最近、サイバーテロなる言葉が、しばしば使われるようになってきました。
サイバーテロとは、細かいことをいうといろいろな定義があるのですが、おおむね、
インターネットをはじめとしたコンピュータ・ネットワークを経由して、社会の重要なシステム(治安、国防の用に供するものをはじめ、電気、ガス、水道、鉄道、航空、金融等の用に供するもの等、私たちが社会生活を営む上で必要不可欠なシステム)に侵入し、データを破壊、改ざん等して機能不全に陥らせ、もって、社会混乱を引き起こす行為
のことを指しているようです。これは、もちろん、「サイバー犯罪」の一分野に当たるわけですが、サイバー犯罪の中でも最も深刻で、私たちの生活に甚大な被害を及ぼす危険があるものです。
サイバー犯罪が急増していることは、皆さんも身近に感じられるところかもしれませんが、その最も深刻な一類型であるサイバーテロにつながりかねない犯罪も、起きつつあります。また、平成13年の米国における同時多発テロに象徴されるように、犯罪者集団のテロの手法には聖域がなくなりつつあり、考え得るあらゆる手段を用いてテロが敢行されるようになってきており、コンピュータ・ネットワークを用いたテロ行為であるサイバーテロの危険性が高くなっているのが実情です。
その一方で、サイバーテロは、他のテロと違い、その対象となるシステムを管理している者がきちんと管理責任を果たしていれば、防圧し得るテロでもあるのです。したがって、システムを管理している役所・企業と治安維持の責を負っている警察とが一体となり、対策を講じていくとともに、何か発生した場合にはその予兆の段階から的確な対応を行い、テロに発展してしまうことを未然に防ぐ、また、万一発生してしまった場合にはその初期段階で的確に処置し被害を最小に抑える、といった活動が、重要な意味をもってきます。
このことから、県警察では、「鳥取県警察サイバーテロ対策プロジェクト」を設置し、サイバー犯罪対策課と密接な連携のもと、社会の重要インフラを管理しておられる県内の役所・企業の方に対し、インターネット上の治安情勢について定期的に情報を提供し意見交換を行うとともに、懸念されておられる点に対しては助言させていただく、といった活動を行っています。対象となる役所や企業に対しては、県警察の担当者が順次訪問等させていただき、意見交換等を行わせていただいておりますが、まだ訪問させていただいていない県内の役所・企業の方で、訪問のご要望等がございましたら、サイバー犯罪対策係まで、ご連絡先・ご担当者名を明記の上、電子メールにてお知らせください。