道路使用許可の取扱いについて(例規通達)
平成10年3月19日
鳥交企例規第5号
改正 平成12年鳥交企例規第4号、平成13年鳥交企例規第4号、平成15年鳥交企例規第2号、平成17年鳥交企例規第4号、平成17年鳥務例規第6号、平成20年鳥交企例規第10号、平成21年鳥交企例規第3号、平成22年鳥務例規第3号、平成27年鳥交規例規第2号、平成28年鳥監察例規第2号、令和2年鳥務例規第3号、令和2年鳥務例規第13号
対号
昭和36年2月16日付け鳥ら発第113号「道路使用許可の取扱いについて(例規)」
道路交通法(昭和35年法律第105号)第77条の親定に基づく道路使用許可の取扱いについては、対号例規通達に基づいて運用してきたところであるが、現状にそぐわない点があることなどから別添のとおり「道路使用許可取扱要領」を定め、平成10年4月1日から運用することとしたので、事務処理に誤りのないようにされたい。
なお、対号例規通達は平成10年3月31日限り廃止する。
別添
道路使用許可取扱要領
第1 目的
この要領は、道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)第77条の規定に基づき、警察署長及び高速道路交通警察隊長(以下「警察署長等」という。)が行う道路使用許可(以下「許可」という。)の取扱いについてその適正と斉一を図るため必要な事項を定めることを目的とする。
第2 許可の対象
許可の対象となる行為は、法第77条第1項及び鳥取県道路交通法施行細則(昭和35年鳥取県公安委員会規則第8号。以下「細則」という。)第12条各号に規定されている行為であるが、その運用については次のとおりとする。
1 法第77条第1項第1号に規定する行為
「道路において工事若しくは作業」とは、道路そのものの工事はもとより、道路の地盤面下に水道管等を増設する工事、道路の上空においてゴンドラ等を使用する作業、その他主たる工事が道路外で行われていても工事の一部が道路上に突出して交通の障害となるものなど道路上を使用する工事又は作業の全部をいう。
2 法第77条第1項第2号に規定する行為
「これらに類する工作物」とは、その工作物が道路上に設置され、又は道路上の空間を占め他の交通の障害となるおそれがなるものをいう。なお、同号に該当するものを設置するための工事及び作業は、本号に包含される。
3 法第77条第1項第3号
⑴ 「これらに類する店」とは、露店、屋台店に似た形態で物品の販売若しくは修理をし、又は客に飲食させるため、道路に設けられた施設、設備をいう。
⑵ 露店等については、道路上において商売を行うことは原則として認められないという方針で対応することとし、社会慣習上やむを得ないと認められる露店、屋台店、従来から行われており商習慣上やむを得ないと認められる歳末大売出しなどにおける商店の陳列台等に限ること。
4 法第77条第1項第4号
⑴ 「公安委員会が……定めたもの」とは、細則第12条各号に掲げる行為をいう。
⑵ 細則第12条各号の解釈等については、
○ 「鳥取県道路交通法施行細則の運用及び解釈について(例規通達)」(平成8年2月1日付け鳥交企例規第2号外共発)
○ 「催し物、路上競技及びカーレースに伴う道路使用許可取扱要領の制定について(例規通達)」(平成21年2月26日付け鳥交企例規第2号)によって示したので、それに従うこと。
第3 許可の申請
1 許可申請書
⑴ 法第77条第1項第1号に掲げる行為の許可の申請者は、工事等を行おうとする者又は当該工事等の請負人で、かつ、工事等全般について管理している者とする。
なお、申請者が法人の場合は、その代表者とする。
⑵ 法第77条第1項第2号から同項第4号までに掲げる行為の許可の申請者は、当該行為を行おうとする者とする。
2 許可の申請先
⑴ 許可申請は、道路を使用する場所を管轄する警察署長等に対して行わせるものとする。
⑵ 許可申請に係る場所が県内の2以上の警察署の管轄にわたる場合は、原則としてその主たる場所又は出発地を管轄する警察署長に対して申請を行わせるものとする。
⑶ 許可申請に係る場所が2以上の公安委員会の管轄にわたる場合は、それぞれの公安委員会の管理に属する警察署長に対して申請を行わせるものとする。この場合、当該道路使用の許可行為が他県から移動してくるマラソン等については、原則として最初に入県することとなる場所を管轄する警察署長に対して申請を行わせるものとする。
3 許可申請に必要な書類等
⑴ 新規の許可申請
新規の許可申請は、「道路許可申請書」(道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「規則」という。)第10条第2項に規定する別記様式第60以下「申請書」という。)を2通提出させること。ただし、鳥取県交通安全活動推進センターに調査委託をしている警察署にあっては、申請書を3通提出させるものとする。
⑵ 再交付申請
道路使用許可証(以下「許可証」という。)の再交付申請は、次の書類を提出して行わせるものとする。
ア 「道路使用許可証再交付申請書」(規則第12条に規定する別記様式第8)
イ 当該許可証(当該許可証を亡失又は滅失した場合は、提出を要しない。)
ウ 当該許可証と同一の申請内容を記載した申請書及びその添付書類
⑶ 記載事項変更届
許可証の起債事項の変更の届出は、「道路使用許可証記載事項変更届書」(規則第11条に規定する別記様式第7)及び当該許可証を提出して行わせること。
なお、変更内容が当該許可証の内容と実質的に異なる場合は、新規の許可申請をさせること。
4 許可申請書受理時の配意事項
許可申請書の提出を受けたときは、次の事項について確認し、所定の様式で内容が具備されている場合は、これを受理し、「道路使用許可申請処理簿」(様式第1号。以下「処理簿」という。)に必要事項を記載すること。
⑴ 申請内容は、許可の対象行為であるか。
⑵ 申請者は第3の1に規定する許可申請者であるか。
⑶ 申請書は所定の様式を使用しているか。
⑷ 申請書の記載事項が充足されているか。
⑸ 当該申請に必要な添付書類が具備されているか。
第4 許可の基準
1 許可基準の考え方
法第77条第2項では、道路使用許可申請があった場合に、警察署長は、同項の第1号ないし第3号の規定に該当する場合は、許可しなければならないと規定されており、いわゆる覊束裁量処分に属するものであることを表している。
したがって、本項各号のいずれかの要件を充たしているにもかかわらず警察署長が不許可処分をした場合は、その処分は違法な処分となるものである。
2 法に規定する許可基準
⑴ 法第77条第2項第1号関係
「当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき。」とは、許可の申請の内容となっている行為をそのまま行ったとしても、その時点においては現実の交通の妨害となるおそれがないと考えられる場合のことである。
「妨害となるおそれがない」とは、妨害のおそれがまったくないという意味ではなく、多少の妨害を生じるおそれがあっても、それが社会通念上容認し得る程度のものにとどまるものも含むと解される。
⑵ 法第77条第2項第2号関係
「当該申請にかかる行為が許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき。」とは、許可に条件を付し、相手方がその条件を守りさえすれば、社会通念上容認できない程度の妨害を生ずるおそれがないと認められる場合である。
⑶ 法第77条第2項第3号関係
「当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき。」とは、許可の申請内容となっている行為により生じる交通の妨害の程度と当該行為の社会公共の利益又は類似の行為が許可対象行為として多く行われている実態があり、かつ、そのことが伝統的・社会的に是認されている場合であり、このような行為を行う場合での必要性とを比較衡量した場合、公益性又は社会慣習が交通の妨害の程度を上回るため、許可することがやむを得ないと認められる場合である。
第5 許可件数の単位
1 許可件数の原則
許可は、原則として道路を使用する一つの行為について1件の許可として取り扱うものとする。
一つの行為とは、意思の主体、目的、時間、場所、方法又は形態がそれぞれ一つであるものをいう。
2 例外的な取扱い
法第77条第1項各号に該当する行為のうち、電柱、マンホール、有線テレビ架空線の各家庭への引き込み等の工事を連続して行うような場合に、形式的には2以上の行為に当たるものであっても、同一の申請者が同一の警察署管内の場所的に近接した道路において、時間的に連続して同一の行為を行う場合については、道路使用の場所、区間、期間、時間を限定した上で例外的に包括して1件の許可として取り扱うことができるものとする。
第6 許可の条件
1 条件の根拠および限界
許可の条件は、法第77条第3項に規定されているとおり「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため」に必要な範囲とされており、これを超えて付された条件又はこれ以外の目的で付された条件は無効と解される。したがって、「許可証を携帯すること」、「住民対策を徹底すること」などの注意的、確認的事項については、許可条件とは別に指導事項として付すること。
2 条件付与に当たっての配意事項
⑴ 条件は、必要最小限度にとどめ、申請者に過重な負担を強いるものではないこと。
⑵ 条件は、交通の障害を除去するため、個々の行為に応じた具体的内容とすること。
⑶ 条件は、交通上の目的以外の内容を含まないものとすること。
3 条件の変更
⑴ 交通状況の変化等により、条件を新たに付し、又は条件を変更する必要が生じた場合は、当該許可の申請者に対し、「道路使用許可条件変更通知書」(様式第2号)により通知すること。
⑵ 交付した道路使用許可条件変更通知書の控えは、当該申請書の末尾に添付する外、処理簿に所要事項を記載し、経過を明らかにしておくこと。
第7 許可の期間
1 許可期間の基本的な考え方
道路使用許可の期間については、法条の明文の規定はない。しかし、道路使用を無制限に行わせることは、道路の効用を害し、一般交通に著しい影響を及ぼす結果となるため、許可に期間を設けることは必要でる。この場合の許可の期間は、行為の目的、場所、方法又は形態と一般交通の実態等を相互に勘案し、交通管理上必要最小限の期間とすることが必要である。
2 許可期間の基準
⑴ 法第77条第1項第1号の許可
原則として1箇月以内とする。ただし、電線共同溝設置工事等長期間にわり同一箇所(区間)、同一形態で行う工事で、交通への影響に変化がないものについては、3箇月以内の期間とすることができる。
⑵ 法第77条第1項第2号の許可
恒久的工作物については、道路管理者の占用期間と同一とする。ただし、一時的に設置するものについては、必要最小限の期間とする。
⑶ 法第77条第1項第3号及び第4号の許可
必要最小限の期間とする。
第8 許可手数料
1 手数料の徴収
法第77条第1項の規定による許可又は法第78条第5項の規定による許可証の再交付については、鳥取県警察手数料条例(平成12年鳥取県条例第38号)の規定に基づいて徴収すること。
2 手数料を免除することができるものについて鳥取県警察手数料の免除に関する規則(平成17年鳥取県規則第76号)に規定されているが、その解釈等については、別表のとおりである。
第9 関係警察署長との協議及び通知
1 協議
道路の使用区間又は場所が2以上の警察署管内にわたる許可申請を受理した警察署長は、当該行為について日時、場所、使用目的、方法、形態及び付すべき条件について関係警察署長と協議し、調整を図るものとする。
2 通知
協議の上、調整を図った許可行為については、当該許可証の写し等一件書類を関係警察署長に通知すること。
第10 本部への報告
次に該当する場合は、あらかじめ交通規制課を経由して報告すること。
⑴ 他の警察署又は他の公安委員会の管轄にわたるとき。
⑵ 主要幹線道路、繁華街の道路等交通ひんばんな道路における工事等で一般交通に著しい影響を及ぼすおそれのあるとき。
⑶ マラソン、駅伝、自転車ロードレース等の路上における協議又は祭礼等の路上における行事を新規に行うとき。
⑷ 不許可又は許可の取消し若しくは効力の停止を行うとき。
⑸ その他特異な事案
第11 許可証の作成、交付等
1 許可証の作成
⑴ 許可証は、申請書の「道路使用許可証」欄への記載及び押印により作成する。
⑵ 許可条件を別紙に記載する場合は、許可証の条件欄に「別紙のとおり」と記載し、別紙を許可証に添付して割印をすること。
2 許可証の交付
⑴ 許可証は、原則として当該許可の申請者に交付すること。
⑵ 許可証の交付に際しては、処理簿に交付年月日等所要事項を記載の上、受領者に氏名を記載させるなど、処理のてん末を明らかにしておくこと。
3 許可証の再交付
⑴ 再交付する許可証の「道路使用許可証」欄には、再交付に係る許可証と同一内容を記載(押印)するとともに、余白に「再交付」文字及び再交付年月日を朱書きすること。
⑵ 再交付申請書は、警察署に保管するものとする。
第12 許可後の措置
警察署長等は、許可に係る道路使用について、許可条件の遵守状況、事故防止措置の状況、原状回復状況等を確認し、必要な措置が講じられていない場合は、被許可者に対して指導するなど道路使用の適正を期すること。
第13 許可の取消し又は効力の停止
1 取消し又は効力の停止の事由
警察署長等は、許可を受けたものが次の事由に該当するときは、その許可を取り消し、又は効力を停止することができる。
⑴ 許可に付された条件に違反したとき。
⑵ 道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため特別の必要が生じたとき。
2 取消し又は効力の停止の手続
⑴ 取消し又は効力の停止を行う場合は、当該事案を詳細に把握して、写真、見取図等により許可条件違反等を明らかにした報告書及び当該違反行為にかかわる関係者の供述調書等を作成し、処分を必要とする理由を明確にしておくこと。
⑵ 許可条件違反による取消し又は効力の停止に際しては、被処分者に対し、「弁明通知書」(様式第3号)を交付し、あらかじめ弁明をなすべき日時、場所及び処分事由を通知すること。ただし、交通の危険防止上、緊急やむを得ない場合には、弁明等の機会を与えることを要しない。
⑶ 被処分者の弁明は、交通課(鳥取警察署及び米子警察署にあっては交通第一課、郡家警察署、智頭警察署及び浜村警察署にあっては地域交通課とする。)の幹部が聴取し、「弁明調書」(様式第4号)に録取すること。
3 取消し又は効力の停止期間の決定
取消し又は効力の停止は、事案の概要、弁明内容、条件違反の軽重、過去の行政処分状況等を総合的に判断して行政処分の量定を行うものとする。
なお、効力の停止期間は、許可条件違反を是正して、交通の危険又は妨害を排除するために必要な日数と将来許可条件違反をさせないための措置に必要な準備日数を加えたもの、又は効力の停止理由が解消するまでに要する期間とすることが適当である。
4 取消し又は効力の停止の処分通知
取消し又は効力の停止の処分を行う場合は、被処分者に対し、「道路使用許可取消し(停止)通知書」(様式第5号)を交付し、処分の内容を通知すること。なお、取消し処分をしたときは、許可証を返納させ、停止処分を行ったときは、許可証に「効力停止」と朱書きした上、当該「道路使用許可停止通知書」の写しを添付し、被処分者に還付すること。
5 取消し又は効力の停止後の措置
⑴ 許可行為を直ち中止させること。
⑵ 取消しした場合は、速やかに道路の原状回復措置を講じさせること。
⑶ 効力を停止した場合は、必要な保安要員の配置、保安施設等の設置又は道路の原状回復措置等の交通障害防止措置を講じさせること。
6 道路管理者への通知
当該許可が道路法(昭和27年法律第180号)第37条第1項に規定する占用の禁止又は制限を受けているときは、「道路使用許可取消し(停止)連絡書」(様式第6号)を速やかに道路管理者に送付すること。
7 関係書類の保存等
処分関係書類は、当該申請書の末尾に添付して保管するとともに、処理簿に所要事項を記入し、経過を明らかにしておくこと。
別表、様式 省略