小児救急医療体制の充実を求める意見書

 近年、小児救急医療患者の医療機関たらい回しや輸送の手遅れといった問題が全国で発生している。これは、小児科医の数自体は横這い状態であるものの、開業医の高齢化等が進み、特に休日や夜間の小児救急医療体制が不備となっていることによるものである。一方、保護者の専門医指向による患者の大病院集中と共働き世帯の増加による休日、夜間診療の増加に伴い、大病院小児科医の職務はつらく厳しいものとなっており、それが小児科医指向の抑制に拍車をかけていることも指摘されている。
このような状況の中、厚生労働省は、平成11年度から3年計画で、全国360の第2次医療圏ごとに、365日24時間いつでも子どもを診療できる小児専門救急医療体制を整備するため、「小児救急医療支援事業」をスタートさせたところである。しかし、平成12年度末の整備状況は、25県、100地域にとどまっており、小児科医の大幅な不足のために、小児救急医療体制の整備は極めて困難となっている。本県においても、大学医学部の協力を得て、中核的小児救急医療機関の整備を進めているが、小児科医の不足は否めず、住民ニーズに応えるにはなお課題を多く抱えている。
よって、政府におかれては、大学医学部における小児専門医の養成と臨床研修の充実を図り、早期に小児救急医療体制の充実を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

平成14年3月20日

 


鳥取県議会


内閣総理大臣
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長

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