、酒造業界の振興に努めているところでございますので、その対応状況などにつきまして御説明させていただきます。
販路拡大等の支援でございますが、県内外、国外で行う販路開拓に対する補助制度等を準備しておりまして、幾つかの酒蔵では、海外に打って出るということで、毎年度、この制度を活用していただいております。それから、県内の全ての酒蔵を掲載した「とっとりの酒物語」というパンフレットを作成しておりまして……。
◎興治委員長
太田課長、簡単に説明してください。
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
わかりました。こういったものをイベントで配布し、それから、新商品開発、後継者育成支援という支援制度も持っております。それから、私どもではございませんが、コンベンションビューローがコンベンションの物的支援制度を持っておられます。これは、大きなコンベンションなどで地酒を提供されるということでして、平成25年度におきましては、89大会、1万
7,000人弱に地酒が提供された状況でございます。
参考としております。乾杯条例の制定数を私どものほうで調べた結果でございますが、都道府県単位では、山形県以下、5県が条例を制定しておられます。佐賀県以外は日本酒以外の酒類も対象としておられますし、この5県全てが議員提案による条例制定となっております。
◎興治委員長
それでは、ただいまの説明について質疑はございますか。
○前田委員
5ページについて、県の取り組みは少しピントがずれています。陳情の趣旨は、乾杯のときに地酒を使ってくださいと。あなたの現状は別のことを言っています。地酒も進めているでしょう。それを説明してください。
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
1番目に少しだけ書いております。県産品利用の促進を図るという観点から、年末年始や年度がわり、いわゆる宴会シーズンにおいて地酒で乾杯しましょうという呼びかけをさせていただいているところでございます。
○市谷委員
今の乾杯条例の関係ですけれども、地酒の普及というのはわかるのですが、条例にしてやりましょうというのがいま一つよくわからなくて、ほかの県の条例はどんな中身になっているのでしょうか。
◎興治委員長
御存じですか。
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
比較的簡単な条例が多うございまして、目的をうたい、県の役割、事業者の役割、県民の協力を書いているという条例でございます。
○市谷委員
後で資料を下さい。条例というのは、こういう施策を進めて実際に振興することのほうが大事な気がしており、なかなか乾杯しましょうということだけでは振興されないので、資料を下さい。
続けていいですか。
◎興治委員長
いいですよ。
○市谷委員
もう一つの最賃の陳情ですけれども、対応状況の2ページの社会保険制度について説明がしてありまして、労使折半ということですけれども、他国において社会保険の負担を行政なり国なりが負担軽減している状況があると思いますが、恐らく折半ではなくて、もっと企業側がたくさん見るなどの状況があるのではないかと思うのです。それがもしわかれば教えていただけたらと思います。要するに国に要望を出す意味があるかということです。それが1点と、その続きで3ページに国全体で見たら下請法違反行為が、いわゆる下請たたきや下請いじめが過去最多の件数があって、支払いもおくれていたりということが非常に広がっていて、これはよくない状況だと思うのです。だから、下請いじめについてはしっかり正していくことを求める必要があると思うのです。あわせて、県では相談が7件あったということですが、これはどういうものだったのかを教えていただけたらと思います。
もう一つは、公共事業の適正単価についていろいろ書いてあるものの、結局この陳情の趣旨は、そういうことも含めて、公契約条例を制定してもらいたいということですが、その公契約条例を制定することについての県の立場、国に求めておられると思いますけれども、そこをはっきりとしていただけたらと思います。
とりあえずそこまで。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
社会保険制度については、労働者と事業主の負担はそこに書いてあるとおりと思っておりまして、特に中小企業の負担が高いということではないと思っております。社会保障制度につきましては、負担と給付の公平性がありまして、本日、国のほうで社会保険制度改革推進会議という新しい会議の委員が任命されることも聞いておりますので、そちらで検討されるものと認識しております。
●西村経済産業総室産業振興室長
県の産業振興機構の下請かけこみ寺にあった7件ですが、中身を説明する前に、下請の取引の規制について条件を申し上げておきたいと思います。
この取引関係は、親事業者が資本金3億円以上、要は大企業ですけれども、それに対して下請事業者が3億円以下の中小企業者の取引を対象とするものです。もう一つ、中小企業者同士の取り扱いもありまして、これは資本金額が1,000万円超で3億円以下の中小企業者、それに対して下請事業者が資本金1,000万円以下、要は小規模事業者を想定したものだと思いますけれども、この取引関係について規制を行うものだということをまずお断りしたいと思います。
7件の相談がございましたが、この要件に該当するものは結果として2件でございました。つまりあとの5件はどちらかというと中小企業者間の取引についての不満などといった内容でした。
特にその2件につきましては、一つは、親会社が生産拠点を変更することを通告した上で、契約の終了なり変更が生じたと、これについて経営的に困るという相談でございましたが、あくまで親事業者の経営戦略の変更ということで、この下請振興法の規制対象にならないのではないかと御説明しております。
もう一つでございますが、下請のほうで部品などを納品したのですけれども、品質などの問題だと思うのですが、品質の条件を満たしていないということで、支払いの拒否で遅延状態になっているということでございます。これにつきましては、機構が弁護士を紹介して、それの事実の挙証などについての支援を行っているところでございます。ただ、基本はいずれも民民の取引でございますので、そこについて規制の対象になるかどうかという明確な挙証ができるかどうかがポイントになってくるものだと思っております。
●小濱商工政策課長
公共事業関係の公契約の話につきましては、県土整備部から資料のコメントをいただいていますので、県土整備部とお話をして、コメントはまた追加でお出ししたいと思います。
○市谷委員
先ほどの社会保険の関係ですけれども、負担が重いという話があるということもおっしゃっいました。これから審議されていくということですが、要するにこの負担については今後審議が必要だと私は受けとめさせていただきました。
○砂場委員
まず、1ページの陳情について、賃金は高いほうがいいに決まっているし、それから中小企業を支援することもしっかりやらなければいけないというのはよくわかるのだけれども、要は鳥取のような地方において、最低賃金というルールとして高い賃金を義務づけることがいいのか悪いのかを考えなければいけないと思うのです。これについて、商工労働部のほうで県内企業からのアンケートなどがあれば後で見せていただきたいと思いますし、最低賃金の審議会の議事録は公開されているのですか。
◎興治委員長
質問は以上ですか。
○砂場委員
もしよければそれを見せていただければありがたいです。
◎興治委員長
どなたが答えられますか。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
こちらは国の審議会と、それから地域の審議会が労働局にありますけれども、そちらの議事録等はこちらでは持っておりませんし、中身についてはわかりません。
◎興治委員長
議事録が公開されているのか、されていないのかを質問しているので、そのことについて答弁をお願いします。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
探してみましたけれども、そのようなものは確認できませんでした。
◎興治委員長
労働局に聞いてください。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
確認してみたい思います。
○砂場委員
前半は誰が答えるのですか。
◎興治委員長
県でアンケートか何かをしているかという質問ですけれども。
○砂場委員
アンケートや聞き取りなど、最低賃金の調査はあるのですか。
◎興治委員長
わかる方が答弁してください。
●小林雇用人材総室長
そういう最低賃金に関するものはとっておりません。
○砂場委員
もう1点の乾杯条例の件について、陳情を読む限り、陳情の願意はやはり消費拡大、特に県内においての消費拡大がメーンですけれども、それについて何か政策をされていることがあれば、後でまた資料を下さい。(「わかりました」と呼ぶ者あり)
○前田委員
この陳情は、要は最賃のことを言っているのですよね。中小企業支援策の拡充を言っておいて、意見書に所管がざっと出てくるのです。だけれども、この陳情は1ページだけではないのか。県の取り組みで社会保険制度や公共事業の適正単価などが書いてあるけど、1ページとは関係ないですよ。要はこの陳情は最低賃金のことしか言っていないです。それで、別紙ではざっと書いてある。意見書を採択するかしないかでしょう。この陳情は何かよくわからない。この2ページのことが回答してほしかったら、これは1ページに書かなければいけない。だからこの陳情書はおかしいよ。
◎興治委員長
前田委員の意見ですので。
○銀杏委員
別に擁護するわけではないですが、1ページを見ると、一番最後の行に「国に対して別紙の意見書を提出するよう陳情します」という、これが陳情内容でして、そのほかのことについては一部説明したということで、全部は説明していないというだけの話だと思うのですが。
○前田委員
善意に解釈すればな。この意見書に関係あるのは1番と2番だけだ。
◎興治委員長
その他、議員の皆さんで御意見ありますか。いいですね。
では、以上で質疑を終えます。それでは、委員の方で陳情者からの願意の聞き取りあるいは現地調査の必要性について御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。
○市谷委員
願意の聞き取りをすべきだと思います。最賃が全国で最低の鳥取県ですけれども、ここの陳情では全国一律で1,000円以上と記載されていますが、例えば今、全国チェーンがいろいろありますよね。それで、最低賃金が各都道府県で違うと、同じ業務内容なのに鳥取県は664円、東京は869円と、同じ仕事をしてもこういうことになってくるのです。だからそういう実態について、私はこの提出されている方から実態をよく聞くべきだと思います。あと、鳥取県の最賃が664円ですけれども、8時間働いて20日勤務したとしても月10万円余りで、ここから社会保険料が引かれていくと、一体どういう収入状況になるのかと、これで生活ができるのかと思うのです。それについても聞き取りする必要があると思います。
あと、中小企業との関係について、諸外国などは社会保険料も含めて、中小企業への間接、直接の賃金支援をしているので、最賃は1,000円以上というのが当たり前なのですけれども、そこの中小企業支援をセットでやらないとなかなか中小企業の場合は最賃が引き上げられないことがあるので、執行部がいろいろ中小企業支援のことについて書いてはいらっしゃいますが、どういう支援が必要なのかも含めて、なぜ中小企業支援とセットで出してこられているのか、願意を聞く必要があるのではないかと思います。
◎興治委員長
その他ありますか。
○砂場委員
乾杯条例ですけれども、この10年間で28あった蔵元が18まで、3分の2まで少なくなった中で、何とか消費を拡大しなければいけないと、皆さん懸命に努力されておられますので、やはり現状なり皆さんの思いは聞いた上で、表面でできるのは乾杯ですが、底にあるのは消費拡大について意見を述べたいということですから、聞き取りをしたほうがいいと思います。
◎興治委員長
その他、御意見は。
○前田委員
まず、最低賃金の願意の聞き取りは必要ないと思います。1ページを見てください。最低賃金の決定というのは、都道府県労働局に置かれた地方最低賃金審議会の審議を経て、都道府県労働局長が決定される国の行為でありますので、地方自治体がこの願意を聞き取ってどうするのでしょうか。
○市谷委員
だからこそ、国に対して意見を言うという陳情だと思います。
○前田委員
それは審議会の場で経営者側からも意見を聞くでしょうから、それで十分だと思います。願意まで聞かなくていいと思います。
◎興治委員長
乾杯条例については、ほかに御意見ございませんか。
○小谷委員
聞く必要ないと思います。
◎興治委員長
ほかにはありませんね。
それでは、それぞれの陳情において意見が分かれているようですので、個別に多数決で決定したいと思います。
まず、最低賃金の改善を求める意見書について、願意の聞き取り、現地調査を行うことに賛成の方の挙手をお願いします。(賛成者挙手)
賛成が少数ですので、今回につきましては、この陳情については聞き取り及び現地調査は行わないことといたします。
次に、乾杯条例の制定についての陳情について、聞き取り、現地調査を行うことに賛成の方は挙手をお願いします。(賛成者挙手)
賛成が少数ですので、今回につきましては、この陳情についても聞き取り及び現地調査は行わないことといたします。
それでは、次に、報告事項に移ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いします。
質疑等につきましては、説明終了後に一括して行うこととします。
報告1、鳥取県の経済雇用情勢について及び報告2、鳥取県と株式会社ポプラとの包括連携協定の締結について、小濱商工政策課長の説明を求めます。
●小濱商工政策課長
それでは、商工労働部の報告事項の1ページをお願いいたします。まず、経済雇用情勢について簡単に御説明いたします。
全般的に申し上げますと、一番上に書いてございますとおり、持ち直しが続いているという状況でございますけれども、まだ飛躍的に伸びるところまでは行っていないと思っております。
主な指標を申し上げますと、まず、販売額の推移、大型小売店の販売の、いわゆる需要につきましては、ことしの3月までのデータでございますけれども、消費税率の引き上げが4月にありましたので、その駆け込みのため、前年比14.7の増と大幅な上昇を示しております。
その下の欄は、まだ3月分しかデータがないのですけれども、ホームセンターなどにも同様の傾向が見れますし、4月の自動車につきましては、マイナス7.1とダウンしております。
生産面につきまして、3月の鉱工業生産指数は、1月、2月に駆け込み需要に対応する生産増があったわけでございますけれども、3月はそれが少し落ちついてきた状況でございます。ただ、ベースとしての動きは引き続き持ち直しの動きが見られるということでございます。
先ほども一部ありましたけれども、雇用面につきましては、4月の県の有効求人倍率が0.99、正規については0.48ということです。先ほどミスマッチの御意見がありましたけれども、一部の業、特にめくっていただきまして2ページ、これは調整していない原指数を鳥取、倉吉、米子に分けて書いておりますが、特に米子は1を超えておりますので、そういう状況が見られるということでございます。
企業倒産の状況につきましては、4月は2件でございます。
6で参考までに日銀の松江支店、あるいは鳥取財務事務所のコメントを掲げておりますけれども、押しなべて申し上げますと、経済は基調として緩やかな回復を続けているという状況でございます。
次に、3ページをお願いいたします。株式会社ポプラとの包括連携協定ということで、現在、県では、ローソン、ファミリーマートの2社と包括協定を結んでいるところですけれども、このたびポプラ、これは参考にポプラの概要を書いてございますが、広島に本社がある全国業界第9位のコンビニチェーンでございまして、協議が調いましたので、包括協定を結ぶことから御報告させていただきます。
協定に基づきまして、県とポプラでいろんな取り組みをこれから行っていくわけですけれども、その主なものを四角の下に幾つか書いてございます。一つは、障害者関係の事業所の販売促進に御協力をいただけるということで、これは現在でも一部しておられますけれども、この協定を機にリニューアルを図り、品物の充実などをやっていきたいということでございますし、それに関連して、あいサポート・とっとりフェスタにも御協力いただけるということでございます。それから、障害者アートの展示ということで、これは鳥取市のワシントンホテル内にある店舗で取り組んでいただけるということでございます。それから、中山間地の店舗においては、移動販売や見守りへの協力ということで、これは大山町や琴浦町で協議が調いまして、これに関する協定も当日あわせて行いたいと考えております。特に首都圏にも店舗をお持ちですので、県が行うイベントのPR等にも御協力いただけると伺っております。
調印式でございますけれども、6月18日の水曜日、1時40分から知事公邸で行うこととしており、現在準備をしているところでございます。
◎興治委員長
報告3、丸美屋食品工業株式会社及びマルコフーズ株式会社による「ふりかけ製造工場」設置に係る協定書調印式の実施について、池田立地戦略課長の説明を求めます。
●池田立地戦略課長
4ページをお願いいたします。東京に本社がございます、丸美屋食品工業株式会社の100%子会社のマルコフーズ株式会社が境港にございます。こちらがふりかけ製造工場を設置することになりましたので、調印式を実施いたしたところでございます。
会社概要は以下のとおりでございますが、丸美屋食品工業株式会社につきましては、売り上げが419億円に上ります。従業員379名程度ということで、事業内容としては、ふりかけ、おむすびのもと、かま飯、マーボー豆腐のもとといったところでトップシェアをとられている企業でございます。その子会社のマルコフーズ株式会社、境港市昭和町にございますが、グループの西日本唯一の拠点でございます。代表者は厚木実社長でございまして、売り上げは21.8億円、従業員は90名程度で、現在マーボー豆腐のもとでやレトルトカレーの製造を行っております。このたびグループ全体で売り上げをさらに500億円規模にしたいと、その生産体制を確保したいということ、また、西日本に拠点を構えるいわゆるリスク分散といいますか、拠点の分散を図りたいという観点から、このたび昭和町の空き工場、旧ペットフードの製造工場を取得されまして、ふりかけ製造工場を設置されたところでございます。
雇用計画は10名程度、全員正職員という予定でございまして、このたびは丸美屋ブランドの「のりたま」や「混ぜ込みわかめ」を新たに製造されるということで、27年3月に操業開始を予定しております。
なお、書いてはおりませんが、投資規模は約6億円程度ということで、県は15%、通常の
10%にリスク分散の5%を上乗せした約9,000万円、境港市につきましては、5%の補助ということで、3,000万円の投資に対する助成を検討しているところでございます。
調印式につきましては、6月2日に以下のとおり行わせていただいております。協定書につきましては5ページに添付させていただいております。
さらに、6ページ、7ページにつきましては、こちらは農林水産部で報告させていただきますので、省略させていただきます。
それと、実は項目にはございませんが、委員長の許可をいただいておりますので、別紙にて引き続き報告させていただきます。株式会社ナノオプトニクス・エナジーの現況についてでございます。
◎興治委員長
今手元に配ったものです。
●池田立地戦略課長
このたび株式会社ナノオプトニクス・エナジーが6月末日時点をもちまして、雇用調整を実施されることを確認いたしました。これに基づきまして、昨日、離職者説明会を行うなどの離職者支援を実施することとなりましたので、報告させていただきます。
雇用調整の概要でございますが、26年6月末をもって、現在28名の従業員のうち23名が離職されるということで、従業員には5月末の時点で説明されておられるということでございます。7月以降の従業員は5名となる予定でございますけれども、23名の内訳につきましては、正社員が7名、契約社員が16名ということで、この16名につきましては、3月まで県の緊急雇用の委託事業からの継続雇用、当面3カ月の有期雇用で雇用されておられた方ですが、こちらの方が6月末をもって雇用調整となります。
従業員数の推移を簡単に記載しておりますけれども、昨年4月時点では10名でございましたが、県が昨年7月より緊急雇用の委託事業で30名雇われたということで、その時点で39名でございました。その後、3月時点で、社のほうからはこの30名の社員について引き続き雇用されると表明されまして、その後、一定の自己都合退職等もございましたが、現時点では28名、内訳は正社員12名と契約社員16名でございます。こちらが7月以降、5名になるということでございます。
背景でございますけれども、4月以降、やっと売り上げが上がってきておりました。ユニモにつきましては、4月以降、8台販売されたところでございます。ただし、今後の新たな資金調達が困難になったということで、やむなくこういった措置をとられたところでございます。
なお、雇用継続のための中小企業緊急雇用安定助成金、いわゆる雇用調整助成金につきましては、既に活用されておられる状況でございます。
昨日、離職者説明会を行ったのですが、その際、竹内社長から従業員に次のとおり説明がございましたので紹介させていただきますが、「体制を整えてきたが、売り上げが伸びず、事業を縮小せざるを得なくなった」ということ、それから、「会社として雇用継続したかったのであるが、皆様の生活もありまして、このようなことになり申しわけない。」また、「当社で培ったスキルには誇りを持って新しい職場についてほしい。」ということを説明されました。
この離職者説明会には、ナノオプトニクス・エナジー以外に、ハローワーク、産業雇用安定センター、若者仕事ぷらざ、ミドル・シニア、レディーズ、技術人材バンク等々が参加いたしまして、職業紹介、労働移動受入奨励金、また雇用保険の受給手続等について説明させていただいたところでございます。また、本日付で西部総合事務所内に特別相談窓口を設置したいと考えております。実際、離職予定者の中で製造業希望の方というのが結構多いとお聞きしておりまして、これまでの新規立地なり県内増設の中での求人などの前倒し等を確認いたしまして、マッチングさせるなど、できるだけ再就職のバックアップをしてまいりたいと考えております。
なお、ナノ社の今後の事業展開につきましては、医療・介護分野に向けたモビリティー等の事業は継続して実施するという意向を社長に確認しております。それで、現在アビリティーズ・ケアネットという福祉・介護レンタル事業者と販売代理店契約等を結んでおりますので、ここと引き続き事業連携を図りながら、県外の病院等への販売に取り組んでいくということ、また、今月開催された世界作業療法士連盟大会で、アビリティーズ・ケアネット社が成果発表した超小型モビリティーユニモ等を紹介して、リハビリ施設での導入に向けたPRを行っていくとお聞きしております。さらに社としては、売り上げを立てて事業基盤を安定させる努力、それと、これまでもやってきております産業革新機構への出資要請を継続して行うとともに、一方で、資金繰り改善のために新たな資金調達も取り組むのですが、工場の一部売却による運転資金の確保を視野に入れて、今後の対応を検討されると聞いております。
なお、前回の土地売却以降、複数の企業からいろいろと問い合わせがあるとは社のほうからお聞きしているところでございます。
ナノ社の事業継続の意向を踏まえまして、県といたしましては、工場の一部売却の可否を慎重に判断したいと考えております。
なお、事業計画を再度変更した上で、こういう工場の一部売却を行われた場合は、企業立地補助金につきましては売却面積相応部分の返還を求めていきたいと考えております。
なお、今、前回売却したときの補助金返還を約4,500万円程度求めておりますけれども、こちらにつきましては現時点ではまだ返還いただいていないということで、現在督促等を行っているところでございます。
◎興治委員長
次に、報告5、「地域イノベーション創出2014 in とっとり」の開催について、西村産業振興室長の説明を求めます。
●西村経済産業総室産業振興室長
8ページでございます。「地域イノベーション創出2014 in とっとり」につきましては、中国地区の参画関係機関が連携いたしまして、毎年5県が持ち回りで開催しているシンポジウムでございます。ことしは鳥取県の担当ということで、7月2日にとりぎん文化会館で1時半から開催されるものでございます。
シンポジウムの中身といたしましては、基調講演といたしまして、ソニー株式会社に技術系社員として入社され、社長までお務めになられた中鉢氏の物づくりに対する御講演をいただきます。また、県関係では、取り組みの紹介といたしまして、鳥取大学の伊福准教授がキチンナノファイバーの実用化についての取り組みを紹介されます。また、パネルディスカッションでは、産業技術センターから山田企画室長が参加されて、いろいろな意見交換をされることになっております。別添でチラシもおつけいたしております。
◎興治委員長
報告6、DBSクルーズフェリー社の運航船舶の安全対策等について、岩下通商物流室長の説明を求めます。
●岩下経済産業総室通商物流室長
前回の常任委員会で、4月16日のセウォル号の沈没事故から始まる安全対策の説明について、5月10日に避難訓練を行ったと報告させていただきましたけれども、その後の動きについて説明させていただきます。
DBSクルーズフェリーの尹奎漢代表理事副社長を県内に呼びまして、6月6日に西部総合事務所で説明会を開いて、イースタンドリーム号は条約に基づいて、韓国だけでなく、日露などの安全基準を満たして運航を行っている、それから荷崩れ防止などの対策を行っているなどの説明を行いました。
項目2の平井知事と尹奎漢代表理事副社長の面談では、平井知事より、引き続き安全運航の継続に万全を期すよう要請いたしました。
項目3は当初予算でお認めいただいている件でございますけれども、ロシア専門マネジャーとして大石莊平氏を公募審査の上、本庁の商工労働部内に6月1日に配置いたしました。大石氏は、ウラジオストクの日本センター、これは外務省の外郭団体で、ロシアの市場経済の改革や日ロ間の経済交流を現地で支援する団体のセンター長だった方でありますけれども、そちらの方に県庁本庁内におきまして、新たなロシアとのビジネス及び経済共同プロジェクト、案件の掘り起こし、それから環日本海定期貨客船のロシア関連貨物の創出などで成果を上げていきたいと思っております。
◎興治委員長
12時になるのですけれども、続けてもよろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
それでは、今までの説明について質疑をお願いします。
○市谷委員
一つは、4ページと5ページの企業進出の協定に関して、5ページの下に境港市の立地補助金が書いてありますけれども、これは原資が何になるのか、前回も倉吉市の際にもお聞きしましたが、何でしょうか。
●池田立地戦略課長
先ほど申し上げたところの6億円の5%、3,000万円につきましては、基本的には一般財源で支出されると聞いております。
○銀杏委員
別紙で配られましたナノオプトニクス・エナジーの件につきまして、雇用継続のための支援制度は活用済みということですけれども、資料を見てみますと、ことしの3月時点で1名減って、正社員が9名になっていますが、きょう時点で12名と、また3名ふえているのです。この3名についてはそうした助成金を受け取られていると思うのですけれども、最終的に雇用が1年継続しないともらえないこともあると思うのですが、それが7月以降は5名になるということで、その5名の中に新たに雇用された方は残るのですか。
●池田立地戦略課長
今、委員が申されたのは、正規雇用奨励金の件ではないかと思います。ここにございます雇用調整助成金につきましては、いわゆる事業活動の縮小を余儀なくされた事業者が社員を休職等させたときに、一定の金額を国から得てお支払いするという制度でございます。正規雇用奨励金につきましては、既に5名分お支払いしていますが、制度的には雇ってから6月以内に事業主が解雇された場合にお返しいただく制度になっておりますので、現在確認中ですけれども、基本的にはその5名について今後お返しいただく形になると思います。
○銀杏委員
これまで返還すべきものがまだされていない状況などを考えると心配しておりますので、十分に注意深く見ていただいて、適切な対応をとっていただきたいと思います。
○市谷委員
ナノオプトの件について、結局正社員が5名しか残らない中で、今後の事業展開が書いてあるのですけれども、この5名で製造が継続できるのだろうかと非常に心配といいますか、難しいのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがですか。
●池田立地戦略課長
正直、5名というのはなかなか厳しい人数だと思います。ただ、こちらの社長自身がエンジニアということ、さらに残られた方はいわゆる開発のコアなメンバーであると聞いております。ただ、開発等はできても量産等になると、今の事態ではなかなか厳しいので、そこで売却等による運転資金確保なり、将来的には産業革新機構の出資といったことを求めた上で、事業を継続させていきたいということでございますし、販売等についてはアビリティーズ・ケアネットとの代理店契約による連携をやっていきたいとお聞きしております。
○市谷委員
資金の点や販売は、今おっしゃったようなことでよいのですが、技術者が社長のみ1名で、従業員5名では物づくりができるのですか。そこを心配しているのです。
●池田立地戦略課長
基本的にこの体制で量産するのは非常に難しいと思います。現実、これまでのところも注文生産という形で細々とやってこられた部分もあり、現在20台程度つくられて、そのうち8台販売され、一定の在庫はあるということと、今後についても部材等は調達されておられて、数十台つくる予定はございます。今のメンバーでとりあえずつなぎながら、一定の運転資金を確保する中で、また拡大していくとことにならざるを得ないのかとは考えております。
○市谷委員
自民党の中からも最近はいろいろ出ていますけれども、まだ発動されていないですが、このナノオプトを最初に誘致された時に最高額の50億円の補助金を支出すると。これは、非常に県の責任があると思っているのです。ただ、当初のスポーツカーから転換し、現実的な路線に展開されて今日までに至っているのだと思いますが、県の責任がどういうことになるのかなと。こういう状況になってしまったのは、仕方がないですわということなのか。その辺が非常に問われるのではないかと思うのです。
●岡村商工労働部長
私もこの件に関しては、当時、JTの撤退もあっての話で、ベンチャーであっても可能性があればということで支援しまして、試作開発型の企業ということで支援制度を組んでいます。まだ3億円の補助金はありますけれども、土地、建物の資産を評価して金融機関が貸し付けたので、取得が可能になったと。当初描いていたEV事業はうまくいかなくなりましたけれども、介護モビリティー分野での販売代理店契約までこぎつけられているという、売り上げが見えているところで、残念ながら運転資金の確保ができないのが現状であります。実際に聞いてみますと、ベンチャーということでの信用性がないということで、県内の7社か8社ぐらいから部材調達されるのですけれども、そこは全部前払いをされると。その後、売り上げを立てたときの売り上げからは手形払いが来るということで、なおかつあの工場を一括管理するとなると電気代が半端ないと。この中で、なかなか継続は難しいであろうなという認識はあります。
ただ、そこはイーウェルへの土地売却等で資金をつなぎながら計画を再構築すると伺っており、県も認定しております。今回は、また工場棟の一部についても売却する方向で検討し、資金を捻出しないと事業継続が困難と伺っておりますので、恐らく製造業となると思いますけれども、その後は製造業の関係でこの工場を活用したいという企業が出てきましたら、その状況を見きわめながら、我々が事業計画の変更を認定しないとナノも勝手に売却できませんので、ナノの状況を確認することと、それから、一旦整理されるなら、補助金返還は当然求めますし、そこはいろんな選択肢があると思います。せっかくこの前e-001も報告されて、これを世界の療法士の大会でもアビリティーズ・ケアネットがアピールしたいとおっしゃっているのは事実でありますし、それから車椅子等についても需要はある程度出てきているというのも事実でありますので、どうにか支えたいのですけれども、いかんせん、県としてもこれ以上は打つ手がないというところです。彼らの判断として、活用していない工場部分を転売してでも事業継続したいという意向がありますので、そこの相談にしっかり乗っていきたいと考えています。
○市谷委員
何ができるかが非常に難しいというのはそうだと思いますけれども、県の責任があるということで、これは問題に対処する必要があると思います。
●岡村商工労働部長
おっしゃるとおり、我々も雇用対策はもちろんですけれども、ナノオプト自身の資金繰り等も含めて、県で関与しながら適正な措置がとれるようにしていきたいと考えております。
◎興治委員長
ほかにありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないですね。
次に、その他ですが、商工労働部、企業局、労働委員会に関して、執行部、委員の方で何かございますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、意見がないようですので、商工労働部、企業局、労働委員会につきましては以上で終わります。
それでは、休憩いたします。再開は1時といたします。
午後0時10分 休憩
午後1時00分 再開
◎興治委員長
それでは、引き続き農林水産部に係る付議案の予備調査を行います。
質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
なお、既に政務調査会で説明を受けたものもありますので、執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いします。
また、報告第9号、長期継続契約の締結状況については、お手元に配付の資料のとおりであり、特に説明は要しないこととします。
では、岸田農林水産部長に総括説明を求めます。
●岸田農林水産部長
農林水産部でございます。今回御審議いただきますのは、一般会計補正予算、特別会計で県営林事業特別会計補正予算、県営境港水産施設事業特別会計補正予算、それから、予算関係以外で第11号の工事請負契約の締結、それから報告が3件ございます。
1ページに予算の総括表をつけておりますが、今回、4月に霜被害がございました。それの再発防止対策を初め、日豪EPAに係る県内畜産の対策強化並びに陸上養殖、それから農産物の加工施設等の予算を計上しております。詳細は担当課長が説明しますので、よろしくお願いいたします。
◎興治委員長
続いて、関係課長から順次説明を求めます。
●爲計田農業大学校長
農業大学校の爲計田です。2ページをお願いします。施設整備費として1,166万4,000円の補正をお願いするものです。内容につきましては、TMRミキサーという農業大学校で使用する乳牛に粗飼料を切断後、農耕資料などと混合、攪拌する機器でございますけれども、平成28年度に当初予算での更新を計画していたのですが、この3月に破損しましたので、このたびの補正で更新による整備をお願いするものでございます。
●西尾経営支援課長
経営支援課です。3ページをごらんください。経営体育成支援事業で47万9,000円の増額補正をお願いするものです。これは国の事業でございまして、2番の事業内容の区分にございますとおり、被災農業者向けの支援事業で、平成25年から組み入れられております。昨年度、26年2月に関東甲信地方を襲いました大きな雪害がございましたが、同時期に本県でもわずかではございますけれども、雪害を受けた農家がございます。国のほうで全国的に網をかけて支援対策を組むということで対象になったものでございます。
事業内容にありますとおり、被災した施設の復旧費、それから倒壊した施設等の撤去費の2つに分かれております。過去、同様の事業を雪害復旧として単県で行ったことがございますが、基本的にはそのスキームに準じてこのたびも組んだところでございます。余りにも被害が大きかったもので、通常は10分の3の国事業ですけれども、このたびは2分の1に拡大しております。過去は、事業主体に3分の1を御負担いただく前提で、県と市町村で応分の負担をしていくという形でしたが、今回も同様でございまして、残りの2分の1のうち、トータルで3分の1は事業主体に負担していただく形とし、県と応分の負担をすることで計算いたしまして、10分の1の県負担ということです。それと、撤去費につきましては、国と地方自治体とで半分ずつというスキームになっておりますので、県4分の1、市町村4分の1のスキームとしております。ただし、復旧費につきましては、共済制度がございますので、加入しておられる場合には受け取り額を引かせていただきますし、未加入の場合につきましては、過去と同じように復旧費の3割相当を補助対象から引かせていただくというスキームにしております。
続きまして、38ページをごらんください。これは、公益財団法人鳥取県農業農村担い手育成機構が実施いたします認定農業者等担い手に対して面的集積を行う農地売買支援事業、従前ですと農地保有合理化促進事業と言っておりましたが、これの関係でございます。農作業受託の促進のための受託料相当額の資金の貸し付けを行う農作業受託促進事業がございまして、貸し付けを行うに当たり、全国協会から機構が借り受けをするわけですけれども、その際に県の債務保証が要るということで、その部分を新たに実施することになったので増額するものでございます。
●俵農地・水保全課長
それでは、4ページをお願いいたします。公共事業でございます。農業農村整備事業の県営畑地帯総合整備事業につきましては、国の認証増によりまして、1億4,000万円余の増額をお願いするものでございます。
団体営事業であります農業体質強化基盤整備促進支援事業でございますが、これは国が一般地域で50%、それから中山間地域で55%補助しておりますけれども、この部分につきまして、従来、県費のかさ上げ率は15%を上限に市町村が負担する率を決めておりました。しかし、ことしの2月議会におきまして、担い手に農地集積をするためには圃場の再整備等が必要になると、その際に農家負担が大変なので、負担軽減を図るべきという議論がいろいろございましたので、これを受けて県費のかさ上げ率を見直しまして、上限を撤廃し、市町村と同額を支援するように変更しました。これに伴いまして、今回一部の市町村で農家の助成額を引き上げられたということで、それに伴って県費も増額をお願いするものでございます。
下の農地防災事業は、県営特定農業用管水路等特別対策事業でございますけれども、これも国の認証増によりまして、1,000万円の増額をお願いするものでございます。
公共事業につきましては、23ページ以降に補正予算の総括表を載せておりますし、26ページに着工地区の概要を載せておりますので、またごらんいただきたいと思います。
47ページ以降に繰越明許費の計算書を載せております。このうち当課が所管しておりますのは3の農地費の部分でございまして、47から48ページにわたってこの事業が該当いたします。
はぐっていただきまして、49ページの災害復旧事業のうち下から3つ目の欄、耕地災害復旧事業と、それから単県耕地災害復旧は当課の所管事業でございます。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
5ページをごらんください。農業改良普及指導活動費として、90万円余の補正をお願いするものでございます。
事業内容について御説明申し上げます。中ほどの主な事業内容をごらんください。2つの受託事業を予定いたしておりますが、1つ目が、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構からの受託事業でございまして、受託期間は2年間を予定しております。受託事業の内容といたしましては、EOD、これはエンド・オブ・デーの略でございますが、日没後ということでございます。この時間帯が野菜や花の温度など光に対する感受性が非常に高い時間帯だということでございます。この時間帯を使いまして、温度を上げたり、あるいは光を照射したりして、野菜や花の生育速度を速めるなり、あるいは生産コストの低減を図るといった取り組みをしようとするものでございます。研究体制といたしましては、中ほどの参考に書いてございますが、産学官のメンバーで行うこととしております。当課の役割といたしましては、普及現場の中で生産農家の協力も得ながら現場実証を行おうとするものでございます。
もう一つ、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会からの受託事業につきまして、これは単年度事業でございます。内容といたしましては、ジャガイモを収穫する際に、農業機械、具体的には歩行型のピッカーを使いながら、どれぐらい省力化ができるのかを現地実証してまいる予定でございます。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
6ページをお願いいたします。鳥取二十世紀梨記念館施設管理費に670万円余の補正をお願いするものでございます。
梨記念館は平成13年4月にオープンいたしまして、13年経過いたしました。その中で、シアターで2本映画を上映しておりまして、「梨の来た道」という梨の日本に伝わったルーツを紹介するものと、それから「未来にはばたく梨産地鳥取」ということで、新甘泉等の新品種をPRする映画を交互に上映しております。年末から機械が不調を繰り返しまして、その都度修理をしておりますが、いよいよ部品もなくなりまして、このたびレコーダーなりプロジェクター、そして自動上映のシステム改修を行うものでございます。特に韓国、英語、台湾語に対応しておりまして、外国のお客様に非常に人気のスポットであります。本年度の梨の時期までには何とか上映開始したいということで、補正をお願いするものでございます。
続きまして、7ページをお願いいたします。鳥獣被害総合対策事業で1億8,000万円余の補正をお願いするものでございます。
中身としては3本ございまして、一番大きな部分が鳥取市の射撃場整備に係る補助でございます。現在、イノシシや鹿の鳥獣被害は全県に広がっておりまして、まずはその数を減らす対策ということで、ハンターの確保が喫緊の課題であります。今、ハンターは非常に高齢化が進んでおりまして、60歳以上が3分の2で、若い20代は10名程度という状況でございます。そういう中で、平成20年に銃刀法が改正されまして、3年に1度の講習やシーズン前の練習等の義務づけが生じまして、東部では鳥取クレー射撃場が以前あったわけですけれども、平成20年から休場したことから、今回、そのクレー射撃場の再開に向けて整備するものでございます。
一番下に整備場の概要を表にしてつくっておりますけれども、鉛の弾の処理と射撃場の整備ということで、国の事業を使いまして、県部分は、射撃場の所管は生活環境部の緑豊かな自然課でありまして、そちらのほうで計上することとなっております。
2番目が、ニホンジカの先進的捕獲技術推進ということで、鹿につきましては、本年度、シャープシューティングという餌づけをしておびき寄せ、一気に撃つという方式を今チャレンジしております。そういう中で、国の認証増がありましたので、捕獲の試験箇所をふやしたいことから増額をお願いするものでございます。
3点目は、アライグマの捕獲・生息実態調査でございます。これにつきましては、既に25年度に国の交付金を活用しまして、福部なり岩美でアライグマの生息調査を行いました。神社仏閣によくすんでいることから調べたのですけれども、結局は河川に近い耕作放棄地等におりまして、一応14頭の捕獲もできております。この取り組みを全県的に広げたいということで、その実態調査につきましての経費をお願いするものでございます。
続きまして、8ページをお願いいたします。柿梨等霜被害再発防止事業ということで、政調政審でも御説明いたしました。ことしの霜被害の教訓をもとに、まずは来年に向けての防除対策を徹底しようということで、果実生産出荷安定基金協会が事業主体になりまして、灯油を燃焼させるペール缶の配布の経費をお願いするものでございます。
なお、柿や梨の今回被害を受けた地帯におきまして、この灯油燃焼法以外に、例えば防霜ファンをつけたいなり、スプリンクラーで散水・氷結法による防止をしたいなどの要望があれば対応するようにしておりまして、現在、産地の要望を聞き取りしているところでございます。
●宮田農業試験場長
9ページの上の部分でございます。安定した収量と食味向上のための水稲省力施肥技術の確立事業でございます。これは、一般財源から諸収入へ財源の振りかえをお願いするものであります。中身につきましては、この課題の中の一つであります水稲育苗箱全量施肥法による苗の徒長防止技術でございます。苗箱に栽培期間の肥料を全部入れまして、省力化を図るという技術でございますけれども、特になかて品種であるきぬむすめ等、温度の高い時期に育苗するものについては苗が伸び過ぎるという課題がありまして、これを検討すると。西日本の共通課題ですので、全国農業協同組合連合会からの委託を受けて行うということで、財源の振りかえをお願いするものであります。
●村田園芸試験場長
9ページの下側をごらんいただきたいと思います。先ほど、とっとり農業戦略課から説明がございました受託研究の一員に園芸試験場もなっておりますので、その研究に伴います人件費の増額を要求するものでございます。
10ページをお願いいたします。こちらも同じ研究課題でございます。研究課題の中の事務費部分について、受託収入を一般財源から諸収入へ振りかえさせていただくものでございます。
●米田農業振興戦略監畜産課長
11ページをお願いします。畜産基盤強化緊急対策事業でございます。
本年4月に日豪EPAの大筋合意がありました。また、TPPの議論が現在も進んでいるところであります。EPAにつきましては、牛肉の関税が段階的に引き下げられるものでございまして、輸入牛肉が増加しますと、ホルスタインの牛肉が価格帯で競合することが心配されているところであります。このため、輸入牛肉の影響を受けにくい和牛の増産を図ることや、乳用牛の肥育、これらの体質強化を図るものでございます。
主な事業内容といたしましては、1つ目といたしまして、和牛受精卵移植チャレンジ対策でございますが、新たに和牛受精卵移植に取り組む方、さらに拡充される方を対象に、1移植当たり2万円という奨励金を交付するものでございます。受精卵移植につきまして、特に乳牛につきましては、1年間に乳用牛の母牛が産む子牛全体の3%程度にとどまっております。これは受精卵移植による受胎率が50%と低い率であるために、不受胎に対するリスクを農家が心配されるところでございまして、それらのリスク見合い、一度不受胎になりますと、次の発情まで21日間待たなければなりません。そういったところのリスク見合いを埋めることによって、和牛の受精卵移植を推進するものでございます。
これにあわせまして、予算措置はございませんが、取引情報の一元化、生まれた子牛の育成技術指導、それから酪農家と和牛農家のマッチングができますように、大山乳業や各農協、これに県も加わりまして、システムづくりを行うものでございます。
2番目といたしまして、鳥取和牛オレイン55増頭対策でございます。鳥取和牛オレイン55は、脂肪の質にこだわった鳥取県のブランド牛でございまして、この事業は、県内の肥育農家がオレイン酸の能力の高い肥育素牛を競りから導入するときに助成金を交付するものでございます。現行でもやっておりますが、最近では競り価格が上昇いたしまして、県外の購買者に購買されてしまい、県内保留率が若干低いということでございまして……。
◎興治委員長
米田課長、政務調査会で聞いているので、簡単でいいです。
●米田農業振興戦略監畜産課長
わかりました。
県外に出るのを食いとめる事業でございます。
3番目の乳用種肥育飼料用米給与実証につきましては、ホルスタインの飼料用米の給与量をアップしたいということで、それの実証試験でございます。
最後の県産牛肉普及定着化につきましては、県産牛肉の普及活動に要する経費でございます。特に子供たちの食育などに焦点を当てて、出前講座等を行うものでございます。
12ページをごらんください。家畜伝染病侵入防止緊急対策事業でございます。ことし4月に熊本県で鳥インフルエンザが発生いたしまして、本県でも各農場で一斉点検をいたしました。そのときにネットのほつれなどがありましたので、応急処置はしておりますが、それの整備強化ということでお願いしております。それとあわせて県の消毒薬や消石灰の備蓄をお願いするものでございます。
●大北森林・林業振興局林政企画課長
資料の13ページをお願いします。分収造林促進費におきまして、一般会計から県営林特別会計への繰出金として1億7,700万円の補正をお願いするものです。
事業の内容ですが、県と地権者で締結していた分収造林契約の解除に伴う日本政策金融公庫からの融資元金の繰り上げ償還のため、県からの繰出金を増額するものです。
続きまして、資料の14ページをお願いいたします。林業試験場で行います試験研究費、小幅板のクロスパネル化による新たな利用価値の創出で33万1,000円の補正をお願いするものです。
事業の目的ですが、新たな構造用木質パネルでありますCLTを用いる際に、JAS規格等により求められる性能を確保するため、接着性能に関する技術開発を行うものです。
なお、この事業は、独立行政法人森林総合研究所からの受託研究でございます。
●村上森林・林業振興局県産材・林産振興課長
続きまして、資料46ページをお願いいたします。議案第11号でございます。工事請負契約の締結です。
この議案は、地方自治法第96条第1項の規定によりまして、予定価格5億円以上の工事請負契約の締結について議決をお願いするものでございます。
締結する工事につきまして、工事名は林道若桜・江府線助谷トンネル(仮称)工事でございます。契約の相手方は、林道若桜・江府線助谷トンネル(仮称)工事東洋・井木特定建設工事共同企業体でございます。契約金額は7億6,096万8,000円で、27年12月10日を完成工期としまして、延長297メートルのトンネル工事を行うものでございます。
続きまして、48ページをお願いいたします。繰越明許費の計算書をつけております。上ほどにあります林業費の7事業、それから下にあります林道、はぐっていただきまして、上から続きます林道関係が7事業、さらに災害復旧、49ページから50ページに至ります林道の3事業について、繰越額が確定したので報告しております。
●伊藤森林・林業振興局森林づくり推進課長
40ページをごらんください。県営林特別会計補正予算、県営林事業費繰り上げ償還の元金1億7,700万円の補正をお願いするものでございます。
本要求は、県の分収造林契約地であります西郷県有林の契約解除に伴い、保育経費とこれまで日本政策金融公庫からの資金の元金の繰り上げ償還を行うためのものでございます。西郷県有林は、鳥取市河原町地内に位置し、県有林と呼ばれていますが、県と分収造林契約を交わしていて、面積が約250ヘクタール、県の分収造林地としては県内最大でございます。契約期間は明治39年から平成54年までの136年間、分収割合は、当初、県が80、地元20でしたが、昭和32年の植栽分から県60、地元40となっております。
この林地は、以前、地元民の供用地として、農用地も芝刈り地として雑木を採取していましたが、放漫な経営がなされたため、原野状態の不毛地でございました。明治38年、県は林業思想を養成し、あわせて基本財産を構成する目的で、模範林の造成をこの地で計画し、地元関係者の同意を得て、昭和39年から86年間の地上権を設定いたしました。その間、スギ、ヒノキの造成を行ってまいりました。そして昭和31年には主伐が実施できる状況になりましたので、県は主伐を実施し、その処分額の8割、当時の金額で2億円超でございます。これを得て、県の庁舎や議会棟の建設に使われたところでございます。当初、再造林は行われない予定でございましたから、地元からの要望で契約を変更し、地上権の存続を50年延長し、平成54年までとしていたところでございます。この間、地元の方々には、森林整備の推進はもとより、雇用面等でかかわっていただきましたが、このたび契約期間29年を残して、地元から分収契約を解除し、地元で管理したいという申し出がございました。
これを受けて、県といたしましては、現地の立木評価を行いました。立木を伐採、販売しても、販売金額が伐採経費を下回り、2,000万円余の赤字となることが判明いたしました。また、この場合、森林整備費用は県が負担することとなっており、財源を公庫資金で充てておりましたが、今回の場合は繰り上げ償還が可能であり、それを行えば、今後の償還利息約9,700万円を軽減できることもわかりました。これらのことから、このたび地元と分収契約を無償解除し、地元に管理いただくことといたしました。そして、公庫への繰り上げ償還分の1億7,700万円をお願いしたいと思っております。
39ページには歳入の明細、41ページには歳出の明細、42ページには節の明細を掲げてございますので、ごらんいただきたいと思います。
続きまして、48ページでございます。平成25年度鳥取県一般会計の繰越明許費の計算書でございます。上から11段目の林業費、とっとり環境の森づくり事業費の林業振興費分から15段目の造林事業費、次の49ページの上から6段目の治山事業から9段目の事業費継ぎ足し分までの9事業につきまして、繰越明許費が確定いたしましたので、御報告させていただきます。
●小畑水産振興局水産課長
15ページをお願いいたします。鳥取県県営境港水産施設事業特別会計繰出金でございます。こちらは特別会計で行います事業に一般会計から繰り出す経費でございますが、具体的な事業の内容といたしましては2つございます。1つ目といたしまして、2号上屋、これは境港市場に県の水産事務所を初め卸業者などが入居している施設ですけれども、こちらの空調設備が10年以上も部品交換していないために故障しておりまして、ことしも時々とまるといったことが起こっております。これから夏場になりますので、こういった空調設備の点検を行おうというものでございます。
もう一つがみさき会館外壁補修工事です。このみさき会館といいますのは、平成9年に県で建てまして、境港の今の水産庁の調整事務所であるなり、あるいは船員の休養・シャワー室などに使っておりますが、こちらの施設につきましても建ってからかなりの年数がたっておりますので、外壁やサッシから雨漏りが発生してきております。これについて修繕させていただこうというものでございます。
続きまして、16ページから19ページにつきましては、政調政審で御説明いたしておりますので、概略だけを説明させていただきます。
まず、16ページの漁業就業者確保総合対策事業につきましては、新規就業者が新たに漁船等を求めようとするときに、漁業協同組合等がそれを取得し、リースするという事業でございます。これに対して県も補助を行っておりましたが、実は平成25年度以前は県が2分の1を補助いたしておりました。これをことしの当初予算で県が3分の1と補助率を下げたのでありますが、この事業を選ばれるに当たって、新規就業者は3年ぐらい前からこういった制度もあることを前提に、研修などを受けたり生活設計も立てておられたことから、補助率が下がったことは、その辺がかなり苦しくなるという御提言をたくさんいただきましたので、ことしの分につきましては、平成25年度以前と同じように補助率を2分の1に改めさせていただこうというものでございます。
17ページをお願いいたします。陸上養殖適地調査支援事業につきましては、現在、泊漁港におきまして、民間企業2社が進出されて、井戸海水を使った養殖等に取り組んでおられますが、何本か井戸を掘るものの、なかなかいい海水が出てこないということでございます。企業ですので、これ以上の負担はつらいということもございまして、町が試験的に井戸を掘って、そのデータを提供しようと考えておられます。県といたしましても、町と一緒になって支援を差し上げようというものでございます。
18ページの魅力発信!水産物情報発信支援事業につきましては、水産物の直売所などを設けた施設が情報発信を通じまして魚食等を普及するために、そういった施設を建てる場合に県として3分の1の補助を行うものでございます。今回は、具体的には境港水産物直売センターを整備されました山陰旋網に対して補助を考えております。
続きまして、19ページをお願いいたします。特定漁港漁場整備事業につきまして、今、境港の上屋などがかなり老朽化しておりますし、現在は、そういった市場につきましても高度衛生が求められております。こういったことに対応するために高度衛生の市場にしようと考えておりますが、これのまず第一歩といたしまして、その高度衛生等につきます基本設計を行おうとするものでございます。
続きまして、20ページをお願いいたします。こちらは公共事業ですが、水産基盤整備事業でございます。具体的には、天然イワガキのイワガキ礁を整備しようとするものでございますが、国の認証増に伴いまして、今回4,000万円の補正をお願いしております。
事業内容といたしましては、2番に書いておりますとおり、県内で11地区に対してこういったことを行おうと思います。整備期間といたしましては、25年から27年を考えております。
3番に書いておりますが、今回の補正で4,000万円をお願いしております。これにつきましては、田後、それから船磯について、これらの製作なりを進捗させたいと考えております。
続きまして、21ページをお願いいたします。沿岸潮流観測ブイ修繕事業です。この沿岸潮流観測ブイといいますのは、県内の酒津の沖と大山町の御崎沖の2カ所に海の潮の流れや潮の方向が観測できる観測施設をつけております。これを使うことによりまして、例えば漁業者が漁に出ようと思ったときに、その日の潮の流れや方向によって、ひょっとしたら出てもきょうはだめかもしれない、あるいはきょう出ればいいかもしれないといったことを判断いただきまして、漁に出たけれども全く漁ができなかったという危険を少しでも回避しようとするもので、県が平成23年度に設置したものでございます。
今2カ所設置しているのですが、このうち大山町の御崎沖に設置しております観測機が破損いたしておりまして、観測データが送れない状況になっております。原因といたしましては、これをつないでおります係留のブイというか缶があるのですが、これが波で上下することによって破損したのではないかと考えておりますけれども、これを直そうというものが一つでございます。それから、同じようなことが起こってはいけませんので、酒津沖に設置しておりますものにつきましても、補強しようとするものでございます。
24ページと27ページに、今御説明いたしました公共事業の予算額、あるいは箇所をつけておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
続きまして、44ページをお願いいたします。こちらは境港水産施設事業特別会計でございますが、先ほど一番最初に御説明いたしました施設の修繕等に係る実際の特別会計の事業費の計上となっております。
続きまして、49ページをお願いいたします。繰越明許費の計算書でございますが、当課の関係といたしましては、5の水産業費の4事業につきまして繰越額が確定いたしましたので、御報告させていただきます。
●中原市場開拓局食のみやこ推進課長
それでは、資料の22ページをお願いいたします。鳥取県6次産業化ネットワーク活動交付金で、3億5,200万円余をお願いするものであります。これは、農林漁業者らが取り組む6次産業化事業の実施に必要な施設整備等を補助する事業でありまして、財源は国10分の10となっております。当初予算でも認めていただいていたものですが、年度末に国のほうから配分が追加であったため、今回、県費も追加でお願いするものです。
内容を2番に書いておりますが、倉吉市で行うゴボウ等の野菜の加工工場の整備、それから境港市で行いますギンザケ等の養殖施設、またその加工工場及び機械の整備等の支援となっております。
この事業の効果としまして、2つの事業で今後新規雇用が約50名程度予定されております。また、提携農家におかれます野菜の栽培による所得拡大なり、稚魚の養殖による所得拡大など、中山間地の活性化にも大きく効果が期待できると考えております。
●小林農林水産部次長
資料の51ページをごらんいただきたいと思います。議会委任によります専決処分の報告でございます。4月28日付で専決処分いたしました。
事故の概要でございますが、昨年12月に北栄町地内におきまして、東部農林事務所の職員が借り受け物品を運搬中に信号待ちの車に追突して、双方の車両が破損したものでございます。相手に与えました損害賠償金として5万9,000円余、和解で支払うこととしたものでございます。県の過失割合10割ということで、引き続き交通法規の遵守と安全運転の徹底を図ってまいりたいと思います。まことに申しわけございませんでした。
◎興治委員長
それでは、ただいままでの説明について質疑はございますか。
○市谷委員
まず、8ページの霜被害の対策について、先ほども説明があったのですけれども、灯油を燃焼させるためのペール缶への支援というのは、これはこれで分かるのですが、実際には配置して、また回収してと、労力的にはかなり大変だという声も聞いたり、缶は補助金でなくても対応できる部分であるので、防霜ファンやスプリンクラーなどを支援の対象にしてほしいと聞きました。先ほどの説明で対応できるようにしているとおっしゃったのですけれども、そうなのでしょうか。現実に、今、こういうふうにつけてほしいという要望があれば、予算的にも対応してもらえるという意味で言われたのでしょうか。ここの予算の説明だと、今後検討するという話かなと思ったのです。その確認をさせてください。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
防霜ファンやスプリンクラー散水などにつきまして、防霜ファンにつきましては国の補助事業がございますし、スプリンクラー等につきましても、地域から要望が出れば、また9月補正で検討したいと思います。現時点では防霜ファン、やはり10アール当たり100万円ぐらいの事業費を要しますので、実際やりたいというところは聞いておりませんけれども、地域でいろいろ工夫されて考えておられますので、またその状況を見ながら、9月補正での対応を検討したいと思います。
○市谷委員
そうしましたら、今ということではなくて、今後要望があればということですね。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
そうです。
○市谷委員
要望があればぜひ応えていただきたいと思います。
○内田(隆)副委員長
この柿や梨以外にお茶も出ていると聞いたのですけれども、状況報告をお願いします。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
お茶につきましては、今現在、鳥取県内で大山と淀江で6名の方が11.5ヘクタールつくって頑張っておられます。このたびの4月の霜害で、特にお茶で収量が例年の半分程度に落ちたり品質がかなり下がって、結構厳しい状況というのは陣構なり、壺瓶山の福井製茶などから聞いております。今、西部農林局が個別に聞き取りさせていただいて、どういう対策を希望されているのかを整理しているところであります。そういう状況を見まして、また対応していきたいと思います。
○市谷委員
霜被害の続きですけれども、結局、こういう霜被害が起きないようにというのはわかるのですが、実際には大きな被害を受けた方はことしの収入がなくなってしまう。収入がないのに次頑張ろうとはならないので、その辺の対応について、どういうふうに検討されているのか。資金の関係もあるでしょうし、先ほど豪雪被害の対応もありましたけれども、今どこまで考えておられるのかを教えていただけたらと思います。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
今回の霜被害、主に柿や梨などでございますけれども、収入がないということで、共済に入っていらっしゃる方はかなりの部分が共済で補塡されることになります。基本的には、県のほうでは再生産に向けてということで、予備費で農薬費の対応はいたしましたけれども、あとは個々の要望に応じて、資金の無利子融資等の制度もございますので、そういう形で対応したいと考えております。今現在、いろいろ現場を回って聞き取りしますけれども、「霜に遭ったからやめた」という方は聞いておりませんで、産地もみんなで頑張ろうということで、来年に向けての対策を一生懸命話し合っていらっしゃる状況であります。
○内田(隆)副委員長
市谷委員が聞かれたので黙っておろうと思いましたけれども、共済もあるものとないものがあります。お茶だから共済はないので、その辺を地元からしっかり聞き取られて、今後、9月に向けて対策を練っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
資金繰り等も含めて、今、西部農林局が聞き取りしていますので、その辺も含めて検討したいと思います。
○市谷委員
先ほどやめたところはないと言われましたが、実際には収入がないということで、大変だという声も聞くのです。だからよく聞いていただいて、支援を検討していただきたいと思います。これは要望にとどめておきます。
続いて、いいでしょうか。
◎興治委員長
どうぞ。
○市谷委員
次に、11ページのEPA、TPPの対策についてちょっと理解ができないのですけれども、乳牛を活用して和牛を育てるということについて、私の認識では乳牛そのものが足りないという認識ですが、現実にこういうことが十分できるのでしょうか。ただ、乳牛そのものも余り使われていないことも下には書いてあるのですけれども、私は乳牛そのものが足りないと認識しているのですが、これで対応できるのかなと思います。もう一つは、EPAやTPP対策だと言いますけれども、実際には大規模な外国からの輸入などに対抗できるほど、これで事足りるのだろうかと思います。これはこれですけれども、そもそもTPPの問題やEPAの問題にはっきり言われることのほうが大事というか、そこをしないで対策といってもこれでは十分にならないのではないかと思いますけれども、その辺の認識について伺いたいと思います。
●米田農業振興戦略監畜産課長
まず、乳牛は一生のうちに2産なり3産します。そして、後継牛も必要ですが、それ以外に、ホルスタインにホルスタインをつけたらホルスタインの子供ができますので、同じ牛から何頭も後継牛は要らないわけで、ホルスタインのおなかの活用の仕方ということから、副産物の収入も必要でございます。ですから、こうやってホルスタインばかり産んでいると、今回、ホルスタインに影響があるということで、和牛が産ませられれば乳牛の副産物収入も確保できるというところであります。乳牛全体の数とは少し違いまして、乳牛は乳牛で当然必要ですけれども、そのおなかの活用の仕方のところで、乳牛を産ませたり、和牛を産ませたりというところの……(発言する者あり)
TPP、EPAの話ですけれども、やはり根幹については国にお願いすることになろうかと思います。所得補償や価格補償などは国にしっかりやっていただくことになると思いますが、県内でどういうことができるかについては、今、こういう対策をとっているところでございます。
○市谷委員
乳牛の話はわかるようなわからないような感じでしたけれども、県でできるTPP対策ということですが、はっきり言って大量に入ってきたら、価格や所得補償をしたとしても、なかなか難しいのではないかと思うのです。国にそういう対策をとおっしゃるのですけれども、やはり水際できちんと食いとめることが必要ですので、それに対しての県の認識が中途半端というか、守るべきは守ると言っていただきたい。政府は守ってくれているのだという言い方をいつもされるのですけれども、どこがあれで守ろうとしているのかと思うのです。明らかに関税を引き下げるという交渉をしているわけですから、そこに対する明確な立場がはっきりしないでこういうふうにTPP対策と言われると、一体県はどういう立場なのだろうかとすごく疑問に感じるのです。幾ら対策したって難しいと思いますし、対抗できないと思うのです。その辺どうなのでしょうか。
●岸田農林水産部長
TPP対策というのは、やはり国策として諸外国と十分話し合って、県内の農家、国内の農業に影響がないようにということで、これまでもずっと要望しております。県としては、やはり県内の農家に影響がない、それから県内で足腰の強い農業を目指していくために、今回も和牛という、高品質で国外の肉に対抗できる牛肉生産を目指していこうということで、今回補正を出せていただいたわけです。県としては、これからオレイン55を初めとする和牛の生産にシフトをしていき、輸入牛に対抗できるように頑張っていきたいと思います。
○市谷委員
この問題はこれで終わりにしたいと思いますけれども、影響が出ないようにとおっしゃいますが、関税を下げたり撤廃すれば絶対に影響が出るので、だから反対ということを知事にしても農林部にしてもはっきりおっしゃらないのか、私はそこが非常に問われていると思うのです。TPPがあろうがなかろうが強い農業にすることは当然で、今回それをしたからといって、
TPPで妥結して与える影響をカバーするものにはとてもではないけれどもなり得ないと思います。全然量が違いますから。だから、確固とした立場に立っていただきたいことを強く言いたいと思います。知事もそうですけれども、さっきの答弁でも非常に何か曖昧ですよ。
次に、16ページの新規就業者への漁船リース事業について、当初で2分の1から3分の1に補助率が下がったことを十分認識していなかったのですけれども、ただ、今回はもうかる漁業の制度が使えないということで、もとの2分の1に戻すと。それはそうだろうと思うのですけれども、問題はなぜそれ以降は3分の1に下げる必要があるのだろうかと。今でも漁業の後継者を育成するのは非常に難しいと思うのです。船がないと業ができないわけですから、下げる理由がないと思うのです。今後のことですけれども、その辺どうでしょうか。
●小畑水産振興局水産課長
来年なぜ3分の1にしたかということでございますけれども、当初予算を編成するときに、ほかの漁師の補助制度等をいろいろ比較検討いたしまして、やはり2分の1はかなり高率だと、一般的には3分の1が多いということで、3分の1という制度にしております。
どちらにいたしましても実際予算化するのは来年から、27年度からになろうかと思いますけれども、今後、漁業者などの意見も聞きながら、当初予算編成に向けていろいろと御意見を伺っていきたいと考えております。
○市谷委員
どんどん新規就業者がふえているのであればいいのですけれども、現実はそうではないわけですから、補助率を下げればより困難になると思いますので、今おっしゃったように、関係者の意見を聞いていただいて、もとの2分の1に戻していただきたいと思いますし、改めてそれは要望させていただきたいと思います。
次に、17ページの陸上養殖について経過を確認したいのですけれども、県が試掘しましたときには井戸海水がとれるという話だったのですが、業者が掘っても掘っても出てこないということだったと思います。ただ、掘って出てきていないのに、今、養殖場が1カ所整備されていることがどういうことかと思いまして、私はここでまずはストップかけるべきだったのではないかと思うのです。それで、1社はやっているけれども、もう1社はどうしようかということで、まだ結論を出しておられないということですが、この養殖場の整備に県が3分の1のお金を出すとも聞いているのです。何で整備する前にストップかけたり、これにお金を出すことなどはしてはいけないと思うのですけれども、その辺どうでしょうか。
●小畑水産振興局水産課長
まず、経緯ということでございますけれども、資料にも書いています。平成24年に、一応県のほうで試掘をやってみました。これは3本ほど井戸を掘ってみたのですけれども、こちらを掘ることによりまして、そこの水質などの検査を行いました。そのデータをもとに、今回進出された企業の方に、こういったデータが得られていますということをお伝えいたしまして、企業のほうで実際何回か掘ってみられたりしたのですが、実際そこを連続してくみ上げてみると、鉄分が多いなどということが出てきており、それでなかなか使える水がとれていないという状況にございます。
県といたしましては、データを提供いたしまして、それをどう判断されるかはある意味企業の御判断にお任せしたところもございます。それをなかなか県がとめるというのは難しかったのではないかと思っておりますが、ただ、今回こうやってしておりますのは、そうはいいましても企業も一生懸命やっておられますし、何としても県もこの事業をなし遂げていただきたいと考えておりまして、御支援しようとしているものでございます。
○市谷委員
既にこういうふうに整備してしまってから、後追いまた試掘調査するというのは、順序が逆だと思います。企業が一生懸命なのはわかりますけれども。
●小畑水産振興局水産課長
我々もやみくもに行っているわけではございません。実は今、企業が40メートルぐらい御自分で掘っておられるのですけれども、このうち20数メートルから30メートルの間については、十分ではないものの、塩分が低い水がとれることは確認できております。今後掘ってみて、さらにいい海水がとれればそれにこしたことはないわけですけれども、仮にそれがとれなかった場合、今、その23メートルから30メートルぐらいの間でとれている少し薄い塩分の海水と、もっと浅いところで井戸をとれば、こちらは多分高い塩分の海水がとれると思いますが、残念ながら温度は少し高くなることもありますので、それらをまぜるような形ででも営業はできるのではないかと考えておりまして、こういったことを企業に御提案しながら進めている状況でございます。
○市谷委員
いわゆる井戸海水の効果を狙ってするのですけれども、そのまざったような状態で本当に効果が期待できるのかと思うのです。寄生虫の問題でもそうでしょうけれども。やはり、井戸海水だからいいというのがあると思うのです。業者がそれで納得されればいいですけれども、そのことの責任が逆に県も問われてしまうのではないかと心配するのですが。
●三木水産振興局長
市谷委員が言われるように、本当は平成24年当時にきちんとした連続揚水までしておけばよかったかもしれません。ただ、その後に業者の方も堀ったところ、いいぞという話があったものですから、うまくいくのだと思ったところです。しかし、1カ月ほど掘っていくうちにだんだん水が変わってきて、若干水が薄いなどの問題が発生してきたという経緯がございます。
今している内容は、私も2社の社長に面談しまして、「どうしましょうか」という話をしたのですが、「絶対やりたいと、ぜひとも応援してほしい」と、「それは湯梨浜町の地域振興のためだし、湯梨浜町の特産品をつくりたい」と、「僕らがやっていきたい」ということもございました。今回、湯梨浜町と一緒にやるわけですけれども、先ほど説明したこれからの方法ですけれども、井戸海水はいろいろございます。水深を栽培センターみたいに80メーターぐらい掘るものもありますし、浅井戸で8メーターぐらいのところもあります。いずれも海水が出ればいいのですけれども、そううまくはいかないものですから、確実な方法は何だろうかと考えたときに、漁港構造物の断面図を全部入手しまして、断面図の中からとれる水脈をつくっていこうというのが今回の発想です。ですから、今までは無理だなと思っていたものですけれども、漁港のマウント内に防砂シートがありますが、それをぶち抜いてやる工法を考えています。具体的にやっている例は鳥取県内にもありまして、鳥取のかにっこ館や浜下商店はその方法をとっておられますし、かにっこ館で病気が出たなり、いろんな寄生虫の問題が起こったということはございませんので、かなりの確率で成功するのではないかと思っています。やってみないことにはこれも自信がないのですけれども、確率的には高いのではないかと思っております。
○市谷委員
順番が逆でここまで来てしまっているのですけれども、町がやりたいという話もありましたが、町の負担は県と同様の500万円と施設整備費の6分の1となっているようなので、非常に慎重に扱っていただきたいと思いますし、途中でやめたということになれば、県や町が支出した施設整備の補助金がどうなるのだろうかと思いまして、正直その辺も心配です。
○前田委員
11ページの乳用種肥育飼料用米給与実証(新規)3の(3)を見てください。飼料用米給与による生産性のため、25年度は酪農4戸、和牛肥育1戸において試験中ですよね。25年度は試験中、また新たにこれは乳用種をやるわけですか。この関係を説明してください。
●米田農業振興戦略監畜産課長
25年度は、期間的にはわずかな期間でやっております。26年度当初で和牛肥育、酪農、それから豚、鶏、これは和牛肥育でいきますと全期間をやろうかと。10月からの予定ですので、まだ着手はしておりませんけれども、昨年の補正……。
○前田委員
いや、簡単に説明してください。3の(3)と2の(3)の関係はどうですかと聞いているのです。乳用種はもうしているのですよ。酪農4戸はしてある。
●米田農業振興戦略監畜産課長
今回の事業はホルスタインの肥育です。下のほうは酪農で、乳搾りのほうです。
○前田委員
乳搾りのほうですか。それで、25年度の乳のほうはどうでしたか。
●米田農業振興戦略監畜産課長
聞いておりますところは、悪くはないのだけれども、通過が少し早いと、食べてからふんになって出てしまうところがあるので、今年度も試験してみたいということで、今年度も継続して試験しております。
○前田委員
わかった。ただ、次の常任委員会で、この25年度の結果を教えてください。使えるのか使えないのかが非常に問題ですから。予算を上げてやりますからはいいけれども、結果を教えてもらわないといけません。
●米田農業振興戦略監畜産課長
わかりました。
○前田委員
次に、飼料米については大々的に国が施策をとったのだけれども、ことしの飼料米の作付は終わったでしょう。田植えはほぼ終わったのではないですか。実態と計画、実績はどうですか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
本年度の飼料米につきましては、作付は約670ヘクタール程度でありまして、25年度がたしか290ヘクタールぐらいでしたので、その差分がふえたということです。量的には3,500トンぐらいということで、畜産サイドでは5,000トンぐらいまでは受けられるというお話があり、各農協が一生懸命推進をかけまして、結果としては少し届かなかったのですけれども、かなりふえた状況でございます。
○前田委員
5,000トンだったらいいよと言ったからやったのだけれども、本当に代替になるのかどうかは県がまだ試験中ですよ。マッチングできますか。
●米田農業振興戦略監畜産課長
マッチングにつきましては、全農に少しかんでいただいて、需給調整もあわせてやっていただくようにしております。余る場合もありますし、足らない場合もございます。今、試験中でありますので、今年度、本当に大々的に向かえるかどうか、特に鶏などの大口需要と調整しておりますけれども、まだ最終的には決まっておりません。農協と……。
○前田委員
もういい。次の質問をします。
きのう全員協議会で5円の問題を言いましたよね。この5円の差に畜産農家はうんと言っているのですか。飼料米は高いですよ。米田課長、端的に答えてください。
●米田農業振興戦略監畜産課長
済みません、5円の差といいますのは……。
○前田委員
現在の飼料米との差が5円あるでしょう。(「30円と25円」と呼ぶ者あり)きのう全員協議会の私の質問を聞かなかったですか。
◎興治委員長
わかりますか。
○前田委員
まあいい。次の常任委員会で教えて。要は価格差があるのだけれども、飼料米のほうが高いのです。それを次の常任委員会で説明してください。
次に16ページですが、漁協が買ったものを半分補助して、買った分をリース代でやらせるのですよね。何年のリースで、年間のリース代は大体幾らぐらいですか。
●小畑水産振興局水産課長
リース期間としては15年です。リース代が幾らになるかというのは、大体漁船が2,500万円ぐらい、このうちの半分ですので、それを15で割った数字になろうかと思います。
○前田委員
そしたら幾らになるのですか。計算してみてください。
何が言いたいかと言うと、これは沿岸漁業でしょう。リース料を払えるぐらいの収益があるのか。私はないと思います。小畑課長、沿岸漁業の漁師の年間収益は幾らか知っていますか。
●小畑水産振興局水産課長
沿岸ですと、去年の水揚げ金額は大体30億円ぐらい。
○前田委員
違う。1件当たり。
●小畑水産振興局水産課長
1件当たりだと多分300万円から400万円です。
○前田委員
300万円から400万円。2,500万円を15年で割ってみて。これで2分の1補助か。これは残りが2,500万円か。
●小畑水産振興局水産課長
2,500万円の半分が……。
○前田委員
1,200万円か。
●小畑水産振興局水産課長
はい。だから120万円ぐらいです。
○前田委員
120万円か。(「80万円」と呼ぶ者あり)80万円。(「利息はないのですか」と呼ぶ者あり)
●小畑水産振興局水産課長
利息はもちろんありますから、それに幾らかプラスになると思います。
○前田委員
約100万円ですね。
水揚げが300万円ですか。
●小畑水産振興局水産課長
例えば、新規就業者ですと300万円から400万円ぐらいになると思います。
○前田委員
払えないではないですか。だから、この前からおかしいと思っていました。もっと安くしなければ自立できませんよ。三木局長、どうですか。
●三木水産振興局長
多くの沿岸漁業者の収入が先ほど300万円から400万円という話をしましたけれども、最初の1年目は確かに低いです。とても苦しい状況にあります。いっぱしの漁師になってきてそこそこ稼ぐようになると、多いので1,000万円強になってくるという状況です。
○前田委員
それはマックスだ。
●三木水産振興局長
だけれども、そこまで行くまでの間は新規着業の話です。今、2,500万円という船を言いましたけれども、例えば青谷に行くとその船はどんな船かというと……。
○前田委員
簡潔に説明してください。質問しなければいけないことがまだたくさんある。
●三木水産振興局長
私どもからいえば、中古船でもいいではないですかという話をするのですけれども、新規就業者はいいのが持ちたいと、私はこのギャップが大きいと思います。私どもの指導としては、それだけ大きな船を持ったらリースも大変だし……。
○前田委員
払えるのか払えないのかです。
●三木水産振興局長
新規の漁業者に対して、一番いい船が欲しいのは分かるけれども、その後の経営計画を十分に立てないといけないことを指導しているわけです。それを「よし、わかった、中古でもいいわ」ということであれば一番いいのですけれども、先ほどみたいに一番いい船だということであれば2,500万円で、「あなた、払えますね」とお話すると、「ううん」という話になってきますから、そこで困ってしまっている方もいらっしゃるということです。
○前田委員
漁師の方に聞くと、「中古は要らない」と言われた。やはり違うのです。だからそこを要求したらいけないわ。何が言いたいかといったら、結論は、「補助率を下げるな」と言いたいのです。払えないのではないかと。国が利用できないから県が下げるわと。そうではないでしょう。後継者をつくらなければいけないのであれば、自立できるぐらいの補助をしてもいいのではないですか。それが言いたい。
●三木水産振興局長
先ほど課長も答えましたけれども、補助率についてはまた当初予算で向かいますが、十分話を聞いて頑張ります。
○前田委員
頑張ってもらわなければいけない。
次に19ページで、高度処理について、私は興味を持って経過を見ているのだけれども、ほぼこれで高度化処理に向かうということで、全体計画の図面が出ています。今回、単発で1号と2号の設計費とボーリング代が出ていますが、これの全体計画を教えてください。この図面は見ているのだけれども、年次計画はこうしますという説明は1回もないよ。単発でしょう。現地に行ってみると、1号、2号はたしか耐震が不足していたよ。本当に増築できるの。
●小畑水産振興局水産課長
今、1号と2号をしておりますけれども、全体計画としては、これをお示ししていますが、一応これで漁業関係者とは調整しています。ただ、ここにつきましては、例えば桟橋なり新しく岸壁をつくる形にしておりますけれども、これについては今後動く可能性もあるということで、今回は、まず動かない1号、2号にかからせていただこうと思っております。
耐震の関係ですけれども、1号につきましては一応クリアしているということで、増築と考えております。
全体計画につきましては、また後ほど資料をお渡ししたいと思います。
○前田委員
現時点でいいので、次の常任委員会で年次計画を説明してほしいです。
今まで言わなかったけれども、飛び出ているようなまき網のほう、回転半径の図面が描いてありますが、漁船が本当に回転できるのか。港の中の岸壁にひっついて、ふくそうしているのですが、うまくできますか。
●小畑水産振興局水産課長
今、計算上では一応できる形になっておりますが、ただ、ふくそうしてたくさん入ってきたときにそういったこともあろうかと思いますので、この絵につきましては、今後、いろんな御意見を伺って、また考えていきたいと思います。
○前田委員
管理組合の管理と漁港区域との関係はあるのだけれども、僕はできるだけまき網のほうをもっと外側に開いたらどうかと思います。といいますのは、これは大きな船が入ってきたら狭苦しい。三木局長、どうですか。
●三木水産振興局長
この絵の右上に破線が引っ張ってあるのがわかると思いますけれども、これが漁港区域です。前田委員は御存じだと思いますけれども、これ以上上に出ると航路になってしまい、整備ができないものでございます。実は、この区域を一番使いたいというのが市場関係者なり事業者の声でございます。できれば、東側の今DBSがあるほうにつくりたいという意見はあります。ただ、今それがなかなか、枠の中での話になると、やはりこういう絵で考えざるを得ないかなということですが、実はこの上の斜めになったほうを設計するのは平成30年です。これを議論したために全体がおくれることはできませんので、とりあえず地元のまき網の方々にはこういう案で走ってみて、平成30年の基本設計までには議論を詰めてやっていこうとしております。先ほど委員がおっしゃったように、この絵は若干、左上のほうになるかもしれませんし、どうなるかはわかりません。
○前田委員
航路の問題と漁港区域との難しい問題はあるにしても、管理者は両方知事ですし、管理組合も委員長は鳥取県知事です。憂いのないようにしたほうがいいと思います。だから、平成30年までにというのがわからないから、やはり全体計画を教えてもらわないといけない。
最後に、21ページですが、この前漁師の話を三木局長と一緒に聞きましたよね。たった600万円弱ですよ。水産局に修繕費はないのですか。一々こんなことを予算要求して処理するというのはどうなのか。
●小畑水産振興局水産課長
今回予算をお願いしておりますけれども、これとは別に、もう一つ予備費的なものを持っております。こちらを今、予備費といいますか、流用という言い方をしますけれども、水産事務所が持っている修繕費でそちらをまず直して、代替機として使おうとしています。ですので、すぐ使える形で整えようと考えております。
○前田委員
2台壊れているのですよ。破損したブイと…。
●小畑水産振興局水産課長
今回の予算要求上は2台させてもらっていますけれども、もう一つ、予備機のような躯体のない中の部品だけを持っていますので、こちらのほうに予備費的なもので躯体などをそろえ、それを使おうと考えております。
○前田委員
やはりこういう修繕費は持っていなければいけない。漁師の方は毎日が勝負です。予算の成立するまで待ってくださいということではいけない。
●小畑水産振興局水産課長
修繕費を活用して、すぐにでもできるように頑張りたいと思います。
○前田委員
この予算の議決が7月4日ですね。待てないと思うので、早くしなければいけないよ。
○砂場委員
3ページですが、共済を受け取っている方は共済額相当額を減額されるわけですよね。もともと共済というのは、農家収入が少なくなったものの補塡にもかかわらず、こういう形で再生事業の補助が減らされると、農家の皆さんの生活が圧迫されることはないのですか。
●西尾経営支援課長
この場合に申し上げております農業共済は、施設共済という区分でございます。今回、復旧措置するのはビニールハウスですけれども、ビニールハウスの中の作物もあわせて見れるのですが、基本的にはハウスそのものに対する保険と御理解ください。
○砂場委員
47ページから始まります繰越明許ですけれども、明許繰り越しの総額が約68億円で、農林水産予算が全体で270億円弱だとすると、5分の1が明許繰り越しになっているわけです。そうしますと、前回の2月補正予算では国から大きな額が来たので繰り越さなければならなかったという特別な事情があるからこうなったものなのか、それとも、事業によったら全くやられてなくてそのまま繰り越されている事業が1つや2つでくたくさんあったのか。本来であれば会計年度ごとに事業はすべきであって、額として5分の1の予算が繰り越されている状況というのは、会計制度からいうと予算の組み方として問題があったのではないかと思うのですが、これは問題ない繰越額と認識されておられるのでしょうか。
●岸田農林水産部長
この繰り越しの多くは昨年度の国の補正に基づくものが多いと認識しております。年が明けてから補正が入ってきたものでありますので、当然年度内執行が難しいということで、25年度の場合はそういう要因が多かったということでございます。
○砂場委員
その分は否定はしないです。ただ、農林水産予算のほぼ5分の1ぐらいが明許繰り越しされるとなると、当初予算の立て方におかしな部分がないかどうか、1回精査していただいたほうがいいのではないかと思うのです。農林事業費等々でも14億円と11億円が明許繰り越しになっているわけですから、例えばそのうちの国庫支出金7億円分は年度末にどんと来たのでしょうけれども、県の単費予算でも6億円ぐらいが一般財源に繰り越されているところもあります。きょう、あすということではありませんが、1回ここら辺のことも考えて、基本的には単年度の会計制度なので、単年度内に処理ができる形で事業を執行していき、それができないものに関しては、翌年度で請求という形にしておいたほうがいいのではないかと思います。もちろん通年事業という形では、4月、5月分にどうしても必要なものがあって、ポイント的にわかって繰り越すこともあるかもしれません。それはわかるのだけれども、ただ、額として大きい気がするので、1回精査していただければありがたいと思いますし、その部分はまた委員会に報告していただければありがたいのですが、お願いできますでしょうか。
●岸田農林水産部長
特に一般財源部分については精査しまして、議会に報告させていただきます。
○銀杏委員
40ページについて、どうだったかなと思ってお聞きするのですけれども、西郷県有林の契約期間は136年ということですが、土地自体は民間所有ということでよろしいですか。
●伊藤森林・林業振興局森林づくり推進課長
そのとおりでございます。地元集落の方々の所有でございます。
○銀杏委員
それで、立ち木評価をされたということですけれども、括弧書きで、立ち木を丸太にして市場で売った価格から市場まで持っていくまでの経費を差し引いたものが収支価格ということですが、ここには国や県、その他のいろんな補助金等の支援金は入っていないのですか。
●伊藤森林・林業振興局森林づくり推進課長
県営林につきましては、国の補助金、県の補助金はございません。
○銀杏委員
言ってみれば財産価値がない立ち木でありますけれども、民間に任せてこれをうまく管理し、売っていくのであれば、多少ペイできるようにはなるのだろうなと考えるわけです。それで、
250ヘクタールですから、相当な量になると思いますので、後で結構ですから、ここの評価額の詳細を教えてほしいです。樹種ごとの量と単価がわかれば大体見えてくると思います。ここの平均樹齢はどのくらいですか。
●伊藤森林・林業振興局森林づくり推進課長
現在のところ、一番多いのが40年から50年あたりに参っております。
○銀杏委員
最後に、作業道や林道等の整備はされておられるのですか。
●伊藤森林・林業振興局森林づくり推進課長
西郷地区には大規模林道が通っておりまして、中ほどを林道が通っております。ただ、林分そのものには作業道が未整備の部分がかなりございます。
○銀杏委員
わかりました。
○内田(隆)副委員長
38ページをお願いします。余りこの資料でよくわからなかったのが、補正前の額が1,200万円で、今回2,500万円補正すると3,700万円が焦げついていますということでいいでしょうか。
●西尾経営支援課長
焦げついているということではなくて、貸し付けをするに当たって県の裏が要るという事業スキームになっているので、予算措置をしているものでございます。
○内田(隆)副委員長
保証が要るということですか。
●西尾経営支援課長
そういうことです。
○内田(隆)副委員長
よくわかりました。
●西尾経営支援課長
今回、当初に入れていたものに加えて新たに別事業で実施するものでございます。
○内田(隆)副委員長
ありがとうございます。よくわかりました。
◎興治委員長
ほかにありませんか。
では、次に、報告事項に移ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いします。
なお、質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
報告7、新規就農者の現状と認定就農者制度の概要について、西尾経営支援課長の説明を求めます。
●西尾経営支援課長
報告資料の1ページと2ページをごらんください。これは、5月21日の常任委員会で委員から質問があったことに対する報告でございます。近年の新規就農者の現状、特に女性の動向と、県が行います新規就農者支援施策の基礎となります認定就農者制度の概要について、報告させていただきます。
まず、1番の新規就農者の現状ということで、新規就農者の推移について、男女別に示しております。これについては、独立自営就農と農業法人等への就業者数、いわゆる法人就職も新規就農としておりますので、こちらをあらわしております。今現在展開しておりますアグリスタート研修なり、農の雇用事業が平成21年に構築されました。それ以前と比べまして、新規就農者数は飛躍的に伸びているのが分かるかと思います。女性就農者につきましてもふえておりますが、そのほとんどは法人への就職という形が実態です。独立就農もいらっしゃるのですけれども、なかなか女性お一人で独自就農というのは少のうございまして、多くは夫婦共同による申請が多いかと思います。
それと、委員のリクエストには研修との絡みもあったかと思いますが、市町村等が行っております研修生の動向全てを把握できているわけではないので、ここでは県が実施しておりますアグリスタート研修の動向について、あくまで参考になるかと思いますが、(2)に載せております。
アグリスタート研修も21年度に創設しまして、一定の期間を経ておりますけれども、第4期の平成23年2月からの研修あたりからぐっと就農率、定着率と申しておりますが、上がってきているところでございまして、本県独自の研修事業として目玉になりつつあるかと思っています。一応、女性の研修者数についてもそこに書いておりまして、6期で6名、そのうち5名が就農に結びついているところです。ただし、ここは全てが県が組んでおります就農条件整備事業などの補助事業を活用して、就農することとは少し違うものも含まれているところでございます。
2ページをごらんください。認定就農者の制度については、今年度から法律の所管がかわることもありまして、若干仕組みが変わります。従前のものが右側にございます見直し前でございます。基本的には、認定の要件というところにありますけれども、従前は、就農5年後の所得目標がおおむね300万円以上を見込めるような就農計画を立てられた方を対象として、それ以降、条件整備事業や応援交付金など、支援していくスキームにしております。見直し後でございますが、前々回の常任委員会でも御説明いたしましたとおり、各市町村で今現在基本構想を策定中でございますので、それが策定でき次第、見直し後のほうに移行するところでございます。多少の要件等が異なるものがございますけれども、全県一律でおおむね300万円としていたものが、それぞれ市町村が定めます基本構想の所得目標にシフトしていくものと見ていただければわかりがいいかなと思います。
◎興治委員長
報告8、第1回食のみやこ・フードバレーPT会議の開催結果について、佐々木とっとり農業戦略課長の説明を求めます。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
3ページをお願いいたします。第1回食のみやこ・フードバレーPT会議の開催結果についてでございます。今年度、未来づくり推進本部に食のみやこ・フードバレーPTを設置いたしまして、5月23日に第1回会議を開催いたしましたので、その開催結果につきまして御報告申し上げます。
まず、1番目のPTの概要でございますが、別紙にスキーム図は描いておりますので、後ほど御確認いただければと思います。編成といたしましては、民間の有識者を中心といたしまして、統轄監がチーム長、あとは農林水産部なり商工労働部などの関係部局で構成いたしております。検討項目につきましては、3点予定しております。1つ目が、輸出の拡大でございます。農林水産物加工品の輸出の拡大を図ってまいろうというものでございます。2つ目が、食品の加工でございます。主に6次産業や農商工連携といった取り組みを推進してまいろうというものでございます。3つ目が、新商品の開発でございます。これにつきましては、産業技術センターの食品開発研究所に今年度の2月、新しい研究支援棟がオープンいたします。また、菌蕈研究所でいろんな研究も進んでいるところでございまして、こういった県内のシーズを新商品の開発に役立てていこう、後押ししていこうという取り組みでございます。
続きまして、第1回PT会議の概要についてでございますが、今回の出席者は、民間の有識者、生産分野と加工分野、そして研究支援機関ということで、12名の方に御参加いただきました。具体的には4ページの下に書いてございますが、こういったメンバーに御参加いただきまして、輸出、食品加工を中心にいろいろな意見を頂戴したところでございます。
主な意見でございますが、これは支援機関の方からでしたけれども、食品の関係につきましては、やはりアジア、東南アジアに非常にビジネスチャンスがあるという意見。次に生産者の方からでしたけれども、輸出の拡大を図る際に、やはりロットの問題も出てまいりますので、生産拡大もあわせて図っていかなければいけないということ。それと、今、青果そのものを商品として扱う動きが重大な動きですけれども、市場のニーズが広がっている加工用野菜の分野での動きも非常に活発化しているという意見もございました。あと、これは加工業者からの御意見が中心だったのですが、加工する際に生産者とのマッチングの機会が少ないといった意見も寄せられたところでございます。
こういった意見を踏まえまして、以下のワーキンググループを設置することといたしました。主なものを御紹介いたしますと、輸出の関係では農林水産物等輸出促進ワーキンググループ、これは輸出の品目や対象国など、ターゲットの戦略づくりをしていこうというグループでございます。とっとり農業活力増進ワーキンググループにつきましては、生産体制の強化を中心に検討してまいります。あと、業務・加工用野菜ワーキンググループにつきましては、先ほど御説明いたしましたニーズの広がっている分野に対していかに供給できるのか、あとはマッチングを進めてまいる予定といたしております。
今後の予定でございますが、第2回のPTを8月に開催いたしまして、第3回、10月に最終の総括をいたしまして、必要な予算措置をしてまいる予定といたしております。
◎興治委員長
報告9、「鳥取県木質内装材開発・販売促進協議会」の設立について及び報告10、第47回全農乾椎茸品評会の結果について、村上県産材・林産振興課長の説明を求めます。
●村上森林・林業振興局県産材・林産振興課長
資料5ページをお願いいたします。県産材を使った木質床材の開発や販売に向けて、鳥取県木質内装材開発・販売推進協議会が設立されましたので、報告させていただきます。
この協議会の構成員ですけれども、資料1の(1)に掲げておりますとおり、11の団体で構成されております。
この設立協議会で出された主な意見を2番に書いておりますけれども、製材所としても内装材へのシフトが必要だと感じており、製材所の考えも提案しながら取り組んでいきたいという意見、今後は付加価値をつけた製品が必要だという意見、ユーザーのニーズを見きわめながら十分検討していきたいという意見、それから、県内の工務店に県産材製品を使ってもらえるような仕組みづくりも一緒に検討していきたいという意見がございました。
このような意見を踏まえまして、協議会におかれましては、今年度を目標に木質内装材の床製品等を開発して、モデル展示を行う予定としております。また、3年後を目標に安定的な生産体制、それから販路・販売体制の構築を進めて、県内外での利用を進めていくという計画にしております。県としましては、事業を通じてこの製品開発の支援を行いますし、協議会にもオブザーバーとして参加しておりますので、販路拡大等について助言していきたいと思っております。
続きまして、資料6ページをお願いいたします。埼玉県久喜市で開催されております第47回全農乾椎茸品評会において、本県から出品した干しシイタケ50点のうち8点が農林水産大臣賞を初めとする個人表彰の部で入賞しました。その結果、団体表彰の部で4回目となる団体表彰が決定しましたので、報告させていただきます。
個人表彰の結果を1の(1)に示しておりますとおり、農林水産大臣賞1点、林野庁長官賞3点を含めます8点が入賞しております。これらの個人入賞を配点して決定されます団体表彰の部は、惜しくも全農愛媛県との同点になりますけれども、4回目の優勝を果たされました。表彰式はあす、6月13日金曜日に開催されます。この全農の品評会は、全国大会に先駆けまして、6月1日に県内で品評会が開催されたわけですけれども、その際にも生産者の皆さんが団体表彰を目指すということで盛り上がったところでございますが、大変よい結果になったと思っております。
今後は、この結果を5月14日に設立しましたブランド化推進協議会等において、今後のキノコ生産の活性化につなげていく取り組みをしていきたいと思っております。
◎興治委員長
報告11、山陰丸和林業株式会社の八頭町への生産拠点開設について、山本県産材・林産振興課参事の説明を求めます。
●山本森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(木質バイオマス利活用担当)
それでは、7ページをお願いいたします。山陰丸和林業株式会社の八頭町への生産拠点開設についてでございます。山陰丸和林業がバイオマス燃料用の木質チップの製造のため、新たに八頭町にチップ工場を開設することを決定されましたので、その概要について御報告いたします。
山陰丸和林業は、松江市に本社を置き、木材チップの製造や素材生産など、県内外で幅広く事業展開されております。
次に、事業計画の概要でございます。八頭町に新しく開設するチップ工場におきまして、バイオマス燃料用チップの製造及び販売を行うものでございます。年間約3万トンを生産し、これを県内外のバイオマス発電所等へ販売する計画でございます。
このチップ工場の開設に伴いまして、東部地区における未利用材の安定的な受け皿が確保されることから、山側はもとより、県としましても大いに期待を寄せているところでございます。
チップ用原木につきましては、東部地区の森林組合を中心に供給することとしております。この供給を円滑に進めるべく、八頭中央森林組合がチップ工場の隣接地に貯木場を整備するところでございます。
今回のチップ工場開設の事業化決定を受けまして、去る6月5日に協定書の調印式を行いました。今回の協定には、山陰丸和林業、県、町だけでなく、東部地区の3つの森林組合長で構成する東部地区森林組合長協議会に原木供給者という立場で加わっていただきました。協定書の内容は次のページに記載しておりますので、ポイントとなる部分のみかいつまんで説明させていただきます。
県内でのバイオマス需要にも応えていただきたいということで、第2条で、生産した燃料用チップを県内の利用施設に優先的に出荷するよう努めること、そして先ほど説明申し上げましたとおり、今回の協定には原木供給の森林組合も加わっております。同条第2項で、森林組合は、原木の安定供給に努めることをうたっております。
このページの下の別紙2に、県と八頭町の支援について記載しております。県の支援としましては、商工労働部と農林水産部が連携しながら、企業立地補助金や緑プロの補助金を通じて支援を行うこととしております。なお、緑プロ補助金は八頭町経由での間接補助となります。八頭町では、先ほど申し上げた緑プロ補助金から町の条例に基づく企業立地促進の奨励金での支援を行うこととしております。
◎興治委員長
報告12、平成26年度香港向けすいか輸出の取り組みについて、木嶋販路拡大・輸出促進課参事の説明を求めます。
●木嶋市場開拓局販路拡大・輸出促進課参事
9ページをごらんください。香港向けスイカ輸出の取り組みについて、平成26年3月24日に株式会社ドール、JA全農とっとり、鳥取県でパートナー協定を締結いたしましたが、このパートナー協定提携後初めての取り組みとして、スイカを香港へ輸出いたします。
輸出計画の概要につきましては、真ん中から下のところに参考で出荷計画を書いておりますけれども、今時点の予定でございますが、スイカ1,300箱を2回に分けて出荷することとしております。最初が6月26日に出荷いたしまして、神戸が恐らく6月28日に出港、7月2日に香港に着くと、第2船目が、7月3日に出荷いたしまして、7月5日に神戸出港、7月9日に香港着という今予定で計画を進めております。
行事といたしましては、産地での出発式を6月26日の10時からJA鳥取中央の北栄のスイカ選果場で行います。出席者といたしましては、ドールからは渡辺社長、産地側で鳥取中央農協の福山組合長、全農の山田本部長、それから平井知事に出席いただくことにしております。
香港における販売促進活動につきましては、昨年度に引き続きまして、7月5日、6日、恐らく5日が中心になろうかと思いますけれども、今、ドールのほうで調整いただいておりますが、販売を行う小売店舗で試食販売等の販売促進活動を行う予定にしております。メンバーは、産地側、鳥取中央農協、それから全農とっとりと我々の3者でいきたいと思っています。
販売促進に係るPR等の支援としては、活用事業として国の事業、それから県の「食のみやこ鳥取県」輸出促進活動支援事業費補助金などを活用いただくよう今準備を進めているところでございます。
◎興治委員長
ここで暫時休憩いたします。
午後2時44分 休憩
午後2時51分 再開
◎興治委員長
引き続き農林水産部に係る報告事項を行います。
報告13、湖山池の漁業動向について、早瀬水産課水産振興室長の説明を求めます。
●早瀬水産振興局水産課水産振興室長
それでは、先ほど委員の皆様に食べていただいたシジミを中心に、湖山池の漁業動向について報告させていただきます。
湖山池における最近の漁業動向として、湖山池漁協によるシジミの試験操業が開始しました。これについて報告させていただきます。
シジミの試験操業の開始についてということですが、シジミについては、平成20年に湖山池漁協、県、それから鳥取市が連携してヤマトシジミの増殖に力を入れてきました。その結果、シジミが順調に生育し、このたび試験操業に至ったわけでございます。
試験操業の概要をお話ししますと、6月2日から試験操業が始まり、6月3日から市内のスーパー等で販売が始まっております。漁獲の予定数量ですけれども、1日当たり150から200キログラムを週4日漁獲することにしております。今後、資源の状況を見ながら漁獲量は考えていきたいと思っております。
資源管理でございますけれども、殻長、殻高いずれも1.2センチ以下のものはとらないということを漁協では決めて漁獲を続けております。1人の1日当たりの漁獲量を20キログラムに制限しております。
現在の推定資源量を約100トンと推定しておりますけれども、今後、再度資源量の調査を行って、資源量が多いとなると、先ほどの1人当たり1日20キロをもう少しふやしていきたいと考えております。
主な販売先は、先ほど申しましたとおり、まだ量が限られておりますので、東部を中心にスーパーマーケット等で販売されております。一部は百貨店の大丸でも販売されているようでございます。
今食べていただいたシジミでございますけれども、非常に粒が大きくて艶々しており、傷などがないので非常にきれいなシジミでございます。味のほうも、先ほど皆さんに食べていただいておわかりのように、他産のシジミに引けをとらないということで、評判を得ているところでございます。これは実際にスーパーなどでも試食販売を行っておりまして、6月7日の土曜日にサンマートで試食販売したところですけれども、非常に盛況で、100グラム当たり200円ぐらいの単価で売られております。これをほかと比較しますと、同じスーパーで宍道湖産のシジミが126円でございますので、今後、評判になれば、この価格も維持できるのではないかと思っております。
シジミについては以上でございます。
もう一つは、昨年、貧酸素なり水不足ということで、フナの大量へい死がありましたけれども、ことしは5月20日からフナの遡上が河川で見られました。田植えの時期ですので、どうしても水が少ないということがございましたので、上流のほうまで遡上することを防ごうするためにキンランを入れました。キンランを入れたのは、福井川、枝川、三山口川でございまして、かなりの数の産卵が認められております。去年のようにどこか1カ所に集まって大量にばしゃばしゃやるということは現在見られておりません。順当だと報告を受けております。
◎興治委員長
それでは、今までの説明について質疑はございますか。
○内田(隆)副委員長
1ページですが、資料ありがとうございます。1ページの資料が2ページということで、ことしの春から県から市町村にかわりましたよと書いてありますが、この内容の変更点の一つとして、農業経営を開始して5年以内の者を含むという新たな項目ができたのが本当に大きいなと思います。なぜかというと、翻ってみるのですけれども、認定就農者制度をきちんと活用できている方が全員かというと、多分そうでもないと思います。ここはどれくらい認定就農ができているのか、また教えていただきたいのですけれども、そうではなくて就農している方がかなりの数いると思うのです。その方に対しても、5年間であれば認定して受け入れてもらえる門戸が広がったと解釈したほうがいいと思います。ということで、今後ますます新規就農された後のフォローアップが重要になってくるのだろうなと。認定計画に満たないけれどもとりあえず就農しましたという方も、フォローアップによっては救っていけるという体制ができています。ただ、管轄が市町村になってしまうのですが、あくまでも市町村は認定の管轄だけであって、普及所の普及員たちを中心に農指導はしていかないといけないと思いますので、ぜひ今までの新規就農者に対するフォローアップをしていただきたいと思いました。よろしくお願いします。
●西尾経営支援課長
委員のおっしゃるとおりでございます。たとえ認定主体がかわりましても、引き続き就農された方のフォローアップは県も市町村と一緒になってしていく考えでおります。
○内田(隆)副委員長
といいますのが、この前の私の発言で、調べに行っていただいた先から電話をいただき、「久しぶりに顔を見たわ」と話がありましたので、余りフォローアップはされていないのだなというのを肌身に実感しました。ただ、それが悪いことではなくて、先ほどの繰り返しになりますけれども、5年間の猶予ができているので、今認定されていない人もさらにきちんと農業ができるチャンスですので、そこをきちんと押さえてください。これは普及所の方にきちんとおろしていただくとともに、担い手機構にもきちんと指導していただくようによろしくお願いします。
続いて、9ページについて、木嶋課長が今説明されたのですけれども、販路先がドールであれば、去年イオンでやられていると思うので、多分またイオンで販売促進をされると思うのです。ドールの販売網はそれぞれ県の特産品を別々に把握していまして、例えば岡山であればピオーネ、リンゴであれば青森に行きますよという話をドールの担当者から聞きました。私は十分に把握されていると思うのですけれども、ドールが日本に法人を置いて営業されています。そこと話をすると、ドール香港につなぐというシステムがきちんとできているのです。佐々木課長の担当になるのかもしれないですけれども、このドールに営業をかけていくことは、今後の他の農産品を香港に売っていくことに関してかなりプラスになると思うので、ぜひ取り組みの強化と、スイカなどと言っておられるのですが、ドールの担当者に聞いたら違うものも入れていきたいと話されていたので、ぜひとも取り組みを強化していただきたいと思います。
●木嶋市場開拓局販路拡大・輸出促進課参事
ドールとの関係ですけれども、昨年来からドールの販売担当、輸出担当のマネジャーと大変密接に話し合いをさせていただいておりますので、スイカに限らず、鳥取県産で輸出の可能性のあるものは随時つないでいかさせていただきたいと思っております。
○内田(隆)副委員長
短くします。
せっかくフードバレーのPTができているのです。PTのメンバーは出すほうの方ばかりではないですか。PTメンバーにドールなり、台湾であれば全農と取引があるところがありますよね、具体的な会社が。(発言する者あり)そこなどを入れていき、具体的に県内に何があるかを見てもらうべきだと思うのです。だから源吉兆庵などの加工業者が入っているのはいいのだけれども、販路先も、ドールは日本に法人がありますので、ぜひ入れていただきたい。青果だけではなくて、イオンや高島屋などに鳥取県のものを売れる販路を持っている相手ですから、きちんと連携していただきたいと思います。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
このプロジェクトチームにつきましては、源吉兆庵が入っておりますけれども、これは固定化したメンバーではございません。今回、あくまで食品加工に力を入れて1回目の議論をしたものですからこういったメンバーになっておりますが、4ページを見ていただきますとおわかりになります。上の部分でございますが、今後進めていくときにはワーキングの中で、外部のアドバイザーにたくさん入っていただきながら進めていこうと思っております。また、とっとりフードコンソーシアムということで、これ以外にも興味を持たれた業者にも入っていただくようにしておりますので、その中で具体的なマッチングをしていきたいと思っております。
○内田(隆)副委員長
結論が出ていません。ドールを入れてください。入らないということはないと思います。
●伊藤農林水産部農業振興戦略監(試験場統括本部長兼務)
入れるかどうかというよりは、ドールの活用だと思います。せっかくパートナー協定を結びましたので、ドール自体も一緒になって鳥取県と協力しようという思いは強いと思っていますから、ここは当然そういったアドバイスをいただくことは考えております。
○内田(隆)副委員長
しつこいようですけれども、ドールは香港だけではないですよ。フィリピンだったりドール・タイもありますから、東南アジアに売ろうと思ったら、日本法人を使えばいいのです。タイ法人が何が欲しいかをきちんと聞いてください。(発言する者あり)前向きに考えてください。報告を待っております。
○砂場委員
まず、フードバレーについては本会議でも質問したのですけれども、フードバレーというのはただの食品関連企業が集積するのではなくて、オランダのワーヘニンゲン大学を中心として、学がしっかりしていて、研究施設があり、同じものを出すにしてもそれは科学的な分析がついていたり、それがフリーズドライなどの高度の加工がされることで、アメリカに次いでオランダの農産物の輸出額が2倍になったと本会議で何回か議論しました。言ってみれば、検討項目の3番です。ただ単に食品加工をやって出そうというのはフードバレーではない。そういう意味で見ていると、高付加価値のものをつくっていくことで、鳥取みたいな人口の小さいところ、生産高が少ないところでも県を支える産業になるのではないかと知事に何回か御提案申し上げているところなので、もっと学が前面に出てきたり、県の農業試験場や食品開発研究所等々の研究機関がもっと前に出てきていただけたらいいなと、それが本当の意味のフードバレーだと思うのですけれども、そういう連携についてはどうなっているのでしょうか。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
委員がおっしゃった視点は非常に大事だと思っておりまして、3つ目の課題として新商品開発を入れさせていただいております。この新商品開発を進めていく際に、おっしゃいました試験研究機関はもちろんでございます。あと西部に鳥取大学の医学部や氷温研究所、かなり熟度の高い研究機関がいろいろございますので、そういったところとうまくシーズを組み合わせながら、新しいものを生み出していく、そういった取り組みをしていきたいと考えています。
○砂場委員
では、よろしくお願いします。ここが大切だと思います。
あと2点教えてください。全農のシイタケの品評会について、いい結果だったと思うのですけれども、この結果を市場開拓のほうにどうつながっていき、どういう形の販路拡大、また売り込みにつなげていこうとされているのかが1点です。今回、山陰丸和が出てきていただいて木質バイオマスをやることはいいことだと思うのですけれども、川崎重工が木質バイオマスを撤退したことがありました。一度、東部に木質バイオマスが入るも、このときはチップが集まらないという理由で撤退されたとお聞きしましたけれども、これができたことで再度の展開が考えられるのかどうか、この2点を教えてください。
●村上森林・林業振興局県産材・林産振興課長
委員御質問のうち、全農椎茸品評会の結果をどう市場開拓につなげていくかということについてお答えさせていただきます。
これにつきましては、ブランド化促進協議会の中でも市場開拓とも連携して販売につなげていくことに取り組んでいきたいと思っております。当面、例えばアンテナショップ等がことし新たになりますので、そういったところにも出していくことも含めて、質のいいものを県外により高く売っていける取り組みについて、市場開拓と連携をとっていきたいと思います。
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
今の林産振興課林との連携について、一緒になって売っていくことになろうかと思います。先ほど村上課長のほうからアンテナショップの活用等について言っていただきましたけれども、確かに我々は「食のみやこ鳥取県」ということで、たくさんあるいい食材の中でも、こういう全国的な評価をいただいたものについて、さまざまなPRの機会を捉えまして、こういうシイタケがあるのだということを全国に向かって発信していきたいと思っています。
●山本森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(木質バイオマス利活用担当)
木質バイオマスについてのお尋ねでございます。
御案内のとおり、鳥取県西部は境港市で日新がバイオマス発電をしており、年間8万トンの木質チップを使用されていますが、8万トンのうち半分は自社の製材の端材、残りの半分は県内の未利用材を調達しましょうという前提があります。それから、3月の常任委員会で報告させていただいたとおり、川重商事の計画は県内から材は供給して、残りの足りない部分を自分のところで県外から調達しようということでしたが、県外から調達できないということで、中止になった経緯がございます。今回、3万トン規模でのチップ工場の建設は、西部、東部にそういった大口の未利用材の受け皿ができることになりますが、ただ、現実的に、ではもう1カ所東部で発電所ができるかといいますと、なかなか難しいと思っています。
○砂場委員
一番いいのは県外からそういう木を持ってくるのではなくて、鳥取県内の未利用材を100%利用できる状況にすることだと思っているのです。いろんな工事に伴って、木を切ってもそのまま処理されているものも少なくないですし、せっかくこういう工場ができるのであれば、最初から諦めるのではなくて、一つの再生可能エネルギーの導入という点でもいいことなので、発電規模が一定ないとペイしないというデメリットはあるかもしれないのですが、何かうまい方法がないか、再検討していただきたいです。最初から諦めては何もできないと思うので。だから川重のときはだめだったとしても、これくらいならなり、まだふやしていく方向で努力していただきたいです。
●山本森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(木質バイオマス利活用担当)
どうやって安定的に供給できるかが一番大事だと思うのですけれども、今後、路網整備なり機械化を進める中で、供給量をどんどんふやしていくと。そういった中で、新しいことができないか、関係者の意見も聞きながら検討できればと思っています。
●村上森林・林業振興局県産材・林産振興課長
少し補足させていただきます。
先ほど参事が申しましたとおり、東部の発電所が県外から予定していたものが入らなかったために中止になった経緯については、先ほど説明したとおりでございます。今後、そういった大規模な発電所が本当に可能かどうかは参事が申しましたとおり、なかなか難しい面があろうかと思います。ただ、砂場委員がおっしゃいましたように、未利用材を活用して再生エネルギーをふやしていく取り組みは、そういった大規模だけではなくて、智頭町や若桜町で行われているような、地域でエネルギーを活用していこうという取り組みも始まっております。それ以外にも、石油で行っているボイラーを木質ボイラー系にかえようかという声も出てきているところでございます。そういった動きに対し、このチップ工場へチップを供給することによる再生エネルギーの導入促進は、今後も引き続き検討していきたいと思っております。
○市谷委員
9ページの輸出関係について3点確認したいのですけれども、数量がかなりふえているのですが、国内の供給との関係でひずみが出ないのかどうかを確認させてください。
下に書いてある県の輸出補助金について、ドールの関係には使わないと前に聞いたのですけれども、ただ、これは実質輸出される業者が全農ということなので、使えたのかなと思いましたし、輸出もドールがいろいろされるのかと思っていたものですから、そこら辺の役割を確認させていただきたいです。輸出の補助金などがなくなった場合に利益がどれだけ出るのかなと。補助金があるからやっていけるという範囲であれば、それはそれで今後大変だと思うのですけれども、その辺がどうか確認させてください。
3つ目は、余り関係ないかもしれないのですけれども、商工のほうは境港を使ってほしいとすごく一生懸命やっているのですけれども、これは神戸港から出るのだなと思いました。せっかく輸出するのであれば、境港からは出せないのだろうかと。その確認をさせてください。
●木嶋商工労働部参事兼農林水産部参事(輸出促進担当)
スイカの輸出量が国内の販売に影響がないかという御質問だったと思いますけれども、スイカの1,300箱という箱数が大体20トン弱ぐらいです。例えば、北栄町のスイカが170ヘクタールぐらいございますが、この1,300箱という箱数は、国内にどうのこうのというほどの量ではございません。これがもっと倍々にふえていったときに、そういったお話をしていかないといけないと思いますけれども、ひとまずそういう量でございます。
ドールと全農とっとりの役割分担ですけれども、実際、出荷者として輸出されるのは全農とっとりです。実際に、今までは例えば梨で先ほどもありましたけれども台湾や香港に輸出されているときは、貿易商社を通して販売されておりますが、位置づけとしてはそういう位置づけと余り変わりませんい。ただ、ドールの場合は、小売店舗までの販売網を持っておられるところが大きく違うところでございます。役割自体は、今まで全農が他の貿易商社と輸出のやりとりをされていたものと変わりはございません。
補助事業との兼ね合いですけれども、この支援をさせていただいているところが、例えば販売のPR活動や広告宣伝などに対しての支援でございまして、直接的な輸出についての支援は行いませんので、継続的に安定して輸出が進むようになりましたら、それはそれでこの支援がなくても十分やっていけると考えております。
神戸港から出ているということですけれども、今々は香港に向かって物を運ぶのに、スイカも梨も神戸港から出ております。境港が使えるかどうかについては、今、貨物量が境港も相当多いようですし、今後、条件を整えて、境港からも出せるようになればいいのかもしれません。そこはもう少し研究させていただきたいと思います。
○銀杏委員
今の境港からの輸出について、一方で、県は支援をつけて、小口からコンテナまで、少しでも境港から荷をふやしたいということで頑張っているわけですけれども、今の話だと、余り積極的に取り組む姿勢は感じられなかったのです。そういう情勢になれば検討しますという感じですが、一方、同じ県の施策としてやっているわけですから、どうしてもそれを使わせないのかなと、どの辺がネックになっているのか教えてください。
◎興治委員長
答えられる人がいますか。
●木嶋商工労働部参事兼農林水産部参事(輸出促進担当)
今のところ台湾、香港とも輸出をするに当たって、貿易商社の主導で出港地が決まっていたりします。まだ問題点や隘路などが整理できておりませんので、そこら辺を整理させていただいて、検討を進めたいと思います。
●森脇市場開拓局長
今の御指摘でございますけれども、基本的には境港からの航路は釜山と、あとDBSの航路だけだと認識しておりますので、通常、香港に出しますと、どこかでトランジットしないといけないということがございます。こういう生鮮を運ぶときに、そういう時間的な問題なども当然あるのだろうと思います。ですから、いろんな問題をこれから整理させていただきまして、その可能性についても研究させてみたいと思います。
○内田(隆)副委員長
今、ヤマト運輸が香港などにも対応を始めていますよね。デリバリーの宅配などができるようになっています。だから、県産品を売っていくことが普通にできる。きょう出したらあしたの夕方に着くような宅配サービスまで始めています。そのことを考えたら、本当に何を売っていくかを考えないといけないと思います。
最後にしますけれども、10ページをお願いします。キンランについて、きょうは栽培漁業センターの所長が来ていないのですけれども、キンランにコイ1尾がどれくらいの卵を産むのか、御存じの方は多分いらっしゃらないですよね。1尾が1万粒なり2万粒産むのです。それを考えたら、40万粒ってわずかです。40万粒というとすごくたくさんコイが産んでいるみたいに見えるけれども、実際は全然そんなことないのです。だから、抜本的な解決には全くなっていないです。これは状況が違ったら、ほかのところでばしゃばしゃやっています。たまたま川の中の質がよかっただけにすぎないとしか思えません。それでなかったら、2,000万粒なり、キンランそのものが足りないという話になりますし、そんなことを毎年やっていこうと思ったら莫大な予算が必要ですよ。だから、非現実的なことをやっておられるのです。抜本的な解決策が必要だと思いますので、これは変に数字を上げられないほうがいいと思います。
◎興治委員長
答弁はいいですね。
○内田(隆)副委員長
いいです。
◎興治委員長
それでは、次にその他ですが、農林水産部に関して執行部、委員のほうで何かございますか。
○前田委員
簡潔に説明するので、資料を配ってください。
◎興治委員長
今、資料を配りますのでお待ちください。
○前田委員
先日、三木局長と一緒に訪問して、いろいろ話を聞いたのだけれども、資料にある酒津の実態の所管を教えてください。まず酒津の実態を説明しなければいけないけれども、皆さんこれを見てください。酒津漁港の中に砂がたまっているということです。あと外郭の防波堤があるのですけれども、この中にもたまっているため、船の出入りが非常に困っています。その右の写真を見ていただきますと、水尻の海岸の砂が移動して酒津の中に来ている写真です。平成24年8月は砂がついていたのが、25年3月ではもうれきが出てしまっているのです。それから、右側が平成22年10月ではたくさんの砂があったのが、23年2月ではこのように砂分が逃げて、れきや石がごろごろしていると。結論は、この砂がすべてこの岩礁地帯なり、一部が酒津の漁港の中に入って、重大な支障が出ているということです。所管はどこですか。
●三木水産振興局長
私も現場を見させていただきました。漂砂という現象になると思いますけれども、ここは順流でなくて逆潮が流れているところだと思うので、多分東から西に流れる海流の影響で酒津の貴重な磯場を一部埋めてしまったり、また、港口のほうに砂が堆積してしまっているという実態が発生すると思っています。この現象は酒津だけではなくて、そのほかの例えば旧青谷町の長和瀬で隣の船磯の港でも起こっていまして、同じように隣の浜、例えば長和瀬であれば水無瀬の浜がなくなってきている。また、船磯だったら、ちょうど9号線の……。
◎興治委員長
きょうは酒津に限って説明してください。
●三木水産振興局長
はい。という現象が起こっているために、非常に漁業活動も支障があるし、漁場も失っているということで、非常に心配といいますか、どうしたらいいだろうかと……。
○前田委員
深刻な状態だ。
●三木水産振興局長
深刻な状況だと思っています。
○前田委員
それで、結論を最後に言われたけれども、漁業活動と魚礁という天然の岩礁が砂に埋もれてしまって、イワガキなどがとれなくなっているということです。それで、平成12年にこの酒津漁港は県管理から市に移管しました。それは漁港法という法律の基準があったものだから渡したのです。交付税措置が平成12年からできたので、それでやってくださいというのが県のスタンスだったのだけれども、市は引き受けてみると、大変なものを引き受けたということなのです。要は、地方交付税で措置してもらう金ではとても追いつきません。砂を取るだけで地方交付税で措置されている分は飛んでしまっている。ましてや、陸域などの漁業振興なども手は出せないということです。
それで、私が言いたいのは、その原因は突堤の延長をしたら生じたと言うし、この写真を見ていただいたって、三木局長が言われたように東向きから西向きへの海流で持っていかれたということもあります。これを見ればすぐわかるのは、東側に突堤をばっと出して、港の仮の突堤もどっと守るように突堤を出して、それからここの沖防の延長をしたらそういうことが生じたと。ここは静穏度が恐らく高くなったし、水が動かなくなったのだわ。だから、砂が落ちるのだ。もう1回延伸した部分を撤去してということをやらなければいけないと思います。市に任せていても、これは大変です。酒津漁港は埋まってしまうということです。
もう県が担当だ市が担当だといってほうっておけない状態です。所管は県土整備部、この水尻の海岸管理が河川課だから、河川課と空港港湾課と農林水産部は水産課と鳥取市だと思うので、実務者レベルできちんと対応策を早急に練って、県と市が協力して、酒津の今の実態を解消してあげなければいけないと思います。三木局長、どうですか。
●三木水産振興局長
前田委員がおっしゃるとおりだと思います。こういう会議といいますか、漂砂や砂防の観点で、水産課は県の組織に入っていないということもありますので、うちもこの協議の中に入れてくださいと申し入れております。先ほど申し上げましたように、魚礁は埋まってくるわ、港も港口が埋まるわということもありますので、ぜひ水産の立場からも物を申したいと話をしておりますので、県土整備部の河川課が事務局だと思うのですけれども、またそちらのほうに申し入れていただくようにお願いしたところでございます。
○前田委員
今、調べると、酒津漁港堆砂問題検討協議会というのがありますが、これは大学の先生などが入って学術研究も終わっていると思います。そうではなくて、我々行政として、こうだというのを実務者レベルで出して、それを一刻も早く実行するということです。簡単なことですよ。原因は、沖防を延ばしたら港口にたまり出した。水尻海岸の砂が全部酒津漁港の中に入ってしまった。あなたがおっしゃるように東から西に向かった海流だから、突堤を出して守ればいいのですよ。それで、今たまっている砂をもう1回サンドリサイクルでもとに返してあげる。あるいは人工リーフで沖からの波をとめてしまう。こういう学術研究ではないものをしてください。部長に決意表明を求めます。
●岸田農林水産部長
地元酒津漁協、それから漁業者の皆さんには今後死活問題になると思います。待ったなしの状況だということを肝に銘じまして、農林水産部としても県土整備部に働きかけて、市と一緒に協議の場に参画するなど、早急にしかるべき対応策の案づくりに入りたいと思います。
○前田委員
担当課長だけではなく、部長も必ず入ってください。責任者が入って速やかに計画づくりをすると。県土整備部もそれでいいと言っているから。今までの協議会は大学の先生が2人も入って、ああでもない、こうでもないと学術研究みたいなことを何年もしているから、漁師はたまったものではないです。だから、早急に実行してください。
●三木水産振興局長
委員がおっしゃられるとおり、もとの砂が移動しない方法を考えることについては魚礁なり漁港を守る手段だと思っています。僕は技術的なことはよくわかりません。人工潜堤がいいのか、出すのがいいのかはわかりません。突堤がいいのかというのはわかりませんけれども、ただ、河川課や空港港湾課など、一部農林海岸もあるので水産課も入れて、もっと大きな目で解決しないとなかなか解決できないのではないかと思っています。ただ、河川課自体はできない理由をいろいろ言っておられます。そんなことではいけないとこの前も言いましたので、またそこは頑張ります。
○前田委員
けさも河川課を呼んで、「そうではない。そんな理屈ではない。やらない理屈は何ぼでも立てられる。やる気になればまた理屈は立つ。」と言いました。くれぐれも、漁港管理は鳥取市だという割り切り方でいくと、この問題は全く前に出ないと思いますので、きちんとした支援措置が要るのです。だから今回、代表質問でそこを入れているのです。ここだけではないです。この前移管した漁港はすべて多かれ少なかれこういう状態です。県が前に出て、きちんとした支援措置をしなければいけないと思います。三木局長、いいですか。
●三木水産振興局長
思いは前田委員と同じですので、県土整備部とも協力して、ここは県管理の海岸ですから、そういう視点で頑張らなければいけないと思っていますので、よろしくお願いします。
◎興治委員長
ほかにはないですね。
それでは、農林水産部については以上で終わります。
委員の皆様には御相談がありますので、この場にお残りください。
執行部の皆さんは御退席いただいて結構です。
(執行部退席)
お残りいただきましたのは、第2回の県外調査についてです。お手元に日程案が配付されていると思います。23日から25日ということで計画しておりますが、裏面に各施設先の概要を記載しております。何か御意見はございますでしょうか。
○小谷委員
帯広畜産大学に行ったときに、このことだけではなくて、もう少し調べてもらい、牛の関係の研究をしていると思います。雌雄産み分けの判定には、多分リトマス試験紙のようなもので卵を見ればわかるということがありはしないかと思います。もう少し詳しく調べてみてください。意見です。
◎興治委員長
では、それについては研究してください。
ほかにありますか。
○内田(隆)副委員長
19時半に到着して、空港に泊まることになっていますよね。移動に1時間かかるので、8時半には札幌に泊まれそうですよ。皆さんはどちらがいいのかなと。
◎興治委員長
札幌に行き、そこで泊まる形にしたらどうだろうかということですね。
○内田(隆)副委員長
両方の意見です。夕食が遅くなって嫌だという意見もあれば……。
○前田委員
選択肢がふえる可能性があります。
◎興治委員長
そうですね。JRで移動して……。
○内田(隆)副委員長
次の日の朝も楽です。
◎興治委員長
札幌に泊まるという提案でございます。
○前田委員
その場合、駅から夕食会場に直行するのか。
◎興治委員長
でないと時間がない。(「賛成」と呼ぶ者あり)
では、そういうことにしましょう。荷物を持って動かないといけないけれども。
ほかにありますか。よろしいですか。
それでは、確定しましたら、また事務局のほうから御連絡いたします。皆さん、御参加いただきますようお願いします。
以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。
午後3時38分 閉会
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