防災・危機管理情報



 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2016年8月3日

山の日制定記念 三徳山・小鹿渓ふれあい自然体験教室

 今年(平成28年)より8月11日が「山の日」として国民の祝日になります。
 山の日の制定を記念して、7月30日(土)に国立公園三徳山と名勝小鹿渓で、ふれあい自然体験教室を開催しました。
 当日は30名(大人19名、小学生11名)の参加者があり、元中学校校長で三徳山の植物に詳しい森本満喜夫氏と環境省レンジャーの解説を聞きながら、三徳山山麓や小鹿渓の遊歩道を歩き、それぞれの場所の特色ある植生を観察しました。

 まず、三徳山休憩舎でオリエンテーションを行った後、投入堂の見える遥拝所まで県道沿いを歩き、三徳山のヤブツバキやアカガシなどの照葉樹林を観察しました。森本満喜夫氏からは、投入堂の上にあるヒノキは自生であり県内では珍しいことなどをお話しいただきました。

森本満喜夫氏の解説【三徳山山麓】
森本満喜夫氏の解説【三徳山山麓】

 続いて、三徳山北側のウォーキングセンターに移動して三徳山について学習しました。環境省の大利茜アクティブレンジャーからは、平成26年3月19日に三徳山が国立公園に編入された理由を説明していただきました。国立公園の概要、大山隠岐国立公園の説明、三徳山の植物や地形の特徴、大山と三徳山の共通点についてパネルを使って分かりやすく説明があり、参加者の皆さんは熱心に耳を傾けておられました。

環境省大利茜アクティブレンジャーより国立公園の説明
環境省 大利茜アクティブレンジャーより国立公園の説明

 森本満喜夫氏からは、照葉樹林(アカガシやウラジロガシなど)と夏緑広葉樹林(ブナやイヌブナなど)が途絶えることなく連続していることが三徳山の植物の特徴であり、この植生の連続は文殊堂の下の標高400m付近で見られることなどをお話しいただきました。その後、三徳山をバックに参加者全員で記念写真を撮りました。

三徳山をバックに記念写真
三徳山をバックに記念写真

 その後、三徳山の南側にある小鹿渓にバスで移動しました。バスの中では環境省の西大輔首席自然保護官兼米子自然環境事務所長より、国立公園の仕組みを解説していただきました。また、大山隠岐国立公園が国立公園満喫プロジェクトのモデル地域に選ばれたことの紹介がありました。森本満喜夫氏からは、車窓から見える木々の解説をしていただきました。

 小鹿渓に到着後、遊歩道入口【標高380m】から散策を開始し、森本満喜夫氏の解説を聞きながら、滝や淵が点在する小鹿渓の植生を体感しました。


森本満喜夫氏の解説【小鹿渓】
森本満喜夫氏の解説【小鹿渓】

 森本満喜夫氏からは、小鹿渓の地形や植物の特徴を詳しく説明していただきました。小鹿渓の成り立ちの説明、小鹿渓の岩は花崗岩であること、昭和30年代に中津ダムが完成したことにより小鹿渓を流れる水が少なくなったこと、小鹿渓は三徳山と同じように照葉樹林(ウラジロガシ、ヤマグルマなど)と夏緑広葉樹林(ブナ、イヌブナなど)の混生が見られること、ブナが標高の低いところで見られること、トチノキやサワグルミなど渓谷林の説明、三徳山や小鹿渓にはイヌブナが生育するが大山では見かけないことなど、大変貴重なお話しをいただきました。また、ブナとイヌブナの葉の違い、エゾアジサイ・クサアジサイ・ハナイカダ・ヤマグルマの葉の違い、山で気をつけるべき植物(ツタウルシ、ミヤマイラクサ)の葉の違いなど、実際に幹や葉を確かめながら解説していただき、子供達にも分かりやすいようにクイズや実際のエピソードを交えながらお話しいただきました。

 参加者の皆さんは幾分涼しい遊歩道を歩き、水晶滝などの滝や淵を眺めながら、小鹿渓の自然や植物を満喫されていました。参加者の皆さんからは、次のような感想がありました。

~参加者アンケートから一部抜粋~
【大人の参加者】
 ・説明も分かりやすく、ただ歩くより興味深く回れました。
 ・イヌブナが知れて良かったです。
 ・親子で大自然を満喫できてよかったです。子供たちもとても喜んでいました。
 ・子供も楽しめました。大人にはいろいろな植物の話を聞けて大変勉強になりました。
 ・メモをとりたいくらい、たくさんの草木等の名前を教えていただけて、とても勉強になりました。
 ・ゆっくり草木の説明をしていただき、良かったです。
 ・楽しい会でした。良い山の日となりました。
【子供の参加者】
 ・いろいろな木や植物を上手に教えてくれたので分かりやすくてよかったです。
 ・楽しかったです。
 ・自然がきれいで参加してよかったです。
 ・いろんなことが知れてよかった。楽しかった。
 ・イヌブナがわかって良かったです。
 
 ふれあい自然体験教室を開催したことで、参加者の皆さんにとって山に親しむ絶好の機会となったようです。

 真夏の暑さの中、ご参加いただきました皆さんありがとうございました。
 
 ふれあい自然体験教室の開催にあたって、ご講義いただいた森本満喜夫先生をはじめ、ご協力いただきました環境省米子自然環境事務所の皆様、及び関係各位には心より感謝申し上げます。

 鳥取県では「山の日」制定を記念して、さまざまな取り組みを行っています。詳しくは、下記のページをご覧ください。

とっとり「山の日」ページ

中部総合事務所環境建築局 2016/08/03 in 県立自然公園,国立公園,植物



問合せ先

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課

(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
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