割賦販売法の抜本的改正を求める意見書
クレジット契約は、代金後払いで商品が購入できる利便性により消費者に広く普及している一方で、強引・悪質な販売方法と結び付くと高額かつ深刻な被害を引き起こす危険な道具にもなるものである。
現在、クレジット会社の与信審査の甘さから、年金暮らしの高齢者に対し、支払能力を超える大量のリフォーム工事、呉服等の次々販売が繰り返されたり、年齢・性別を問わず、クレジット契約を悪用したマルチ商法・内職商法その他の詐欺的商法の被害が絶えないところである。このようなクレジット被害は、クレジット契約の構造的危険性から生じる病理現象であるといえる。
経済産業省は、このように深刻なクレジット被害を防止するため、平成19年2月から、クレジット被害の防止と取引適正化に向けて割賦販売法の改正に関する審議を進めており、本年秋には法改正の方向性が示される見込みである。今回の改正においては、クレジット会社の責任においてクレジット被害の防止と取引適正化を実現する法制度が必要である。
よって、割賦販売法改正に当たって次の事項を実現するよう強く求めるものである。
1 クレジット会社が、顧客の支払能力を超えるクレジット契約を提供しないよう、具体的な与信基準を伴う実効性ある規制を行うこと。
2 クレジット会社には、悪質販売行為等にクレジット契約を締結しないように加盟店を調査する義務だけではなく、販売契約が無効な場合、取り消された場合及び解除された場合における既払金の返還義務を含むクレジット会社の民事共同責任を規定すること。
3 1~2回のクレジット契約を適用対象に含め、政令指定商品制を廃止することにより、原則としてすべてのクレジット契約を適用対象とすること。
4 個品方式のクレジット事業者(契約型クレジット)について、登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成 年 月 日
鳥取県議会
内閣総理大臣
経済産業大臣 様
衆議院議長
参議院議長