義務教育費国庫負担制度の堅持等を求める意見書

義務教育費国庫負担制度は、憲法に保障された義務教育無償の原則に基づき、国が義務教育に必要な経費を負担することにより教育の機会均等と教育水準の維持向上を図る制度として完全に定着しており、現行教育制度の重要な根幹をなすものである。
しかしながら、政府は、昭和60年以降、義務教育費国庫負担制度の見直しを行い、段階的に教材費、旅費、恩給費及び共済費に係る追加費用等を国庫負担の対象外としてきた。また、国の財政難を理由に、毎年、学校現場において重要な役割を担う学校事務職員・学校栄養職員の給与費等を国庫負担の対象から除外することが検討されている。
さらには、財政構造改革の議論の中で、地方の権限と責任の拡大の名の下に、義務教育費国庫負担制度そのものの廃止・圧縮を検討の対象とすることが伝えられている。 財源保障の裏付けのないまま、このような改革が進められれば、結果的に地方に多大の負担を及ぼすこととなり、教育水準の地域間での格差拡大など、義務教育の円滑な実施に支障を来すことになるものである。
よって、政府におかれては、義務教育費国庫負担制度及び地方交付税による財源保障制度を堅持されるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


平成14年7月3日

鳥取県議会


内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
衆議院議長
参議院議長

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