傍聴議員 なし
説明のため出席した者
岡村商工労働部長、岸田農林水産部長、山田企業局長、田栗労働委員会事務局長、ほか課長、関係職員
職務のため出席した事務局職員
木村課長補佐 若松課長補佐 西村主事
1 開会 午前10時01分
2 休憩 午前11時47分
3 再開 午後 1時00分
4 閉会 午後 1時55分
5 司会 興治委員長
6 会議録署名委員 浜崎委員 銀杏委員
7 付議案件及びその結果
別紙日程表及び下記会議概要のとおり
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会議の概要
午前10時01分 開会
○内田(隆)副委員長
ただいまから農林水産商工常任委員会を開会します。
本日は、鳥取県議会委員会条例第8条により、副委員長が委員長の職務を行います。
日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、浜崎委員と銀杏委員にお願いいたします。
それでは、ただいまから本委員会に付託されました議案について審査を行います。
まず、付託議案に対する質疑を行っていただきます。
質疑がないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。
○市谷委員
それでは、議案に対する討論を行います。
まず、議案第1号の補正予算です。漁業就業者確保総合対策事業は新しく漁業を始める方が漁船購入や機械整備をする際の支援ですが、その補助率を3分の1から、もとの2分の1に戻したことは本当によかったと思っています。しかしその一方で、アベノミクスによる円安で燃油代が高どまりしています。これから国が燃油高騰対策を組むそうですが、前回の議会でも提案しましたとおり、県としても積極的に漁船の燃油代支援をすべきです。また、米価暴落で農家からは悲痛な声を聞いています。国が需給調整をしなかったことが一番の問題ですが、国が対策をとらなくても鳥取の米生産を支えるため県として直接補塡をすべきですが、これがありません。そして、こうした安倍政権の施策、政治の失敗で痛めつけられている第1次産業に対しての補塡はしないで、誘致企業であるモリタ製作所に対し、企業立地補助金は特定製造業加算、大量雇用加算、リスク分散加算も含めて約12億円、工業団地整備は軟弱地盤であることを理由にした特別措置も含めて10億円、倉吉市が行う起債の利子補塡で約7,000万円と合計約23億円の支援です。米価下落による県内農家の損失は52億円とのことですが、これには支援しないでモリタ製作所1社だけにかかわって合計約23億円の支援は余りにも過剰です。しかも倉吉市の負担が約18億円の起債、借金で賄われることは問題です。倉吉市のことであり、また幾ら100名の雇用が予定されているとはいえ、今の制度のままでは市町村が借金をして子供たちに負の財産を残してまで企業誘致することに県がお墨つきを与えることになります。このまま認めるわけにはいきません。よって、議案第1号には反対です。
また、議案第4号、第5号、第16号は特段の変更や問題がないと思われるため、議案第18号と議案第12号の当委員会の所轄案件は県民や県内企業の施設利用料の負担軽減となるため、議案第22号は管理職職員の平日深夜の勤務を特別勤務手当の対象とすることは必要であることから、以上4号、5号、12号、16号、18号、22号の議案は賛成です。
○内田(隆)副委員長
討論が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
それでは、まず市谷委員より反対のあった議案第1号を採決し、その後、反対のあった議案以外を一括して採決を行いますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、議案第1号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成多数であります。したがいまして、議案第1号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第1号を除く全ての議案について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員であります。したがいまして、議案第1号を除く全ての議案は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、報告事項に移ります。
質疑については説明終了後に一括して行うこととします。
なお、報告1、地方独立行政法人鳥取県産業技術センター第3期中期目標の策定については
11月19日の常任委員会において報告を求めたものであり、詳細に吟味したいことから、それ以外の報告及び質疑、その他を終え、担当課以外の執行部に退席をいただいた後、説明を求めたいと思いますので、執行部及び委員の皆様は御了解いただきますようお願いいたします。
それでは、報告2、年末相談窓口の開設について、谷口労働政策室長の説明を求めます。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
商工労働部の資料の別紙をお願いいたします。
年末に離職された方や県内就職を希望される帰省者の就業相談、生活に困窮されている方、住宅に困っている方などの相談に対応できるようにするため、年末相談窓口を開設いたします。12月29日、30日の2日間、午前10時から午後6時まで、面談と電話による相談をお受けいたします。
就業相談につきましては県内3カ所のミドル・シニア仕事ぷらざの窓口で、生活や住まいに関する相談につきましては県庁本庁舎県民室において、とっとりパーソナルサポートセンター、鳥取県社会福祉協議会及び県の担当課が共同で窓口を開設してお受けいたします。
なお、中部、西部には生活、住まいの相談窓口を設置しておりませんけれども、県庁への電話相談のほか、ミドル・シニア仕事ぷらざで総合相談を受け付けまして、その場で県庁の専門電話相談窓口につなげるなど、各窓口が連携して対応できる体制を整えます。県民の皆様には、新聞広告や折り込みチラシ、県のホームページによりお知らせすることとしております。
○内田(隆)副委員長
報告3、緊急雇用創出事業の平成26年度の追加執行状況について、小林就業支援室長の説明を求めます。
●小林雇用人材総室就業支援室長
商工労働部本体資料の3ページをごらんいただきたいと思います。
緊急雇用創出事業の平成26年度の追加執行状況でございますが、当該事業の今年度の予備枠につきましては、1の執行状況の表中の(3)に記載していますとおり、6,500万円余となっているところでございます。そのうち、(4)の報告済み額といたしましては、4,600万円余となっております。ここにつきましては注を入れておりますが、前回報告させていただいております額に事業の管理運営費のコーディネーター1名分を充当することとしたため、金額は修正させていただいてるところでございます。この金額を合計いたしまして、今回御報告させていただきますが、(5)に記載していますとおり、350万円余となっております。具体的には下の2に記載しています県内展示会・ウェブを活用した民工芸振興事業でございます。これらを合わせまして合計で5,000万円余となっております。
○内田(隆)副委員長
報告4、緊急雇用創出事業の予備枠による事業の追加実施について、太田販路拡大・輸出促進課長の説明を求めます。
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
資料の4ページをお願いいたします。ただいま小林室長から御説明のありました緊急雇用創出事業である地域人づくり事業を活用いたしまして、展示会やウエブを活用した民工芸振興事業を委託することといたしましたので、御報告いたします。
民間企業が1人雇用されまして、ウエブの活用や展示会の開催により、将来にわたり民工芸品の効果的な情報発信・需要開拓を行うことができる人材を育成するものでございます。具体の研修内容としては、先行的な工芸品展等での研修や都会の百貨店等での展示会の現場研修を行う予定としております。
○内田(隆)副委員長
報告5、平成27年産米の鳥取県生産数量目標について及び報告6、ビニールハウス用薪ストーブ「ゴロン太」の導入可能性試験について、村尾生産振興課長の説明を求めます。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
農林水産部資料の1ページをお願いいたします。平成27年産米の鳥取県生産数量目標(需要量)について御報告いたします。
国は11月28日付で米の生産数量目標を決定いたしましたが、それに伴いまして、鳥取県の数量も確定いたしました。
中段の表をごらんいただきたいと思います。平成27年産米、平成26年産米、そして差し引きを記載しておりますけれども、全国で3万ヘクタールの減少、鳥取県としては220ヘクタールの減少ということで、近年では昨年の670ヘクタールの減少に次ぐ大きな減少となりました。
そして一番右に自主的取り組み参考値とありますけれども、これは国が初めて各県に示したものでして、鳥取県ではこの数字を見ますとさらに200ヘクタール減った面積になります。この自主的取り組み参考値といいますのは、国が想定しています6月末の在庫量が大体200万トンという一定の基準があるそうでして、ここに199万トンとありますけれども、これだけ各県がさらに努力してもらえば目標値に近づくという値であります。国の言い方でいいますと、強制や義務ではありません、各県でいろいろ考えてくださいという数値であります。鳥取県では、この自主的取り組み参考値と本来の数量目標を併記して市町村には通知するようにしておりますけれども、方向としましては、自主的ではなくて通常のマイナス220ヘクタールのほうで取り組もうと話し合っております。
国の算定方法としましては、作況がことし101ということで、来年の在庫が6万トン程度増加するのではないかということと、毎年毎年8万トン消費が減少していることから14万トン削減して、結果こうなったという説明であります。鳥取県の数値としましても、全国に対するシェア率等を掛けまして、先ほど申しました面積になっております。
鳥取県の配分ルールでございますけれども、ここで1点修正をお願いします。鳥取県の配分ルールの2行目でございますけれども、平成26年12月の再生協議会総会で承認済みとありますが、これは平成25年度の間違いでございます。95%は前年つくった面積で各市町村に配り、あとの5%は市町村ごとの水田面積の割合で配ることとしていまして、ある程度激変緩和といいますか、市町村ごとのプラス・マイナスを平準化するような方式でやっております。
今回のこの数量を踏まえまして、各JA、再生協議会の幹事会等でも話し合いをいたしました。基本的には主食用米についてはきぬむすめをしっかりつくっていくということと、削減部分、転作部分につきましては飼料用米を中心に取り組むという方向で向かっております。あした県の再生協議会の総会でこの案を諮りまして、その後、年末年始にかけて農家に配分していくというスケジュールでございます。
2ページをお願いいたします。ビニールハウス用薪ストーブ「ゴロン太」の導入可能性試験について御報告いたします。
このたび園芸試験場の日南試験地にまきストーブを導入いたしまして、冬場のビニールハウス内でいろいろな作物を育てる上での試験を開始いたしました。鳥取県内ではビニールハウスは基本的に無加温でやっております。今現在、加温しているのは、花などの育苗の農家や数戸のイチゴ農家等でして、基本は無加温で栽培していくことになっているのですけれども、やはりビニールハウスの高度利用を考えますと、冬場のある程度の加温といいますか、夜間の保温が中心ですが、それもないとハウスの高度利用が図れないことから、岩手県の釜石市にあります石村工業を訪問いたしまして、いろいろ試験してみたいという相談をさせてもらいました。石村工業からは、無償で1台お貸ししますという返事をいただきましたので、12月3日に日南試験地に運び込んだという経過でございます。
特徴は、過去にペレットストーブのようなものもあったのですけれども、木材をそのままごろっと入れて燃やすというシンプルなものでありまして、煙突も6メートルぐらいの高さにすれば電気は要らず、しっかり燃えております。こういうものでいろいろ試験してみたいと。中段にあります試験運用の概要でございますけれども、今後コマツナやホウレンソウ、そしてシイタケなど、東北では結構シイタケハウスに使っていることがございますので、そういった温度の変化や実際にどういったまきの入れ方なりメンテナンスが必要なのかを試験地のほうで確認しております。木材は日野総合事務所の農林振興局が丸和林業と調整いただきまして、まきのほうも準備して取りかかっております。
今後につきましては、結果が良好でありますと、今現在、日南町で3戸のトマト農家がハウスの加温をやっておられます。4月ごろにそちらに持っていき、実際これを使っていただければと考えておりまして、もろもろ含めましてこういうストーブの試験に着手した状況でございます。
○内田(隆)副委員長
報告7、種雄牛「白鵬85の3(はくほうはちじゅうごのさん)」号の検定状況について及び報告8、鳥取市における高病原性鳥インフルエンザウイルス検出への対応結果について、津森畜産課長の説明を求めます。
●津森畜産課長
それでは、資料の3ページをお願いいたします。9月の常任委員会で百合白清2が日本一の検定成績を上げたと報告させていただきましたけれども、その兄牛に当たります白鵬85の3の検定成績が今週15日に20頭分そろいました。その成績の概要を報告させていただきます。
下のグラフを見ていただきますとよくわかりますけれども、枝肉重量におきましては百合白清2より若干劣る497キロであるものの、十分な大きさの枝肉であるということ、ロース芯面積、それからBMSナンバー、これはさしのぐあいである脂肪交雑を示す数字ですが、いずれも百合白清2を上回る数値を示しまして、肉質的には日本一の検定成績を塗りかえたところでございます。上物率である4等級以上も数値的には両牛とも100%ですけれども、一番トップの5等級率になりますと、ここでは数値は示しておりませんが、百合白清2が72%に対して白鵬85の3は90%というすばらしい成績をおさめました。検定成績では鳥取県が全国一、二の種雄牛を持ったことになりますので、これからこの種雄牛を活用いたしました本県の和牛振興、ブランド化の確立を進めていきたいと思います。
別紙でカラー刷りの種雄牛のPRチラシをお配りしております。成績と本牛の姿、それから枝肉の断面ではすばらしい肉質を示したものです。
続きまして、4ページをお願いいたします。鳥取市気高町で野鳥のふん便から高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されたことから、11月27日の常任委員会の日に庁内連絡会議を行いました。そのときは口頭で報告させていただきましたけれども、その概要について説明いたします。
11月26日に鳥取大学が独自に渡り鳥のふん便調査をしまして、27日にウイルスが確認されたところであります。それを受けまして、環境省等が現地に赴いて野鳥の確認等をしておりますけれども、野鳥について異常は認められておりません。
県の対応としましては、まず野鳥の関係ですけれども、県内全域を対象に野鳥の監視パトロールを強化いたしまして、東部、中部、西部、日野の飛来地を巡回しておりますが、異常は認められておりません。家禽につきましては、27日のウイルスの検出が確認された当日、100羽以上飼っている全ての農場に対して連絡をとり、異常がないことを確認しました。それから家畜保健衛生所が全ての農場に立入調査を順次行いまして、12月5日までに全ての農場を調査し、異常がないことを確認しております。
それと、別紙で宮崎県における鳥インフルエンザの疑似患畜というのを配らせていただいております。これはきのうになりますけれども、宮崎県の延岡市という、宮崎県と大分県との県境に近いところですが、ここの肉用種鶏場1農場から高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されまして、きのう宮崎県は早速、殺処分と埋却に取りかかっておりまして、全て終了したと伺っております。宮崎県は3キロ以内を移動制限区域、10キロ以内を搬出制限区域と指定しまして全ての鳥の移動等を制限し、農場を出入りする車両、人を制限するために消毒ポイントを設置しております。国は速やかにインフルエンザ防疫対策本部を設置するとともに、専門家の派遣、それから緊急支援チームの派遣をしております。また、専門家の助言を得るために家禽疾病小委員会を開催して鳥取大学の先生も本省に行っておられます。
鳥取県の対応としましては、昨日午後、庁内連絡会議を開催いたしました。県内の農場、それから学校、福祉施設等に宮崎県で発生したという情報を周知するとともに、全農場に連絡をして異常がないことを確認しております。また、県内の全農場に対して一層の注意喚起ということで呼びかけをしております。そのほか、ことしは全国で野鳥からウイルスが検出されているものですから、非常に監視体制を強化しております。県内でも防疫研修をそれぞれの地区でやっておりますし、万一発生した場合に備えまして、現在の備蓄品に加えて消石灰等の消毒薬、防護服等を追加備蓄したところでございます。追加備蓄は年末までに納品予定としております。
○内田(隆)副委員長
報告9、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、村上県産材・林産振興課長の説明を求めます。
●村上森林・林業振興局県産材・林産振興課長
資料の5ページをお願いいたします。工事請負契約の変更について報告させていただきます。
この工事は、中部総合事務所で行っております林道若桜・江府線開設工事(曹源寺工区)でございます。平成26年3月25日から行っている工事でございますけれども、残土処分地の隣接斜面から湧水が出ましたので、その湧水と斜面の崩壊対策として暗渠等を追加したことによる
700万円余の増額の変更契約を行い、予定どおり12月5日で完成しましたことを報告させていただきます。
○内田(隆)副委員長
次に、報告10、「鳥取放牧場太陽光発電所」の運転開始について、亀井経営企画課長の説明を求めます。
●亀井企業局経営企画課長
企業局の資料の1ページをおはぐりいただきたいと思います。「鳥取放牧場太陽光発電所」の運転開始について御報告させていただきます。
とっとりグリーンウェイブの取り組みの一つとして建設しておりました鳥取放牧場太陽光発電所が今月末に完成し、来月5日から運転開始する見込みとなりました。企業局といたしましては4番目となる太陽光発電所でございまして、隣接には風力発電所もございます。太陽光と風力、この2種類の発電の仕組みを一度に学んでいただける環境学習の場としても活用していただけるものと思っております。
なお、施設見学会につきましては、現地が標高が非常に高く悪天候も予想されることから、天候が安定する時期に別途御案内したいと考えております。
概要でございますけれども、1をごらんいただきたいと思います。最大出力は100キロワット、それから年間発生電力量は103メガワットアワー、一般家庭約30戸分の年間消費電力量に相当するものでございます。年間売電収入は約400万円、総事業費は約6,800万円でございます。
現況でございますけれども、2に写真を載せております。パネル枚数は約400枚でございます。
今後の取り組みでございますけれども、3に掲げているとおり、順次運転開始を予定しているところでございます。
○内田(隆)副委員長
報告11、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、三柳工務課長の説明を求めます。
●三柳企業局工務課長
それでは、企業局の資料3ページをごらんください。一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告をさせていただきます。
今回、工事の新規契約は2件でございます。1件目は、工事名、若松川発電所建設工事(土木)でございます。契約の相手方は有限会社福岡組で、契約金額は1億6,632万円でございます。
次に、工事内容について簡単に説明させていただきます。本工事は小水力発電所に係る土木工事でございまして、河川から発電用の水をとります取水堰などの取水設備、砂等を落とす沈砂池の設備、水を引く水圧管路、これは延長約900メートル、口径400ミリのものを埋設する工事、それから発電所の基礎、放水路設備等が含まれてございます。
次に、2件目ですけれども、工事名、境港中野太陽光発電所建設工事でございます。契約の相手方は、境港中野太陽光発電所建設工事中電工・寿電気特定建設工事共同企業体でございます。契約金額は4億4,928万円でございます。
本工事は、境港中野にあります旧境港水産高校のグラウンド跡地、約2ヘクタールに出力1メガワットの太陽光発電所を建設する工事でございます。
なお、工期等については記載のとおりでございます。
○内田(隆)副委員長
ただいままでの説明について質疑などはありますか。
○市谷委員
農林水産部の1ページの米の生産数量目標について、国は過剰米があるために生産量を調整して在庫米を減らそうということだと思いますけれども、この間の過剰米対策というのは、飼料米に回すなど、国が何か特別に対策をとるということですか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
今後、国がその過剰米処理をするという情報は聞いておりません。
○市谷委員
私は今、米価暴落が問題になっている原因が、国の過剰米対策が十分なされていないことだと思うのですけれども、それをやらないでおいて、とにかくこれからの作付面積を減らすことだけで需給調整を図ろうというのは余りに無責任だと思いました。これは国に対してのことです。
もう一つお伺いしたいのが、先ほど食用米は減らして、その分飼料米に転換するのだとおっしゃったわけですけれども、この間、減反した部分の670ヘクタールは飼料米をつくり、全農が全部買い取りするという計画をされているのですが、現状どうなっているのかなと。その部分の展望がないままさらに220ヘクタールも飼料米をつくるといっても、その消費があるのかなと。ですので、本当にこのやり方の展望があるのかとても不安だと思って聞きました。ですから、現状の670ヘクタールの飼料米がどうなっているのかを教えていただきたいです。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
実際に飼料用米をつくりますと、県内の畜産農家等にJAから直接やりとりされる量というのが2~3割ありまして、その他の6~7割は全農が全て買い取ります。今回、来年度に向けて面積がかなりふえるのですけれども、基本的に全農が全量買い取りしまして、岡山県の水島にある全農の飼料工場に送って飼料にするという方向づけはできております。
○市谷委員
方向づけは前から聞いているのですけれども、本当にそれがきちんと活用されることになるのでしょうか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
あす再生協議会の総会があるわけですけれども、そこでも全農の方針として、つくってもらった飼料米は、全農が責任を持って飼料化してルートに乗せますと、全農のほうからも報告があるようになっております。
○市谷委員
そうしましたら、この現状の670ヘクタールに当たる飼料米についてはきちんと消費されると、それから今度はこの670ヘクタールに220ヘクタールが加わるのですけれども、これはどういうふうに対応されるのでしょうか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
今、各JAのほうに来年度の作付の見通しをお聞きしていまして、飼料用米は本年度が660ヘクタールだったわけですけれども、今の見通しではそれが1,600ヘクタールぐらいまでふえるのではないかと。担い手農家が飼料用米をかなりふやすという方針でありまして、かなり量的にはふえる見通しですけれども、それについても全農グループできっちり売っていくという方向で確認しています。
○市谷委員
そうしましたら、これまでの670ヘクタールはもちろんのこと、これから飼料米を作付する
1,600ヘクタール分はほぼ全部、全農のほうが買い取りをするということでいいですか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
全農が買い取って、そういうふうに対応すると意思決定はされております。1,600ヘクタールと申し上げましたのも見込みですので、今後、数字は詰まっていくと思います。
○市谷委員
そうしますと、ことしと来年はそういう対応で行かれるということですけれども、では再来年については同じような契約で飼料米に転換した分は全農が全部買い取っていくという、この流れはずっと継続することになっているのでしょうか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
再来年についての協議はまだしていないのですけれども、今現在、担い手農家にいろいろ聞きますと、やはり飼料米をふやして対応していくという方が6割近くいらっしゃいます。県としても、飼料用米は基本的に売り買いの代金が1万円ちょっとでありまして、ほとんどが交付金で支えられているものですから、国に対しても今の交付水準の維持について繰り返し要望しておりますし、全農グループとしても、まだまだ全農の飼料工場でキャパがあるといいますか、対応の余地はあるので、再来年分については今後の協議になろうかと思いますけれども、基本的につくった飼料米はJAグループがきちんと対応していただくという方向づけにしております。
○市谷委員
そもそも米価が暴落していることに対する対策が要ると思うのですけれども、国はそれについて非常に不十分な点を残しながら、結局米農家としては通常の食用米の生産を減らさざるを得ないことになっているのは、問題があると思うのです。同時に飼料用米についても、これからの先行きがどうなっていくかと、ずっと継続的に消費が確保されず、途中で断ち切れになることなどになれば本当に水田が放置され、耕作放棄地をつくることにつながってしまうので、本当に留意して対応していかないといけない問題だと思います。非常に不安に感じているということを言っておきたいと思います。
同時に、きぬむすめに品種を転換していくと言われたのですけれども、きぬむすめは当初ほどブランド化が進んでいなくて、余りいい値段がついていないと思うのです。だから、きぬむすめに転換したけれども収入が減ってしまうことがないようにしないといけないと思うのですが、そこをどういうふうに考えておられるのか。それと、こうやって生産を減らす話ばかり出るのですけれども、地産地消なり消費拡大については農林水産部としてどういうふうに考えておられるのか、その辺も確認させていただきたいです。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
きぬむすめにつきまして、なかなか値段が安いのではないかと。コシヒカリと比べるとどうしても金額的には下がるのですけれども、きぬむすめはことしも1等米比率が8割程度あります。コシヒカリ等は2割からよくて4割程度の間を行ったり来たりしていますので、一つにはきぬむすめに1等米が期待できますし、あとは収量がかなりとれるという実態がございまして、最終計算するとそんなに遜色はないという感覚でおります。今後きぬむすめにつきましては、今現在、全農が中心となりまして販売しております。これまでは関西地区を中心に売り込んでいたのですけれども、広島県や中国地方も加えて販売を強化していくという方向もありますし、それから業務系を視野に置いて、大手コンビニへの売り込みなり、それから量販店内の御飯をつくっていただくコーナーで使っていただいたり、関西地方あたりの学校給食にも入り込んで販売を強化していく方向でやっております。
○砂場委員
教えてください。都道府県別の需要実績が係数になって生産量が決まるのですけれども、この都道府県別の需要というのは県内で消費しなければいけないのですか。どういうふうにカウントするのですか。先ほど言われたように県外に売り込みをしても、ここにカウントされるのですか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
この需要実績というのは基本的に毎年6月末で締めておりまして、例えば鳥取県ですと生産数量がまず最初にあります。6月末時点で例えば農協の倉庫に幾らあるのか、あるいは卸売業者の倉庫に幾らあるのかなどを国が調査されて、引き算した需要量を、売れたであろう推計をされます。そういう方法で算出していると聞いております。
○砂場委員
そうしたら、一つはこの国のスキームが崩せないのであれば、鳥取県の生産の目標値を上げるためにはたくさん米を売ればいいということになりますよね。あべのハルカスの下などに行くとびっくりするぐらいいろんな地域のブランド米が並んでいて、同じことが東京のデパートでも見られるのです。そうすると、我々の中にはやはりおいしいお米を食べたい、県外産を食べたいという思いがあるのだろうから県外に売ることも一つ言えるだろうし、もう一つは、台湾の地下の売り場に行ったら日本産米がすごい値段で、物すごく人気があるという話もお聞きしました。そうしたら海外の市場が考えられるだろうと。それから河原さんが農林水産部長だったときに米粉、米粉とずっと言われていましたから、そういう新しい米を使った消費拡大をする策もあるでしょうし、今おっしゃっていた飼料米もあるということで、そういうものを重複的にやってまずしっかり売っていくことができれば、ことしの分は決まってしまっているけれども、来年以降は係数値が6年の平均値だからすぐには上がらないにしても、しっかり鳥取県は米を売っているぞということが今回の減反ではなくて維持に資すると思うので、そこはしっかりやっていただきたいと思うのですが、そこの対策はどういうふうになっていますか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
基本的には、しっかり売っていくという大きな方針がありまして、実際にこれまでの鳥取県のお米はほとんどがブレンド米でして、鳥取県産米と表示されている部分が非常に少なかったです。今現在はやはり鳥取県産米として売っていただく、そういう業者を中心に出していこうということで、そういう表示の比率を上げてみたり、いろんな方向で販売促進をかけています。また、6月末までにしっかり売ってというのも一つの方法でありまして、その数値は翌年に反映されるのですけれども、いわゆる経年で足して割っていきますから結局はある程度平準化されるといいますか、需要量が伸びる年が出ても、次の年はまた下がったりしてなかなか難しいので、基本ベースとして鳥取県産米の売り込みをしっかりかけていく、ブランド化していくことが一つの長期的な戦略ではないかと思っております。
○内田(隆)副委員長
海外については太田課長でいいですか。(「海外や米粉など」と呼ぶ者あり)
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
米粉は私のほうで十分に答え切れないところがあるのですが、海外につきまして少しお話をさせていただきます。
米の輸出につきましては海外も視野に入れておりまして、今、農業活力増進プランの中でも輸出の戦略はあるかと思いますけれども、米についても輸出の品目として上げて取り組んでいこうとしているところでございます。
砂場委員のほうからは台湾というお話がございましたが、実は県内のある農協ではベトナムに足がかりをつけていらっしゃるところもございます。そういったところの線を太くするような取り組みを推進してまいりたいと思っております。
○内田(隆)副委員長
米粉については村尾課長ですか。
●森脇市場開拓局長
米粉についてのお尋ねがございました。わかる範囲内でお答えしたいと思いますが、例えば東・中・西部でいわゆる農林水産のフェスティバルみたいなものをことしも開催しておりますけれども、その中の一つのコーナーで来場者に米粉を使った料理を食べていただくというPRもさせていただいております。それから米粉を使われる量が限定されていると思いますが、それは無償でお使いいただいて普及するということも私ども局のほうで対応させていただいております。
○砂場委員
もう一つ、酒米は量が少ないけれども単価が高いのですが、酒屋に行くとなかなか酒米を確保するのが大変だという話をいつも聞くのです。総量で大きくなればいいわけですから、ただ米をつくって売るよりも、いろんなチャンネルを考えていただきたいです。それと今、村尾課長が言われたのはそのとおりだと思うのですけれども、それを言ってしまうと終わりみたいになるので、それは歯を食いしばって、農林水産部を挙げて市場開拓局も協力して何とか6年間頑張って数値を上げていくという努力を継続していただきたいです。この比率さえ上がればふえるわけですから、全体の数値が下がる中でもやはり鳥取県の農業を守るためにはそういう努力をしていただきたいと思います。
○市谷委員
県産米の地産地消について、海外への輸出ということもあるかもしれませんけれども、なかなか割高になるのではないかと思っているところです。それで、地産地消については学校給食などで回数をふやすため、そこに支援して政策誘導してきたので、ほとんどが米飯になっていると、米粉パンも入るすきもないぐらい米飯給食が今進んでいるという状況ですが、これはこれでよかったし、それは政策誘導してきた成果だと思うのです。ですから、その政策誘導する範囲を幼稚園や保育所、それから福祉施設など、一度決算審査でも指摘させてもらったのですけれども、結構福祉関係の施設は地産地消が50%ぐらいで余り進んでいないこともだんだんわかってきましたので、そういう県内でまだ進んでいない施設に学校給食でしたような政策誘導をしっかりしていただいて、地域で循環するような、米の消費がふえるような取り組みをしていただきたいと思うのです。今こういう大変な事態だからこそ余計に思うのですけれども、その辺はどうでしょうか。
●森脇市場開拓局長
米の地産地消でございますが、まず学校給食につきましては、委員御指摘のとおり、週に4日から4.5日程度配膳しており、かなり普及しております。例えば福祉施設などでの県産米の使用状況でございますけれども、民間の施設は別といたしまして、県の施設についてもいろいろと聞いて回っているところでございます。そして、指定管理の見直しを5年間なら5年間で切りかえておりますが、その中で、今、県産米の使用を努力規定みたいな形で盛り込んでおります。それをもう少し突っ込んだ表現にできないかどうかを関係課に話させていただいております。ちょうど昨年が大きな切りかえ時期だったようでございますので、次回の切りかえでは、そういうことをしっかり盛り込む方向で考えたいと思っております。
○前田委員
農林水産部長に伺いますが、基本的に、毎年この時期に減反して米の価格を維持しております。もう何十年もやっているのだけれども、将来の米政策はどうするのでしょうか。(「政府に聞いてください」と呼ぶ者あり)どういう展望をされていますか。
●岸田農林水産部長
これは鳥取県単独で生きた政策がなかなかできない分野ですので、我々も重々歯がゆい思いでこれまで来ております。当然国が需給調整を行って毎年生産数量目標を各県に提示し、それを本県のような大変正直な県はきちんとその数量に見合った米の生産をしていきます。片や全国的にはそれを上回って生産している県もあります。それらをトータルで考えると、やはり需給調整がうまくいっていない中で、どんどん各県にしわ寄せが来ているということであります。ただ、課長も申しましたように、全体的には毎年8万トンの需要量減という大きな問題があります。要は日本人がそれだけ米を食べなくなってきていると、パンや麺などにシフトしているということですので、そういう国の政策の中ではありますけれども、一つは我々が特色のある県産米をわかっていただける消費者にきちんと届けていくこと、それからその中で市谷委員も言われましたとおり需要喚起のため、特にこれから育っていく子供に対して米のよさをしっかり味わっていただくような取り組みを続けていきたいと思います。
○前田委員
では、次に個別に伺います。国の算定方法では作況指数が101ですが、先日もらった資料では鳥取県の作況指数は97でしたよね。こんなオールジャパンのグロスでばんと算定してしまっていいのでしょうか。地域ごとの生産量をきちんと把握すべきでないですか。トータルで生産量の増加が6万トンですが、これは九州や関東が多いからですよね。鳥取県は97ですので、これはおかしいではないですか。
それと、私が一番言いたいのが、さっきもおっしゃったように、この減反政策に応じない県がありますよね。もし、鳥取県が応じなかったらどういう国の施策につながるのですか。それを聞きたいです。正直者がばかを見るという言葉がありますが、案外正直者が、真面目なほうが得だということを教えてほしい。従わなかったら得しているように思いますが、どういう得があるのですか、逆の意味で教えてください。要は従わなくたっていいのではないかと思うのです。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
今の御質問で、まず鳥取県の作況指数が97と少なかったのに一律に削減されるのはいかがという御意見でしたけれども、いかんせん米というのはどこの県がつくっても全国同様に流通していきます。やはり国の計算方式は国全体で、翌年度の6月末在庫を見通してどれだけ締めるかが前提ですので、それぞれの県の作況指数ごとに配ることは過去からもされていません。
それと、応じない県はどうなるのかというのは私も同感でありまして、鳥取県の来年度の目標生産数量は6万6,000トンですが、ことしも過剰米は15万トン作付されています。全国20の県でやはり過剰につくっていますので、鳥取県みたいに真面目に努力して守って削減しても一部の県でその努力を無にされるといいますか、どっと過剰米が入っていくという実態がございます。今現在、個人個人で生産数量目標以上につくられた方はペナルティーとしては7,500円が出ないことがあります。ある意味ではそれだけしかペナルティーはありませんので、7,500円は要らないから量をしっかりつくって売ったらもうかると判断されれば、個人の経営農家はそれに踏み込んでいかれているのが実情ではないかと思います。それ以上に、個人にペナルティーをかけられるかどうかはまた国の判断になるのですけれども、もう少し踏み込むとすれば、例えば飼料用米の8万円をカットするなど、水田の直接活用交付金まで踏み込むとかなり抑止力はあるのではないかという気がしています。これは国のほうで判断される方向ですので、私の考えとしてはそういう部分もあるのではないかと思っています。
○前田委員
最後にしますけれども、20県も従っていないということですよね。(発言する者あり)25県か。であれば、7,500円をもらわずにたくさんつくって売ればいいではないですか。あとは需要のほうに力を入れればいいですので。これが一つと、それからこの転作率43.9%とありますが、何にどれだけ使っているか後から資料を下さい。耕作放棄地がどれだけあるか、その数字を教えてください。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
7,500円は要らないからしっかりつくるというのも一つの考え方だとは思いますけれども、
JAグループとしていろいろ議論を重ねる中で、ある程度、生産数量目標に沿って主食用米をつくれる部分はしっかりつくっていくし、それからつくれない部分に飼料用米といっても、やはり田んぼに米をつくるということで一定の経営も見込まれますから、JAグループとしてもある程度生産数量を守っていこうという方針を出されています。
それと、転作率43.9%についてはまた後で資料を提出いたしますけれども、いろいろつくっておられます。野菜や白ネギ、ブロッコリーを中心につくっておられますし、それから飼料用米、あるいはホールクロップサイレージ等々の飼料作も中心にされておられます。また後で資料は提出させてもらいます。
○前田委員
そこがこれからの農政のポイントです。いろんなものをつくっておられると思いますが、今の農政では仕方がないので、そこをきっちり支えていき、減反して米の価格を維持するという方式しかないのですから、転作したものをきちんと生産して売って所得を確保するという政策をしなければいけないと思いますが、どうですか。
●岸田農林水産部長
それについては、今、策定中である農業活力増進プランの中で、本県の強みである野菜、果樹、それから畜産といった、より多く所得を上げられる農業のほうに重点的にシフトしていくように記載しておりますので、そのプランの方向に沿って今後の県の農政を展開していきたいと思います。
○小谷委員
重複するところは避けたいと思うけれども、要は関東あるいは関西でも、大都会の近郊が、例えば千葉県などはほぼ減反していないでしょう。売る先を持っている強みがあるからです。農協には出荷しなくても個人で売ってしまう。その利点があるので、批判することになりますが、国がフル活用などという言葉を一番最初に出すから全部つくってもいいかと思ってしまいます。水田フル活用などというのだから全部つくってもいいんだと、それはそれでだましがあったわけだけれども、今後は国にもペナルティーはどうするのですかということを言わなければいけません。我々も責任として言わないといけないけれども、やはり行政としても言うべきだということをまずお願いしておきます。
もう1点、鳥取県の転作率が43.9%であったなら、今度は特別交付金でしたか特産物に交付している市町村の補助金があるでしょう。(「産地交付金」と呼ぶ者あり)産地交付金です。国がそういう対策をするなら、この補助金をもっと交付してほしいと言わないといけない。我々も言わないといけないと思うけれども、また行政も言わないといけない。それにより、転作でこれをつくった人にはこれだけの利益がある、米をつくるよりももっと利益がありますよということを示さないといけないと思います。もちろん土地の関係で絶対米しかつくれないような地域はあるけれども、そうであるなら構造改善で、野菜でもつくれるような水田に転換するという施策を単県でもやらないといけない。耕地の地目変更ということも考えながらやらざるを得ないと思っています。もし、それもやるなら単県での施策にしないといけないではないかと思います。もちろん国の補助金があるにこしたことはないですが。でも、とても国は乗ってこないと思います。だから単県でやって、鳥取県はこんなふうにやっていますと全国の手本を見せてやらないといけない。今度の2月議会で言おうと思っています。
くどいようだけれども、飼料米でなくても牧草転換したときなどは、1反当たり3万5,000円ぐらいしか補助金がなかったのではないか。間違っていたら申しわけない。いいところにはもう少し補助金を、米子市の水田でも牧草地帯にしてしまえば牛も飼えるし、牧草も機械でとって、今、円安で高くなっているものを日本国産でもそれなりにベースが合うような仕組みをつくれば、別に米をつくらなくてもいいのではないかと思います。これは極論だけれども、本音は消費者が困るほど米がなくなればいいと思っています。要は需要と供給のバランスが崩れてくれば、消費者も考えてくれると。やはり日本の米でないといけないというぐらいに考えてくれるぐらい時期があってもいいと思っています。そこについても、転作したら米よりももうかります、所得が上がりますという施策がないと米をつくり続けることになるから、農業活力増進プランの中に入れるような単県での方策にしていただきたい。総合的に部長の答弁を求めます。
●岸田農林水産部長
いずれにしても、だんだん需要が下がっていく米について何らかの転換は必要でありますから、これは制度云々ということではなく、需要動向として米が余り必要とされていないということですので、そこを鳥取県がどういう方向に、作物に転換していくということだろうと思います。委員がおっしゃったように、国のほうにも産地交付金の拡充、それから飼料作等の単価アップ等も含め、全体の需給調整とフル活用について他の作物に転換できるような要望をしていきたいと思いますし、県でもそういう水田営農の中で野菜等、ほかの作物に転換する場合、それに要する機械、施設等の事業も今模索しているところであります。そういう事業を活用して、県内農家が水田を有効に活用して所得がこれからも上がっていくような施策をつくっていきたいと思います。
○内田(隆)副委員長
しつこいようですけれども、僕も発言だけはさせてください。赤澤亮正議員がずっと主張していたことがあります。これは、西川農林水産大臣と赤澤議員と自民党の農林水産部会の5人でこの政策を書いたとおっしゃっていましたが、そこではっきり言われたのは、もう価格調整は市場に任せるしかないのだと……(「減反だな」と呼ぶ者あり)そうです。ひたすらに飼料用米しかつくらせないし、そこの補助金は守っていくのだと。だから……(発言する者あり)守っていくそうです。何と悪いことに、内閣府大臣の農協改革の担当だそうです。だから全農もすごく言うことを聞くのだそうです。だから飼料用米を全農に全量買い取りさせることは、了承されることになります。それで、議員が「今、需給調整をしても、結局は他県でたくさんつくるところが出ているから米価の下落は仕方がない」という言い方をされていたのです。だから国としてはそこは市場に任せていくのだということで、どんどん米価が下がっていくと思います。来年も再来年も下がりどまりはしないと思います。なぜかというと、千葉県などがつくるからです。
そうすると、真剣に守っている鳥取県は完全に飼料用米に切りかえていくしかないのです。なぜなら、その政策を書いている人たちがそういうふうに考えているからです。向こう4年間は続くわけです。そうすると、多分来年の米価下落は15パーセントを超える気がします。せっかく我が県の国会議員がそんなことをよくも悪くも言うので、そこはきちんと情報交換をされたほうがいいと思います。物すごく官僚的な発想ですが、飼料用米を全部遊休農地に埋めていくと、きれいに8%ぐらい需給率が上がるそうです。なぜかというと、今、全量輸入しているので、そこは自給率には全くはね返ってこないのだけれども、それを国産の飼料米に変えていくことで自給率が上がるのだということです。本当にお米をつくったことがない人が考えそうなことだなと思うのですけれども、そういうことを考えておられるので、もう無理です。だから、飼料用米をつくらせることに頭を切りかえないといけないと思います。答弁は要りません。
○市谷委員
今、鳥取県選出の国会議員が米は市場任せでいいと言っていることは大問題だと思いますので、執行部に求めるのもいいですけれども、私は自民党の中できちんと指摘していただきたいです。そういう発言があって政策を組むというのは大問題だと思います。
次に商工労働部に移りますけれども、3ページの緊急雇用事業について、地域人づくり事業は人材育成することで雇用創出を図るという趣旨ですけれども、今回追加になったものを見ますと、展示会でお仕事される方を約1年間雇用されるということですが、これは人材育成に名をかりて展示会だけのお手伝いみたいなことで終わらせたらいけないと思うのです。この方は展示会終了後はどういうことになるのでしょうか。
●太田市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
今の地域人づくり事業の関係で、私どもが委託しております事業ですから私のほうからお答えさせていただきます。こちらにつきまして、今、事業主体ともお話させていただいておりますが、1年間の研修期間といいますか、この委託期間の終了後もそちらの会社で雇用を継続していただくと考えていらっしゃるところでございます。
○砂場委員
年末の相談窓口の件ですけれども、就職・Uターンについてはミドル・シニア仕事ぷらざに開設されるのですが、私たちの年代だと子供が県外の学校に進学していて、ちょうど帰ってくる時期なのです。やはり若者たちは県外に就職志向があったとしても、若い人たちには地元に就職してほしいと願っている中小企業もたくさんありますし、それから若い人たちにもやはり県内の就職に目を向けてほしいなと思いました。産業部会の中の雇用を見たときにミスマッチが起こっていて、年末はすごいチャンスだと思うのです。ところがこれを見るとシニアぷらざでやるという話なので、新卒や若い人たちに向けたことは考えられないですか。先日も東京までわざわざ行って、学生たちにUターンしてくださいといろいろ働きかけをしているのであれば、年末年始もそういう働きかけをしてもいいのかなと思うのですけれども、親としては正直言って地元に就職してほしいという思いがあるわけです。帰ってきて一緒に家族で飯を食べたり話をするだけではなくて、こういうチャンスをつくってほしいなと思うのですけれども、そういう若者に対する対策についてはどう考えておられるのでしょうか。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
今回の窓口についてはミドル・シニアぷらざに開設しておりますけれども、年末相談の対象は年齢制限を設けずに全ての方を対象にしたいと思いますので、そのあたりは案内していきます。
○砂場委員
そういうことを聞いているわけではなくて、なぜ対象を若者に設定して若い人たちに向けた企画を考えないのですかと聞いているわけです。年齢制限を設けるとかではなくて、若い人たちがやったときに、シニアぷらざと聞くと中高年で帰ってくる人が対象だろうと制度として思うわけです。せっかくのチャンスという発想はないのかと聞いているのです。
●小林雇用人材総室就業支援室長
若年者のUターンに対する取り組みでございますが、前回の常任委員会でも御案内させていただきましたが、今度の12月20、21日にとっとり新橋館で県内企業から情報発信していただき、そこで県内にUターンしていただくといった取り組みをすることにしております。また、県内に帰ってこられた方々につきましては、鳥取県のほうでも、12月には若者仕事ぷらざというか労働局と県とが連携しまして就職フェアも開催させていただいたところでございますし、当然若者仕事ぷらざのほうでもそういった方々の相談も対応していきたいと考えております。
○砂場委員
だから、話をきちんと聞いてください。今言われたのは、東京でやられるということですよね。それから、その話はこの前報告があったわけだけれども、では若い人たちが鳥取に帰ってくるのはいつですかといえば年末年始ですので、帰ってくる時期にやらないといけないです。
12月の初めにしても、私の子供が帰ってくるのは、お盆と年末しか帰ってきません。Uターンの相談はそういう時期に設定しないと効果的ではないです。先日された若者の相談会も県外からは来ないですよ。基本的には地元にいる鳥取大学や環境大学の学生が受けるだろうけれども、わざわざ東京まで行かれて開催されていることは報告を受けているので、それを理解した上で聞いているわけです。だから、そういう努力をされるのであれば一つそういう発想にはなれないですかと聞いているわけです。報告を2回受けたくないです。そういう発想には立てないのかと聞いているわけです。
●岡村商工労働部長
ごもっともでして、年末相談窓口というのは経済情勢が厳しいときにUターンやIターンに関して、少し切り口を加えて開設したというのが今回の取り組みです。おっしゃるとおり年末年始あるいはお盆の時期、特に年末年始は帰省が多いので、そのタイミングを目がけて例えばふるさと定住機構などと一緒に組んで窓口を開設することなどは重要だと認識しております。今回は準備が足りないと思いますので、次回はお盆の時期はやるのですけれども、年末にやるという考えが今までなかったものですから、今回こういう形で開設してみて、次回以降はしっかり若い人たちを引きつけられるようなイベントも考えてみたいと思います。
○砂場委員
わかりました。この前されたのが12月初めではなくてもう少し後だと、親としてこんなのがあるから2~3日早く帰ってこいよと呼びかけもできると思うので、ことしは無理ということですから来年に向けてそれを検討してみてください。
○前田委員
農林水産部の2ページで、ビニールハウス用のまきストーブ「ゴロン太」とありますが、これは人間用と構造的にどう違うのですか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
人間用というのはいわゆる建物、屋内用という意味です。このまきストーブはそこにドラム缶状の筒があると思うのですけれども、ここに枝をごろんと入れて燃やせるということで、室内用ですと小さいまきを入れますから構造が違いますし、煙突を高く出すことで電気がなくても風の行き来があって燃えるというこです。
○前田委員
そこに8時間連続燃焼と書いてありますが、針葉樹である杉の場合、あっという間に燃えてしまうので、常に燃料を入れないといけないと思いますが。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
お話のとおり、やはり広葉樹などのほうがもちはいいということでして……。
○前田委員
もちが全然違う。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
燃やす材料について、関東などの県外の状況も調査してみたのですけれども、いろいろ燃やしておられます。果樹の剪定くずや木材のパレットの古いものなど、地域ごとで原料を調達されて燃やしておられまして、そこもこの実証試験でどういう材木だったらどのぐらい燃えるのかを確認してみたいと思います。
○前田委員
垣田局長とよく相談していただきたいです。今、針葉樹の間伐ばかりしているので、広葉樹はそんなに出てこないと思いますよ。
●垣田森林・林業振興局長
まき等の供給につきましては、日野総合事務所のほうで協力させていただいているということでございます。それから、これを見ますと1メーター20センチの材木が入るようでございますので、30センチぐらいの短いまきを放り込むのではなくて、大きなものをずどんと3本入れますから、杉といえどもかなりの時間は燃焼していると思います。燃料につきましては林業のほうでしっかり出させていただきます。
○前田委員
これは生産振興課ではなく、県産材・林業振興課がしないといけない仕事です。もう少し活用方策を考えないといけませんよ。
○内田(隆)副委員長
3ページです。白鵬85の3というすばらしい種雄牛ができたことは喜ばしいことです。細かいことはこの後、小谷委員が聞かれると思うので僕は大枠のことを聞きたいのですけれども、全共第7区にはこの白鵬85の3と百合白清2の2本柱で向かっていくのだと思うのですが、このまま続けば白鵬85の3か百合白清2の2頭を父親として繁殖する県内の雌牛がほとんどになるのではないかと思うわけです。そうすると、このチラシの中で、白鵬85の3に百合茂と福栄をかけていい牛が産まれるのであれば、但馬系やみどりが重なっても白鵬85の3と百合白清2をかけ合わせていけばいいのかなと思うのですけれども、どうでしょうか。要は次世代の話をきちんと考えておかないといけないと思うのです。今回の白鵬85の3の場合、安福久にかけた場合がほとんどいい成績だったと伺っていますし、美津照も但馬系ですよね。だから但馬系を濃くしていくのか、今、現場後代検定に入っていない多美福が糸系ですよね。今後どういう種雄牛農政を考えていくのかを考えていかないといけないと思っていて、糸系で同種をつくっていくのがいいのか、それとも、白鵬85の3と百合白清2をかけ合わせていけば、但馬系と鳥取系がかけ合わせていって但馬が少し濃くなるのだけれども、種雄牛としていいのができてくるのではないかと思っておられるのか、今後についてどう考えられておられるのかを伺いたいです。
そうすると今回、安福久などのいわゆる但馬系をかけていけばいいのかなと思うのですが、そういう大枠をつくってしまえば、5年間ぐらいはデザイン的にいいものができていき、今後、本当に鳥取の牛が次の宮城全共で花開いてブランド化されつつあると思うのです。それをつなげていかないといけないと思うのですけれども、今後どうしていこうと考えていらっしゃるのか、大枠をまず聞いてみたいです。
●津森畜産課長
百合白清2と白鵬85の3という2頭のすばらしい牛ができました。しかも母親が同じということですので、これをかけ合わせていくと近親交配が進んでいきます。そうすると、近交退化により能力が低下する場合が想定されます。これは牛によってどの程度出てくるかが判明していない部分もありますが、例えば遺伝病を持っていればその遺伝子があらわれやすくなってきたり、繁殖成績が落ちてきたりということも考えられます。それは今、全国で近交係数がどんどん高まってきている状況の中、目に見えた能力低下は余りあらわれてきていないのですけれども、鳥取県の小さい産地で特定の種雄牛に交配が偏ることは、危険性を考えると非常に注視しなければいけないと思っております。しばらくはこの2頭が交配されますし、交互に交配されることもあるかもしれませんけれども、畜産試験場では但馬系なり糸系なり、増体がよくて肉質もいい種雄牛をどのようにつくっていくかは、県のほうで改良委員会を設置しておりますので、専門家の意見を聞いたり、県内の雌牛の血統構成を考慮しながら、次に使う種雄牛をどういう系統、それも1本ではなくて、例えば但馬系が入ったものや糸系が入ったものを検定しながら、今高まりつつある肉質が落ちないような形での種雄牛造成を続けていきたいと思っております。
○内田(隆)副委員長
私もしっかり勉強しないといけないと思うのですが、平成12年でしたか、鳥取県の種雄牛造成における指針といったガイドラインをつくられて、それに基づいて今回の結果を出されたと思うのです。結果が出た時点で、既に10年たっていますし、そろそろきちんと方針を見直す時期に来ていると思うのです。このガイドラインを読んでみたら、その方針に沿ってそのままやられた結果が出ているのだなと、過去の先輩方はきちんと考えられていたのだなと思いました。既に多美福が糸系で、その検定結果がどうなるかわからないのですけれども、いるというのはよいことですが、その次がなくなってしまっているのです。だから、ガイドラインでしっかりと示していただきたいと思いますし、そろそろ検討する時期だと思いますが、岸田部長の答弁をお願いします。
●岸田農林水産部長
過去、鳥取県は気高号以降、なかなか新たな種雄牛造成なりブランド化に向かえなかったというにがい教訓を持っていると聞いております。二度とそういう轍を踏まないためにも、ある一定の系統を持った上で、これを継続して優秀な種雄牛が未来に造成できるような体制で、指針も内容をもう一度再検討して、修正が必要であれば修正をかけてみたいと思っております。
○砂場委員
企業局ですが、今回は太陽光発電所を建設して運転開始、しかも風力発電所も隣接しているということですけれども、鳥取県は全国で唯一、全県エネルギーパーク構想の指定を受けているのです。こういう学習施設については、資源エネルギー庁のホームページを見るといろんなことができるのだけれども、環境立県推進課とはエコパーク構想の中でこれをどういうふうに位置づけていくかなどの協議はなされているのですか、なされているとしたらどの程度進んでいるのか教えてください。
●亀井企業局経営企画課長
環境立県推進課との調整でございますけれども、少なくとも風力発電についてはエネルギーパークの中の施設として位置づけしていただいておりますし、これまで企業局のほうで発電を開始したものについても位置づけしていただいているところでございますので、今後できるものも含めて、全県的に私どもの発電所もPRできるように環境立県推進課と調整してまいりたいと思います。
○砂場委員
なかなか長続きしないという問題があるものの、PR用の国の予算等やいろんな制度がありますので、そういうものも活用していただきたいです。せっかく2つの再生可能エネルギーの発電施設がありますので、しっかり連絡をとりながら、しかも場所が鳥取市の中にありますから、子供たちにとってもいい施設になるように考えてみてください。時間がかかると思いますけれども、連絡を密にしていただきますようよろしくお願いします。
◎興治委員長
ほかにはございませんか。
それでは次に、閉会中の調査事項についてお諮りいたします。
本委員会所管に係る商工業及び農林水産業、人口対策並びにその他の主要事業については閉会中もこれを継続調査することとし、その旨、議長に申し出ることに御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、その旨、議長に申し出ておきます。
なお、委員長報告の作成内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございますか。
○市谷委員
前回の常任委員会で、アルファビルの関係について報告していただきたいと言いました。それで、議場では一部お話しいただいたのですけれども、現状をもう少しきちんと御報告いただきたいと思います。
◎興治委員長
答弁できますか。
●池田立地戦略課長
議場で委員がおっしゃられた、アルファビルに入っておられる企業のうち県外から誘致した2企業ございます。この件について私のほうから若干の状況を申し上げたいと思いますけれども、一つはスターという人形をつくって、オリジナルドールの企画・制作等を予定している企業でございます。こちらは、今、雇用状況がゼロといった状況になっていますけれども、当初の段階で雇用の3人という要件をクリアされて、計画どおり実施されていたということで、初年度の補助金については、300万円程度ですけれども、お支払いしているところでございます。ただ、現在はその人材確保等の問題もありまして、一時的に事業を中断しておられますので、2年目以降の補助金等はストップさせていただいている状況でございます。いわゆる5年の……。
●岡村商工労働部長
議場で説明した内容と同じではだめですよね。同じことでいいのですか。
○市谷委員
企業名も言われませんでしたし……。
●岡村商工労働部長
そういうことですか。わかりました。
●池田立地戦略課長
来年以降、今も新事業のほうで売り上げを立てることも考えておられますけれども、今後は当初のオリジナルドールの制作を念頭に、早急に復活したいという思いもおありですので、その辺を注視したいというのが一つです。
もう一つはガイナックスでございますけれども、こちらについても同じように一定の雇用要件をクリアされて計画を立てて事業をされておられたのですけれども、その後、本社の経営状況の立て直しといったこともあり、一旦その事業再編の中で雇用としては解雇された形にはなりますけれども、米子市に米子ガイナックスという会社を立ち上げられまして、同様に雇用は復活されて、事業についても同様の事業をなされているということですので、今後の事業計画をよく見きわめさせていただいて、補助金をまた復活するかどうかを今後検討していくこととしております。
○市谷委員
私は、家賃助成を受けていた今の2社について、新聞報道を見て正直何が起きているのだろうかと思いましたが、聞いていきましたらだんだんわかってきました。こういう事態については、委員会の中で報告していただきたかったと思っています。なぜ報告がなかったのかについては、その企業がまだやめてしまったわけでもないし、今後の対応について検討中であると聞きましたけれども、ただこの家賃助成の制度は10年間の事業継続努力義務が課せられていますよね。雇用要件を満たしたときにしか補助金は出ないのだけれども、事業そのものについては
10年間の枠がかかっている制度になっていますので、努力義務ではありますけれども、これは積極的に報告していただきたかったと思っています。
同時に、今、企業の状況についてはいろいろ話を聞きましたけれども、特にガイナックスのほうは8名全員を解雇して、会社もガイナックスとしてはやらないと、米子ガイナックスという別の会社を立ち上げて、会社は変わっているのですよね。解雇した8名のうちかどうかわかりませんけれども、5名は再雇用みたいな形でされたということですが、会社が変わっているということも、本来であればきちんと報告していただくべきことだと思っています。
その10年間の事業継続努力義務につきましては、どのように責任を果たしてもらうかというのがこの制度上、担保されていないのです。通常の企業立地補助金の場合は7年なり10年なりの事業の継続義務、努力義務があって、その間撤退したりすればそれなりに補助金返還することを最近ですが、条例に明記されたということはあるのですけれども、この制度はないのです。だから10年間の事業継続努力義務の責任を果たしていただく仕組みをどうされるのかなと、議場でも少しお答えがあったかもしれないですけれども、その点についてもう一度確認させていただきたいと思います。
●池田立地戦略課長
今、市谷委員からの重ねての御質問ですけれども、企業立地補助金とこの情報通信コンテンツ系の補助金の返還に係る報告の内容は、これまで報告させていただいたものと基本的には同じと考えています。それぞれ7年、10年ということでございますけれども、基本的にはその事業計画に沿った事業が行われるかどうかという観点がまずあります。ただ、それぞれ1年お払いして、その後ストップしているのですけれども、その段階までは基本的には雇用要件なり、事業要件を満たした上で事業を執行されていることをまず念頭に置いて、もし今後その事業を継続されないことがあるのであれば、その後、その事業目的を達成したかどうかという観点以外に、当然やむを得ない事情でやめられたかどうかであるなり、従業員や取引先への配慮であるなどを総合的に勘案し、その返還を求めるかどうかも含めて検討していくことになるのだろうと思います。
○市谷委員
この件は最後にしますけれども、このアルファビルに入っている企業の中で家賃支援を受けて県外から来ている企業は今の2社だけなのです。県内の業者も入っているけれども、そこは県内の企業だからということで家賃助成はなくて、県外企業には特別に税金を使ってこういう家賃助成をしているわけです。県民の大切な税金ですからやはり無駄に使われることがないように、先ほど言われた補助金返還の仕組みについてもきちんと確立していただいて、厳正に対処していただきたいと思います。(「関連」と呼ぶ者あり)
○砂場委員
この2社について、片方の会社はリカちゃん人形の服のデザインなどをきちんとできる極めてスキルの高い経営者ではないですか。私もまんが博からおもちゃ業界とのつき合いがある中で、そういう意味ではすごくいい人が来てくれたなと思っていて、議場の中で全国の女子中学校や高校に人形を売ろうという話をしていたのにもかかわらず、それが気持ち悪いみたいな発言があって幾つもの商談が潰れたりしているわけです。そこは県のほうがどういう事情であったのか、どういう事業であったのか、コンテンツ産業の一部ですから成功すれば非常に大きな収益が見込まれるけれども、なかなか難しいのだということをきちんと言ってあげてほしいし、ガイナックスについても、バックにはエヴァンゲリオンという日本でも有数のアニメキャラクターがあるわけでしょう。そういうものを県も協力して、どうやって持ってくるのかと。当初では、バックにある市場の大きさに注目して持ってくるという話だったので、何かただ単に制度が云々ではなくて、商工政策の中できっちり位置づけてやっているわけだから、きちんと説明責任を果たしてほしいなと思うわけです。だから、単に地元と何とかが違うのではなくて、この2社の持っているスキルやコンテンツなど、そういう大きさがあるからこそ応援して誘致したわけではないですか。そこのところはきちんと説明していただいたら、県民の皆さんも理解ができるのかなと思うのです。後ろにある市場が違うと思うので、この2社はもったいないと思いますが、部長はそう思いませんか。
●岡村商工労働部長
まず、県内企業に対して支援していないのではなく、県内企業も要件に当てはまれば支援できるスキームになっています。そこは誤解がないようにしていただきたいです。この2社に関しては、確かに当初の計画とずれてきたところがありますけれども、非常に付加価値の高いコンテンツ系の企業ということで誘致しています。今一旦ストップしているのは米子でのビジネスとしての収益事業を再構築されているという認識でおりますので、我々はそれが再生の可能性があるということで、今、補助金はストップしていますけれども、新たにまた再度精査した上で支援していく用意はあります。ただ少し難しいのは、ガイナックスは本体のほうの事情がありまして、ここは非常に厳しい状況になります。予想以上に厳しいです。それには別途理由があります。ただ、米子市で今まで赤井さんが築いてこられた人脈やいろいろな可能性、人づくりも含めてやはり継続したいという意思は確認していますので、我々もどうにかしてそこをバックアップしていきたいと考えております。
○内田(隆)副委員長
私も砂場委員と同じ発想です。ガイナックスに関しては早目に精査してあげて、補助金を復活させてもいいのではないかと思っています。雇用継続義務も違った形で果たされているわけですから、何が問題があるのだろうかと思います。まして、スモールオフィスのベンチャー支援という仕組みでインキュベーションオフィス機能というところもあったわけですよね。そこに関して、前々から言っていますけれども、ベンチャー企業ってほぼ成功しないですよ。成功するのは1割か2割。2割を超えたら大ヒットですよ。そこにスポットを当てて施策を打っているわけですから、余り厳しくすると優秀な人材が来なくなりますよ。今スモールオフィス的な機能を鳥取県に持ってこようという大きい施策があるわけでしょう。それについて通信費や家賃の補助をしているわけですから、そこは曲げてはだめです。だから、しっかりと支援してあげたらいいと思います。
○市谷委員
今ベンチャー企業のことをおっしゃったので私も言おうと思っていたのですけれども、我々はナノオプトでどれだけ本当に痛い思いをしたかということ、これは党派を超えてもう一度そのことを思い出すべきだと思います。だから、そういう新しいベンチャー企業的な産業には危険がつきまとうと。(「当たり前だ」と呼ぶ者あり)ですよ。非常にこれは留意しなければならないし、誘致してはいけないとは言いませんけれども、税金を投入するわけですから、誘致する以上はきちんとしたルールをつくることがナノオプトから私たちは学んだことだと思うのです。ですけれども、今回の制度は非常に曖昧です。事業継続努力義務があるけれども、そこに対する責任の果たし方が明確でないことが一番の問題だと思いますし、漫画産業のことをおっしゃいましたけれども、まんが王国は県内で今やっておられる漫画産業の方たち、漫画を描いておられる方たちをもっともっと支援していこうという話ではなかったのかと思うのですが、こういう県外から呼んでくる話はちょっと筋が違うと、同じまんが王国をするにしても違うのではないかと思っていますので、考え方が違うことは言わせていただきたいと思います。
◎興治委員長
意見の違いが出ているのですけれども、部長のほうで何か総括的にありますか。
●岡村商工労働部長
まずガイナックスの話は、今、非常に収益が厳しい状況でして、ある程度一時的に借り入れを起こしたりしなければいけない可能性もありますし、借り入れを起こしているとまた収益とのバランスで審査されたりしますので、その辺もきちんと聞いた上で、この制度以外の支援、例えば県でサポートできる補助制度があれば活用の可能性を検討していただいたり、集中的に立ち上げ支援ができないかどうかを検討しています。この制度だけにこだわっているものではありませんので、我々もしっかりサポートしていきたいと思っています。
◎興治委員長
よろしいですか。
意見が尽きたようですので、以上で終わります。
それでは、報告1に係る説明を求めたいと思いますので、担当課以外の執行部の皆さんは御退席いただいて結構です。
暫時休憩といたします。再開は1時といたします。
午前11時47分 休憩
午後1時00分 再開
◎興治委員長
再開いたします。
それでは、残る報告事項について説明していただきます。
報告1、地方独立行政法人鳥取県産業技術センター第3次中期目標の策定について、西村産業振興室長の説明を求めます。
●西村経済産業総室産業振興室長
それでは、商工常任委員会資料の1ページをお願いいたします。産業技術センター第3期中期目標の策定について1枚物でございますが、これに全体の要旨をまとめさせてもらっております。1番の制度の概要につきましては、前回の常任委員会で今後のスケジュールとあわせて説明させていただきましたので省略いたします。
2番で、第3期に向けた方向性としておりますが、前回の常任委員会の際に県はどういう認識で計画を策定したのかという御指摘もございました。(1)の県内産業界の状況として、三洋CE等の大手電機メーカーの事業再編に対して、今後、県内企業が新技術開発等の高度な取り組みが急務であるという認識を持っていることが一つ、(2)で県は平成23年に新たに策定した経済成長戦略、また平成25年に再生戦略として現在整理しておりますが、こういった戦略的な分野を推進したいという認識でございます。
それから、(3)は県が県内企業に面接調査したものでございますが、これにつきましても最終の製品化や実用化を念頭に置き、さらに関係する機関との連携を踏まえ、総合的なプロデュース機能を養成したいというお話もございました。さらに、それと類似すると思いますが、付加価値性や市場評価が高まる研究成果、研究活動をやっていただきたいという御意見もございました。さらに、産業技術センターの職員に求める資質でございますが、企業現場を熟知して自主性や先見性を持って、できるだけワンストップで対応できるような研究員を育成してほしいといった意見がございました。
(4)でございますが、センターが自主的にアンケート調査を行っておりまして、おおむね今のサービスに対しては高い満足度との回答をいただいておりますが、下のほうにございますとおり、一方で、専門分野の拡大、さらなるスピードアップした対応、技術情報等についての支援レベルの向上をといった御意見もございました。
(5)でございますけれども、評価委員会からの意見としましては、9月議会で評価結果をお示ししましたとおり、地方独立行政法人化後、きめ細かな現場重視型サービスがかなり充実してきているというお話もございましたが、先ほど述べたように県内の産業情勢が厳しい中、高付加価値化なり売れるものづくりをサポートできること、それからトータルな技術支援、これは産業振興機構との連携を密にしてほしいといった意見もございました。また、研究開発におきましては選択と集中によって戦略的な研究テーマを設定してほしいというお話がございました。あとは各職員のリーダーシップと職員の実行力の強化など、職員の資質強化を求めるような意見がございました。中期目標はそれらを踏まえて、案として策定したものでございます。
めくっていただきまして2ページでございますが、こちらは少し目次項目的に今回のポイントを1枚にまとめさせてもらいました。我々の第3期中期目標でセンターにお願いしたい大項目は、先ほどのような現状認識や各方面から伺った意見を踏まえ、一番上に破線で描いております、県内産業への波及効果、結果重視の総合支援、もって企業の自立化や高収益化につながる支援につなぐ、これを大きな柱に持ってきたいと思っています。
あと下のほうに、技術支援や研究開発など、それぞれの分野で我々が問題意識を持っているものを中期目標のほうにキーワード的な項目として反映させております。後ほど御説明しますが、中期目標に反映した箇所欄に記載のページ及び番号はこういった思いを中期目標に記しているということを案内しているものでございます。
続きまして、別紙で第3期中期目標の素案という冊子があると思います。これが、今度の2月議会で議案として提案させていただこうとする全文でございます。今の段階は素案ということで提案させていただきたいと思います。
めくっていただきまして、最初の見開きの左側に目次として、ローマ数字の1.、II、3.、4.、5.と柱立てておりますが、これは法定の必須項目でございます。それに対して本書きの数字の1、2、3、4、5は中項目、さらに必要なものは括弧番号で小項目とする構成で組み立てております。
アウトラインのポイントだけ話させてもらいたいと思います。
まず最初に、1ページでございます。これは基本的な考え方として、この中期目標に関する県が産業技術センターに対するこれまでの振り返りと先ほど申し上げた県内の産業情勢、それから今後の課題、それに向けた第3期の行動目標を記してございます。若干申し上げますと、産業技術センターにおきましては、19年4月に独法として発足しました。第1期の期間におきましては、従前と比べて相当企業訪問等を重ねまして、県内製造業のホームドクターという位置付けを確立できた時期ではないかなと認識しております。
続きまして、第2期につきましては、県が新たに経済成長戦略を策定した時期でございます。それに対しまして、高付加価値化を目指す研究成果の技術移転や企業等との共同による研究開発、それにより成果を出してきた時期だと振り返らさせてもらっております。
さらに、続きまして中段でございますが、先ほど申し上げました県内製造業の最近の情勢につきましては、大手製造拠点の海外シフト等によりまして、製造業の出荷額や従業者数、事業所数がこの10年間でおよそ3割ぐらい減少しているという、過去に類を見ない厳しい状況であるという認識を持っております。そのためにはやはり、次に掲げていますとおり製造業の基盤強化、それから国内外からの需要獲得、そのためには高付加価値型の産業分野の技術を県内企業にもたらすことが必要だという認識でございます。その一つとしまして、経済再生成長戦略の戦略分野の振興や企業の参入促進が大きなテーマだと考えております。さらに、地域資源を活用した農林水産物による農商工連携、それから県内の農産物の輸出拡大やそれに向けた新商品開発を重視した取り組みをしていただきたいと考えております。
続きまして、具体の必須項目でございますが、ローマ数字の1.番でございます。これも中期目標の期間として県が定めることとなっておりまして、これまで第1期、第2期とも4年間で設定しております。国の法令に基づきますと3年から5年の間で設定することになっておりますが、評価委員などの委員から5年では長過ぎる、4年が妥当ではないかという意見をいただいておりますので、今回も4年間で設定したいと考えております。
ローマ数字のIIでございます。県民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、これが最も核となる部分ではないかと考えておりますが、今回はここの部分につきまして少し項目を具体化したり、少し新たな項目をつけ加えたりしております。順を追って簡単に説明させていただきます。
1つ目は、中小企業等の製造技術・品質向上、新技術開発への技術支援ということで、具体的なテーマを項目として振っております。こちらは2ページでございますが、(1)から(3)までに分けて技術相談や技術支援について記載しておりますけれども、いずれもこういった基盤的な技術支援の部分をさらに高度化するため、各機関との連携、特に大学等という例示も今回させてもらいました。そういった基礎的な技術支援の部分を他との連携によって充実してほしいという方向性を今回示させてもらっております。
続きまして、2番目の鳥取県の経済・産業の発展に資する研究開発につきましては、前回までは先ほど申し上げた1番の技術支援と研究開発を一くくりにして、その中である程度割り振りしていたのですけれども、今回、研究開発と技術支援をはっきりと2つに分けて目標意識を立てさせてもらったところでございます。構成につきましては、(1)から(3)となっておりまして、特に(1)の最初に網かけをしておりますが、企業ニーズや国・県などの施策、市場動向を的確に把握し、外の環境をしっかり見た上で企業の技術移転や実用化に向けた研究をまず第一にしてほしいということを申し上げております。それからそのすぐ下の網かけでございますが、成長戦略の分野等を例示いたしまして、県内企業の競争力の強化、新たな事業展開に結びつく研究開発について、県としてもこだわりを持った目標を設定させてもらったところでございます。(2)でございますが、これは他の同様な試験・研究機関との連携をさらに大事にしてほしいということで、これを題目に明記させてもらっております。中身的には大学、企業、研究機関との積極的な連携ということを明記しております。(3)として、知的財産権の積極的な取得と成果の普及とありますが、今回、これを項目にしっかりと出すことで、こういった付加価値の高い取り組みの一つとして推奨しているものでございます。
次に3番の産業人材の育成でございますけれども、これも従来から設定している項目でございますが、それぞれの製造企業におきまして高度な産業人材の育成について引き続き傾注してもらいたいということで掲げております。
4番の産学金官連携の推進でございますが、これも従来からの項目ですけれども、2行目に今回は特に産業振興機構との連携を一層深めることとはっきり明記させてもらったところでございます。さらに技術面におきましては、そういった連携の中で産業技術センターが中心的なコーディネーターを努めてほしいという願いを示させてもらっております。
情報発信、広報活動については従来のものでございます。
ローマ数字の3.の業務運営の改善及び効率化に関する事項でございます。これにつきましては、従来から設定しておりますが、めくっていただきまして4ページの2番の職員の能力開発について、最初に申し上げましたように、各方面の意見を反映しまして、広い視野を持って県内企業を先導的に支援できる高度なプロデュース能力を持った人材育成を心がけてほしいということを特に明記させてもらっております。
続きまして、ローマ数字の4.でございますが、財務内容の改善に関する事項でございます。これは従来と大きな変更はございません。
最後に、ローマ数字の5.のその他業務運営に関する重要事項につきましても、従来と変わった点はございませんが、5ページの最初でございます。法令遵守及び社会貢献につきまして、研究成果やデータ等の不正が起こらない環境づくりに努め、公設試験研究機関としての対外的な信頼性を確保すること、これはことし国の研究機関でいろいろと問題が発生しております。ここは地方の公設試験研究機関でございますが、そこにもしっかりと緊張感を持って臨もうということで明記させてもらっております。
あとの項目につきましては従来どおりでございます。
中期目標の全文につきましては以上でございます。
最後に、1枚紙のカラー刷りをお配りしていると思いますが、これは一番左端の欄が冒頭申し上げた国や県内の産業情勢や社会情勢の変化を記しておりまして、真ん中がセンターに今後求めたい方向性を象徴的に記したものでございます。一番右側が先ほど申し上げた中期目標のポイントとして項目を列記いたしまして、全体像を1枚紙で見てもらうものとして整理させていただきました。
◎興治委員長
それでは、ただいまの説明について質疑はございますか。
○内田(隆)副委員長
すごくざっくりしたことを言います。経済産業省の27年度の予算要求の中で、中小企業対策として産業高度化の欄に1フレーズになった新しいフレーズがありますが、これはデザインです。ものづくり法の中にデザインという技術をきちんと位置づけて、そこに対してかなり予算をつけています。それが何につながるかというと、ここに書いてある地域ブランドの確立だったり売れる商品化につながるのだということで、予算要求の中にデザイン、デザインとよく出てきます。素案を見ると、ここにちょっとデザインという言葉が入っているだけです。よく考えたら、これは産業振興機構が担当する分野かなと思っていたのですけれども、経済産業省の予算要求を見ていくと、ものづくり法の中でデザインを技術として指定しています。ここに抜けているのはおかしいのではないかと思うので、追加しなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
●西村経済産業総室産業振興室長
産業技術センターでも企業からの受託や共同の製品開発などの中で、デザインについても従来から相当やっていまして、最終製品の中でそこは非常に付加価値性というか、商品の魅力を高める部分でございますので、そこは既に積極的に取り組んでおります。これまでも計画の中で各課ごとに目標を踏まえた具体的な取り組みを出しておりますので、計画は産業技術センターがつくりますが、デザインについても打ち出してくると考えております。デザインという言葉は目標の中にはございませんが、そういった売れる商品づくりという概念の中で当然出てくるものと認識しております。
○内田(隆)副委員長
デザインと一言に言っても、包装材のデザインから工学部などがやられるプロダクトデザインまで、さまざまなデザインがあるのですけれども、そういう専門家はいらっしゃるのですか。
●西村経済産業総室産業振興室長
デザインについての専門家かどうかはわかりませんけれども、そういったことに造詣のある職員はいると認識しております。
○内田(隆)副委員長
産業振興機構との連携もいいですけれども、その人たちが中心になって、具体的にプロダクトデザインをやっているメーカーや大学、特に広告代理店のいわゆるパッケージデザインやグラフィックデザインの部分との連携が必要ですし、27年度の経済産業省の概算要求の中でそこが結構補助制度の肝になっているところが何本もあるのです。これは多分乗ってくるだろうからきちんと位置づけてやらせないといけないと思います。いかがでしょうか。
●西村経済産業総室産業振興室長
そのあたりの具体的な出方については、来年、中期計画が出てまいりますので、そこはしっかり見据えていきたいと思います。売れる商品づくりということを今回の目標に掲げていますので、その中の重要なファクターということで、我々の中期目標はそういう目線で見たいと思います。
○前田委員
素案の3ページの4の産学金官連携の推進について、この書きぶりが少し薄いなと思います。何が言いたいかというと、金の部分の記述が貧弱です。金融機関との連携だと思うのですが、定期的な話し合いなどはしているのですか。
●西村経済産業総室産業振興室長
産業技術センターのほうも今後は中・小規模事業者に対する技術支援を重点に置いていこうということで、県内に3つの信用金庫がありますけれども、信用金庫が特に小規模事業者を対象にしている金融機関でございますので、先日、そこと連携協定を結んだところでございます。ですから、今後の中期計画の中でもそういったことは当然出てくると考えております。
○前田委員
だから、書きぶりが薄いのです。信用金庫だけですか。地方銀行はなぜしないのですか。
●西村経済産業総室産業振興室長
そこの事情はわかっていないのですけれども、小規模事業者の中心的な役割を信用金庫が担っている部分から3信金と連携されたと認識しております。
○前田委員
金利はどうですか。
●西村経済産業総室産業振興室長
金利ですか。
○前田委員
高いのではないですか。ハイリスク・ハイリターンですよ。先入観で中小企業なら信用金庫というのはおかしいではないですか。金と書いてあるが、これは信用金庫のことか。
●岡村商工労働部長
書き方が薄いという御指摘はごもっともですので、もう少し突っ込んで書いてもいいかなと思います。ここは書きますけれども、以前、産業技術センターが技術評価した取り組みに対して制度融資が組めないか考えたことがあるのですが、そういうことも政策の中で検討していく必要があるかと思っています。そういうことを我々がある程度書き込んで、そのコーディネート役を果たすという書きぶりがいいかなという気がします。
○前田委員
そういうことですよ。次は学が全然足らないです。
●岡村商工労働部長
大学についても、高専と大学とのつき合い方が少し違いますし、県内企業も高専と大学とのつき合い方を変えていますので、そこにどういう形で入り込んでいってコーディネートするか、少し深く入り込んで記述したいと思います。
○前田委員
最後にします。何度も言いますが、4番をもう少し深く書いてもらわないといけないです。
●岡村商工労働部長
おっしゃるとおり、ここについては2月議会のの議案提案までには修正して追加します。
○銀杏委員
前にも関連した質問をしたのですが、大きな2番の(1)の県内企業への技術移転を常に意識した研究開発についてです。企業等への技術移転と書いてあるのですが、中にはある企業と産業技術センターとがいろいろ研究していく中で、研究成果やデータとまでは言えないけれども、ちょっとした工夫で課題を乗り切ったことがあるわけです。例えば一つの金型プレスなどでいうと、技術として絞りというのがあって、ある一定の大きさ、高さの材質でもって絞りをしようと思うと、潤滑油なり何段階でどのような格好で打ち込んでいくかなど、それぞれのノウハウがあるわけです。それを解決して絞り型ができるようになったときに、それがデータとしてきちんと残るものでなかったとしても、こうすればこうした絞りができるのだということはその企業にとって大変ありがたいことでして、それで一つ新たな製品が、ニーズに応じた製品がつくれるようになったと。他社に見られないうちだけの技術でやっていけると思ったものが、産業技術センターの研究員の中で、他社から問い合わせがあったときにこうやればできるのですよと言ってしうと、もとの企業の工夫との差別化ができなくなるのです。そういうことがあって、余り産業技術センターに持ち込みたくないと言われるのです。どこまでそれを研究データとして県内産業の同業他社に流布していいものかどうか、その辺はどう考えておられますか。
●岡村商工労働部長
その話は工業試験場のときからありまして、どちらかというとそれを産業技術センターのデータにするのではなくて企業に帰属させると、逆に産業技術センターの研究員が企業に入り込んでいき、そこで課題を解決するという形で今まで工業試験場でやってきました。例えばそういうノウハウの部分は、やはり研究データとして蓄積するよりは企業に帰属したほうがいいと思いますので、そこは指導のやり方ですよね。指導としての何かマニュアルみたいなものをしっかりつくって、企業の不利益にならないように、我々からすると研究員には現場志向のマインドをもっと強く持っていただくことが我々の指示のポイントだと思いますので、そういう形でとにかく調整してみたいと思っています。基本的にはそれは研究データとしてデータベースに残せないと思います。
○銀杏委員
その辺は相談してこられる企業の考え方や意向をよく尊重してやっていただくように気をつけていただきたいと思います。よろしくお願いします。
●岡村商工労働部長
今、非常に企業間競争が激しいと思われますし、セキュリティーの部分もありますので、そういうフレームをこの中でも何らかの形で盛り込むようにしたいと思います。
○砂場委員
産学金官の10番に書いてあるコーディネート機能はセンターが担うのですか。コーディネート機能ですけれども、これはセンターが担ったほうがいいのか産業振興機構が担ったほうがいいのか、ここが議論したいところですが、今回、全ての研究所へ行ってきて、たくさんの研究員と意見交換した中で、勘弁してほしいというのはここだったのです。どういうことかというと、本来機械の調整であったり料理であったり、そのレベルの話はやはり前さばきを誰かがしてもらわないと、これだけのものは耐えられないというのを現場で聞きました。そうするとやはりコーディネーター役というのは産業振興機構が担うべきではないのか、もっと彼らには技術開発的な専門分野に特化して研究などをしてもらったほうが効率的なのではないかという思いがあるのですけれども、そこはどうでしょうか。こうやって書いてしまっていいものでしょうか。
●西村経済産業総室産業振興室長
その辺につきましては、ここの書きぶりが少しわかりにくいかもしれませんが、基本的にはセンターが技術的知見を発揮してと、あくまで技術面ということで御理解いただければと思っていますし、極力前さばき的なもの、例えば料理等という御指摘がありましたけれども、農業試験場や普及所などとの連携も密にしたりして、そういった前さばき的なことが余り入らないような環境づくりがしたいと思っております。
○砂場委員
そうしたら、例えば産業技術センターが窓口業務の部分は分担して、中心的にやっている技術的知見については、こちらがコーディネートしますみたいな書きぶりのほうがよりいいかと思いました。また、今おっしゃった農業試験場や県の産業技術研究所等の研究所があるので、それらの研究機関との連携というところでは、食品開発研究所にしても環境分野の研究所にしても結構出てくるので、そこら辺を意識したものが要るのかなと思います。
もう一つは、意見交換したときにびっくりするぐらい企業をよく回られていると思ったのです。5時まで企業を回ってきて、それから研究をするのですと言われる方が本当に多かったのです。いろんな話、おもしろい話を聞いたのですが、それがもちろん一番最初に前田委員が言われたミッションという意味では中小企業の支援なのだけれども、そこで得た知見や肌感覚などは、できれば県の施策に生かしたほうがいいと思うのですが、独法化前に市場開拓局や商工労働部とやっていた定期的な会議などが今はないそうなので、予算の4割以上は県から出しているわけですから、もう一回本庁ともきっちり連携して、県の産業施策をしっかり支えていくのだと、シンクタンク的な役割を担うのだということを書いたほうがいいと思うのです。新たな仕事を付加するのでなく、それはよくしていましたよ。
それと、銀杏委員が言われたことは非常に大事なのだけれども、汎用的な研究が企業とのタイアップのためにそこでとまってしまっているところがあるのです。どういうことかというと、これはいろんな分野に応用がきくよねということがあるわけです。例えばびっくりするぐらい薄いガラスをきれいに切る機械、技術を開発しているのだけれども、それはその会社の独自の技術だったのですが、これはいろんな分野で応用がきくだろうなと思ったので、そこら辺のさばきをしていただきたいです。銀杏委員が言われたことはそのとおりだけれども、それはその中できちんと分けて、県内のいろんな企業に波及させましょう、これはまさにこの企業のノウハウになるのだから、この企業に特化させましょうというようなさばきをうまくできる仕組みづくりが必要なのではないかと思います。
もう一つは、前回の常任委員会でも言ったのだけれども、環境とエネルギーの分野については専門の研究員がいないわけです。もしこれを頭に書くのであれば、環境やエネルギーについての課があってもいいのかなと。幾つかの課で環境問題をやられていたり、新素材の研究部署の中で化学物質の吸着をやられていたりなどはあるのだけれども、もしこれが戦略推進分野のイの一番に書かれるのであれば、あとの分野はあるのですよ。デバイスもあるし食品もあります。この分野だけ担当部署がないでしょう。なので組織改編も視野に入れなければいけないし、担当する人がいないと思うのです。その方をまた採用するのかどうかをしっかり考えないと中期計画で頭に掲げていることをやる人がいない、担当部署がないというのはまずいと思うので、それこそ今の産業技術センター研究所の得意分野に合わせる部分も要るのかなと、それとも新たな得意分野にさせるのかどうかは少し議論しないといけないと思うのですが、いかがでしょうか。
●岡村商工労働部長
総括的なところだけ答弁させていただきます。最後の環境エネルギーの分野について、実は研究員はいます。独法化する前ぐらいから産業技術総合研究所に派遣したりしまして、その分野を研究する専門家はいます。組織については理事長の権限ですけれども、それを課として、組織として産業技術センターの中に位置づけるかどうかは、産業技術センターとも協議してみたいと思いますが、恐らく人の配置なり今の研究のレベル、企業の訪問数などで組織は決めていると思います。確かに、産業技術センターの特徴とする分野が何か打ち出せたらいいなと思っていますので、産業技術センターの理事長なり理事なりと議論はしてみたいと思います。
確かに、私が担当課長時代だったころは連携していたのですけれども、それをどうにかして復活させたいと思っています。そのやり方はこの中には書き込めませんけれども、商工労働部としてそういう体制づくりはしたい、しっかりつくっていきたいと思っています。
●西村経済産業総室産業振興室長
環境エネルギーにつきまして私が特に覚えているのは、バイオマス関係についての共同研究などは、今でも割と件数的にもやっているという認識であります。ただ、再生エネルギーなり全般などの関係もあると思いますので、ここは産業技術センターのお話も伺いつつ、中期計画の出し方やあり方はよく相談しながら進めさせてもらいたいと考えています。
○砂場委員
米子市と鳥取市の研究所でそれぞれに研究されているので、両方に研究員がおられるのですよ。ただ中期目標をつくると、それに向けて物事を組み立てなければいけないので、やっているからいいよと言っていいのかなと。しかも今回の場合、目標の戦略的な部分で一番最初に掲げている環境エネルギーについて、ただ計画だけつくればいいのかという話になってしまうと思うので、もし今回の頭に上げるのであれば、それについてもこうでありますよと、しっかりとした組織改編も含めて考えたほうがいいのではないかと思うのです。
それと、ここにはデバイスなどが出てくるのだけれども、機械の話は出てこないですよね。機械研究室があるのですから、加工技術なりそれぞれの特色や強みのある部分があるので、その部分について、確かにニーズからやるのもいいのだけれども、できかかった研究があるのであれば、それは今度の計画の中で位置づけてあげてしっかり評価してあげないといけないと思います。せっかくいい研究ができているのに、計画に基づいて評価されるから、それが評価されなかったら研究員の皆さんがかわいそうだと思うのです。それにはもう少しセンターのほうで、こういう研究があるからこういうふうにという位置づけをしてあげたほうがいいのではないかと思うのです。これはよく相談して書き込んであげたらどうかと思います。
●岡村商工労働部長
まず大前提として基盤産業を支えるという大事な役割があります。これは技術支援のところに入るのですけれども、おっしゃるとおりデバイスなどという表現をしていますが、機械加工や金属などは確かに出てきていませんので、その辺を何らかの形で表現できるように、基本的なものづくり産業を下支えするところがまず第一ですので、そういう表現もどこかには明記したいと思います。
○市谷委員
全体的な県内企業の状況で、これまでの構造が変わってきているために転換をということも触れられているのですけれども、なかなか企業が新しいことを研究したり挑戦することについては、一歩前に出たいけれどもなかなか挑戦しにくいという意識があると思うのです。それで、企業のいろいろな声は紹介されていますけれども、これを利用された方たちの声ではないと思うのです。まず入り口の問題として、かかりやすさというか、ホームドクターとしてという話があるのですけれども、そこについて何か意見が出ていないのだろうかと。相談された方は非常に支援してもらえてよかったというのが、おおむねの評価だろうと思うのですけれども、今こういう産業構造が崩れている中で、多くの皆さんに活用していただいて技術力もアップしていただいたりということが求められているのですが、入り口のところで何かちゅうちょされているような意見があれば、そこは一つ克服してかかっていただくという工夫が要るのかなと思うのです。前さばきの問題がいろいろあるとは思いますけれども、その辺の課題なり問題意識というのはどうでしょうか。
●岡村商工労働部長
実は、独法化するときに一番変わったのが食品開発研究所です。当時の食品加工研究所はどちらかというと研究ベースで企業を受け入れることをやっていたのですけれども、出かけていくことは余りなかったのです。独法化してからは出かける回数がふえています。ですから、帰ってからの時間外では研究ができないということにもつながっているのかもしれませんが、まず出かけていき企業を回るというところで、県内の製造業の事業所は1,000もなく、800ぐらいです。全社回ろうという感じで回っていますので、おっしゃられた使っていない企業云々というところは余り感じていないです。どちらかというと、行って、もしそういう気持ちがあるのであれば、産業技術センターをアピールしてくれていると思いますので、そこで必要なのは、その情報を共有することですので、その仕組みはしっかりつくっていきたいと思っています。
○市谷委員
もう一つ、前回の計画から加わったこの成長戦略の分野ですけれども、これは県の意向としてこういう方向性を持ってというのは、それはそれでわかるのですが、ただ前回も気になったのは、こういう分野を指定するとどうしてもそれが成果ということにならざるを得ないと思います。企業の中にはそれ以外の分野をやってみたいという要求が当然に出てくるのですけれども、そこがセンターの中でどういうふうに位置づけられてきちんと評価されていくのかが前回の計画のときから非常に気になっていました。前回の計画のときは、それも評価として入れていくのですというお話だったのですけれども、そこはどういうふうに書き込まれているのかを教えていただきたいです。
あと、この成長戦略が県内業者の皆さんからおおむね受け入れられている分野なのかどうかも気になるのです。これが、またセンターとしての評価につながることになると、県内企業のニーズと成長戦略の分野が合っているのかどうか、それから外れた場合の開発研究みたいなことがきちんとセンターとしても評価してもらえるのかどうかを教えていただけたらと思います。
●西村経済産業総室産業振興室長
今おっしゃられたお話は、素案の2ページの2の成長戦略の分野についてのことだと思いますが、今回象徴的に書かせてもらったのは、今後、県内産業を奮い立たせて、県外や海外といった対外的なレベルまで高めるということからでございます。それ以外の経済成長戦略の中にも基盤技術の再生戦略がございまして、従来からの金型などの分野も再興していこうという取り組みも入っております。さらに、そういった一般的な企業の取り組みにつきましては、1ページの下から始まっております技術支援の1番でございますが、こちらのほうでそこもレベルを上げながらやってくださいと。ですから、医療機器なりバイオなど、物すごく目新しい部分でなくてもこういった部分で評価していきたいと考えております。
○市谷委員
最後に各機関との連携の話がありますけれども、最近では戦略産業雇用創造事業を使っていろいろな企業の人材育成をしていくということですが、職業開発センターの中に事務局を置いたり3Dプリンターを置いたりされることはすごく大事なことだと思います。しかし、このセンターとの関係がどういう関係になっていくのか、うまく連携して効果的に相乗的にやれるのならそれがいいかなと思うのですけれども、お金の出所も違ったりしますので、今ああいう人材育成を始めているものですから、どういう関係になるのですか。
●岡村商工労働部長
戦略プロジェクトは基本的には個別に企業へ入って、管理技術の分野、例えば生産管理なども含むのですけれども、工場全体の工場管理などができる技術スタッフというか研究員は残念ながら産業技術センターにはいません。この分野は何をやっているかというと、いかにして生産性を上げるかなりコストを下げるか、その工程の中で熟練技能者をどうやって育てていくかなど、そういう現場の課題を人材育成で解決するのが戦略プロジェクトの役割です。産業技術センターの場合はどちらかというと管理技術ではなくて、一工程の中の一個別の技術の高度化が役割になりますので、直接は関係ありませんけれども、例えば基盤技術という、金型や素形材の部分があるのですが、そこは戦略プロジェクトの協議会の中にも産業技術センターが入っていますので、発表会などは産業技術センターの研究員が行って聞いています。どういうことが企業の生産性向上につながっているのかを研究員も聞いていますので、そういう形で情報共有していきたいと思っています。
○市谷委員
わかりました。
○砂場委員
今の西村室長の答弁が気になったのですけれども、昔と違って今は各技術分野が先鋭化しているではないですか。今、産業技術センターの各研究所の各課に3人しかいないから、その分野を全部カバーできている状況ではないと思うのです。市谷委員の質問に答えられたのも、それはおっしゃるとおり理想だと思うのだけれども、ある程度そこは中でさばかないと、その分野の専門家がいないからもう手に負えないので、鳥取大学にお願いなりするような形にしないと、ただでさえかわいそうなぐらい一生懸命に勤務時間中されていて、全て受けて全て対応しようというのは無理だと思います。一方で、市谷委員が言われていることももっともで、この分野は産業戦略分野とは違うから相手にしないということであればそれも困る話になるので、これは最後はそこになってしまうのだけれども、どうコーディネートするのかなと思いました。やはりコーディネートは産業振興機構がやられて、専門分野は産業技術センターで研究してもらうと、これは大学外とも連携してやることが必要なのではないかと思うのです。だから、今、西村室長が言われた理想はそのとおりですけれども、現場を見てお話を聞いた私としては、そこまで要求したらパンクしてしまうと正直思うのです。それが1点目。
2点目は、職員の能力開発についてですけれども、今の体制は課長がいて、その下に研究員が2人程度いる体制ではないですか。今回、技術サポート員というのががついているけれども、それは実験なり機械のお世話をやっていて、1人抜けるということがすごくつらいのだと。そうすると、せめて各課が課長の下3人体制ぐらいにならないと、3カ月なり1カ月の間、学会などに出てもらったりすると無理だとおっしゃった課長が多かったです。多いところは4人なり5人いるからいいよと言うのだけれども、ここまで書くのであれば人員をふやしてあげないとつらくないのかなと。言っていることは間違いではないのだけれども、今の人員でこれだけのことをやってもらうことが本当に過重負担にならないのかなと思います。今でも皆さん大変そうなので、それは商工労働部サイドで少し配慮してあげたほうがいいではないですか。
●岡村商工労働部長
最初のコーディネート機能のところで少し考えなければいけないと思っていますのは、例えば産業技術センターの中の総務といいますか、企画部門があるのですが、ここのスタッフは県の職員を派遣しておりまして、ここの機能強化も要るだろうと思っています。それは機構が全てコーディネートするのではなくて、コーディネートする人同士の通常のコミュニティーが要るのかなという気がしています。そういうものを含めて商工労働部で音頭をとってつくってみたいと思っていますし、定数に関しては我々の役割なので、企業の需要も見ながら産業技術センターの今の活躍ぶりも評価しながら議会と相談させていただき、必要に応じて定数増に向かいたいとは思っています。
◎興治委員長
ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、意見も尽きたようですので、産業技術センターの中期目標についてはここまでといたします。
委員の皆様に御連絡いたします。次回の常任委員会は来年1月21日、水曜日、午前10時から開催する予定でありますので、よろしくお願いいたします。
それでは、委員の皆様には御相談がありますので、この場にお残りください。執行部の皆さんは御退席いただいて結構です。
(執行部退席)
皆さんにお残りいただきましたは、本委員会と執行部との意見交換会についてです。本日午後6時からホテルモナーク鳥取で開催いたしますので、どうぞ御参加をよろしくお願いいたします。
次に、農業活力増進プランの作成状況に係る勉強会をしますが、2時からでよろしいですか。(発言する者あり)
では、2時から始めさせていただきます。
以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。
午後1時55分 閉会
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