議員提出議案第2号
生活保護費の地方への負担転嫁に反対する意見書
この議案を別紙のとおり提出する。
平成17年11月30日
生活保護費の地方への負担転嫁に反対する意見書
生活保護制度は、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障することを目的としている。憲法に基づくナショナル・ミニマムを確保するという役割は、国が担うべきものであることから、生活保護に関しても、国の責任は極めて大きいところである。
しかし、厚生労働省は、昨年、唐突に、生活保護費や保護率の地域格差の原因が地方自治体の取組状況の差にあるとして、生活保護費に対する国庫負担率の引き下げを提案し、11月の「三位一体の改革について」の政府・与党合意では、生活保護に関する国庫負担金の改革については、地方自治体関係者が参加する協議機関で検討を行い、平成17年中に結論を得ることとされたところである。そして、その検討の中で、生活保護費や保護率の地域格差の原因は、失業率等の経済・雇用情勢や高齢化等の社会的要因によることが明らかとなっている。
にもかかわらず、先般、厚生労働省は、平成18年度から生活保護費に対する国庫負担金を削減するという新たな見直し案を提示した。
この見直し案は、単なる地方への負担転嫁であって、地方財政の自由度、自立度を高める「三位一体の改革」の趣旨に全く合致しないばかりか、地方自治体が参加して行っている検討の結果を無視するものである。また、生活保護に関する国の責任を放棄するものにほかならず、国と地方との信頼関係を損なうこととなり、断じて容認できるものではない。
よって、国におかれては、生活保護に関する国の責任を十分に認識され、生活保護費国庫負担制度について、地方への負担転嫁を行わないよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年11月30日
鳥取県議会
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 様
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長