議員提出議案第3号
アルコール健康障害対策基本法(仮称)の制定を求める意見書
この議案を別紙のとおり提出する。
平成25年10月8日
アルコール健康障害対策基本法(仮称)の制定を求める意見書
アルコール飲料は、古くから生活の中で親しまれており、これを適度に楽しむことは、私たちの暮らしに潤いを与える等の効能をもたらすほか、人間関係の円滑化を図る有効な手段としても利用されている。
その一方で、アルコール飲料の過度な摂取は、肝臓をはじめとした臓器の疾患、生活習慣病、アルコール依存症等の心身の健康障害の原因となり、本人を蝕むだけでなく、家族の人生にも深刻な影響を及ぼすほか、飲酒運転や暴力事件等の犯罪の誘因となり、重大な社会問題にもなっている。わが国において、こうしたアルコール依存症患者は、平成15年に行われた全国調査の時点で既に約80万人、その予備群を含めると約440万人にも上ると推計されている。
国際的には、世界保健機関(WHO)が平成22年に「アルコールの有害な使用を低減する世界戦略」を全会一致で採択し、「国が適切な行動をとれば、アルコールの有害な使用は低減できる」として、加盟国に施策の推進と報告を求めており、既に多くの国々が対策に取り組んでいるところである。
しかしながら、わが国ではアルコールによる心身の健康障害や、アルコールに関連して生じる暴力、飲酒運転等について、個人だけでなくその家族、社会にも取り返しがつかない損害を与える蓋然性の点から見て問題があるにもかかわらず、総合的な施策を定めた法律がなく、十分な対策が講じられていないのが現状であり、世界に対して非常に遅れていると言わざるを得ない。
よって国におかれては、アルコールに係る課題についての対策を総合的かつ計画的に推進し、国民の健康を保護するとともに、安心して暮らすことのできる社会の実現に資するため、アルコール健康障害対策基本法(仮称)を早急に制定されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年10月 8日
鳥取県議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
厚生労働大臣