防災・危機管理情報


平成27年12月28日(月)午後4時から

県庁講堂

 皆さま、こんにちは。本日ここに仕事納めということになりました。この1年間、それぞれの職員の皆さまには存分にお働きいただきました。心から県民になり代わりまして、皆さまに感謝の誠を捧げさせていただきたいと思います。また、この1年いろんな局面でお世話になりました県民の皆さま、各地のいろんな団体、市町村、そうした関係者の方々にもこの場をお借りしまして、心よりのお礼を申し上げたいと思います。ただいま表彰を受けられましたそれぞれの輝かしい活動が、この1年彩りを添えていただけたところでございます。例えばスターバックスが進出するという騒ぎのときに、それに言わば完全に乗っかった形で鳥取県も宣伝をさせていただけたわけでございます。お蔭さまで最近は「乗っ取り県」というふうに言われるくらい、鳥取も他所のニュースに乗っかって宣伝をさせていただくというPR手法が確立をしてきたわけであります。


 また、その宣伝の舞台となった「すなば」、その名も鳥取砂丘は鳥取県の顔でございます。この鳥取県の顔となる鳥取砂丘を守ろうと、例えば自動車のコマーシャルの騒ぎがあったときとか、あるいは様々な残念な事象があったりしたときに、いち早く行動を起こし、砂丘を守るレンジャーとして戦ってくださいました砂丘事務所の皆さんの姿もございました。


 また、鳥取にはジャマイカのチームがやって来ました。世界の注目を集める面々が鳥取に揃ったわけでありますが、その皆さんが北京で素晴らしい成績を上げました。これもひとえに鳥取県の受入体制の賜物であったというふうに、ジャマイカの皆さんからも感謝をされ、来年はジャマイカとの友好提携も成立するかもしれません。そういう道筋を開いてくれたわけであります。


 イベントで言いますと、近畿高文祭が開催をされました。鳥取県で初めて近畿地方各県の子どもたち、そして保護者や学校の先生など受け入れまして、盛大にこの大会を成功させることができました。また、没後50年の節目を飾る菅楯彦展も爽やかに、そして重みのある展覧会として大成功を収めることができました。


 こうした色々なイベントやあるいは話題づくり、鳥取県の関係の皆さんがそれぞれ立ち上がってくださいました。併せまして、地方創生を開いていかなければならないということで、産業の要となる活力をもたらそう、東海地方の方から新しい企業誘致も叶いました。例えば航空機産業であるとか、部品産業であるとか、あるいは皆さんお馴染みの豆乳であるとか、そうした鳥取県としては手薄な分野に新しい命を、風を吹き込む、そういう企業誘致がなされることとなりました。


 さらに、障がい者のとりでとして働く場を作ろう、これも共同のコーポとしてそうした事業を鳥取県から起こすことができました。先日、私も改めて拝見に上がりましたけれども、いくつもの事業所が参加をし、そしていくつもの企業から受注をするということで、県内外を越えた受注も集まるセンターに成長しているわけでございました。こんなようなモデルを作ってくれたわけであります。


 また、霜の被害が昨年は大変に大きな被害で、梨や柿の農家が泣き寝入りをしていたわけであります。それを見て立ち上がり、霜害対策ということを起こそうというふうに動かれた、そうしたチームがありまして、お蔭さまで今年はその害がなくなるということになり、大変に農家の皆さんも喜ばれたところでございます。


 この他にも災害に対応するため、被災地で汗をかいた皆さん、あるいは将棋を通じて鳥取県庁の名を高らしめてくださった皆さん、あるいはインターネットなども活用しながら、新商品開発のアイディアを出してくれた、そういう皆さまなど、多くの方々が今、表彰対象となったところでございます。ただ、これにとどまらず、いろんな節目があったと思います。今年は私たちにとりまして、地方創生のスタートを切る年でありました。石破大臣が地元ということもあり、正直申し上げれば、プレッシャーもかかる中だったと思いますが、見事に市町村を取りまとめて、全市町村そして県が、10月27日に総合戦略策定を完了するという、全国で一番早いリードを切っていただいたわけであります。


 また、今、香港とのチャーターフライトを飛ばすなど、交通の利便性を高めようというふうに頑張っていただいたり、文化やスポーツでも多くの花が開いたところでございました。ICTを活用して、マイナンバー制度が導入される、そうした法案が成立するという中におきまして、そうしたセキュリティ対策をやる、併せて共同発注で、県境をまたいで発注をして、そうした費用を軽減をするということにも取り組んでいただいたところでございました。会計のシステムを通じて、全庁的な超過勤務を減らしたり、適正化をしよう、そうした意味で頼りになる、そうした相談窓口を活用するなど、動いてくださったところでもありました。ヘリコプターの「だいせん」が、新しい機体を見せてくれ、頼もしい空の守りとなったわけでありますが、こうしたことなど、防災にも心を砕いた1年間だったと思います。また、子どもたちの健やかな未来に向けまして、教育の面でもいろんな飛躍があったわけであります。学力テストもそこそこの成績になったわけでありますけれども、小中一貫の守り、そうした道筋を開いたり、学習支援を行なったり、市町村も巻き込みながら動きのあったわけでございました。


 障がい者の関係でも、先程のワークコーポのお話もあるわけでありますけれども、それに留まらず全国から、鳥取県の障がい者対策が称賛をされるということになりました。介護保険あるいは医療が新しく改まる中で、その道筋を開く大切な1年間でもございました。山陰海岸ジオパークが生まれ変わる、そういう意味で、ユネスコの認定を取ることになりました。これに併せるかのように、アジア太平洋地域のジオパークの大会が、ここ鳥取県でも開催をされたわけでございました。産業の活力を呼び込もうと、東海地方からのことだけでなくて、中小企業の振興策も注力をしました。今までに1,100件を超える経営革新制度の利用がなされたところでございます。「新甘泉」、あるいは「五輝星」、そうしたブランドに輝く、鳥取の農林水産業、さらには「百合福久」という新たな種雄牛の認定まで取り付けるなど、動きも出てきたところでございました。そういう中で、鳥取県の新しい交通基盤、時代を拓く交通基盤を作らなければなりません。今、鳥取西道路をはじめとして、ハイウェイをつなぐ準備が、着々と整ってきました。そういう中、鳥取県の港湾整備におきまして、いよいよ境港が、中野岸壁が仕上がろうかというところまでやってくる、竹内(たけのうち)の約束も取り付ける、進展のあった1年でもあったと思います。


 病院につきましても、中央病院の基本的な絵を描く、これが進みまして、いよいよ安心の医療体制が、鳥取県東部でも整うこととなってきたところでございます。こういうような様々な動きがある中で、皆さんにはひとつひとつ丁寧にお仕事をしていただいたところでございまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。大切な年でした。地方創生、鳥取県がどうやるかなというのを日本中が見ていました。そういう中で、なるほど鳥取は素晴らしいという、そういうものが出てきたわけでございます。スタバの騒ぎもその象徴だったと思います。鳥取がとんがったPRをして、なるほど頑張っているなという面が見えたんだと思います。昨日ですか、民放のニュース番組でその状況も流れていました。関根CEOが出てきまして少しインタビューを受けておられました。私なんかはヒヤヒヤして拝見をしていたわけでございます。と申しますのも、スターバックスに完全に乗っかってやっている私どもは、「何やっとるんだ」というふうに言われるかもしれなかったわけでありますけれども、実は、広報戦略としては、そういう企業さんの足を引っ張らないように、鳥取県とそちらとのWin-Win(ウィンウィン)の関係で鳥取を盛り立てて宣伝しよう、というふうにしていたもんですから、その辺の仕掛けもしていたつもりであります。関根CEOがいみじくもおっしゃっておられましたけれども、鳥取県の皆さんの地域づくりに対する情熱は素晴らしかったと、それで私たちも学ぶところがあった、というふうにおっしゃっておられました。敵ながら天晴れいうことだと思います。「すなば」に砂を送るということかもしれませんが、そういう意味で向こうからもエールを送っていただいたというぐらい、皆さんは目覚ましい、全国にも印象付ける活躍をされたんではないかと思います。


 皆さまのお働き、1年間に感謝を申し上げたいと思います。そして、大切なのは、私たちは生活者でもあり、家族の一員でもある、地域の一員でもあるということであります。これから、今年は若干短めではありますけれども、年末年始のお休みという期間に入ります。ぜひ、地域の方々やご家族の方々と改めて時間を共有していただき、思いをまた共有していただければと思います。忙しい仕事で、その時間を私ども県庁の方でだいぶん取り上げてしまったかもしれません。その分これからの年末年始、皆さんにはゆっくりと鋭気を養っていただき、また新たな年を爽やかな気持ちでご家族と共にお迎えをいただければと思います。


 残念でなりませんのは、この年11月30日に訃報が入りました。まさに巨星墜つでございますが、水木しげる先生が天界へと旅立たれたことでございます。先般、私もそのご霊前に手を合わせに東京の方に参りまして、ご家族ともお話をさせていただきました。水木先生は、ふるさと鳥取に思いを深くされながら一生を過ごされたことが、私にもその話の端々から伝わってきたところでございます。その水木先生のご遺徳にも報いるように、私たちは新年からまた心機一転新しい鳥取県づくりに邁進していかなければならないのだと思います。


 その水木しげる先生がよく言っていた言葉がございます。「怠け者になりなさい」この年末年始、怠け者になっていただいて結構でございます。しばらく体を休めていただきまして、そしてご家族と共にのびのびと過ごしていただきたいと思います。そしてまた正月、お元気な顔の皆さんと出会うこと、期待を申し上げたいと思います。


 結びに当たりまして、この1年間のご労苦に対し深甚なる感謝を申し上げますと共に、来る年が皆さまに素晴らしい年となることをお祈り申し上げまして、私からの年末の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。

  

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