所管事項にかかる県外調査(7月15日~17日)
1.日時
平成27年7月15日(水)~17日(金)
2.調査箇所及び調査事項
○平成27年7月15日(水)
(1)日本政策投資銀行(東京都千代田区)
・日本型DMOについて
(2)国土交通省観光庁(東京都千代田区)
・訪日プロモーション戦略について
・外国人旅行者の地方への誘客について
○平成27年7月16日(木)
(3)特別天然記念物魚津埋没林博物館(魚津市)
・貴重な地域資源を生かした観光誘客の取組について
(4)あいの風とやま鉄道(富山市)
・並行在来線の3セク化について
・利用促進に向けた取組について
○平成27年7月17日(金)
(5)石川県庁(金沢市)
・STEP21の全体概要について
・観光誘客拡大に向けた具体的な取組について
3.調査議員(8名)
福田委員長、野坂副委員長、森委員、長谷川委員、浜崎委員、前田委員、横山委員、澤委員
4.随行者
鳥取県議会事務局 調査課 田中課長補佐
尾崎係長
5調査結果
外国人観光客はもとより、国内観光客に対しても、DMOの取り組みは有効であると感じた。現在、県内の誘客促進策を担っているのは、観光連盟、観光協会等の行政的な組織である。それらは一定の役割を果たしているものの、行政的な側面が強いため、内向きの宣伝に終始したり、セールスポイントのはっきりしない画一的な活動となりがちである。
今後、外国人を含め、幅広い観光誘客を目指すのであれば、地域の特徴を観光資源として売り込んでいける人と組織づくりは喫緊の課題である。
いつまでも、行政主導の体制では限界がある。しかし、民間のみに任せてしまうと優勝劣敗となってしまい、地域間格差が大きくなってしまう。議会としては、やる気のある地域に対しては、その特徴を生かした取り組みができるようお手伝いしたいと思う。
外国人誘客の際には、CIQの体制がネックとなることが多いと感じていたが、どんどん外国人を受け入れることがCIQの充実に繋がることが分かり、少々驚きを禁じ得ない。利便性との兼ね合いもあろうが、前向きに誘客増に取り組んでいくことは重要なことであると感じた。
また、鬼太郎等のキャラクターと本県のPRについて、メディアと歩調を併せて行うことの重要性を再認識した。ともするとキャラクターに頼りすぎている感が否めない現状がある。執行部は、しっかりと戦略を持ってキャラクターとの相乗効果を充分に発揮させて欲しい。
加えて、日本政策投資銀行でお聞きしたDMOに対する期待度と観光庁でお聞きした観光庁側の同制度に関する期待度には、少々温度差があるように感じた。DMOに対する両者の期待度の違いなのかと感じた。同制度の動向は、地方創生とも絡めて注視する必要があると感じた。
「埋没林」、「蜃気楼」という魚津にしかないものとそれらに深く関わっている「水循環」を中心に据えた展示内容は、地味ではあるが、大変見応えがあった。「埋没林」を発掘したままの水に浸かった状態で展示し、「蜃気楼」の発生する仕組みを映像で解説する等、地域の特徴を生かした展示内容となっていた。
また、地元の小学生に対して体験メニューを売り込んだり、市民に対して情報提供を行う等、地味ではあるが、大変評価できると感じた。
オンリ―ワンの展示内容は、今後、本県における施設整備の参考になると感じた。
本県における高速鉄道に対する取り組みは、緒に就いたばかりであり、その実現可能性は未知数である。今の時点で具体的なことは、言及できないものの、地域住民にとっての利便性を一番に考える必要があることを痛感した。
高速化で恩恵を受ける住民がある一方で、日常生活のための移動手段を奪われる住民があり得るということである。我々、議会は執行部とも協力して、高速鉄道導入の際には、高速化の一面ばかりに目を奪われることなく、導入により発生するデメリットに対しても県民に充分説明し、一方、デメリットを最小限に止める努力を行う必要があると感じた。
イベントの実施に際しては、ともするとイベント本体の成功に目が行ってしまい、イベントをする目標が希薄になったり、忘れられたりする。しかし、石川県の「STEP21」の場合は、計画段階から緻密に練り上げられ、関係部局間で連絡を密に取り組んでこられたことがよく分かった。その成果の一つが今日の観光客の増加に繋がっているものと感じた。
本県が実施する各種イベントも、緻密な計画、開催目的の明確化に留意されることを希望する。