古物営業法等に基づく処分の手続等について(例規通達)

古物営業法等に基づく処分の手続等について(例規通達)

平成12年7月11日
鳥生企例規第14号
 
改正  平成28年鳥監察例規第2号、平成28年鳥生企例規第9号、平成30年鳥生環例規第3号

 対号 平成6年10月27日付け鳥防少例規第8号、鳥生保例規第4号 行政手続法等の施行に伴う保安関係代行事務及び不利益処分手続の運用について(例規通達)
 古物営業法(昭和24年法律第108号。以下「法」という。)等に基づく処分の手続等について下記のとおり運摺することとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。
                    記
1 古物営業の許可の申請に対する不許可処分の手続(法第5条第3項関係)
法第5条第3項の規定に基づく許可をしない旨の通知は、生活安全関係営業許可等の事務取扱の代行に関する訓令(昭和43年鳥取県警察本部訓令第14号。以下「代行訓令」という。)に規定する不許可通知書により行うこと。この場合において、「理由」欄には、法第4条各号のいずれの号に該当するものであるか及びその該当すると認めた事実を具体的に記載すること。
2 行政処分等の手続
(1) 指示(法第23条関係)
ア 指示は、行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第4号に規定する不利益処分(以下「不利益処分」という。)に該当するため、これを行う場合には、同法第13条第1項第2号の規定に基づき、弁明の機会を付与しなければならないが、その手続については対号において定めるところによる。
イ 指示は、指示書(様式第1号)により行うこと。
ウ 指示を行う場合における指示事項の具体的記載例については、別紙指示記載例を参照すること。
(2) 営業停止(法第24条関係)
ア 営業停止の命令は、不利益処分に該当するところ、これを行う場合には、行政手続法第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならないこととされているが、その手続については対号において定めるところによる。
イ 営業停止の命令は、生活安全関係営業者等に対する行政処分に関する訓令(平成12年鳥取県公安委員会訓令第3号。以下「行政処分訓令」という。)に規定する取消し・廃止・停止通知書により行うこと。
(3) 許可の取消し(法第6条第1項、第24条関係)
ア 許可の取消しは、不利益処分に該当するため、これを行う場合には、行政手続法第13条第1項第1号イの規定に基づき、聴聞を行わなければならないが、その手続については、対号において定めるところによる。
イ 許可の取消しは、行政処分訓令に規定する取消し・廃止・停止通知書により行うこと。
この場合において、法第6条第1項の規定により許可の取消しを行うときは、「処分の理由」の欄には、法第6条第1項各号のいずれの号に該当するものであるか(法第6条第1項第2号の規定により許可の取消しを行うときは、法第4条各号のいずれの号に該当するものであるかをも含む。)及びその該当すると認めた事実を具体的に記載すること。
(4) 簡易取消(法第6条第2項)
ア 古物商又は古物市場主(以下「古物商等」という。)の営業所若しくは古物市場の所在地を確知できないとき、又は当該古物商等の所在(法人である場合においては、その役員の所在)を確知できないときは、その事実を官報で公告し、その広告の日から30日を経過しても当該古物商等から申出がないときは、その許可を取り消すことができる(法第6条第2項及び規則第4条の2)。この広告を行う場合には、鳥取県の官報販売所に対して官報掲載依頼を行うこと。
イ 法第6条第2項の規定に基づいて許可を取り消した際には、取消処分を行った旨を官報で公告すること。この広告を行う場合には、鳥取県の官報販売所に対して官報掲載依頼を行うこと。
(5) 法令違反時の他の公安委員会への通知
本県公安委員会及び他の公安委員会の管轄区域内に営業所又は古物市場(以下「営業所等」という。)を有する古物商等又はその代理人等が本県公安委員会の管轄区域内で法令違反行為をした場合には、他の公安委員会も当該事実を根拠として、法第24条又は第23条の規定に基づき、当該古物商等に対し、許可の取消し、営業停止の命令又は指示をすることができる。したがって、他の公安委員会から許可を受けている古物商等又はその代理人等の法令違反行為を認めたときは、遅滞なく、その事実を当該他の都道府県公安委員会に通知するものとする。
3 管理者の解任の勧告(法第13条第4項関係)
(1) 要件
管理者の解任の勧告(以下「解任勧告」という。)は、古物商等の「管理者がその職務に関し法令の規定に違反した場合において、その情状により管理者として不適当であると認めたとき」に、当該古物商等に対し、公安委員会が行うものである。
ここにいう「その職務」とは、法第13条第1項に規定する職務をいう。また、ここにいう「法令」の規定に違反した場合とは、古物営業関係法令のほか、質屋営業法(昭和25年法律第158号)、刑法(明治40年法律第45号)等の他の法令に違反した場合もこれに含まれるものであるが、当該違反行為が当該営業所等における古物の取引に際してなされたものである等、管理者の「職務」に関してなされたものでなければならない。また、「その情状により管理者として不適当であると認めたとき」とは、当該法令違反行為の内容、違反の程度等に鑑み、その者をそのまま管理者として選任しておいた場合には、当該営業所等に係る業務の適正な実施が到底期し難いような情状があると認めたときをいう。
(2) 法的性質
解任勧告は、これにより古物商等に当該管理者を解任する義務を課すものではないため、行政手続法第2条第2号に規定する「処分」には該当せず、したがって不利益処分にも該当しない(同条第6号に規定する行政指導には該当する。)ため、同法第13条第1項各号に規定する意見陳述のための手続を執る必要はない。
(3) 手続
解任勧告は、解任勧告書(様式第2号)により行うこと。
(4) 指示及び営業停止の命令との関係
解任勧告は、指示と併せて行うことができる。例えば、古物商等の代理人等が古物の買い受けに当たって帳簿等への記載等の義務を怠っていた場合には、当該古物商等に対し、帳簿等への記載等の義務について代理人等に対して必要な教育を行うべき旨を内容とする指示を行うことができるが、当該帳簿等への記載等の義務の不履行が管理者の教唆に基づくようなものであるときは、当該指示事項の履行すら期し難いため、当該指示と併せて当該管理者の解任勧告を行うことができる。(古物商等による管理者の選任及び解任は、古物商等と管理者との間の私的な雇用関係等と密接に関連するものであるため、「管理者を解任すべき」旨を内容とする「指示」を行うことは、私的自治の尊重の見地から妥当でないと解される。)
なお、解任勧告は、不利益処分に該当しないため、解任勧告と指示を併せて行っても、いわゆる二重処分の問題は生じないと解される。
同様に、営業停止の命令についても、解任勧告をこれと併せて行うことができる。
(5) 許可の取消しとの関係
許可の取消しを行う場合には、解任勧告は行わないものとする。この場合には、解任勧告の前提となる古物営業の許可自体が消滅してしまい、解任勧告を行う実益がないからである。
4 品触れ(法第19条関係)
(1) 内容及び要件
品触れは、盗品その他財産に対する罪によって領得された物(以下「盗品等」という。)が古物取引市場に混入していると考えられる場合において、古物の品目、地理的関係等を考慮し、当該盗品等が犯人等によって持ち込まれた可能性のある一定範囲の古物商等に対し、警察本部長又は警察署長が当該盗品等の品種、品名、特徴等を通知し、これに相当する古物を発見した場合における届出を求める行為であり、これを行うことにより当該盗品等が発見される可能性が高い場合に行うものである。
なお、ここにいう「盗品その他財産に対する罪」とは、刑法第36章から第38章まで及び盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和5年法律第9号)に規定する罪をいう。
(2) 法的性質
品触れは、行政手続法第2条第4号に規定する「特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課すもの」ではないため、不利益処分には該当せず、同法第13条第1項各号に規定する意見陳述のための手続を執る必要はない。
5 差止め(法第21条関係)
(1) 内容及び要件
差止めは、古物商が買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けた古物について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合において、その転売等を防ぐため、警察署長が当該古物商に対し、30日以内の期間を定めて、その古物の保管を命ずる緊急的な処分である。
なお、ここにいう「疑うに足りる相当な理由がある場合」とは、古物の品質や特徴が被害届、遺失届等に記載された内容に酷似している場合、古物の品種や価格を古物商の営業実態に照らして判断すると当該古物が正当な取引過程において取り扱われたものとは考えられない場合等、客観的、合理的な判断から、盗品等であると疑う根拠が存在する場合である。
(2) 法的性質
差止めは、不利益処分に該当するが、行政手続法第13条第2項第1号の「公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき」に行うものであるため、同条第1項各号に規定する意見陳述のための手続を執る必要はない。
(3) 手続
差止めは、代行訓令に規定する保管命令書により行うこと。
6 古物競りあっせん業者に係る認定等(法第21条の5、第21条の6関係)
(1) 認定
古物営業法施行規則(平成7年国家公安委員会規則第10号。以下「規則」という。)第19条の7第1項(規則第19条の12において準用する場合を含む。)の規定に基づく認定をした旨の通知は、代行訓令に規定する認定通知書により行うこと。
(2) 不認定の通知
規則第19条の7第2項(規則第19条の12において準用する場合を含む。)の規定に基づく認定をしない旨の通知は、代行訓令に規定する不認定通知書により行うこと。
この場合において、「理由」欄には、規則第19条の5各号のいずれの号に該当するものであるか及びその該当すると認めた事実、又は規則第19条の6各号のいずれの号に該当しないものであるか及びその該当しないと認めた事実を具体的に記載すること。
(3) 認定の取消し
規則第19条の10第1項及び第19条の14第1項の規定に基づく認定の取消しは、不利益処分に該当するため、これを行う場合には、行政手続法第13条第1項第1号イの規定に基づき、聴聞を行わなければならないが、その手続については、対号において定めるところによる。
7 競りの中止の命令(法第21条の7関係)
(1) 法的性質
競りの中止の命令は、不利益処分に該当するが、行政手続法第13条第2項第1号の「公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき」に行うものであるため、同条第1項各号に規定する意見陳述のための手続を執る必要はない。
(2) 手続
競りの中止の命令は、規則第19条の15に規定する競りの中止命令書により行うこと。
競りの中止命令書の交付又は送付に当たっては、競りの中止の命令を受ける古物競りあっせん業者に対し、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条第1項に規定する教示すべき事項及び行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条第1項各号に掲げる事項を書面で教示する必要があることに留意すること。この場合には、代行訓令に規定する不許可通知書の教示事項を参考にすること。
8 報告徴収(法第22条第3項、第4項関係)
(1) 法的性質
報告徴収は、不利益処分に該当するが、行政手続法第3条第1項第14号の「報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導」に該当するため、同法第13条第1項各号に規定する意見陳述のための手続を執る必要はない。
(2) 手続
報告徴収の求めを書面により行う場合にあっては、行政不服審査法第82条第1項に規定する教示すべき事項及び行政事件訴訟法第46条第1項各号に掲げる事項を書面で教示する必要があることに留意すること。この場合には、代行訓令に規定する不許可通知書の教示事項を参考にすること。
9 行商従業者証等の様式の承認の取消し
行商従業者証等の様式の承認に関する規程(平成7年国家公安委員会告示第7号)第7条の規定に基づく行商従事者証等の様式の承認の取消しは、不利益処分に該当するため、これを行う場合には、行政手続法第13条第1項第1号イの規定に基づき、聴聞を行わなければならないが、その手続については、対号において定めるところによる。
10 盗品売買等防止団体の承認等(規則第23条、第24条、第25条、第28条、第29条関係)
(1) 不承認
規則第24条第2項の規定に基づく承認をしない旨の通知は、不承認通知書(様式第3号)により行うこと。
この場合において、「理由」欄には、規則第23条各号のいずれの号に該当しないものであるか及びその該当しないと認めた事実を具体的に記載すること。
(2) 承認の取消し
規則第29条第1項の規定に基づく承認の取消しは、不利益処分に該当するため、これを行う場合には、行政手続法第13条第1項第1号イの規定に基づき、聴聞を行わなければならないが、その手続については、対号において定めるところによる。

様式、別紙 省略 
  

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