これより、本臨時県議会に提案いたしました付議案につきまして、その概要を説明いたしたいと存じますが、説明に先立ちまして、この度の鳥取県西部地震により被害を受けられました県民の方々に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。
初めに被害の状況についてご説明いたします。
先月6日午後1時30分頃発生した鳥取県西部地震は、地震の規模がマグニチュード7.3、境港市と日野町で震度6強を観測するなど激しいものでありました。奇跡的に一人の犠牲者も出なかったことは、不幸中の幸いでありましたが、住宅被害、崖崩れ、道路崩壊、空港及び港湾・漁港関連施設の損壊、さらには液状化現象による埋立造成地や干拓地の隆起・陥没による関連施設の損壊、農作物の被害など各地で広域的かつ甚大な被害が発生し、農林水産業や商工業、観光産業も大打撃を受けたところであります。
地震発生後、県といたしましては、速やかに災害対策本部を設置して初動体制を整え、直ちに自衛隊への災害派遣要請を行うなど、関係機関、市町村と協力しながら、職員一丸となって対応にあたって参りました。
今後は公共施設等の本格復旧、被災された方々の生活再建支援、被災市町村に対する支援等が大きな課題でありますが、引き続き全力を挙げてこれに取り組み、一日も早い復興をめざしたいと考えております。
さて、今議会に提案いたしました議案は、
予算関係 6件
その他の議案 2件
合計 8件 であります。
まず、議案第1号 平成12年度鳥取県一般会計補正予算について、その主なものを御説明いたします。
はじめに被災された方々の生活の安定と復興支援についてであります。
このたびの被災地の多くは中山間地であると同時に、全国でも有数の高齢化率の高い地域であります。私も現地に赴きこの目でその実情を見ますと、これまでの復興支援策だけでは公共施設等の復旧は実現できても、肝腎の住民の皆さんの多くがその地を去られてしまうのではないかとの危惧を強く持ったところであります。これらの地域を真に復興させるには、住民の皆さんが安心して暮らせる場所、即ち住宅の再建・復興が不可欠であるとの思いを深くした次第です。とりわけ近づく冬を前にした高齢被災者の住宅再建ないし修繕は、何にもまして最優先の課題だと考えます。
このため、これまで他県にも例を見ませんが、住宅復興対策として、住宅の建替えまたは補修等を行う被災者に助成を行う市町村に対して補助金を交付するほか、住宅金融公庫等の災害復興のための住宅融資を受けた被災者に対して当初6年間無利子となるよう助成するなど、住宅を再建し、これまでどおりそこに住み続けたいという方々に対し、市町村と協力して支援することとしております。
また、自ら住宅の再建に取り組むことが困難な被災者のために、公営住宅の建設や空き家の修理・借上げを行う市町村に対して助成を行うなどの制度を設けることとしております。
次に、産業の復興対策として、地震により著しい被害を受けた農林水産業、商工業・サービス業を営む方々が、復旧や経営安定維持のために必要な資金を借り受けた場合に、当初6年間を無利子とし、また、信用保証料の負担も0%となるよう助成を行うこととしております。
また、地震による観光面での風評被害を防止するために、新聞広告等により全国に元気な鳥取県をPRする経費を計上しております。
さらに、災害を受けた公共施設等を早期に復旧するため、農林水産施設、土木施設、県立施設等の災害復旧事業にかかる経費をそれぞれ計上しております。
このほか、災害復旧対策を行う市町村の資金需要に応じて無利子貸し付けを行うための基金を積み増すほか、いわゆる液状化現象により大きな被害が発生したことを踏まえ、将来にわたる液状化対策のあり方を検討することとしております。
以上の結果、今回の補正予算の総額は、279億3千9百万円余となり、補正後の予算総額は、4,981億円余となるものであります。
次に、議案第2号から議案第6号は、鳥取県県営境港水産施設事業特別会計など5つの特別会計・事業会計に係る施設の復旧等に必要な経費を、それぞれ計上しているものであります。
議案第7号は、中海干拓地の復旧工事を県営で実施するにあたり、米子・境港両市から事業費の一部を負担金として徴することについて、議会の議決を求めるものであります。
議案第8号は、去る10月10日に専決処分いたしました50億円の一般会計補正予算など緊急を要する震災対策のために行いました専決処分について報告し、議会の承認を求めるものでございます。
以上、今回提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。