被害者の抱える様々な問題
犯罪の被害者は、犯罪による直接的な被害(けがをする、お金を盗まれる)だけでなく、 被害後生じる様々な問題に苦しめられています。このような問題は「二次的被害」と言われ、例えば、
- 精神的ショックを受けたり、身体の具合が悪くなる。
- 医療費の負担や働けなくなることにより経済的に苦しくなる。
- 捜査や裁判等の過程での精神的、時間的負担。
- 近隣の無責任なうわさ話やマスコミの取材、報道等によるストレス、不快感。
などがあります。
従来このような被害者の抱えている問題については、あまり注目されていませんでした。 しかし、地下鉄サリン事件の発生などを契機に、被害者が抱える問題について社会的関心が高まってきています。警察においても、被害者の視点に立って、被害者の要望に応えるための施策を進め、被害者の抱える問題を少しでも解決するよう努めています。
被害者の心理
心理的反応
- 恐怖感
- 自責感
- 不安感
- 無気力感・絶望感
- 孤独感・疎外感
- 怒り・復讐心
身体的反応
- 緊張・動悸・下痢・吐き気
- 不眠・悪夢
- 食欲不振
- イライラする
感覚的反応
- 感覚、感情がマヒする
- 現実だという感覚がない
- 自分が自分でないと感じる
- 記憶力、判断力の低下
しかし、これは異常なことではなく、突然大きなショックを受けた後では 誰にでも起こり得るごく正常なことなのです。また、見た目にはしっかりして落ち着いているようでも、感情がマヒして、現実感を失っている場合があります。被害者を責めたり、無理な励ましは禁物です。