防災・危機管理情報



 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2008年8月25日

鎮守の森の不思議なセミ

 ミンミンゼミやアブラゼミはどこでも鳴いていますが、ヒメハルゼミを知っている人はほとんどいないと思います。
 この中部地区で今分かっている生息地は、三徳山、三朝町小河内上野神社、倉吉市広瀬神社のわずか3カ所のみです。
 発生の最盛期は7月中旬ですが、やや遅れて7月25日、上野神社を訪ねてみました。

 ヒメハルゼミの生息地はカシやシイなど自然度の高い常緑広葉樹の森林です。

 上野神社も常緑樹におおわれ、周囲の山に比べると黒くモコモコとした感じに見えます。
 ヒメハルゼミは羽の透き通った小さなセミで、大木のこずえで鳴くため姿を見ることは難しいのですが、抜け殻と特徴のある鳴き声(何と表現してよいやら?)で確認できます。

 抜け殻は樹木や灯篭の丁度人の胸の高さの辺りに残されていました。
 左側は同じ上野神社で見つけたヒグラシの抜け殻。右がヒメハルゼミのもの。

 小さなセミであることが分かります。

 本種は鳥取県の準絶滅危惧
種に指定されています

  この日、抜け殻を確認した後、薮蚊に刺されるのをしばらく我慢しながら、鳴き出すのを待ちました。というのも、このセミは合唱することで知られ、1匹が鳴くとそれにつられて一斉に鳴き出すからです。
 
 今回は生息数が少なかったのか大合唱にはなりませんでしたが、以前、佐治の刈地(かるち)神社で初めて鳴き声を聞いたときは、森全体が大きなうなり声を上げたかのようで、ある種の感動を覚えました。
 
  今年はもう無理ですが、来年には珍しいこのセミの鳴き声を聞いてみませんか? 

 本種の研究については高校の教員であった故小林一彦氏が「鳥取生物VOL.27」に詳しくその成果を発表しています。興味のある方はぜひご覧になってください。(自然保護監視員 浜辺正篤)

中部総合事務所環境建築局 2008/08/25 in 県立自然公園,国立公園,植物,中国自然歩道,野鳥



問合せ先

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課

(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
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