防災・危機管理情報

人事企画課のホームページ

 

○日時 平成20年11月12日(水)13時~15時30分

○場所 第33会議室(第二庁舎4階)

○出席者 県:行財政改革局給与室  松田室長、難波室長補佐、岡本副主幹
                 前田副主幹

        同 人事・評価室  伊澤室長

教育委員会教育総務課 田中課長、中尾主幹、吉野副主幹

企業局経営企画課   山本課長、山添課長補佐

病院局総務課     嶋田病院局長兼総務課長、稲田課長補佐

県職労:片山執行委員長、山中書記長、河津書記次長 他22名

現企労:上田書記長 他5名

(県教組、高教組、非常勤組合との合同交渉)

 

<概要>

【職員の勤務時間について】

組合:10月30日の第1回交渉以降折衝を重ねてきたところ。

まず、勤務時間についてはどう考えているか。

県:勤務時間については、第1回交渉において、勧告どおり実施したいと回答したところ。

また、その際、時間外勤務等に係る勤務1時間当たりの給料の額の計算方法について、検討すると回答していたが、これについては検討の結果、これまでの「労働日」の考え方を踏まえ、今回計算方法を変えることはしないこととしたい。

勤務時間の15分短縮については、実施したいと考えている。

組合:勤務時間の15分短縮により、勤務時間は1日7時間45分、1週38時間45分となることで確認した。

その場合、県庁の開庁時間はどうなるのか。

県:現在17時30分の閉庁時刻を17時15分に変更することを基本として対応したい。ただし、職場によっては、窓口の関係でそのような対応ができない、17時30分を維持しなくてはならない場合は、職員の勤務時間をずらすなど個別に対応しながら、勤務時間自体は15分の短縮を実施したいと考えている。

組合:昼休憩を1時間15分に延長するなど、職員の勤務時間は短縮しても拘束時間は変更しないというようなことはないか。

県:基本的にはない。

組合:原則としてはあり得ないということでよいか。

県:よい。

組合:公務員バッシングの厳しい中、例え県内民間にあわせての15分短縮であっても、「公務員はいいね」といわれることも考えられる。サービスの低下を踏まえ、他県も慎重である。これらの批判やその対応についてはどう考えているか。

県:人事委員会勧告を受けての勤務時間短縮ではあるが、県民の理解を得ることが必要であり、周知はきちんとやっていきたいと考えている。

組合:実施時期は、来年4月からで変更はないか。

県:変更はない。

組合:1時間当たりの給料の額の計算方法について確認したい。人事委員会がなぜこのような勧告を行ったかはわからないが、当局としては現時点では労働基準法が改正されない限り見直す予定はないということでよいか。

県:よい。

組合:人事委員会が、1時間当たりの給料の額の計算方法について今回のような勧告を行った趣旨は、どう理解しているか。

県:勧告の趣旨の基本は、勤務時間の短縮により行政コストに影響を与えないということである。

現実に、国と同様の計算方法をとっている自治体もあり、それが明確に労働基準法に違反するといいきれるかといえば必ずしもそうともいいきれない、そのようなことも踏まえて、行政コストに影響を与えないようにといわれたものと理解している。

しかし、趣旨はあくまでも行政コストであり、それに対しては時間外勤務を縮減することが基本と考えている。

組合:時間外勤務の縮減については、例年、確定交渉後に労使で詰め切れておらず、今後協議が必要と考えている。

1時間当たりの給料の額の計算方法について、組合は労働基準監督署に確認し、口頭ではあるが違法性が高いとの回答を得ているので、この場でお伝えする。労働基準監督官庁の回答であり、当局にも確認をお願いしたい。

 

【退職手当の対応について】

組合:退職手当は、制度が非常にわかりにくくなっている。単純に「多くもらえるから頑張ろう」だけでいいというものではない。

当局は、職員間で支給額が逆転するなどの不合理な不利益が起きないように対応したいとのことだが、具体的にはどのような措置を考えているか。

県:「わたり」廃止に伴う経過措置期間中であること、「わたり」廃止により今年4月に主任等から引き続き係長級職員となった職員と主事・技師級職員に切替となった職員で退職手当の支給額に「逆転現象」が生じる可能性なども踏まえ、対応措置を考えている。

具体的には、退職手当条例第5条の2に給料の減額に対する規定があり、例えば、「わたり」廃止には適用となる。

同条は、本来給与の減額改定は対象外とするものであるが、今回特例的に、同条に準じた形で取扱いをしたいと考えている。

組合:その場合タイミングによっては、退職手当条例第5条の2の取扱いを実質的に2回受ける職員が生じるのではないかと思うが、それはよいのか。

県:要は、今回の改定による不利益を及ぼさないような方法をとりたいということである。

退職手当条例第5条の2は在職中に給料が変わった場合、給与改定などは除くが、給料のピークの時点で一旦退職手当を計算し、ピーク後の期間について計算した退職手当と合算して支給するという規定である。

今回は、これと同様の方法を活用し、実質的な不利益を回避しようとするものである。退職手当条例第5条の2と、方法としては同じであるが規定としては別となるので、別々に適用が発生することはあり得ると考えられる。

組合:確認だが、現時点で、新設予定の別規定に「わたり」廃止による主任等から主事・技師級職員等への切替を受けなかった職員に限るなどの条件を設け、対象者を限定することは考えているか。

県:今回の改定による不利益を及ぼさないという趣旨であり、現段階で対象者を限定することは考えていない。

組合:「わたり」廃止による主任等から主事・技師級職員等への切替を受けた職員は、当該切替により退職手当条例第5条の2の適用を受け、別途今回の改定により新設される別規定の適用を受ける、ということでよいか。

最終的な回答は折衝で詰めてからとしたいので、本日は回答はしないということで了解してもらいたい。

 

【給料の減額改定について】

組合:次に職員給与の問題に移りたい。

組合は、本年の人事委員会勧告自体に異議がある、そもそもおかしいと主張してきた。地方公務員法第24条で定められている国や他の自治体の考慮が入っておらず、当局にはこのような勧告は認めないでほしいと要求してきた。

第1回交渉において、当局は出された勧告は尊重するという姿勢に変わりはないとの回答であった。

また、地方公務員法第24条についても、国、他の自治体、民間の範囲内であれば、違法ではないと理解しているとのことであった。

法の解釈ではなく、当局は、それらを踏まえ職員の給与水準としてどのような水準が適当と考えるかとの問いに対しては、今現在、当局として法の定める適切な水準値として示せる具体的なものはないとの回答であった。

以上の整理で誤りはないか。

県:今の整理に特に異見はない。

組合:例えば、国、他の自治体、民間の中間を含め、法の求める県職員の給与水準について、現段階では具体的に示すことができる水準値等はなく、勧告内容が明らかに違法であるなどの特別な事情がある場合を除き、勧告を尊重するという整理でよいか。

県:特に異見はない。

組合:第1回交渉で組合は、これまで労使で他県に例のない「わたり」の見直し等に取り組んできた。その見直しにより生じている較差まで含めて、県職員の給与は民間より高いというのはあまりにも問題ではないかと主張した。

当局は、このような組合の主張を受け止めたいということで、この度、

・ 行政職1、2級相当でH18年の給与構造改革による現給保障、H20年の「わたり」廃止による経過措置のいずれも受けていない職員について、給料表の減額改定を見送り、給料を据置きとしたい。

・ これに伴い、人事委員会勧告では若年層の減額改定率緩和のために行うこととされていた国のH19年俸給表に準じた給料表の改定も併せて見送りたい。

・ また、引き続き国のH18年俸給表に準じた給料表を使用するに際し、教育職給料表(1)及び(2)の2級と3級の間に、当局が推測した「特2級」を加えたい。

との提案を行った。

県:正確には、「推測」というより、H19年の教育職モデル給料表の考え方に沿った形で、ということである。

 

組合:まず、給料表の話から入りたい。

今回、国のH18年俸給表に準じた給料表を使用するに際し、教育職給料表(1)及び(2)の2級と3級の間に、「特2級」を加えるということについて、誰が提案者となるか。

県:県当局全体ということになる。

組合:その場合、事後に人事委員会に確認することとなるのか。手続きはどう考えているか。

県:改正条例の提案時に地方公務員法に基づく人事委員会意見をいただくこととなる。

組合:非常にイレギュラーな形になると思うが、労使で給料表を決めて、議会で人事委員会の意見を聞く、という場合、もし人事委員会がだめといったらどうなるのか。人事委員会勧告以外にも給料表の作り方はあるということになるのだろうか。

県:今回の給料表の取扱いについては、労使で人事委員会勧告と異なる給料表を作ったり、人事委員会勧告で示された給料表を変更するものではなく、人事委員会が勧告で示した給料表をベースに、勧告の趣旨を踏まえた調整を行うものと考えている。

組合:勧告の趣旨は尊重という理屈において、人事委員会勧告と異なる給料表を、議会で人事委員会の意見を聞いて定めることは、制度的には可能と考えるか。

県:あくまで手続き的にではあるが、可能と考えられる。

組合:勧告の趣旨は尊重という理解は、自由度が上がるというメリットと、制度が不安定になるというデメリットの両方がある。

以上は、ものごとの整理として聞いたものであるが、教育職給料表についての窓口はどう考えているか。教組と教育委員会に任せているのか、それとも知事部局が受けるのか。

県:教育職給料表については、任命権者全体で提案を行っているものであり、窓口は内容に応じて決まるものと思う。教員については教育委員会、知事部局に係ることであれば我々である。

組合:それでは個別に対応とする。ただし、個別に解決できない課題については、合同もあり得るという整理としたい。

 

組合:それでは、主事・技師級職員の給与水準の話に移りたい。

当局は、人事委員会勧告に沿って、若年層の給料を据置きという提案を行い、組合からはそれでは不十分との回答を行ったところである。

行政職1、2級相当の、主事・技師級職員については、H18年の給与構造改革による現給保障、H20年の「わたり」廃止による経過措置を含めても、既に給与水準は民間より低い。

低い部分が、若年層に多いということもわかるが、当局は年齢給ではなく、これまでも職務給で一定の整理を行ってきたはずである。

行政職1、2級相当の、主事・技師級職員については較差がない以上、据置きを若年層に限るとした当局の提案では不十分であり、現実に均衡している者は(給料を)下げないでほしい。

県:今回の勧告が職員にとって非常に厳しいものであることはこれまでもお話ししてきたとおりであるが、地方公務員法の定める人事委員会制度、勧告制度があり、今回の勧告についても内容については十分検討の上で、やはり勧告に従わなくてはならないと考えている。

しかし、第1回交渉において、組合側の主張も受け止めたいと回答したところであり、現時点で若年層の給与水準が低いという状況も踏まえ、勧告は基本的に尊重しつつ、その趣旨を逸脱しない範囲での配慮をということで、今回のような提案を行ったものである。

若年層の問題は、本年の人事委員会勧告でも指摘されており、そもそも勧告が一旦国のH19年俸給表に準じた給料表の改定を行うこととしているのも、若年層の給料の減額改定率を引き下げるためである。

県としても、勧告の趣旨を逸脱しない範囲で、できる限りの配慮を検討し、提案させていただいたものである。

組合:確かに若年層の問題は、本年の人事委員会勧告にも書いてあるが、若年層の給料が本当に民間より低いのかは、人事委員会は認知しているのかもしれないが、データとしてはわからない。

組合は、人事委員会にデータを公表してもらい計算した結果、行政職1、2級相当については、H18年の現給保障、H20年の経過措置を含めても、給与水準は民間より低い。

組合として、できるだけ給与は民間に合わせなさいというものではないが、当局に認知してほしいのは、組合員の範囲では公民較差は△1.25%しかない、この事実を受け止めてほしい。これに対し、管理職層の公民較差は約△12%である。

なぜ組合員が△3.24%もの公民較差を負担しなくてはならないのか。人事委員会がこの点を把握しているかどうかはしらないが、民間重視といいつつ配慮されているのは行政職1、2級相当のうち若年層のみである。しかし、組合員の範囲では、公民較差はH18年の現給保障、H20年の経過措置を含めても△3.24%もない。

組合の計算では、公民較差は管理職の影響度が70%にのぼっている。このことは情報として強く言っておきたい。

それを踏まえて、組合としても給料表の級別や年齢別に細かくわけて要求しようとするものではない。しかし、既に公民が均衡している部分については据え置いてほしい、ということである。

当局は既に、勧告の趣旨を踏まえてといいつつ、H18年の現給保障、H20年の経過措置の対象者を除く行政職1、2級相当の職員について給料の据置きを提案している。

組合としては、これらの対象者も除かないでもらえないか、それ以外の較差については、皆で負担してもいいからという提案であり、事実からすれば大きく妥協した対案と考えている。当局側の回答を伺いたい。

県:基本が人事委員会勧告の尊重であることは、従来から変わりはない。

県側の提案も、勧告の趣旨を逸脱しない範囲で検討したものである。若年層については、勧告が一旦国のH19年俸給表に準じた給料表の改定を行うこととしているのも若年層へ配慮するためであり、今回給料表の据置きを提案したものであるが、組合案では若年層以外の職員がかなり含まれることとなる。

さらに、給料表の級別に公民の給与水準を比較して較差を修正するということになれば、給料表全体の構造の問題であり、給料表の構造が今のままでよいかは議論があるところではあるが、そうなると公民比較のみではない、十分な検討が必要となる。

この度の勧告は給料表の構造を直すというものではないし、給料表の構造ということであればそれこそ人事委員会の権限であり、労使のみで決めるようなことは適切ではない。

よって、組合案のような、H18年の現給保障、H20年の経過措置の対象者を含む行政職1、2級相当の全職員について給料を据え置くことは適切ではないと考える。

組合:給料表の構造を変えてほしいなどとはいっていない。据置きの範囲を拡大してくれとしかいっていない。

事実として、管理職に公民較差の殆どの要因があり、組合員にはない。それを踏まえて、もう少し考えられないのか。

県:問題は二つあると思う。

一つは、給料表そのものに内在する構造上の問題である。

県職員の給料は、H18年の現給保障、H20年の経過措置を除く給料表のみでは現段階で民間をやや下回る、つまり、給料表自体は民間とほぼ均衡する一定の構造を持っている。

管理職が高く若年層が低いということ、つまり給与の「フラット化」が遅れていることや、給料の配分がそのようになっていることは、給料表の構造の問題である。

もう一つは、今年の公民較差の中身は現実には給料表というよりも、この点は組合からも意見があり、我々も認めたところであるが、H18年の現給保障、H20年の経過措置によるものであり、制度値を上回る部分が公民比較の対象となっていることである。

この点の是非は、委員長も言われるとおり、組合としては不条理と考え、我々も厳しい勧告と申し上げているが、確かにこのような制度値を上回る部分をどう取り扱うかは議論のあるところでもある。

しかし、そのような経過もすべて承知の上で、その較差も比較対象として、民間水準への引下げをというのが今回の勧告の趣旨である。

勧告の内容に対しては様々に意見はあるだろうし、厳しい勧告であることは我々も認めるが、そのような勧告が出ている以上、勧告の趣旨を踏まえて対応する必要がある。

我々としても、例え部分的にではあっても、勧告を外れるということは大きな決断であった。どの程度なら逸脱しないのか、許容範囲か。最終的には議会で人事委員会の意見を聞くが、勧告の内容には部分的に添わないが、勧告の趣旨を踏まえて修正が許される部分ではないかと考えたものである。

組合:給料表の構造の話はしていない。そういった問題は呑み込むから、行政職1、2級相当は外してくれというそれだけのことである。

勧告については、ただ今言われたとおりであろう。しかし、H18年の現給保障、H20年の経過措置は終了しても、管理職に大きな較差は残る。それを今すぐ見直そうというのではない、呑み込むから行政職1、2級の、既に公民が均衡している部分については、「若年層」の解釈を拡げるなどして、据置きという考えに立てないかというだけである。他のことは、すべて呑み込むといっている。

県:組合のいうとおり、H18年の現給保障、H20年の経過措置対象者を含む行政職1、2級相当の全職員ということになると年齢の高い方まで入ってしまい、それが若年層に配慮という勧告の趣旨を逸脱しないのかということである。

こちらも様々に検討した上で、H18年の現給保障、H20年の経過措置対象者を除く行政職1、2級相当の据置きを提案したものであり、年齢が上の職員も入るということであれば、若年層に配慮という勧告の趣旨からは外れるのではないかと考えている。

組合員:勧告の一番大きな趣旨は、民間より高いからその分を下げろということではないのか。

組合:初任層のどこまで民間の方が高いのかという議論をする気はないが、当局側の主張では整理ができないと感じる。

県:個別にいえば、公民較差は給料表の級や年齢ごとにさまざまであり、民間と一致はしていない。しかし、どこかで線を引くとしても、公民較差にかい離があるから合わせるというのは、構造の問題である。

組合:行政職1、2級の給料表の構造は決まっているではないか。H20年の経過措置も、3年後には終息する。

組合:H18年の現給保障、H20年の経過措置を除けば、県職員の給与は民間よりむしろ低くなる。

組合:行政職1、2級にはH18年の現給保障の対象者はごく僅かであり、3年後にはH20年の経過措置も終息して、給料は給料表どおりとなる。組合は、給料表の構造を変更しようとするものではない。

県:「給料表のうちこの部分は民間と既に一致しているから」ということであれば、給料表全体の中での話となり、給料表全体の構造は、様々な話はあるだろうが、十分な検討が必要な問題である。

行政職1、2級は均衡しているから据置き、ということでは、結果として給料表の構造を変更することになる。

組合:給料表の構造を変えようとするものではない。

勧告の趣旨が若年層への配慮だから範囲を限定せざるを得ないというのであれば、この事実を目の当たりにして、行政職1、2級に民間との均衡層があれば、そこまでは減額改定から外してはもらえないのか。

管理職の減額改定率を上げろとか、そういう話をしているものではない。

組合も、これまでこのようなデータを知らなかったのは事実であり、昔はもっと吸い上げられていたのではないかという疑問も生じるが、管理職とのこのような較差をなぜ当局や人事委員会は放置しているのかという単純な疑問である。

そのような問題を直ちに直せるとも考えていない。当局の配慮について、行政職1、2級相当は民間と均衡しているという事実から、配慮の範囲を拡大してほしいというだけであり、勧告尊重を変えてくれといっているわけでもない。

県:勧告尊重を前提として、もちろん定量的なものではないが、調整できる一定の幅がある。

勧告を尊重といいつつ大幅な修正というのは困難であり、組合側の主張は受け止めるが、修正はできないと考える。

理由の一つは、修正の幅、ボリュームである。

もう一つは、そういった経過もすべて呑み込んで、敢えて民間との格差解消を勧告されたことである。

今年の公民較差をどのように解消するかについては、いくつかの方法論があり、検討も行われたものと承知している。その上で最終的には、国のH19年俸給表に準じて給料表を改定することで若年層には一定の配慮をしつつ、基本は一律に△3.5%減額改定を行うべきという勧告であり、この経過と趣旨を踏まえるということである。

県としても行政職1、2級相当の本来給については据置きを提案している。ただ、それを上回るH18年の現給保障額、H20年の経過措置額については、本来給を上回る支給を受けていることも踏まえ、△3.5%から外すことは適当ではないと考えている。

給料表の構造に及ぶ部分は今すぐには変えられないし、組合もそこに触れる気はない。

二つの問題うち、一つは抜本的な問題であり、今直ちに解決できる環境ではない。とすれば、残る問題は一つである。

組合:だから、組合はその残る一つを要求しているのである。

県:こちらも、その要求を受け止めた上で、それが難しいという理由を申し上げているのである。

組合:組合も、勧告尊重は踏まえた上で提案している。当局は、組合の提案は勧告からあまりにも大きく離れているということか。

県:そのように考えている。

組合:県職員の給与については、人事委員会の勧告、労使の交渉、最後は議会で決定というのが流れであり、その大原則は県民の理解である。

行政職1、2級相当は民間と比較しても低いから、これ以上下げるべきではないということは、納得性が高いのではないか。

組合員には行政職3級相当以上の職員もあり、彼らはその級の本来の公民較差よりも大きな引下げとなる。しかし、県民に理解が得られるギリギリはここではないかと考えて提案しているものである。

県:人事委員会が報告の中で、若年層に課題があることを明記しており、県も人事委員会からその旨の説明を聞いている。減額改定率の△3.5%についても、議論があったと聞いている。

明らかに触れられている部分について調整を加えたとしても、それは勧告の趣旨の範囲内という根拠がある。しかし、組合の提案は、それを超えた、全年齢に及ぶ修正である。

組合員:若年層に配慮というなら、国のH19年俸給表に準じた給料表の改定を行わない方が尊重といえないのではないか。

県:勧告にある、国のH19年俸給表に準じた給料表の改定とは、若年層の給料について一旦引き上げた上で、△3.5%の減額改定を行うことにより、若年層の減額改定率を緩和しようとするものである。

県の提案は、勧告にある若年層の減額改定率緩和を、据置きにしようとするものであり、若年層への配慮という勧告の趣旨に添ったものだと考えている。

組合:都合のいいところだけ話をしないでほしい。勧告の趣旨に添う方向で、勧告にある給料表の改定をしないこととしてもよいという説明はわかったが、それが聞きたいのではない。

組合は、給料表の構造の話をしたいのではない。給料表全体の変更をという要求がないのではなく、要求は持っているが今したいとは思っていない。

人事委員会勧告の趣旨を拡大して解釈はできないか、我々が言っているのはそれだけである。行政職1、2級相当もその範囲内といえると思う。それを当局はできないといっている。組合は、行政職1、2級相当を据え置いてくれるなら、他のことは全部呑み込もうと言っているのである。

県:組合側の趣旨はわかったし、繰り返しにもなるが、勧告の趣旨は「若年層」であり、行政職1、2級相当全員ということであれば、その趣旨の範囲を超えている。

組合:行政職1、2級相当は、H18年の現給保障、H20年の経過措置により本則より給料が高い人も入れて民間と均衡しているのである。本則より給料が高い人を入れれば民間より高くなるというのであれば考えなくてはならないだろう。しかし、本則より給料が高い人も入れて、それでもなお民間と均衡しているのである。

組合:当局の提案は勧告の趣旨を逸脱していないか。

あの厳しい勧告にさえ、国のH19年俸給表に準じて給料表を改定するという配慮があった。それを、行政職1、2級相当は据置き、それに伴って給料表の改定も行わないということであれば、教育職(1)の2級24号給から44号給の職員は、国のH19年俸給表に準じた給料表改定により減額改定率が緩和されていたことさえ否定されてしまい、当初の勧告よりさらに厳しい提案となる。

それで若年者への配慮はどこにあるのか。当局の提案は若年層に配慮という勧告の趣旨を逸脱していないか。

県:ご指摘の点については、所要の調整は必要と考えている。

県:その点は昨日の事務折衝において組合側から話を受けたが、若干説明も交えてお答えしたい。

国のH18年俸給表からH19年俸給表への改定では、国の俸給について、フラット化が遅れており、若年層部分に課題があるという認識で、公民較差を若年層に重点配分し、若年層だけ給料月額が引上げとなっている。

この際、給料月額が引上げとなった範囲と、今回当局が給料の据置きを提案している行政職1、2級相当の範囲が微妙に異なるため、そのずれている部分の職員についてはご指摘のとおり、据置の対象とならず、また、国のH19年俸給表に準じた給料表改定も行われないことにより、当初の勧告より給料水準が低くなるのではないかという問題が生じる。

事務折衝の時点では、我々も検討が詰め切れておらずお答えできなかったが、給料の据置きを一定の級号給で終了すると、△3.5%の減額改定を実施号給との間で給料月額に逆転が生じることがある。

特に行政職1、2級相当の範囲が2級の中途で終了している教育職の場合、次の号給からいきなり△3.5%を減額改定することはできず、徐々に減額改定率を上げていくという調整を行わざるを得ないので、そこで検討できる余地がないかと考えている。技術的な話は後ほど行いたいと考えている。

組合:研究職についてはどうか。

県:教育職と同様に行政職1、2級相当の範囲が級の中途で終了するものについては考慮していきたいと考えている。

組合:事務折衝でも、この部分については乱暴だったと思う。きちんと話をしないと結論に達することができない。

 

組合:そもそも、当局は勧告にこだわっているが、組合員の公民較差は△1.25%である。それなのに、△3.24%も給料を引き下げられる覚えはない。

組合員:これまで出ていなかったデータが出ているのだから、これまでと同じ提案、回答では通らない。上の職員のことは敢えて言わずにいるが、このままではそれも言わざるを得なくなる。

県:給料表の級別にみれば、それぞれ高い、低いがあることは確かだが、それは十分に検討しなくてはいけない問題であり、今年の勧告はその問題については触れず、基本は一律に減額改定すべきというものである。

組合:勧告では、組合員と非組合員をわけたことはない。それはこちらもわかっている。しかし、情報公開が重要であり、事実であればそれを斟酌してほしいということ。

勧告が、組合が指摘するような状況まで踏まえたものだとは思われない。

県:人事委員会が、自ら持っているデータを踏まえずに勧告を行ったとは考えがたい。

組合:公民較差の主原因、70%は管理職にあり、非管理職は△1.25%しか公民較差はない。しかも、H18年の現給保障、H20年の経過措置を含めての△1.25%である。これでは、管理職の公民較差を非管理職に負担してくれと言っていることになる。

県:誤解がないよう申し上げておくが、当局としては、そういう勧告を受けているということであり、その上で、勧告の趣旨を踏まえてどこまでならできるのかを話しているのである。

組合:給与カットの話はあまり持ち出したくはないが、給与カットのときは財政難で勧告に添えないということであった。

今回は、そこまで大きな話ではないかもしれないが、事実として民間と均衡しているから勧告に添えないという判断はないか。

県:勧告の趣旨からして、それは困難である。

組合:そんな話をしているから、事実に基づいた話ができない。それなら、管理職を△12%下げてくれと要求しようか。

勧告は、本年はできるだけ民間に近づけると言っている。それを踏まえた上で若年層に配慮といっているのだとは思うが、どこでどう捉え、どう配慮するかは、労使で決められる話ではないのか。

給料表の構造を変えるべきなどとは誰もいっていない。しかし、データが出て、皆がわかった。管理職の公民比較については、比較方法にも問題があることは承知しているが、職員の配分を考えたら明らかではないか。この事実は、知事に伝わっているか。

組合は、それも踏まえて、後は呑み込むから、給料表の構造を検討するモラトリアムを持とうと言っているのである。相当妥協するから、一緒にものを考えたいと言っているのである。そのために、本当は△1.25%しかない公民較差も上積みすると言っているのである。このことを、知事は理解しているのか。

県:交渉については、経過を含めて知事にも情報を上げている。それを踏まえて提案を行っている。

組合:非管理職の公民較差は△1.25%、殆どの職員は民間と較差がないことは理解してもらっているか。その上で、勧告だから仕方がない、管理職を優遇せよというのが知事の労務管理だということか。

県:若年層に配慮するが、勧告は重く受け止める必要がある。その中で、どこまでならできるのかということで案を示させていただいているのである。

組合:勧告が出た以上仕方がないとしても、事実を見た上ではしようがないのではないか。

事実をもとに考えれば、管理職に較差があり、組合員には較差がないとわかった上で、組合員に負担してもらいましょうということ。普通、民間なら逆。民間は不変ではないから言わないが。

その上で、配慮するのは初任層だけでいいと言われたのであれば、管理職優遇の考え方を出されたということである。

事実は事実として捉えるしかなく、そうだとすれば、事実は認知して、再検討することはできないか。

県:最大限どこまで配慮できるかを検討した上で、やはりここまで、勧告の趣旨の範囲内でここまでならと考えている。

組合:一律△3.5%というのはわかったが、△12%の公民較差がある管理職も△3.5%しか引き下げられない。室長補佐級には公民較差はないのに、同じく△3.5%引き下げられる。一律だからしかたがないということか。

下の組合員はそう思えるから呑み込むと言っている。しかし、上の管理職として呑み込めるか。

県:個人的な思いは別として、制度として人事委員会勧告を受けたときにできるのはここまでだということは理解してほしい。

公民較差表によると管理職と高齢層で給与が高く、若年層で給与が低いのは問題はあると思うし、検討が必要であることも認識している。しかし、すぐに見直すことはできないので、十分な検討は必要だと思う。

今回については、勧告の趣旨の範囲内で、できる限りの提案を行っている。

組合:勧告は管理職と非管理職の比較などはしない。たまたま勧告とは別にデータを手に入れて話をしている。

こういう事実を聞いてまで、勧告は一律だから、本当は負担しなくていい級まで給料を引き下げるということはやめてくれと言っている。細かいことをいいだすと大変だから、単純に行政職1、2級と言っているのである。

本年はできるだけ民間の給与に合わせるというのが勧告の趣旨であるなら、既に均衡しているものをさらに引き下げる根拠はない。

人事委員会勧告にも、若年層への配慮よりも前の頁に、本年はできるだけ民間の給与に近づけるべきと明記してある。

ただ、細かくいいだすと混乱するので、給料表の級で括ってほしいと言っているのである。

再検討は、しないということか。

県:再検討をしないというのではなく、それらも含めて知事と協議した結果が今回の提案だということである。

いくつかの案を持ち込んで協議を行いその結果、組合側の主張とはなお隔たりもあり、また、組合側の思いも否定しないが、いくつかの案の中で、敢えて勧告を調整しようとするものである。

様々な課題の意見は受け止め、個別の課題についてもそのとおりではあるが、しかし、現実に勧告が知事と県議会議長と、そして県民に示されている、それに県が従わなかったとすれば、それはよほど特別な事情があった場合である。

知事も考えられ、我々も知事と協議、検討した結果、今回の提案が勧告の範囲内で可能な最大限の修正ではないかと判断している。

今日の結果は、経過も含めて知事にも報告はするが、これまで県が検討していないわけではないことは理解してほしい。

組合:当局が、これ以上再検討はしない、というのであれば、交渉はできない。

非管理職の公民較差は△1.25%しかない。管理職の公民較差は12%である。人事委員会制度は例えそうであるとしても、それで全員で一律に△3.5%引下げというのは世間の常識にはない。県民も理解しないと思う。

県:勧告は現実になされている。

組合員:当局は、組合のいう事実は認めるのか。

県:人事委員会から提供されたデータについては、否定はしない。

組合:非管理職の公民較差△1.25%は、人事委員会から提供されたデータに基づき組合で計算したものである。

組合員:組合としては、本来は非管理職のことだけを考えて主張してもよいのだが、人事委員会勧告の趣旨もあり、我々はどこまでなら譲れるのかを考えた上での提案である。当局は、再度検討する意向はないのか。

県:県としてもできる限りの提案を行っており、現時点ではこれ以上は申し上げられない。

組合:ではいつならできるというのか。そんな回答ならもう交渉はできない。

県:今後の折衝を含めていえば、現状では、行政職1、2級相当のH18年の現給保障、H20年の経過措置対象職員の給料の減額改定の率について、組合側の主張する0%から県の主張する△3.5%までの幅がある。

経過措置の減額改定の仕方など、配慮になるかどうかはともかく、県としても一定の配慮は必要と考えており、現段階では具体的にお示しはできないが、またお示ししたいと考えている。

しかし、本体の行政職2級全員の給料据置きについては、難しいとお答えせざるを得ない。

現段階が困難な場面であることも、勧告の内容が厳しいことも、ともに承知しているが、ただ、どこかで労使で合意を成立して、勧告を実施したいとの一心で、本来は勧告そのままというところを、十分かはさておき、精一杯の努力をしているところであり、また、今後お示しする部分でも精一杯の努力をしたい。交渉が止まるようなことは避けたいと考えている。

組合:当局として、交渉できる部分はある、ということか。

県:100%か、そうでなければ0%だといわれるのであれば非常に難しいが、段階的な引下率の移行措置や、経過措置の給料減額改定の方法などで、△3.5%までは減額改定しないという、具体的な考え方をお示しする用意はある。給料の減額改定を0%に、ということは無理でも、緩和できる用意はある。

組合:勧告尊重といえば、勧告の解釈論になってしまう。それは一先ずおいてほしい。

計算が違ったら申しわけないが、非管理職は公民較差が△1.25%で月例給の減額改定が△3.24%、差額の2%を返してほしい、ということである。

現実として民間と均衡しているから据置きにしてほしいという主張と解釈してもらってもよい。

当局は、若干色をつけようかということか。

県:組合側の主張の趣旨は理解している。大きな考えとして、行政職1、2級相当全員は無理でも、据置が終了する号給の1号上の号給でいきなり△3.5%減額改定ではなく、徐々に減額改定していくやり方や、経過措置額についても、全体に△3.5%の減額改定を行うのではなく、差額部分を除いた、ベースとなる本体部分を対象に減額改定を行うなどについて検討しているし、そういった部分については、これからも話をしていきたいと考えている。

組合:当局は、18日の議会運営委員会に給与条例等の改正案を提案したいといいながら、まだ組合側に言っていないことがあるということか。

経過措置額の減額改定率の緩和を検討というのはどういうことか。行政職2級相当の職員については、ということか。

県:そうではなく、H20年の「わたり」廃止による経過措置のことである。事務折衝でも検討中であることはお話ししたはずである。

組合:当局が検討するというなら止める気はない。減額改定率が緩和されるのもよい。しかし、それは人事委員会勧告の趣旨からずれないのか。どう整合を考えているのか。

県:これは、若年層への配慮とは別個である。

組合:配慮には違いないだろうが、話として合わない。組合側は、それも含めて行政職1、2級相当は据え置いてほしいと要求している。

 

組合:当局が、行政職1、2級相当全員について据え置くことを、考える気もないというのであれば、組合としては交渉の場に座り続けるしかない。組合は、事実から、そんなに無茶苦茶なことはいっていない。

県:組合のいうような、そういったこともすべて呑み込んだ上で勧告が行われているのであり、その内容の是非を議論するのではなく、その勧告を踏まえて議論を行いたい。

今日の状況を踏まえて、ここで結論をということでなければ、状況を踏まえて再度協議を行う心準備はあるが、組合側の主張をそのまま、すべて受け入れることはやはり難しい。

組合はそれでは交渉にならないといわれるが、しかし、0%か100%しかないといわれるのであれば、妥協できないと言わざるを得ない。

お互いに交渉を行っているのであり、もう一歩ずつ前に出られないかというのが交渉だと思う。デッドラインだといわれるのであれば、持ち帰ってそう報告するしかないが、少しでも折り合える余地というものはあるのか。

組合:非管理職については、本当は△1.25%の減額改定が限度、それを譲ると譲歩しているのである。事実として、我々も公民較差がわかっている。それを譲ると、譲歩して今回の提案を行っているのである。

人事委員会勧告とは違う、もらっているお金からの話である。そこで、これ以上に譲り方の細かい話をしたくはない。

組合員:こちらは、本当は管理職のことまでいいたい。

組合:それをいわないと、譲歩をして交渉に臨んでいるのに、その話をもっとしませんかというのは。

県:我々としても、人事委員会勧告から、できる限りのところまで出しているのが提案である。

組合の要求は、あくまで行政職1、2級相当全員を、H18年の現給保障、H20年の経過措置の対象者を含めて減額改定から外すことであり、それ以外の部分での配慮は議論や考慮に値しない、つもりもない、ということでいいか。

組合:いわれる趣旨がわからない。

県:組合は、我々が先ほど口に出した他のことは考慮の対象にならず、行政職1、2級相当全員を減額改定から外すことを考えてくれということか。

いいかえると、我々は、それ以外の点についても考えていたが、それらは値しないから、とにかく行政職1、2級相当全員を除かないと考慮に値しないということか。それとも、改めてほかに何ができるか、検討の余地はあるのか。

組合:あくまでも、行政職1、2級相当全員ということが基軸である。

当局がそれを100%まったくしません、というのであれば話にはならないが、99%ならまったく受け入れる余地がないかといわれれば必ずしもそうは言わない。あるいは、98%なら受け入れるかもしれない、ただ、基本はあくまでもそこということである。

県:ここで最悪の結論は迎えたくない。自信はないが、検討は行う。組合も、折り合える部分の有無は検討してほしい。

組合:労使関係は未だ崩れてはおらず、また、守るべき事項だと思う。しかし、本日の話は、知事等にも素直に伝えてほしい。これは、知事の労務管理のあり方につながる話である。

県:しかし、だから人事委員会勧告に従わない、ということもない。

組合:組合も、人事委員会勧告に従うなとは言っていない。

県:人事委員会勧告に従う、問題はその「従い方」である。

 

組合:17日の第3回確定交渉が実現することを願うばかりである。

県:こちらとしては、是非お願いしたいと考えていることはお伝えしておく。

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000