議員提出議案第6号

B型・C型肝炎患者の救済に関する意見書

 この議案を別紙のとおり提出する。
  平成24年10月12日 

 

                                                   福祉生活病院常任委員会 

                                                     委員長 浜田 妙子 

B型・C型肝炎患者の救済に関する意見書

 

 我が国には、B型・C型肝炎感染者・患者が350万人いると推定され、その大半は、集団予防接種、注射針の使い回し、輸血、血液製剤の投与などの医療行為による感染が原因とされる。このような感染被害の拡大を招いたことに対する「国の責任」と、肝炎患者を救済する責務が明記された肝炎対策基本法が平成22年1月に施行された。

 しかし、「薬害肝炎救済特別措置法」による裁判で救済された薬害C型肝炎患者はほんの一握りで、注射針の使い回しや輸血が原因の患者・遺族に対する救済の仕組みはできていない。

 集団予防接種によるB型肝炎感染被害については、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法が平成23年12月に成立したが、母子感染ではないとの証明など、救済条件を満たして裁判による救済が可能な患者は数万人とされ、証明できない大多数の患者や死亡した患者の遺族は、救済の対象外に置かれている。

 このように現行法によって法的救済、補償を受けられる患者はごく一部であり、救済を受けられない多くのB型・C型肝炎患者等に対して、国が感染被害を償い、肝炎治療と生活を支える公的支援制度を確立することが求められている。

 よって、国においては、B型・C型肝炎患者等を救済するため、次の事項について、速やかに実現するよう強く要望する。

                                      記

 1 肝炎対策基本法に基づき、患者救済に必要な法整備及び予算化を進め、救済策を実施すること。

 2 肝炎治療薬、検査費及び入院費への助成をはじめ、肝炎治療費への公的支援制度を確立すること。

 3 肝硬変、肝がん患者への障害者手帳の交付基準を改善し、患者の救済を図ること。

 4 治療体制、治療環境の整備、治療薬・治療法の開発、治験の迅速化等を図ること。

 5 肝炎ウイルスの未検査者、ウイルス陽性者の未治療者の実態を調査し、早期発見・早期治療につながる施策を講じるとともに、B型・C型肝炎への偏見差別の解消、薬害の根絶を図ること。

 6  「薬害肝炎救済特別措置法」による救済の枠組みを広げ、血液製剤による感染の可能性が高い薬害C型肝炎患者を広く救済する措置を講じること。

 7 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法を改正し、集団予防接種の注射針の使い回しによる感染の可能性のあるB型肝炎患者を広く救済する措置を講じること。

 8 医原病であるB型・C型肝炎による死亡者には一時金、感染者には健康管理手当を支給する法制度の確立によって、感染被害が償われ、持続的に治療を続けられる環境を整備すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


   平成24年10月12日


                      鳥取県議会


衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣    様
法務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

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