平成29年6月20日
鳥科例規第2号
一部改正 令和6年鳥科例規第2号
対号 平成23年7月1日付け鳥科例規第4号外共発 ポリグラフ検査実施要領の制定について(例規通達)
ポリグラフ検査については、対号例規通達により実施してきたところであるが、この度、別添「ポリグラフ検査取扱要綱」を制定し、平成29年6月21日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
なお、対号例規通達は、平成29年6月20日限り廃止する。
別添
ポリグラフ検査取扱要綱
第1 目的
この要綱は、ポリグラフ検査の適正かつ効果的な運用を図ることを目的とする。
第2 用語の定義
この要綱において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
⑴ ポリグラフ装置
複数の生理反応を同時に測定・記録する装置をいう。
⑵ ポリグラフ検査
質問に対する生理反応をポリグラフ装置を用いて測定・記録し、検査の対象となった事件(以下「検査事件」という。)に関する事実を認識しているか否かを検査することをいう。
第3 検査者
ポリグラフ検査(以下「検査」という。)は、検査に関して必要な知識及び技術を修得した者がこれを行わなければならない。
第4 被検査者
検査は、検査事件に関する事実を認識しているか否かを判定する必要がある者のうち、検査を受けることを承諾した者について行うものとする。
第5 検査の禁止
検査者は、被検査者が次の各号のいずれかに該当することが認められるときは、検査を行ってはならない。
⑴ 健康上の理由によって、検査に支障がある者
⑵ 妊娠している者
⑶ 検査に必要な意思の疎通が困難な者
⑷ ⑴から⑶までに掲げる者のほか、検査を行うことが適当でないと認められる者
第6 検査の嘱託
1 各所属の長(以下「所属長」という。)は、事件の内容等を検討し、検査を実施する必要があると認めたときは、鑑定嘱託書(様式第1号)により刑事部科学捜査研究所長(以下「科捜研所長」という。)に検査を嘱託するものとする。ただし、急を要するときは、口頭により検査を嘱託し、事後速やかに鑑定嘱託書を提出するものとする。
2 科捜研所長は、1により嘱託を受理した場合において、当該事件が、検査を行うのに適すると認めるときは、検査者に検査を命ずるものとする。
第7 検査の方法
1 検査は、検査事件の内容のうち、検査事件に関わった者であれば認識していると推定される事項ごとに、同じ範疇(ちゅう)に属する複数の質問を適切に組み合わせた質問表を用いて行わなければならない。
2 被検査者に日本語が通じないと認められた場合には、通訳人を介して検査を行うものとする。
3 検査は、警察庁が配布するポリグラフ装置又はこれと同等の性能を有する装置を用いて行わなければならない。
第8 質問表の作成
1 検査者は、検査事件に関する捜査書類、証拠物等を検討し、検査に必要な質問表を作成しなければならない。
2 所属長は、検査者が質問票表の作成に必要な資料の提供等を求めたときは、積極的にこれに協力しなければならない。
第9 検査の実施時期及び場所
検査は、犯罪捜査の初期等の適切な時期において、検査を行うのに適当と認められる場所を選び、これを行うよう留意しなければならない。
第10 被検査者の承諾
検査を実施するに当たっては、被検査者にポリグラフ検査承諾書(様式第2号)を提出させることにより、あらかじめ被検査者の承諾を得なければならない。
第11 証拠能力の確保
検査者は、検査の証拠能力を確保するため、被検査者に、検査記録を認証する書類に署名押印させるものとする。
第12 検査結果の回答等
1 検査結果の回答は、「鑑定の嘱託、鑑定処理要領の制定について(例規通達)」(昭和40年1月26日付け鳥鑑発第73号)別添「鑑定の嘱託、鑑定処理要領」(以下「鑑定嘱託要領」という。)第7の規定を準用する。この場合において、鑑定嘱託要領に定める鑑定結果通知書の「資料」及び「鑑定資料」を、それぞれ「被検査者」と変更して使用するものとする。
2 鑑定書を作成、送付する場合は、鑑定嘱託要領第8の規定を準用する。この場合において、鑑定嘱託要領に定める鑑定書の「2 鑑定資料」を「2 被検査者」と変更して使用するものとする。
第13 鑑定関係書類の保管
1 検査者は、検査を行ったときは、検査票(様式第3号)を作成しなければならない。
2 科捜研所長は、1の検査票を検査記録とともに保管しなければならない。
3 鑑定関係書類の保管方法は、鑑定嘱託要領第9の規定を準用する。
様式 省略