子どものためにスマートフォンを購入しようと思っているが、気をつけなければならないことは何か。
コンピュータウイルス対策
多機能携帯電話である「スマートフォン」が普及しています。
スマートフォンでは、インターネットの様々なサイトを、パソコンと同じように見ることができます。このページを、スマートフォンで見られている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、「アプリ」と呼ばれる様々なソフトを追加することで、スケジュール管理やバスや鉄道などの経路検索、ゲームなどの機能を強化することもできます。アプリの中には、ワープロなど、パソコン用ソフトと同じようなことができるものもあり、社会人を中心に利用者が増えてきているようです。
こうしてみると、スマートフォンは、携帯電話というより、むしろ携帯できる小型パソコンと言った方が適切なのではないでしょうか。
ただ、スマートフォンとパソコンの大きな違いは、「スマートフォンにはもれなく個人情報が保存されている。」ということです。
パソコンに近いとはいえ、やはり携帯電話ですから、家族や知人などの電話番号やメールアドレスなどが電話帳に登録されているでしょう。また、仕事用のパソコンとは違い、私的なメールもたくさん保存されていることと思います。
こういった状況の中で問題となってきているのが、スマートフォンを狙ったコンピュータウイルスです。
スマートフォンを狙ったウイルスがどのような動きをするのか、ここで一例を紹介します。
- 電話帳のデータやメールを盗み出す。
- マイクを遠隔操作して、持ち主の周囲の音を盗聴する。
- カメラを遠隔操作して、持ち主の周囲の風景を盗撮する。
- GPSの情報を取得して、持ち主の居場所(緯度経度)を特定する。
いかがでしょうか。パソコンを狙ったウイルスとはまた違った恐ろしさがあることがお分かりいただけたでしょうか。
スマートフォンのウイルスは、ゲームやちょっとした便利アプリを装って、スマートフォンに入り込むことが多いので、次の点に注意しましょう。
- アプリは必ず公式サイト(Android携帯であれば「Google Play」、iPhoneであれば「AppStore」)からダウンロードするようにする。
- メールで届いたアプリをインストールしない。
- インストール前に、アプリの評価や使用許諾をよく確認する。
- インストール時に「アクセス許可」を確認する。
- スマートフォンをアップデートする。
以上のことに注意するだけでも、大部分のウイルスの侵入を防ぐことができますが、巧妙に作られたウイルスに対応するためには、ウイルス対策ソフトを導入することが最も効果的です。各携帯電話事業社からそれぞれウイルス対策ソフトが提供されていますので、導入の検討をしてみてください。
フィルタリング設定
鳥取県青少年健全育成条例により、青少年(18歳未満の者(婚姻している者を除く。))が使用する携帯電話やパソコンにフィルタリングの設定が義務づけられていますので、青少年が使用するスマートフォンにもフィルタリング設定がされていることと思います。
しかし、スマートフォンの場合、携帯電話回線(3G回線等)以外にも、無線LAN(Wi-Fi回線)でもインターネットに接続することができます。携帯電話のフィルタリングは、携帯電話回線を使ったインターネット接続に対して設定されるため、無線LANを使ったインターネット接続では、有害サイトへのアクセスを止めることができません。
そこで、スマートフォンの場合には、通常のフィルタリング設定に加えて、無線LANの通信のフィルタリングや無線LANでの通信を無効にするアプリをダウンロードし、設定を行う必要があります。
どのような設定が必要なのかは、スマートフォンの機種や携帯電話事業者によって様々ですが、ほとんどの場合、
- アプリごとの使用の可否
- アプリのインストールの可否
- 無線LANの使用の可否
- 無線LANによるインターネット接続の際のフィルタリング
などを設定することになります。
この設定は、保護者自身が行う必要があります。「子どもの方が機械に詳しいから」と言って、これらの設定をお子さんに任せてしまうと、結果的に子どもを守るはずの機能が有効に働かず、子ども達が無用なサイバー犯罪やトラブルに巻き込まれてしまうことにもつながります。
スマートフォンは、インターネットをより便利に使うための大変すばらしい機器です。しかし、便利さの裏には大きな危険も潜んでいることを忘れずに、セキュリティ対策をしっかり行ってください。