中国地方は、平年より１２日も早く梅雨明けしました。梅雨が明けた途端に暑い日が続き、自然歩道のパトロールをしていると暑さで汗が噴き出ます。この時期の山歩きは、熱中症対策が必要です。

　さて、三朝町内の中国自然歩道でウツボグサの花にとまっているツマグロヒョウモンを見かけました。


ツマグロヒョウモン（三朝町内）

　ツマグロヒョウモンは、タテハチョウ科のチョウです。はねの先端に黒と白の帯があり、この個体はメスです。幼虫はスミレ科の植物を食草としますが、花壇のパンジーやビオラなどの園芸種もエサとして食べます。

　ツマグロヒョウモンの分布域は、1980年代以前は滋賀県・三重県以西でした。その後分布域が北上し東日本でも普通にみられるようになったことが知られています。原因は定かではありませんが、人間生活が動物の生態に影響を与えている可能性があるとして話題になっているチョウです。


<主な参考文献>
・昆虫の食事・食樹ハンドブック　森上信夫・林将之/著　文一総合出版　2007年
・原色日本蝶類生態図鑑（2）　福田晴夫・浜栄一・葛谷健・高橋昭・高橋真弓・田中蕃・田中洋・若林守男・渡辺康之/著　保育社　昭和58年
・自然環境保全基礎調査　動物分布調査　日本の動物分布図集　自然環境研究センター/編　平凡社　平成22年