平成22年4月20日に宮崎県で発生した口蹄疫は、国及び宮崎県をはじめ関係者が懸命に防疫措置を講じてきたにもかかわらず、5月18日には、宮崎県が「口蹄疫」非常事態宣言を行うなど、いまだ拡大し、事態は深刻化している。
中国地方の各県においても、緊急防疫措置等を講じるとともに、中国地方で発生した場合の相互協力による応援体制などの連携を強化することとしている。
本来、防疫対策は国の責務であり、国家防疫の観点から、国の責任において、防疫対策のさらなる徹底や畜産農家等の支援などに万全の措置を講じられるよう、強く要請する。
1 防疫対策のさらなる徹底
口蹄疫のこれ以上の感染拡大は、我が国の畜産業界にとって極めて深刻な問題であり、また、国民生活にも重大な影響を及ぼすことになるので、国の責任において、徹底した防疫措置、拡大防止措置を実施すること。
2 畜産農家等の支援
家畜市場の閉鎖等により出荷できず滞留している家畜の飼料費に対する助成措置を講じるとともに、既に九州・沖縄で実施されている「口蹄疫発生に伴う関連対策」のうちの、畜産経営安定対策については、対象地域を拡大すること。
3 財政措置
口蹄疫の発生に伴い、県や市町村、関係団体が実施した対策に要する経費についても、全額補填を行うこと。
4 全国的な防疫体制の確立
口蹄疫のまん延防止には、疫学の専門家や獣医師の初動防疫活動が重要であることから、早期にその派遣体制を、国の責任において確立すること。
家畜伝染病の感染が拡大した場合、まん延防止対策には、大量の消毒薬や殺処分に必要な資材が必要となるため、防疫資材の国家備蓄による安定供給体制を、国の責任において早期に確立すること。
5 風評被害防止対策
口蹄疫による地域の食肉や、牛乳の購入等を控えることがないよう、的確な情報を国民等へ提供し、風評被害防止対策を講じること。
平成22年5月31日
中国地方知事会
鳥取県知事 平井 伸治
島根県知事 溝口 善兵衛
岡山県知事 石井 正弘
広島県知事 湯﨑 英彦
山口県知事 二井 関成