平成27年度議事録

平成27年8月21日会議録

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員
広谷 直樹
坂野 経三郎
市谷 知子
島谷 龍司
浜田 一哉
川部 洋
浜田 妙子
内田 博長
斉木 正一
欠席者
(なし)

 
 

傍聴議員  なし

説明のため出席した者
 岡村商工労働部長、岸田農林水産部長、湊企業局長、田栗労働委員会事務局長
 ほか各局次長、各総室長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
 木村課長補佐 若松課長補佐 石本主事

1 開会 午前10時00分

2 休憩   午前11時39分、午後0時31分

3 再開   午前11時48分、午後1時30分

4 閉会 午後2時42分

5 司会 広谷委員長

6 会議録署名委員     内田(博)議員、浜田(妙)議員

7 付議案件及びその結果
  別紙日程表及び下記会議概要のとおり


会議の概要

午前10時00分 開会

◎広谷委員長
 ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 なお、今回の常任委員会は、項目が多いですので、最初に商工労働部、企業局、労働委員会、最後に農林水産部の順で入れかえでさせていただきたいと思います。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、内田委員と浜田妙子委員にお願いをいたしたいと思います。
 それでは、報告事項に入ります。
 まず最初に、鳥取県人口ビジョン(素案)及び鳥取県の地方創生総合戦略(素案)について、各部局が所管する戦略及び取り組み状況についての説明を求めます。
 なお、質疑等につきましては、説明終了後に行いますので、よろしくお願いします。
 それでは、商工労働部について、岡村商工労働部長の説明を求めます。

●岡村商工労働部長
 先ほど概略説明がございましたので、商工労働部としてこの計画の中にどのような戦略をもって取り組んで、計画を作成していくのかというところを中心に説明させていただきます。
 今お手元に、まだ取り扱い注意のデータなのですけれども、お配りしていると思います。これがRESASと言っていますけれども、内閣府がつくった地域経済分析システム、実はこれは本来はビッグデータが取り扱えるという予定だったのですけれども、残念ながらビッグデータは今は入っておりません。帝国データバンクとかそういうデータ、定性的なデータでありますけれども、それを使えるという仕組みがやっとできまして、こういうものを使って地域経済分析を県及び市町村単位でやりながら効果を検証しなさいということになっております。
 ただ、使い方はそれぞれで考えてくださいということになっていまして、どういうふうに使えるかというところで今、商工労働部が使い方を提案しているデータです。
 これを見ていただきますと、特に製造業、今1兆円規模のポテンシャルを本来持っている鳥取県の製造業が約半分ぐらいの6,000億円ぐらいの製造出荷額になっています。技術力はあるのですけれども、なかなか生産に結びつかない、あるいは売り上げに結びつかないところを、新しい成長分野を目指して人材育成から設備投資というようなものも絡めていきたいと考えたときに今、日本の中でこの成長3分野と我々が捉えている産業がどういう物の流れがあるのかというのを分析したデータです。これをごらんいただくとわかるように、医療機器、自動車、航空機も含めて、大体東名阪及び北九州に対して物が流れていきます。
 それぞれ従業員のレベルだとか資本金のレベルで企業の取り扱いデータを詳細に見ると、ちょっとお配りできないので大変申しわけないのですけれども、これが例えば自動車産業ということになります。そうするとどこの都市の企業がどこの都市の企業と取引をしているかというデータは出てきます。これを使うと、まさに今回の航空機ですとか自動車がそうなのですけれども、名古屋から北九州に出ているものですね、販売されているもののちょうど中間点が鳥取県になるということで、例えばそういう企業に鳥取県に立地して付加価値をふやしてみませんかというような提案ができます。そういう企業をリストアップすることも可能です。
 ただ、そういう使い方をしようと思うと、かなり足らない部分、もっと個人情報、企業情報の個人データにも絡む部分が出てまいりますので、残念ながらこういう計画の中には取り込めませんけれども、こういう使い方もしながら戦略的な成長3分野に県内の企業をどういう形でシフトしていくか、そのために誘致企業とどう接点を設けるのかというような形で今戦略を構築しようと考えています。
 これは国内の中での物流です。今、国に対して、外貿、海外ですね、海外で今どんな取引をしているのか。例えば境港がどういう形で使われているのか、舞鶴、大阪南港、神戸がどういう形で物が入っているのか、この成長3分野に対してどうなっているのかというようなデータも加えてほしいということを今、国に要望しております。そうでないと今こういう物づくりは国内だけの取引ではありませんので、海外とどこがつながっているかというようなデータも絡めて鳥取県の拠点性をどう高めればいいのか、それから県内の中小企業、零細企業も含めて製造業が新しい分野に展開するのにどこのマーケットを狙っていけばいいのか、これは海外も含めてですけれども、そういう形の戦略を打ち立てようという形で今分析をしているところです。具体的な企業名までアプローチすることは可能になっておりまして、そういう企業を分析しながら鳥取県に有利な形での誘致ですとか企業との組み合わせ、そういうものに活用していきたいと考えております。
 それともう一つ、創業データというのがありまして、これも過去のデータなのですけれども、全国と比べて鳥取県は、そんなに創業率が低いわけではありませんけれども、市町村ごとのデータで言いますと江府町と日吉津村がかなり飛び抜けていると。これがどういうことかなというところを今分析しておりまして、一つには、事業規模は少ないのですけれども、江府町ですとやはり水ビジネスあるいはサントリーさんの投資、日吉津村ですと王子製紙さんがコアになっておりまして、そこからの展開のビジネスがあるのかなというような気もしております。あと智頭町とかも頑張っておりますし、米子市さんも全国平均よりは上回っているというようなこともありまして、どういう形で創業率が高いのかというところも要因分析をしながら創業を高めていくような施策につなげたらと考えております。
 このような施策を全部組み合わせることによって、農林のほうは農林出荷額の目標値を書いておりますけれども、我々はもう少し細かいKPIのデータを重ねまして、例えば工業出荷額でいくとやはり1兆円に戻したいという目標でこのKPIを設定させていただいておりますし、特に今回県版の経営革新でも約1,000件なのですけれども、そのほとんどが卸、小売、サービスの分野です。そこに新しい設備投資等が今生まれてきておりますので、例えば円安で海外からお客さんがたくさん来られると。そのお客さんをターゲットにしたような新しいサービスの展開とかそういうことができないだろうかということで、商工労働部としても卸、小売、サービスの生産性向上と新しいビジネスチャンスを切り開くための仕掛け、人材育成も含めた仕掛けづくりというものをこの総合戦略の中に盛り込んでいきたいと考えております。何らかの形でとにかく1人当たりの県民所得をふやしていくというようなことを目標に置きながら、総合戦略の中にきめ細かい施策を盛り込んでいきたいと思っております。
 既に6月補正までに掲げたものは全て網羅しておりますし、9月の補正予算に向けたものも取り入れております。これで全てではございませんけれども、パブリックコメント等も参考にさせていただきながら、議会の御意見もいただきながら成案にしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◎広谷委員長
 以上ですか。

●岡村商工労働部長
 はい。もうこれは全部説明されましたので。

◎広谷委員長
 もういいですか。

●岡村商工労働部長
 はい。なかったところだけ。

◎広谷委員長
 資料がついているけれども。

●岡村商工労働部長
 済みません。

◎広谷委員長
 いいですね。

●岡村商工労働部長
 はい。

◎広谷委員長
 以上で説明が終わったようです。
 質疑等はありませんでしょうか。

○斉木委員
 このシステムで経済分析という話でしたが、ただ、今、部長が説明されるように我々鳥取県に星がついているのだけれども、この飛んでいる北九州とか関東のほうというのは非常に交通網が発達したところで、我々のところに来ていただくのは、中間でおりてくれということになると、交通網とかそのあたりのことをやはり前提に物を考えれば、中間だから来てくれといっても、そんな簡単なわけにならないのではないかと思って心配するのですけれども、そのあたりはどう考えていますか。

●岡村商工労働部長
 もっと詳細に見ると、この物の流れが飛行機を使っているのか、船を使っているのか、陸路なのかという分析もできます。その業者がどこの業者なのかまで洗い出すことができるのですね。一番いいのは、それが高速交通網を使っているのか。正直言いますと東京から北九州への流れというのはありません。必ずどこかで一旦、一番大きなのは、やはり名古屋から北九州、自動車でいくとそういう流れが多いですね。その場合、恐らく陸路を使っている確率は高いです。そうなると非常にコストが高くなる。ですから間に付加価値をつけるという戦略で我々も向かおうと思っているのですけれども、高速交通網がネックとなるのかどうなのかというところは、このRESASではちょっと分析できないのですけれども、その辺のところも含めて物流コストを下げるということを企業は今必死になっておりますので、高速料金よりも何らかの形で一般国道の高速化のルートを活用するというような流れも出てきております。県外の企業も例えば米子エリアであれば松江道から例の尾道道を使って、無料道路を使って広島まで行く、これは恐らくマツダ自動車さんとの関係ですけれども、そういうこともやはり検討されていますので、そういう個別具体なデータも把握することができるということで、その辺をうまく戦略の中に盛り込みながらやはり実態を我々つかまえないといけませんので、実数を上げていくと、まさにそれがKPIに反映されますので、そういう取り組みにしたいと思っております。

○斉木委員
 わかりました。

◎広谷委員長
 ほか。

○市谷委員
 済みません。この間、常任委員会で東北のほうに飛行機関連で視察に行ったわけですけれども。それで成長分野だというふうに書かれておりますが、その時々で成長分野というのはいろいろ進出して出てきますけれども、聞いていると、では、今はいいけれども、先々のことまでは、どれもそうでしょうけれども、やはりわからないというようなことを言っておられたり、実際に働いている方が、では、みんな正規雇用かといったら必ずしもそうではなくて、非正規だとかパートの方もいらっしゃって、ですから、今は成長分野かもしれないけれども、先の辺の見通しとかをどういうふうに考えておられるのか。
 雇用のあり方については正規雇用ということをおっしゃるのですけれども、会社との関係や仕事の内容との関係でどの程度正規雇用の見通しがあるのだろうかというのは、この間委員会で視察に行ったときに果たしてどうなのだろうと疑問に感じたので、県としてはどういう認識を持っておられるのかをお尋ねしたいです。

●岡村商工労働部長
 この成長3分野には共通項がありまして、医療機器、自動車、自動車といいましても量産部品ではなくて、今例えばイナテックさんなどは自動車の中枢、エンジン部分あるいは安全性部分の中枢部品の試作品、試作開発ということになっております。航空機も今井航空機さんなどは、主翼のつなぎ目の部分ということで、これもやはり非常に主力部品になっておりまして、そういうものはどちらかというと大手の企業さんといいますか、発注側の企業と常にすり合わせをしながら物づくりをやっていくという領域なのですね。すり合わせをするということはどういうことかというと、やはりある程度蓄積と経験、信頼関係のもとですり合わせをしますので、そこには正規雇用の発生率が極めて高くなります。実はイナテックさんも今まで派遣職員等を3割ぐらい使われていたものを全部廃止されて、全部正規雇用に切りかえられたということで、自動車の中枢部品の試作をやろうとされています。そのような取り組みで正規雇用率の極めて高いすり合わせ型の物づくりが中心になるのが、この3分野という捉え方をしています。
 中でも医療機器の分野が一番中小企業が参入しやすい分野になっておりまして、なかなか大企業が入ってこれない、あるいはいろいろなニッチマーケットがありますので、付加価値が高く、て正規雇用率が高くて、中小企業が参入しやすい部分。ただ、その人材育成からマーケット開拓が非常に難しいですので、その辺のところを我々もサポートしていく必要があると思っておりますけれども、そういう意味で今後の成長3分野イコール正規雇用率の極めて高い分野という考え方で今向かっております。
 基本的にはいずれも超多品種少ロット、試作型の業態です。これはなかなか大企業が入りにくい業態でありまして、中堅クラスの企業、中小企業の参入しやすい分野だと思っておりまして、県内の企業も今、中小企業が素形材分野に約100社ぐらい進出しようという意欲がございますので、そこをしっかりサポートしていこうというふうに考えております。

○市谷委員
 その継続性の部分については、どういう認識ですか。

●岡村商工労働部長
 継続性の部分につきましても、医療機器もまだこれからの市場です。まだまだ市場を開けれていない分野でもあります。
 自動車に関しましても安全走行とか、どちらかというと電子部品、センサー部品との整合性が出てくるようなものが主になってきていまして、県内の企業さんとの接点というのが非常にふえてきております。
 航空機は、これはまだ業態がどちらかというと親は欧米が中心で、MRJの取り組みはちょっとまだ進んでいないところもありますけれども、若干集約化が進んできます。グローバルな中で。そうなるとある一部品だけをつくっていた企業がもう少し横展開してセットしてくれというような要望も来ているという話は、今井航空さんから聞いています。そうなると今井航空さんがある程度コアとなっていただいて、県内にその裾野を広げていただく、そういう取り組みを誘致企業、県内企業が一緒になって進めていくと、そういう取り組みにしていきたいと思っておりまして、人材育成のプログラムを発動しながらそういう仕掛けをつくっているところです。

○市谷委員
 それで、継続性の話というのはなかなか担保するというのは本来難しいことなのかもしれませんけれども、今みたいな話というのは初めて聞いたなと、困難な点というか、まだこれから開拓しなければならない点があるというような話というのは、私としてはこういう話の聞き方、仕方というのは初めて聞いたかなと思うのですけれども。そういうもっと経過の話とか、どういう課題があるのかとか、そういう点はやはり報告を随時していただかないと、正直言ってわからないのです。わからないので、ただ成長分野だと言うと何かすごく成長があって、雇用があって、バラ色に見えてくるのですけれども、そういう困難な点があったり、何を開拓しなければいけない点があるのかということをやはり報告をしていただく必要があるかなと思いました。

●岡村商工労働部長
 困難というのは、そこに立ち向かっていかないと需要開拓ができない、あるいは中小企業の付加価値を生み出せないという意味での困難でありまして、これは実は日本全国共通の課題になっています。そういう意味で新しい分野での人材育成プログラムということで、今回厚労省の事業も委託という形で鳥取県がモデルになってやろうと思っていますし、そのモデル、そういう人材育成プログラムをつくるのに必要な国の機関もあわせて、抱き合わせて我々はこちらに引っ張ってきたいということで、人材育成機関、特に高度な技能教育の機関をターゲットにしています。そういうものもこの中に盛り込んでいきたいと思っていますけれども、そういう形で国全体で、日本全体で新しい分野を切り開いていかないといけないという状況にあるという認識です。そこの困難を乗り切るために、この地方創生の取り組みを活用しながらやっていこうという書き方をさせていただいています。

◎広谷委員長
 よろしいですか。

○浜田(妙)委員
 わからないので教えていただきたいと思いますが、今情報化社会ですので、どれだけ情報を生かしていけるか、そして正しい情報を手に入れるかによって、その組み合わせによって随分戦略というのは変わってくるのではないかなというふうに思います。ビッグデータをこれからどんどん活用していくということで、現在は帝国データバンクですよね。もっと違う種類の、それはグローバルな時代ですから、世界の情報もこの中に入ってくる。例えば対外諸国との関係ですよね、もうそこは切っても切り離せないかと思いますが、また人も入ってくるようになってくるでしょうし、労働者として、そこの部分も。それから賃金だとか正規か非正規かだとか、それからこの地域の人たちがどんなふうにその地域の企業に就職していくか、外からどう入ってきているか、その学歴、能力ですよね、そういったことまで全部わかるようなものなのでしょうか。輸出、輸入も含めてですね。材料と、それから製品化したものを輸出していくという関係の問題も全部見えるようになるのでしょうか。農産物の問題もありますよね。だからどういうデータがこれから手に入るようになっていくのかということをちょっとわからないので、教えていただきたいと思います。

●岡村商工労働部長
 基本的に枠組みを国はつくって、そこの中に放り込むデータは恐らく過去のデータなのですね。ビッグデータというのは今動いているデータでないといけないのですけれども、ビッグデータ活用という形にはならないのではないかと思っています。
 ですから逆に、今の動いているデータだって定性的な過去のデータなのですけれども、そのデータを詳細に入れ込んで、それを組み合わせたりすることはできますので、その中でいろいろ地域がアイデアを出して、もしビッグデータが必要であれば組み合わせてやりなさいというようなことになろうかと思います。
 実はビッグデータに関しては、例えばなのですけれども、今ジェーシービーさんなどとプログラムを考えようと思っているのですが、ジェーシービーさんがカード決済をされますね。決済データというのは、日々動いているデータです。そういうデータを活用させていただくとか、これはまさにビッグデータなのですね。そういうものと例えば観光産業とかを組み合わせるとか、そういうようなことをこの地域経済分析とタイアップして考えたらどうだと。今までそういうことを考えなかったのですけれども、ある程度のデータがそろってくると、では、生で実際はどう動いているのだろうということとつなげないといけませんので、そういう何か接点をつくるのがこの分析だと思っています。そこはだから地域の知恵で取り組みなさいということにしておりますけれども、我々としてもこういうデータが欲しいということはどんどん言わなければいけないと思っていますので、外貿のデータとか、先ほど申し上げた物流のデータ、こういうようなものを使えますかと、ありますかというようなことは今、国に申し上げているところです。

○浜田(妙)委員
 ありがとうございます。
 読み方の能力もかなり専門性を要するのではないかなというふうに思いますが、これは今、商工の関係ですけれども、それ以外の分野も全部そんなふうにビッグデータが入ってくるということですね。


●岡村商工労働部長
 入ります。

○浜田(妙)委員
 ありがとうございました。

◎広谷委員長
 ほかにありますか。
 ないようですので、以上で総合戦略あるいは人口ビジョンの素案についての質疑は終わらせていただきます。
 引き続いて、通常の報告事項に移ります。
 執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑等については、説明終了後に一括して行うことといたします。
 それでは、報告1、サントリープロダクツ株式会社天然水奥大山ブナの森工場増設に係る調印式の実施について、池田立地戦略課長の説明を求めます。

●池田立地戦略課長
 それでは、1ページをお願いいたします。このたび東京都中央区にございますサントリープロダクツ株式会社が江府町御机にございます天然水奥大山ブナの森工場の増設及びミネラルウオーター事業に係る研究機能の一部移転を行うということでございまして、調印式を行ったということを御報告させていただきます。
 企業の概要につきましては記載のとおりでございまして、全体で1,000名を超える従業員の中で天然水奥大山ブナの森工場は69名で、南アルプス工場、阿蘇工場とともに現在ミネラルウオーターをつくる基幹工場ということで、奥大山の天然水という商品をつくっております。
 事業内容は清涼飲料の製造でございまして、今申し上げたこのミネラルウオーターの市場が非常に伸長しているということと、またこの数年でいわゆる天然水スパークリングといった無糖炭酸水の市場であるとか、ヨーグリーナといったようなフレーバーウオーター、こういった市場が非常に伸びてきていると。これは今アルプスのほうでつくっておるのですが、こういったものの西日本における新たな展開ということも視野に工場の増設を行うということで、今後も好調な業績が期待できるということでございます。
 今回の立地計画につきましては、現工場に隣接するところに工場を増設するということでございまして、天然水の製造ラインを増設するということで、いわゆるボトリング設備や無菌充塡施設を置くことで、ミネラルウオーターの増産に備えるということとともに、今後、ミネラルウオーター事業に係る研究機能、これはいわゆる自然環境負荷低減と申しますか、節水技術等の研究開発を行うということで、ここで行った研究の成果をサントリー全体の清涼飲料水の工場に展開するといったようなことも視野にこのたび増設されるということでございます。
 雇用計画は、20名プラス本社機能移転に係る一定の人数の本社からの移転もございます。
 投資規模は約88億円ということで、操業開始は平成29年春を予定しております。
 企業立地支援の見込みにつきましては、県として11億4,000万円程度予定しておりますが、こちらはいわゆる製造部分については10%の支援、今申し上げた研究開発部分につきましては基本となる30%に本社機能移転に係る10%を加えまして40%の支援ということを考えております。
 江府町につきましては、固定資産税の減免といったようなことを考えておられます。
 調印式につきましては、8月5日に以下のメンバーで行ったところでございまして、この調印式にあわせまして、未来人材育成基金のほうに寄附をいただくといった贈呈式も行わせていただきましたし、また垣見社長のほうからは現在も行っております水源涵養の取り組み、植林、山の手入れ等の活動、こういった取り組みの拡大をするといったような御報告もございました。
 このたびのこの事案につきましてが、先ほど申し上げた平成27年6月のこのたびの補正で制度化させていただきました本社機能の移転に係る支援の初事案ということでございます。
 2ページは、協定書でございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告2、環日本海定期貨客船航路の最近の状況について、報告3、ロシア沿海地方経済団の来県結果について及び報告4、中国天津での爆発事故に係る県内企業への影響について、山本通商物流課長の説明を求めます。

●山本通商物流課長
 それでは、3ページをお願いいたします。環日本海定期貨客船航路の最近の状況等についてでございます。
 1、環日本海定期貨客船航路を利用した原木の初輸出でございますが、県内商社、鳥取市の日中東北物産有限会社が江原道東海市の木材加工業者向けに当航路を利用して杉、ヒノキの原木を約120立方メートル、40フィートコンテナで4本を輸出されました。
 7月31日に関係者が境港国際旅客ターミナルで初荷セレモニーを行いました。
 輸出された原木は、東海市の木材加工業者が乾燥、製材を行っているところであり、輸出商社ではその品質など評価結果を待っている状況ということでございます。
 韓国では、円安の影響やロシアの原木輸出に係る規制などもあり、海外、特に日本産原木需要が高まっております。当航路を利用した日韓間の輸出貨物としても期待をされるというところでございます。
 2でございます。境港利用15万人達成記念行事の開催についてでございます。
 環日本海定期貨客船航路の2009年6月末の初就航から当航路で境港を利用した者、入国・出国者の合計でございますけれども、15万人を達成したことから、達成後の初便の到着に合わせ、8月7日、境港国際旅客ターミナルで15万人達成記念行事を行いました。
 記念行事には西部総合事務所、山根所長、中海・宍道湖・大山圏域市長会を代表して境港市、中村市長、山陰国際観光協議会・国際定期航路利用促進委員会、足立委員長など関係者が参加して、到着した韓国旅行者の代表者への記念品贈呈やくす玉割りを行いました。
 また、当日全ての下船者、約400人でございますけれども、記念品をお渡ししております。
 円安や韓国内でのMERSの終息などにより旅行客等の好条件が整いつつあることから、今後も利用者の増加が見込まれます。
 参考でございますけれども、境港における利用状況について御報告いたします。
 2015年の上半期の境港と東海港との旅客数は、昨年4月のセウォル号事故の影響により減少していた韓国人旅客が回復したことから、対前年同期比46.9%、延べ4,223人増の1万3,234人となりました。
 取扱貨物については、ロシア経済の低迷により、ロシア向け建材等のバルク貨物が減少したことなどを受け、重量ベースで対前年同期比17.6%、642フレートトン減の3,008トンとなりました。
 次に、4ページをお願いいたします。ロシア沿海地方経済団の来県結果についてでございます。
 前回の常任委員会でも報告をさせていただいておりますけれども、7月26日から30日までロシア沿海地方政府を初めとする経済団12名が来訪され、7月27日、米子市内のホテルにて日本側、鳥取県商工労働部、ジェトロ鳥取と、ロシア側、沿海地方投資誘致局、沿海地方輸出促進センターが貿易投資に関する情報交換、実務者会議の開催、経済ミッション派遣等の協力などを内容とする貿易投資発展に向けた協力協定に調印をいたしました。
 また、同日、貿易投資セミナー及び商談会を実施し、沿海地方から経済プロジェクトや経済特区、日本側と協力した案件のプレゼンテーションが行われた後、商談会が実施されております。
 米子会場では県内企業7社11件の商談が実施されており、ロシア側より、ロシアにない魚種、これはマイワシ、ハマチ、マサバでございますけれども、関心が示され、日本側からは、水産加工残渣の輸入に関心が示されたということでございます。また、本県の食材等の輸出にもつながる鳥取県郷土料理ウィークinウラジオストク、仮称でございますけれども、こういった開催の提案についてもロシア側からございました。
 これらの案件については、県ロシア専門マネジャー及び鳥取県ウラジオストクビジネスサポートセンター、県内貿易支援機関が連携して、フォローアップ、支援を行いながら県内企業の事業展開をサポートしてまいります。
 今後の取り組みといたしましては、貿易投資協定を締結したことにより、両地域の互恵的なプラットフォームを構築することができましたので、事業展開を推進していくことでロシア沿海地方の需要の県内への取り込みを行ってまいります。
 また、先ほど申し上げましたが、具体的なビジネス案件の創出に向けて鳥取県ウラジオストクビジネスサポートセンター及び当課配置のロシア専門マネジャーの機能を活用しながら推進してまいります。
 次に、5ページ目をお願いいたします。中国天津での爆発事故に係る県内企業への影響についてでございます。
 8月13日、日本時間0時30分ごろ、中国天津市の郊外、これは港湾地区でございますけれども、で発生した爆発事故に関して、県で把握する天津市に進出する企業2社、株式会社鳥取メカシステム、株式会社エンドウ商事に被害状況の有無を確認いたしました。確認しましたところ、現地の拠点につきましては爆発現場とは離れていると、約50キロ程度離れているというようなことでございまして、直接的な人的・物的な被害はなかったということでございました。
 なお、港湾機能につきましては、8月17日正午までには天津新港コンテナターミナルへの船の入出港、荷役作業は再開されているということでございます。ただし、爆発事故の影響による税関手続等の遅延など県内企業への間接的な影響については、引き続き情報収集を詰めてまいります。
 天津進出企業2社については、下記のとおりでございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告5、第3回GTI地方協力委員会(LCC)への参加結果について、吉川通商物流戦略監の説明を求めます。

●吉川通商物流戦略監
 それでは、6ページをお願いいたします。GTIの地方協力委員会第3回の会合がモンゴル東部のドルノド県で開催され、その本会議に参加しましたので、御報告いたします。
 まず、7ページと8ページに参考資料をつけさせていただいております。再確認のために、本県がこのGTIにかかわることになった経緯について簡単に御説明いたします。
 GTI、グレーター・トゥメン・イニシアチブということでGTIなのですけれども、これは北東アジア地域における政府間協力機構であり、UNDP、国連開発計画が支援しているものです。現在国は、中華人民共和国、大韓民国、モンゴル、ロシア連邦の4カ国が加盟をしておりまして、北東アジア地域における経済協力、平和と安定の醸成、持続可能な発展のための政府間のプラットホームとして活用されております。
 優先分野ということで、運輸、貿易推進、観光、エネルギー、環境の分野を優先的に事業を推進していくということになっております。
 また、中段ですけれども、GTI北東アジア地方協力委員会ということで、2011年9月の地方政府代表者会議において、GTI、国家レベルの取り組みを後押しする地方政府間の協力の枠組みということで地方政府協力委員会、LCCと呼んでいますけれども、この会議が発足することになりました。
 昨年8月には、一番下段ですけれども、米子で第2回のLCC会議を開かせていただきまして、鳥取県としましてはDBS航路を初め境港とGTIエリアとの物流ルートの開拓ということでロジスティックを専門に検討をするロジスティック委員会の設立を鳥取宣言の中に盛り込んでいただいたという経緯がございます。
 8ページですけれども、この下の絵を見ていただきたいのですが、実は番号が1からずっと振ってありますけれども、北東アジア地域を結ぶこういう輸送ルートの構築、輸送回廊の構築あるいは円滑化というところがこのGTIの中の運輸分野として、あるいは貿易促進分野として重点的に取り組まれております。
 そして現在DBS航路がGTIエリアと、それから日本を結ぶフェリー航路として今就航しておりますので、本県としましてもGTIエリアと日本との物流あるいは人の流れを活発にしていくためにこのGTIの枠組みに地方政府の集まりであるLCC会議への参画という形で関与をしているところでございます。
 それで6ページにお戻りいただきたいのですけれども、8月7日にモンゴル東部のドルノド県のチョイバルサン市で行われまして、11の地方政府と、それからGTI事務局、あるいは専門家、専門機関が参加をしました。
 LCCの本会議では、新たに釜山広域市、済州特別自治道が新規加入するということで、承認をされました。
 また、昨年の米子での会議の鳥取宣言に盛り込まれたロジスティック委員会の設立が正式に承認されまして、中国の遼寧省、吉林省、黒竜江省、韓国江原道、鳥取県が参加をすることになりました。
 具体的にGTI、LCCのロジスティック委員会の設立会合がその後開催されまして、ロジスティック委員会で取り組むパイロット輸送について議論をしました。
 パイロット輸送というのは、GTIエリアの物流あるいはロジスティックの円滑化のために試験的な輸送を行って、それをGTIの全面的なバックアップのもとで行い、関係地方政府あるいは関係国に対していろいろと課題の抽出とかをしながらその改善を図っていく。LCCの中では諮問委員会というのが一番の代表の議決機関ですけれども、そういうところに問題を提起して、各国レベル、政府レベルに改善を求めていくというような流れで取り組んでいくことを確認いたしました。
 そしてパイロット輸送の優先ルートとして、本県が提案をしておりました、ちょっと地図が見にくいですけれども、ハルビン~綏芬河-ポグラニーチヌィ~ウラジオストクを経由して第三国を結ぶ海陸複合輸送ルート、あるいは長春~琿春-クラスキノ~ウラジオストク/ザルビノを経由して第三国を結ぶ海陸複合輸送ルートが優先ルートとして認定されまして、GTIの枠組みの中で全面的に支援していくということになりました。ひとまず関係の地方政府のほうから課題の抽出とかの作業を経まして、運輸部会というのがGTIの中にもありますから、運輸部会とも連携をしながらパイロット輸送を実施し、そこの中でDBSを活用した中ロ国境を越えた東北3省との物流の円滑化について課題、問題点を提起した上で問題の解決に当たっていきたいと考えているところです。

◎広谷委員長
 次に、報告6、アロイ工業株式会社に係る緊急雇用対策会議の概要について、小林就業支援課長の説明を求めます。

●小林雇用人材局就業支援課長
 そういたしますと9ページをお願いいたします。アロイ工業に係る緊急雇用対策会議につきましては、去る7月30日に県庁におきまして、そこにあります11機関の参加のもとに開催したところでございます。
 アロイ工業につきましては、岡山県真庭市に本社がございまして、機械工具の製造業等をされておられます。特にリチウムイオン電池のほうも手がけていらっしゃるところでございますが、鳥取工場につきましては平成25年に、それから若桜工場につきましては平成26年に操業を開始されたところでございます。
 その後、平成27年に若桜工場のほうで火災が発生しまして、資金繰りの悪化、それから事業縮小を余儀なくされて、平成27年6月に希望退職者を募集されました。これにつきましては44名の方が応募されたというところで、7月14日には離職予定者の説明会をハローワーク等で開催したところでございます。
 6月30日には3名が自己都合退職、それから7月20日までに44名の方が事業主都合の離職というところで、この44名のうち10代から20代の方が22名いらっしゃるということでございます。
 この7月30日の対策会議では、とっとり若者仕事ぷらざ、それからミドル・シニア仕事ぷらざに特別相談窓口を設置いたしましたし、また労働移動受入奨励金の活用等もしていくということといたしました。
 出席者からの方からは(5)の記載のとおりの御意見をいただいたところでございますが、特に県の高等学校課のほうからは、進路指導主事、それから就職支援相談員が卒業後もアドバイスとか支援を行っていくということで、特に若い方々がいらっしゃるというところで連絡を密にして支援を行っていくこととしております。
 2でございますが、企業立地事業補助金等につきましては、2億4,400万円余を交付しているところでございますが、今後の雇用回復状況を確認した上で、雇用に係る大量雇用の加算部分、100名を超える部分で5%加算部分でございますが、ここにつきまして、規定に基づき返還を求めていく予定でございます。
 正規雇用創出奨励金につきましては、98名分、8,100万円余を支給しているところでございますが、雇い入れ後1年6カ月を経過せずに希望退職になった方々に係る部分につきまして返還を求めることとしております。

◎広谷委員長
 次に、企業局です。報告7、「鳥取放牧場太陽光・風力発電所」の夏休み親子施設見学会について及び報告8、平成27年度第1・四半期各事業実績について、竹内経営企画課長の説明を求めます。

●竹内企業局経営企画課長
 それでは、企業局の資料をお願いいたします。1枚めくっていただきまして、1ページをごらんいただきたいと思います。鳥取放牧場でございますけれども、既に風力発電所が建設整備されておりましたが、昨年度太陽光発電所の運転を開始し、初めて夏休みを迎えました。これを機に風力発電と太陽光発電の仕組みを一度に学んでいただける環境が整いましたので、このたび環境学習の場として親子で参加できる施設見学会を開催いたしましたので、その御報告をさせていただきます。
 開催日でございますけれども、この8月6日午後でございます。
 参加者は、小学生を対象に親子10組、合計24人の参加をいただきました。
 見学会の内容でございますけれども、4のところに記載しております。
 まず現地見学ということで、なかなか太陽光発電あるいは風力発電施設の中を触れて見ていただくという機会がありませんので、その風車の中や、下の支柱の中に入っていただいて、その中の見学なり、ふだん見ることがなかなかできない部分を見学していただきました。
 それに加えまして、いろいろな発電所がありますが、風力なら風力、太陽光なら太陽光、その発電の方式とそれぞれの長所、短所等を学んでいただいたところでございます。
 5に参加者の感想あるいは意見というのを記載しておりますが、参加者の方からは、今後は水力発電、ダム等を見てみたいという御意見をいただいておりますので、こういう意見も参考にしながら今後、施設の見学会を通じて再生可能エネルギーの取り組みのPR、あるいは環境学習のお手伝いをさせていただきたいと考えております。
 続きまして、2ページをごらんいただきたいと思います。平成27年度の第1・四半期が終わりましたので、各事業の実績を報告させていただきます。
 まず電気事業でございますが、水力、風力、太陽光、3発電所で発電を行っているところでございますが、1番の(1)販売電力量、それから(2)販売電力収入につきまして、それぞれ3種類の発電所ともども目標に対して100%を超える順調な発電実績となってございます。
 なお、そこの表の一番右端の対前年比の太陽光の欄をごらんいただければと思います。電力量が対前年で500%を超えるところ、それから電力収入につきましては461%とかなりふえてございます。これは昨年度3つの太陽光発電所が完成、今年度に入りましてフル稼働という格好にしておりますので、かなり伸び率が多くなった結果でございます。
 続きまして、2番の工業用水道事業でございます。日野川工業用水道事業、(1)の記載のとおりでございます。昨年度同期比として特に変わってところはございません。
 続きまして、(2)の鳥取地区工業用水道事業でございます。前年度と比べまして契約者数は減ってはございませんが、契約水量がマイナス400トンという格好になってございます。これはジャパンディスプレイさんが企業努力によって契約水量、使う水量を減らされた結果で、前年度と比べまして400トンの減という格好になってございます。
 続きまして、3番の埋立事業でございます。11社から割賦販売あるいは長期貸し付けで収入を得てございます。昨年同期と比較しまして1社、旗ヶ崎の工業団地でございますけれども、テムザック技術研究所さんが新築された関係で、この契約が1件ふえてございます。昨年度との違いは以上のとおりでございます。

◎広谷委員長
 次に、報告9、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、三柳工務課長の説明を求めます。

●三柳企業局工務課長
 それでは、企業局の資料の3ページをごらんいただけますでしょうか。一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告をさせていただきます。
 工事の新規分が1件でございます。工事名、中津ダム堤体補修工事。契約の相手方は、有限会社中本建設でございます。契約金額が1億5,454万8,000円でございます。
 工事概要について説明させていただきます。中津ダムは、小鹿第1・第2発電所、この2つの発電所で使用する水を貯留する利水ダムで、三朝町の中津にございます。昭和32年に供用開始をしまして、57年が経過しております。本工事は、劣化が進んでいます下流側の堤体表面を補修するもので、表層部のコンクリートの打ちかえ、約1,760平方メートルを予定しておるものでございます。
 なお、その他については、記載のとおりでございます。

◎広谷委員長
 次に、労働委員会の報告10、労働関係セミナーの開催について、佐々木労働委員会事務局次長の説明を求めます。

●佐々木労働委員会事務局次長兼審査調整課長
 労働委員会の資料のほうをごらんいただきたいと思います。おはぐりいただきまして、資料の1ページでございます。労使関係セミナーの開催について御報告申し上げます。
 まず趣旨・目的についてでございますが、女性が輝き活躍する就業環境の整備に向けて、最近のハラスメントに関する判例の傾向や今後の方策等について学び、あわせて労働関係紛争の予防や労働委員会制度の周知に資するため開催するものでございます。
 本セミナーは、中央労働委員会と各都道府県労働委員会との共催により、労使関係セミナーの名称で全国各ブロックで開催するものでございます。中国地方におきましては、今年度鳥取県と広島県で開催することとなっております。
 開催の日時、場所につきましては、来週、26日の午後1時半から2時間半程度、場所は県庁講堂を予定しております。
 セミナーの参加についてでございますが、経営者団体や労働者団体、県内の関係機関等を通じてセミナーの開催を御案内しましたところ、企業、団体の人事労務担当者や管理者、関係機関の方々など現在までに予定の150名程度の参加の申し込みをいただいております。
 セミナーの内容につきましては、「ハラスメント法概論と判例の傾向及び今後の方策について」~女性が輝き活躍する環境整備に向けて~ということを全体テーマといたしまして、前半はハラスメント法理や判例に造詣が深い同志社大学教授で中央労働委員会西日本調整委員長の吉川先生に御講演をいただいて、後半はハラスメントの防止や女性活躍職場づくりの施策などについて鳥取労働局や男女共同参画推進課などから説明をしていただくことにしております。

◎広谷委員長
 以上で説明が終わりましたけれども、今までの説明について質疑等はありますでしょうか。

○市谷委員
 まず、1ページのサントリーの増設のことなのですけれども、一つは、地下水にかかわることですので、地下水条例との関係でちゃんと調査研究をされた上での増設なのかどうかというのを確認したいです。
 もう一つは、本社が来るのではなくて、本社機能を移転するということで初めての認定になるということなのですけれども、この制度ができたときに確認したのですが、本社が来るわけではないので稼いだ分というのは当然本社のほうにお金が落ち、税金なども落ちていくと思うのですけれども、そのことの確認と、それからきょう新聞に出ていましたけれども、国の法律を使って優遇税制をするということで、幾らぐらい減税することを考えておられるのかを教えてください。
 貿易の関係ですけれども、3ページのDBSです。それで今回新たに荷がふえるような話もありますけれども、一番下の貨物の実績のところが相変わらず全体としては減っているということがあって、これは減っているのが境港の取扱貨物量がロシア経済の低迷で減ったということになっていますが、境港とウラジオと東海とそれぞれの取扱量の比率というのがどうなっているのか確認をさせてください。お客さんのほうはほとんど日本人は乗っていなくて、県はお金を出しているわけですけれども、韓国とロシアがほとんど使っているのかなということで、その取り扱い、荷物の比率を教えていただきたいです。
 4ページのロシア沿海地方経済団の来県の結果というので、冒頭に新型経済特区やウラジオストク自由港のプロジェクト計画ということが書いてあるのですけれども、これによってどのようなことが何かいいことがあるのかなと。何ができるようになるのか、どういういいことがあるのかというのを説明してください。
 関連するので、6ページのGTIの関係ですけれども、これは4カ国が入っているのだけれども、日本の政府は入っていないわけですね。日本の政府としては入っていないのだけれども、あえて地方政府として鳥取県が入っているということで、非常に財政力だとか力の点では、国がやるわけではないですから、負担が出てくるだろうなと前から思っていたのですけれども、このロジスティック委員会があって、輸送について新たにルートが確認されたと、延長されるということであるのですけれども、これに伴う県の財政負担というのはどういうことになってくるのかということを教えてください。とりあえずそこまでです。

◎広谷委員長
 そうしたらまずサントリーの件は。

●池田立地戦略課長
 3点お尋ねをいただきました。
 まず、地下水条例との関係ということでございますが、今現在50万トンを年にして取水しているということで、これが80万トン程度になるということを想定して、21年12月から22年6月までに試験的な取水を行っております。これを水環境影響評価委員会というものをつくっておりまして、こちらのほうで評価いただいて、その当時は影響なしという評価をいただいております。このたびの増設に係る取水量というのもこの80万トンを下回る部分でということでございますので、影響はないであろうということです。県の地下水条例との関係で申しますと、この江府町のエリアというのは県の条例の対象外になっておりまして、町の条例に従うということになっているので、町の条例手続のほうで粛々と進めていただいておるということでございます。
 本社機能移転に係る件でございますが、税金の件につきましては、前回も申し上げましたけれども、確かに税金という面に関して言えば本社のほうに行くということになるだろうと思います。法人税等につきましてですね。法人事業税等については従業員割りといったようなことも当然出てくるのでございますが、ただ、いわゆる基幹的な工場になるという位置づけにですので、今後の投資、雇用といったことも期待できますし、盤石な県内の工場ということの位置づけになってくるので、今後、産業構造の底上げ等に資するような形での県内への経済的な影響ということは大きくはあるのだろうと考えております。
 それと優遇税制の件でございますが、これは実は、地域再生法が国のほうで法律改正になりまして、現在各事業者からの申請を受け付ける前提としての地域再生計画というものを、国に申請しようとしている段階です。この計画の認定を受けた後で個別の企業からの申請を受けて知事が認定していくといったようなことになります。
 税については2つあって、一つは、国税については、いわゆる法人税の特別償却、また税額控除といったようなものの選択ができるであるとか、あとは機能移転に係って雇用が生まれる、雇用の移転が生まれた場合に雇用促進税制ということで税額の控除が行われるといったことがあるということが一つ。
 県税については、これは多分9月の条例改正をまた予定しておるところでございます。きのうも知事会見のほうで申しましたですけれども、一つは、不動産取得税については、現在4%といったようなものを10分の1まで減ずる、0.4といったような形にするといったこと。
 事業税については、今の聞いているお話ですと初年度は2分の1、2年度目は4分の1、3年度目は8分の1というふうな形で軽減していくといったようなことを9月の条例改正で今検討していると伺っております。こちらについては交付税措置という形でバックがあるというような仕組みになっております。

◎広谷委員長
 次に、DBSクルーズは。

●吉川通商物流戦略監
 まず、貨物の割合について御質問がございました。東海と境港の扱いということかと思いますけれども、従前ですと大体東海-ウラジオストク間が境港を1とすると2から3ぐらいありました。大体25%程度は境港だったのですけれども、実は2015年になりまして、1月から6月の分を比べると、ほとんど1・1ぐらいまで下がってきています。いわゆる韓国とロシアの貨物の動きが悪くなってきている。これは同じようにロシア経済が少し今足元がよくないということと、それから韓国の通貨であるウォンがウォン高になっていて、少しそこの物流自体が今余り活発ではないという状況が生じております。
 4ページの新型特区あるいは自由港についてなのですけれども、これはロシア政府のほうが極東開発を重点的に進めていくという中で、例えば沿海地方では農業クラスターとか漁業クラスターとか、それから木材加工とか、それから自動車組み立てとか、自動車産業とか、そういう優先社会経済発展地域という、新型特区の別名はそうなのですけれども、優先的にそういうエリアを設けて、例えば利益税、税金とか関税とかのいわゆる優遇とか、それからビザの免除とか、そういうことを進めておりまして、そこに中国とか韓国とか日本の企業の進出を今、一生懸命誘致をしておられるという状況です。そういう中でそういうものが動き始めるときに例えば何らかの関与が、実際にそういう大きなインベスターにはなることはあり得ないと思うのですけれども、その物が動くときにDBS航路の活用であるとか、県内企業も細かな部分で何か関与ができるのではないかという、そういう思いがあるということでございます。
 GTIで4カ国ということなのですけれども、確かに日本政府は入っておりませんで、この委員会でも御指摘を頂戴しまして、外務省、国土交通省、経済産業省のほうにも本県の取り組みを説明いたしました。それで外務省とかは、やはり国としての関与というのは北朝鮮とかの問題があってなかなか難しいのですけれども、多様なチャンネルが必要であって、鳥取県の取り組みということについては非常に大事なことであり、いろいろとバックアップすることがあれば言っていただきたいというような話もありましたし、それから国土交通省とか経済産業省とかについても基本的には取り組みについて御理解をいただいております。
 ただ、そこについて国のほうが具体的に財政的な支援をどうというところまでは行っていないのですけれども、もう一つ、県の負担のお話がありましたけれども、例えば今回パイロット事業をやりますが、今年度の当初予算の中に660万円ほどGTIの関係の予算をつけていただいています。その中でこういう会議に参加をしたりとか、それからDBSを活用したトライアル輸送をするための委託料を計上させていただいていますので、その経費を少し使わせていただいて、トライアル輸送をGTI全体の取り組みとして位置づけていただいてやるということで、これまでやってきたトライアル輸送よりも少し関係者が多くなって、その認知をしていただいた上で解決に向けた取り組みを全体としてGTIがバックアップしていただけるような取り組みにしていきたいという、そういう狙いを持ってやっていきたいと考えております。ですから今年度の当初予算の中で対応できるというふうに考えています。

○市谷委員
 最初のサントリーの件なのですけれども、企業誘致の補助金も11億円出すということに加えて、国の制度改正で県税だとか、それから事業税ですか、ああいうものが結局減税していくということで、本当にこんなサントリーという大きな会社なのに物すごく優遇するのだなと。そこまでする必要があるのかなというのを思いました。要するに県は、お金は出すし、減税もするわけだから、入るお金が減ると。来るのだけれども、本来であれば落としてもらうお金が落ちないと。
 雇用のこともありますけれども、なかなかこういう水の関係というのは、そんなに雇用は生まれないですよね、20名ということで。本当にこれは県にとって有用なのだろうかというのは心配だなと思いました。
 ロシアやGTIの関係なのですけれども、実際は今、経済不安ということでロシアとの関係では荷が動かなくて、いろいろな特区がされるのだけれども、企業が向こうに出ていってしまったらいけないわけで、何かこういう今の一連のこの流れがどういうふうに鳥取県にとって有効なのかがいま一つ見えなくて、荷物が動けばお金も落ちるのだみたいなことをよくおっしゃるのですけれども、その辺をもう少し説明していただけないですか。

◎広谷委員長
 まず、サントリーの件。

●岡村商工労働部長
 地域貢献については、実は今サントリーさんで練っておられまして、江府町を中心に水源涵養だけではなくて、今度新たな取り組みとして、例えばフレーバー系についても鳥取県の産物ですね、あそこでいくと近くにかわばたさんがブルーベリーを栽培されていますけれども、そういうものの利用の可能性も含めて検討いただくようにしておりますし、それから今、水の教育のプログラムでかなりの人が訪れています。全国からですね。そういうものを誘客していくプログラムをしっかりつくっていただく。残念ながら冬場の使い方ができないということもあって、冬場をどう使うのかというものを今度真剣に考えていこうという話になっています。これは実は今、江府町さんと話をされていまして、恐らく江府町のほうからいろいろなリクエストもされています。それに対してサントリーが応えていくというような形でまた発表があるのではないかなと思っていまして、かなり誘客ですとか、江府町の地方創生の戦略の中に組み込むと町長がおっしゃっていましたので、どういうものが出てくるのかよくわからないのですけれども、そういう形での地域貢献というものもサントリーさんは今検討をいただいているというところです。
 そういう意味で県としてのメリットは、税は国の交付金で戻ってきますけれども、今回の技術がかなりコアな技術でありまして、サントリーのある程度定員が、定数がこちらに移ってくるという、そういう意味で本社機能の一部移転、節水技術のコアな部分をこちらに集めようという取り組みですので、恐らくそれがかなり膨らんでいく可能性があるかなというふうには思っています。
 それと波及としてロジスティクス、物流の部門に対しての誘発を今していまして、そちらでの新しい雇用も誘発されることになります。そういうような形で地域貢献等も含めて効果を見きわめた上での県の制度の活用、プラスアルファは余りしておりませんけれども、できるだけの、納得できる範囲での県の支援とさせていただいているところです。

◎広谷委員長
 ロシアの関係。

●吉川通商物流戦略監
 実際に例えばロシアの極東の経済特区のほうに県内企業が直接出ていくということは、これは非常に難しい、大きなプロジェクトですから、難しいというふうに考えております。
 例えば技術面での協力とかということは部分的にあったりなどするのかなという気はしますけれども、例えば水産加工とかそういう部分で。その辺もいろいろと話はしていますけれども、ある意味、慎重な意見もありまして、その辺はよく見きわめていかないといけないと思っています。
 GTIの取り組みもそうなのですけれども、ロシアの極東地域とか、それからGTIの取り組みで中国東北3省とかモンゴルの物流が日本海側に向いてくることによって日本海側の地域に対していろいろなチャンスが生まれてくる可能性があるというふうに思うのですね。そういう意味で境港も今、実際にDBSという形でGTIエリアとを結ぶ定期フェリーがありますので、そういう先行優位性といいますか、先行者利益を生かしていくために今、足元のロシア経済とかいろいろ厳しいところがありますけれども、施策を継続しながら、全体として日本海側のほうが発展をしてきたときに鳥取県とか境港とかにそういう需要を取り込んでいくということをやはり一生懸命取り組む必要があるのではないかなと考えているところです。

◎広谷委員長
 よろしいですか。
 ほかに。

○浜田(妙)委員
 さきほどサントリーさんの鳥取県からの補助金などについての話がありましたけれども、どこかで費用対効果、それだけの補助金を出して、地域にはこんなメリットがありました、こういう効果がありましたというのを立ちどまって県民の皆さんに情報提供をする必要があるのかなと思ったりしますが、補助に対する経済効果、数値化できる部分とできない部分とあろうかと思いますけれども、一定期間、どんなスパンでやるのかということについても考えなければいけないのでしょうけれども。具体的には経済効果になるかどうかわからないですが、地域貢献とのつながりもありますよね。サントリーさんがとても自然保護を基盤に置いた活動をしていらっしゃるので、多くの学びをいただけるとは思いますけれども、ただこれだけ税金を使ってどれだけ地域に貢献されたのかということについて具体的に県民の皆さんに見えるようにしていただけるとうれしいなと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
 4ページですけれども、いろいろ経済代表団によるセミナーがあったり、商談会があったりしているのですが、何か具体的な成果に結びついたのかどうか、あればそれを教えてください。
 6ページのGTIの部分なのですが、各分野、日本は入っていないということですが、運輸、貿易、観光、エネルギー、環境と、5分野ですよね、優先分野として強化していくということなのですが、鳥取県とのマッチング分野というのはどんなふうに予想を立てておられるのか。具体的な物資、その他ですね、ニーズが把握されていて、そこへ持ってきてアプローチしていきたいと、開拓していきたいという具体策がもしあればそれを教えてください。

◎広谷委員長
 サントリーのほうは。

●岡村商工労働部長
 おっしゃるとおりで、実はサントリー側も今やっている取り組みに加えて新たな取り組みを検討されていまして、それは江府町のみならず県にもしっかり説明責任を果たしていきたいとおっしゃっています。それを数値化して地域経済に波及させるというところが今のまさに地方創生の戦略になりますので、それが見えるようにサントリー側もしっかり情報提供したいとおっしゃっていますので、そういう取り組みを盛り上げていきたいと思っております。
 あわせて投資対効果の面ですね。実は今回の技術研究所もサントリーの工場の中で水を使う全ての工場に広がる技術、コア技術の開発、実証をここでしようという、我々もかなり入り込んで引っ張ってきたところもありまして、新しい制度を使ってですね。この波及は結構大きいかなと思っています。そうなるとどういうことが起きるかというと、日本全体のいろいろな地域のサントリーのエンジニアがここに来て実証実験に加わっていくというような環境もできますので、我々はそこを狙っておりまして、ここが生産技術の節水型の研究機能を持った核となる工場だという形での拠点性を高めていただきたいということをしっかり伝えておりますので、その部分での今回の誘致に結びつけたというところでございます。そういうことも含めて地域あるいは県民にしっかり説明できるような形でお願いをしていきたいと思っております。

◎広谷委員長
 ロシア沿海地方。GTIか。

●吉川通商物流戦略監
 具体的な成果ですけれども、ペーパーのほうにも書いておりますが、今回は漁業関係で魚をロシア側が欲しいとか、それからロシアのほうで出た残渣を使って飼料とかにし、それを日本側に輸入をするというような話とかも出てきまして、そこを今いろいろと詰めているところです。
 あと沿海地方のほうにも鳥取県の食品というのは、ある程度スーパーで売られているのですけれども、そういうことも前提にしてウラジオストクのほうで鳥取県の料理の紹介みたいなことをやらないかとレストランのオーナーが言ってきまして、それについても今準備を進めているところです。そういうところでいろいろと販路を広げていきたいと思っております。
 GTIのほうですが、これはGTI本体として優先分野が5つあるのですけれども、GTIは当然国の枠組みですので、その下の地方協力委員会に鳥取県は参加しているのですが、地方協力委員会自体はある程度融通のきく組織になっていまして、この全てについて何か事業で参画をしていくというよりは自分たちのメリットになるところでかかわっていきたいというふうに考えていまして、一番が今の運輸分野といいますか、DBSということを一つのキーワードにして物流ルートを確立していく。あるいは庁内で検討したのは、やはり観光にもう少しかかわったほうがいいのではないかというようなこともありまして、観光部局とも調整はしていますけれども、観光のほうは具体的なアクションがまだ起こっていないですけれども、そういうことも一旦検討をしました。それでこの5分野全てに対していろいろとコミットしていくということではなくて、鳥取県として有効に活用できる分野で参画をしていくという、そういう方針で考えております。

○浜田(妙)委員
 ありがとうございました。
 サントリーさんのほうと具体的に県民の皆さんにお金をこれだけ使ったけれども、こんなこと、いいことがあったよということがわかるようにぜひしていただきたいと思います。
 水の量もどんどんふえていったときに不安を感じていらっしゃる皆さんもあって、江府町さんは独自の条例を持っていらして、鳥取県は何をしているかと言われて、やっと鳥取県も後追いでつくったということの経過もありますので、慎重にはされるかと思いますけれども、チェックがすごく必要かなと思います。
 ロシアですけれども、もう長いですよね、おつき合いがね。10年以上になろうかなというふうに……(「もう20年、25年ぐらい」と呼ぶ者あり)なりますね。なかなか前進していかないところがあって、あそこの国内事情もあって、極東地域はこれからどんどん進んでいく、発展していくということは片方にはあるのですけれども、マフィアとの関係なども要注意ですよというようなこともいっぱい言われて、きちんと正常な取引ができるかどうかという問題も含めて一体どうなっているのかなと不安要素も片方にありながら、お隣の国ということで鳥取県これまで頑張ってきたわけで、そろそろ成果が出ないといけないかなと思うのですが、見えてこないということがあって、具体的に何か動きが起きてくればなというふうに期待したのですけれども、こうして動きがあるので、これをチャンスにその可能性を探れるのかどうなのかのところはどんなふうな読みをしておられるのかが知りたかったのですけれども、まだ不安なのでしょうね。

●吉川通商物流戦略監
 今回地方政府同士での協定みたいなものを結んだのも、今、委員の御指摘のとおり、やはりある程度行政的なところがバックアップしながら安全に進めていくといいますか、そういうところも一つ狙いがあります。
 例えば皆生にロシアの旅行会社が立地されております。実際に昔の施設をちょっと改造して、それをホテルのようにして、そこで営業をされたりとかもしておられまして、もともとDBSを活用した旅行客の誘客という部分で、そういうふうに鳥取県のほうに立地をしていただいているということもあります。それから医療分野の交流とかというのも結構鳥取大学さんが一生懸命やっておられまして、極東の沿海地方の2つの大学と覚書を結んで、医療技術とか研修のようなこととかいろいろな交流も進んでいますので、ある意味でいろいろな広い分野では進んでいるのですけれども、確かに経済的といいますか、ビジネスの部分ではなかなか難しい部分はあるのですけれども、全体の流れとしてはやはり将来的には拡大していく方向だと思いますので、継続をしていく必要があるかなと考えて、応援のほどよろしくお願いします。

○浜田(妙)委員
 もう1点、これは労働委員会のほうを質問させていただいてよろしいでしょうか。
 労使関係セミナーを開催されて、どんどんこれはやっていただきたいなと思います。私の身近にパワハラ、セクハラが本当に多くて、話を伺ってみますと、結局みずからの言葉で使のほうに対してノーと言えない、それから異議申し立てができないというような現状があちこち見受けられます。だからもちろん雇う側、企業サイドも根本的にもう姿勢を変えてもらなければいけないのですけれども、まだまだそういう段階になっていないときに働く側がきちんと物が言えるように育ててもらわなければいけない。これは両輪必要だなと思っているものですから、働く人たちが泣き寝入りしないように、ノーと言えるように、みなくるさんだとかいろいろ相談場所もあるので、そこから上がってくる数値も前提にして多分こうした労使セミナーをされるのだと思いますけれども、そういう状況があること自体が問題だというふうに思っていますので、労働者サイドに対してのアプローチをもっと積極的に、自分たちの主張していいのだ、自分の意見を言っていいのだ、それから法律を使ってノーと言っていいのだということをきちんともう少し言っていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

◎広谷委員長
 答弁は。

○浜田(妙)委員
 決意のほどを。

●田栗労働委員会事務局長
 おっしゃるとおり、事件の中でも嫌がらせがやはり2割ぐらいとか、それから相談でもやはり3割とかふえております。ハラスメントという言葉が最近特に用語的にも定着してきたこともあると思うのですけれども、件数もふえておりますので、労働局あたりとも連携しながら我々のほうでもそういう相談体制を整えて、労働者の方のほうからでもいろいろなことが言いやすいようなことを側面的に頑張っていきたいと思っている中でのセミナーの開催ということでございますので、よろしくお願いいたします。

◎広谷委員長
 ほかに。

○市谷委員
 今の件ですけれども、人権侵害だという認識を持って当たっていただきたいということを言わせていただきます。
 アロイ工業の件なのですけれども、これはよくわからないところがありまして、9ページの(3)のところで工場の概要及び経緯というのがあって、若桜工場の設備の導入おくれ、試運転時のふぐあいで1年おくれたということなのですけれども、これはどういうことだったのでしょうかね、この導入のおくれとかふぐあいというのが。

●池田立地戦略課長
 アロイ工業株式会社につきましては、平成24年度に調印いたしました。24年の秋だったのですけれども、その後、25年11月、これは鳥取市の布袋のほうですけれども、オーダーメード貸し工場ということで、鳥取市のつくられた工場の中に入られるという形で操業を開始されたということで、25年11月なのですが、実は私も操業のときの竣工式にも参ったのですけれども、当時中国から大部分の設備等を輸入されるというようなことを計画しておられまして、その秋かなり台風が多く発生しました。それで実はその設備の導入が3カ月から数カ月ぐらいおくれたというのが立ち上げのときに実態としてはあったというのが一つ。
 それと実はこれはかなり経営のところに入ってくるのですけれども、これは130名の雇用計画がありまして、操業時48名で始めて、かなり早い段階で100名、101名まで持っていかれるというような形で、先の需要を見越しながら雇用のほうも早目にとっていかれたと。そういう中で一部、ここでは26年9月に本格稼働とはなっていますけれども、数カ月おくれる中で一部稼働しながら何とか資金繰りをつけながらやっていったと。それで基本的には定置型の蓄電池であるとか、電池、それも太陽光電池、セルであるとか、また自動車関係への展開であるとか、そういうことを考えながら、実際の資金繰りのところについてはソーラー蓄電池街路灯といったようなものを当面製造、販売するといったような中でやってこられたというのがここにある経緯の中でのことでございます。
 御承知のとおり、この5月に、不慮の事故でございますけれども、若桜のほうで、これはソーラー蓄電池街路灯の組み立てをしているところなのですが、こちらのほうで火災が発生するといったことで、ぎりぎりのところでやっておられたのですけれども、生産ストップであるとか一部の損害が発生するといったことで今回の希望退職に踏み切られたということが詳しい経緯で、補足させていただきたいと思います。

○市谷委員
 それで、今の話でいくと余り仕事そのものはふえていないのに雇用を前倒しですごくふやしていて、そのために補助金が発生していたということになるのかなと思いますけれども、どうですか。

●池田立地戦略課長
 当然始めた段階では需要というのは見越しながらやっているものですから。それと従業員の研修というか、ある程度鍛えてから本格稼働させるということで、そういうことを見越しながら早目に正規雇用という形で応えていただいたのだろうと思っています。補助金のほうも100名を超えられる実際の雇用もございましたので、10%の超大量雇用加算という形で補助金は出しておったということでございます。

○市谷委員
 それで、この間から補助金の出し方のことで、チェックのことでずっと問題になっているのですけれども。それは雇用をふやしていただいたということ自体はそれはそれでいいかもしれませんけれども、実態が余りない中で雇用をふやしても、そこら辺のチェックはきちんとされたのかなと思ったのですよ、これを見たときに。
●岡村商工労働部長
 実はこの点に関しましては、私も代表者の方をお呼びして確認しました。そういう懸念を持たれかねないということもあって、ちょっとマネジメントに若干問題があるのではないかというような投げかけをしたのですね、私のほうが。それを確認しながらしたのですけれども、確かに最初の40何人は研修も兼ねてと、ここまではいいと思います。
 その後の追加の100名体制に持っていくところまでのタイミングの問題だったのですね。これはさっきおっしゃったように、確かに100人雇用を達成すれば特認になりますので、補助金が出るという、それをあえて意図的に狙ったものかどうかというところが判断の材料だったですね。それは確認しました。なぜ追加したかというのは、実はこの街路灯ですか、これは電線がないところでの街路灯で、需要は非常に多くて、注文はあります。売り上げ計画、契約も立てておられたのですね。ところが、ここに書いていないのですが、中身の話で申しわけないですけれども、この街路灯につけている彼らのリチウムイオン電池、シート状のものなのですけれども、非常にいいものなのです。技術的には経産省の補助も受けてオーケーなのですけれども、これにSマークをとらなければいけない、安全マークをというのが後で発覚したのは事実です。これは既に最初から予見できたのではないかということを私も詰めてみたのですけれども、経産省もそういう指導はしていなかったと。それが例えば街路灯をつくるに当たって、国土交通省の補助金を、Sマークがないと補助金を出さないらしいのですね。となるとお客さんがSマークをとってくれという話になって、売り上げ計画が立った後にそれが発生したので、実は最後のだめ押しがそこだったのですね。ですから人件費を払わなければいけない。でも売り上げは入ってこないというところで、2回踏ん張られたのですけれども、だめで、やむなくということが事実です。そこを確認して、特に悪意を見ることはできませんでしたので、ただ100人の雇用は減りましたので、その分特認分の5%は戻してくださいねということで、既にお出ししている投資部分から5,000万円ぐらい戻していただくものと、雇用奨励金については一定のルールで雇い入れて1年6カ月たっていない人たちは戻していただくということで通告しました。それに対しては了解しますということで企業も受けていただいています。
 ただ、需要は実はありまして、注文はふえています。ですからそこは我々としても鳥取市と一緒になって貸し工場という形で支援していますので、徐々に戻っていきますけれども、ある程度ルールに従って戻していただきながら伸ばしていただくという非常に微妙なかじ取りをしなければいけないということになると思います。その辺のところは我々もちゃんと中に入って確認しながら補助金の審査をしていきたいと思っています。

○市谷委員
 何か余りに滑稽な話で、経営しておられる方が。結構電気関係とかこういうのは安全の確認もですけれども、企業間のいろいろなエリアの関係とか、何かいろいろ契約の関係であったりして、言うほど販路が思ったようにはならないということもあると聞いていて、LEDなどでも何か同じようなことがあったなと思うのですけれども、何か余りにも企業としては滑稽な話だなと。補助金をもらおうとした際に、そんなことでわかったという。ですけれども、県としてそういうことに何か本当にチェックができないというか、企業に言われることを信じるしかないということなのかなと。

●岡村商工労働部長
 ここは技術的には岡山県でも知事表彰を受けられている先端技術系の企業でして、超硬バイトといいまして、切削機械の工具のツールの先の部分を、超硬材を使って削りの刃物をつくっている会社なのですね。この刃物の金属の組成技術といいまして、どういう組み合わせでかたさを出すかというところで非常に特殊な技術をお持ちです。この分野で約10億円ぐらいの売り上げをお持ちなのですけれども、その組成技術をリチウムイオン電池の組成に活用するというところが彼らの強みでして、それは実は産総研だとかとも連携をしながら、経産省の補助金も活用して、その成果を利用して新しい製品展開をされた。
 ただ、おっしゃるように、技術に特化した企業さんで、売り上げ規模も10億円ぐらいの規模なので、今度は直接市場に対してアプローチしてやろうとする新分野だったのですね。そこの部分で確かにマネジメントが足らなかったではないかというふうに私も思っています。そこが予見できたかどうかというところがポイントだったのですけれども、これは経産局にも確認しながらしましたけれども、そこまではできなかっただろうということの判断のもとで、特に悪意はないということで、ルールに従っての補助金返還という形にさせていただいています。決して単に組み立てして安易な部分にマーケットを求めてやられるようなビジネスモデルではなくて、しっかりした技術、コアな技術を横展開していく、製品展開していくというプログラムを確認した上で我々も誘致しておりますので、もう一踏ん張りしていただきたいなと思っています。

○市谷委員
 最後にしますけれども、そう言いながらこういうことが繰り返し起きているということについて、私はチェックのやり方をやはりもう一回確認すべきだし、二度と再びこういうことがないようにしていただく必要があるなと思います。

●岡村商工労働部長
 そこは私も同じ認識です。当時の雇用環境、有効求人倍率が0.7ぐらいの雇用環境の中で、確かに少しでも雇用をふやしていくという環境の中での取り組みであったことは事実です。ただ、だからといって我々もいろいろな経験値を積み重ねていますけれども、こういうことがないように今後の企業誘致に対しては反映させていきたいと思っております。

◎広谷委員長
 ほかに質疑はありますか。

○坂野副委員長
 では、1ページ、簡潔にお尋ねをしますけれども、88億円という非常に大きな投資規模なのですけれども、このうちどれぐらい県内に落ちるというか、県内に落ちるお金というのはどれぐらいなのかと、もしわかればお願いしたいですけれども。

●池田立地戦略課長
 県内に落ちる、それはいわゆる工事の関係でということでしょうかね。(発言する者あり)
 工事関係については、発注についてはまだ進んでおりませんで、そこは確認できないですが、一応地元を中心に発注していただく努力をしていただくということは協定に書いておりますので、県内に落ちるような形での促しを今後もやっていきたいと思います。

◎広谷委員長
 よろしいですか。
 ほかに質疑はありますでしょうか。
 ないようですので、次に、その他ですが、商工労働部、企業局、労働委員会に関して執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。

○斉木委員
 今の天津で今回爆発が起きて、そしたらタイが爆弾でと。タイはこれから今、鳥取県も進めようとしているところのだけれども、非常にどうかすると政情不安みたいな感じがするのかどうか、どういう見方をされておりますか。

●岡村商工労働部長
 天津とタイは少し違います。タイは、今までクーデターであれば少しある程度予見できる、あるいは情勢も把握していたのですけれども、テロということになると今までになかったケースです。それでこれはうちの事務所も通しながら、あるいはタイの日本大使館にもかけ合いながら、あるいは工業省のルートを使いながら、いろいろと今リサーチをしているところです。
 まだ今回の事件、事故なのかという特定できていないというところがあるので、不要不急の出張はやめようということで、実は今回も医療機器分野の関係者を連れてタイの医療機器の需要開拓のための大学だとか工業省の医療機器委員会とミーティングをする予定だったのですけれども、急遽取りやめをしました。
 ただ、AEC、この12月にASEANが一つの経済共同体になります。その中で間違いなくタイが例えば我々が設定している自動車、医療機器、航空機も含めたサプライチェーンの拠点になります。そういうところもあって製造業にとって非常に魅力的なマーケットですので、そこは切らないように、工業省との信頼関係も今しっかりつくっておりますし、県内企業と向こうの企業との関係も何とか保っておりますので、そこは維持していきたいと思っています。
 ただ、製造業だけではなくて、観光ですとか農産物の輸出とかということも含めて今、各部局と調整をしていかないといけないと思っています。タイは輸出が低迷したり、少し厳しい状況なのですけれども、間違いなく東南アジア全体としてはパイはまだ膨らむと予測していますので、そこに鳥取県のビジネスチャンスを見出していきたいということで、何らかの形で政府機関との関係性をしっかり保ちながら情勢を見きわめているというところであります。
○斉木委員
 大きな爆薬ですので、これは国外から持ってきたというものではなくて、多分タイの国内でつくったものだろうと思うのですけれども、そうするとやはりイスラム関係とか、まだよくわからないのですけれども、体制に対することなのか、観光客が一番集まるところで爆発させたということになるとやはりタイの国情を混乱させるということが第一の目的だったということはわかるわけですから。ぜひ、向こうには原因を調べてもらわなければいけないわけですけれども、我々の対応としてこれからタイに進めようというときに、やさきのことですので、ぜひそのあたりよく調査して取り組んでいただきたいなということですね。

◎広谷委員長
 よろしいですか。
 ほかにその他ありますでしょうか。
 意見が尽きたようですので、商工労働部、企業局、労働委員会につきましては、以上で終わらせていただきます。
 しばらく休憩します。再開は45分。45分から農林水産部。

午前11時39分 休憩
午前11時48分 再開

◎広谷委員長
 再開いたします。
 引き続いて、農林水産部について行います。
 それでは、報告事項に入ります。
 まず最初に、鳥取県人口ビジョン(素案)及び鳥取県の地方創生総合戦略(素案)について、各部局が所管する戦略及び取り組み状況についての説明を求めます。
 質疑等については、説明終了後に行うことといたします。
 それでは、農林水産部について、岸田農林水産部長の説明を求めます。

●岸田農林水産部長
 それでは、座って説明をさせていただきます。地方創生総合戦略の農林水産分野についてでございます。
 概要版の5ページに農林水産関係については記載をしております。
 これではなかなか網羅できていない部分もありますが、こちらの本文ですね、本冊のほうに細かい具体的な内容、それから施策等を掲げておりますので、これについてはまた後からごらんいただきたいというふうに思います。
 概要版の5ページでございます。農林水産業については、3つの柱立て、担い手の育成、それから農林水産業の活力増進ということ、それからフードバレーの形成という3分野で考えてまいっております。
 それぞれ農林水、農業では農業活力増進プラン、それから林業では森と緑の産業ビジョン、それからきのこビジョン、それと水産業では浜の活力再生プラン、これは県下4地区でも作成をしておりますし、それから先般、常任委員会でも報告しました栽培漁業の基本計画、こういう計画が昨年、ことしと相次いで樹立をしておりますので、今回の総合戦略については、そのプラン、ビジョンの中からより重点化して推進すべきものについて記述をしております。
 担い手の活躍、第1項のところでございますが、新たに高大連携というのを強化していこうということを掲げております。今年度特に農大で公共職業訓練の導入ということで予算も認めていただきまして、現在それに向けて、研修に向けて計画をつくっているところでありますが、これにさらに農業高校なり林・水産高校、それと農業分野では農大、それから鳥大農学部、ここの連携を強化していって県内の高校生を県内での農林水産業の就職にしっかり定着させていくということを目指していきたいと思っております。特に鳥大は、平成29年度農学部の学部再編をするということでありまして、ちょうど鳥大とも連携をして地元出身者に門戸を開くというような意味でAO入試でありますとか、それから推薦枠というようなことを一緒に考えてみたいというふうに思います。これで地元の子供たちがちゃんと鳥取県で農林水産業につくというようなことを目指してまいりたいと思っております。
 担い手の中で、掲げてはおりません、本冊のほうには入れておりますが、女性の農業者のいろいろな資格取得の支援等を含めて経営参画の推進、これを推進していこうというふうに考えております。
 農林水産業の活力増進ですが、これについては9時からの勉強会でもTPPの関連の御質問がございましたが、TPPいかんにかかわらずこれから競争力の高い農林水産業を目指すということで、各プラン、ビジョンでその推進内容について入れているところでございますけれども、特に園芸、それから畜産と、農業分野では園芸、畜産により特化した競争力強化を行っていくということで、エース級園芸品目で今8品目を10品目、それから白鵬85の3といった高能力種雄牛を活用しました和牛繁殖、それから肥育の増頭対策、さらには酪農、大乳の高品質の牛乳の生産安定ということでメガファームの整備というようなことも盛り込んでいるところであります。
 林業については、これまでやっております路網整備、それから高性能林業機械によります低コストの搬出システムの構築ということで、特にオーストリアの架線系の搬出システム、これは県下でもいろいろなところで動きが出ておりますので、こういうところに力を入れていきたいということではおります。
 県産材活用としまして、CLT、内装材、それから木質バイオマス用の活用ということで、住宅用からバイオマス、AからC材、全ての材を有効に活用していくという「木づかいの国とっとり」の実現に向けて頑張っていきたいということを盛り込んでおります。
 また、キノコについては、ブクリョウとかチョレイマイタケというような薬用キノコでありますとか、それから新たな食用キノコということで無胞子エリンギ等も実用化されておりますので、そこをどんどん生産拡大をしていきたいということでございます。
 漁業については、栽培漁業、養殖業ということで、ギンザケなりサバ、それからアワビ等、こういうつくり育てる漁業を推進していくとともに、沖底の代船建造なり省エネエンジン等の経費削減というような生産安定に向けた取り組みもやっていきたいと思っております。
 フードバレーですが、地理的表示保護制度、GI、今、砂丘らっきょうで申請をしております。そのほかには大山ブロッコリーでありますとか日南のトマトというような、そういう地域で取り組んでおられる特産物等もございますので、こういうGIを活用した特産物育成なり、GGAP等の国際認証によります輸出の促進というようなことも図っていきたいと。
 6次産業化の推進の中で、1次、2次加工というのが県内でなかなか少ないということで、そこを頑張っていきたいという内容を盛り込んでおります。
 和牛、松葉ガニ、それから新甘泉というような本県を代表しますトップブランド、これの構築ということに努力をしていきたいと考えております。
 それぞれ目標の指標は、それぞれのビジョンなりプランから平成31年目標というのに数字を置き直しまして、ここに掲げさせていただいております。こういう内容でもって平成31年に向けて、いろいろな政策を打っていきたいと考えております。

◎広谷委員長
 説明が終わりました。
 質疑はありますでしょうか。

○市谷委員
 全員協議会で錦織議員がTPPのことを触れまして、今、部長のほうからもTPPが妥結しようがしまいが強い農業を推進するのは大事なことだとおっしゃったのですけれども、ただ、やはり今日に至るまでの農業が深刻になってきた原因には、私はやはり輸入自由化の拡大の波があったと認識しているので、そういう輸入自由化をどんどん進めていくことに対しては、やはり警戒心を持って臨まなければ幾らこういういろいろな手だてをとってもそれは乗り越えられないという可能性があるので、そこの認識はただしておきたいと思いますし、もう一度言っていただきたいなと思っております。
 2つ目に、非常に付加価値化ということが強調された施策になっていて、それはそれで否定はしないのですけれども、これになかなか乗っていけるというのは非常に一部の人になってくるのではないかなと思うのです。といいますのが農業をやっておられる方の中には兼業農家だとか、専業でやっておられる方が多数ではないと思っているのです。そうしますと付加価値化も大事ですけれども、生産そのものをやはり支えていくということをもう一方の柱として立てないといけないではないかなと。下支えといいますかね。
 そう思ったときに何ができるのかと思ったら、これは5年間ですから、米価に対する対策をやはり国にも求めるし、県としても何らかの手だてを講じるということがないといけないではないかと思っています。それがお米だけではなくて、ほかの農産物についても価格・所得補償制度について何らかの検討を加えていくというのが要るではないかと思っています。
 あとさっき全協であった地産地消ですよね。活力プランの中には入れていただいたのですけれども、この戦略の中には入っていなくて、私も非常に残念だなと思っています。ぜひ地産地消というのは入れていただくと。
 有機農業については、一応有機特栽のことについては栽培面積を伸ばすというのが総合戦略のほうには入ってはいるのですけれども、もう少しどういうふうに推進していくのかという具体的なものだとか、あとやはり無農薬の有機農業については特化して目標数値も分けて、特栽とは分けて目標を持って、この間も島根の例を内田議員も言っておられましたけれども、もう少し目標数値の特化、それから具体化というものを特に有機農業については図っていただく、入れていただきたいと思っています。
 最後に、この5ページのとっとりフードバレーの中にアンテナショップの活用、共同物流システムの構築など岡山県との連携によると首都圏への販路拡大という文章があるのですけれども、これはこちらの本文と違っていて、これは短くしたからだと思うのですけれども、何か結局岡山県と連携して都市圏への販路拡大をするのかなというふうに見えて、全然そういう狭いものではないというのはこちらなのですけれども、そういうふうに読めてしまうので、これは書きぶりを改善していただいたほうがいいかなと思います。以上の点について。

◎広谷委員長
 答弁は。

●岸田農林水産部長
 まずTPPでありますが、7月合意が流れまして、8月には難しいと。それから9月に閣僚会議が開けるかどうか、まだ不透明な状況の中で、今、国も主要5品目は守っていくという姿勢で交渉は当たっているということであります。我々も新聞報道でしか入ってこない情報が頼りですが、これについては引き続き国の動向を注視するということと、7月の国要望でも、TPPいかんにかかわらず国内の農業の推進に係るいろいろな施策についてはしっかりやってくださいということを要望しておりますので、今後も国の動向を注視しながらいろいろな施策の要望をしていくと。
 さらには国では、やはり対応できない、特に園芸等の施策については、単県事業も今で十分いいのかという検証をしながら必要な施策について講じていきたいと思っております。
 この中身が兼業農家にはなかなか取り組みづらいではないかと。それから米価下落に対する対策なり価格・所得補償の問題でございます。
 この中には白ネギとかブロッコリー等専業でなくても取り組める、もしくは中山間でハウス栽培というような内容も盛り込んでおりますので、兼業でもできるような園芸品目というのもどんどん推進をしてまいっていきたいと思います。
 米価については、ことしはうちの県は概算がどのくらいというのはまだ出ていませんけれども、ほかの県で見ますと大体1,000円程度は価格が盛り返しているという状況になっております。我が県でも多分その程度のアップというのは期待できると思いますけれども、やはり米価の支えというのは需給調整をしっかりやっていくということだと思います。ここはなかなか県では対応がしづらいということで、引き続きこれは国に対して国が責任を持って米の需給調整をしていくようにということを訴えてまいりたいと思います。
 価格・所得補償については、今、国が所得の保険制度というのを考えて検討しておられますので、その内容を十分県としても注視していきたいと思います。
 地産地消については、ベースには地産地消の考えは我々もそれが基本だと思っておりますので、ただ文言として今入っておりませんので、そこはできるだけ入れ込むような記述になるように文章を考えてみたいと思います。
 フードバレーについて、私も読み返してみますと岡山県との連携による都市圏への販路拡大ということで、岡山県との連携が前面に出た販路拡大という文面になっていますので、これは文章の間違いでございます。こういう岡山県との連携というのを活用して全体的な都市圏への販路拡大をやっていくということで、これは県独自の取り組みも中へ入っているということでございますので、これも訂正させていただきたいと思います。
 最後に、有機ですね。有機農業については、目標数値は今掲げて……(発言する者あり)プランでね。合わせて、有機、特栽全体をしておりますので、プランの中でその目標数値を分けられるかどうか再度検討していきたいと思います。

○市谷委員
 今の有機の目標値ですけれども、今まで特化したものをつくってほしいと言ったのですが、なかなかそうなっていなかったので、ぜひつくっていただきたいなと思います。
 TPPについてのことで、この中ではなく別途要求をちゃんとすると、国内農業に影響を与えないように国会決議守れということでされるということなのですけれども。それでただ、守ってもらっていると言われたけれども、実際に国会など聞いていると米の輸入について譲歩しているといって認めているのですよ。量の認識の差はありますけれども。だから守っていないと。ただ、日本の中では、情報が公開されないので、マスコミ報道に頼るしかないのですけれども、ただ国会答弁の中で輸入を認めていましたので、そういう交渉をしているというのは、だからもう違反している状態だという認識で要求はしていただきたいと思いますし、輸入しながら価格を維持するというのは、非常に困難なことだろうなと思うのですよ。需給調整ということもおっしゃったのですけれども、安いものが入ってくれば当然下げる方向へと導かれてしまうので、やはりこの輸入の問題というのは厳しく言っていただく必要があると。
 さきほど米価がキロ1,000円は上がるということで、たしか9,200円が1,000円上がっても再生産可能な価格にはならないと思います。1万2,000円、3,000円ぐらいでも最低でもならないといけないので、そう思うとそこに対してやはり県としての手だてを考えないと、これはなかなか終わっていないのですよ、この米価下落の問題は。引きずっていると思います、農家の方々はね。ぜひこれは考えていただきたい、入れていただきたいと思います。要望。

●岸田農林水産部長
 TPPにつきましては、我々も情報が少ない中、違反している状態でというのの本当にそうかどうかというのも不透明な面があるということですが、いずれにしても我々が昨年出した影響額については200億円を超える減収ということ、これは国の試算に準じて試算したら200億円を超える減少になるということですので、もしも合意されると今の増進プランも大分修正をかけて、より新たな対策はどうなのか、それからいろいろな数値目標も大分変わってくるので、そこはそういう状況になった段階でまた再検討をしていきたいと思います。
 米価について1,000円ぐらいアップしてもなかなか再生産できないということでございます。本当に米価問題というのは、なかなか県単独では手当てがしにくい、大変難しい問題。本当に一義的にはやはり国の政策がかちっとしていないと、全国、日本全体の水田農業どうするかと、米をどうするかという問題にかかわってきますので、これについては引き続き国にかちっと抜本的な対策、それから米価対策を講じるということを強く要望していきたいと思いますし、今は米に関しては特徴ある米、こだわりの米でありますとか、それから飼料米等の作付でありますと国の優遇措置もございますので、そういうものへのシフト、それから園芸作物への転換というようなことを県としても施策を打って、農家の所得が確保できるように政策を推進してまいりたいと思います。

◎広谷委員長
 ほかに質疑はありますか。

○川部委員
 担い手の育成でアグリ人材育成システムについて、もうちょっと聞かせてもらえないでしょうか。高校だとか大学の入試に関してこれから教育の見直しがある中で、本当に実業高校、農業高校なども含めてどういうふうに取り組むのかということがある中で、農業高校の活用というか、そういった県内の人材を育成するという意味で非常に大切なことだと思いますけれども、農林水産部としての取り組み、教育委員会としての取り組みもあると思うのですが、このあたりどういうふうに考えておられるのか教えていただければ。

●岸田農林水産部長
 当然農林水産部だけでは対応できませんので、これは今、教育委員会と一緒になって農業高校、それから林業、それから水産の各高校とどういうことができるのかというのをまさに検討をし始めたところであります。
 ただ、今方向性が見えているのは、林業で智頭農林と、それから智頭森林組合が長期のインターンシップというようなことを来年度から取り組むべく、今中身の詰めをされているところでありまして、農業場面でもそういう長期のインターンシップをやっていくというようなこと。
 農業高校から農大、それから農大から鳥大への編入、それと農業高校から鳥大にAO入試とか推薦で入ってもらう、そういうシステムづくりを、これは高校、教育委員会と、それから農大、農林水産部、それから鳥大の三者で今、内容を検討しているところであります。
 いずれにしても今、これは倉吉農高の数字でありますが、年多いときでも、県内への農業関係の就農率、就職率というのが5%ぐらいということでして、この数字はすごく少ない。全国でも3%という数字のようです。やはり県内の農業高校を卒業した卒業生が異業種、異分野、他産業に就職をしていっているというのが今の現実でありますので、せっかく農業高校で学んだ知識をより発展的に農大、鳥大でより高いレベルの技術、知識習得をした上で就農していくというようなことを何とか実現してまいりたいということであります。
○川部委員
 偏差値でもって実業高校がちょっと下だと見られていた時代から、せっかく普通高校に行って、大学進学しても仕事がなくて、そちらのほうがいいのかどうなのかというようなところが問われていて、高校自体も本当に生き残りをかけていろいろ変革を求められていて、魅力ある高校だと地域外からわざわざそこに来るという事例もかなりあるようなので、ここはすごく力を入れて取り組むべきことではないかなと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

◎広谷委員長
 よろしいですか。

○浜田(妙)委員
 ちょっと関連して、私も実業高校だとか、それから総合学科を持っているところだとか、農業もいろいろ幅が広いですよね。お花づくりもあればお米づくりも野菜づくりもあるし、酪農もあるわけですから、それでそこに学ぶ生徒さんたちが本当に生き生きしているのですよ。だから進学校では見られない魅力を、宇沢さんではないですけれども、農業を経験してきた友達に、学生に、出身者にすごく大きな刺激を受けて、自分がああいう考え方になったということを言われるわけですけれども、農業が人を育てるというその視点を農業県として農林水産部としては、やはり何か柱を持つべきだと思うのです。鳥取県に生まれ育った子供たちを農業県としてどう育てるのかという理念みたいな、哲学みたいなものが本当は打ち立てられていて、によって農業高校をこんな大事にします、農業大学校をこうします、それから大学の農学部をこうします、そことこう連携しますという、そこの基本的な物の考え方と方向性、県をどうつくっていくか、その上で人をどうつくっていくのか、間違いのない人生を送るためにみたいなところにまで発展させる意味で、そういうことを話し合われたことがあるのでしょうか。農業県として、県としてね。そこがないとこれはうすっぺらなものになってしまって、行き当たりばったりの目先のものになってしまうので、だから特に地方創生のこのときこそ長期的にこの鳥取県をどうするのかというところも踏まえた上で農業県としてどうするのか、水産県としてどうするのかというようなことをもう一回ちょっと原点に返って考えられて、その上で教育委員会とも連携をしたり、大学とも連携したり、各農家の皆さんとも農協さんとかJAさんだとかそういうところの今担っていらっしゃる方々との連携をどうするかということを考えていただきたいなと思いますけれども、よろしく。

●岸田農林水産部長
 まさに原点の、本当に県としての取り組む基本的な考え方というのをかちっと持った上で進めるべきということでございます。確かに我々も農林水産部の中で、これまでは農大というのがやはりテリトリーにありましたもので、農大中心に考えておりまして、当然農高とは連携はしているのですけれども、それでは農高から農大に、農大から鳥大にという、そういう人材育成の体制整備の中で人を育てるという観点でそういうシステムをいかに活用していくかということでは余りこれまで考えたことはなかったというのが正直なところです。
 ただ、普通科の生徒に比べれば農業高校では全寮制で牛の世話を朝早くから起きてやったりだとか、それからいろんな作物を自分がずっと肥培管理をして育てて、それを売っていく、それからそれをハム、ソーセージだとか、それからアイスクリームに加工して、そういう農産物、加工品をいろんなところで校外で売っていくというような6次産業化、販売のところもできるということで、これは物すごい高校生にとっては目が輝く大変いい取り組みでありますし、こういうことを経験し、それから知識を習得すれば当然新規就農してもその経験、知識によってまたグレードが高い農家を目指せるということもありますので、まず我々も一からそこら辺の基本的な考え方を議論しながらこのシステム整備というのを考えていきたいと思います。

○浜田(妙)委員
 地方創生が言われているときだからこそ、それを突き詰めていきますと食育にもかかわると思います、子供のころからのね。だから地域を知るということにつながっていって、それから魅力、競争して受験戦争に勝つだけが人生ではないという、もうそれでゆがみが物すごく出てきてしまって、自分を失ってしまっている子供たちがいますので、そうではないところの自分らしさをもとめられていくということにつながっていくので、農林水産部が教育現場にメスを入れて、それから連携する。連携するだけではなくて、間違っているのではないかと言えるかどうかは別にしてですね。そういう立場で物を見ないといけない時代に入ってきていると思うのです。それが地域の非常に貴重なところを担っていっているので、教育現場を動かしていくというぐらいな意気込みでやっていっていただきたいなと思うのですけれども、いや、全然違いますよ、子供さんたちみていると。一度普通科高校生もみんな農業高校でちょっと勉強してから受験生活をやったらどうかなと思うくらい力が付きます。

◎広谷委員長
 よろしいですか。

○斉木委員
 22ページの農林水産業の活力増進で、一番最後に「地域毎で取り組む特徴ある米づくりによって、稲作の収益性向上を図ります」とある。これは地域の特色ある米で付加価値の高いものをやっていくというようなことだろうと思いますけれども、これは全国的な問題で、今回15年産米は過剰米がもうほとんど解消されたと。全国的にですね。いっとき、2007年ですか、7万トンぐらい過剰米があったのが、今年、15年産米はもうぐっと下がって、ほとんどもう過剰米がなくなってきたということは、何かというと一番は飼料米に転換したということで過剰米がなくなり、米の値段が需給関係で上がってきたということだろうと私は思うのですけれども、そうするとこの総合戦略は5年ごとに見直しをするわけですので、例えば米の、やはり米農家がたくさんあるわけでして、その米農家の目標というか、戦略の中に確実に米をつくって食べていかれるような政策的なものをこれでうたってあげると。何かちらっとこの1行ほどですと、米農家がほとんど夢がないというよりは、もう今までどおりのことかなと思うのですね。今確かに米ではもうからないから、もう野菜のほうに、園芸のほうにシフトをして、あるいは総合的に農業をやっていかないといけないということはもう前から言われていることなのだけれども、やはり何と言っても米。そして米にかわるものができない土壌あるいは地域というのもあるわけでして、そのために飼料米にみんなが国の補助金があるからそれにシフトしていくのであって、これが本当に国の考えでまたころっと変われば大変なことになるわけでして、このあたりも鳥取県としての米づくりにそういうことの一つの歯どめ的なものを私は書いておいたらいいではないかなと思うのですね。ただ、やはりみんな今飼料米に転換してきて、一生懸命国の政策に従ってやっているわけですけれども、これがころころころころ変わるようでは先が見えないということで、多分これからもう人口は減っていきますし、米の消費というのは伸びないわけでして、うまい米をつくって、いかに外国に、どなたか何だか外国は余りよくないと言われていたのですけれども、やはり売っていくと、日本のものを、農産物、あるいは食は安全・安心で世界に認めている日本食ですので、そういうものを売っていくということはいいのですけれども、やはり基本的に米を、農業の基本だから、それについてのやはり夢のような、夢ではないけれども、目標をちゃんと書いてあげたらいいではないかなと私は思うのですよね。この1行だけではなくして、米づくりの人が一生懸命やっているわけでして。もうちょっと。言い方が今すぐに出てきませんけれども。

●岸田農林水産部長
 斉木委員のおっしゃるとおり、県下で大部分の面積を占める水稲生産をないがしろにしてはいかんと思います。
 ただ、そこで市谷委員の言われた米価の話が絡んでくるわけですけれども、そういう米価の低迷時代に入った中でも、やはりこだわりのある米、それから売り方も、例えばJA西部は特定の米穀の卸さんと相対で取引をしていらっしゃるというようなことをしている。そういうかちっとした販路を持って特徴的な米を生産して売っていくというようなことが今後も求められると思いますし、それからきぬむすめ等特A、2年連続とったというようなそういう良食味米の生産というようなこともどんどんこれからやっていかなければいかんということを考えておりますので、表現の仕方は再検討をさせていただきたいと思います。

○斉木委員
 ぜひお願いしますし、やはり今はもう飼料米頼りみたいな感じですので、これがこけたら皆こけたということになるものですから、そのあたりはやはりきちんとした、農家が安心できるような5年先の将来を見込んだ書き方というのが私は必要だろうと思いますので、ぜひお願いいたします。

◎広谷委員長
 要望として、では。
 ほかにありますでしょうか。
 では、ないようですので、総合戦略についての質疑は以上で終わらせていただきます。
 それで皆さんに相談ですけれども、実はきょうは45分から代表者会議があるということですし、ここで通常の報告事項は昼休憩後ということにさせていただきたいと思います。
 それで再開は、1時半再開ということでお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 では、昼休憩にさせていただきます。

午後0時31分 休憩
午後1時30分 再開

◎広谷委員長
 それでは、再開させていただきます。
 それでは、通常の報告事項に移ります。
 執行部の説明は要領よく簡潔に、そして質疑のほうも簡潔に、質問項目が多いですので、よろしくお願いしたいと思います。
 質疑は、説明終了後に一括して行うことにいたします。
 報告11、学生募集と雇用就農支援の取り組みについて、爲計田農業大学校長の説明を求めます。

●爲計田農業大学校長
 学生募集と雇用就農支援の取り組みについて報告をいたします。
 学生募集の一環として、7月23日に今年度1回目のオープンキャンパスを開催しました。
 内容は、校内案内、模擬講義、農場実習体験です。
 参加者の状況は、県内高校生25名、県外高校生5名でした。
 参加者アンケートによりますと、入学希望47%でした。
 今後、第2回目をあす、8月22日、第3回目を10月24日に開催予定です。
 続きまして、雇用就農相談会の開催について報告します。
 近年、農業大学校では、非農家の出身学生が5割程度とふえておりまして、農業法人への雇用就農は卒業後の重要な進路の一つとなっております。
 そこで、昨年度に引き続き、7月21日に県内の農業法人等を招き、前半は雇用就農をした卒業生の体験発表と情報交換、後半は求人者別に学生との相談会を開催しました。
 参加者は、農業法人等16名、学生22名、農業高校教員、それからハローワーク学卒ジョブサポーターにも参加いただきました。
 参加者の声を聞きますと、農業高校生の参加について意見を聞きましたところ、求人側は7割近くが賛成または希望するとのことでしたので、高校生にも参加していただくことで就農への意識を高めることにつながればと、今後、農業高校にも提案してみたいと考えております。開催方法を工夫しながら今後も継続して開催していく予定です。
 これら学生教育のほか農業大学校では就農を目指す社会人の研修も行っておりまして、今年度新たに就農に役立つ基礎力と実践力を高めることを重点にして研修制度を改編し、新しい研修を開始しましたので、チラシのほうで続けて説明させていただきたいと思います。
 カラー刷りのチラシをお願いします。この新しい研修、昨日から募集を開始したところですので、御報告します。
 アグリチャレンジ研修と申しまして、3カ月間で農業の基礎知識と実技技能の基本を習得できる研修です。公共職業訓練で雇用保険を受給しながら研修することができます。
 詳しくは裏をごらんいただきたいと思います。対象者は、鳥取県内での就農、農業法人への就職ですとか、新たに農業経営を開始される方、どちらもですが、目指す方。
 そして研修の特徴は、技能習得を重視して、6割の研修時間をこの技能演習でしております。そして農家の言葉を理解して、基本的な機械、農具の扱いができるレベル到達ということを目標としております。先ほど言いましたように、雇用保険の受給対象研修となりますし、雇用保険の受給者以外には別途支援措置があります。
 研修期間は3カ月間で、第1期が11月5日から1月29日までで、順次続けて3カ月ずつ行ってまいります。
 受講場所は農業大学校で、受講料等は無料でございます。
 カリキュラムですが、座学と、それから技能演習、先ほど言いました、ここの技能演習の部分を厚くということです。それから栽培管理実習と、この3本を柱としております。
 その募集が1期目の募集が昨日、8月20日から9月30日までを募集期間としまして、20名の研修生を募集中です。
 応募方法は、県内住所地を管轄するハローワークに願書を出していただくというような形です。
 また、新たにこの研修を経て農業経営を開始したい方向けには、このアグリチャレンジ研修終了後に鳥取県農業農村担い手育成機構が実施しておられますアグリスタート研修の受講が可能ですし、これは県外からのI・J・Uターンを対象とした研修ということです。県内者向けには農業大学校のほうで新たに先進農家実践研修を開設予定としております。いずれにしましても農業への強い意思を持つ方に受講していただくということが一番大事なことと考えておりまして、県内外への就農相談会ですとか、農業法人などへの訪問などいろいろな機会を通じまして研修のPRに努めているところでございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告12、鳥取県農業青年サミット2015inせいぶの開催について及び報告13、平成27年度の農地中間管理事業の実施状況について、西尾経営支援課長の説明を求めます。

●西尾経営支援課長
 資料2ページをごらんください。鳥取県農業青年サミット2015inせいぶの開催についてでございます。
 この会は、ことしで54回を迎える歴史あるものでございますが、毎年鳥取県農村青年会議連絡協議会が主催で行っているものでございます。
 従来この協議会は、農業後継者が主体でございましたが、年々会員数も減って、やや組織的には弱体化しているところでございますけれども、近年アグリスタート研修生等I・J・Uによります新規参入者もふえていることから、そういった方々も一堂に会して、会をここ数年開いているところでございます。
 本日とあしたと1泊2日で日吉津村を中心に西部圏域で行うものでございまして、日程にもありますように西部地域の優良な経営をしておられる農家の方を訪れて経営者もしくはその後継者の方に直接話を聞いて研さんを深めるとともに、県下の農業青年が一堂に会して交流を深めるという目的で行っております。
 本年は、関係者も含めて総勢75名の参加が予定されておりまして、うち39名が農業後継者もしくは新規参入者ということでございます。
 続きまして、3ページでございます。農地中間管理事業の実施状況ということで、6月8日のこの会におきまして国のほうで発表になりました平成26年度の全国の実績、本県の実績を御説明いたしました。
 概要は、1の実績と総括に掲げているとおりでございます。
 その際、この実績について官邸の評価等がなされるということをお伝えしたと思います。その後、直接的な評価というのは下されてはおりませんけれども、全体を通して見ると実績が低調であったということを踏まえて、農林水産業・地域の活力創造本部において農地中間管理機構を軌道に載せるための改善策が農林水産省から説明され、了解をされて、これで今年度以降進めるようにというようなことがなされたということでございます。
 その具体的な方策は、その表に掲げているところでございまして、ごらんいただければわかりますけれども、機構、それから県が主体的に現場であります市町村、それから生産者、これは受け手の方にも出し手の方にもということになりますが、事業の周知等働きかけを行って、事業が軌道に乗るようにしなさいというようなことでございます。
 既に本県では対応しているところもございますので、本県の対応を書いておりますけれども、ごらんいただければと思います。
 その中で機構の役員体制を経営に関し実践的な能力を有する者で構成しなさいということがありますけれども、具体的には(2)の機構の対応のところで掲げておりますように、農業委員会、指導農業士さんを兼ねておられる優良な経営者の方に理事になっていただくということで体制づくりをしているということでございます。
 その下に(2)制度の周知・相談体制の充実、地域の話し合いの充実といったようなことを掲げておりますけれども、機構と県で一緒になって取り組んでまいりたいと思っております。

◎広谷委員長
 次に、報告14、農林水産部の各試験場における試験研究課題の評価について及び報告15、第2回鳥取県農作業安全標語コンクールにおける受賞標語の決定について、熊谷とっとり農業戦略課研究・普及推進室長の説明を求めます。

●熊谷農業振興戦略監とっとり農業戦略課研究・普及推進室長
 御説明します。4ページをごらんください。これは部が所管しております試験場の研究課題についての評価結果、その御報告の中身となります。
 このシステムについては、平成20年度から実施をしておりまして、そのフローとしては、左肩どめになっております別紙1という資料があるかと思いますが、研究課題を実施に移すまではこういうフローでやっております。要望の聞き取りから始まって、何度か試験場段階、部の幹部、あと一般の県民の方の評価を受け、最終的には予算に向かうというところになるのですが、年に2回課題の評価会を開催しておりまして、このたびは来年度から実施する新規課題、研究に向かっていいかどうかというところの評価を主に受けたところでございます。
 外部評価委員のメンバーの方は、評価方法の(3)番のところにございますように、11名の方にお願いをしているところです。
 昨年から体制が幾らか変わりまして、従来は農林総合研究所だったものがとっとり農業戦略課がこの評価会を所管することになった、試験場も各行政担当課が所管することになったということがありまして、行政施策と十分連動した研究課題の練り上げを各試験場が心がけてやっているところでございます。
 その結果、昨年から非常に評価結果がよろしゅうございまして、このたびも二重丸を中心に御評価いただいているというところです。凡例をごらんいただくと二重丸のところは試験の着手をそのまましてよろしいとか、継続してよろしいということになりますけれども、一重丸は頂戴した意見を反映して見直して実施するということになっております。
 これにつきましては先ほどの資料の1枚をめくっていただきますと、別紙2として、3ページ以降にそれぞれの各試験場の具体的な研究課題、どういうものが上げられていたかというのがごらんいただけると思います。
 一つ一つは御説明いたしませんが、一番最初にございます農業試験場の課題が、これは新規課題に着手する前の事前評価ということになりますが、これが12点に満たないということで一重丸の評価になっております。その中に主な抜粋した意見を載せさせておりますけれども、こういう意見を反映して研究のやり方を見直して実施に移すというところになるということでございます。
 ほかの研究課題は、また後ほどごらんいただければと思います。
 続きまして、農作業安全推進に関係します標語の募集結果についての御報告となります。
 5ページをごらんいただければと思います。こちらが鳥取県農作業安全・農機具盗難防止協議会が主体で実施いたしました農作業安全を推進するための啓発活動をより重点化するための標語募集についてのコンクールの概要ということで載せているものでございます。
 その裏面、6ページになりますが、こちらに先ほど申し上げました協議会の取り組みを参考までに載せておりまして、平成25年度からこの協議会を立ち上げております。当時はかなり大型の農業機械の盗難も続いたということで、農機具盗難防止というところもあわせてうたって取り組みを進めておりまして、県段階、各地区段階という2段階の取り組みを行っております。その中での啓発活動の一環として、このたびの標語募集を行ったと。
 農作業事故というのは、農作業者だけに限らず一般の方が道路をゆっくり走る際の農作業機に追突をされるということもありますので、一般の方の認識も深めていただくために広く標語を募集して啓発を進めようということで行っているものでございます。
 今年度が2回目、昨年度が665点の応募に対して、今年度は1,000点を超える応募で、昨年の
1.6倍以上ということで、かなり御応募をいただいております。
 受賞標語は、最優秀1点、優秀賞4点で、そこに載せさせていただいているものです。最優秀賞だけ紹介させていただくと、「おつかれ様 安全な農作業で みんな笑顔」ということで、農作業安全を全体で進めようという雰囲気が十分伝わってくる、標語としても言い回しのいい標語だということで選ばれております。これが鳥取市の中学2年生の方になりますが、一般成人の方も御応募をいただいているのですが、発想が柔軟だということなのでしょうか、いずれも生徒さん、学生さんばかりが入賞されているというところでございます。
 今後の取り組みについては、いただいた最優秀の標語をもとにして、ポスターやチラシに載せて啓発活動をより一層強力に進めたいと考えているところでございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告16、とっとり花回廊の指定管理候補者の選定について及び報告17、主要農産物の生産販売状況について、村尾生産振興課長の説明を求めます。

●村尾農業振興戦略監生産振興課長
 資料7ページをお願いいたします。とっとり花回廊の指定管理候補者の選定について御報告いたします。
 8月7日に審査委員会を開催しまして、とっとり花回廊の指定管理候補者を選定いたしました。指定管理候補者としては、現在委託しております一般財団法人鳥取県観光事業団であります。来年度から5年間ということで、委託料は記載のとおりであります。
 選定の経過でございますけれども、6月15日から7月29日まで募集をかけまして、応募がありましたのが1団体、観光事業団ということでした。下にあります審査委員、合計7名で審査いただきました。それぞれ税理士さんですとか弁護士さん、観光関係では皆生のおかみさん等々、いろいろな分野の方に審査いただきまして、観光事業団が、サービスの面ですとか観光振興や花卉園芸振興への寄与ですとか、いろいろな面から適当であるということで、候補者として選定されました。
 8ページをお願いいたします。具体の選定基準なり審査結果でございますけれども、選定につきましては、そこにあります4つの視点から採点がなされました。まず、施設の平等な利用を確保するのに十分であるかどうか。この花回廊の設置の目的ですとか、希望する理由等々を審査しました。次には、施設の効用を最大限に発揮させるものであるということで、具体的に観光なり花卉振興への取り組みですとか、園内の植栽や装花あるいはイベント展示等、具体の計画を審査いたしました。3点目としましては、管理に係る経費の効率化がどうかという点で、5年間の収支計画ですとか、県が示した委託料に対して多いか少ないかというような点で審査いたしました。最後、4点目ですけれども、管理を安定して行っていただくためには、やはり財政基盤がしっかりした団体でないとだめだということで、税理士さんも入っておられますから、そういう面からチェックいただきまして、結果としては、合計69.4点ということで、観光事業団が適当であると結論を出していただきました。この結果を踏まえまして、9月議会でお諮りしまして、お認めいただきますと、今年度末に5年間の委託契約を結ぶという計画でございます。
 引き続きまして、9ページでございます。主要農産物の生産販売状況について御報告いたします。
 まず、スイカでございます。スイカにつきましては、大栄が主な産地、続いて倉吉という、この2つが主なところであります。ことしは5月が非常に天気がよくて、おいしい甘いスイカに仕上がりました。しかし、出荷前半、大型ハウスの作型で空洞化が多く発生しました。この原因につきましては、今、産地のほうでも試験場のほうでも分析しておりますけれども、いわゆる収率が下がったということで、やはり単価的にも低く出ております。しかし、後半になりますと大型トンネルというまた別の作型になりまして、そこではV字型に収率も回復しまして、結果としましては前年度よりやや下回ったと、販売金額等も下回ったという結果でございます。土日ごとに消費地の天気も悪くて、やはりふだんから売り先づくり、売り場づくりはしっかりしておかないといけないなということもありまして、本日、倉吉でスイカの販売反省会が行われております。
 続きまして、白ネギでございます。白ネギは周年出荷しておりまして、現在は夏ネギが出荷されております。生育状況ですけれども、5月以降の乾燥等で作業がおくれまして、若干出荷がずれ込みぎみだということですし、温度が高いときには軟腐病等の病気も出やすいということで、防除も行われております。販売状況につきましては記載のとおりでありまして、数量、単価とも前年より多くて、金額も多いということで、好調に推移しております。
 続きまして、初夏どりのブロッコリーであります。出荷期間としては5月から7月ということで、ほぼ出荷は終わっております。数量は少なかったのですが、全国的に出荷量が少なくて、市場で高単価で取引されました。過去最高であった前年を上回る販売金額となっております。
 続きまして、ハウス二十世紀でございます。ハウス二十世紀も、ことしは出荷が結構早目早目に出まして、高く売れる盆前出荷が9割、ほぼ盆前に売れたということで、販売額も前年より1割高くて、農家の方も去年より振り込みが多かったということを言われる方が多いです。参考までに、二十世紀梨ですけれども、二十世紀梨、それからなつひめ、新甘泉を含めて、ことしは非常に玉が大きい、大玉でございます。そして糖度も高くて、梨のできからいえば、これまでにない、いいできということです。二十世紀梨は8月27日から初販売ということでされますし、なつひめ、新甘泉も、そこに書いてありますように、糖度センサーつきの選果場で糖度保障して選果しておりますので、ことしはこの調子でいけばいい年になりそうだという産地の声が大きいです。

◎広谷委員長
 続いて、報告18、電気さくの安全点検について、木谷鳥獣対策センター所長の説明を求めます。

●木谷鳥獣対策センター所長
 そうしますと、資料10ページをお願いいたします。電気さくの安全点検についてでございますが、平成27年7月19日の静岡県の感電死事故を受けまして、農水省から安全点検依頼がございまして、8月5日までに市町村に安全点検等を実施して報告するようお願いいたしました。
 それで、国につきましては、この調査結果を先日8月19日に公表していまして、20日に新聞等で7,000カ所ですか、それぐらいの不適切な場所があったというような報告がございました。
 県内の状況でございますが、調査対象市町村としましては、イノシシ等の被害が出ていない境港市と日吉津は電気柵が設置してございませんので、それを除く17市町ということでございます。それで、631地区を調査しまして、不適切な事例というのは58地区ございました。その存在した市町村でございますが、電気柵の危険表示板というものがなかったというのみの不適切事例でございまして、鳥取市、岩美町等9市町村でございました。その際に市町の職員等が設置者に対して、こういう表示板をするようにというようなお話をしたということで聞いております。
 次に、(3)でございますが、各市町の安全対策の周知の実施状況についても聞き取り調査をしておりまして、17市町全てで何らかの方法で住民の方には周知しているということでございます。一番多かったのがパンフレット等の配布、回覧とか、あとは行政の防災無線による呼びかけ等を行っております。市町村以外にも、農協とか、そういうところでも行っていまして、中央農協、西部農協等はホームページで周知をしたりとか、西部農協などは広報紙でその周知をしております。それと、いなばぴょんぴょんネット、県東部地区のケーブルテレビでございますが、番組内で周知をしたりとか、電気柵の設置についての番組をつくって、きのう、おとといですか、放送しているということでございます。それと、この安全点検の調査を受けまして、県としては8月10日付で各市町村に電気柵の安全確保措置の最終周知をお願いすることと、あわせまして市販の電牧器の不使用とか、危険表示板の未設置等を見つけましたら指導するようにということで、指導の徹底をお願いしております。それとあわせまして、県の総合事務所、農協等の職員も現場に出ることがございますので、そういう機関に対して、不適切な事例を見つけましたら市町村に連絡するとともに、その場で指導をしていただくようお願いしているところでございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告19、「とっとり肉フェスタ2015」の開催について及び報告20、「平成27年度鳥取県畜産共進会」の開催及び「第14回全日本ホルスタイン共進会」の最終選考について、津森畜産課長の説明を求めます。

●津森農業振興戦略監畜産課長
 では、資料11ページをお願いいたします。「とっとり肉フェスタ2015」の開催についてです。昨年第1回目が開催されまして、非常に好評を博したこのイベントの第2回の概要について報告させていただきます。
 期日は10月3日、4日の土曜日、日曜日。場所は、昨年と同様に賀露のわったいなで開催することとしております。内容については、そこに記載のとおりでございますけれども、昨年は第1回目ということでゲストを迎えて講演会というのも企画されておりますが、ことしはそれは企画されておりません。内容としては、まず鳥取の肉を知っていただくということで、食育活動として小学生を対象に、これはプレイベントとして実施済みでありますけれども、農場を訪問して、生産現場から食肉の処理、それから実際に食べてもらうというところまでを体験してもらうことによって、子供たちに学んでもらうということです。それと、食肉に関するパネル展示、それからクイズというものを会場で出していきたいと思います。
 それともう一つは、実際に食べてもらう内容、これがメーンになろうかと思いますけれども、実際の試食は牛肉、豚肉、鶏肉、それとジビエを計画されております。それから販売、出店ブースは25店舗を予定しておりますけれども、それと料理教室、これも公募しました肉料理の優秀作品を会場で紹介をして、実際に料理教室を開くということです。それから、ブランド肉の抽せんをして、実際に消費者の方にプレゼントするというコーナーも企画されております。皆さんの参加もぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次、12ページ、平成27年度鳥取県畜産共進会、それと第14回全日本ホルスタイン共進会の最終選考についてでございます。まず、共進会は毎年開催されております。内容としては、和牛の種牛、繁殖雌牛、それからホルスタイン、それから肉牛が肥育牛、それから肉豚という形で、それぞれの出品区分で農家が競い合って家畜の改良を進めていこうという取り組みでございます。種牛の部は家畜市場であるのですが、そのときは畜産ふれあい祭りということで、畜産に関するPR、それから技術の展示、ミニ動物園ということで消費者との触れ合いのコーナーも設けております。共進会の内容は記載のとおりですけれども、まず、9月26日土曜日に、琴浦町湯坂にあります鳥取県中央家畜市場を会場に、和種々牛の部、それから乳牛の部が開催されます。肉畜の部は、11月21日土曜日に、これは大山町の鳥取県食肉センターにおきまして、和牛の肥育牛、それから肉豚の部が開催されます。それぞれ優秀な成績のものには知事賞、農林水産大臣賞等が授与されます。
 それと、14回の全日本ホルスタイン共進会の最終選考でありますけれども、これが9月26日、県の共進会の乳牛の部が終了した後に、県の代表牛9頭をこの場で決定するということでございます。今、予選で37頭の候補牛が選抜されておりますので、全頭がその場へ出品されまして、県の共進会とダブるものもございますけれども、県の代表牛9頭を決定されます。
 この全共につきましては、今後は10月10日に選手の結団式、これが琴浦町で企画されております。それから、実際にトラックに積み込んで出発を見送るのが10月16日、これが出発式になります。現地では、10月23日から北海道で開催されますけれども、ホテルグランテラス千歳というところで現地の激励会があります。実際の会期は23日の金曜日から26日の月曜日まで、出発の16日からカウントしますとほぼ2週間近くなって、出品される農家の方は大変ですので、県としても精いっぱいの応援、支援をしたいと思います。

◎広谷委員長
 続いて、報告21、「CLTで地方創生を実現する首長連合」への参加について、村上県産材・林産振興課長の説明を求めます。


●村上森林・林業振興局県産材・林産振興課長
 そういたしますと、資料13ページをお願いいたします。8月14日に設立されましたCLTで地方創生を実現する首長連合に参加しましたので、報告させていただきます。
 CLTは、JASの規格上は直交集成板といいますけれども、ヨーロッパで開発されまして、中高層、それから大規模建築物への活用が期待されている技術でございます。このCLTの早期普及、それからそのために各地域が連携して取り組むことを目的として、この連合は設立をされました。高知県知事、岡山県の真庭市長が設立発起人となり呼びかけられまして、5番に示しておりますように、本県を初めとします10道県、4市町村の参加でこのたび設立されたものでございます。今後の活動でございますけれども、普及に向けた予算の確保、それから2020年の東京オリンピック・パラリンピック関連施設のCLT活用などを国に求めていったり、それから参加自治体等の情報交換という活動を行っていく予定でございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告22、「鳥取県薬用きのこ活用戦略検討会議」の設置について、山本県産材・林産振興課参事の説明を求めます。

●山本森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(林産物利用推進担当)
 14ページをお願いいたします。6月補正で予算を認めていただきました薬用きのこ活用戦略検討会議を設置しましたので、御報告させていただきます。
 この会議は、薬用きのこの既知成分を活用した戦略を策定することを目的に設置したものでございます。県の附属機関として、先月24日に設置いたしました。委員は、日本きのこセンター、鳥取大学、鳥取県産業技術センター、そして県の7名で構成しております。年度内に4回程度開催する予定にしておりまして、第1回目を8月10日に開催し、活用戦略の策定に向けた方向性について検討しました。検討項目としまして、どのような成分やきのこを活用するのか、その成分を活用した商品の方向性をどうするのかといったようなことなどについて検討してまいります。参考として、きのこの主な成分を記載してございます。病気の予防や健康維持といった視点で、きのこの成分を活用した戦略を検討してまいりたいと考えております。

◎広谷委員長
 続いて、報告23、香港における鳥取県プロモーションについて及び報告24、首都圏における販路開拓イベントについて、木嶋販路拡大・輸出促進課長の説明を求めます。

●木嶋市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 香港における鳥取県のプロモーションについてでございます。15ページをお願いいたします。
 まず、香港での梨等のプロモーションでございますけれども、株式会社ドール、それから全農とっとりと連携して、二十世紀梨の販路拡大と、新甘泉、なつひめ等新品種のブランド化に向けたプロモーション、それからインバウンド対策としての鳥取県のPRと、こういったようなことを目的としております。内容でございますが、8月6日から8日に香港メディアを招聘いたしまして、梨の産地の状況等を取材していただいております。これを9月での現地のプロモーション活動と関連づけて記事にしていただいて、各紙面、ウエブ等で情報発信をしていただくと。その後、比較的長期にわたって情報発信をしていただくような取り組みをしていただくことにしております。今、9月12日、13日で予定しておりますけれども、香港のそごう、イオンなどの量販店で二十世紀梨、それから高級スーパーでgreatというスーパーがございますけれども、そのスーパーで新甘泉、なつひめ等の新品種の販売のPRをすることにしておりまして、JAグループ、ドール、県で販売促進団を仕立てまして、PRに向かうということにしております。あわせて、香港にございますABCクッキングスタジオで、梨を使ったスイーツの教室等を、梨の時期に合わせた約1カ月ぐらい開催をすると。それから、美食倶楽部吉田という高級な日本料理店がございますが、そこに鳥取県の梨とかベニズワイガニ等、その季節の県産食材を使っていただいて、特別メニューを提供するというようなフェアを約1カ月開催するという内容にしているところでございます。
 香港向けのスイカでございますが、昨年も本格的な輸出を始めたということで御報告させていただきましたけれども、本年は7月10日から20日ぐらい、約10日間香港向けのスイカの輸出という事業を行いました。出荷量は870箱ということで、昨年が1,010箱だったのですけれども、小玉がちょうど端境期にありまして、オーダーはあったのですけれども、量の確保ができなかったということで、少し数が減ったということでございます。販売単価のほうはおおむね昨年並みということで、日本円に直すと大体大玉が4,500~4,600円というところだったということでございます。販売店舗につきましても、昨年と同様のイオン、それから香港そごうというようなお店で販売をしていただいたということでございまして、これもドール、それから全農とっとり、県による販売促進団が7月9日から12日まで出向きまして、販売PRとか、それから販売の状況の調査等を行ったということでございます。
 続きまして、16ページをお願いいたします。首都圏における販路拡大イベントについてでございます。これから梨の時期になりますけれども、それに合わせた首都圏でのイベントをまとめて御報告させていただきます。
 まず、8月26日、27日に、旬のとっとりマスコミPRキャラバンということで、新甘泉、二十世紀梨を携えまして都内のマスコミ各社を訪問して、鳥取の梨のPRを行うということと、それからとっとり・おかやま新橋館でも梨の試食PRを行う取り組みをいたします。8月26、
27日については、食・観光専門誌とか、新聞各社、15~16社程度を回る予定にしておりますし、あわせまして8月28日には東京駅で新甘泉のPRイベント、それから8月29日には鳥取県とJA全農とっとりさんの共催で、大田市場で二十世紀梨の初販セレモニーを行うことにしております。
 続きまして、百貨店での鳥取県フェアということで、銀座三越で鳥取、岡山で連携して「鳥取×岡山フェア」を9月2日から8日まで開催いたします。鳥取県からの出店事業者は、6社ぐらいを予定しておるところでございます。それから、恵比寿三越で、「きなんせ!鳥取フェア」ということで、9月16日から22日まで、出店業者は11社を予定しているということでございます。
 9月19日に、とっとり・おかやま新橋館の1周年記念イベントを実施することにしておりまして、鳥取県の平井知事、それから岡山県の伊原木知事、ちょうどプレミアム商品券の販売開始イベントを行ったときと同様のメンバーで開催をさせていただきます。あわせてその関連イベントとして、とっとり・おかやま新橋館の中で「ももてなしバル&マルシェ」というものを開催いたしますし、ラジオの公開収録というようなことも予定をしておるところでございます。

◎広谷委員長
 説明が終わりました。
 質疑等はありませんでしょうか。よろしいですか。

○浜田(妙)委員
 簡単に、手短に。簡潔に。6ページ、農作業事故なのですが、お年寄りの皆さんなのですね。65歳以上の方が圧倒的に多いわけですが、これは研修だけで済む問題なのだろうかという気がしているのですけれども。もう判断能力も反応能力も運動能力も低下してしまっていらっしゃる方が、非常に危険な農機具を使われること自体に非常に不安を感じるのですけれども、そのあたりはどのように御判断になっているでしょうか、教えてください。

●熊谷農業振興戦略監とっとり農業戦略課研究・普及推進室長
 6ページの一番下の表で、65歳以上が死亡事故67%となっておりますけれども、残りの1名の方も62歳の方で、ほぼ高齢と言える方だと思います。これは農業自体の構造といいますか、そういうところにも関係していると思うのですけれども、啓発活動だけではなくて、この中に載っておりませんか、地域協議会ということで、これは地域単位で取り組んでいただいている取り組みがございまして、その中で農作業安全のための講習会であったり、技術研修というのですか、そういうことも取り組んで、あと本人さんだけだと無理されるということもありますので、家族内での声かけだとか、地域全体、集落の中での声かけだとか、そういうことを進めるように呼びかけているところでございます。御指摘の点は、最初に申し上げましたように構造的なところもあって、全般に高齢化しておりますので、担い手の方が作業しなくなるというわけにはまいらないと思いますので、今のところはそういうことを中心に進めてきているところでございます。

○浜田(妙)委員
 非常に心配しています。それで、そういう問題ではないのだろうと思っています。バトンタッチができていればいいわけですけれども、高齢者になって、そろそろ引退だなと、いろいろな作業から手を引いて軽作業のほうに回っていくべき方が、相変わらず担わなければならないという実態をどうするか。地域ぐるみでとはいってもお家事情もあったりなどしますから。だからそこをどうするのかというところは別の問題、視点でしっかり考えなければいけないのではないかなと思っています。かといっていい案があるわけではないのでございますが、ぜひ考えていただき、もう少し幅を広げて、研修やったよ、声かけもやったよだけではないと思うので、そこのところを何か考えていかなければいけないのではないかと思いますので、一緒に考えていただけたらと思います。これでやったということにはならないと思うので、よろしくどうぞお願いします。

●熊谷農業振興戦略監とっとり農業戦略課研究・普及推進室長
 御指摘の点はよく承知しているつもりでございまして、午前中の議論でもあったような、担い手の育成とか、そういうところが次の世代を育成していくというところも非常に重要なところだと思いますので、おっしゃるところを踏まえて取り組んでいきたいというのは承知しているところでございます。

◎広谷委員長
 いろいろ検討してください。

○川部委員
 アグリチャレンジ研修についてです。対象として、どういう人をイメージして、これはどこで、ハローワークで募集をかけるのでしょうか。それで、例えば3カ月、これ1月29日に終わったとして、次の研修も紹介されているのですけれども、実際の就農というところまでは大体どれくらいの期間をかけてイメージされているのか、もう少し詳しく教えてください。

●爲計田農業大学校長
 アグリチャレンジ研修の募集PRにつきましては、もちろんハローワーク、それから産業人材育成センターもですし、農業大学校も、先ほど言いましたように相談会ですとか、それから県内でも農業法人なり大型農家の方の中には雇用の計画をお持ちの方がいらっしゃいますので、個別に訪問しながら、採用予定の方を事前にというのですか、農業大学校の研修を紹介して送り込んでくださいというような使い方をしていただきたいと思って紹介しているところです。何分初めてのことでして、どのくらいの問い合わせというのですか、応募があるかというところを読み切れていないのが実態でございます。
 その研修を経て、就農に向かう方についての研修でございますけれども、この先進農家実践研修につきましては、きょうはチラシも持ってきておりませんので、また常任委員会のほうでも詳しく説明させていただきたいと思うのですけれども、1年間先進農家に派遣をして研修を行い、その後、地元に定着ということで、地元の縁のある方をそこで研修、受け入れ農家に受けていただいて定着ということであり、地元で就農に向けての、技術の習得もですけれども、農地のこと、作業場のこと、それからそういういろいろなことを支援する仕組みをつくりながら、そこでチームとして応援していくという体制をつくっていくということが肝要だと思っておりまして、そういうところで今も農大も市町に出かけまして、そういう話し合いをさせていただいているところでございます。農大にもそういう研修調整員というのを1名設けまして、また来年度には2名体制でと考えておるのですけれども、そういう研修のフォローと定着に向けた支援というのを行っていく予定でございます。

◎広谷委員長
 よろしいですか。ほかにありますか。

○斉木委員
 3ページの中間管理事業実績、今、初年度が実績が出たということで、目標に対して4割弱ということですけれども、原因は何でしょうかね。当初の話は、管理機構が出し手のものを全て一遍プールしてでも受けて、それから配分するというようなことだったけれども、それではとても機構がもたないということで、オーダー方式といいますか、受け手があったときに出し手を誘導していくというようなことになったのではないかと思うのですけれども、主にこれは何が原因でしょうか。全国よりは進んでいるのですけれども、できなかった理由というのは何かあるのですか。

●西尾経営支援課長
 1つには、事業初年度目ということがありまして、制度周知に手順を踏んだということがあろうかと思います。受け手をまず最初に公募で募るという段取りがあったものですから、そちらを優先したと。出し手のほうの募集を優先すると収拾がつかなくなるだろうということもあって、まずどれぐらい担い手が受けたいと、農地を受けたいとする方がどれぐらいあるのかの公募を優先したということがあって、肝心の出し手のほうへの周知が後半にずれたということがあろうかと思います。
 それともう一つは、個別で動く場合はそうでもないのでしょうけれども、地域として農地をどうしていきましょうという話し合いが前提になってくる部分がございます。特に集落営農を考えておられたりとか、今後どうしていこうというような地域の話し合い、人・農地プランがそれなのですけれども、その話し合いに時間がかかるということでございます。実際、昨年度、地域集積協力金とかを受けられた地域は、長いところでは3年ぐらい前から実は話し合いをされてきたところというのが、このたびになって実を結んだというような形ですので、それ相応の時間はやはりかかっていくのだろうと思っております。この2点が大きいところかなと思っております。

○斉木委員
 出し手の方で、例えば受け手の顔が見えないからとか、自分ができなくなっても心配するのはやはり自分の田のことで、変なやり方をやってもらうと困るのだがというような心配で、出し手がなかなか出し渋ると。そういうことでなかなか話が進まないかなというのと。それとやはり今回、中間管理機構で私がやっていただきたいのは、あぜとか、そういう受け手が就農しやすいような体制をとっていかれるかどうか。構造改善までしてやっていくのが一番いいのだけれども、なかなか今はそこまでまだ行っていないのではないかと思うのですけれども、そのあたりは問題点がありはしませんか。要するに受け手が受けやすい体制に持っていくと。


●西尾経営支援課長
 前半の部分で、顔の見える相手、信頼の置ける相手に農地は受けていただきたいのだという、農家心情でしょうか、そういったようなものはやはり厳然としてあるのだろうと思います。中間管理事業は誕生いたしましたけれども、従前からの円滑化事業、これはこれで生きておりますので、機構集積協力金などの対象でない場合は従前どおりの制度にのっかってやりたいのだよという声はあります。そういう意味では、機構の信頼度を高めていくしかないのかなと思っておりますけれども、担い手にとってみれば、分散して、今、圃場が集約することで、より経営に利する、経営上メリットがあるということもありますし、地域にとっても集約されるということが望ましいという部分もあるでしょうから、そこはやはり地域に対してじっくり説明していくという手順は必要なのだろうというふうに思います。
 それと、受け手にとってメリットがあるようにということで、区画が広くなったりとか、透水性がよくなったり、それがあって初めて受けられるのだよという受け手の方の声は、やはり同様にございます。そういう意味で、国のほうでも土地改良事業等、中間管理事業にあわせて整備されて、十分ではないにしろ予算配分もされているということで、徐々に県でもですし、市町村段階でも、土地改良部局と中間管理事業の担当部局とで連携をして動いていくということで、現場の話し合いも少しずつですけれども、進んでいくようになってきているということです。一足飛びにはなかなかいかないのですけれども、やはり地元負担をどう少なくしていくかというところの、いかに担い手に集積率を高めて地元負担を圧縮していくかというところの知恵の出しどころといいますか、それから地域の御理解というところが必要になってきて、ますます話し合いが重要になってきているということで、今その段階を現場のほうで踏まえていただいているところでございます。

○斉木委員
 本当に今言われるように、現場での話し合いといった、多分、大分手間の要る、時間のかかる作業ですので、お互いに出し手と受け手の環境と、さらに集落営農とか、その地域の担い手の方との関係とか、いろいろなことが複雑に絡み合っております。ただ、我々も団塊の世代だけれども、これから10年先というのは、本当に就農しておった人が完全リタイアするような時代になっていますので、中間管理機構が昨年からスタートしたのだけれども、今、この制度をきちっとやっていかなければ、将来本当に田んぼが担い手がいないようになると思うので、ぜひ頑張っていただきたいなと思いますので、相手のわかる、血の通った交渉事でずっと進めていってもらいたいなということを要望しておきますので、お願いいたします。

◎広谷委員長
 ほかに。

○浜田(妙)委員
 ちょっと刺激を受けてしゃべりたくなりました。この集約化、中間管理機構が本当の意味で役に立つかどうかという問題については、前一度議会でも取り上げさせていただきましたけれども、まずは各農家の皆さん方が、これから5年先、10年先の問題を見据えた上でどうしたいのか、地域全体がまとまってどういう方向に動いていくのか、どこに力を入れていくのか、変化するこの時代にどう対応していくのかということを全部ひっくるめてしっかりと話し合いを持って、計画を持って初めて成り立っていくものだということでしたよね。そこができているかできていないかというのは、物すごく大きい。そこができているところは結構進んだのだけれども、そのできていないところというのは据え置かれてしまっている。しかも、農業をずっと続けていけるような人どころか、話し合いの核になるような人までもいなくなってしまっていて、誰がまとめ役をしていくのか、中心になって地域を動かしていくのかということについても、人材がいない。そこへ、では行政が誰かを投入するかといえば、そうもなっていない。農業委員の皆さん方が大きな役割をしなければいけないという話になっているのだけれども、その人たちも役割を果たしていないみたいな、マイナス要素が余りにもいっぱいあって、なかなか地域をまとめ上げるということができない、その能力がないというところが大きな問題になっていたと思います。
 そこに対してどういうふうに手を差し伸べて、まとめ上げていくのか。コーディネートして、マネジメントしていって、そして将来的なことを共通認識を持った上で、中間管理機構を使う形で変えていくということにはなっていないと思うのですけれども、そこについて、これは議会質問ではやっていきますと知事はおっしゃいました。そこに強化されていっているのでしょうか、そこがちょっと心配だと思います。誰かがするものだといって据え置かれているのではないのでしょうか。

●西尾経営支援課長
 確かに現場、市町村レベルでも、農林部局は限られた人員でございます。先ほども申し上げました人・農地プランにしましても、基本的には市町村が作成するものだということでございますけれども、市町村だけでできるものではないと、そういう市町村も多くございます。したがいまして、県も一緒になって進めていくということ、総力戦なのだろうなと思います。農業委員さんであったりとか、市町村の担当職員であったり、土地改良区の方であったりとか、生産者も含めてだと思いますけれども、県も一緒になって進めていく以外、誰がということではございません、総力戦で向かっていく以外にないのだろうなと。そういう意味で、後ろのほうにも入れておりますけれども、機構理事長、それから県の幹部が市町村長と直接話をして、そこのところをどうしていくかを今後話し合っていくのだろうなと思います。
 ちなみにですけれども、農業委員会も、今現在、見直しの法案が参議院にかかっております。農地利用の最適化委員というものが今度できて、直接的に土地利用に今以上にかかわるようにというような組織見直しもなされるというふうになっております。まず、それが定着して走り出すまでに少し時間がかかるのかもしれませんけれども、皆の意識がそういう方向に向かうようになっていく以外に解決の道は、一足飛びに解決するというところはないのではないかと思います。


○浜田(妙)委員
 おっしゃったとおりだと思います。農業会議が、農業委員会の皆さん方を支援するという立場にいらっしゃって、そこにお話を伺うとほぼ全体像が見えていて、何をしなければならないのかということもおっしゃるのです。あとはやるしかないと。誰がやるのかという話になっているのではないかなと思うので、その情報を持っているところとどれだけしっかり連携をしていって具体的に動き出せるか、そこを具体化していかなければいけないのではないかと思っていますので、もう少し力を込めて、誰かがするだろうというのではなくて、やはり県がリーダーシップを発揮してやるべきではないかなと思いますので、答弁があった後、では何をしたのと、こう言いたくなるわけですね。そこのところをもう少してこ入れをするべきだと思いますけれども、ここで話しても仕方がないので、頑張っていただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。

○市谷委員
 私は考えが違うのですけれども、この農地中間管理機構は、目標値に対しての到達で、目標値の設定の仕方によって到達は変わるので、単純にこれを見ていいとか悪いというのは、評価が下しにくいなと思っています。もともと農業で食べられなければ担い手だってふえないわけで、特に鳥取みたいに中山間地域が多いところで、農業で食べていけるという環境を整備しないと、こっちからこっちに農地を移動という単純な話にならないので、しかもこれは担い手が出ないと、受け手がないと出せないという仕組みですから、私はもともと限界のある制度だなと思っていて、本当に地域の方たちがこれを使ってやろうという気持ちになって、きちんとした株式会社みたいな、もうけ本位ではない受け手が出てきたときに活用されたらいいのではないかなと思っています。だから、あまりこれをどんどんどんどん使うというか、使わなければ解決しないというふうな立場に立たずに、本来の農業で食べていける施策を充実することのほうが大事ではないかなと思っております。活用はあるかもしれないけれども。

●西尾経営支援課長
 おっしゃるとおりなのだろうと思います。農地中間管理事業ありきではなくて、あくまでも農村が抱える担い手、それから農地の問題を解決する一手法として、農地中間管理事業があるというスタンスに立つべきなのだろうと思っております。当県の農地中間管理機構の上場理事長も常々そのことは、市町村の担当者であったり、農業委員会の皆さんであったり、生産者の皆さんに言っておられるところでございます。要は、大事なのは、産地を、それから担い手を地域でどう育てていくのだと、それを誰が考えていくのだと。市町村なのか、JAなのか、農業委員なのか、土地改良区の役員さんなのかというようなことなのだろうと思います。それはみんなで考えることでしょう、そういう地域の動きになって、初めてこの農地中間管理事業は生きていくものなのだろうと思います。放っておいても今60歳の方は10年たてば70歳になり、いずれつくれなくなるときはやってくると。誰であってもそういうときはやってきて、いずれ農地を手放さなければいけなくなる、それはもう宿命としてあるわけで、そのときのセーフティーネットとして農地中間管理事業があるのだということなのだろうと思います。ですので、あくまでもセーフティーネットの手段としても捉えられますし、産地発展のための手段としても捉えられる。使いようではないのかなと思っているところでございます。皆が、地域がそういう認識に立って、これをどう使っていくかということが大事なのではないかなと思っているところです。

◎広谷委員長
 ほかにありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ないようですので、以上で質疑を終わらせていただきたいと思います。
 次に、その他ですが、農林水産部に関して執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。

○内田(博)委員
 この間、提案したのだけれども、北海道全共は、委員会としてはどうされますか。

◎広谷委員長
 その件は、後ほどまた皆さんに相談をさせていただきたいなと思っております。

○内田(博)委員
 きょうですか。

◎広谷委員長
 きょうです。

○内田(博)委員
 それならいいです、後にします。

◎広谷委員長
 ほかに、その他ありますでしょうか。
 ないようでありますので、農林水産部につきましては以上で終わらせていただきたいと思います。どうも御苦労さまでした。
 委員の方には御相談がありますので、この場にお残りください。執行部の方は御退席いただいて結構であります。
(執行部退席)

◎広谷委員長
 残っていただきましたのは、今、内田委員のほうからも話がありました全日本ホルスタイン共進会についてであります。
 以前の常任委員会のときに、北海道でのホルスタインの全共に、常任委員会として参加してはという御意見がありました。それで、いろいろ検討させてもらったわけですけれども、常任委員会としては少し難しいのではないかなという判断をしております。そこで、先ほど報告がありましたホルスタイン全共に向けての鳥取県の出発式に出席をさせていただいて、その後に常任委員会の県内調査を実施してはどうかと思っているところなのですけれども、皆さんの御都合はいかがでしょうか。
 それで、出発式が27年10月16日ということなのですが、ただ、その日が両浜田委員が海外派遣に、中国、タイという日程にはなっているわけですが、御都合はどんなでしょう。例えば今のところ2人出席できないということですけれども、残りの委員ができたら、常任委員会としての県内調査をするということでよろしいでしょうか。よろしいですか、そういう日程で、では進めさせていただいて。内田委員、よろしいでしょうか。

○内田(博)委員
 特に。また別な話で行くようにします。

◎広谷委員長
 それで、では2人、両浜田委員が海外派遣ということですけれども、残りの委員で県内調査を実施するように、進めさせていただきたいと思います。
 それで、調査の候補地を皆さんのお手元に配らせていただきましたけれども、一応こういう案を事務局のほうで準備をさせていただきました。農林水産部については、山陰丸和林業株式会社八頭事業所の貯木場、チップ工場ですね。

○内田(博)委員
 これに2日かけるのか。

◎広谷委員長
 いや、1日です。この中で琴浦に行くついでと言ったらおかしいですけれども、その日程に合わせて行かせていただければなと思っているところなのですけれども。だから名和の肉用牛センター、日新バイオマス発電、それから商工に関してはテムザック技術研究所、グッドスマイルカンパニー、菅公学生服大山工場、マルコフーズ株式会社というような調査地を提案させていただきたいと思っているところですけれども。

○内田(博)委員
 近くでやろう。ホルスタインをメーンにして行くのだったら、商工、倉吉あたりでいいのではないですか。

◎広谷委員長
 倉吉といったら、グッドスマイルカンパニー。わたしは、個人的には境港のバイオマスに行きたいなと思ったりします、稼働しているし。(「お任せします」と呼ぶ者あり)
 では、よろしいですか。正副委員長に任せていただいて日程を決めさせていただいて、9月議会の予備調査の日にでも報告させていただきます。

●若松調査課課長補佐
 ほかに候補地が、ここがいいということがございましたら、9月4日ぐらいまでに教えてください。ぜひというところがもしありましたら。

◎広谷委員長
 これ以外に調査地があれば、4日までに報告を。(「お任せ、お任せ。この中になくても、お任せ」と呼ぶ者あり)
 では、そういうことで、10月16日に常任委員会としての県内調査をさせていただくということで予定させてください。
 それで、全共の件、札幌の件は、実はきょう皆さんのほうに配らせてもらっていると思うのですけれども、畜産議連ができた暁には、畜産議連で行くか、あとは各自政務調査を使っていただいて行っていただくか、そういう格好になろうかなと思っておりますので、各自そういう対応でお願いをしたいなと思っておりますので、そういうことでよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 では、以上で農林水産商工常任委員会を終わらせていただきます。

午後2時42分 閉会 
 
 

 

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