地方交付税制度の充実強化を求める意見書
先の臨時国会で地方分権改革推進法が成立し、今後の分権改革の方向性が示されるとともに、いわゆる新型交付税の導入などの交付税改革の取り組みも進められているところである。
こうした中、国においては、平成19年度の地方財政は税収増により財源余剰が見込まれるとして、地方交付税を特例的に減額しようとする動きが見られるが、国の財政再建のための一方的な削減は断じて受け入れられない。
また、検討されている新型交付税においては、面積割に比べて人口割の配分が大きいうえに、面積割において、森林の財政需要が宅地に比べてかなり低く見積もられるなど、人口が少なく、居住地割合が小さい中山間地域を抱える自治体では、交付税額の大幅な減少が見込まれている。
あわせて、「頑張る地方応援プログラム」が新たな政策誘導の手段とされ、交付税制度の補助金化により、交付税制度本来の財源調整機能が害されることが懸念されるところである。
国においては、地方交付税制度の改革が真の地方の自立に資するものとなるよう、下記の事項について、強く要請するものである。
記
1 「骨太方針2006」に従い、地方交付税の現行法定率を堅持し、地方公共団体の安定的財政運営に必要な地方財源の総額を確保すること。
2 新型交付税の導入に当たっては、森林地域を多く抱える自治体の行政コストを基準財政需要額に的確に反映させること。
3 「頑張る地方応援プログラム」が、新たな政策誘導の手段となり交付税制度の趣旨から逸脱することのないよう、慎重に検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成18年12月18日
鳥取県議会
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣 様
衆議院議長
参議院議長