議員提出議案第4号

WTO農業交渉及び日豪EPA交渉に関する意見書

 この議案を別紙のとおり提出する。
平成20年12月18日 

  • 前田八壽彦 
  • 横山 隆義
  • 山田 幸夫 
  • 斉木 正一
  • 安田 優子 
  • 福間 裕隆
  • 廣江 弌 
  • 初田 勲
  • 伊藤美都夫 
  • 石村 祐輔

WTO農業交渉及び日豪EPA交渉に関する意見書

 今年7月の交渉決裂により行き詰っていた世界貿易機関(WTO)の農業交渉(ドーハ・ラウンド)が、世界的な経済不況を背景として、合意に向けた動きを再び加速させている。
交渉においては、関税の削減、例外扱いできる重要品目の数、上限関税の設定など輸入拡大をめぐり、米国などの食料輸出国と輸入国の利害対立の中で、日本政府は厳しい交渉を強いられている。とりわけ重要品目の数に関しては、全品目の8%を主張する日本政府に対し、原則4%に低関税輸入枠の拡大など代償措置付きで最大6%までとする案で先進国はほぼまとまりつつある状況である。こうした案が押し切られれば、ウルグアイ・ラウンド合意をはるかに超える大きな衝撃が日本農業を襲うことになる。
一方、日豪経済連携協定(EPA)交渉は、これまで7回の交渉が行われてきたところである。豪州の主な輸出農産物は、日本の基幹品目(牛肉、小麦、乳製品、砂糖)と競合しており、これらの関税が撤廃されれば、圧倒的な競争力を持つ豪州から大量の農産物が輸入され、日本農業への影響は計り知れない。
このような輸入自由化が拡大されれば、日本の農業は壊滅的な打撃を受け、国際的な食料需給のひっ迫が食料争奪を深刻化させる中で、政府が目指す食料増産を通じた食料主権の確立は大きく後退を余儀なくされる。
ついては、日本の食料と地域の農業・農村・暮らしを守り、食料輸入国や途上国における食料主権や多様な農業の共存を維持するためにも、下記の事項について格別の配慮を強く要望するものである。

 記

1 WTO農業交渉では、国内農業生産、地域経済の維持等に不可欠な米麦、乳製品などの基幹品目を守るため、十分な数の重要品目を確保するとともに、ミニマム・アクセス米など関税割当の拡大幅を圧縮するなど重要品目の取り扱いについて最大限の柔軟性を確保すること。関税の上限設定は断固阻止すること。
2 日豪EPA交渉では、国民の基礎的食料である牛肉、小麦、乳製品、砂糖などの基幹品目は関税撤廃の対象外とするよう全力を挙げて交渉すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成20年12月18日

                         鳥取県議会

内閣総理大臣

外務大臣

財務大臣

農林水産大臣  様

経済産業大臣

衆議院議長

参議院議長

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