会議の概要
午前10時27分 開会
◎野田議長
それでは、ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に、藤井省三議員、横山隆義議員を指名いたします。
それでは、最初に、平成27年度国の施策等に関する提案・要望の概要について、知事に説明を求めます。
●平井知事
皆様、おはようございます。
また、これから6月の県議会が開催されます。当初予算等でいろいろと制度設計はさせていただきましたが、緊急を要することなど、このたびも計上させていただきました。県だけでやれることもたくさんあろうかと思いまして、それはぜひやっていきたいと思いますが、問題は国のほうで動いていただかなければならない事柄が多々ございます。これにつきまして、本日、ピックアップをさせていただき、最重点の要望、さらにそれに準ずるものを御紹介申し上げたいと思います。ぜひ皆様のほうでも精査をしていただきまして、取りまとめができましたら、この夏に国のほうに強力に要望活動を展開させていただきたいと考えているところであります。
先般、少子高齢化、さらには極点社会という方向性が提言されました。日本創成会議の提言でございます。その中で、私ども、日本の社会が向き合う現実が見えてきたようなところがございます。現在国では、消費税の引き上げがありまして、社会保障財源を中心として、財政フレームが大きく変わる時期に入ってまいりました。ですから、少子化対策、あるいは働きやすい環境を女性のためにも整えるなど、そうした事柄も今こそ要望すべきときだろうと思います。
また、地方分権を進めていかなければ、国、地方を通じた効率的で強力な行政システムはでき上がらないと思います。したがいまして、地方税財政のシステム、特に交付税につきましては、総枠をどうやって確保するのか、これは去年からの先送りの問題になっております。こうしたことも重点的に要望していかなければなりませんし、消費税の引き上げが10%に上がるかもしれない。その際には、経済対策など、あるいは地方への配慮など、こういうことをしっかりやっていただかなければならない。大きな制度の変わり目の時期でありますので、こうした事柄を緊急の要望項目として提言させていただく必要があると考えているところであります。
また、そのほかにも、例えば福祉医療関係でいえば、薬剤師が不足しているとか、それから、認知症の高齢者が行方不明になってしまっているとか、さらに、社会福祉法人での残念な案件が全国的に問題化してきました。本県は、一生懸命監査等をやってきたわけでありますが、そもそも国のほうの制度設計が社会福祉法人に対して、どちらかというと緩い制度設計になっておりまして、そこを改善してくれと、我々のほうでも呼びかけをこれまではしましたが、なかなか動かなかったわけであります。今マスコミでこの問題も大きく取り上げるようになってまいりまして、この際、重点要望としても出させていただく必要があるかなと考えているところであります。
また、雇用を確保する、それから産業創造していく、特に農林水産業につきましては、
EPAやTPPという問題も見えてきておりまして、重点的に働きかけなければならない分野もございます。あわせて、拉致被害者を今こそ救出をしなければならない、そうした案件もございます。国土全体を考える、強靱化をする、日本海側にきちんとした基軸を設定する、そのためにはハイウエーでありますとか、高速の鉄道網を検討するとか、そうした課題もあります。米子鬼太郎空港もミニハブ化して、非常に利用もふえてまいりましたが、それにふさわしい空港機能、これは国の空港でございますが、でき上がっているわけではありません。そうしたことなど、さまざまな喫緊の県政の課題を要請活動としてやってまいりたいと思います。
詳細につきましては、局長のほうからお話をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
◎野田議長
未来づくり推進局長に詳細説明を求めます。
●岡﨑未来づくり推進局長
それでは、詳細の説明をさせていただきます。
説明は、この薄いほうの提案要望項目一覧に従いましてさせていただきますが、この番号はちょっと飛んでいるところがあります。これは、この厚いほうの提案要望書、こちらが分野別に整理していますので、分野別の分と一致しますが、この薄いほうは、まず初めに、1ページから6ページまで、最重点項目として整理しております。その7ページ以降が重点項目ということで整理していますので、私からは、最重点項目を中心に説明をさせていただきます。
まず、1ページ、1番目からですが、先ほど知事も申し上げましたけれども、政府がこの6月下旬にまとめます骨太の方針によりますと、骨子案が提出されました。デフレ脱却や経済再生とともに、人口急減、超高齢化社会ということの流れを変えようということが取り上げられますので、まず、1番目に、「人口急減・超高齢化社会」の流れを変える対策の推進ということを上げております。そして、去る5月28日に第4次一括法が成立しましたことを受けまして、地方分権、地方税財政関係では、これは2番目になりますが、「国のかたち」を変える地方分権改革の推進、そして、今回改めて、新たに取り上げましたが、地方提案方式と言われます、これについての実現の提案、そして、先ほど知事も申し上げましたが、地方税財源の関係で、丸の2つ目、3つ目、4つ目などは具体的な提案をさせていただこうというふうに思っております。
次のページ、2ページになりますが、ここからは、国土交通関係を取り上げています。ミッシングリンクの解消、リダンダンシーの確保、そして日本海国土軸の形成、加えて、大交流時代の進展を目指しまして、1つ目は、高速道路ネットワークの早期整備という、例えば鳥取西道路の全線の29年度一体的供用とか、6月9日に緊急要望いたしましたけれども、北条道路の早期事業再開に向けた計画段階評価の促進などを上げております。その下は、境港の重点整備につきまして、そして、CIQ体制の充実、さらには、8番目ですが、河川、砂防、海岸に係ります治水事業の推進を上げております。あと、9番目ですが、高速鉄道網の整備、そして、新規項目ですが、米子鬼太郎空港の機能強化につきまして上げております。また、11番目は、斐伊川水系の中海の護岸整備及び水質保全対策ということで、これは継続事業ですが、引き続き重点項目として要望をさせていただこうと思っています。
17番ですが、ここからは、農林水産関係になります。TPP及びEPA交渉の状況を注視しつつ、本県の立場を強く主張するとともに、競争力強化や成長産業化の観点で農業改革、予算の確保などを中心に、3つに最重点項目をまとめております。20番目ですが、これは3ページになります。一県一乳業という本県の特殊性を踏まえまして、県内産の牛乳による学校給食が実現するように、制度を見直すように要望書をまとめております。
続きまして、災害関係になります。32番からは、災害対策関係になりますが、原子力発電所の関係で、島根原発の防災対策費の国交付金の必要額の確保ということを上げております。また、周辺地域の意見を聞き、わかりやすく説明するとともに、33番になりますが、新規ということを項目を上げていますが、新規制基準の適合性確認検査を厳正に行うこと、あるいは汚染水対策につきまして、適切に実施するというようなことを一律要望したいというふうに考えております。また、34番につきましては、大規模災害等の対応能力向上のための大型輸送ヘリコプターの早期整備ということを上げております。
4ページをお願いします。人権、福祉、保健関係です。進展が期待されます拉致問題につきましては、一刻も早い帰国の実現とあわせまして、帰国後の生活再建の支援についても最重点で整理をさせていただいていますし、継続ではありますが、社会福祉法人に対する指導監督権限の強化につきまして上げております。また、新規に、手話言語法の関係です。手話言語法を初め、障害者の情報コミュニケーションを保障する法律を制定するということも上げておりますし、あと、福祉関係が続きます。44、45は、介護保険制度の構築、そして、新規ですが、認知症の行方不明者の対策につきましても重点項目として上げております。
その次は、子供、子育て関係です。今まさに今日的課題であります子育て関係、少子化対策の充実につきまして、(1)に上げていますけれども、量的拡充と質の改善がともに実現されるために必要となる総額の確保や、その下の丸ですが、地域少子化対策強化交付金を継続的な事業として確立するというようなことも上げております。
47、48は、持続可能な国民健康保険制度の構築は継続ですが、薬剤師の確保、これは新規重点項目、最重点項目として上げております。
5ページをお願いします。文教関係で、以下、整理しております。まず、64番ですが、学校施設の耐震化の促進及び防災機能の向上ということで、十分な予算の確保、あるいは対象工事の拡充など、引き続き最重点項目として要望させていただくとともに、新規項目ですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、例えばキャンプ地誘致への積極的な支援とか、あと、パラリンピックナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点への位置づけなどなどを上げております。
66番は、ジオパークの活動の支援の取り組みでして、本年の8月に再認定審査を受検する山陰海岸ジオパークにつきまして上げております。新規としては、受検に当たっては、人的支援や案内機能の充実において、国においても積極的に進めてくださいというふうな要望をさせていただこうと思っています。
5ページになりますが、77、78、79番が産業、雇用関係となります。これは、地方の雇用回復は全国におくれて発生しておりまして、全国的な景気動向からの判断では、約1年ぐらい、どうも実態が乖離しているのではないかなということを鑑みまして、77番では、地域実態を踏まえた消費税率の引き上げについての要望、あと、国家戦略特区の制度がありましたが、大都市偏重とならないような形での指定を積極的に行ってほしいということ。あと、人づくり事業につきましては、継続実施をしていただきたいというようなことを最重点項目として上げております。
また、環境関係になりますが、87番です。微小粒子状物質等、広域大気汚染に対する取り組みの推進です。ここは、新規としては、PM2.5の状況が看過できない状況でありますから、追加をさせていただいているということです。
6ページになります。ここは、エネルギー関係、地域情報化関係というのを上げておりますが、まず、93番は、表層型メタンハイドレートの調査研究、そして、94番は、再生可能エネルギーのさらなる導入ということで、継続的に最重点項目として上げております。また、マイナンバー制度ですが、番号制度導入に係るシステムの対応ということで、費用も十分にまだ参っていないという状況でありますので、国において負担するというような要望をしております。
その他ですが、最後、98番、米軍機の低空飛行訓練につきましては、住民からの苦情が多い地域については、国の責任において騒音測定器を設置するようということで、追加して要望するように整理をしております。
以上、駆け足でしたが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願いします。
◎野田議長
ただいままでの説明に対して、御意見、御質疑があれば、お願いいたします。
○山口議員
ちょっと座らせてもらっていいでしょうか。
知事、冒頭挨拶にありましたけれども、地方財源の確保対策なのですけれども、消費税の導入によって若干配分もと思っておりますけれども、現実に、雇用、それから企業誘致とか、こういう形でやっておられますけれども、各進出企業に対して補助金が県、市町村から出ておるわけですね。これについては、本当にこういう人口減少社会を迎えていると、それから若い者の定住がないと、こういうようなことをやはり訴えもらって、子育てもそうでございますけれども、そういう形で、地方交付税の配分の見直しというのは、今まで既定のような形で配分されていないというようなこともありますので、これは何らかの形で、財源確保のために手を打たなければ、思うような形の企業誘致であるとか、雇用対策であるとか、子育てであるとか、こういうようなことが非常に難しくなってくるのではなかろうかと、こう思っておりますので、これだけは特別に地方が独走できるような形の財源、独自に政策を立案できるような制度設計をするために必要ではなかろうかと、こう思っておりますので、これだけはもう本当に、財源対策税については少々減っておりますけれども、やはりこういう地方が生きる道というのは、成長戦略を遂行しようと思いますと、もう避けては通れない大きな課題だと、私はこういうような認識をしておりまして、私ども議会としても対応しなければならないというふうに思います。
ここには入っておりませんけれども、農業政策が大きく変わろうとしておるわけですから、恐らくこの国会が終わるまでとか、新しいやはり方向性がまた成長戦略会議とか、いろいろな協議機関があって、これにつけ加えて、鳥取県の農業のあり方についても真剣に考えてもらう必要があるのではなかろうかと、こう思って、今感じております。
●平井知事
まず、地方の一般財源についてでございますが、議員のほうからも御指摘がございましたように、今せっかく消費税が引き上げられて、全体的に財源の配分が大きく変わる時期であります。そういう中で、しっかりと地方が今後持続可能な形で生活できるように、また発展できるように考えていくには、雇用、あるいは産業振興、また子育て等の十分な一般財源がなければなりません。この辺は、地方交付税の総額を確保すること、それから、地方交付税の配分に当たりまして、財政力の弱いところでも今の少子高齢化対策がしっかりできて、極点社会ということにならないように、反転攻勢をかけられるような力が出る、そういう配分をすること、これを強く求める必要があろうかと思います。今回の要望の中にも、その趣旨のことは入れておりますが、必要に応じて、もう少し明快に記載させていただいたほうがいいかなというふうに思います。
また、後段、農業対策についてお話がございました。
今回のこの最重点要望の中に記載をさせていただいておりますのは、今規制改革会議で出されておりますJA、農業委員会を初めとした農業改革についてでございます。これについては、現場の状況を踏まえて慎重に検討していただきたいと、こういうふうに記載をさせていただきました。これは、18番のところに記載をさせていただきましたが、議員もおっしゃるように、これは国としての今農業改革の動きがありますが、大事なのは現場の鳥取県内の農業が発展方向に乗っていくかどうかというところでありまして、これは国のほうの制度支援ですね、これは重点要望のほうにも幾つか書かさせていただいておりますが、例えば農業基盤の整備であるとか、それから農業の人材育成、後継者育成、こうしたところの予算措置だとか、そうした国のほうの支援も十分につくる必要がありますし、そういうことがなければいけないと思います。また、鳥取県でも独自のこれからの新しい特産品の開発とか、販路開拓とか、そうしたことを強調して、国の施策も取り込みながらやっていく必要があろうかと思います。この表現につきましては、議員の御趣旨も踏まえて、精査をさせていただきたいと思います。
○山口議員
もう一回、済みませんけれども。
この2ページでございますけれども、5番目でございますけれども、ちょっと記憶が間違っているかわかりませんけれども、知事が予算を提案されたときに、定例会のときに、高速道路ばかりではなかった、鉄道も何か入っておったのではないかと、こう思いますけれども、これは道路ばかりだったでしょうか。
●平井知事
この重点項目の中では、9番のところに国土軸を形成する高速鉄道の整備に向けて山陰新幹線を初めとする高速鉄道網の整備方針を示すことと、こういうふうにさせていただきました。やはり海のこと、それから空のこと、それから陸では鉄路とハイウエー、これらは我々としても重点的に国に働きかける分野だと考えております。
◎野田議長
よろしいですか。
ほかに。
○藤井議員
道州制、2番ですけれども、この文章を読んでいると、中央省庁の解体再編を含めた統治機構の抜本的な改革が伴うものでなければならず、これが伴えば結構ですよという文章だと思いますけれども、それを、地方の意見を聞けというのではなくて、もし地方に意見があるのなら、知事会等でまとめて、道州制に向かってこうすべきだというような提案をする意図があって書かれたものなのかどうかということが1つと、社会法人改革については、国の改革を待たなければ、全てが解決しないものなのかどうか。社会保険庁などは、医師が不正請求などを行いますと、5年間即座に有無を言わさず医師免許を剥奪してしまいますね。あんな厳しいことが一方で行われていて、こちらのほうは責任者が一切、何だ四の五の言っておる間に、うやむやになってしまうような、そういう状況がある。県のほうできちっとそういうことが対応できるように制度をつくっていくことは不可能なのかどうか。
●平井知事
2点お話がございました。
道州制につきましては、これは従来のトーンなのですけれども、例えば連邦制の国家のように、中央政府を解体して、地方に抜本的にその権限が移る、地方主体の行政システムができるというのであれば、意味があろうかと思いますが、今巷間議論されている道州制の論議は、中央省庁の解体再編というところまで踏み込んできていないのですね。ですから、現状において、今議論されている案では、道州制はいかがなものかという疑問のトーンにもなります。
現実の今の検討状況でありますが、今与党内で自民党における道州制の検討が進められていますが、それは国民会議をつくって、そこで議論をすべしという案でございます。ただ、これにつきましては、全国知事会でも丸投げのものではないかと、やはり基本戦略として道州制の検討を始めるのであれば、そういう根本論で国のシステムを大幅に変えるものかどうかということを法律の中でも議論しながらやるべきではないかということを申し上げておりまして、そうしたこともこちらのほうに記載をさせていただいたところであります。実際には、自民党内の検討は今国会中は恐らくとまってしまうのではないかと見られておりまして、今国会で決着する話にはならないのかなと思いますが、これから以降も、根本的にこの議論は繰り返しなされ得る時期が来ようかと思いますので、私どもとしても今までの基本スタンスを示させていただく必要があるかなということで書かさせていただいております。
また、これは、議長会であるとか、知事会であるとか、そのほかの地方六団体でも、皆でともに議論をして、結論が得られれば、まとまって国に対して折衝する、それも必要な案件だというふうに認識をいたしております。
次に、社会福祉法人改革でありますが、今議員の御指摘のような医療関係につきましては、国のほうに基本的な権限が分掌されておりまして、地方のほうにはそこのところがないわけでございます。本来、地方にある、存在をする社会福祉法人、医療法人というようなものに対する指導監督でありますから、もう少し本来は整理をされてもいいのではないかなと思います。今回の地方分権一括法の中でも、一部そういう動きが入っておりますが、完全なものではなく、藤井議員がおっしゃるような、どこかで強力にできる、全部処理できるという形にはいまだなっていないかなと思います。今後も地方分権の課題として、それは我々としても働きかけていく必要があると思います。
◎野田議長
よろしいですか。
ほかに。
○砂場議員
1点質問と1点お願いです。
1つは、9番なのですけれども、高速鉄道網の整備の要望なのですけれども、これはどう読めばいいのか、新幹線をやってくれということなのか、新幹線の整備がおくれている地方については、新幹線はもういいから別の高速網を、鉄道網を国交省が示すという意味なのか、どういうことを意図しているのか、ちょっと文章が明確ではないので、知事としては国に対してどういうものを要望されておるのか、そこをお示しをいただきたいと思います。
それと、もう1点、要望は、32番、33番の原子力防災に関してなのですけれども、国のほうの県に対する情報開示というのが非常に冷たいといいますか、津波想定についても、太平洋側はもう発表までいっているのですけれども、こちらのほうは、国からの連絡がおくれてできていないのに関しても、途中経過の開示もないというような状況で、割と地方に対して、原子力防災に関する情報の伝達が非常に少ない。もちろん国全体が、吉田調書を見てもわかるように、情報開示に非常に消極的なことがあるのかもしれませんけれども、やはりいろんな議論をする上では、きちっとした情報に基づいて判断をするのが大事なので、この32、33については、まず国はしっかりと情報を開示して、その上で議論をしなければいけないので、情報開示についても丁寧なわかっているところの情報を県に開示して、連携していくようにというふうに求めたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
●平井知事
まず、前段の高速鉄道についてでありますが、これは議会でもたび重ねて意見の交換はさせていただいております。正直な感覚でここにこう記載しておりまして、山陰新幹線だけを要望するというようなところまでまだ議論が集約できていないかなと考えております。したがいまして、山陰新幹線を含んだ高速鉄道網、これがミッシングリンクになりまして、山陰には存在をしないということが問題であります。ですから、そこは幅を持たせて、今の段階では要請させていただきたいと思います。これは、今国のほうでその高速鉄道のあり方につきまして、調査、研究も行われ始めております。そういうところで山陰の課題を取り上げていただくように働きかけるという趣旨もございます。
原子力につきましては、議員もおっしゃるように、今、当時の吉田所長のメモが出るようになったり、当時の状況がつぶさに改めて出始めておりまして、今まで余り知られていない情報がここに来て出ていることもございます。当然ながら、その情報の開示も必要でございまして、重点要望のほうに、シミュレーションデータであるとか、そうしたデータの共有をという事務ベースでの要望項目の中にも入れさせていただいておりますが、この32、33とおっしゃった基本論のところでも情報の共有化、それから原子力発電所の情報の透明化、こうしたことも明記をさせていただいてもいいかなと思いますので、検討をさせていただきたいと思います。
○稲田議員
43番と本文の59ページを参照していただきたいと思うのですが、その要望項目の表題について、私はなかなか、これはこれで大変困難な、手話を言語法にするというのは、法律にするのは困難なものだろうと思っておりますが、でも、これを聾の方も高く掲げて、全国展開していこうという趣旨の陳情も私も受けておるわけですが、ところが、内容をよく読んでみると、手話言語法を初め、今度は障害者のいわゆる情報コミュニケーションを保障する法律をつくることということになっておって、この59ページの全体の趣旨は、手話言語法の法律を制定してほしいのだという趣旨だろうということには読めるのですが、しかし、ここで出てくるのは、手話を初めとして、今度は筆記だ、点字だ、触覚だという話も一方ではまた出てくるわけでして、私と議論を議場でさせていただいたときにも、よく私も理解ができなかったのですが、一体知事がどこを向いておられるのかということがよく見えない。要するに、例えば手話言語法を制定したいということであるならば、大変これは困難な困難なことなのですけれども、やはり一点突破、ここの部分を強調すべきであって、とりあえず他の障害者のコミュニケーションというのは、一旦置いておいて、ここを重点的にやるべきではないのかな。いや、そうでなくて、手話言語法もやるのだけれども、点字もやるのだよ、いわゆる障害者コミュニケーション法みたいなものでもつくられる、そういうものをつくるような要望でもされるのかなということで、知事の一番の固まった意思というものがよく理解できない。この全体からすると、まさに私が言ったように、いわゆる手話の促進条例とか、手話コミュニケーション条例みたいなものでよかったのではないかなと思うわけですね。ところが、やはり知事も手話言語にこだわっておられて、言語だということで言語条例になっておるわけでして、そこの部分の意思がはっきりこの文章からは出てこない。どういうぐあいにこの文章を読んでいいか、よくわからないですが、どうなのでしょう。
●平井知事
手話言語法につきましては、これは議会でも御採択がありまして、国に対してその制定を求めるというのが本県の基本スタンスであります。こういうことで、国にも今要望させていただいております。そういう中で、1月に米子市内におきまして、あいサポートフォーラムが開かれたときに、与野党の議員の方を初めとして、多くの方々がお見えになる中で、手話言語法も当然入れた上の、もう少しちょっと外延を広げて、言語、そういうコミュニケーションということで、ほかの分野も含めながら、そういう法律をつくるというアイデアもあるのではないかと、こういう議論もありました。したがいまして、それで手話言語法を望んでいる、要望している私どもの趣旨が酌み取られるのであれば、それもいわば一つの選択肢かなということで、障害者のコミュニケーションを保障する法律という、その場で出たような御議論も加えて、これは出しております。本旨は、手話というものを日本語と同じように、日本手話としてこの日本国土に成立しているものでありますから、それを正面から捉えるという姿勢が必要ではないかと、その本旨は変わっておりません。
○稲田議員
いや、よく知事のおっしゃっていることはわかるのですが、ですけれども、やはりこの要旨の中で、手話言語法を初めとして障害者のコミュニケーションを保障する法律を制定していくということになると、一旦途切れたものが緩んでしまっているわけですね。手話言語法というものに突き進んでいこうとしているものが、いや、その他の障害者のコミュニケーションのほうも保障するということで、平準化するような形になりますから、私はこれでは弱いのではないか。むしろ手話言語法だって、これはやはり国のほうがこれを取り上げるというのは、これは私自身は本当に至難のわざだと思っていますよ。条例はなるほどできたけれども、これを法にするというのは大変なわざだと思っていますので、それを途切れたものを一旦そこで丸めてしまうというのは、いかがなものかなと思うのですが、もう一回、再度その辺。
●平井知事
趣旨は先ほど申し上げたとおりで、稲田議員の今のお考えも同じことを実はおっしゃっているように聞こえます。したがいまして、ちょっと表現は改めさせていただいて、例えば手話言語法の制定を求めるという議会決議と同じもので書かさせていただいて、それで、あわせて、これに準ずる法律等の措置も検討されたいというようなことなのかもしれません。そこは、細部はちょっと詰めさせていただきたいと思いますが、そうした本県の議会の趣旨も明確に出るように、この辺も検討させていただきたいと思います。
○市谷議員
2点ですけれども、1つは、3ページの33番の原発の新規制基準の適合性審査のことなのですけれども、そもそも中国電力が宍道断層、この断層そのものが以前はなかったと言い、今は22キロということで延び、非常に中国電力の活断層に対する認識評価というのは、本当に低く、そこもどんどん改善といいますか、変えてきたということもあります。今回、最新の知見を反映しという表現が入っていますけれども、これがどういう中身なのか、ちょっとお答えいただきたいと。といいますのが、活断層もいろいろ連動して、地震の規模だとか、津波の規模も大きくなるということがありまして、例えば鳥取沖の西部地震の際に活動した活断層、鳥取沖断層というのですかね、そういうのがあるのですけれども、それの連動性なども、連動して地震が起きるということについてもしっかり入れ込んでいくということが必要だというふうに私は思っているのです。ですから、ここの最新の知見というものが、今言ったものが入っているのかどうか、求めるつもりがあるのかどうかをちょっとお答えをいただきたいと。
もう1点は、2ページですね、18番、先ほど山口議員のほうからも指摘がありましたけれども、私はこの農政改革、農業改革については、ちょっと表現をもっとわかりやすく書いていただきたいと。つまり、今規制改革会議が言っているのは農協改革、それから農業委員会の改革ということで、具体的に出されているわけです。特に農協改革についてですが、中央会の廃止ということを露骨に提示をされておりまして、こういう問題を当事者を抜きにして上から押しつけるというやり方はやはりよろしくないというふうに思うのです。ですから、具体的に農協の改革、農業委員会のあり方の改革というふうに表現も書いていただいて、特に農協改革については、当然関係者の意見を踏まえずに廃止するなどということはあり得ない話ですから、上から押しつけるなというような表現だとか、さっきもう少し表現も工夫してくださるというお答えでしたので、具体的に今言ったように書いていただきたいということです。いかがでしょうか。
●平井知事
市谷議員から2点ございました。
まず、1点目の宍道断層の扱いでありますが、最新の知見がまさにそのことを念頭に書かさせていただいております。実は鳥取県として、これは県独自に中国電力にも規制委員会にも求めてまいりましたのは、宍道断層のエンドがどこにあるか、それと、鳥取沖の断層との関連、こういうことを調べなさいということを申し上げてきました。規制委員会が我々の意見を受けて、それを中国電力にも示達をしまして、中国電力も腰を上げて、このたびそのエンドがどこにあるのか、それにかかわる調査を着手するというようになったわけであります。当然そういう新しい知見も入れて、それから専門家の規制委員会のほうでもよく審査してもらって、この断層評価をしてほしいという趣旨でございます。
農協改革についてでありますが、これは、ここにも記載をさせていただいておりますように、農業団体などの現場の意見を踏まえ、慎重に検討するということで、議員の趣旨も入っているかと思います。これについては、自由民主党内でも今議論が進んでおりまして、規制改革会議の議論、それから政府・与党の中の議論、これが今後すり合わせをしてきて、恐らく私どもが議会をやっている最中に取りまとめに向かうのではないかなと思います。その中では、今自由民主党の議論の中では、全中と言われます中央組織について、それを単純に廃止ということは言っていません。詳細はちょっと党内の問題なのでよくわかりませんが、むしろ存続をしながら、そこに一定の機能を付与するという方針のもとに議論をされているようであります。これがいずれすり合わせをされて、政府としての意思に入ってきます。そうした閣議決定なんなりが恐らく今議会中にまとまってこようかと思います。それに即して、ここの表現がもっとこういうふうに修正したほうがいいということを私どものほうでもちょっと精査をさせていただきまして、また議会側ともこの議会中に相談をさせていただきたいと思います。
○福間議員
2点お願いいたします。
一つは、そもそも論ですけれども、国の政策に対して鳥取県ではどんな要望がありますかというのを今出そうとしているわけですね。平井県政として、終着目標はこういう目標を持っていますよと、そのために国の施策を、こことここをとって補強をしてほしい、こういう格好にしてほしい、そうすると、平井が目指すこういう鳥取県政に比較的早く到達するという意思のあるものなのですか。それとも、今の安倍政権のもとでの国策の中で、鳥取県政と照らし合わせて、各部局ごとに国要望を出せ、その中で最重点と重点と、そういう振り分けで議会に今提起しているのですよということ、同じことを言っているのかどうかがよくわかりませんが、そういうところはどうなのでしょうかというのがちょっと一つはお尋ねをしたい。
もう一つは、具体的な問題なのですけれども、地下水保全条例というのが鳥取県でできたのですよね。石油の次には、世界中で水のとり合いになりますよと。そのことによって戦争が起きるかもしれないという危惧があるという識者もあるぐらいですから、水の管理、水のあり方について、これの中に全然触れていないというのはちょっといかがなものかなという気がするのですよ。だから、水管理の水保全法のようなものを国へ求めていくのか、あるいは地下水の保全ということについて、国へのやはり法定な整備を求めていくのかというようなことも私は必要な、極めて重要な政策ではないのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。これ、2点。
●平井知事
まず、前段のほうの基本論でございますが、これについては、毎年この議会とも相談させていただいて、1年間議会と議論をした国への要望事項を基本的には取りまとめをさせていただいて、ここに記載をいたしております。ただ、そういう中で、単に受け身のことだけでなくて、我々としても攻めていかなければならないことがあろうかと思います。主としては、地方分権のことであるとか、あるいは原子力安全対策、これは必ずしも国の従来の立地重視のやり方に対して、我々は周辺として声を上げようということもございますし、そうした事柄については、ある程度鳥取県カラーを出させていただいているかと思います。具体の要望項目につきまして、御意見があれば、その辺も頂戴させていただきたいと思います。
また、水についてでありますが、現在水道につきましては、この要望の中に事務的な項目として入れさせていただいておりますが、水の基本戦略についてどうかということにつきまして、また、議会の側から御意見がございましたら、すり合わせをさせていただきたいというふうに思います。基本的には、やはりグリーンウェイブを標榜している県であり、水については今後の鳥取県の重要な資産でありまして、私どもとしても何らかの方策が必要かと思いますが、国に対して政策的な要望すべき分野というところ、御提言があればお聞かせをいただきたいと思います。
○伊藤(美)議員
45番です。4ページですけれども、この認知症問題でございます。この行方不明者の対策については、特に最近ではマスコミ等にも取り上げられて、鳥取県でもその該当者があるということでございますが、もう一つ、専門医の皆さん方の話をお聞きしますと、早期発見の体制というのがどうしても鳥取県、あるいは全国的におくれているのではないかと。この点につきまして、調べれば調べるほど、やはり早期発見しながら対応していく大切さというのを専門医の方は言っておられますけれども、その辺はあわせてそこの中に組み込んでいただけたらどうでしょうか。
●平井知事
議員がおっしゃった認知症の行方不明者対策、これも社会問題化しておりまして、国に対して必要な事柄を表現させていただきたいと思います。御指摘の点も含めて、要望事項の中で検討させていただいてはと思います。現実を申しますと、本県でもやはり毎年のように行方不明者がございます。しかし、この辺は地方のいいところかもしれませんが、かなり発見をされています。それは、市町村によって大分異なりがあります。ここの議会の議員の皆さんでも、例えば有線放送で流れてきて、こういう人がおらないようになったから、捜してみてくれと、こういう放送が流れる地域もございます。そういうことで発見されている割合もかなり高うございますが、今統計が出始めて、2人、まだ見つかっていない人がいるのもまた現実であります。ただ、その2人はいずれも県内では都市部の方でいらっしゃいます。ですから、やはり地域によっては、議員の御指摘のような問題もあって、都市部は都市部なりのやりにくさというのがあるのかもしれません。その辺も国のほうで、恐らく本当は何らかの制度設計が必要なものもあろうかと思います。そうしたことも働きかけをさせていただければと思います。
○山口議員
知事、今要望の中で5と9について、山陰近畿自動車道と山陰鉄道の話がありますけれども、これは今鳥取県側の箇所について、例えば山陰近畿自動車道でありますなれば、山陰道-鳥取福部町と書いてありますけれども、でも、これは京都からやはりつながって一本になるのですよ。ですから、その連携をいかにしていくかと。ここばかり、鳥取、皆さんも同じような形で、京都であるとか、兵庫県も同じような形でやればいいですけれども、非常に温度差があるのではないかということですから、お互いにその地域地域の要望活動をしていくということも必要ですけれども、一つ、一方、連携してやるということが大きな意義があるのではないかなと、こう思います。
山陰新幹線ということもありますけれども、これもなかなか山陰というのは、鳥取県だけでもどうにもならないわけですから、このあたりはやはり協調性をうたっていくとか、あるいはまたがっておる、今言いましたように京都であるとか、兵庫であるとか、こういうことの協力体制も得られておるというような条件をやはり訴えていかなければというようにちょっと感じますけれども、これは方法ですから、表現はいいかもわかりませんけれども、ちょっとそのあたりだけを。
●平井知事
まず、山陰近畿自動車道につきましては、山口議員初め県議会議員、府議会議員ベースでの議連もできまして、体制がここ1年ほどで大分整ってきたかなと思います。そのかいありまして、私どもでも岩美道路の建設のための予算配分など、配慮が見られるかなと、手応えも感じます。今後ともこうした3府県の連携を議会ベース、また我々執行部ベース、また国会議員の連合体としてやっていく、こういう体制が重要かなと考えております。
山陰近畿道につきまして、大きな問題は、山陰道、それから鳥取道、それと山陰近畿道、3つを結ぶ、そこのジャンクションの問題でございまして、ここが全くの白地になっています。これにつきましては、県と市と、それから国とで協議機関を早期に設置をしたいと今申し入れをしておるところでございます。若干その京都や兵庫と、そうした国道との関連でのめぐる状況は違うところはありますけれども、共同して山陰近畿道を早期に完成させるということを働きかける。また、片方では戦略的、戦術的に、スタティスティックスとして、それぞれの地域の解決を地域ごとにも現場でやっていく。この両方向でやっていかなければ物事は動かないかなと認識をいたしております。
山陰新幹線についてでありますけれども、議員のようなお考えもあるわけでございまして、それを受けて、例えば関西広域連合、それから中国知事会でも同様の議論をさせていただいております。関西広域連合では京都や兵庫の賛同も得ながら、山陰新幹線の検討をすべきだということが連合の要望としても盛り込まれるようになりました。中国地方につきましては、まだ沿線地域の思惑といいますか、温度差がございまして、そういう明快な形では入っておりませんが、高速鉄道を推進をしていくということでは、協調的な環境ができてきたかなと思います。また、これは、ある程度時間をかけてやっていかなければならない課題ばかりでございまして、腰を据えて、戦略的に今後も進めてまいりたいと思います。
○藤井議員
北条道路、わざわざミッシングリンクをつくるような提案が出されて、直接出向かれて要請をされたということですけれども、実際あれは知事が希望された方向にきちっと訂正されていくものでしょうか。
●平井知事
これは、今計画段階評価への調査が進められておりまして、その中で、北条道路をどういうふうに整備をするか、山陰道として整備をするかということでありました。第1案としては、西半分の6.5キロにつきまして、一般道のまま置くという案であります。第2案としては、全体を、これを山陰道の自動車専用道路として整備をするということでございました。その選択肢が2つ示されたことで、地元でいろんな波紋が広がりました。緊急に国に申し入れに上がらさせていただき、先般国土交通省の徳山道路局長、それから自民党のほうの担当者でいらっしゃいます国土交通部会長、赤澤議員に要請をさせていただきました。赤澤議員は当然その第2案のほう、全線道路専用道でやってもらわなければいけないよというようなお話を強調され、徳山局長のほうからも、地元の意見をこれから聞きながら進めていきますと。ただ、きょう、知事、それから松本町長が、北栄町長が期成同盟会の立場でお見えになりましたが、こういう地元の意見があるということであれば、そうした第2案を軸に検討が進んでいくのではないかという見通しをおっしゃいました。大分、そういう意味では、一つ押し戻したといいますか、第1案のほうの狭めた格好にはなっていると思いますが、これから専門的知見に基づく検討が進められます。また、地元でのアンケート等の調査が進められます。そうしたことを乗り越えていきながら、結論が出せるわけでありまして、我々としては、これからその結論が出るまで、第2案のほうでいくように、今後も展開をさせていただきたいと思っております。
○前田議員
2点お話ししたいと思いますけれども、知事、まず、4番目の話です。
法人税の実効税率を下げることについてです。企業の活動の活性化のためには理解はできるのですけれども、法人税関係の6割が地方財源に充当されておるというのも事実でして、この代替財源の議論をなしに、骨太の方針に先行されますと、大変私たち地方は財源不足になるというのは明らかでございますので、強く代替措置の財源を要求していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
●平井知事
これにつきましては、この要望の趣旨の中でも、代替措置により必要な地方税財源を確保することと書かせていただいております。これはもっと強く表記すべきということであれば、そこを検討させていただきたいと思います。これは、現在まだ与党内の調整事項かと思います。現在自由民主党の税制調査会の場での議論が進んでおりまして、その中で、代替財源を措置しながらやっていくということは、議論されているという報道だと思います。現実には、まともにやりますと5兆円ほど財源が失われます。これは、消費税でいうと2%相当でありまして、消費税を例えば8%から10%に上げて、それが丸ごとなくなるというような、極論するとそういうことになりますので、これは我が国の財政運営としていかがなものかと。財政当局のほうも大分反発が強うございますし、税制調査会でもそうした議論もなされておりまして、バランスをとりながら、実効税率は下がるけれども、税収は確保されるという方向を狙っているというふうに思います。
一つのアイデアとして、法人税のうち、法人課税のうち、地方税の、私ども県税で法人事業税があります。これにつきましては、外形標準課税というのを今一部導入をしております。その外形標準課税に切りかえていくことで、実効税率というものは下がります。これを取り入れながら、代替財源も外形標準課税で法人事業税の中で確保するという方策をどうも検討されているようでございまして、これを注視する必要があるかなと思います。これは、大企業、資本金1億円というところを目安にしまして、それも大企業のほうへの外形標準課税で現在なされていまして、それを中小企業のほうに移しますと、これは大変に県内は中小企業が多いので、影響が多いわけでありますが、大企業ベースですと、余り大きな影響はないかもしれません。それで税収が本当に確保されるのであれば、地方側としても容認し得るものかなというのが全国知事会のこの担当委員会のほうでの議論でございます。ここはよく注意をさせていただいて、総額がきちんと確保されるように、法人実効税率の議論がとんだ税収減にならないように働きかけをさせていただきたいと思います。
○前田議員
今、知事がおっしゃいましたけれども、私が心配しておるのは、外形標準課税のその資本金1億円以下に拡充するのだということで、非常に地方の企業活動が停滞するおそれがありますので、これをないようにというようなことも表現していただきたい。大企業のほうにしてくださいということを主張していただきたいと思います。
次に、畜産関係でございます。20番で牛乳の件があるのですけれども、TPPで畜産問題が一番焦点になっておりますが、畜産農家は今非常に悲鳴を上げております。1つは、例のマルキンの問題、生産費と販売費のギャップを今8割補塡していますけれども、これを引き上げてほしいという農家の声もあります。それから、輸入飼料の高騰で、とても農家経営が、生産費のうちの飼料代がもう6割、7割になるのだという危機的な声。それから、さらに、飼料米への転換、要は今飼料は1キロ25円なのですが、飼料米に転換すると1キロ30円になる。この5円の問題もあります。
きょう、さらに申し上げたいのが、予防接種の話です。獣医さんに聞きますと、牛はほぼ人間と同じような病気になるのだそうです。ですから、流行性感冒もありますし、下痢もありますし、いろんなもう病気があるのですけれども、予防接種を今しているのですが、獣医師の技術料の一部負担を国と県がやっているわけでありますが、この制度が本年度でなくなるのだそうです。ここも農家の方は非常に心配しております。というのは、流行性の病気ですから、予防接種する農家としない農家が混在しますと、大変なことになるわけでありますが、ここらあたり、畜産関係の要望というものを強く国に要望していただきたいと思います。
●平井知事
詳細は農林水産部長のほうからお話をさせていただきたいと思いますが、議員のおっしゃるような、そういう農業、今大変不安感もあります。特に畜産がEPAやTPPもありまして、配慮が必要な分野だと思いますので、重点的に要望を組まさせていただきたいと思います。
マルキンにつきましては、私も農林大臣のほうに要請に行きましたし、これまでもさせていただいておりますが、農林省はまだかたくて、マルキンの改善という方向に今のところ動いていません。ぜひ要求の中にも明示をさせていただいてやっていく必要があろうかと思います。
その他の諸課題につきましても、期限切れのものとか、重点要望、最重点要望でそれぞれ要望させていただければと思います。
●岸田農林水産部長
マルキン等については、知事のほうから答弁したとおりでございます。
あと、予防接種の関係でございますが、副議長が言われたとおり、本年度で予防接種の一部助成というのが終了になります。部としても、来年度以降の対応について、これをまだ検討いたしておりません。早急に地元農家の意見を集約しまして、できれば追加して要望するような方向で検討してまいりたいと思います。
○安田議員
2ページの5番、高速道路ネットワークの早期整備についての中の米子市-境港の道路のあり方の検討促進というふうに要望が出されておるのですが、ちょっと意味がよくわかりません。それで、このあり方につきましては、国交省、県、地元、そして境港管理組合で、あり方勉強会を開いておられるわけですが、この会との整合性はどうなっているのでしょうか。国に対してあり方の検討促進という要望はどうかなというふうに私は思います。整備促進という表現だったら理解できるのですけれども、その辺ちょっとお答えをいただきたいと思います。
●平井知事
詳細は県土整備部長からお答えをさせていただきたいと思いますが、今、地元のほうで国、市、それから県が入りまして議論をさせていただいておりまして、当然ながら、将来構想としては何らかルート設定をしていくということだと思いますが、ちょっとそこのところの不明確な部分もあって、遠慮ぎみに書いてあるということだと思いますが。
○安田議員
遠慮ですか。余りにも遠慮が過ぎる。
●長谷川県土整備部長
米子・境港地域の道路のあり方勉強会、これは平成24年8月に設立されて、今まで3回開催されております。この中に、国と県が事務局になっております。そして、国が中心となっていろんな資料をつくっていただいておるという、こういう背景がございます。そして、この中には、もちろん予定路線となっております米子-境港の高規格道路のことも入っております。これは事業主体としては当然国の責任の路線かなと、こう思っております。そういうことでありますので、知事がおっしゃったように、多少遠慮ぎみかもしれませんけれども、今そういう観点でしっかりとあり方を勉強しながら、地域の合意形成を図っていく段階というふうに考えておりますので、御理解お願いしたいと思います。
◎野田議長
安田委員、よろしいですか。
○安田議員
遠慮が過ぎる。もう少し強い要望にしてください。
○内田(隆)議員
済みません、安田議員の関連について質問させていただきます。
この厚いほうの9ページと10ページ、要望事項で、山陰道-鳥取市福部町と計画段階調査の促進と、10ページを見比べると、私も安田委員と同様に、余りにも大きな落差があるなというふうに思わざるを得ません。それで、遠慮ということは構わないのですけれども、ここにおいて、米子市-境港の道路のあり方の検討促進の文章の中で、黒抜きになっておるのが、主要な幹線道路等のあり方の方向づけに向けてというところをわざわざ黒抜きにされております。それを翻ってみると、何か鳥取のほうはすごく整備促進の相乗効果を向上させるために、現道区間の慢性的な交通渋滞を緩和するためとかと丁寧に書かれていて、渋滞、渋滞、渋滞とかというふうに、日量交通台数のところにも注記があって、ここの近畿自動車道とか高速交通網だけではなくて、現道の部分の検討もきちんとしてくださいねということをきちんと書かれておるのですけれども、10ページは、それを求めておるのにもかかわらず、米子市-境港市の渋滞緩和と書いてあるのですよ。求めておるのが現道区間のことのあり方の検討も求めておるのですから、ここもこの要望の仕方の内容について、現道とか、渋滞とか、書き方をもうちょっと検討していただきたいなというふうに思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
せっかく日量交通台数がきれいに出ておるのですよ。でも、書いてあるのは慢性的渋滞区間といって、431のところしかラインを引っ張っていませんので、そこ以外にもたくさんありますよね。だから、詳細にわかるようにして、実際のあり方の含めた検討を求められるべきだと思いますけれども、よろしくお願い申し上げます。
●平井知事
詳細は、県土整備部長からお答えを申し上げたいと思いますが、別にこれは議会との協議の中で、共同してこの要望書をつくっていきますので、表現の細部につきましても、今後調整させていただきたいと思います。
○山口議員
原子力防災対策を、きちっとやはり強力に推進しなければならない。しかも、それというのは県がリーダーシップをとっていってもらいたいと、そうですね。こういう形でやって、そうしなければ、地元がまとまらないとできないような状態ではないです。いつ原発事故が起きるかわからないし。こういう一つの大きなまた問題を抱えておりますので、積極性をひとつ示してもらいたいと、こういう形で私どもは要望したはずなのですけれども、わかったでしょうか。
●平井知事
これにつきましては、御要望も受けとめながら、我々も調整をさせていただいておりますが、現実に事業化を進めるということになりますと、やはり地元、通過する地点の了解がなければ動きません。現実を申し上げると、米子市は米子市議会……。
○山口議員
わかっておる。
●平井知事
では、やめておきます。
○山口議員
言われることはよくわかっておりますけれども、リーダーシップをとってもらいたいというのが…
◎野田議長
御意見はありますか。
○錦織議員
2ページ目の9番で、やはりちょっと一言言っておきたいのですけれども、山陰新幹線というのが、先ほど指摘されたものがありますけれども、この要望書の案を見ますと、20ページで見ると、ちょっと言葉が変わっているのですね。山陰新幹線を初めとする整備新幹線の整備がおくれている地方に対するということの言い方ですと、山陰新幹線、整備新幹線の整備をしてほしいということが第一義的に出ているので、ちょっとこれは今の県議会の議論の中でも非常に疑問も呈しておられるわけですし、県がこういうふうに出されるのはいかがなものかというふうに思います。そのことについてのちょっと御意見を伺いたいのと、それから、2ページの11番の斐伊川水系の中海の、これは継続になっているのですけれども、その真ん中の丸の中海の水質改善に向けて全国レベルで実施された流動や堤防開削に係る影響の調査等について、汚濁原因等の解明を図ることというふうにやって、これはこれでいいのですけれども、結局国が調査をしている、調査結果のまとめができているようなのですけれども、公開されていないということなので、その調査結果を公開するようにというふうに強く求められたほうが私はいい、そういうふうな文章に変えていただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
●平井知事
後段につきましては、これは生活環境部長のほうからお答えをさせていただきたいと思います。
前段につきましては、今20ページの表現は、まさにそのとおりに書いてあるだけでして、山陰新幹線を初めとする整備新幹線の整備がおくれている地方に対する在来線を含めた総合的な高速鉄道網の整備の方向性を示すこと。議員が今おっしゃったのは、山陰新幹線だけに限定しているように読めるというのですけれども、これは国語としてはそういうふうに書いていなくて、整備新幹線の整備がおくれている地方について、在来線も含めて、検討してくださいと書いてあるわけですから、余り差しさわりがないように思います。いずれにいたしましても、議会の終盤まできちんとすり合わせをさせていただいて、要望書として取りまとめをさせていただきたいと思います。
●中山生活環境部長
この要望の趣旨といたしましては、今まで国なり、国交省、環境省のほうでさまざまな調査が行われておりますので、そうしたものの適時の表明なり解明も含めた、地元への情報提供も含めた解明を図るというような趣旨で書いておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○錦織議員
11番のほうで、中海のほうなのですけれども、やはりきちんと要望を書かれたほうがいいと思います。
◎野田議長
御意見も尽きたようであります。
本件につきましては、各会派において協議の上、御意見があれば、6月17日までに議長に御提出願います。その後、取りまとめて執行部にお返しすることといたしたいと思いますが、御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、そのように取り扱うことといたします。
以上をもちまして、本日の議員全員協議会を閉会いたします。御苦労さまでした。
午前11時39分 閉会
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