議員提出議案第4号
特定秘密保護法の慎重な執行を求める意見書
この議案を別紙のとおり提出する。
平成25年12月17日
特定秘密保護法の慎重な執行を求める意見書
特定秘密の保護に関する法律(以下「特定秘密保護法」という。)は、多くの法律家やジャーナリスト、市民団体が激しく反対する中、採決が強行され、可決成立した。秘密の範囲が曖昧で官僚による恣意的な秘密指定が可能なうえ、秘密指定の妥当性をチェックする仕組みも不十分で、「知る権利が阻害されるのではないか」という多くの国民の疑念は国会審議の中で、ぬぐい去ることはできなかった。政府に都合の悪い情報は特定秘密とされ、いつかきた道を歩むのではないかと多くの国民が戦前を想起して心配している。
そもそも、国政は国民の信託によって行使されるものであり、主権者に対して秘匿しなければならない情報は基本的にはあってはならず、外交や防衛、犯罪防止など特段の事情がある場合に限って、極めて限定的に容認されるべきである。しかも、現行法体系の中でも、公務員に対する機密漏洩罪も存在している。その一方、明治時代の山城屋事件や大正時代のシーメンス事件に始まり、ダグラス・グラマン事件やロッキード疑惑、防衛庁調達実施本部背任事件、防衛施設庁談合事件など防衛費にからむ贈収賄事件や汚職事件は繰り返され、防衛というくくりで情報が秘匿されること自体に大きな問題も感じる。
よって国におかれては、特定秘密保護法の施行にあたっては、同法を利用していたずらに国民の知る権利を阻害したり、同法を根拠にジャーナリストや法律家による行政監視活動を妨害したりすることがないよう慎重な上にも慎重に法律を運用していただくよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月17日
鳥取県議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣 様
防衛大臣
内閣府特命担当大臣
内閣官房長官