Q2
条例の基本理念の中に「暴力団に対して資金を提供しない」とありますが、具体的にはどのような行為が該当するのですか。
A2
暴力団の不当な要求に対する見返りをしないことを含め、暴力団に対し、あらゆる資金を提供しないことで、具体的には、
- 暴力団からの用心棒代等の不当な要求に対し金品を支払うこと
- 暴力団が売りつける飾り物、日本酒、ミネラルウォーター等の食料品や、ディナーショー等のイベントのチケットを買うこと
などの行為が該当します。
Q3
条例の基本理念の中に「暴力団を利用しない」とありますが、具体的にはどのような行為が該当するのですか。
A3
暴力団の組織の威力、人員、金銭その他一切のものを利用しないことであり、具体的には、
・ 交通事故等のトラブルに関して暴力団員に示談交渉を依頼すること
や事業者の方が事業や契約のために、
- 暴力団員に契約の相手方を脅す等の違法な行為を依頼すること
- 暴力団や暴力団員との関係を出して契約の相手方に圧力をかけること
- 暴力団員又は暴力団員が紹介してきた相手と取引を行うこと
などの行為が該当します。
Q4
条例ができて、何か良い効果はあるのですか。
A4
条例が制定されたことにより、
- 長年払い続けてきた用心棒料を断ることができた
- 長年続いた暴力団事務所との電器製品の取引を断ることができた
などの事例があります。
Q5
事業者は、契約する場合、相手方が暴力団員でないことをどのようにして確認すればいいのですか。
A5
事業者の方には、事業活動で、暴力団とはいかなる関係も持たないようお願いしています。したがって、事業者の方は、その事業に関して、契約の相手方が暴力団員であるかどうか確認するよう努めていただくことになります。
事業者の方が、契約の相手が暴力団員であるかどうか確認する方法としては、
- 新聞、テレビ、ラジオ、インターネット等を活用した情報収集
- 警察等への相談
があります。 ただし、
・ 通常、一般的に取引の相手方について身分を確認しないスーパーやコンビニで日用品を売買する場合
まであえて相手方の確認をするよう求めるものではありません。
相手方の確認に関する相談は、最寄りの警察署、警察本部捜査第二課又は暴追センターにお問い合わせください。
Q6
暴力団排除条項とはどのような条項ですか。
A6
暴力団排除条項とは、個人事業者や企業が取引相手との間で交わす契約書、規約、取引約款等のなかに設けられている契約の条件のひとつです。(特約条項)
具体的には、条項に
- 取引相手となることを拒否する対象者又は組織(暴力団等)を定める
- 契約後に相手方が暴力団等であることを知った場合は、契約を解除(解約)できることを定める
- 条項に基づいて契約を解除したことにより、相手から損害賠償の請求を受けたとしても義務を負わないことを定める
ものです。
Q7
契約を交わす場合には、必ず契約書に暴力団排除条項を設けなければならないのですか。また、暴力団排除条項に入れる排除対象は、どのように書けばいいのですか。
A7
暴力団排除条項を設けることは努力義務規定で、全ての契約について設けなければならないというものではありません。しかし、契約後に相手方が暴力団員等であることが判明した場合、直ちに契約を催告なく解除するなどの対処ができるよう、可能な限り契約書面に暴力団排除条項を設けるよう努めてください。
既に条項を導入している例では、
・ 暴力団等(暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、団体又はその関係者)
といった条例の排除対象者ばかりではなく、より広く「暴力団等反社会的勢力」などと対象を定めている場合があります。
Q8
暴力団排除条項の記載例を教えてください。
A8
参考例としては、
第○条(暴力団等の排除)
第1項 甲は、乙が暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、団体若しくはその関係者(以下「暴力団等」という。)に該当し、又は暴力団等と次の各号の一に該当する関係を有することが判明した場合には、何らの催告を要せず、本契約を解除することができる。
- 暴力団等が経営を支配していると認められるとき
- 暴力団等が経営に実質的に関与していると認められるとき
- 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的で、不当に暴力団等を利用したと認められるとき
- 暴力団等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められるとき
- その他暴力団等と社会的に非難されるべき関係を有しているとき
第2項 乙は、乙又は乙の下請若しくは再委託先業者が第1項に該当しないことを確約し、将来も同項に該当しないことを確約する。
乙は、その下請け又は再委託先業者が第1項に該当することが契約後に判明した場合には、直ちに契約を解除し、又は契約解除のための措置をとらなければならない。
乙が、第1項に反した場合には、甲は本契約を解除することができる。
第3項 甲が本条各項の規定により本契約を解除した場合には、乙が損害を生じても甲は何らこれを賠償ないし補償することは要せず、また、かかる解除により甲に損害が生じたときは、乙はその損害を賠償するものとする。
というのが一般的です。
Q9
表明確約書とはどのようなものですか。
A9
表明確約書は、契約を結ぶ際、相手方に対して、
- 個人であれば、「自分は暴力団等ではありません。」
- 企業であれば、「当社は暴力団等との関係はありません。」
などと表明させ、これに違反した場合や嘘の申告をした場合には、直ちに解約に応じさせ、損害が発生した場合は相手方の責任とすることを確約(又は誓約)させる文書です。
導入する方法としては
- 契約書等の中に表明確約条項として記載する
- 契約書など書面を交わすことのない契約の場合、相手方の署名と押印のある表明確約書を作成させる
といったものです。
Q10
表明確約書を導入することでどのような効果がありますか。
A10
暴力団等は、組織の実態を隠すことが多く、契約時に相手方が暴力団等かどうか分からない場合が多いと思います。
表明確約書を相手方に書かせることにより、契約後に相手方が暴力団等であることが分かった場合、その契約を速やかに解除することができ、関係を断つことができます。
Q11
条例第19条では、事業者の暴力団等への利益の供与の禁止を定めていますが、どのような行為をいうのですか。
A11
条例にいう利益の供与とは、
・ 暴力団の威力を利用し、又は利用したことによる見返りとして、あるいは暴力団の活動又は暴力団の運営を助けることを知って、暴力団に対し金銭、物品、債権の免除、労務の提供等を行うこと
です。
条例に違反した場合は、調査、勧告、事実の公表の対象になります。
なお、暴力団から利益の要求を受けた場合は、不当要求行為に当たる場合がありますので、直ちに警察や暴追センターに相談してください。
Q12
どのような行為が暴力団の威力を利用することに当たりますか。
A12
事業者が暴力団の威力を利用した利益供与の違反になる例としては、
- 債権者である事業者が、暴力団員に対して債権の取り立てを依頼し、その報酬として金銭を支払った場合
- 店の売り上げを伸ばす目的で、暴力団員に競争相手の店に対する営業妨害を依頼し、その報酬として金銭を支払った場合
- 事業者が事業活動に伴う不動産の売買、賃貸契約に関して、暴力団員にその組織力等を利用して、自己に有利な条件で契約できるよう、不動産の所有者等に圧力をかけることを依頼し、その報酬として金銭を支払った場合
- 事業者が、事業活動に関する契約上のトラブル等を解消するため、暴力団員に交渉での場に同席し、相手方を脅すことを依頼し、その報酬として金銭を支払った場合
などが調査、勧告、事実の公表の対象になります。
Q13
条例第19条第2項では、暴力団の活動又は運営に協力する目的で、相当の対償のない利益の供与についても条例違反になると定めてありますが、どのような行為が当たるのですか。
A13
暴力団の活動又は運営に協力する目的とは、
- 暴力団の活動の拠点である組事務所の修繕や改修に協力すること
- 暴力団が金を得る目的で開催する襲名披露等でご祝儀を渡すこと
- 暴力団名が入った看板、印刷物、贈答品等の依頼を受けること
- 暴力団の組織が集まる会合の場所を提供すること
など、暴力団の活動や運営に積極的に手助けしたり、役立つことを知ってあえてこれに応ずることです。
相当の対償のない利益の供与とは、前記の例示に関して
・ 暴力団という理由で、料金を徴収しなかったり、割引をした場合
で、例としては、
- 事業者が所有管理する駐車場を、暴力団事務所の駐車場として無料で貸した場合
- ガソリンスタンドで暴力団の車を無料で洗車した場合
- 暴力団が主催する会合と知りながら、飲食店やホテル等の利用を無料又は通常料金より割引した料金で契約した場合
などがあります。
Q14
条例第19条第3項では、その事業に関し、情を知って、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる利益の供与をしてはならないとありますが、どのような行為があたるのですか。
また、違反になるのか判断ができない場合は、どうすればいいのですか。
A14
通常の料金等で契約した場合でも、暴力団であることを知りながら暴力団の組織の維持、拡大、資金獲得を助ける契約である場合は条例違反に該当します。
例としては、いずれも通常の料金で
- 暴力団事務所が使用する駐車場と知りながら契約する場合
- 暴力団組織が開催する会合であることを知ったうえで、会合の場所を提供する場合
- 暴力団組織の名前が入った服、印刷物、調度品、贈答品等の依頼を受けた場合
などです。
条例違反になるかどうか、疑問な点があれば警察に相談してください。
Q15
事業者が暴力団員であることを知りながら雇うことは違反になりますか。
A15
雇うことだけで直ちに条例違反になるとはといはいえませんが、暴力団員等との一切の関係を断つことを定めている努力義務規定に触れます。また、
- 実際は仕事をしていないのに給与を払うこと
- 仕事の内容に見合わない法外な給与を支払うこと
など特別な扱いをし、暴力団の活動又は運営に協力すれば、条例に違反する行為となります。さらに、暴力団員を雇っている事業者は、元請け、下請けを問わず公共工事に従事することができません。
Q16
調査、勧告、事実の公表とはどのようなものですか。
A16
条例違反の中でも悪質な行為を行った違反者(暴力団、暴力団員等及び事業者)に対する措置のことです。
「調査」とは、条例に違反にするかどうかを確認するため、公安委員会が当事者や関係者に対して、説明又は資料の提出を求めることです。
「勧告」とは、調査により条例に違反することが分かった場合、違反となる関係を中止するよう書面で当事者に伝えることです。
「事実の公表」とは、勧告に従わない場合、違反の事実が分かるよう鳥取県公報や警察のホームページ等に載せることです。
Q17
暴力団排除活動を行う場合に、身の安全はどのように守ってもらえますか。
A17
警察では、条例の目的を達成するためには、県民の皆様に、より積極的に暴力団の排除のための活動に取り組んでいただく必要があることから、暴力団から危害を加えられるおそれがあると認められる方については、必要により警察官による警戒活動を行うなどの保護対策の措置をとり、県民、事業者の方が安心して暴力団との関係を断つことができるよう万全を期すこととしています。
保護対策の対象となる方は
- 暴力団等による犯罪の被害者や参考人
- 暴力団の排除のための活動を行っている人
- 暴力団等との取引、交際その他の関係の遮断を図る企業等の関係者
- 暴力団から離脱した人及びその意志を有する人
などです。
暴力団から何らかの危害を加えられるおそれのある場合は、最寄りの警察署、警察本部刑事部捜査第二課又は暴追センターにご相談ください。
緊急の場合は、110番通報してください。
- 鳥取県警察本部刑事部組捜査第二課
電話 0857-23-0110(代表) 内線 4524
- 鳥取警察署(刑事第二課捜査第二係)
電話 0857-32-0110(代表)
- 郡家警察署(生活安全刑事課)
電話 0858-72-0110(代表)
- 智頭警察署(生活安全刑事課)
電話 0858-75-0110(代表)
- 浜村警察署(生活安全刑事課)
電話 0857-82-0110(代表)
- 倉吉警察署(刑事課捜査第二係)
電話 0858-26-7110(代表)
- 琴浦大山警察署(生活安全刑事課)
電話 0858-49-8110(代表)
- 米子警察署(刑事第二課捜査第二係)
電話 0859-33-0110(代表)
- 境港警察署(生活安全刑事課)
電話 0859-44-0110(代表)
- 黒坂警察署(生活安全刑事課)
電話 0859-74-0110(代表)
- 公益財団法人鳥取県暴力追放センター(暴追センター)
電話 0857-27-9110