傍聴議員 なし
説明のため出席した者
岡村商工労働部長、岸田農林水産部長、山田企業局長、田栗労働委員会事務局長、ほか各総室長、課長、関係職員
職務のため出席した事務局職員
木村課長補佐 若松課長補佐 西村主事
1 開会 午前10時01分
2 休憩 午前11時39分
3 再開 午前11時45分
4 閉会 午後 0時18分
5 司会 興治委員長
6 会議録署名委員 小谷委員 砂場委員
7 付議案件及びその結果
別紙日程表及び下記会議概要のとおり
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会議の概要
午前10時01分 開会
◎興治委員長
それでは、ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、今回の常任委員会は、最初に農林水産部、次に商工労働部、企業局、労働委員会の順に行います。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、小谷委員と砂場委員にお願いします。
それでは、報告事項に入ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いします。
なお、質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
報告1、平成26年度多面的機能支払の取組結果について、俵農地・水保全課長の説明を求めます。
●俵農地・水保全課長
それでは、1ページをお願いいたします。多面的機能支払いの今年度の取り組み結果がまとまりましたので、その概要について御報告させていただきます。
今年度から多面的機能支払いは、農地維持支払い、資源向上支払いの共同活動、それから同じく施設の長寿命化の3つに分かれました。このうち、農地とのり面の草刈りや水路の泥上げ等を行います農地維持支払いにつきましては、農地の用地面積に対する取り組み面積の割合が
29%から40%に上がりましたけれども、目標としておりました50%には達しておりません。そのほかの共同活動と施設の長寿命化につきましては、昨年に比べましてカバー率がそれぞれ3%から4%アップしております。農地維持支払いが目標に達しなかった理由でございますけれども、中山間地域等直接支払いと多面的機能支払いとを重複実施する組織が少なかったということでございます。
参考の表を見ていただきたいのですけれども、これまで農地維持支払いのみ、農地維持支払いと中山間地域等直接支払いとを重複している組織、それから中山間地域等直接支払いのみをしておられる組織をそれぞれ合わせますと、県内のカバー率は47%になります。もともとの考え方は、中山間地域等直接支払いに取り組んでおられる組織を全て重複実施に持っていき、なおかつ新規の取り組み地区を3%ぐらいふやして50%に上げたいということがもともとの計画でございました。結果は、新規地区がふえまして全体のカバー率は50%にふえたのですけれども、中山間地域等直接支払いの単独から重複へ意向される組織は思ったほど伸びなかったところでございます。
その理由ですけれども、平成27年度から中山間地域等直接支払いは第4期対策が始まりますので、これとあわせて多面的機能支払いに取り組みたいといった声なり、高齢化の進行で集落機能が弱まっており、第4期対策についてどうするか考えているので、その結果が出てから多面的機能支払いについても判断したいということから、今回見送れた組織がたくさんありました。そのほか、未着手集落では、リーダーや会計事務を担う人材がいないといった理由もございます。
今後の対応でございますけれども、まずは、中山間地域等直接支払いに取り組んでいる組織について、できるだけ重複実施していただくよう働きかけをしていきたいと思っております。第4期対策について近々国から県へ説明がありますので、それを受けて早急に市町村の方、あるいは集落に説明して重複実施を働きかけていきたいと考えております。それから未着手の集落に対しては、旧村単位等で何集落かにまとまって一つの協定をつくっていただき、その中で会計事務を担う人材等を確保していただくことを働きかけしながら、新規地区の掘り起こしに努めてまいりたいと思っております。
◎興治委員長
報告2、鳥取県農業活力増進プランの策定状況について、佐々木とっとり農業戦略課長の説明を求めます。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
農業活力増進プランでございます。きょうは別紙をお配りいたしております。
別紙の1ページをお開きください。活力増進プランにつきましては、これまで検討を進めてまいりまして、本委員会におきましても各種御意見をいただいたところでございます。いただきました御意見を踏まえまして、このたび骨子の検討素案を取りまとめましたので、その概況について御説明を申し上げます。
まず、ポイントでございますが、このプランの位置づけでございます。プランの位置づけといたしましては、本県農業の将来の姿を思い描きながら目標を明確にし、そこに到達するための施策の基本方針といった位置づけにしたいと考えております。対象期間といたしましては、来年度を初年度といたしまして、おおむね10年後を目標時期とする計画とさせていただきます。
基本目標でございます。目標については、3つの基本目標を定めたいと考えております。1つ目は仲間がふえる、2つ目は所得がふえる、3つ目は地域農業が守られる、この3点を目標といたしたいと考えております。
1つ目の目標につきましては、新規就農者あるいは女性を含めた多様な担い手が活躍できる環境づくりに向けた取り組みを進めてまいります。
2点目の所得がふえるでございますが、ここでは数値目標といたしまして、認定農業者の農業所得を380万円以上とすることを目指してまいりたいと考えております。この額につきましては、今年度の5月に改定いたしました農業経営基盤強化促進基本方針の中で、認定農業者が目指すべき所得の基準として定めている額でございます。考え方といたしましては、本県の他の産業の平均年収が大体380万円程度でございます。農業の分野でも他産業並みの収入を確保できるような環境づくりを進めてまいりたいと考えております。あわせまして農業産出額でございますが、現在、鳥取県の農業産出額は大体670~680億円でございます。この額は10年前から比べますと大分減っております。ですが、ここ数年は横ばいの状態でございます。この認定農業者の農業所得、担い手の所得が一定額確保できるようであれば、この額をキープすることは可能だと考えておりますので、700億円を一つの目標として掲げていきたいと考えております。
3点目の地域農業が守られるにつきましては、中山間も含めたさまざまな営農形態が維持されて農村を守っていくための取り組みを目標として掲げていきたいと考えております。プランではこの目標の達成に向けまして、具体的な取り組みを位置づけてまいりたいと考えております。
2ページをごらんください。取り組みの体系でございますが、これまで御説明を申し上げました4つの基本方針のもと、10の重点分野を定めたいと考えております。この10の分野に係る具体的な取り組みは、きょうお配りいたしました別冊のプランの骨子版に記載させていただいているところでございます。
具体的な取り組みにつきましては、それぞれ可能な限り目標指標を設定いたしております。また、考え方といたしましては、当面3年程度を想定いたしておりますので、3年程度重点的に進めていく必要があるという取り組みを記載いたしております。また、それぞれの取り組みごとに本委員会でも御指摘いただきましたコストの面につきましては、把握できる範囲内になりますが、必要額を記載いたしたいと考えております。本日お配りしている資料の中ではまだ記載いたしておりません。現在、予算編成の作業を進めている段階でございますので、個々の額については来年度の当初予算の編成作業が確定した段階で記載いたしたいと考えております。
また、プランの検証でございます。1年ごとに検証いたしますが、3年間の具体的な取り組みを記載する関係上、3年後に大きな見直しをしてまいりたいと考えております。情勢変化の動きなどもあろうかと思いますので、目標達成に向けて本当にこれが具体的かつ効果的な手法なのかという観点も含め、前回の見直しを図ってまいりたいと考えております。
別冊をごらんください。ただいま御説明申し上げました概要につきましては、1ページから
11ページまでの内容でございます。12ページ以降に具体的な取り組みを分野ごとに記載いたしております。
概略を御説明申し上げます。
12ページから14ページにつきましては、担い手の育成・確保でございます。来年度以降、農業大学校に新しい職業訓練コースを設けます。また、集落営農の見直しあるいは女性の経営参画のための新たな事業展開といった取り組みを進めながら、多様な担い手が営農できる環境を整えてまいりたいと考えております。
15ページから18ページは、水田農業でございます。これは稲作を中心といたしまして収益性の向上を図っていく対策を位置づけてまいりたいと考えております。低コスト稲作の生産、飼料用米を中心にした転作なり、園芸品目の導入など水田フル活用を進めてまいります。また、新たな需要確保に向けた米の輸出展開の取り組みについても加速してまいりたいと考えております。
19ページから25ページにつきましては、園芸でございます。園芸につきましては、特に野菜でございますが、ここ10年間で産出額を伸ばしている数少ない分野でございます。この強みをさらに伸ばす取り組みを進めてまいります。
具体的な取り組みといたしましては、現在、低コストハウスの導入などの検証を進めておりますが、具体的な普及も含めて農業施設の低コスト化、30%から50%の削減に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。また、稲作農家の園芸品目の導入、果樹新品種、さらには、業務用野菜の導入など経営の多角化を進めてまいりたいと考えております。
26ページから29ページは、畜産分野でございます。百合白清2、白鵬85の3など非常に能力の高い種雄牛が誕生いたしました。これを絶好の好機と捉えまして和牛ブランドを構築、推進してまいります。また、酪農の生産基盤の強化にも取り組んでまいります。
具体的な取り組みといたしまして、和牛の増頭対策につきましては、新規参入者に対して牛舎の新築の支援あるいは受精卵移植、精液の取り扱い部分の明確化、さらには肥育素牛の県内保留といった取り組みを進めてまいります。また、酪農につきましては、先般御説明いたしましたメガファームの整備に向けて検討を加速してまいりたいと考えております。
◎興治委員長
よく聞き取れないので、もう少し大きい声で説明してください。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
わかりました。
30ページから31ページは輸出でございます。現在の年間輸出額は、水産物も含めて4.5億円でございますが、これを2020年までに倍増してまいりたいと考えております。具体的なターゲット品目、ターゲット国を決めながら、ドールジャパンの販路網などを活用し、さらに成果物の輸出を伸ばしてまいりたいと考えております。また、ハラルを初めとしました国際認証の取得なども進めて新たな需要を開拓してまいります。
32ページから34ページは、とっとりフードバレーの取り組みでございます。具体的には、6次産業化、農商工連携、新商品の開発を進めてまいります。これも先般御説明いたしましたが、県内加工が非常に進んでいない状況でございます。県内の加工業者が加工に取り組めるための施設整備の支援などを強化してまいります。また、新商品の開発に向けて公設試験研究機関や鳥取大学、そういったシーズを持っている機関との連携を強化してまいります。また、県の農業関係試験場で各種品種育成を進めております。高付加価値化あるいは機能性に着目しながら、今後取り組みを進めてまいります。
35ページから36ページが、食のみやこ鳥取ブランドの発信でございます。これまで、リーディングブランドである梨あるいはブロッコリーなどの取り組みを進めてまいりました。今後、和牛ブランドも含めましてよりメディア広告の展開など、対策を強化してまいります。あと、先般、本委員会におきまして御提案のございました規格外野菜の販路開拓なども県外本部を通じて支援に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、37ページから39ページでございます。これは中山間地を初めとする地域農業の推進でございます。この項目につきましては、特産品の育成あるいは地域資源、特にバイオマスを使いながら新たな品目の導入に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。また、地域おこし協力隊あるいは共生の里など県内外の支援人材の皆様と取り組む農地の維持活動に係る取り組みを強化してまいりたいと考えております。
40ページと41ページでございますが、これは基盤整備でございます。具体的には、日本型直払いの活用、先ほど俵課長から御説明申し上げましたが、こういった取り組みに向けた活動組織の広域化などを進めてまいります。また、担い手への農地集積に向けた基盤整備あるいは生産コスト低減に向けたため池など農業施設の長寿命化に向けた対策を強化してまいりたいと考えております。
最後に、42ページから44ページが「農とともに活きる」でございます。これは地産地消や安心・安全な農産物の生産体制に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
最後のページに、経営モデルの試算をつけさせていただいております。これは、経営基盤強化促進基本方針の中で位置づけております、目指すべき経営モデルの類型例でございます。一定条件のもとでの試算でございますが、こういった類型であれば、こういった農業所得の確保を目指すことができるというモデルを示させていただいたものでございます。こういったモデルを目指しながら本プランでも対策を進めてまいりたいと考えております。
◎興治委員長
次に、報告3、高病原性鳥インフルエンザ発生への対応について、津森畜産課長の説明を求めます。
●津森畜産課長
それでは、本冊の資料の2ページをお願いいたします。ことしの冬は、野鳥の死体、ふん便からのウイルスの検出が続いておりますし、農場でも発生が続いております。表にまとめておりますけれども、1例目の宮崎県については常任委員会で報告させていただいたとおりですが、宮崎県で続発しております。年末には山口県の長門市、そしてことしに入りまして岡山県の笠岡市、佐賀県の有田町でも発生しております。それぞれ速やかに防疫作業に取りかかり、防疫作業が完了したところは、完了した日から21日経過すれば移動制限解除となりますので、現在のところ3番目の山口県まで防疫措置が完了し、山口県も今週には移動制限が解除になる予定です。5番目の佐賀県につきましても、きのう防疫措置が完了したという情報を得ておりますので、そこから21日後の2月上旬には完了すると思われます。なお、岡山県の採卵鶏は20万羽規模と非常に大きい規模ですので、防疫作業、殺処分に手間がかかっておりまして、防疫作業の完了は今週末の23日の予定だと聞いております。それが終わってから21日後ということですので、少し時間がかかっている状況でございます。
国の対応といたしましては、それぞれ発生するごとに農林水産省に鳥インフルエンザ防疫対策本部を設置するなど、感染経路の把握や支援チームの派遣等を行っております。
本県の対応でありますけれども、発生しました初発の12月16日、12月29日、それから1月16日に庁内連絡会議を開催しまして、情報の共有や対応策の検討等をしております。それぞれ発生した都度、養鶏場や学校、福祉関係施設など、鶏、野鳥を飼っているところに情報提供しますとともに、家畜保健衛生所が全農場に連絡をとって、飼っている鶏に異常がないことを確認しております。それと疫学関連がないことを確認しております。特に岡山県は本県に近いということもあって疫学関連が心配されたのですけれども、疫学関連はなしということでございました。また、死亡、殺処分した鳥を焼却するためにプラスチックのバケツに入れて運搬するのですけれども、その数が足りないことから協力要請がございまして、本県が備蓄しておりました2,600個のペール缶から1,000個を当日トラックで輸送しまして、協力したところです。
御承知のことと思いますけれども、消費者の皆さんに対しましては、鶏肉を食べて感染する、卵を食べて感染することはないときっちりと情報提供いたしまして、混乱が生じないように努めているところでございます。
◎興治委員長
報告4、「とっとり・おかやま新橋館」における県産原木しいたけのPRについて、村上県産材・林産振興課長の説明を求めます。
●村上森林・林業振興局県産材・林産振興課長
資料の3ページをお願いいたします。「とっとり・おかやま新橋館」における県産原木しいたけのPRについて、御報告させていただきます。
生産者を初めとする原木シイタケの関係団体で構成されます原木しいたけブランド化促進協議会が、とっとり・おかやま新橋館において試食販売等を実施しました。日にちは、1月10日、
11日の土日でございます。
内容につきましては、1の(4)に示しておりますが、生シイタケのバター焼きと干しシイタケのステーキを試食していただきました。結果としまして、生シイタケを246パック、それから干しシイタケ234袋を販売いたしました。
2番に消費者とアンテナショップ運営事業者の反応を書いております。一言で言いますと、非常に好評でございました。特に干しシイタケのステーキに関しましては、若い女性や子供に好評でございまして、干しシイタケを戻して焼く感覚が非常に新鮮だという感想をいただいております。一方で、原木の産地に放射能の影響がないか気にされる方もいらっしゃいましたので、鳥取県産の原木シイタケが安心だという産地の情報を伝える工夫も必要だと感じたところでございます。
今後の対応を3番に記載しております。アンテナショップ物販店舗で扱っている干しシイタケに加えて、生シイタケの販売、それから飲食店舗での原木シイタケの供給に向けて、今後、供給体制や運営事業者と時期、価格等の具体的な検討を行っていきたいと考えております。参加された皆さんが手応えを感じていらっしゃっいましたので、県としましても、ブランド化に向けて来年度当初予算の中で引き続き検討し、支援を続けていきたいと考えております。
◎興治委員長
報告5、境港市における木質バイオマス発電所の稼働について、山本県産材・林産振興課参事の説明を求めます。
●山本森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(木質バイオマス利活用担当)
資料の4ページをお願いいたします。境港市において日新バイオマス発電株式会社が整備を進めています木質バイオマス発電所の本格稼働が始まりますので、御報告させていただきます。
当初の計画では4月から売電を開始する予定でしたが、発電所整備が順調に進みまして、2月8日から試験運転を行い、2月16日から売電を開始する予定でございます。この発電所は、年間8万トンの木材チップを燃料として使用する計画でございます。未利用材、そして日新の合板工場から発生する端材を使用する計画となっております。平成27年度につきましては、未利用材1.65万トン、合板端材6.35万トンを使用する計画となっております。最終的には、未利用材と合板端材を4万トンずつ使用する計画としておりますので、平成27年度は1.65万トンでございますが、これを段階的にふやしていく計画でございます。
燃料の調達状況につきましては、平成27年度の調達予定量の1.65万トンに対しまして約1.7万トンが12月末時点で集荷されております。発電所の稼働に向けた燃料調達は順調に進んでいる状況でございます。なお、発電開始以降の3月に竣工式を行う予定でございます。
◎興治委員長
報告6、ナラ枯れ被害の発生状況について、伊藤森林づくり推進課長の説明を求めます。
●伊藤森林・林業振興局森林づくり推進課長
5ページでございます。県内におけるナラ枯れ発生状況調査を行い、対策を講じましたので、御報告申し上げます。
ナラ枯れにつきましては、8月下旬に地上からの枯れ木の探査を行ったほか、9月2日には防災ヘリを使用した枯れ木の空中探査、そして民間ヘリコプターを活用して9月10日から12日、県中西部以西の緊急対策区域では9月29日に大山町を中心に空中探査を行いました。その後、実際に山に入って、枯れている木と、カシノナガキクイムシが入っておりますが枯れていない木を全て数えまして11月末時点の被害本数といたしました。10月の常任委員会では、9月上旬で緊急対策区域ではナラ枯れ本数は減少し、全県的にも本数は減少していると報告いたしましたが、このほどの地上調査の結果を合わせますと、11月末で緊急対策区域では対前年比約2倍、被害区域では減少という結果になりました。
昨年は、冷夏、8月の長雨、日照不足ということで、被害本数が減るのではないかと予測しておりましたが、県中西部におきましては、害虫の脱出時期に当たる6月から7月は小雨であって、被害の増加要因の一つになったのではないかと思います。それに加え、先ほど申し上げましたとおり、ヘリコプターによる複数回数の空中探査、GPSを使用した被害木の確定、それを用いた徹底した地上調査等を行いまして、調査精度が向上し、被害木を高い確率で発見することができたと思います。
今後の対応でございます。民有林、国有林において被害木の伐採搬出、薫蒸、ビニール被覆、根株シート被覆等による駆除を実施いたしておりますが、特に国2分の1、県2分の1で地元負担のない緊急対策区域におきましては、把握した全量の被害木を確実に処理し、来年度以降の被害木の減少につなげていきます。なお、被害木発生の多い大山町や琴浦町では年度内処理完了が難しくなっておりますので、少しでも年度内の進捗を上げつつ、カシノナガキクイムシの発生する今年の5月末までに全被害木の処理を完了させる予定でございます。
◎興治委員長
報告7、平成26年水揚げ(境漁港)と今後の漁況予報(県内)について、下山水産試験場長の説明を求めます。
●下山水産試験場長
資料の6ページをごらんください。昨年の境漁港の水揚げと今後の漁況予報について説明いたします。
昨年の境漁港の水揚げ量ですが、前年に対して15%減少の11万5,724トンでございます。また、全国順位は5位でございます。1位の銚子と2位の焼津は変わっておりませんが、3位と4位に釧路と八戸が入ってまいりました。震災復興も大分軌道に乗ってきたのではないかと感じられます。水揚げ金額は192億円で、水揚げ量が減少したにもかかわらず前年比で108%と伸びております。これは全国順位で昨年と同じ8位となっております。魚種別で見ますと、特徴的なのはマアジは変わっておりません。マサバが大きく増加してマイワシが大きく減少しております。単価は、3魚種上がっているのですが、マサバについては、やはり他県との在庫の関係もございまして、単価が11%ぐらい落ちている状況でございます。
27年の1月から3月までの漁況予報について御説明いたします。
何魚種か上げておりますが、この中で特徴的なものは、まずマイワシが非常に下がっているということ、これは以前の稚魚の調査ですと、2桁ぐらい多いという調査結果が出ておりましたが、その後、成魚が見つかりません。日本海の真ん中あたりまで調査した例もありますけれども、それでも見つからなかったということで、関係者が非常に頭を悩ませているところでございます。ただ、太平洋側では非常に多く上がっておりますので、タイムシフトして日本海側でもふえてくるのではないかというのが大方の予想でございます。マアジのほうが相変わらずとれておりまして、大体主要魚種というのは周期的に交代してくるものでございますので、今はマアジからマイワシに移行する層だと思われているのですが、依然としてマアジが頑張っているということで、マアジの漁獲が続いている状況でございます。
◎興治委員長
報告8、第1回日本ジビエサミットの開催について、中原食のみやこ推進課長の説明を求めます。
●中原市場開拓局食のみやこ推進課長
それでは、資料の7ページをお願いいたします。このたび日本ジビエ振興協議会主催の第1回日本ジビエサミットが鳥取県で開催されることとなりまして、鳥取県も共催の形で参加させていただきます。その内容について御報告いたします。
期日は、2月5日、6日の2日間です。内容については、5番に記しておりますが、まず初日が現地視察ということで、若桜町のわかさ29工房を中心にジビエ関連施設を参加者に視察していただきます。2日目のサミット本体ですが、「地方創生への道 迷惑ものが資源に変わる」をメーンテーマといたしまして、基調講演、パネルディスカッション等を行います。地元のいなばのジビエ推進協議会にもパネルディスカッションには参加していただく予定です。
7番に関連事業を記しております。サミット開催にあわせまして、いなばのジビエ推進協議会が「日本ジビエサミット開催記念おもてなしフェア」と称しまして、加盟飲食店でジビエ料理提供のフェアを開催しております。2月4日から15日の12日間です。また、現地視察の際には、若桜鉄道と協力いたしましてジビエサミット専用車両を増設いたしまして、参加していただく皆様にもお楽しみいただくような工夫をしたいと思っております。フェアもございますし、基調講演、パネルディスカッション等に御参加いただけますので、委員の皆様にもぜひ御参加いただければと思います。
◎興治委員長
報告9、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、俵農地・水保全課長の説明を求めます。
●俵農地・水保全課長
では、8ページをお願いいたします。農業用水再編対策事業大井手地区、池口調整池工事でございます。このたび最終の変更を行ったものでございます。
変更理由でございますけれども、地盤改良工事に伴いまして、セメント分の入った濁水が出てまいります。これをこのまま下流に流せませんので処理を行う必要がありますけれども、この処理期間が短期間で終わったということで、123万円余の減額変更を行っております。
◎興治委員長
それでは、今までの説明について質疑等はございますか。
○市谷委員
最初に、1ページの多面的機能支払制度の主要な点について、県としては中山間地の直接支払いと多面的機能支払いとを重複実施してもらい、全体として利用を拡大したいという話だったのですけれども、なかなか地域の方たちは両方を実施しにくいという話だったと思うのですが、両方の制度のそれぞれの特徴と、それから農家の皆さんが困難だと思われる理由をもう少し説明していただけるとありがたいです。
●俵農地・水保全課長
水路や道路などの泥上げは当然にあるわけですけれども、それはいわゆる多面的機能支払いで行います。ただ、中山間地の場合は、どうしても長大なのり面がありますので、いろいろ手間などがかかります。その生産費のコストを是正するために中山間地については、別途加算措置が講じられておりますので、仕分けとしてはそういうことです。中山間地のほうが平地に比べて草刈りなどにしてもいろいろ手間がかかるということで、その部分は中山間地の直接支払いのほうで手当していると御理解いただきたいと思います。
あと、中山間地が進まなかった理由ですけれども、やはり一番大きいのは、中山間地の直接支払いについて来年度から新たに第4期対策が始まるということで、その際に協定面積などを再度見直ししなければならないこともあり、中山間の直接支払いとあわせて多面的にも取り組みたいといったことのようです。先走って1年前倒しするよりは、同時スタートを切りたいという意見が多かったですし、もう一方は、中山間地では高齢化が進行しているため、これから5年間農地を守っていけるのかどうかわからないという意見もあり、集落の中では多面的機能支払いについては中山間地の直接支払いとセットで考えたいといったことから、来年度からの取り組みを検討されるところが多かったです。多面的は今年度から、それから中山間地は来年度からと1年ずれておりますので、そのずれが大きかったのかなと思います。
○市谷委員
そうしますと、そのずれが来年度そろって同時スタートとなったときに、両方取り組めるかどうかが一つ大事になると思うのですけれども、ただ、先ほどおっしゃった中山間地域での担い手の人たちが減少したり高齢化していることに対して、克服していくような手だてをとらないと両方していただくことにはなりにくいのかなと思います。それで、何か以前この中山間地域のほうは取り組みやすいように要件緩和ということを言っておられたのですが、それは多分有効なことだと思うのですけれども、国はどんな反応なのでしょうか。
●俵農地・水保全課長
その制度の詳細については、今後、国から説明がありますので十分把握しておりませんけれども、聞いている範囲では、1つは、集落が単独で維持するのは大変なので、グループ化してみんなで守っていきましょうと。そういう広域組織をつくりますと、お金の面で例えば別途加算金が出るなり、それから、棚田や特に勾配の急なところについては加算措置するということを講じられております。
中山間地の場合は転用というか、耕作放棄地が出ますと協定面積全体を対象に遡及返還ということが一番大きなネックでして、そのことについて要件緩和するよう国に求めてきましたけれども、その部分については、協定期間が5年間で、転用が出たときには全体を遡及返還するというのが制度の骨格部分ですので、要件緩和はできないと聞いています。ただ、返還の免除になる事例として、例えば家族の方が介護が必要になって耕作ができなくなったなど、そういう返還免除となる要件を少し広げて救っていくという話を聞いております。そのあたりでは、今後の事業推進につなげていきたいと考えております。
○市谷委員
わかりました。担い手をふやしていくことと同時に、現状の中で使いやすい制度にしていくために改善を求めることは大事だと思いますので、引き続き要件緩和を求めていただきたいと思いますし、多分これは議員立法の関係だったと思いますので、私たちも努力しないといけない部分かなと思います。
続けて……(「関連」と呼ぶ者あり)
◎興治委員長
関連ですね。どうぞ。
○砂場委員
素朴な質問で申しわけないけれども、多面的機能支払いというのは、水路やのり面などを対象としているのですよね。中山間地の直接支払いというのは農地そのものに出しますよね。だから当然、重複してもらったほうがいいと思うわけです。それで県も勧めているにもかかわらず、農地維持の支払いのみなり中山間地支払いのみの実施となる理由がよくわからないですけれども、重複してもらえるのであればもらったほうがいいわけなので。今お聞きすると、リーダーや会計事務を担当する人材がいないというのであれば、それこそ県がお手伝いしてあげるなり、地域づくり協力隊などのいろいろな制度があるので、うまく利用してあげたほうがいいのではないかなと思いますが、なぜ両方もらえるのに片方しか請求しないのでしょうか。やはり要件などで難しいものがあるのですか。
●俵農地・水保全課長
これまでは確かに重複してできるということはあったのですけれども、中山間地の支払いは平成12年ぐらい、多面的支払いは平成19年と制度のできた時点が違っています。昨年までは、中山間と多面的支払いを重複してはいけないという市町村が結構あったのですけれども、今回、日本型直接支払いという一つの大きな制度の中に入ったと同時に、県は積極的に重複して取り組んでくださいという話をしております。ということで、今年度から重複してやってくださいという話を地元に対して強く言ってきたのですけれども、協定書のつくり方なり事務処理が1年間では間に合わないといったこともありまして、今年度は伸びが小さかったところです。ただ、来年度から取り組みたいという組織はかなりあると聞いておりますので、そのあたりは、県のほうもPRしていきながら掘り起こしに努めていきたいと思っております。
○砂場委員
要は事務処理が煩雑なわけですか、それとも周知徹底がなされていないのですか。
●俵農地・水保全課長
周知は一生懸命やっていますけれども、ただ、事務作業が間に合わないと言ったほうがいいと思います。例えば協定面積などについて、多面的支払いの面積を来年から始まる中山間地直接支払いの面積に合わせてやりたいということがあります。その面積も今、来年どうするか検討してもらうといったこともありますし、事務的に手続が間に合わなかったと言ったほうがいいのかもしれません。会計事務等については、多面的機能支払いはかなり制度が簡素化されておりますから、それほど大きな負担にはならないと思いますけれども、そうはいっても高齢化等によりなかなかできない集落もあります。そういうところについては、先ほども言いましたとおり、何集落かがまとまって広域化で組織をつくって、その中で確保していただくなり、あるいは先ほど言われたように、地域づくり協力隊の方に事務を委託してやっていただくなど、やり方はいろいろあると思いますので、そこはまた地元の方といろいろ話をしながらできるような方法を探っていきたいと思っております。
○砂場委員
最後にしますけれども、単価からいうと中山間地のほうが高いではないですか、急傾斜地は2万1,000円で、それ以外だと8,000円なので、こちらを利用してもらったほうが農家の人は有利なのですが、今回、中山間地の取り組みの重複と直接支払いを足すと1%しかふえていないのです。ということになってしまうので、やはり農地維持のほうは、確かに今まで周辺の大変だったところをみんなでお金を出そうという制度としてはいいと思うのだけれども、実際のお金というのは中山間地直接支払いのほうがいいので、少しでも厳しい農家の経営状態を支えてあげたいということになると、中山間地をとってほしいと思うのです。今、農地維持支払いをしているところに中山間地もやりましょうよという働きかけをしていただけたらふえるのかなと。中山間地のほうが金額が大きいから、実際に農家の手にお金がどのくらい渡るのかという視点でやっていただければありがたいと思います。
●俵農地・水保全課長
中山間地域は、農地の勾配が急なところに絞られます。農地維持支払いについては平場のところでも利用できるのですけれども、要件的に中山間地域に乗れない地域はかなりあります。ちなみに、県内で今、中山間地域の直接支払いに乗れる地域を対象にカバー率を出しますと、
84%~85%ぐらいは今取り組んでいただいております。100%ではないのですけれども、そのぐらいの率になります。
○砂場委員
中山間地の指定があれば、急なところは今言われた2万1,000円だけれども、緩やかなところでも8,000円もらえるはずですよね。だから、額からいったら2倍以上違うので、何かもう少しうまくできないですか。
●俵農地・水保全課長
緩いところといってもやはり傾斜が決まっております。水田であれば、100分の1以上という勾配の規定がありますし、畑であれば8度以上という規定がありますので、全部が全部乗れるということではなくて、農地の勾配によって対象となるところが決まってくるということです。
○砂場委員
対象地域では全部できているのですか。
●俵農地・水保全課長
先ほど言いましたが、中山間の対象地域の中では84~85%が中山間地域直接支払いに取り組んでいただいているという状況です。
○市谷委員
農業活力推進プランについてですけれども、別冊の資料に全体の目標ということで3つの目標が書いてあり、1に仲間がふえるということが書いてあります。2ページを見ますと、多様な担い手という言葉が出てくるわけですけれども、私も前回、多様な担い手の話はしました。ただ、私があのときに言った趣旨というのは、認定農家や大規模農家などだけではなくて、現状でも多くを担っている家族経営なりを守り育成することを位置づけるべきだと話したつもりです。まだ細かくは見ておりませんが、新規就農者や認定農業者、女性をふやすことはいいのですけれども、他産業などというので、要は大規模なところ、例えば企業的な経営などという意味で多様な担い手と言っているのかなと思えてくるのです。だから、従来支えてきた家族経営や兼業農家も含めて、そういうところの位置づけが書いていない気がしたのです。
書いてあるのであれば、それがどこに書いてあるのか教えていただきたいし、それは位置づけて維持、育成すべきだと思うのですけれども、それがどうなのかなというのが1点です。もう一つは、2つ目に所得がふえるとありまして、それは大事なことだと思うのですけれども、そうすると、具体的な取り組みを始めたときに、例えば以前、名前が変わってしまいましたが、チャレンジプランなどのように所得を1,000万円にするための目標を設定しないとなかなか使えない施策がぽんと出てきたりするのです。そうなってしまうと、一定の体力があるなり規模拡大などに挑戦できる人しか施策を利用できないことになりますから、先ほど言った多様な人たちが取り組むことになりにくくなってくるので、所得をふやすという目標はいいのですけれども、多くの人たちが幅広く所得をふやしていけるような施策にしないと、体力のある人だけが使える施策になっては、偏ってしまうといいますか、裾野が広がらないと思うのです。その辺はどういうふうに考えておられるのかを確認したいです。
3つ目に、前回も言葉としては出てきていたのですけれども、地産地消を入れていただきたいということで、今回もありますよね。あるのですけれども、学校給食のことしか書いていなくて、それを今より向上しようとするために、学校給食以外でも地産地消を進めていくと。前回も少し言いましたけれども、鳥取という地域で大豆などの生産が合うのかどうかは私も詳しくはわからないのですが、非常に大豆などは生産量も少ないし、現状としては自給率も低いと思うのです。そういう産品ごとにもう少し分析していただいて、給食だけではなくて、自給率を上げたり、地産地消を上げていくことをもう少し検討していただきたいと思うのです。それをしないで輸出強化により所得をふやすといっても、輸出できる人も限られますし、コストがかかると思うのです。だから、地域で循環していくことを基本に置いた上で外にもということが原則ではないかと思うのですけれども、そこら辺の地産地消や自給率の関係がどうなのかなと。これを見る限り薄いのではないかと思うのですけれども、どう考えておられるのか、その3点について答えていただきたいです。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
担い手の関係です。委員のおっしゃるとおりでして、家族経営が鳥取県の営農形態の基本でございます。ここを大事にしていくという視点は十分に持ち合わせながら、このプランを策定したいと考えています。今回、目標のところで新規就農者や認定農業者に係る数値目標を設定している関係上、そういったところだけが際立って見えてしまっているのかもしれません。ですが、女性の話も含めて、あるいは後継者の就農支援を含めた取り組みを進めてまいりたいと考えています。その分について具体的な記載箇所はどこだというお話があったと思いますが、
12ページから14ページまでが担い手の項目でございまして、家族経営という言葉がちりばめられているわけではないのですが、この中で後継者の確保などの取り組みを強化することを位置づけていきたいと思っております。まだ十分にその辺の表現ができていないのかもしれませんので、そこは少し工夫してみたいと思っております。
2点目でございますが、所得の関係でございます。ここでは、認定農業者と言われている皆様の所得目標を380万円と掲げております。ただ、皆様にはいろいろな所得の幅がございまして、県全体では70万円という平均がございます。あくまでも農地を集積したり、あるいは基幹的な方々の目標ということで380万円と掲げておりますが、決してその方だけを対象にしたプランではございませんし、事業についてもあまねくさまざまな方々を対象とした事業を行ってまいりたいと考えています。先ほど委員からお話がありましたチャレンジプランの後見事業につきましても、今は1,000万円という前提を廃止して、多少なりとも収益性が上がるものであれば対象にしておりますし、これからもその事業は続けていきたいと思っております。
また、地産地消の関係でございます。地産地消につきましても、学校給食だけではなく、次年度から新たに取り組もうと現在検討中でございます米の消費拡大など、より県内で需要を高めていくことが必要なものについては随時対策をとってまいりたいと考えております。自給率の関係につきましては、国レベルでは明確なものが出ております。県レベルでも試算したものはございますが、県レベルで、この品目は県内でこれぐらい消費されているという確たるデータがございません。ですが、おっしゃるとおり、地元で消費を高めていくことは非常に大事ですから、そこは地産地消の中で取り組んでいきたいと思っていますし、同じように、プランの中でそういった位置づけをもう少し書き込んでいきたいと思っております。
○市谷委員
全体については今言っていただいた方向でもう少し拡充していただきたいと思うのですけれども、家族経営の記述ですが、これは言葉としてきちんと入れていただきたいなと。入れないとわからないと思いますし、世界的にはこの家族経営でこそ効率的で所得も上がるというのが全体の流れですので、これは自信を持って入れていただきたいと思います。この点について答弁はいいです。
○内田(隆)副委員長
同じく農業活力増進プランについてですが、予算については額が確定してから盛り込むため、もう少し待ってくださいよということは了解しました。
何点か思うことがあるので伺いますが、前段がすごくふえていて大変だったと思いますし、今後より精緻に検討されていくということですから余り心配していないのですけれども、ちなみに、一番最後についている参考資料を見ていただくと、個別経営体や組織経営体、複合型など新たに経営しようとする青年が目標とする基本指標、先般出された鳥取県農業経営基盤強化促進基本方針から抜粋されたものだと思うのです。ここにおいて、家族経営なり小規模農家などのいろいろな類型を定めて、それぞれこうしたらこうなっていきますよというのがモデルとして提示されていると思います。そこで、例えば4番の露地野菜の3.型、白ネギなどは普通の家族経営の農家が400万円くらいの所得を目指せばできますよなり、あと、梨・柿型と梨型などでは、面積的に大変ですけれども、個別の家族経営でこれくらいの所得が確保できますよということだと思うのです。
これをずっと見ていて、2点か3点ほど聞いてみたいと思うのですが、これの前段は今されている農家がある程度の技術もあるし、ここを目指していけば農業で食べていけますよというモデルだと思います。この下の2番がこれから新規就農される人に対する目標だと思うのですけれども、この2番に和牛なり畜産の数値を盛り込んでいかないといけないのではないかと思います。新規就農において基金を入れたり、そこで強化していくことをうたって増頭対策をしていきますよと言っていくのであれば、やはりここでモデルを示されるべきだと思いますので、示していただきたいと思います。
あと、気になったのは1番の水稲・大豆型です。これは大豆8ヘクタールと書いてありますが、当時はそうだったのかなと思うのですけれども、地域の特定品目に指定した場合でもこの数字は出ないと思います。以前に補助金があったときのモデルなのではないかと思いながら見ていました。それと水稲・飼料米型の組織経営体のモデルでは、水稲12ヘクタール、飼料米8ヘクタールとなっていますが、これも今外れてきているのかなと思います。今、飼料用米を8ヘクタールつくって、水稲を12ヘクタールつくらせたら多分潰れてしまいますので、ほかの作物に転換していかないといけないと思います。これは、本当に興味のある方ほど、関係者ほどよく見ると思いますので、「何だ、この数字は」と言われないようにしないといけないと思うのです。だから、これはたたきであり参考資料という形で載せていただいていると思うのですけれども、ここは気をつけて作らないといけないと思って見ていました。
あと、白ネギ(周年)に関して、夏ネギ20アールなどと書いてありますけれども、これはできないですよ。現実として新規就農が可能で、実際にこれを見ながらやっていくというモデルをつくっていただきたいと思うので、もう少し精査していただきたいと思います。あと、気になったのは、例えば肥育牛で200頭つくらないと500万円残りませんとあり、これはこのとおりなのですけれども、これをしようと思ったら2億円なり3億円の投資コストがかさむわけです。そうすると、新たに農業を営もうとする青年が幾らほどコストを費やせばいいのかということを考えたときに、白ネギであれば幾らぐらいだったらできますよみたいなことも明記されておいたほうが、新規就農をする方にとっては親切なのかなと思います。特にブロッコリーやトマトなども、ハウスで3反ほどつくったら幾らかかるのだという話になりますよね。また、例えば梨では35アールですが、35アールにきちんと網を張ったら200万円ぐらいかかりますよなど、どれくらいコストをかけないといけないかを考える必要があるのかと、では、このコストの軽減について、チャレンジがあるのだけれども、チャレンジだけでいいのかということも今後考えていかないといけないと思いました。よろしくお願いします。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
この試算につきましては、確かに試算の前提が若干古いところもございます。モデルも含めて実態に合わない部分もあろうかと思いますので、そこは見直していきたいと思いますし、精査もしていきたいと思います。
○砂場委員
まず1点目は、5ページの新規分の仲間がふえるについて、今、県内の農業就農者は大体3万人ちょっとですよね。新規就農者が2,000人ふえると維持ができるものなのか、それとも就農者はふえるのでしょうか。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
別冊の13ページをごらんいただけますでしょうか。これは先ほど来話をさせていただいています経営基盤強化促進基本方針に、10年後の経営構造ということでイメージする数を掲げさせていただいております。10年後につきましては、総農家数がおおむね5,000戸から6,000戸程度減る想定でございます。そういった中で、新規就農者が2,000人ふえていくことで全て補えるかといったら、決してそうではございません。農家就業者は減ることになるだろうという想定でおります。ですが、それぞれの経営者の皆様が農地面積も集約していただくなり、あるいは省力化などを図って収益力を高めていただくことで、全体の産出額は維持できるのではないかといった考えで現在想定いたしております。就業者については減ることが前提でございますので、新規就農者2,000人では全てをカバーできないと考えています。
○砂場委員
農業戸数はそうなるのですけれども、就業者数としたらどれくらいを見込んで、同じような数ぐらいですか。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
ほぼ同様な傾向と考えております。
○砂場委員
人口減の中で産業を考えていく上では、一定減というのはしようがないと思う反面、やはり基幹産業として維持していくには就業者人口を維持していくべきではないかと思うのです。今のままの農業であれば、所得等を考えれば減るのはしようがないかと思うけれども、そうではなくて、プランをつくって、せめて就業人口をできるだけ維持していこうと、そして産業規模を拡大していこうというのがベースにあるべきものだし、その根本的な考え方の中に農業を育成していく上には、生産額も大事ですが、やはりそこで働く人たち、鳥取県の雇用を考えた上で農業就業者を維持するのは大事だと思うのです。いろいろなことをやっていてもそれは難しい判断ですか。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
現在の就農者の状況は全国的な傾向からいっても、上積みしていくことはなかなか現実的ではないと思っております。今回定めました2,000人という目標も非常に高いハードルだと思っておりますが、できるだけここに近づけて一定の農地が維持できる体制をとっていきたいと思っております。
○砂場委員
そうすると、例えば今回のプランがなかったとしたらこれくらいになるのだけれども、今回のプランを実施することでこの数値になるという試算はされていますか。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
全体の総農家戸数に関しましての試算はいたしておりません。ですが、新規就農者数につきましては、これまでの計画は自営就農が年間40名という目標を掲げておりました。これを倍増させようということをこのプランで初めて位置づけたいと思っておりますので、その部分については上積みになると考えております。
○内田(隆)副委員長
新規就農者の確保について、ぜひ移住定住の試みの部分を取り入れていただきたいと思います。もちろんこれとは別ですけれども、協力していただいてふやしていけるよう、そこに対して具体的に書き込みをしていただきたいと思います。実際にやられていることはそのとおりのことをされているわけですので、ホームページなどでも新規就農がふえているという実績をきちんとアピールされたらいいと思うのです。でも、ここに余り記載がないのでもったいなと思いますし、地場の農業後継者の育成だけではなくて、外からもきちんと取り入れるアプローチをすることによってふやしていきますよということを実際にされていますので、そこはきちんと書き込んでいただきたいと思います。さらにお願いしたいのは、先日も鳥取市の空き家対策の取り組み等が出ていましたけれども、実際に弓浜半島などを歩くと、いい家が山ほど空き家になっているわけです。そこに対してどうしたらいいかということがある一方で、新規就農者で来た人、関西から来た人は家がないという話をされるわけです。ここに対するアプローチは、正直言って地域振興部がやられるよりも普及員のほうがよほど現状を把握されているわけです。鳥取県の普及員の能力は非常に高いものがあると信じていますし、そこに対して、普及所の職員が話に来られたとしたら空き家の動きも変わってくると思うし、実際に危険家屋の点検なども、業務量が多少はふえますが、やられてもいいことだと思うのです。きちんと別枠で人なり予算を割いてもらって空き家をどうしていくのか、そこにどうやって人を入れていくのか、人がいないと農業はできませんから、その辺を記載していただけませんかというのが1点。
もう1点は職業訓練の話をされました。前回の11月議会での知事答弁から始まったことだと思うのですけれども、これは本当に非常によい取り組みだと思って期待しております。いつも言うように、60歳から年金をもらえる65歳までの間にコンビニで働くのか、3年間農業に取り組めるのかによって、80歳までされることを考えた場合、非常に即戦力になる兼業農家などがいらっしゃるはずですので、60歳を過ぎた人にぜひ門戸を開放していただきたいし、その職業訓練を受けることによってある程度所得などを確保できる道をつくっていければ、後継者対策が非常に厚くなると思うのです。今そこに隘路が少しだけあります。徐々に徐々に埋めていただいていますけれども、例えば農業後継者としての認定品目を変えればできるみたいなことをしていただいているのですが、雇用対策としてするわけですから、そこはぜひ取り組んでいただきたいと思います。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
移住の話でございますが、委員がおっしゃるとおり、なかなか住居の確保で悩んでいらっしゃる方が多いと伺っております。今は担い手育成機構なりでそういったコーディネートをしていることも多々ございますが、来年度以降、新規就農者数をふやすということになりますと、なかなかそこだけでは難しいと思いますので、それは農業現場も含めて企画だけではなくて、どういった体制をとっていくかを考えていますし、この中にもそこはしっかり書き込んでいきたいと思っております。
それと、定年帰農者ですか、定年された方の就農機会の拡大ということで御提案がございましたが、今、職業訓練を使った新しい訓練コースの仕組みづくりを皆さんと検討しております。そういった中で、受け入れることができるかどうかも含めて検討していきたいと思っております。
○前田委員
このプランの42ページで、私がずっと言ってきたことが何だか薄っぺらな表現になっていて残念だなと。要は、学校給食しか記載がなくて、スーパーや飲食店、ホテル、旅館が全くないのです。これは市場開拓が書いたのですか。だから、農林水産部と市場開拓の連携がとれていないと言うのです。42ページと43ページについては、責任を持って、伊藤戦略監と一緒になってもう一回見直してください。よろしいですか。
●伊藤農林水産部農業振興戦略監(試験場統括本部長兼務)
はい。
○前田委員
次に、今、田舎をよく歩くのだけれども、安心して農業をするためには鳥獣被害対策だと思うのです。これに鳥獣被害対策が全然出てこないのですが、今、安心して農業ができる状態ですか。これにぜひとも目標値を入れて、とにかく守るということを明確にプランを出さないと、安心して活力は出せないと思います。伊藤戦略監、よろしくお願いします。
●伊藤農林水産部農業振興戦略監(試験場統括本部長兼務)
鳥獣被害対策の部分について弱いということと、先ほどの地産地消といいましょうか、県内での消費拡大が弱いということであります。このあたりはしっかりと精査していきたいと思いますので……(「38ページ」と呼ぶ者あり)ここに鳥獣被害対策は書いてあるのですが、多分弱いということだと思っておりますので、そのあたりはしっかりやっていきたいと思います。
◎興治委員長
ほかにはありませんか。
もし、この農業活力増進プランであれば。
○砂場委員
前田委員の指摘と似ているところがあるのですが、35ページの食のみやこのブランド化の推進について、デパートなりメディア広告が書いてあるのですけれども、どこでお米が消費されているかを調べていくと、コンビニのお米がすごく多いのだそうです。2%近くはコンビニのおにぎりなどですし、今、外食産業も非常に伸びているので、そういうところが一つのターゲットとなるだろうと思います。ですから、食のみやこのブランド化には必要なところだと思いますし、全国展開しているフードチェーンのマーケット部分とうまくマッチングができたら物すごい額になるので、そこが考えていただけないかと思います。塚田農場1社で、宮崎県の農産物を100億円以上消費していますので、そういう発想が要るのではないのかなと。今までみたいに他人にPRだけすればいいよではなくて、そういうものをJAなどと一緒になって展開できれば新しいものになるのかなというのが1点。
2点目は、3ページの下の図の中に農商工連携(フードバレー)と書いてあるのですけれども、これは、本会議でも言ったように、フードバレー構想というのは農商工連携や6次産業化だけではなくて、新製品の科学的な知見を入れた製品の開発や海外への販路拡大、さまざまな分野のベースになる考え方なので、こういう矮小化をしないでほしいです。フードコンソーシアムをせっかくつくったのだからと言っているのにかかわらず、ここで丸括弧されてしまうと、これは栃木県などがやっていることになってしまいます。鳥取県のフードバレー戦略事業とは違うものになるので、そこはもう少し考えていただけないのかなと思いました。
最後に、先日、東京に行ったときに大山どりと書いてある焼き鳥屋に行きましたが、これは意外だったのですけれども、大山地どりピヨはおいしいです。高いのですけれども、鳥取県産の鶏っておいしいですよとそこのお店の方が言われていました。そこのお店の会話ですから本当に鳥取産かどうかの裏をとったわけではありませんけれども、ここで書いているのは、ルビーなりピヨと書いてありますが、それ以外の豚や牛についてはどうされるのか。基本的にこの2つに全て移行するのか、それはそれとして産業として維持していこうとされているのか、以上をお聞かせ願えたらと思います。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
フードチェーンの関係でございますが、例示として百貨店などを書いておりますけれども、委員がおっしゃるコンビニも含めて販路開拓を進めていくことも重要ですので、その辺はしっかりとマーケット調査して書き込みをしていきたいと思います。
あと、フードバレーの記載でございます。この3ページの記載は、表現が非常にわかりにくかったと思います。ほかのページでは、フードバレーの定義といいますか、考え方として、これだけではなくて新商品の開発も含めて取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、ここは誤解がないように表現を改めたいと思います。
そして3点目は大山どりの関係、(「大山ルビー」と砂場委員呼ぶ)これは基本的には企業形態での取り組みが進んでおりますが、この部分についてもこのプランの中で必要な支援は行っていきたいと考えております。
○砂場委員
ブランド化することは反対ではないのですが、ただ、それ以外のものにも少し目配りをしてもらえたらありがたいなと、それらを生産されている方々もおられますのでということです。
最後にしますけれども、農産物の加工品について、例えば増加を倍にするというのはすごいいいなと思ったのですが、中身を見ると、柿が結局1,700万円から300万円ふえるだけですし、スイカが200万円ほどふえるといったかなり低目なのかなと思うのです。確かに、外国に行くと果物は非常に安いので売りにくい面もあるかと思いますけれども、逆に、台湾などに行ったら非常に日本の鳥取県のスイカはおいしいですよという話もお聞きしましたし、韓国なども物すごく梨を食べられています。そういう意味では、別のところの表記でエース級という表現をされていましたが、やはりエース級をしっかり売っていただきたいなと。だから、もう少し高目の設定をされたほうがいいのではないかなと思います。総額を倍にして、少しずつ現実的な数字を積み上げたらこのぐらいになるのかなということかもしれませんけれども、それこそ戦略的にエース級こそ海外に売ってほしいなと。市場の規模が全然違うので、国内で頑張るよりは市場が大きいですし、わざわざタイに県の出張所までつくっているわけですから、そういう意味ではもう少し力を入れていただきたいなと思います。
それと、投入金額のところは予算が来てから書き込むということですけれども、私は予算のことをたくさん入れてくださいとお願いしていました。これには2つ理由があって、1つは、各事業でコスト感覚を持ってやらなければいけないよねということと、もう一つは、皆さん方にとって、この計画ができたことで必要な額を県民の皆さんや我々に、このプランを実行するにはこれだけ金が要るのですよと。せっかくプランをつくっても予算化されない限りは、財政課なり我々への選択材料だと思いますので、そういう視点も見ていただきたい。もちろん3年程度でいいのですけれども、そういう視点をとって、予算額がこうだからというのとは別に、これは計画ですから、これくらい必要なのですよという現場の声を入れていただいて、予算額との乖離は当然生じるわけですが、それは構わないと思うのです。でも、必要な額に対して今は足りないからどうだという議論がそこでできると思いますので、これから書き込むときにはそういう視点も考慮いただけたらと思います。
◎興治委員長
答弁は要りますか。
○砂場委員
お願いします。
●佐々木農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
輸出の関係は、別の担当から御説明いたします。
コストの部分につきまして、我々も当然ですが、県民の皆様、農家の皆様の声をきちんと踏まえて予算編成をいたしております。どこまで精緻なものが出せるかどうかわかりませんが、これぐらいは必要だという形で積み上げなどをしていきたいと思っています。
●木嶋商工労働部参事兼農林水産部参事(輸出促進担当)
輸出の目標額について、柿、スイカの目標設定額の伸びが低いのではないかということです。農林水産部の輸出研究会あたりで議論させていただいた中で、2020年の目標ということで合意させていただいた金額ではありますけれども、先ほどの御意見はごもっともでございますので、いま一度そういった関係者、事業者の方々と御相談させてもらいながら見直していきたいと思います。
○銀杏委員
26ページで、今後10年間で大山鶏のピヨを1万5,000羽から2万羽にふやすと明記されているのですが、10年間の計画としてはいかにも少ないなと思っていまして、なるべく生産羽数をふやすのはやめようという計画かなと私は見ました。かつて、山陰食鶏があったころは年間6万羽から8万羽ぐらい生産されて経営に乗っていた商品でありますのに、しかも種を安定させようと農林水産部が一生懸命取り組んでいたにもかかわらず、かつての量の3分の1ぐらいにまでしか10年間でふえないというのは、意外な気がいたしました。専門店では大体月に100羽なり多いときは200羽使うことがあると聞いていましたから、年間にすると大体1,500羽ですので、2万羽ですと10数店舗分ぐらいしかないわけです。店主が1人でやっているような規模の小さいところでも100羽ほど使うこともありますので、多分この量であれば鳥取地鶏は県内でしか食べられないと、県外に出す能力はないとしか思えないのですが、そういう計画で本当にいいのですか。私は県外にも売り出すぐらいの量があってしかるべきだと思うのですが、計画はぜひ見直していただきたいと思います。
●津森畜産課長
今、地鶏については、ふるさと鹿野が中心になって生産されていまして、この現状を見ると、そう一気にはふえないだろうというところです。大山どりが以前は販売戦略もあって関東方面に多数出荷しておられました。営業方針もあって今は生産がそんなに伸びていないということもありますが、県としては、できるだけ伸ばしたいと考えております。また、大山どりと協議をして、数値等をどうするかは見直していきたいと思います。
○銀杏委員
大山どりは同種系ではありますけれども、ピヨではないのです。種が少し違うのです。似た種が入っていますから、ピヨではないのです。あれは大山地どりという名前でありますので、ピヨと言うからにはやはり大山どりの生産分は入れるべきではないと思うのですけれども、なぜそういうふうに考えておられるのかお聞かせください。
●津森畜産課長
品種的には、大山地どりとふるさと鹿野がつくられているものは同じなのですけれども、大山どりは商標登録で大山地どりという形で売られますし、鶏の品種が若干違うということだけです。ただ、実質的に鳥取の地鶏をふやすというときには大山どりの鶏も鳥取県産の地鶏ですので、その数値も含めた形での整理がいいのではないかと思います。ただ、ピヨという商品名で一気に生産を伸ばすということは、今なかなか難しい状況ではありますので、大山どりにピヨの名前で売ってくださいとはなかなか言えないところもあるのですけれども、ぜひ鳥取産の地鶏という形で特産品として東京方面への出荷がたくさんできるように協議を進めたいと思います。
○銀杏委員
でしたら、同系であるということで売り出されるのでしたら、大山どりが生産されている羽数は確か1万羽ぐらいあるのではないかと思うのですが、この1万5,000羽の中にそれは入っておりません。これはもともと県が登録商標を持っている鶏ですので、その辺もよく頭に入れて計画を立ててもらわなければ困るのですが。(「大山地どりはつくらない」と呼ぶ者あり)
●津森畜産課長
そこは、きちんと整理をして記載するようにしたいと思います。
○銀杏委員
委員から、もう大山地どりはつくらないとおっしゃっています。ということは、県外で売られている大山どりは地鶏ではないと、いわゆるブロイラーの一種であり、地鶏はあくまでもピヨなのだということを踏まえて計画も立ててもらわないといけませんし、そうしたPRもしてもらわなければ、先ほど砂場委員からもありましたけれども、誤解をされますので、きちんと立て分けるような方策もぜひお願いしたいと思います。
●津森畜産課長
わかりました。きちんと整理したいと思います。
◎興治委員長
では、農業活力増進プランについては質疑はないですね。
○市谷委員
2ページの鳥インフルエンザの関係の対応について確認したいことがあるのですけれども、この対策というのは、発生させないことと、それから発生したときの封じ込めが原則だと思っていますが、実際発生した場合には殺処分するとなると、農家の所得が非常に減ったりするなど収入の点で不安があると思っていまして、現状の補償制度がどうなっているのかを確認させてください。
●津森畜産課長
高病原性鳥インフルエンザと確定して殺処分するものについては、畜産物をそれぞれ評価して、その評価額について国が2分の1、県2分の1で全額補塡するという制度ができておりまして、再生産してもらうという仕組みをつくっております。
○市谷委員
わかりました。そのことがすごく大事だと思っていまして、そうしないと、その対応がおくれることなどにもつながりますので、そういう処分の際の対応策についても改めて確認して周知していただきたいと思います。
次に、4ページの木質バイオマスの関係です。これも確認で申しわけないのですけれども、この木質バイオマス発電所建設に当たっての予算が幾らだったのかということと、発電された電気はどのように消費されるのか、それから、この木の調達について、現状と今後、それぞれ未利用材も合板端材も4万トンずつにするということですが、それはどのエリアから調達されるのかを確認したいのです。といいますのが、東部のほうでもバイオマス発電所の建設計画がありまして、全体として賄えるかという声が当初からあったので、どのように調達する計画なのかを確認させてください。
●山本森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(木質バイオマス利活用担当)
発電所整備の総事業費でございますが、県の予算で28億円を平成25年度で予算措置しております。加えて、昨年度に単県で日新分として2億5,000万円を予算措置しているところです。それが整備に要する予算でございます。
発生した電気をどうするのかということですが、発電量は5,700キロワットと、大体1万世帯分の電気に相当するということで、売電先は中国電力の系統ネットワークを使用するのですけれども、いわゆる新電力会社に販売するといったことを聞いております。
それと木の調達エリアですけれども、もともと東部と西部に1カ所ずつの発電計画がありましたが、ただ、東部のほうは発電計画が取りやめになって、チップ工場となっております。これをどうやって両方に安定供給するかということで、先ほど申し上げた今集荷している1.7万トン分は東部からも一部供給されています。今後チップ工場への供給、それから発電所への供給のバランスを見ながらということになろうかと思いますけれども、西部への供給はやはり西部、中部が中心になってくるのではないかと思っています。
○市谷委員
木質バイオマス発電について、施策としては非常に重要だと思っています。ただ、大規模になってきますと、総事業費が額も大きいですし、必要な木材も大量になってくるということから、一つこういうものを始めてみて今後の教訓とすることも必要だと思っているのです。それで、これから始める発電所については大体30億円ぐらいかかるということですけれども、どれぐらいのコスト回収ができる見通しなのかをもう一回確認したいですし、それからその木材調達については、なるべく今後は西部でということですが、見通しがどうなっているのかなと。東部は発電ではないということだったのですけれども、その辺の見通しをもう少し教えていただくとありがたいです。
●山本森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(木質バイオマス利活用担当)
もともとの燃料調達の計画ですけれども、最終的には未利用材も合板端材も4万ずつの計8万トンと考えておりますが、ただ、いきなり初年度から4万トンは難しいでしょうということですので、これを毎年4,000トンずつぐらい段階的にふやしていくという計画がベースになっています。そういった中で、どうやって生産量をふやして必要な供給量を安定的に確保するのかということで、路網整備なり機械導入といったインフラ整備も進めながら取り組んでいるところです。みんなで一生懸命この目標に向かってやっていこうという前提の中で、必要な予算を活用しながら体制づくりを進めている状況です。
それとコスト回収の期間については、今手元に資料を持っていないのですけれども、発電所本体の整備には資金融資という格好での支援をしているのですが、これは来年度から14年間かけて県に返してもらうということとしております。ただ、どの段階で収支が合うようになるのかは今手元に持っておりません。申し訳ありません。
○市谷委員
そしたら、コスト回収が大体どれぐらいでできるのかを整理した資料をいただきたいと思います。
それで、この事業を始めてみたら、いろいろ教訓化したり課題などが恐らく見えてくるのではないかと思います。方向としては、なるべく地域で小規模で完結していくという、これがために例えば木を必要以上に切ってしまったなどがあってもいけません。やはり山を守り育て、その循環の中できちんと成り立つ仕組みにしていかないと、第二の公共事業みたいになってしまってもいけませんので、少し教訓化すると。なるべく小規模で地域で循環していくという方向性に今後発展させていくことが必要ではないかと思いますので、それは意見として言います。資料はまた後でいただけたらと思います。
◎興治委員長
ほかにはありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
では、次に、その他ですが、農林水産部に関して、執行部、委員のほうで何かございますか。
○小谷委員
韓国の口蹄疫について、新聞紙上ではなかなか見れないときもありますが、今厳しいといううわさも聞いているし、資料もあると思うけれども、入国者に対するチェックを再度見直すなり、あるいは畜産農家に石灰や消毒液を配布するなど、補正の中でもし入れていただければありがたいので、検討してください、農林水産部長。
●岸田農林水産部長
韓国のほうではまた病気がどんどん蔓延しているということですので、米子空港等では韓国の職員が便に張りつきまして、そこで厳重に消毒していくことをやっております。これを継続していきたいということと、それから委員から御指摘のありました各農家への消毒液等の配布、これは必要に応じて農家の声も聞きながら……。
○小谷委員
農家の声だ。
●岸田農林水産部長
はい、多くの農家の声も聞きながら検討していきたいと思います。
◎興治委員長
ほかにないですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
では、意見が尽きたようですので、農林水産部につきましては以上で終わります。
入れかえしますので、暫時休憩いたします。
午前11時39分 休憩
午前11時45分 再開
◎興治委員長
再開します。
引き続き、商工労働部、企業局、労働委員会について行います。
それでは、報告事項に入ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いします。
なお、質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
それでは、報告10、環日本海定期貨客船航路の運航状況等について、岩下通商物流室長の説明を求めます。
●岩下経済産業総室通商物流室長
本資料の1ページをごらんください。環日本海定期貨客船航路の運航状況等について、2014年の利用状況がまとまりましたので、報告させていただきます。
2014年の境港-東海間の旅客数は、昨年4月16日に発生したセウォル号事故の影響により韓国人旅客が減少したこと等から対前年比28.9%減となりましたが、境港-東海間の旅客数を対前年同月比で見ると、4月から6月は大幅減の52.6%減でありましたが、その後の7月から9月については38.5%減と若干緩和し、10月から12月は5%減と減少幅が縮小しておりまして、セウォル号事故の影響からは回復傾向にあります。
貨物につきましては、2014年の航路全体の貨物取扱量は、コンテナ貨物は対前年比12.1%増加しましたが、ロシア向け建材等のバルク貨物が減少したことから、重量ベースでは対前年比
26.8%減となっております。前からの懸案でありました境港-東海間、日韓間の貨物量は逆に対前年比26.8%増加しておりまして、主に韓国向け産業機械、日本向け野菜等が増加しております。また、秋ごろからは韓国向け活魚車の利用も増加傾向にあります。
資料中段には、細かい利用状況を載せておりますが、同じページの下の2番目の利用促進に向けた取り組みとしましては、韓国人旅客の境港への誘客対策として、昨年末の12月25日に東海港出航便に特別価格を設定して、1航次ですけれども、415名を集客いたしました。それからロシアの経済状況が悪いということで、来月2月8日、日曜日から14日まで、本来この期間は1回ウラジオストクへ行くスケジュールですけれども、ウラジオストクに行かないで東海-境港間を2連続運航する特別スケジュールを予定にしております。
貨物の誘致対策の取り組みとしましては、2018年の平昌オリンピックに向けた首都圏と東海岸地域の高速鉄道高速化整備工事により、韓国内の貨物の鉄道輸送が制限されておりまして、従来安い価格で韓国国内陸送をしていた釜山に出入りしていた貨物を取り込むチャンスとなっておりますので、そういった貨物を運航会社、江原道と連携して貨物誘致を行っております。
最後の項目の3番ですが、これは毎年のことではありますけれども、2月23日から3月13日までの約3週間は法定点検のために運航しないということであります。それからこれも例年のことでありますけれども、現在冬季でありますので、ウラジオストク港での船舶の凍結を防ぐためにウラジオストク港での停泊は1泊、それから東海港でも1泊するというスケジュールとしておりますけれども、これが3月15日からは夏スケジュールになりまして、ウラジオストク港で船舶が2泊停泊する、それから東海港では停泊はしない変更になるという状況でございます。
◎興治委員長
報告11、「年末生活相談窓口」の結果について、谷口労働政策室長の説明を求めます。
●谷口雇用人材総室労働政策室長
資料2ページの年末生活相談の結果について報告いたします。
昨年度までは、合同相談という形で特設会場に各窓口の担当者を集めて実施しておりましたけれども、今回、就職関係の相談はミドル・シニア仕事ぷらざで実施しました。それから県庁に設置しました生活・住宅窓口との連携体制として、12月29日、30日の2日間実施しております。相談件数は66件と前年度より大幅にふえておりますが、主に就職相談の増加によるものです。仕事ぷらざを窓口としたことで、従来からの登録者や相談継続中の方の相談も10件程度含まれておりますけれども、就職相談としては、行きやすい場所であったことが相談件数の増加につながったものと思われます。
就職関係の相談内容は、特に緊急的なものはなく、就職希望者あるいは転職希望者の就職相談でしたけれども、中には、希望する求人企業が年末も営業していたので、問い合わせをして応募を受け付けてもらった、それからふだんは休めないのだけれども、年末窓口に相談窓口があいていたので相談に来たという方もありまして、年末に開所した効果はあったのではないかと感じております。また、日曜日の新聞の折り込みの求人チラシを見て来られた方が数名ありまして、ハローワークには行かずに求人チラシで就職活動しているのだけれども、なかなか就職ができないという方もありました。そういう方々を相談窓口へ誘導できたことも効果として上げられるのではないかと思います。
一方、生活・住宅相談については、窓口を1カ所にいたしましたが、相談件数は昨年並みということでした。相談内容で緊急的なものといたしましては、同居人に生活費を持ち逃げされ、年明けの給料日まで生活費がないという方に5日分の緊急食糧支援と生活福祉資金の案内をしたというもの、それから手術入院の際に離職して賃貸住宅から退去したのだけれども、退院後すぐに県営住宅に入居したいという方がありまして、年明けに入居資格審査を行うように手配したものなどがありました。そのほかは生活保護制度や県営住宅の入居要件の問い合わせなどで、いずれも申請先や相談先を案内するとともに、各窓口へ相談内容をつなぎまして、年明けの円滑な対応に努めております。各相談窓口の連携体制についても特に問題はなく、円滑な対応ができたと思います。今回の結果なり先月の委員会でいただいた御意見等を踏まえまして、さらに効果的な相談窓口の開設方法等を検討してまいりたいと思います。
◎興治委員長
報告12、「鳥取空港太陽光発電所」及び「竹内西緑地太陽光発電所」の運転開始記念式について及び報告13、平成26年度第3・四半期各事業実績について、亀井経営企画課長の説明を求めます。
●亀井企業局経営企画課長
そういたしますと、企業局資料の1ページをおはぐりいただきたいと思います。「鳥取空港太陽光発電所」及び「竹内西緑地太陽光発電所」の運転開始記念式についての御報告でございます。
とっとりグリーンウェイブの取り組みの一つとして建設を進めておりました鳥取空港太陽光発電所及び竹内西緑地太陽光発電所が2月に完成する予定でございまして、3月から運転開始できる見込みとなりました。運転開始に当たりまして、地元の方々を初め発電所建設に関係いただきました皆様をお招きし、2月の下旬から3月上旬にかけまして運転開始記念式を計画しております。
運転開始記念式の概要でございます。1に記載のとおりでございますが、鳥取空港太陽光発電所の運転開始記念式は2月21日と内定しておりますが、竹内西緑地につきましては3月上旬ということで、今、日程調整中でございます。現在、式の詳細について内容を調整しております。委員の皆様にも別途御案内させていただきたいと思っております。
なお、発電所の概要は2に記載のとおりでございます。この2つの発電所につきましては、企業局が設置いたしました5番目、6番目の発電所でございまして、いずれも1,000キロワットを超えるものでございます。いずれも3月2日に運転開始を予定しているところでございます。さらに、3番に現況の写真を添付させていただいております。パネル枚数といたしまして鳥取空港が約9,800枚、竹内西緑地が6,100枚という状況でございます。
なお、裏面に今後の予定、それから既設の発電所の一覧をつけておりますので、ごらんいただきたいと思います。
2つ目の報告でございます。3ページをおはぐりいただきたいと思います。26年度第3・四半期各事業実績について御報告させていただきます。
最初に、電気事業について御報告させていただきます。
まず、販売電力量でございますけれども、第3・四半期が終わりましたところで、表の一番下をごらんいただきたいと思いますが、合計の販売電力量は目標に対しまして100.6%という状況になっております。また、対前年にしましても106.8%ということで、対前年も上回っている状況でございます。さらに、販売電力量収入につきましては、(2)の表の一番下をごらんいただきたいと思いますが、目標に対して101.7%、対前年で109.8%という状況でございます。
主な要因をかいつまんで御説明させていただきますと、水力発電所が台風の影響によりまして10月、11月と降水量が多かったこと、風力発電所は10月、12月に風況に恵まれたということ、それから太陽光発電につきましては、10月、11月と好天に恵まれたといったことが要因でございます。なお、太陽光発電につきましては、500%といった対前年の数字が出ております。これは昨年9月までは1カ所、それから10月から2カ所ということで順次運転を開始する発電所がふえているために、こういった数字になっております。
続きまして、工業用水道事業について御報告させていただきます。
最初に、日野川工業用水道でございますが、契約水量につきましては200トン増加いたしまして2万9,900立米となっております。契約水量は1社ふえて82社という状況でございます。鳥取地区工業用水道でございますけれども、こちらは契約水量は300トン減りまして5,800トンになっております。これは大口のジャパンディスプレイのコスト削減ということで、ことしの10月から400トンの減量を認めたためによるものでございます。新規のものが4月にございまして、プラス・マイナスで300トンの減となっているところでございます。調定額や調定額の前年比等は表に記載のとおりでございます。引き続き新規事業開拓等に努力してまいりたいと考えております。
最後に、3番の埋立事業でございます。埋立事業につきまして、昭和団地でこの第3・四半期において1社に売却、それから旗ヶ崎団地にあります1社に長期貸し付けを行っております。その内容につきましては、(1)の表に掲げておるとおりでございます。昭和団地のほうは有限会社海老田金属、それから旗ヶ崎団地のほうは株式会社テムザック技術研究所でございます。面積、売却額、貸付額は表に記載のとおりでございます。なお、(2)でこれまでの売却、貸し付け等の収入の状況を整理しております。第3・四半期を終わりまして14社に約1億5,000万円からの収入をいただいている状況でございます。
◎興治委員長
それでは、ただいままでの説明について質疑はございますか。
○市谷委員
1ページのDBSの関係について、そもそもこういうものは外的要因で変動があり得るものですし、そういう結果も出ていることだと思いますけれども、いろいろ補助金をつぎ込んでいるにもかかわらずこういう結果だということは、多少回復したとしても非常に深刻な状態だと見る必要があると思います。それで、いろいろ回復した点もあるとおっしゃるのですけれども、結局収支がどうなっているのかを教えていただけないでしょうか。前年度の決算でいくと4億円の赤字だというのがありますので、この2014年度は収支がどうなっているのかなということと、それから利用促進の取り組みで東海出航便に特別価格の設定とありますけれども、これはDBS社のほうでされたのかどうかを確認させてください。
●岩下経済産業総室通商物流室長
収支につきましては、昨年までずっと説明させていただいておりますが、2012年については一番赤字が縮小して年間1億8,000万円程度まで縮小しましたけれども、昨年はステナデアラインとの競合により4億円程度まで広がっております。それで、2014年につきましても同程度の4億円のマイナスの収支であろうと予想しております。
特別価格につきましては、DBS社が旅行社に対して旅客の利用料を値下げしてつくったものでございます。
○市谷委員
それで、収支の問題について何度も言うようですけれども、当初3年間で黒字化するということで、船に対する3年間の税金投入だと言われていました。当時、私もしつこく知事にも聞きましたけれども、3年以上でもそれ以下でもないと議場でおっしゃりながら、今、6年目を迎え、まさかまたこの船に財政支援する気だろうかと思い、非常に腹立たしく思っているのですが、5年目まで入れました。確認したいのですけれども、6年目も船に直接補塡されるのでしょうか。
●岩下経済産業総室通商物流室長
先ほど申し上げましたとおり、この船は2009年から運航しております。3年間といいますと、2012年までということで、2012年はかなり高水準の利用があったということでありますけれども、2013年にステナデアラインの競合航路の出現、2014年につきましてはセウォル号の事故、それからロシアの経済状況の悪化等の外的要因があってなかなか安定化には近づけていないということがありました。現在、野川統轄監を中心に、DBS運航会社はもとより、一緒に連携して支援を行っております中海・宍道湖の市長会の皆さんとも鋭意協議しておりまして、決定事項はまだございません。
○市谷委員
私は、こういうお金の出し方は本当に財政規律を乱すものだと思います。当初の約束どおりにやるべきですし、あとは会社の努力でされるべきだと思いますので、これ以上の直接的な支援はやめるべきだと思います。
それで、心配するのは、結局これだけではなくて、今、クルーズ船の呼び込みなどもしていて、ターミナルを今度竹内団地に移して新しい港の整備をすると、あれは23億円ぐらいかかったと思いますけれども、そういう新たな税金投入も出てくるわけですよ。だからこういううまくいかないクルーズ船にいろいろお金を出したり、クルーズ協会に入って呼び込んでいますけれども、非常に景気動向などにも左右されてくると思うので、新しい港はつくったが、今回のこれみたいに失敗することもあり得る話だと思いますから、これは本当に危険だなと、この税金投入は危険なことを促進していることだと自覚していただきたいと思いますし、税金投入をもうやめていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
●岡村商工労働部長
同じスキームでまた支援するのかというと、それは違います。ただ、DBSの役割というのは、環日本海経済圏を形成するための一つの重要なインフラだという認識は変わりありませんので、その中でどういうサポートができるのか、それから経済情勢が当然変わりますし、これだけルーブル安になるのも想定外でした。ただ、明らかに需要を広げるためには、やはり海外とのルートは非常に重要な役割を果たしますので、それと企業の現状や県内企業の集積の度合い、戦略など、いろいろなものが絡んできます。その辺を今もう一回吟味していますし、ステナデアは一旦中止しましたけれども、この環日本海全体で盛り上げていくマインドも必要だと思います。それから、ここをやはり唯一の航路として残していくという戦略も必要になってくると思います。その辺のところを今議論しながら中海の市長会とも協議を進めているところですので、全くやらないという選択をしているわけではないというのが現状です。
○市谷委員
それで、需要を広げるのだとおっしゃいましたけれども、需要を広げるためだといいながらいろいろ税金投入したものの、なかなか採算がとれないというのが今の結果だと思いますので、路線変更しないと、同じことを言って必要だといって支援を続けていても私は展望がないと思います。
●岡村商工労働部長
例えば、戦略分野で医療機器産業をターゲットにしているのですけれども、江原道が医療機器、ヘルスケア、健康機器等のセットメーカーを集積させようという戦略の中で県内企業がそこに部材を提供するという場合、この航路は非常に有効な航路になっています。人と物が一緒に行き交うことができるということで、非常に付加価値の高い製品を扱ってくる企業が輸出する場合、今、円安の効果もあって効果が出てくると、そんなような波及効果もありますので、もう少し細かく見ていきたいと思っています。
○市谷委員
それはいろいろ手を尽くせばそういうものが出てきますし、出てこないと困るわけで、何もないというのであればそれこそ大問題ですけれども、ただ、それが県内全体の経済効果としてどれぐらい広がってきたのかというと、余りないのではないかと思うのです。だから、ずっと税金投入してきましたし、港の整備もしてきたけれども、一部の人たちや一部の企業だけではなくて、全体の経済効果として本当にあらわれているのだろうかと、私は、そこの検証が非常にないといいますか、甘いといいますか、そのままずるずる税金投入しているという印象なのですが、そこはどういうふうに考えておられますか。
●岡村商工労働部長
先ほど申し上げましたとおり、やはり経済は為替変動とあわせて業態も刻々と変化したり、本当にこの円安で物の流れが変わってきたり、国内回帰の投資も生まれたりというのは事実です。そういう流れを踏まえて、この航路の果たす役割はまた新たなものが出てくるかと思っています。確かに失われるものもありますけれども、生まれてくるものもありますので、その辺を見きわめた上で、おっしゃるとおり、どれだけの波及効果をもたらすのか、量的な規模も試算は必要だという認識は一緒です。
○市谷委員
その波及効果ですけれども、物すごく効果があるように県民、私たちに示しておきながら、当初計算していたものに比べて、実際の効果が3分の1以下になっているという現実があるわけです。ですから、スタートした地点で県民に言われた点をもう少し総括していただかないと、バラ色の部分だけ、よくなった部分だけをそうやって言われて税金投入したときのあれは何だったのかと、実際は裏切られたようなことだと思いますけれども。
●岡村商工労働部長
おっしゃるとおり、確かに総括は重要です。当初予定していたやり方と予測していた波及効果とが違ってきているのです。円のレートも全然違いますし、それから県内企業の発展の業態なども違います。そういう意味では、最初想定していたような波及効果をしっかり検証して総括した上で、次のステップに行くのであれば、そういう提案をさせていただきたいとは思っています。
○市谷委員
そうしますと、最低でも今おっしゃったように、当初の時点で想定したことがどうなったかを総括していただくと、最低でもそれぐらいはしないと、本当に税金の無駄遣いになってしまうと思います。総括をきちんと示していただきたいと思いますけれども、いいでしょうか。
◎興治委員長
ほかにありますか。
○市谷委員
あと、3ページの企業局の工業用水道事業ですけれども、これは結局ジャパンディスプレイが段階的に契約を減らしてきているということですか。それで、殿ダムの関係になってくると思うのですけれども、工業用水道は、殿ダムを整備したときに、三洋電機が日量3万トンの水を使うという予測での計画でダムを整備したのですが、結局三洋の半分がジャパンディスプレイですよね。ジャパンディスプレイも含めて三洋電機が使うのを想定してダムをつくった工業用水道ですけれども、そのジャパンディスプレイがこんなに契約量を減らしてくるのは腹立たしいといいますか、何なのかなという感じがするのです。このジャパンディスプレイは三洋ではないですけれども、もともとは三洋ですから、企業としてこれはどういう考えですかね。コスト削減したいところでしょうけれども、やはり企業の責任を果たしてもらわないと、これは何だったのかなと。どうでしょうか。
●岡村商工労働部長
ジャパンディスプレイと特定された御質問ですので、私のほうから。
鳥取のジャパンディスプレイの液晶は車載の拠点となっていまして、集約してこちらにどんどん人も集まっています。車載のディスプレー、車のパネルについて、専用の機能を持っていますし、開発機能も持っています。今後まだまだこちらに集積が進んできます。拠点工場として活性化していくというところで、我々は企業支援をしています。ただ、この水に関しては、液晶を生成する工程の技術が、10年の中で循環させて使えばいいということで、これは今どの工場でもこういうやり方でされています。技術革新の結果として、今、液晶工場では全てそういうやり方になっているということですので、当時それが予測できるかというと、それは予測できなかったという状態です。ただ、我々とすれば、当然雇用をふやしていく、投資もふえていくということを条件として企業支援していますので、ジャパンディスプレイとしては恐らく今後日本の車載分野の代表的な工場になる、あるいは開発機能も持つということから、支援は継続したいと思っています。今回の水の使用量に関しては残念ながら削減になりますけれども、そこはいたし方ない部分という認識でおります。
○市谷委員
それで、ジャパンディスプレイの工場は県が税金投入しましたよね。労働者も三洋の労働者だったわけですよね。今、工業用水の使い方が変わってきているのはあるかもしれないですけれども、もう少し県としても、ジャパンディスプレイに工業用水を使うことについて訴えたほうがいいのではないかと思うのです。当時、契約がきちんとあればよかったのだろうとは思いますけれども、ただ、そのことを訴えていかないと、余りにも企業の論理だけでもって仕方がないと言ってしまって済む問題ではないし、しかも集約化すると言っておられるわけですよね、全国のジャパンディスプレイの……(発言する者あり)
●岡村商工労働部長
集約というのは、全体としてボリュームを上げていくという意味です。千葉県や石川県に分散していた機能を全てこちらに集めて全体としてパイを膨らませていくことですので、雇用は間違いなくふえます。我々とすれば、今の液晶工場は装置型の企業なのでエンジニアなどが要りますけれども、先ほど申し上げました国内回帰の投資などを含めて今検討していただくようにお願いしていますので、そちらの雇用がふえていくところでカバーしていただきたいなと思っています。
◎興治委員長
市谷委員、簡潔に質問してください。
○市谷委員
それはそれで、集約がいいかどうかという話もあるのですが、ただ、あの工場は県が税金を入れた工場であって、そこで操業されているわけですから、雇用は当然だけれども、鳥取県に対する社会的な責任の一つとして、水をできるだけ使ってほしいという呼びかけはしていただきたいと思いますけれども。
●岡村商工労働部長
何度も申し上げていますけれども、投資して補助金を出した施設を使って雇用をふやしていただく、投資いただくように今我々も協議していますので、その方向で彼らは投資を進めたり雇用をふやしたりする方向で議論していらっしゃいます。その中で、技術革新として水を若干圧縮する部分は、いたし方ないところだと思っておりますので、業態が変化していることを御理解いただきたいと思います。
◎興治委員長
市谷委員、水の利用については委員の共有できないところだと思いますので、そのことについてはもうやめてください。
○市谷委員
はい、わかりました。
そうしますと、殿ダムの工業用水事業は失敗したという認識を改めてさせていただきます。日量3万トンの計画が、今は1万トンも切ったこの状況ですし、殿ダムは950億円という多額の税金を投入していますから……(「それは地質調査も含んでいた」と呼ぶ者あり)含んでいますけれどもということです。
◎興治委員長
はい、わかりました。
次に、その他ですが、商工労働部、企業局、労働委員会に関して、執行部、委員のほうで何かございますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見がないようですので、以上で終わります。
以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。
午後0時18分 閉会
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