公立小・中学校は、児童・生徒が学習する場所であると同時に、地震等の災害時の住民の避難場所に指定され、地域の防災拠点ともなっている。
建築基準法の耐震基準が強化された昭和56年以前に建築された建築物については、耐震性に問題のある可能性が高いが、本年7月末に文部科学省がまとめた調査結果によると、昭和56年以前に建築された公立小・中学学校施設のうち、約70パーセントは耐震診断が行われておらず、また、耐震診断が行われた公立小・中学学校施設のうち、約12,000棟は耐震性に問題があるという結果となっている。このため、公立小・中学校施設の耐震化率は約60パーセントにとどまっており、子供たちの安全や防災拠点としての安全性を確保するためにも、耐震化のための補強工事を速やかに実施することが喫緊の課題となっている。
また、近年の地球温暖化の進展に鑑みれば、すべての教室に冷暖房設備を整備するなど、子供たちに快適な学習環境を確保することも必要不可欠である。
よって、政府におかれては、公立小・中学校施設の耐震化及び冷暖房設備の整備について、必要な予算を最優先で確保されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
内閣総理大臣 |
様 |
財務大臣 |
文部科学大臣 |
衆議院議長 |
参議院議長 |