会議の概要
午後3時30分 開会
◎横山委員長
ただいまから総務教育常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
今回の常任委員会は、陳情、総務26年14号、公務員獣医師の処遇改善(諸手当及び給料表関係)について、陳情の提出者の方から願意をお聞かせいただくとともに、忌憚のない意見交換をさせていただき、当委員会が審査する上での参考にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、安田委員と谷村委員にお願いいたします。
それでは、陳情、総務26年14号、公務員獣医師の処遇改善について、陳情提出者からの意見聞き取りを行います。
お手元にありますように、本日は陳情提出者の2名の方に御出席いただいております。
ここに、公益社団法人鳥取県獣医師会会長の前田茂樹氏と副会長の福井清二氏のお二方にお越しいただきました。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
本日は、お忙しい中にもかかわらず御出席いただき、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。
それでは、早速ですが、議事の順序等について申し上げます。
最初に、陳情提出者に平成26年8月8日付で御提出いただいた陳情の内容、趣旨を御説明いただき、その後の各委員の質疑にお答えいただきますようお願いいたします。
陳情提出者におかれましては、意見を求められた事項について発言していただくとともに、発言に当たりましては、私、委員長の指示に従っていただきますようお願いいたします。
なお、本委員会におきましては、陳情のうち諸手当及び給料表関係についてのみ審議することといたしますので、本日の御説明につきましても陳情事項の1から3までの説明としていただくようお願いいたします。
それでは、御提出いただいた陳情について、陳情提出者から説明をお願いいたします。
よろしくお願いします。
●前田参考人
立ってしましょうか。
◎横山委員長
そのままで結構です。
●前田参考人
こういう場を設けていただきましてありがとうございました。獣医師会の前田でございます。
近年、人やもの、動物もですが、非常に交流が多くなりまして、病気の面からいったら余り好ましくないのですけれども、やはりこれはそういう情勢だということで、いろいろな動物の疾病、これもかなりふえてきております。
今回、私などが処遇改善について陳情させていただきましたのは、県に勤務する獣医師の処遇を何とかもう少し改善していただけないでしょうかということでございます。
背景につきましては陳情理由のところに少し書いておりますが、今、県に勤務している獣医師は、畜産分野と公衆衛生分野、それと環境衛生分野の3つの分野で、大体100名勤務されております。我々の会員は300名ですので、大体3分の1は県の職員の獣医師ということで、非常に比率が高くなっております。
最近では御承知のように口蹄疫が宮崎県で出たり、鳥インフルエンザが出たりということで、伝染病の発生予防あるいは蔓延予防というようなことで、県の獣医師、行政が一手に担当するべきものでございますし、それと公衆衛生分野でも、最近、食肉の安全・安心ですか、これらにも非常にうるさくなりまして、いろいろな規制もされているところでございますが、これらの監視を獣医師がやっているということでございます。それと環境分野でございますが、これは産業廃棄物の関係とか、あるいは自然環境の保護、こういうものも含めていろいろ獣医師の活動がなされております。一旦こういう体制が崩れますと、防御できないといいますか、非常に被害が大きくなってくるということで、公務員獣医師の確保というか体制というのは私などはとても重要なことだと考えております。
今回、ここに陳情させていただきましたのは、新しく獣医師の資格を取るのが全国で毎年大体1,000名でございます。その中で、最近、動物病院といいますか、ペット、そういう関係の志向が非常に強くて、女性が多くなったということもありまして、なかなかこういう産業動物なり、かなりきついといいますか、そういう職務につく希望者がだんだん少なくなっているということで、いろいろ近年、県の担当のほうに聞きますと、採用がなかなか困難だというようなことで、我々獣医師会としてもそういう重要な任務を持っている職種を、やはり体制をきちんととっていただきたいということがございまして、このたびの1から3を要求させていただいております。
1番につきましては、今、人員確保するために、初任給調整手当というのが月に3万円、獣医師はついております。これは6年間で少しずつ減らしていくということで、6年間手当が出ます。これを他県の例を見ますと10年間、北海道等はちょっと特別ですけれども、20年間ぐらいやっています。そういうところもありますが、額を増やすのと同時に、支給年数も延ばしていただきたいということが一つでございます。
2番の家畜衛生及び公衆衛生の最前線において職務を遂行する保健衛生所、食肉衛生検査所及び保健所に勤務する獣医師に対して、獣医師手当、いわゆるこれは鳥取県の場合、特殊勤務手当というようなことで出されておりますが、食肉のほうは月額2万2,000円支給されているようです。一方、家畜保健衛生所で例えばしょっちゅう解剖したり、そういう業務に携わっておる人は、解剖で1日1,200円ということで、毎日ではないのですけれども、この手当は業務にあった日だけ支給されておるということで、その辺もやはり上げて、トータルで少し実入りがよくなるような、そういう勤務状況にならないかということでございます。
3番目の医療職給料表、これは医師が対象ですが、公務員獣医師への適用、なかなかこれは全国的に、獣医師会、いわゆる日本獣医師会のほうも運動しても、かなり大きなハードルだということでございますが、獣医師も6年制になってから既に30年ちょっとになりまして、修業年限も6年制になったところでございます。こういうことで、やはりそれに準じる、そういう新しく給料表を設定していただきたいというようなことでございまして、この3点につきまして、陳情を申し上げたところでございます。
◎横山委員長
陳情提出者の説明は以上です。
これから質疑を行っていただきますが、委員の皆さんにおかれましては、簡潔な質問と発言前後のマイクのスイッチの切りかえをお願いいたします。
それでは、委員の皆さんから陳情提出者に対して質疑をお願いいたします。
○伊藤(美)委員
前田会長さん、私が聞くのはおかしいですけれども、鳥取県の獣医さんというのは、新たに入る方が今のところ聞いたとおりで少なくて、年代がぐっと上に上がってきておると。ということになると、ある一定の基準になると今度は極めて少ない状態になるという、その辺の認識はどういうふうに考えておられますか。
●前田参考人
今、採用年齢制限というのを解除をしておりまして、年齢を問わないということで募集をしているのですけれども、若い人の応募がやはり少ないということで、あと10年から15年たったら半減してしまうのではないかというふうに考えています。今、退職を迎えておる、もしくは退職が近い人がかなり人数が多いものですから、そのような懸念をしております。
○伊藤(美)委員
というのは、先ほど話があった、獣医さんは年間1,000人ぐらいだったけれども、よく県職員のOB会などでも言われますけれども、産業動物のほうに来る割合が非常に少なくて、ペットだとか、そういう獣医さんあたりが非常に多いと、そういうことを言われますけれども、やはり実態はそのとおりですか。
●前田参考人
鳥取県のペットの数というのが鳥取県はもちろん人口も少ないですから少ないです。今、25ぐらい動物病院があり、大体適正規模といいますか、もうこれ以上になったら過当競争になってしまうかなとは思っていますけれども、そちらのほうの希望、若いそういう新しく資格を取った人は、それでもやはりペットの意向が強いのですよね。女性は楽なということもある。だから産業動物のほうは確保がかなり難しい状況ですね。
○伊藤(美)委員
獣医さんの実態をちょっと聞いてみますと、例えば子供が生まれるときなどは夜も昼も関係ないと、電話があればすぐ往診みたいですね。産業動物のほうは。ですから、もしそういうのが3件も4件も、しかも子供というのは集中的に生まれることがあると、ですから徹夜することもよくあるという話を聞きますけれども、そういうところではやはり女性の獣医さんというのはなかなか能力的にえらいこともあって、そういうペットのほうに行かれるのが多いのかなという気はしますけれども、労務実態というのは、普通の県職員の獣医さんというのは、夜の仕事というのはどうなのですか。
●前田参考人
県職員は直接はございませんが、一旦伝染病等が出ますと、いわゆる病勢鑑定といいまして、例えばインフルエンザだとか、そういうことの同定のためにはやはり夜を徹して検査しなければ早い結果が出ないということですので、そういう夜の仕事というのは現実にあるようです。
○伊藤(美)委員
数年前、宮崎で口蹄疫が出ましたね。あれはその前に出てきたのが鹿児島県だったと思います。鹿児島県ではすぐ公道の閉鎖とかなんとかで拡大が少なかったけれども、宮崎はそれが非常にラフで、期間も遅かったと。だけれども、これ、獣医さんがどこまでかかわるかという話は別にして、鳥取県からも応援に行かれたという話を聞きますけれども、その辺のあれはどういう格好で行かれたのでしょうか。
●前田参考人
県にも獣医師会にも要請が宮崎県からありました。それで県の職員は、ちょっと延べはよく知りませんけれども、人数でいくと3名ですか4名ですか、家畜保健所の職員が応援に行ったようです。そこで感じたのが、宮崎県は大きな県で、牛や豚の非常に規模の大きいところに、組織を中央家畜保健衛生所というので、支所は置いておるのですけれども、非常に情報が入りにくいような、いわゆる集中管理体制にしてしまっているというようなことも一つあったかと思います。末端の情報が入らずに広がっていったというのも一つあるかと思いますが、そういうところを見ますと、余りむげにそういう組織の合理化というようなことをやってしまいますと、そういう面からいったら非常に宮崎の例を見ると危険なことだろうと思いますし、そのような感じを受けております。
○広谷副委員長
ちょっと確認させていただきたいと思うのですけれども、先ほどの説明の中で、県内で獣医師が300人おって、そのうち100人が獣医師の県の職員だということだったですね。それで、年齢がだんだんと高くなってくるという中で、今、獣医師の資格を持った県職員の採用枠というのは埋まっておるのですか、不足なのですか、現時点で。ちょっとそのあたりを。
●前田参考人
ちょっと詳しいことはわかりませんけれども、きょう打ち合わせというか、午前中ちょっと寄ってみたら、さっき言いましたように年齢制限を取ってしまっていますから、リタイアされた人、ほかの例えば職場というか、民間団体をリタイアされた人とか主婦になっている人をもう1度県職員の獣医として採用されたというようなことで、何とか間に合っておるということは聞きました。けれども、今、食肉検査所等は女性が多いものですから、子供さんが生まれるとか、そういうのでどうしても産休をとられたりされるということで、臨時職員としてそういう資格を持った主婦の方を短期に雇い入れられているということを聞いております。
○広谷副委員長
今回の陳情は処遇改善という陳情なのですけれども、県の取り組み状況を見ると、鳥取県の現状は、全国的には平均的な状況だという中で、処遇改善して果たしてどんどん獣医師が県の職員として採用というか、募集かけてくるか、そのあたりはちょっとどんなかなというふうに思うのですけれども。というのが全体で300人おって100人でしょう。あとの残りの200人というのはどこで、ペットの病院は20、30という中で、家畜共済組合の獣医師もおるでしょうけれども、何かもうちょっと応募してくる獣医師がおってもいいのかなと思ったりするのですけれども。
●前田参考人
今言われるように、例えばここの待遇を、県の待遇を幾らかよくしたら集まって、ちゃんと希望する人が確保できるか、ちょっとそれはやってみないとわからないところがあるのですけれども、やはり今よりも少しは声かけやすくなって、鳥取県に県職員として希望される人もふえるのではないかと我々は思っていますけれども、実際はやってみなければわからないところはあります。
会員300名と言いましたけれども、資格を持った人が、全く私はもう主婦になってしまってと言って獣医師会に入っていない人も30名か40名ぐらいおるのではないかと私などは思っていまして、そういう人もなるべく主婦でとおっしゃらずにそういう分野にも出たら……。
○広谷副委員長
県の職員の獣医師というのは、実際に現場というか、農家、例えば牛や豚を飼っておる農家に行くということは少ないのではないかなと僕は思う。家畜共済組合の獣医師のほうが多いと思うのだけれども。
●前田参考人
共済組合も家畜の診療をしています。けれども共済も人が少ないということもありまして、家畜保健所の職員などは農家回りというのは結構やっています。例えば鶏関係等は非常に共済の対象というか、農業共済に入っていないのですね。だから家畜保健所が直接やらないと、そこを見る人というか、相談に乗る人もいないというような形で。共済は牛と豚だけです。
○広谷副委員長
鶏は入っていないのですか。
●前田参考人
はい。
○森委員
先ほどの会員さんのお話を若干聞きたいのですけれども、県の職員を60歳で定年退職した方々もこの300人の中には入っておられるのかどうかということと、2点目には、ペットの病院が25カ所、動物病院があるというお話でしたけれども、私もうちで飼っていた、子供が拾ってきた猫が交通事故に遭って1週間入院させたら10万円で、キャインと言いましたけれども、すごい高いなということを思って、結構ペットの病院というところの獣医師さんの年収とかというのは大体どれぐらいのものなのか、あるいは月額にしてどれぐらいあって、例えば今の県職員と比べてどうだとか、そういうような数字とかはお持ちでしょうか。
●前田参考人
数字は持ち合わせておりませんけれども、今言われました県のOBもそこの300何人の中には入っております。これは結構人数がありまして、300人のうちの70人ぐらいはそういう県のOBがおったり、今、実際の現場からもう卒業されて離れたという、だから組織としてはかなり老齢化はしていますけれども、そういう現状です。
フリーの人、それと公務員以外には、大学もありまして、大学も結構獣医師がおりまして、30名ばかりおります。それと団体もあります。さっき言いました農業共済などです。その方とかということで、300から大体100名程度の県職員を引いた200名がそういう構成です。
○森委員
済みません、ちょっと重ねてなのですけれども、そうすると、今、300人の会員さんの中で実際に獣医の業務をやっておられる方というと、県職員の100人を含めてどれぐらいになるのでしょう。
●前田参考人
県がざっと100人と申し上げましたが、それとさっき言いました農業共済関係があります。農業共済が15名ぐらいおるということでして、それと、開業という形ではないのですけれども、例えば人工授精をやったり、そういう獣医さんも何名かおられまして、そういう方も獣医師の資格は持っていますから、そういう方が例えば何かの緊急の場合に対応しろということだったらできる可能性はあります。
◎横山委員長
そのほかありませんか。
○藤縄委員
1点だけちょっと教えてください。近隣の大学を卒業されて、資格を取られて、そういった方々の行き先というか、鳥取県にどれぐらい就職されたか分かるデータは持っておられますか。
●前田参考人
今、手元には持っておりませんけれども、調査はあります。また後ほどそういう参考になる資料が見つかりましたら送らせていただきたいと思います。
○藤縄委員
やはりそこも一つポイントになるのかなと思って今伺っておりましたので。
●前田参考人
都会に獣医大学もあるものですから、私立が5つと公立が1つと国立が10ということで、国公立で11あります。鳥取県出身者もそこの都会の例えば私立大学に行ってしまいますと、なかなかこっちに帰らないのですね。やはりそこでペット、そういう動物病院の需要が多いということかもしれませんけれども、そこに居ついてしまうというか、その名簿はわかっていますので、こっちが声かけてもなかなか鳥取県に帰ってくれないというのが現状なのです。
◎横山委員長
そのほかありませんか。
困るな。跡継ぎがいなくなるとえらいことになりますね。
●前田参考人
はい。それでやはり人の医療関係と同じように、獣医関係も、例えば日南だとか、あちらには家畜、和牛などは結構おるのですけれども、いわゆる無獣医地区といいますか、そういうことができ出しまして、智頭だとか若桜だとか、そこら辺の診療とかをどうするかというのが一つ、今、畜産課のほうも悩みになっておるようです。
○安田委員
そうすると、県職で100人、獣医師さんがいらっしゃって、それで年齢制限を外して採用しておられるとかということは、60以上の方という意味ではなくて、新規の採用の年齢制限を外して、ちょっといった人でも入ってもらっているということですか。
●前田参考人
先ほど言いましたように、一旦家庭のほうに引退されておったような人でももう1回、年齢制限を今つけておりませんので、県の職員で入ってもらうと、あるいは臨時職でも仕事してもらうというような形をとっているということで、聞いてみるとかなり年の方が多いようです。
○安田委員
そうすると、臨職の方というのはどのぐらいいらっしゃるのですか。
●前田参考人
ちょっと数字を持ってきていません。
○安田委員
100人という数字は一応枠を満たしているわけですか。今現在不足しているのですか。
●前田参考人
今、担当課に聞きますと、一応はおさまっているということです。けれども非常に苦労されているのは苦労されているということです。
○安田委員
わかりました。
○伊藤(美)委員
きょうは議場で知事のほうは和牛振興で、新たな振興策というのですか、戦略的な振興というような話をされましたけれども、それこそ和牛がしっかりおって、さっき言われた無医村というのか、緊急に病気になっても間に合わないような、そういう町村ができてきたという話は初めて聞きましたけれども、その危険性というのはやはりあるのでしょうか。
●前田参考人
例えば狂犬病予防注射というものをやっておりまして、それを見ると、米子のほうに住所のある病院の方が日南などは手分けして、こういうのはちゃんと日程が組める病気というか、その対策、それはできますけれども、今言われました緊急の場合などにどうするかということは課題になってくると思います。
○伊藤(美)委員
私は農業大学校におりまして、とにかく酪農だとか和牛というのは獣医さんがおられて、しょっちゅう生徒から電話がかかってきて、家から出かけてきて、診断しておられたです。やはり主として大家畜、あるいは豚というのは、そういう緊急な病気、それからほかから入ってくる予防というのですか、これあたりがやってくると、結構ハードだハードだという話を畜産のといいますか、獣医さんから聞いておったりしましたけれども、実態はどうですか。
●前田参考人
それこそ予防注射等で予防できるものは予防注射、ワクチネーションしたらいいのですけれども、やはりそういう病気だけでなくて、例えば難産とか、お産などのときには、今、家畜の改良をし過ぎたせいか、自然分娩というのはないのですよ。みんな獣医師が介在して出さないと産めないとか、そういう状態になっていますので、そういうのは夜中だろうと何だろうとしょっちゅう対応しなければいけないということになっています。
◎横山委員長
そのほかありますか。
何とかして獣医師の処遇改善をして充実が図れればいいなと思いますので、努力したいと思います。
意見も尽きたようですので、このあたりで質疑を終了いたします。
陳情提出者は御退席いただいて結構です。ありがとうございました。
次、その他ですけれども、委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見もないようですので、以上をもちまして総務教育常任委員会を閉会いたします。御苦労さまでした。
午後4時04分 閉会
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