偏在性の小さい地方税体系の構築を求める意見書
最近の景気回復によって地方全体では税収が増加しているものの、法人事業税など税の偏在性の高い税目に依存した税収構造であることから、都市と地方の財政力の格差が拡大している状況である。また、平成16年度から続く地方交付税の大幅削減は、この傾向に拍車をかけ、財政力の弱い地方の自立を阻害し、自主的・主体的な行財政運営に必要な財源確保が困難となっている。
こうした中で、総務省の平成20年度概算要求においては、地方税収の1.1兆円の増収を見込む一方で、地方交付税の1兆円の減収の試算が示されている。しかし、現行の偏在性の高い税収構造のまま、地方税収が伸びても、地方での十分な増収に結び付くとは考えにくく、さらに地方交付税まで減少することになれば、今後ますます都市と地方の財政力の格差が拡大することになりかねない。
よって国においては、例えば、地方税の法人住民税及び法人事業税の法人二税を一部国税とし、国税としての消費税の一部を地方消費税に組み替えるなど国税と地方税の税体系の見直し等を通じて、偏在性の少ない地方税体系を早急に構築するとともに、その際、税体系の見直しに伴う地方交付税の減少を招かないよう交付税率の必要な見直し等により地方交付税の総額を確保するよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成 年 月 日
鳥取県議会
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 様
衆議院議長
参議院議長