現場科学検査班運用要綱の制定について(例規通達)
昭和62年8月31日
鳥科例規第1号
改正 平成10年鳥科例規第3号、平成29年7月13日鳥刑企例規第5号、令和5年鳥刑企例規第2号
近年における科学技術の急速な進歩、情報化並びに国際化の進展等の社会情勢の変化は、新型犯罪の発生を含め、犯罪の一層の複雑多様化、巧妙化と捜査活動の困難化をもたらしている。
このような現状の下においては、犯罪情勢の変化に的確に対応できる鑑識体制の確立と、高度な科学捜査の推進が不可欠であるところから、この度、刑事警察充実強化対策の一環として、現場科学検査班を編成し、専門技術職員による科学的知識・技能を現場捜査の段階から活用して、事件の早期解決を図るため、別添「現場科学検査班運用要綱」を制定し、昭和62年9月1日から実施することとしたので、効果的運用ができるよう配意されたい。
別添
現場科学検査班運用要綱
第1 目的
この要綱は、現場科学捜査班の任務、編成及び出動の基準並びに活動要領等について、必要な事項を定めることを目的とする。
第2 任務
現場科学検査班は、その専門的知識、技能を活用して、次の各号に掲げる事件(以下「要出動事件」という。)の現場において、法医・理化学に関する技術指導及び科学的検査を適正に実施し、事件事故の早期解決に当たることを主たる任務とする。
(1) 殺人、強盗、不同意性交等、放火等の重要凶悪事件
(2) 重要又は特異な窃盗事件
(3) 特殊事件
(4) 重要交通事故・事件
(5) その他警察本部長が特に命じた事件・事故
第3 設置及び編成
1 刑事部科学捜査研究所に、現場科学検査班を置く。
2 現場科学検査班は、3名編成とし、法医科、化学科及び物理科の職員をもって充てる。
第4 出動
科学捜査研究所長は、要出動事件を認知し、必要と認めるときは直ちに現場科学検査班を出動させるものとする。
第5 報告
現場科学検査班は、現場活動を終了したときは、速やかにその結果を現場科学検査活動報告書(別記様式)により、科学捜査研究所長に報告するものとする。
第6 教養訓練
1 科学捜査研究所長は、現場科学検査班員に対し、現場鑑識及び検査活動に必要な教養訓練を計画的に実施するものとする。
2 現場科学検査班員は、出動に備えて、平素から現場活動に必要な専門的知識、技能の修得と資器材の点検整備に努めなければならない。
別記様式 省略