夏蔦(ブドウ科ツタ属)と冬蔦(ウコギ科キヅタ属)と呼ばれているものがあります。紅葉するツタが「夏蔦」と呼ばれるのに対し、常緑のキヅタが「冬蔦」と呼ばれています。
ツタの紅葉。平安時代には樹液を採り、煮詰めて甘味料「甘蔦煎(あまずらせん)」を作ったので、「甘蔓」と呼ばれていたようです。2011年には、奈良女子大「文化史総合演習」チームが「甘蔦煎」の再現に成功したようです。
ツタ(夏蔦)とキヅタ(冬蔦)の花と果実の違いを比べてみましょう。
ツタ(夏蔦)の花は、6~7月頃に咲き、ブドウの花によく似ています。
果実は秋に黒く熟し白い粉がつきます。ブドウによく似ていますが、完熟したものを食してもいつまでも口の中に苦味が残り、食用には適用しません。
キヅタ(冬蔦)の花は、10~12月に咲きます。ツタ(夏蔦)の花とは全然違います。
果実は翌年の5~6月に黒く熟します。こちらも食用には適していないようです。
日野振興センター 2017/10/30