会議の概要
午前10時24分 開会
◎野田議長
ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に、藤井省三議員、福間裕隆議員を指名いたします。
本日の議題は、平成27年度当初予算の概要、平成27年度組織・定数改正案及び鳥取県の地方創生総合戦略に盛り込むべき事業例(素案)についてであります。
それでは、まず一括して知事に説明を求めます。
●平井知事
皆様、改めまして、おはようございます。
本日2月定例県議会を招集させていただきました。まずもって、皆様方に今期4年間、ともに任期をさせていただいたことに対しまして、心からの感謝を申し上げたいと思います。また、今期限りで勇退を予定されておられます議員の皆様もいらっしゃいますが、長年にわたり大変な御労苦を、県政に情熱をささげていただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。考えてみますと、この4年間は平たんな時期ではなかったと思います。経済の厳しい中から私たちはどのようにして県政を運営をし、住民や地域に対して結果を出していくことができるのか悩みながら、この4年間を過ごしてまいりました。
そういう中で、我々は積極的な地域づくりを仕掛けていくこと、特に福祉の観点だとか、環境の観点だとか、あるいは観光であるとか、人づくりであるとか、具体的なテーマを絞り込みながら事業を実施、展開してまいりました。そういうことをやりますと、えてして事業費がかさむものでございますが、確かに事業費は使いながらも、片方で、行政の効率化、重点化を進めることによりまして、財政的にも一つの節目である財政誘導指標を達成することができました。財政誘導指標で申し上げれば、基金残高は今年度末453億円ということになる見込みでございます。これは当初、8年前に私が引き継いだときの300億円余りから150億円ほど、5割ほどふやした格好になっております。また、将来的な負担残高、いわゆる借金の残高でいきますと、3,053億円ということになります。皆様とともにした4年間で620億円減らすことができました。さらにその前の4年も加えますと、1,200億円減らすことができました。以前の県政運営は毎年100億円ずつ貯金を取り崩すような状況でありましたので、それと比べると対照的な財政運営になってきていると思います。また、黒字のプライマリーバランスにつきましても、今回、当初予算で肉づけがない段階ではございますけれども、82億円のプライマリーバランスを確保することができました。恐らく肉づけの予算をこの後新しい任期の皆様が決められても、黒字プライマリーは達成できるのではないかと思います。
そういうように、この4年間、財政的にも節度ある運営をしながら、大きなチャレンジを果たすことができました。特に先ほども御紹介申し上げましたけれども、県民の参画のための県民参画基本条例でありますとか、それから手話言語条例、さらに危険ドラッグを防止するための思い切った薬物乱用防止条例の改正など、実施することができました。議員各位の深い御理解がなければ、こうした鳥取県の独自の取り組みは前に進まなかったと思います。そういう意味で、まず冒頭、皆様への感謝を申し上げたいと思います。
さて、新年度の当初予算案でございますけれども、骨格予算という体裁にはいたしておりますが、ただ、地方創生関連などの予算がございますので、その辺は重点的に積極計上させていただいたものもございます。その辺は国のほうの交付金の運用等の関係もございまして、御容赦をいただければありがたいと思います。この3,336億円の予算の中に、産業や雇用の創造であるとか、人材の育成を進める教育や子育て、さらには安心して暮らせるような地域づくり、また輝きを取り戻すような鳥取のプライドづくり、そうした先進的な地域づくり、パートナー県政等々、盛り込んでございます。ぜひまた御審議を賜りまして、私どもの予算案、最後のしっかりとした予算をつくることができればありがたいと考えております。
また、今回の県議会、次期へのバトンタッチということになりますが、その中で恐らく大きなバトンタッチになるのは地方創生の部分になろうかと思います。残念ながら、これは新年度以降が本格的な段階になってこようかと思います。ただ、鳥取県は冒頭申し上げましたとおり、この4年間、皆様と一緒に移住対策や子育て支援など、今の地方創生といわれるものを先取りしながら進めてきた感がございまして、一日の長があると思っております。ですから、この一日の長を有利に生かしていくためにも市町村と協働をしながら、地域とともに、県民とともに地方創生の形づくりを、土台づくりをしていく必要があろうかと思います。そこで、あえて本日は地方創生に盛り込むべき事項の骨子案を入れさせていただいております。恐らく今議会を通じまして県議会の皆様からもさまざまな御意見が寄せられると思います。また、県議会終了まで一月ほどございますので、さらに引き続き市町村との精力的な協議を進めてまいったり、商工会や農林関係なども含めた若手の方々との意見交換など、積極的に進めてまいりまして、さらにその土台の中身を議論させていただきたいと思っております。ですから、今議会中の締めくくりで、もう一度皆様にそうしたいわゆる骨子と言うべきものを提示をさせていただきたいと思っておりますが、県議会での今後の議論も踏まえながら進めてまいりたいと考えております。
以上になりますけれども、組織については全体として3%減という4年前の公約を果たす格好で、当初の人員の設定、組織の設定をすることができております。そうしたことも含めてお聞き取りをいただければと思いますが、詳細につきましては担当部局長から御説明申し上げます。
◎野田議長
続いて、詳細説明を求めます。
まず、平成27年度当初予算案の概要について、末永総務部長、お願いいたします。
●末永総務部長
それでは、資料1と2につきまして御説明を申し上げたいと思います。座らせていただきます。
まず、資料1でございます。平成27年度当初予算案についてという資料でございます。1ページ目の予算編成の基本姿勢につきましては、ただいま知事のお話にもございましたので、かいつまんで申し上げますと、地方創生の動きが全国並びに鳥取県でもスタートをしております。そうした中で、今回は統一地方選挙を控えまして、全体として骨格予算を編成させていただいておりますけれども、とっとり創生を実現する事業にいち早く、かつ切れ目なく取りかかることとしまして、26年度の先般お認めいただきました補正予算と、今回の当初予算を合わせた一体的、機動的な財政運営を行うというふうにしております。財源のことにつきましては(3)のところであります、27年度地方財政計画におきまして、一般財源総額については相当規模の増額ということになっておりますが、一方で、臨時財政対策債を含めました実質的な地方交付税は減額ということでございます。交付税依存度が高い本県においてはなかなか増収効果も限定的なものでありましたし、公債費負担ですとか、社会保障関係経費、引き続き高水準です。そうした義務的経費の増大が予算編成において制約となったものでございます。
ただ、そうしたことではありますが、積極的にとっとり創生のテーマのもと、関連の施策につきましては積極的に計上させていただきまして、全体として3,336億円、前年度比1.3%減ということで編成させていただきました。未来づくり財政誘導目標の話、知事からございましたが、3項目設定しておりますが、全て目標を達成させていただいたところでございます。
2ページ目をお願いいたします。繰り返しですが、予算規模としましては3,336億円、前年度に比べましてマイナス44億円、マイナス1.3%ということでございます。全体テーマとして、とっとり創生ということで、主な増減要因としては記載のとおりでありますが、義務的経費が大きく動いているというところを見ていただければと思います。それから、歳入につきまして、下の表ですけれども、県税につきましては50億円余りのプラスということで、地方消費税を中心に税制改正に伴う増が多くございますし、景気回復の動きを捕まえた増というものも一部入っております。
一方で、裏腹でございますが、地方交付税につきましては0.7%の減ということになっております。地方財政計画におきましては、交付税率の拡充ですとか、交付税原資の確保、そうした制度改正を行われておりますけれども、やはり県税が伸びていくという中で、若干のマイナスとなっておりますし、その2段下の臨時財政対策債につきましては、15.9%の減ということになっております。下に計算が書いてありますけれども、地方交付税プラス臨時財政対策債ではマイナス45億円余り、それから県税を合わせますと、プラスの5億円ということでございます。なお、繰越金と下にありますが、マイナス19億円とあります。これは翌年度の繰越金を予算計上に当初から財源として充てていたものをこれまでやってまいりましたが、今回は骨格編成ということもあり、これを見送らせていただいているということで御理解いただきたいと存じます。財政調整型基金につきましては、下にございますが、前年度並みの92億円の取り崩しをさせていただいております。現在のところ、来年度末の残高は362億円余りということでございます。
歳出につきましては、3ページでございます。予算規模、先ほど申しましたとおりですが、一般事業につきましてはプラスの1.3%、それから公共事業につきましてはマイナスの17.5%ということでございます。一般事業につきましては説明がありますけれども、補正予算において先行実施するもののほか、当初予算におきましても地方創生に関連するもの、産業雇用対策、中山間地域づくりなど、年度当初から現場の具体的な動きを応援、加速化するものについては積極的に計上をさせていただいておりますし、障がい者の社会参加ですとか文化芸術活動を応援する取り組み、子ども・子育て新制度に対応した予算につきましても万全を期しております。
一方で、義務的経費が増加するという状況がありますので、事務事業の徹底した見直しによりまして経費削減をあわせて図っております。公共事業につきましては、新規箇所の計上を一部見送らせていただいておりますけれども、国が行います高速道路ネットワーク整備ですとか、それを補完します地域高規格道路につきましては、早期供用を図るために所要額を計上させていただいておりますし、土砂災害対策に係りますハード整備や河川・堤防診断、監視強化を図るための予算についても積極的に計上をしておりますので御理解をいただきたいと存じます。
予算規模の変動率につきましては、下にございます。今回は骨格ということで、一番右ですが、マイナスの1.3%ということです。前回、23年度につきましてはマイナス3.7%ということですので、前回に比べれば積極的に計上しているということが見ていただけるかと存じます。
4ページ目をお願いいたします。参考ということで、地方消費税収と社会保障関係費についてということで資料をつけております。今回、引き上げ分の地方消費税収、1%から1.7%になっておりますが、これにつきましては42.2億円の実質収入が増となっております。これらは社会保障の財源とするという制度になっておりまして、県全体としまして社会保障関係費、一般財源として382.9億円ということでありますので、この42.2億円を全額社会保障関係費に計上、財源充当させていただいているということを御説明申し上げます。
おめくりいただきまして、ページ番号5ページと書いておりますページをお願いいたします。平成27年度予算の分析ということで、歳入について少し説明を申し上げます。増減の主なものということで、下に小さい字ですが整理をしてあります。県税につきまして、地方消費税は税率のアップによりまして、ふえております。それから、法人の関係につきましても、法人事業税で13億余りということです。法人県民税はマイナスになっておりますが、これは制度改正の影響でありまして、制度改正を除きますと、全国ほどの伸びではありませんが、若干のプラスになっているというふうに見積もりをしております。それから、繰入金につきましては、臨時のものの終了ですとか、制度改正に伴うもので若干増減がありますが、記載のとおりでございます。
6ページ、7ページは、歳出の状況でございますが、これはその他の場でいろいろ御説明を申し上げておりますので、この場では省略をさせていただきたいと思います。
8ページ、9ページ目をお願いいたします。公共事業の関係でございますが、9ページの一番下を見ていただきますと、27年度当初、全体として82.5%という対前年の伸び率となっております。骨格予算ということで御理解いただきたいと思いますけれども、詳しく見ますと、左の8ページになります。上から2段目の一般公共というところですが、これが国の事業に伴うものですが、77.2%ということです。それから、中ほど少し下のところに色を塗っていますが、県単独公共ということで、こちらは86.2%ということで、単独公共につきましては比較的計上させていただいておりますが、一般公共のほうにつきましては国の予算編成のおくれ等もありまして、このような数字となっております。なお、9ページの表に戻っていただきますと、23年度、前回の骨格のところを見ていただきますと、当初でいいますと75.5%ということですので、そちらよりは計上させていただいておりますし、2月臨時で公共事業30億円弱、計上させていただいておりますので、あわせて御認識をいただければと思います。
10ページ目でございます。10ページ目は数字の表になっておりますが、御説明したいのは右下の部分で点線囲みになっているところであります。重複いたします、財政運営の誘導目標について、26年度が453億円、27年度が362億円ということで、300億円以上いずれも達成しておりますし、借入金残高につきましてもごらんのように達成しているということを御説明申し上げます。
11ページにつきましては、数字をグラフに落としたものですので省略させていただきます。
12ページをお願いいたします。今回の主要事業ということで、簡単に御説明申し上げます。とっとり創生ということで、関連事業としまして、事業規模235億円ということで、2月臨時補正と合わせまして、当初で計上をさせていただいております。主なものを記載しておりますので、またごらんいただきたいと思います。
済みません、13ページですけれども、障がい者とともに暮らす社会の実現というテーマの関連予算ということで、右側ですが、臨時議会の分と合わせまして8.5億円の総事業費でございます。
また、14ページにつきましては子育て王国とっとりの関連予算ということで、臨時補正と合わせまして36.9億円の予算を計上させていただいております。
恐れ入ります、15ページをお願いいたします。先ほど義務的経費がふえていく中で、事務事業の見直しを行っているということを申し上げました。具体的には表のとおりでございますが、事務事業の見直しによりまして59億7,800万円ほど削減をさせていただいておりますし、職員人件費の削減ということでも5億弱ほど金額を上げております。一方で、土地の売却ですとか貸し付け収入、そうしたものを含めまして3億円余りの財源確保対策もさせていただきまして、この整理でいいますと、67億9,000万円ほどの増収といいますか、プラスの財源寄与ということで整理をさせていただいております。
16ページから18ページまで、事業棚卸しの評価と予算措置状況ということでございます。16ページでありますが、今回は8事業ほど事業棚卸しをお願いしまして、全て改善継続というような判断でございました。具体的な指摘を受けまして事業費を減額、あるいは事業の充実を行っております。それぞれ記載のとおりでございますので、また後ほど御確認をいただければ幸いでございます。
19ページは使用料・手数料の見直しということでございます。ごらんいただければと思います。
20ページにつきましては、先ほど地方消費税収と社会保障の関係について御説明を少し申し上げました。詳細の内訳となっておりますので、あわせてごらんいただければと思います。
21ページは人件費の分析というところでございます。全体としましては、人件費としまして金額の一番右下のところです。マイナスの10億円余りとなっております。人数的には260人ということでございます。内訳ですけれども、非常勤職員のところを見ていただきますと、215人の3,800万円となっております。215人のうち通年雇用以外の短期雇用の非常勤職員の増減ということでマイナス129人、具体的には審議会の委員ですとか、非常勤講師の方の見直しを行わせていただいて129人と。そのほかは通常業務の見直しによる減というふうに御理解をいただきたいと思います。それから、一般職の給与費のところで、45人の10億3,900万ということになりますが、新陳代謝等でマイナス9億円とございます。このうち大きいのは共済制度の見直しで、10億円ほどマイナスが立っておりまして、その分が大きく効いております。前回の議会で期末勤勉手当の増ですとか、お認めいただきましたが、その分は反映しておりますけれども、定数削減等々、相殺をされまして、結局その共済費の分だけが残っているような感じになっておりますが、この分が効きまして10億円余りのマイナスということで、全体としてもそのような数字となっております。
続きまして、資料2をお願いいたします。未来づくり財政誘導目標の達成状況ということで、繰り返し申しておりますが、3つほど目標を立てておりまして、それぞれごらんのとおり達成をしたというところでございます。
次の1枚おめくりいただきますと、これまでのグラフをつけております。ちょっと見づらくなって恐縮でありますが、折れ線グラフでいきますと、青い三角の線があります。これが実質的な借入金残高の23年6月の時点で見積もっていた状況であります。26年でいいますと3,685億円の借入金になるだろうという見込みでしたが、その後、財政運営の健全に努めまして、その3,685億円は3,053億円になったということでございます。それから、基金のほうですけれども、緑の数字が実際の数字でありまして、水色の数字が4年前に予測した数字でありますが、26年で申しますと、453億円の基金を確保しておりますが、予測では197億円であったということで、このくらい努力をさせていただいているということで御承知をいただきたいと思います。あと、プライマリーバランスにつきましても、るる申し上げておりますように、80億円から90億円程度の黒字を維持させていただいております。
◎野田議長
続きまして、平成27年度組織・定数改正案について、伊澤行財政改革局長、お願いいたします。
●伊澤行財政改革局長
続きまして、私のほうから資料3をごらんいただきながら、平成27年度の組織・定数改正について御説明を申し上げます。座らせていただきます。
資料3、1ページでございます。組織体制につきましても、統一地方選を控えておりますことから、骨格編成といたしているところでございまして、資料1ページに27年度当初の主な組織案の概要といたしまして、改正の要点を記載しております。具体的な内容は2ページ以降に記載しておりますので、そちらをごらんいただきながら御説明させていただきます。
2ページをごらんいただきます。まず1点目でございます。スポーツ推進体制の一元化ということでございます。スポーツ推進体制につきましては、26年度当初に教育委員会との関係を整理いたしまして、知事部局に一元化する体制を整えたところでございますが、さらにその歩みを進めまして、障がいの有無にかかわらず、スポーツ競技力の向上等を一体的に推進するための体制を強化したいと考えております。このため、現在は福祉保健部の障がい福祉課で所管しております障がい者の競技力向上、いわゆる主に競技者の育成、強化の分野でございますが、これに関する業務をスポーツ課のほうに移管し、一元体制をさらに強めていきたいと考えております。資料の中ほど、右側に書いておりますが、障がい者スポーツ、あるいは競技力の向上につきましては、障がい者の社会参加、健康増進などの観点から引き続き福祉保健部との強い連携体制が必要不可欠であると考えておりまして、障がい福祉課長及び同課の社会参加推進室長をスポーツ課に兼務とすることで、両部局の連携をより確実なものにしたいと考えているところでございます。
3ページに参ります。2点目でございますが、大型行事への対応といたしまして、平成28年度に開催が予定されておりますワールドトレイルズカンファレンス鳥取大会に向けまして、中部総合事務所の中部振興課に、これは課内室でございますが担当の組織を既に去る1月19日に設置させていただいたところでございますが、新年度当初におきましては、職員の増員配置によりまして体制を強化したいと考えているところでございます。さらには27年度に本県で開催を予定されております近畿高等学校総合文化祭に向けまして、教育委員会高等学校課の担当組織を課内室に格上げいたしまして体制を強化したいと、このように考えております。さらには本年度開催されました全国障がい者芸術・文化祭の終了に伴いまして、担当の課を廃止いたしますが、障がい者アート関連業務につきましては障がい福祉課におきまして引き続き実施する体制を整えることとしております。
大きな3点目でございますが、保育士養成の鳥取短期大学への機能の移行に伴いまして、保育専門学院を廃止することといたしております。
おはぐりいただきまして、4ページをごらんいただきます。4ページには、27年度当初の職員定数の概要を取りまとめております。23年度に策定いたしまして、議会のほうにも御報告いたしました、新たな定員管理の方針でございます。これに基づきまして、簡素で機能的な組織の構築、業務の効率化や行政課題への的確な対応といったことを旨として、スクラップ・アンド・ビルドを基本として見直しを重ねてきたところでございまして、本年度も同様な方針で編成をいたしております。知事部局の欄をごらんいただきます。知事部局の一番上に知事部局の計を書いておりますが、27年度2,849人ということで、対前年度12名の減ということでございます。中ほどやや下、(2)番として行政委員会、企業局を書いております。増減の欄、増減なしということでございます。一番下に全体を通じました計を書いておりまして、3,209名ということで、全体でも12名の減ということでございます。この結果、先ほども申し上げました新たな定員管理の方針で定めました4年間で一般行政部門100名の減という定員管理の目標につきましては達成したところでございまして、その状況につきましては5ページの一番下の表でございますが、達成状況としてまとめております。目標100名に対しまして101名の減員ということで、目標を達成したところでございます。
このほか5ページには学校の教職員の定数の関係、警察本部、病院局の定数の関係を記載しておりますのでごらんいただければと思います。
おはぐりいただきまして、6ページ以降につきましては、27年度当初の組織体制の全体を取りまとめて表記しております。ごらんいただければと思います。
◎野田議長
続きまして、鳥取県の地方創生総合戦略に盛り込むべき事業例(素案)について、岡﨑未来づくり推進局長、お願いいたします。
●岡﨑未来づくり推進局長
私からは資料4と、その別冊になっております参考資料について説明を申し上げます。座って説明いたします。
まず、資料4の説明の前に、この資料4を作成する考え方につきまして説明を申し上げます。別冊の参考資料をお開きください。参考資料、末尾のほうにあると思いますが、こういう資料です。参考資料として別冊になっております。ちょっと厚いものですが、お手元にありますでしょうか。一番下に置いてあると思いますが、厚い資料の一番下だと思います。よろしいでしょうか。
目次ですが、人口の試算、あと鳥取県の特徴的な指標、あと各市町村の皆様方の描いている総合戦略と、あと人口減少社会の提言として、県議会の皆様方の特別委員会からの提言があります。この考え方としまして、12月19日に特別委員会からの提言の中間報告をいただきました。これと、あと7ページ以降にあります各市町村の皆様方の現時点、これは1月16、19、20日と、鳥取創生チーム会議で意見交換をいたしましたが、そこで出てきた総合戦略に盛り込むべき事業としていただいています。そして、6ページをごらんください。鳥取県の特徴的な指標として、ちょっとかいつまんで申し上げますと、国の統計調査、あるいは民間のランキング調査などから、例えば人やきずな、時間、鳥取県の自然、こういった強みに関して、こういうような形でのランキングと申しますか、指標が出ていますので、これをもとに鳥取県の政策パッケージなるものを考えてみました。
1ページにお返りいただきまして、鳥取県の将来推計人口の試算をしております。これは昨年12月に国の人口問題研究所が発表しました2040年の推計があります。この推計は2010年を基準としていますが、本県はそれ以降も積極的に移住定住とか、人口問題に係る子育て支援をやっていますので、2013年を基礎として人口推計したものです。これが2040年としましては、
45万5,000人というふうになりますが、国では改めて2060年を指標として1億人程度の人口を確保しようという人口ビジョンを出されましたので、この推計の仕方で2060年を考えてみますと、35万4,000人になるということになります。ですので、現在が57万人程度ですので、2040年では45万人程度、2060年では35万人程度になるというふうな推計ができます。
そこで、これをもとに将来推計人口のさらなるシミュレーションをしてみました。例えば合計特殊出生率がさらに上昇する場合、現在は1.43から1.62と、全国7位になりましたが、それを1.8、あるいは2030年では2.07と、全人口が安定する基準ですが、それをやった場合どうなるかといった場合。そして、例えば今、社会減が多いですが、その社会減が10年後に均衡する、つまりゼロになるといった場合の試算です。それをそれぞれしてみますと、2060年では39万人程度、そして社会減がなくなった場合、37万人程度で、両方を一遍に頑張っていこうということにしますと、大体42万人程度の試算ができるということになりますが、やはり人口減少はなかなか抑えきれないというのがわかってきます。それをグラフにしたものが下のものです。
総人口の推移として、2040年、2060年を区切りとしていますが、先ほど申し上げました単純に今のトレンド、一生懸命、定住対策、子育て対策、頑張っています、これを今のまま続けた場合というふうに考えていただいたらいいのですが、それが丸Aの青い実線です。それをさらにさらに政策パッケージとして頑張っていこうというものが丸Bで、これが合計特殊出生率を回復させていく、そして社会減をなくするということですが、丸Bになります。こういう曲線になっていくということでして、横が人口ピラミッドです。現在はつぼ型の下の底辺がしぼんでいる、非常に不安定な状況が人口ピラミッドです。そして、今のままの頑張りでいきますと、この実線ではない、ちょっとまだ尻すぼみのといいますか、底が安定しないつぼ型になってきますが、それをさらにさらに頑張っていくと、大体つり鐘状になってくるというふうな形の試算ができますが、全体としてはやはり細っているというようなことであります。これはまだまだ推計ですから、これから具体的な検討をしてまいりますが、これらを考えて資料4を作成しました。
資料4は題名のとおり、総合戦略に盛り込むべき事業例の素案とさせていただいています。繰り返しになりますが、市町村の皆様方から1月時点での案、そして12月19日にいただきました特別委員会での中間報告をいろいろと考えさせていただいて、これで事業例の案としてまとめたものがこれです。そして、政策パッケージとして、鳥取県の強み、1つ目は自然、2つ目が人と人とのきずな、そして3つ目がその時だと思います。これらをまとめてみました。まず1つ目が、大いなる自然の恵みに生きる、1つは観光・交流、農林水産、そしてエコスタイルということで、以下のような事業をまとめております。また、2番目が、ぬくもりの絆に生きるとして、出会い・子育て、人財とっとり、支え愛、この3つの項目でまとめております。3つ目が、ゆったり刻む時を生きるとして、移住・定住、職住近接、まちづくり、このように大きく3分類、そしてそれぞれ3項目として事業を例として記載しております。これは本県の強みを生かしたということでまとめておりますが、さらにさらに市町村の皆様方や団体の皆様方からの御意見を伺って議論を重ねて、冒頭、知事が申し上げましたが、これをまとめていきたいと。骨子として今月中にまとめていこうという考えでおります。
以上、概略につきまして説明を申し上げました。
◎野田議長
ただいままでの説明に対して御意見、御質疑等があればお願いいたします。
○山口議員
ちょっと知事のほうにお伺いしますけれども、まず、鳥取県は知事選挙が4月にあるという形で暫定的な予算ですけれども、その地方財政計画の中で、地方再生に対するこの交付金ですけれども、この1.2兆円という枠があって、鳥取県はそれで経済対策含めて15億円の補正をやっておられるということですな。それで、本格的な予算を編成される場合には、地財計画の
1.2兆円というのがありますけれども、どのぐらいの肉づけが行われようとするかということと、それから、県が市町村に対して地方創生のための交付金を交付されるわけですけれども、市町村に対する、地方創生に対する交付金というのは、ストレートで国から出るものであるかどうかですな。どういう対応で市町村に対する地方創生交付金の流れをされるのかどうか、つくられるのか、こういう問題ですけれども。
◎野田議長
では、2点について。
●平井知事
ただいま山口議員のほうから地方創生についての財源構成等につきまして、お話がございました。議員御指摘のとおり、交付税につきまして、このたび地方創生特別枠として1兆円が計上をされております。ただ、片方で別枠加算や、あるいは歳出特別枠等々、整理があったり、また地方の行財政改革を推進するような頑張る地方を応援するといったような、そういう枠の縮小、整理などがございまして、差し引きしますと20億円程度、鳥取県にも影響があるというような感じかなと思います。これらは地方交付税の積算でありますので、現在の当初予算の中にも取り込ませていただいておりますが、正直申し上げて、まだ十分交付税の分析が100%できている状況ではございません。今回、予算編成が最終的にずれ込んできましたので、その辺はだから、まだ上振れが現在の地方交付税の見込みよりはあるかもしれないと思っております。
そうしたことなども含めて、いわば留保できる財源もおくれていると思いますので、そうしたものをもとにして……。
○山口議員
座ってください、座っていいです、わしも座っているので。
●平井知事
ありがとうございます。
肉づけ予算をまた準備をさせていただくということになろうかと思います。これは新しい知事と新しい議員という新メンバーでやるものでありますから、今その規模が幾らぐらいになるということはちょっと申し上げられませんけれども、ただ、ある程度の余裕代はあるだろうというふうに思っております。その辺は地方創生を執行してスタートさせていくに足る部分はあるのではないかと思います。
また、市町村への交付金は、これは国から直接行くことになります。また、先ほど申し上げた地方創生枠、これも市町村のほうに対して都道府県よりも重点的に配分されるものと見込まれます。この辺が市町村の自由な財源として使えるものではないかなと考えております。あわせて、私どもでは条例改正を今回提案させていただきましたが、市町村創生の交付金として、従来の市町村交付金を改組させていただきました。市町村提案事業をもとにして配分をするということになりまして、これも自由度の高い交付金として使いやすくなると思います。こうしたことなどで、市町村もある程度従来よりは思い切って地方創生についての事業化は可能な状況にあると推測いたしております。
○山口議員
市町村に対する交付金でございますけれども、従来のやつを変形してこういう形にまとめられるということなのですけれども、総額としては、市町村に対する自立交付金ですけれども、やっぱりこれは市町村の地方財政計画に基づいているから、独自に県が市町村に対して今までの交付金を衣がえしてやられるかと、こういう形だと思いますけれども、どのぐらいの比率でどういう形になるのでしょうか、市町村は。
●平井知事
市町村の財源状況につきまして、詳細は担当のほうから申し上げたいと思いますが、県からの市町村への交付金自体は、それは大きなウエートではないと思います。正直申し上げて、国からの交付金、このウエートが非常に高うございます。または、大切なのは、今回、地方創生の盛り込むべき事業例ということで書かせていただいていますが、市町村がやりたい事業をもとにしてここに書いてあるわけでありまして、例えば琴浦町であれば、デイリータウンというのをやろうとか、日南町であればコンパクトビレッジというのをつくってみたいとか、そうしたことを県が応援していく事業立ても今後出てくるのではないかと思います。そうした形で、交付金以上に個別の事業の支援のほうがウエートは高かろうと思っております。詳細は担当から申し上げます。
●末永総務部長
補足を申し上げます。市町村への交付金の件でございます。まず、国から直接に参ります地方創生関連の交付金につきましては、国の経済対策で1,700億円ほど全体で予算計上確保がされております。そのうち300億円は後ほどまた競争になるということで、実際には1,400億円が県と市町村に交付をされているというのが現状でございます。市町村の総額というのは、申しわけありません、私ども承知しておりませんが、例えば県内の市でありましたら数億円程度の交付金が交付されているというふうに承知をしております。鳥取県は13億円いただいておりますので、そういうことで御承知をいただければと思います。
県単独として市町村創生交付金ということで、今回条例改正をお願いをしておりますが、そちらについては、金額としてはこれまで2億7,000万円ほど計上させていただいておりまして、今回も同額でございますが、これまでは使い道をある程度制限してまいりましたが、今回は、このたびの条例改正では使い道を自由にして、市町村の地方創生に取り組む姿勢を応援しようという形で組み立てておりますので、金額的には同じですけれども、使い勝手は随分よくなっているというふうに承知しております。
○山口議員
もう一つ。知事、地方財政計画で1.2兆円ということなのですけれども、国が精査しながら、本格的な地方創生に対する対応をやると思いますけれども、1.2兆円というのはもう1年間これだけでしょうか。さらにこれが増額されるような形になるのでしょうか。
●平井知事
これにつきましては、当然ながら年々の地方財政対策の中で、私どもとしては拡充を求めていくべきものではないかと思います。市町村も含めて不安感がありますのは、最初にこうやってぱんとした地方創生枠などが出てきても、後からはしごを外されるのではないかと。やり始めたはいいけれども、途中で財政的な支援がなくなってしまうと続かなくなってしまう。その辺の不安感は、現場のほうには濃くございます。この辺はよく政府のほうにも趣旨をお伝えを申し上げているところでございますが、当然ながら新年度以降、継続した財政措置がなされるよう、さらに状況に応じてだんだんと拡充、発展していく方向性に多分なると思いますが、そうしたことに対応できるような地方財政上の措置が必要であるというふうに考えております。
◎野田議長
いいですか、ほかに。
○藤井議員
国が金をくれるから使っちゃおうぜと、こういう感じもするのですけれども、知事は霞が関におられて、そして最近は国の審議会等にいろいろ参加されていますので、この地方創生という政策が制度として正しいものかどうかという吟味を、まずやっぱり地方としてもした上で政策を立てていくべきではないかというのが第1点です。
今、山口議員が言われましたように、これいつまで続くかということですね。これは単に期待して待つというのではなくて、この地方創生が完成するのはどれくらいかかるのだと。よって、地方のほうからむしろ終期を定めて、国に対して要請していくということが必要なのではないかと。
最初、知事が言われましたけれども、この地方創生のメニューというのは鳥取県が先取りをしているということは確かにそうなんでしょうけれども、確かに政調会など見ていますと、これまでの事業が、お金が要る、進度が進んでいくという、そういうものが多いのですけれども、それだけのものなのかということですよね。それだと一体地方創生というのは何なのだろうかという疑問もあるわけで、そういう新しい永遠のテーマの設定というものがこの際、別途出てくるのだろうかと。そのことについて。
●平井知事
まず、地方創生事業について吟味をする必要がある。それから、それの終期といいますか、そこを地方としては働きかける必要があるということであります。今回の地方創生というのは正直申し上げれば、古くから地方はそれぞれ取り組んでいたテーマだと思います。一番私どもとして重視したいのは、それに国の中枢がようやく動き始めたということでございまして、国の中枢が動き始めたそのことを我々としても力として、追い風を受けながら、一気にここへ進めていく、そういうスタートダッシュをかけるといいますか、事態の急展開を模索し得るチャンスになってきたのだろうと思います。ですから、このタイミングを捉えた事業構成というのを我々が工夫していくべきではないかなと思っています。
地方創生の目的は、恐らく人口オーナスといわれる人口減少が国全体であると。その一番の根本要因は大都会での出生率の低下であるのにもかかわらず、大都会に人が流れていって、どんどんとその減少のスパイラルに入っていくということだと思います。もう一度地方のよさをちゃんと国全体で十分認識をして、移住定住を一つには進めていったり、また出会いから出産、さらには成長に至る、そうした人間としての価値ある人生を導ける地方での生活、これをさらに発展させて充実させていく、こういうことではないかと思います。移住対策だとか少子化対策、こうしたことなどをやっていく。それとあわせて、その前提としての働く場、なりわいの糧というもの、これを地方においても大都市に遍在しているものを是正して、地方においてもつくり上げていく。この辺が基本的なストーリーだと思います。この基本的なストーリーについては、我々としても十分うなずけるものだと思いますし、実はそれをまさに我々はやろうとして、この4年間も任期をかけて頑張ってきたことではないかと思っています。
そういう意味で、地方創生の意義というのは評価したいと思いますし、そういう評価する形をとりながら、国の事業を取り込んでいくと。それが我々の推進力になるというのも基本戦略だと思います。これは今、総合戦略を国が示しました。その考え方や政府御当局のお話を総合しますと、5年間というスパンでやりなさいという制度設計を組まれています。この5年間という重点期間の中で、我々としても展開をしていくということでありますので、今、任期が我々終わろうとしておりますが、次の任期の4年間はこの地方創生に充てられるべき期間ということになろうかと思います。ですから、たった1年間ないしわずかなこの3カ月とかで決着できるものではないですし、国もそういうふうに風呂敷を広げていますから、その間の財政保障は少なくともしてもらわなきゃいけないですねと。この辺は山口議員の指摘どおりやっていく必要があろうかと思います。
鳥取県はそうしたら、ただ従来の施策をやるだけかということが最後のポイントかと思いますが、きょうお配りを申し上げました市町村の考え方、それから議会のほうの特別委員会の考え方、我々は我々なりにこの4年間追求してきたもの、それを1つにペーパーとして、議論のたたき台としてまとめさせていただきました。これは鳥取県の強みというものですね。考えながら入れさせていただいたわけです。そうすると、浮き彫りになってきますのは、鳥取県のそうした強みを生かしながら、移住定住だとか、子育て支援だとか、産業振興を進めていく、キャッチフレーズといいますか、誘因となるようなことは、鳥取県の地域イメージでナンバー1に来るのは鳥取砂丘です。これは断トツでトップです。その次が梨だとか、そうしたものなどが続いてくるわけでありますが、この全国のイメージを、いわば我々も逆手にとっていくのがいいのではないかな。それはすなわち、いわば大いなる自然があって、それでゆったりとした暮らしができそうだ、そして人のきずながあったかそうで居心地がよさそうだ、この辺をアピールすることができれば移住定住を呼び込んできたり、それから暮らしやすい地域づくり、それによって子育ての環境をつくったり、またお年寄りの能力の活用、こういうものが進めていける、そういうことになるのではないかなと思っています。
きょうは大いなる自然の恵みに生きるということ、それからゆったりと刻まれる時を生きるということ、また、ぬくもりの絆に生きるということ、こうした3ポイント上げましたが、トータルで見ますと、いわば偉大な田舎というようなことで、田舎というのがどちらかというと逆説的に捉えられがちでありますけれども、カントリーサイド、そうした日本の中でいうと、そういうカントリーサイドに当たるところで新しい人生をやってみませんか、そこで子育てをしっかりと充実した環境の中でやってみませんかということを打ち出していく方向性かなと思います。市町村長のお話もそれぞれお伺いいたしましたが、大きな流れはその辺に収れんするのかなと思って見ております。今議会、皆様からさまざまな御意見が出ると思います。そういうものを総合して骨子にさせていただき、我々としての方向性もある程度出しながら、次の任期の皆さんにバトンタッチしていくということではないかなと思っています。
○藤井議員
今の知事の立場から、先ほど言いましたことからすると、国が言うからやってみようというような立場ではないと思うのです。やっぱり国は大丈夫かという、そういう国の状況を知悉した上で、この政策が正しいということからみんなに説明していくという、そういう態度が必要ではないかなということで質問をさせていただきました。御理解いただければ幸いです。
○山口議員
ちょっと1つだけいいかな。
◎野田議長
ちょっと後、市谷議員の次に。
○市谷議員
済みません、ちょっと幾つかありますけれども、まとめて、時間がありますので言わせていただきます。
今、議論ありました地方創生の考え方についてなのですけれども、きょう知事も議場の提案の中で、移住定住は地方創生のかなめでありとおっしゃって、私も移住を否定するものではないですけれども、やはりなぜ地方が困難になってきたのかということを考えますと、地方で本当に暮らし続ける、安心して子供を産み育てるということが困難になってきたということを解決しなければ、まず住んでいる者が安心して暮らせるということが一番大事だというふうに思うのですけれども、移住定住が柱ですという、そのフレーズを聞いたときに、私は違うのではないかと。移住を否定するわけではないですよ。ですから、その辺の知事の考え方をちょっとまず確認をさせていただきたいということです。
関連して、この戦略に盛り込むべき事業例というので、幾つかあって、いろんな提案が出されていて、否定されるものでもないなとは思いますけれども、ただ、基本的には今言った住民が地方で暮らし続けることができるという、国がしっかりとした基盤を整備しなければ、このこういう事例というのはさらに上乗せの部分で、これは加わってくるものなのではないかなと思うのです。ですから、その住民が地方で暮らし続けることができる社会保障なり農林水産業なり、しっかりとした基盤を国がまずつくるべきだということをしっかりと国に言っていただくというのが前提でなければ、これ絵に描いた餅になってしまうと私は思うのですけれども、その辺知事がどう考えていらっしゃるのか教えていただきたい。
これだけいろいろ案が出てきているのですけれども、さっき山口議員もおっしゃいましたけれども、本当にお金が出るのだろうかと。やった事項については評価をして、効果がないものについては削減されると、見直しさせられるということがありますから、そうなってくると、せっかくこれだけ案を出しても評価されて効果なしと、お金がつかないとか、それから、本当に財源どうなるのだろうかと、その辺の見通しについてもちょっとお答えいただきたいと思います。
今回の当初予算に関連して、3,336億円ということで、前年度に比べてマイナス44億円ということですけれども、この間の2月臨時会では79億円の臨時予算を組みまして、あれは26年度の補正予算でしたけれども、ほとんどそのままこの27年度に繰り越しという形になっているというふうに思うのです。ちょっとその辺を単純にマイナスではなく繰り越されていて、プラス79億円なり、地方創生ではプラス15億円というものがここに上乗せであるということについて、少し正確にお話をいただきたいと思います。
最後に、人件費の関係で終わりますけれども、27年度人件費の分析というので当初予算についての最後のページについていますけれども、この非常勤職員のマイナス129名というものについて、これはちょっと詳しく資料をいただきたいということの要望と、それから、27年の定数改正について、前回も言いましたけれども、現業業務の見直しということで、各分野で相当現業業務の見直しと書かれていますが、この中身は何なのかというのを教えていただきたいと思います。
◎野田議長
それでは、5点になりますけれども。
●平井知事
まず、ちょっと言葉が足らずだったかもしれませんけれども、移住定住、産み育てる環境など、地方創生についてございました。先ほどの岡﨑のほうから御説明申し上げましたこの地方創生の、これを見ていただいたほうがいいのかもしれません。ここにございますように、今、市谷議員が御指摘の出会いや子育てのこと、例えば保育、教育、医療などの子育て世代の負担軽減であるとか、それから、あと支え愛活動であるとか、そういうものを積極的にここに入れさせていただいております。私どもは住んでみたいふるさと、そういう大いなる田舎というか、グレートカントリーサイドといいますか、そういうことを目指してもいいのではないだろうか。その意味の施策は一つの柱としてあると思っています。先ほどの提案理由説明の中で、移住定住は柱と申し上げましたが、柱は一本柱ではなくて、何本も柱があって家が建つものでございまして、そういうふうに御理解をいただければと思います。
また、国が基盤をきちんとつくるべきではないかということですが、そうした子育て施策だとか、それから農林水産業もここに柱立てさせていただいておりますが、農林水産業、こういうものについて、国に対して我々としても現場の実情を訴えて、しっかりとしたフォローアップを求めていくことは当然だと思っております。これについては従来もそういう姿勢でやってきておりまして、今後ともそのように努めさせていただくつもりでございます。
次に、本当にお金が出るかどうかということでございます。ウエートで申しますと、今回の当初予算が3,336億円、それと、あわせて考えていただくべきは、先ほど末永のほうから御説明申し上げましたとおり、先行的な地方創生に係る交付金、これが本体かと思います。それは13億円です。ですから、ロットとしてはそんなに大きなものではない。実は国もこれはばらまきではないと言い、それからハード整備を、あちこちに道路や何かをつくるというものではないですよということを繰り返しておっしゃっている。そうしたことからも御理解いただけますとおり、実はトータルで、山口議員がおっしゃったような交付税の中の地方創生枠であるとか、それからそのほかの子育ての関係のいろんな支援事業であるとか、そういうものを全体として、我々としては国の財源も活用しながらやっていくということでなければいけないと思っております。
ですから、我々としては、5年間という重点期間が設けられていて、その間は当然のことでありますし、その後も続くような子育て施策だとか、いろんなものがあろうかと思います。そうしたものに対するフォローアップは国に対してもしっかりと求めていかなければならないと思っております。キー・パフォーマンス・インデクス、KPIを示して、PDCAサイクルを回していけというように今回の交付金についています。それは制度設計でありますので、我々もそれをさせていただきたいと思いますが、これは正直申し上げて、試行錯誤を許すということでもございます。ですから、やってみて効果のある事業をどんどん伸ばしていく。効果のないものはスクラップ・アンド・ビルドで減らしていくということなのかなと、私は理解をいたしておりまして、その辺はこれからどういうふうに実際に運用されていくかは注意深く見ていかなければいけませんが、私どもとしても、その交付金の実際の相場観だとか、つまりロットがそんなに大きくないことであるとかいうようなことも頭に入れながら、過大な投資をして財政を潰してしまうということにならないように、くれぐれも注意をしながら、国からとるべき財源はとっていく。こうした基本戦略で向かうべきだと考えております。
臨時議会では皆様のお世話いただきまして、79億円の補正予算を制定させていただきました。これが今回のものの、特に地方創生については乗っかった格好になっています。この全協でも冒頭お断りをさせていただきましたが、骨格予算ではありますけれども、国のほうのそうした交付金の仕組みなどもございまして、地方創生関連のものはある程度積極的に計上させていただいた、いわば骨格プラスアルファといたしております。79億円のものも含めて、その辺はトータルで見ていただくべきものであることを御理解いただければと思います。
人件費の関係につきましては、担当のほうから詳細御説明申し上げたいと思いますし、必要な資料は後ほど配付をいたします。
●伊澤行財政改革局長
私のほうからは、現業業務の見直しの関係につきましてお答えをしたいと思います。現業業務の見直しにつきましては、以前から、これまでからも議場でも議論がありまして、その際にも説明させていただいておりますが、4年前には約140名規模の現業職員を要しておりましたが、これを4年間で70名規模まで削減するということで、計画的な削減に取り組んでいるところでございます。本年度これが最終年度ということでございまして、10数名の職員を、実際には県土整備部の道路の維持管理業務を行っております職員が最終の削減になっておりまして、ここを削減するようにしております。その他の部局についても現業業務の見直しということでプラス・マイナスが立っておりますが、これは現業業務の見直しに伴いまして仕事が廃止になるという職員の人材を有効に活用して、かつ雇用を継続していくということで、有効活用のための定数をお認めいただいております。
先ほど申し上げましたとおり、現業業務のほうもさまざまな分野がございますが、道路の維持管理を担っていた職員の人材が出てまいりますので、その人材を有効活用しやすい分野に振り向けるために部局間で調整をしているということでございまして、繰り返しになりますが、実際に廃止になるのは道路の維持管理業務の職員が10数名廃止になるというだけでございます。
◎野田議長
表についての配付はまた。
●伊澤行財政改革局長
はい、今度。
○山口議員
岡﨑局長、いいかな。この人口のシミュレーションなのですけれども、これは各町村ごとというのですけれども、例えば農村であるとか町部であるとか、市町村でも漁村であるとか、農村を抱えているところとか、こういうところは減り方が多いのか、そういう分析をした結果とか、そういうものが出てこないと、なかなか対応できないのではないかと思いますけれども、これを見て全体のトレンドはわかるのですけれども、そういうとこまでやっぱりきめ細かに対応してということで、そういう人口減少と、それから出生率の問題、こういうものをきちんとやっぱり整理しながらそれぞれの対応をすべきだと、私こう思うのですけれども、そのデータがあれば、市町村別しか出とらんですよ、この中で。だから、産業別とか、農村であるとか、林業地帯であるとか、どういう地域が人口減少社会を顕現化しているのですか。そういうような分析をされておったのなら、そういうものを見せていただきたいですし、それなりの対応を求めるのが筋ではなかろうかと、こう思います。
●岡﨑未来づくり推進局長
現在のシミュレーションは、市町村ごとにつきましては2040年で、現在のトレンドを反映したものということになっています。お尋ねの、例えば集落ごとということですけれども、産業ごとにつきましては、ちょっとなかなか困難かと思います。今やってませんのが事実です。あと、集落ごとですが、実はまだ手はついてませんけれども、一部考えているところがあります。と申しますのは、集落創造シートというものを市町村の皆さん方と一緒になって今、つくっております。それは各集落ごとの現状分析と、例えばこれが何年後、何年後、何年後にどうなるかというものを住民の皆様方と一緒になってそういう推計をしている集落もありますので、そういう集落ごとの中でやっている部分につきましては、今、ホームページでもごらんいただくようになっています。ただ、これが全てやっているわけではなくて、市町村の皆さん方と一緒になって考えるということですので、またこれからもその取り組みは進めてまいりたいというふうに思っております。
○山口議員
わかりますけれども、きめ細かな対応しようと思えば、やはりその地域ごととか産業ごととか、こういうものに対してきちんとしたやっぱり将来像を持って、私は対応すべきだと思っておりますけれども、それは地方創生の原点につながるのではなかろうかと思いますが、知事、いかがですか。
●平井知事
これについては、すぐに今ここに用意しているわけではございませんけれども、その集落シートなどの事例も参考にさせていただきながら、山口議員がおっしゃるような典型的な中山間地での集落の動向はこうでしょうとか、漁村だったらこういうようなことがあるのではないかとか、都市の町なかの中心だったらこういうような傾向があるのではないかとか、人口の動態の一つのモデル計算といいますか、そうしたシミュレーションも、これも今後用意させていただきたいと思います。
○伊藤(美)議員
先ほどからこの地方創生にかける県の進め方というのをずっと読ませてもらいました。実は私、この将来の人口動向を含めて、今後この自治体間の競合というのが物すごいものが出てくるのではないかと思っております。島根県の予算が発表されておりましたけれども、それを見ると、何かいっぱい鳥取県と似たような考え方の整理がしてあります。恐らく全国的に見ても、それこそまさに知事の言っていらっしゃるロケットスタート、これはそれとして、次から次から、次から次から、いい事例、いい事例、いい事例は自治体間で取り合いするわけであります。そういう中で、先ほど知事が言っていらした全国のイメージで、大いなる自然を生かした偉大なる田舎、この辺のイメージが僕は物すごくアピールすべきものではないかと思いますけれども、その今の若い方々が来られる海士町あたりに行ってみても、やっぱりそこのところだろうと思っていますし、俺らが雇用の場をつくるのだと、そういう意欲的な若者たちが海士町にやってくると。同じことが偉大なる田舎、そして鳥取県、大自然の中で生きるという、そういうイメージを強烈に、知事、持っていただく。これこそが私は地方創生の全国自治体間の中で勝ち抜く、そういう地域になるだろうと思っておりますけれども、知事、いかがでしょうか。
●平井知事
おっしゃるとおりでありまして、やはりどうしてもある程度緩やかな地域間競争というものが起きてくる面があろうかと思います。その際に、どこも同じような戦略ということになる可能性はあろうかと思います。ですから、海士町が出しておられますように、ないものはないというようなことで、逆にアピールして、そうして若い人たちを引っ張り込んできたというようなこともございますので、鳥取県も県トータルでそうしたイメージ発信といいますか、そうしたことも丁寧に強力にやってまいりたいと思います。
○福間議員
知事にちょっとお伺いしておきたいのですけれども、地方創生ということで、それぞれの地方の特色を生かした取り組みをやっていこうということで、今、一生懸命取り組んでいますよね。そもそも地方創生と裏腹なところで、東京一極集中という現象があるわけですね。私は今回の地方創生というのは、政治的な色合いが非常に強いと。例えば自民党は地方創生を統一地方選対応に使うというようなことが、あからさまなこのニュアンスなど出てきている部分というのもあるわけですよね。否定するものではないのですけれども、地方創生ということを。逆に地方創生をしなければならんところまで追い込まれてきた政治の力、一極集中に持ってきてしまった部分というのはどうするのですかということについての国への地方の提起というのはどんなぐあいに考えていらっしゃるでしょうかね。根本的にはそこをどう解体していくのかということが最終的な根幹であるのではないでしょうかね。権限、財源をどう地方へ移そうとしているのか、そのことをやっぱり地方の首長としてどのように提起をしようとしていらっしゃるのか、そこをお伺いをしたいですよね。
●平井知事
この地方創生の議論は年末にまとまりはしましたけれども、実はその前から地方創生という枠組みについての議論が始まりました。私ども地方団体として、有志の県で一緒になって要請活動をしたり、鳥取県としても9月に地方創生の本部ができ上がって早々に要請活動に行ったりいたしました。そのときに議員がおっしゃるように、東京一極集中を是正していく具体的なわかりやすい政策を国はやるべきだということを申し上げました。一つには、経済の分散を図るために企業が地方に移転をした場合、それを税制上応援するような政策がないだろうかということを申し上げたり、また、大学というのもこれ、分散に大きな影響があるわけでありますが、その地方の大学の活用、それから、さらにいえば政府機関も地方に移転をさせてもいいものがあるではないかと、こういうようなことをいろいろと具体的にも申し上げてまいりました。
地方についての分権と、それから分散と、2つがなければいけません。特に地方創生の場合は、分散のほうの実質をつくらなければいけません。ですから、こういうことを訴えかけてまいりまして、今回、年末の大綱の中でもその3つについて、それぞれ地方側の考え方を容認するようなものが出てきたと思います。ただ、現実に、ではどの政府機関を町に移転するのだとか、では本当に地方に拠点を移すような企業があらわれるかどうかとか、その辺はこれからのことでございまして、その辺の実質がなければ、東京一極集中は是正されたとはいえないと思います。ですから、これからが本当の勝負どころでありまして、国に対しても強く迫るべきものは迫っていったり、あるいは企業の地方における立地ができるような、そういう環境づくりや、我々のアピール行動もしていかなければいけないと思っております。
○錦織議員
済みません、まず、一つはですけれども、基本的なことをもう一回ちょっとお聞きしたいんですけれども、きょうはお示しいただいた資料で未来づくり財政誘導目標の達成状況というのは、いずれも大幅超過達成ということではないかなというふうに思いますが、特にこの財政調整型基金残高というのが453億円ということで、私たちが議員になったときに、とにかくどんどん減り続けてきていたので、300億円はもう最低限持っていようということで決めたと思うのです。それで、改めてこの鳥取県の県政を運営していくのに300億円の基金がないといけないというふうに目標を決めたということは、なぜそうだったのか、鳥取県のこういう県政を運営するには最低そのくらい持っていないといけないですよというふうにお考えになったその理由というものを、今それよりも1.5倍ぐらい達しているので、そういうことから含めますと、この間、職員の定数削減だとか、業務の民間委託だとかをどんどん進めてきたのですね。
それで、私が心配するのは、現業職はとにかくこれで恐らくほぼなくなったのではないかなというふうに思いますが、やっぱり専門職としての県職員の人材育成というか、そういうことというのはとても大事だというふうに思うのです。今、市町村も同じようにもう職員をどんどん業務の効率化で減らしていくという、そういう風潮でどんどんやられてるのですけれども、私は本当にそれでいいのかなというふうに思うのですね。確かに民間の人も一緒に協働で作業するということは、民間活力を一緒にやるということはいいことだと思いますけれども、やっぱり県職員としての専門職というのは、私はいろんな分野で本当に評価しているところが多いので、そういうのが減らされてくるのは、非常に今後の鳥取県政にとってもまずいのではないかなというふうに思いますが、知事の改めてそこら辺のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
それで、去年もたしか2月補正で90数億円減額補正したと思いますし、ことしも100億円減額補正になりますし、そういうことで、やっぱりやるべき事業がやられてなかったのではないかなというふうに思いますと、もっと県民の暮らしを大事にする事業をもっと積極的にやっていただきたいなと思いますが、これだけに精査した結果、こうだというふうにはおっしゃいますが、これだけすごいたくさんの金額が減額になるのですけれども、そのことについては、知事としてはどういうふうにお考えになっているでしょうか。
◎野田議長
基金残高については議員の発言等もあった部分の中があろうかと思いますけれども、それも含めて、知事、答弁をお願いします。
●平井知事
まず、未来づくり誘導目標の300億円については、2つの考え方で設定しております。これは、一つは財政として年々の変動があります。あるいは2年間、3年間というスパンも見なきゃいけない場合もあろうかと思います。本県の場合、経験的に3,000億円台の財政規模であります。また、税収規模でいきますと、400から600億円ぐらいの年次で動いている。600億円はちょっと難しいですけれども、400~500、だんだんこれからまたちょっとずれがあるかもしれません。税収は、例えば法人課税のところは全部赤字になりますと、税収1個も入らないということになったりします。また、交付税なども国のほうの制度改正、変わり得るところだと思います。ですから、例えば税収の半分程度だとか、交付税の3分の1程度だとか、そのぐらいはへこんでも持ちこたえられるように、その年度にその基金を崩していけるような、いわば余裕しろがなければならない。その意味で、我々の経験値として、大体その財政規模の1割程度ぐらいは持っていたほうが県民の皆様に緊急事態に迷惑をかけなくてもいいのではないだろうかという、それが一つです。
また、もう一つ現実の問題として、8年前に私が前の方から知事職を引き継いだときの残りがたしか310億円ぐらいだったと思います。ですから、300億円というのは最後の城に踏みとどまる徳俵にしようという思いがありました。それまでは年々大体100億円ずつ崩していきまして、以前は1,000億円台あった基金が引き継いだときには300億円になっていました。ですから、その分はここからはもう減らさないぞという決意表明も含めて300億円というふうにさせていただいたところでございます。
年度末に誘導目標は達成しますが、現実には当初予算で92億円崩させていただきたいと、あわせてお願いをしております。これは財政誘導目標の次の政権の問題になるので、ちょっとここは今回の対象ではございませんが、その辺も考えると、やっぱり300億円台ぐらいとの行ったり来たりになってしまうのですね。ですから、ぎりぎりのところで今やっているということを御理解いただきたいと思います。
人員の活用についてでありますけれども、これは当然ながら専門的な職員の育成とかいうことも含めて、我々の戦力でありますから、今後も育ててまいりたいと思っております。現業職について、一部、全員ではありません、この辺は先ほど局長も申し上げたかと思いますが、一部そういうふうに一般職へ転換をしていったりして整理をしてきているわけでありますが、そういうものが可能な職域について行ってきているところでございまして、例えば今回、白鵬85の3をつくるに当たって活躍をした専門的な技能職員もいらっしゃいますけれども、そういう方々はそういう方々で大事にしながらやっていくということでございます。今回、人員削減の部分は、例えば保育専門学院の廃止に伴うものなどがございまして、決して無理な形で減らしているわけではないことを御理解いただければと思います。
また、2月補正の100億でありますが、詳細は総務部長のほうからお話をさせていただきたいと思いますが、いずれもやむにやまれず年度末に事業執行をできる見込みがなくなったものでございます。実は以前はこういう、いわば財政上の不用額というものを出すべきでないという県政もございまして、その時代は使い切り予算を主眼としてやってきた面がありました。ただ、それはかえって財政の硬直化を招くということにもなります。当初の見込みが必ずしも妥当でないのであれば、そこは素直に実態に合わせて補正をして決算に向かっていくのが県民に対して誠実な姿だと思います。無理に使ってつじつまを合わせるよりも、現実に即した対応をするほうが県民の皆様の大切な税金を扱うものとしてあるべき姿ではないかと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
●末永総務部長
補足を申し上げます。2月補正で減額を今回お願いしております100億円程度のものにつきましては、その大半が、例えば国庫補助事業の認証ができなかったですとか、あるいは補助金として予算を組んでいたのですけれども、その相手方の事情によって事業が取りやめになったとか、そうしたものが具体的にありますけれども、そうしたものを洗い出しますと100億円ぐらいになったということでございます。ただ、3,300億円、400億円程度の予算の規模がもともとございます。そのうちの100億円ということですので、全体的には3%ぐらいの計算となります。ちょっと強引な例えかもしれませんが、1,000円を持って買い物に行ったら970円の買い物をして30円おつりが来たというぐらいの感覚になろうかと思いますので、予算と買い物は違いますけれども、いろいろな事情があって事業が進捗しなかったとか、そうしたものを洗い出して3%程度減額をさせていただいたというふうに御理解をいただければと思います。
○砂場議員
今回の地方創生総合戦略の中なのですけれども、これから高齢化社会に向かっていくにもかかわらず、高齢者だとか介護だとか福祉という言葉が出てくるのが2)の人財とっとりの中に、若者や女性、障がい者などにまじって高齢者と1カ所出てくるだけなのですね。もちろん高齢者の皆さんの事業が支え愛とか、あいサポートに包括されていることは承知をしておりますけれども、これから鳥取も高齢化社会がどんどん進展していく中では、高齢者社会の中で新しい産業の育成でありますとか、お年寄りの皆さんの笑顔をつくっていくという視点が重要だと思うのですけれども、ちょっと余りにもそういう言葉がないというのが気になるのですけれども、その点は、もうそれはいいということなのでしょうか。
●平井知事
砂場議員がおっしゃった高齢者については、例えばこの中でいいますと、移住・定住の一番最後にCCRCいきいき長寿の里の環境整備というようなものがございます。こういうように、高齢者の方が安心して暮らせるような地域社会をつくることで、むしろ移住してくる高齢者がいるぐらいのところにしていこうというようなことがあります。また今、議員のほうでも御指摘がございました支え愛活動、これも主たるものは高齢者であったりしまして、またそうした観点でいろいろとこの地方創生の中にも入れさせていただいております。
ただ、この地方創生は、そういう意味で高齢者の視点もこれから、議員からも御指摘いただいて、膨らませていけばいいと思いますが、総合計画ではございませんので、全部の県政の施策をここに入れるわけではございません。むしろ移住定住で引き込んできたり、あるいは子育ての環境づくりをして、合計特殊出生率を引き上げていったり、そういうように人口との関連性の強いところ、これが主たる地方創生の狙い目だと思いますので、その辺を念頭に置きながら、最終的に取りまとめをさせていただきたいと思います。御意見は歓迎をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○谷村議員
私も1点だけ知事にお伺いして、ちょっと追及させてもらいたい。今回、職員の削減ということで、101名ということで達成されたということですけれども、今後のことについては書いていないのですが、今後また同じように100名削減されるとか、そういうことも考えておられるのか、ちょっとそれをお聞かせください。
●平井知事
これについては次の任期の問題になります。100名というのは、実は県民の皆様の税金ということでありますので、スリム化できるところはスリム化をしたり、また民間のほうに公的にやっていたものを民間サービスのほうに移管したりということで進めてまいりました。これについては、その任期の初めのときに定数の3%という100名を目標にしていくということで定員数をさせていただいたものでございまして、101名という、いわばほぼそのとおりの数字で達成をしたということをお見せをしたわけでございます。次のことはまた次の任期で、議会、執行部の間で決めていけばいいと思っております。
○谷村議員
それを受けて、私、前にもちょっと少し言及したことあるのですけれども、やっぱり今回の知事の提案説明の中に、若い人が鳥取で生活していくという視点がちょっと余り伸びてなかったのかなと。市谷議員からも移住定住、かなめということがありましたけれども、私、移住定住は二の次だと思うのです。若い人が鳥取で生活できるという環境を、雇用の確保とかそういうことが必要だと思います。そのために私はこれ以上、目標を立てて人員を削減していくというよりも、若い人が県庁にも入っていけるという環境もやっぱり確保していくために頑張ってほしいというつもりでおりますので、そういう点をちょっと参考にしていただきたいと思います。
◎野田議長
御意見は尽きたようであります。
以上で議員全員協議会を閉会いたします。御苦労さまでございました。
午前11時56分 閉会
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